碇シンジ寝取り道中膝栗毛


Original text:引き気味


08. 「某ネルガル社編T」

煌く太陽。抜けるように青く、高く、頭上に広がる空。そして白い砂浜。
打ち寄せる心地良い潮騒と共に一望に広がるのは、水平線まで遮るものなど何も無い、見渡す限りのエメラルドグリーンの海だ。

そこは赤道直下、太平洋に浮かぶテニシアン島。
ダイビング向きの美しい珊瑚礁に囲まれた、それこそ観光業者が最上のリゾート地だと小躍りして開発に乗り出してしまいそうな素晴らしい景色であるが、これがまるごと島一つ個人所有の別荘地なのである。
勿論それは、南国情緒満点のヤシの木が落とす日陰に置いたビーチ・チェアで、まったりとトロピカルジュースを飲んでいたりするシンジのことではない。
この少年がやっているのは例によっての―― 寄生とか、ヒモとか、廂を貸して貰ったついでに母屋どころで無く何もかも頂いてしまうだとか、そんなもの。
しゃぶり尽くされてしまっているのが、ただ今シンジの海パンあたりに顔を伏せて『ぴちゅ、チュ、んクンん……ンッ、はぁム……んっ、ああん 』と少年と喉音合わせるように“飲んで”いる、見るからのお嬢様、アクア・クリムゾン嬢なのであった。

シンジが故郷に放ってきた同い年の勝気な少女よりもよりノーブルな雰囲気の、赤味の無い本当の金色の髪を肩口までで切り揃え、今は砂浜に置いたつば広の日除け帽とセットでコーディネートされた貴族趣味のサマードレス姿。
本当ならば執事でも傍に控えさせて、愛らしい仔犬でもお供に砂浜を散歩しているのが似合いの彼女は、そのせっかくの装いをビーチの砂に汚すのも省みずに跪き、侍らって、年下の少年に唇とはだけた胸乳でもって奉仕している。
一方で、海パンずらして股間をアクアのフェラチオ奉仕に委ねているシンジは趣味の悪い原色のアロハシャツ着用で、ヤクザかチンピラ並みのセンスの悪さを露呈していた。
真実良いとこのお嬢様であるアクアに傅かれるには、年齢のバランス以上に釣り合いが取れていないのだが、

「ふふ。凄いね、アクアさん。お嬢様がそんなにお口のエッチが上手になっちゃって。僕、我慢できずにたっぷり出しちゃったよ」
「ああん、恥ずかしいですわ。そんなにじろじろとご覧にならないで……」

たらたらと飲みきれずに零したシンジの精でむき出しの乳房まで汚してしまっている、その淫らな口元と胸を白い繊手で隠すアクア。
消え入るような声には、しかしシンジの注ぐ眼差しに好色な賞賛を感じ取っての喜色が滲んでいた。
そしてシンジはじっと見詰め続けるだけだ。
それだけで、島の領主の座を愛欲ずくで少年に明け渡してしまった美貌の令嬢は、羞恥以上の恍惚を瞳にこみ上げさせて、乳房を覆う手を下ろしてしまう。

「……ああっ」

睫毛を震わせながらの長い溜息。
ちりちり突き刺す程だと彼女が熱く感じたシンジの視線を受け止める先で、ねっとり白濁液でコーティングされた上品な薄紅の乳首が、ツンと尖り立って一層自己主張を強めてゆく。

―― それだけではない。
たった今まで彼女の唇の内にあって精をしぶかせていた牡槍が、また眼前でびゅくびゅくと欲深い身震いを見せていた。
羞恥と闘いながらアクアが自らまた一歩勇気を奮って晒した媚態に対し、シンジがダイレクトに寄越して返した劣情の証だ。
この、昼日向の屋外での半裸露出と、年下の少年相手に捧げるオーラルセックス。それらは全て、良家の息女に相応しくアクアに幼少から躾け込また淑女の在り方からは気が遠くなりそうに遠い。
夢物語の様な恋に憧れ、陶酔癖を隠さないまま振舞うアクアは社交界では異端と看做されていたが、それだけに乙女としての羞じらいが引き起こす淫行への抵抗感は強かった。
だが今や、シンジと出会い、自らを若き主に全てを捧ぐ愛の奴隷であると規定した彼女は、娼婦にも劣る恥知らずな真似であっても、シンジのいきり立った有様を突き付けられただけで、却って正しく報われたのだと感じてしまう。

「こんな淫らな私に……。ああ、嬉しいですわ、シンジ様……!」

それは紛れもない歓喜。
飼い慣らされたペットが主人の賛辞を何よりもの喜びと受け取るのにも似て、アクアの熟した顔(かんばせ)は一層の華やぎで花開くのだった。

「んふふ。まぁ、素敵な物件じゃない。ガッちゃん。良くもまぁ、こんな島を見付けてきたもんだねぇ」
「恐縮です」
「僕の御殿にするにはピッタリ。何と言っても、管理人にこんな綺麗なお嬢様がセットだしね」

一度放ちながらもまるで力を失わぬシンジの股間で、ふたたび熱心な舌音を立て始めたアクアをさて置いて、シンジはビーチチェアの脇に静かに佇む、玲瓏をそのまま体現したような美女に声を掛けた。
彼女の捧げ持つ銀の盆にグラスを置くと、飲み干されたトロピカルジュースは宙から湧くようにして独りでに量を回復する。
赤い海と化した世界の女神=リリスが、神としては仮免許教習中程度の危なっかしいシンジにサポートとして付けた忠実なる使徒は、当初は宗教画に出る天使そのままであった格好を、今はシンジの説くTPOに合わせたメイド衣装に着替えている。

「うん、やっぱりバカンスは南の島だよ。今度、ミナトさんとユキナさんも連れて来ようか? ミナトさんの水着姿って凄そーだし、ユキナさんには思いっきり大胆なビキニとか着て貰ってさ、きっと真っ赤になって恥ずかしがるんだろうけど……」

それがまた良いんだよねと、禄でもないことに相槌を求めるシンジである。

「アクアさんも歓迎してくれるよね?」
「この島も私も、もう全てシンジ様のもの。お好きになさって下さいませ。精一杯お持て成しさせて頂きますわぁ」

アクアは異を唱えることなど思いも寄らぬと、ただ従順にシンジの言葉を全肯定するだけの見事な仕込まれぶりを見せる。
寝そべるシンジの股ぐらの間からノーブルな麗容を起こし、さらさらの髪をペットのように撫でられてうっとり鼻で啼く態度は、まさしく愛奴のものだ。

「あー、気ぃ持ち良いや。……まぁ、ガッちゃんもさ、こっちに来て早々僕を迷子にしてくれたり、綺麗な島だって言うから見せてよと言えば途中で空から落っことして溺れさせてくれたりしたけど――

結果オーライかなと、ご機嫌のシンジの有難いお言葉であった。
迷子のお陰でミナトさんみたいな素敵なお姉さんに拾って貰えたわけだし。溺れて浜に打ち上げられた結果がアクアに拾われて、やたら甲斐甲斐しく看病して貰って―― 勿論、負けないだけ丁重に「お礼」をさせて貰いましたけど―― いずれもナイスな縁に繋がったわけだしねと。

「……は、大変に申し訳なく……。ですがその、わたくし、疑問に思いますのは、シンジ様のお力ならば……」
「ムッ! うるさいよ。息は出来るようになってても、気分で溺れちゃったの!」
「気分……でこざいますか?」

創造主たるリリスと同じく紅眼に蒼銀の髪のメイド天使は、瞳をぱちくりと繰り返した。

シンジ専属の使徒として誕生させられながら、どうにも以心伝心とはいかぬピントのズレ。
『はて?』といった顔で小首を傾げ気味の彼女は、人間時代の苦手意識でついつい力を使うことも忘れて溺れてしまったという、そんなシンジのこっ恥ずかしさ交じりの機微が掴めるほど、充分な人生経験を積めてはいない。
だからこう―― リリスのおかげで急に能力のレベルアップを果たしたからといって、決して頭の中身まで神様呼ばわりに相応しくなったわけではないシンジの機嫌を損ねてしまうのも、度々なのだった。

「そこ、突っ込み不可。ガッちゃん、一言多いよ。……お仕置きは勘弁したげようかと思ったけど、やっぱ無しね」
「……申し訳ございません。以後、改善に努めます」

生み出されて間も無いが故の表情乏しい顔も、心なしかしょんぼりと。
長い髪をポニーに纏めた尻尾がメイドキャップの後ろでがっくり垂れ下がる。

本人としては誠心誠意仕えているつもりなのであるが、注文が多いこの主人ときたら、未だきちんとした名前で呼んでもくれず、不本意な愛称の『ガッちゃん』止まりだ。
思えばどうも、このお嬢様だとか、主人曰くの『熟れ頃ムチムチな美人教師お姉さん&強がり初心なとこが萌えな妹ちゃん姉妹』のような、ポッと出の連中の方に僕(しもべ)として存在意義を掠れさせられているような――

「あむっ、うん……んふ、ぅンぅ―― んぁむっ、んっ、んぁは、シンジ様の……逞しいですわぁ……
「くぅ〜。それ、ご機嫌だよ。柔らかいオッパイが何とも……良いね、良いね♪ アクアさんってば、パイズリもあっという間に上手になっちゃうんだから」
「シンジ様に教えて頂きましたことですもの。アクアは心を込めて一生懸命ご奉仕致します

捧げ持った乳房の間にふにゅふにゅとシンジのそそり立たせたものを挟み、中性的な外見からは不相応に立派な長大さがマシュマロ肉の谷間からずりずりと―― 擦り付け、前後させて突き出す先端亀頭を、頬を窄め、顔を小刻みに揺らし、小さな唇から伸ばした舌で溺れるように舐めしゃぶって牡汁を啜るアクア。
豪州圏随一の財閥一族、クリムゾン家の、紛れも無い深窓の令嬢である彼女のそんな淫らな美乳奉仕を受けて、すっかり鼻の下を伸ばしてしまっているシンジは果てしなくだらしない有様だ。
それなのに、そのイチャイチャっぷりを見せ付けられて只放置されたままのメイド服天使の方は、勿体無いくらいにどこまでも生真面目だった。

そのフリル付きのエプロンを付けた上からもふくよかなと見て取れる胸の内は、身の置き所の無さと焦りで一杯。
きっと自分の至らなさが不興を買うのに違いないとしゅんとして、ひたすらに反省と改善項目の脳内シュミレートを繰り返す。
一日も早くシンジ様の立派な使徒とならなければ―― とか、そんな彼女の健気さは、誰にだって『好意に値するね』評価間違いなしなのだけれども、

(くふ、くふふふ……。そうだよっ! これこそ飴と鞭さ! いぢめた後でたっぷり可愛がってあげるとまた効くんだな〜、これが)

シンジはと言えば、そんな彼女の申し訳無さに付け込む気で満々にほくそ笑む。
ちなみに、誕生の経緯からして多分にシンジの趣味が投影された容姿をしている彼女の、そんな萎れた姿は、禄でもないことに横目でちゃっかり観察していたシンジに、特に多情もいい所の下半身でもって目一杯ツボに来ていたりした。ビンビンである。

(そうそうっ、閃いたよ。折角海に来てるんだし、今回はタコで苛めてあげよっかな♪)

そよそよと心地良い潮風が吹き付けてくる砂浜の木陰。
涼しい顔で手を伸ばし、慌ててメイド服の使徒が差し出した盆からのグラスで喉を潤しながら、心の内はあくまでも鬼畜な算段のシンジなのだった。



◆   ◆   ◆



元々から、伴侶たる女神リリスの目が届かないことを良いことに、好き放題、綺麗どころの女の子を引っ掛けてはハーレムを作っちゃおうというつもりでいたシンジ。
この最低な少年神は、性に目覚めはじめでヤリたいばかりの思春期中学生が何でもアリな力を手にしちゃったら―― その迸る性欲をどこまで際限なく膨らませてしまうのかといった、良い見本のようなところがあった。
それが、ハーレムといったら御殿でしょうと、どこで仕入れたか、コテコテの既成概念そのままの足掛かりを確保して、出さなくても良いやる気満々となっているのである。

早速ミナトさんとユキナさんの二人を呼びにいこう。でも、さすがに目の前でレリエル・ゲートを使って見せたら驚くだろうしなぁ……等と暢気に考えながら、忠実なメイド天使に展開させた黒い空間の穴へと共にズブズブ身を沈ませる。
後には、陽の落ちた薄闇が包むベッドの上、あられもなく気絶したアクアを置いたまま。
好きなだけ楽しんで遥家への帰路に着く彼は、そうやってお手軽な交通手段に使っているゲートがやがて一悶着呼ぶことになろうとは、この時、まるで全然予感すらしていなかったのだった。

駆け出しにしても神としては失格も失格。
―― だが、どうせまたそんなトラブルも『神様だから』の無敵印籠で適当に捌くのである。
こんな少年に無制限な力を与えてしまった、恋心に盲目だったリリスの判断力の無さが、最悪と言えば最悪であった。



Back Menu Next


From:【ザザーン】碇シンジ寝取り道中膝栗毛【スパシン】スレ