─ 福音のいけにえ ─

第7章



書いたの.ナーグル














 マユミの抵抗は形ばかりの物だった。快楽にとろけた上半身に力はなく、握力は5kgもないだろう。数時間正座したみたいに痺れた下半身は、投げ出されたまま彼女の逃走の意志に反応する気配は微塵もない。

 俎板の上の鯉、ならぬマユミ。

 苦もなくマユミを背中ごしに抱きしめながらゲンドウは思う。
 そういえば、ドレスこそ着ていないもののマユミのデコレートは花嫁衣装そのままだ。これは、細部が大きく異なっていたとしても2人の結婚式だろう。いきなり、昼の内から初夜が始まるという、過程をだいぶ端折った物ではあるが。
 もう一点、新婦がその結婚を全く了承していないという問題もあったが、そちらはまるでゲンドウは気にしない。
 途中で拒絶し、暴れて泣きわめいたとしても、最後には自ら腰を振るように躾けてやればいいのだ。彼に相応しい、淫らな花嫁となるように。たとえ薬をつかったり精神的に追いつめたとしても、知ったことではない。

 そう、彼の作品である『略奪の花嫁』のヒロインが、義父に調教凌辱されて堕とされていくように…。これまたマユミには言ってないが、この作品のモデルはアスカだったりする。


(出したことで少し余裕が出来た。どれ、もう少し胸を可愛がってやろう)

 マユミの脇の下から伸ばされた腕が、下から遠慮なくマユミの胸を鷲掴みにする。正面から掴んだときと違い、後ろからだと指全体で支えるようにしないと行けない。ずしりと手の平にかかる重みと、柔らかさで指に食い込む乳房の弾力にゲンドウはほくそ笑む。

「ふふふ、まったく良い触り心地だ」
「ん、くぅ…」

 良い香りのするマユミの黒髪。邪魔なベールをのけ、背中まである豊かな髪に顔を埋めるようにしてゲンドウは深く息を吸い込む。日に干した布団か和紙のような香りがゲンドウの心を和ませる。ユイの髪はショートなので、こういう楽しみ方は出来なかった。ペロリと舌を出してマユミの髪を口に含むと、僅かな湿り気に汗の味を感じられる。

「ふぅぅ。あ、髪…さわら、ないで……ひぁぁぁ、あっ、く、ください」
「髪の毛にまで神経があるのかね」
「そ、そんな」

 マユミのように大きな胸だと、その弾力もあって正面からでは些か揉みにくい、だがこうして背後に回れば、最大限の効率で胸を愛撫することが出来る。同時に左右の乳房を握りしめると、先端が上を向くように力を込める。

「ひぅ、ううううっっ」
「だがそれを大人しく待ってることもない。楽しませて貰おう」
「だ、ダメですっ、こ、これ……ぅぁぁ…………い、い、いぃ……ひぃっ! ひっ、ひっ、や、やめてっ。うぁぁ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あああっ」

 球形をしていた乳房はシイの実型に絞り上げられ、ピンと立った乳首がマユミの艶黒子の辺りをペチペチと叩くように擦りつけられる。嫌悪を伴う、背筋を凍らせる恍惚感にマユミは息を呑む。せめて声を出すまいと足掻くのだが、ともすればその決意は背筋を這いずる快楽によって押し流される。

「ふっ、どうした? ずいぶん気持ちよさそうな顔だな。声も良い具合だ。そろそろ正直になってきたか」
「ち、違い、ます」
「ならばもう少し我慢したまえ」
「い、言われ、なくても…。はっ、あ、ああうぅぅ」

 ゲンドウの心を見透かしたような言葉に、眼鏡の下で引きつった表情を浮かべるマユミ。彼がマユミを余計に責め苛むためだけに、マユミの抵抗が少しでも続く…楽しみが長く続くようにその言葉を言ったことにも気づかず…。

「説得力がないな、淫乱美人編集者のマユミ君」
「だ、誰が、淫乱………っく、ですか…」

 否定するマユミはもどかしげに首を振る。つーっと、大粒の汗が首筋から胸元にまでかけて流れ落ちた。

「淫乱でないというなら、せめて声を出さない努力くらいしたまえよ。不倫願望を持っているマユミ君。そうだな…言葉の証拠に、まず胸だけでイかせてやろう」
「か、勝手な、事を…」

 トントンと、ゲンドウの指がノックするように乳首をつつくたびに体を硬直させながらも、マユミは一方的なゲンドウの言葉に怒りを覚えた。

(この人は…!)

 先程から、ゲンドウの饒舌な言葉はマユミを怒らせようとしている。そのことにマユミは気づいていたが、敢えてその挑発に乗った。そうでもして怒りを覚えなければ、快楽に飲み込まれていきそうだからだ。

「私は、淫乱なんかじゃ………ぁぁ……………ありま…………せん」

 答えるために口を開くのも辛い。マユミは目眩を覚えながらもわき起こる恍惚感を必死になって堪える。ちょっとでも気を抜けば、衣を裂くような悲鳴が喉奥からほとばしり出そうだ。

「ならば勝負といくか」
「……しょ、勝負、ですか。…はぅ」
「そう、これから5分間、私は君の胸だけを愛撫する。それで君が絶頂を迎えなければ…君に言葉の通りだ。私は謝罪し、君を解放しよう」
「ほ、本当、ですか」

 地獄に下ろされた蜘蛛の糸より細い糸…。ゲンドウの拷問のような愛撫に5分も耐えられるとは思えない。だが、囚われた生け贄であるマユミにはそうするしかない。揺れながらも、強い意志をたたえた彼女の瞳に満足そうにゲンドウは頷いた。

「ふっ。覚悟は決まったようだな。だが、もちろん君が途中で耐えきれなかったとき…そうだな、呻き声でない啼き声を出したら…その時は君は負けだ。その時は…」
「その時は…」

 肩越しに振り返る脅えたマユミの瞳を覗き込みながら、ゲンドウはニヤリと口元を歪めた。

「私の言葉に…絶対服従して貰おう」
「絶対、服従…」
「私が言うことには何でも従って貰う。たとえば、君が想像もしたことがないような淫らなポーズをして貰う」
「そ、そんな酷い」
「ふっ。なんだったら無理矢理君を組み敷いて、椿の花をもぎ取るように凌辱しても良いのだ。だが、それではあまりにも芸がないからな」

 その全く悪気を感じていないゲンドウに、マユミは悔しげに唇を噛みしめる。噛みしめた口元から、鮮やかなまでに赤い滴が一筋流れ落ちた。

「わ、わかり、ました」
「聞き分けが良くて助かる」
「う、ううぅ」

 ゲンドウの欲望の汚液でドロドロになってる手を、マユミはグッと握りしめる。手袋越しとはいえ、ずいぶんと気持ち悪く感じているだろうが、それがマユミの年収の10分の1は値段のするものだという事実を知ったら、彼女はどう思うだろう?
 もし自分が彼女の立場だったら、綺麗に洗って質屋に持って行くところだが…。
 そんなことを思いつつ、ゲンドウはテーブルの上に置いてあったボトルを手に取った。

「では、最初のお楽しみだ」
「…………ひぅ」

 胸にかけられる透明な液体の冷たさに思わずマユミは目を閉じる。ルール違反だ、と思わず叫びそうになったがゲンドウのことだ、それを理由にどんな言いがかりを付けるか知れた物ではない。必死に歯を食いしばってマユミは声を堪える。彼女の奇妙な気丈さに感心しながら、ゲンドウは瓶一本分(2リットル)のローションをまとめてマユミの胸に振りかけた。

「ふっ。今声を出しても、ノーカウントだったのだがな」
「……………………」
「返事はなしか」

 汗で濡れていたマユミの胸は、今は緩くカーブを描く胸の稜線から先端の乳首、胸の谷間はおろか鎖骨や丸みを帯びた方までがヌルヌルした液体で濡れ光る。正面だけでなく、髪や背中もドロドロになっている。滴った液体はまろやかな腹部を伝って滝のように流れ落ち、太股やベッドの上にこぼれてベタベタした水たまりを幾つも作る。

「良い姿だ」

 壁に掛けられた姿見に映るマユミの裸体は、薄いゼリーでデコレートされたように濡れて淫靡に光っている。からからに乾いた唇をペロリと舐めると、ゲンドウは重々しく囁いた。

「始めるぞ」
「……………………っっ!」

 ゲンドウが形の良い耳にふっと息を吹きかけた瞬間、マユミの体が可哀想なほど大袈裟に痙攣する。胸に意識を向けていた分、耳への刺激は予想外だったからだ。

(これでは先が思いやられるぞマユミ君)

 せめて、3分間は持って欲しい。
 胸の谷間に溜まった奇妙な粘りのあるローションをすくい取りながら、ゲンドウはそっと乳首をつまんだ。

「ひぅっ、ぐっ、うぅっ」

 ローションをかけられる前とは明らかに違う感触にマユミは目を見開いて体を震わせる。ゲンドウはきつく強く、抓るように屹立した乳首をつまむ。普通なら食い込む指先はローションの所為で力が限界を超えた瞬間、指を鳴らすように乳首を弾く。

「ぅ、ぁうっ!」
「ふっ、今の悲鳴かね?」
「くっ………………違い、ます」

 ブルブルと震えるマユミとは対照的にゲンドウは引きつったような笑みを浮かべる。手の平が性感帯になったかのような陶酔感。マユミを言葉責めすることを忘れるほどに心地よい。ヌルリヌチャリとただ指を擦らせるだけで淫靡な音が間断なく響き、文字通り指に吸い付く玉の肌の感触が手の平から全身に広がる。
 それをより楽しもうとゲンドウはますます愛撫の勢いを激しくしていく。

「…………………ううっ……あっ、くふっ。んふぅ、ふぅー、うっ。
 く……っ、はぁ。はあっ、はっ、はっ、はっ……………………うっ」

 ゲンドウの指技が勢いを増すと共に、頭を激しく左右によじり後頭部をゲンドウの方に擦りつけるようにしてマユミは喘いだ。白い肌は羞恥と快楽で全身が赤く染まり、声を出すまいと口を必死に食いしばってる所為でかなり息苦しそうだ。

「くはぁーっ、はっ、はぁ……………………ああっ」

 汗にぬめった両胸を鷲掴みにされ、思う様に嬲られる。マユミの口から、愉悦に爛れた嬌声が呻きが漏れる。ほんの僅かでも気を抜けば、それは嬌声に変わり熱にそのまま身を委ねてしまいそうだ。

「はぐっ、はぅぅ…………」

 たまらず俯くと食いしばった口元から、つーっと唾液が床まで長く尾を引いてこぼれ落ちる。ゲンドウの肘を押さえる両腕は小刻みに制御不能の震えに縛られ、僅かに浮き上がった腰はこれまた愉悦に震えていた。

「そう無理をせず、さっさと降参したまえ。解放して欲しいのだろう?」
「うっ……………………くっ」

 「誰が!」と強く抵抗の言葉で否定したかったが、口を開けば途端に悲鳴じみた嬌声をあげてしまいそうで、マユミはよりきつく口を閉ざすしかない。

「ふん、あと4分と35秒、耐えきってみたまえ」

 彼女は気づいていたのだろうか。
 ゲンドウが指し示す時計の秒針の動きが、じつは2秒で一刻みになっていたことに。さすがはゲンドウ、その手の小細工には抜かりがない。

「ほうれ、ほれ、君の胸は大きくて柔らかいな…。くっくっく、シンジに懸想していたことは知っていたが、奴にはまったく勿体ない」
「ひっ、くっ……………………ううっ。うっ、あっ!」

 すくい上げるように揉まれ、息を詰めて喘ぐマユミ。絞り上げられて形を変えた乳房はもはや拷問道具となってマユミの全身と心を責め苛む。虫歯の歯痛のようにいつまで経っても慣れることのない、甘美なる快楽がゲンドウの愛撫と共に脳を惚けさせる。

(ま、負ける…負けちゃう! いや、いやぁぁぁ。でも、でも、もう、あああっ)

 切なげに細められた瞳。感度の良すぎる自分の体を、ここまで呪わしく思ったことはない。もしほんの僅かでもこの気が狂わんばかりの疼きが収まるのなら、思いっきりよがり声を上げてしまいたい。

「あぐっ、うっ、ううううっ、うくっ。ひっ……………………ううっ!」

 ちらりと眼鏡の向こうでコチコチと音を立てる壁時計を見つめる。その進みは、気が狂いそうなほどに遅い。

(ま、まだ1分、しか、経って………………ううっ。ダメ、ダメぇ…頭が、ぼうっとして…。あ、あそこが、う、疼いて)

 全身を犯す甘ったるい陶酔感とは別に、股間の辺りから下腹の中で疼く熱い熱が徐々に全身に染み渡り始めている。

「あっ、はああっ」
「むう? いま、声を出したのかね?」
「ち、違っ……………………んっ」

 マユミの…アウト同然の呻きをゲンドウは聞き流す。お楽しみはこれからなのだ。マユミの官能をほじくり出すように優しく、マユミの胸を揉む。中指、薬指、小指と手の平で絞るように乳房を揉みながら、人差し指と親指で乳首をつまみ、餅をこねるように指先で転がす。

「ふっ、くっ…! うああぁぁぁっ、あっ、ああぁ」

 ビクン、と大きくマユミの体が震えて腰が浮き上がる。すかさずゲンドウはマユミの体を自分に引き寄せた。

「あっ」

 一瞬、正気付いた小さな叫び。
 尻餅をつくように転んだマユミは、直後自分がどんな無防備な体勢でいるかに気づいて言葉を失った。胡座をかいたゲンドウの上に座り込み、はしたなくも開かれた足の間には隆々とそびえ立つゲンドウのペニスが自己主張している。

「ひいぃぃ!」
「ほほう、ふむ。わかるかマユミ君。薄布越しに、君自身と私の愚息が触れあっているぞ…。くくっ、何という湿りようだ」

 柔らかな下着越しに感じるゲンドウの熱に、マユミは息を失った。そして改めて、自分の秘所からどれほどの愛液が溢れていたのかに気づいた。薬の影響があるとは言っても、透き通るほどショーツ全体がぐっしょりと湿り、肌に張り付いていた。

「は、はぁぁぁぁ」

 薄布越しでもわかるぷっくりとした膨らみが固いペニスに触れる。
 その瞬間、深く重く熱い息を吐いてマユミは体を震わせる。細いウェストが重たい上半身を支えることに耐えかねたのか、くったりと力を失ってしまう。

「くっくっくく。君の呼吸に合わせて、ヒクヒクと蠢いているぞ」
「あう、あううぅぅ」
「満足に返事も出来ないようだな。結構、実に結構」

 マユミの体重を楽しみながら、ゲンドウは首筋に浮いた汗に舌を這わせる。甘く、芳ばしい悦びに満ちた味がする。

「あ、あう、ああぁうぅ」
「大丈夫かね、だいぶ息が苦しそうだが」
「や、やぁぁ。あ、あそこが……うう、触って…」

 たれた涎を艶黒子の上から舐め取りながらゲンドウはぎゅうっと歪な形にマユミの双乳を握りしめた。

「うっ、くあああっ」
「今のは悲鳴だな。さて、賭の君の負けと言うことで良いな」
「ああう、ま、まだっ」

 胸を嬲られ、薄布越しに秘所に擦りつけられるペニスの刺激に、マユミはとろけるような気持ちよさに我を忘れそうになる。八の字に歪められた柳眉が切なげに震えた。ほくそえむと、ゲンドウはマユミのおとがいを掴んで強引に自分の方を振り向かせる。

「あ、ううん」
「その無駄な強がりを言う口がたまらなく愛おしいぞ」

 ぶちゅりと音を立ててマユミの唇に吸い付く。抵抗を忘れたマユミの口中にたっぷりと涎を纏い付かせて舌が潜り込む。

「ん、んふぅぅ」

 遠慮がちだったマユミの舌が徐々に積極的に動き始める。そのたびに背骨を快楽電流が駆け抜けていく。屈辱と快感が蜘蛛の糸のように絡み合い、彼女の病的なまでの被虐心を刺激し、官能で疼かせた。

「んく………んく………んく………ああっ…ううっ、はっ」

 ちゅぷちゅぷと音を立ててマユミはゲンドウと舌を絡ませあう。涙を流しながらも疼きに促されるまま彼女は貪るようにゲンドウを求めた。

「あっ、あっ、ああっ……ちゅ、くっ、ふぁ、あっ……あん」

 ゲンドウの愛撫はより激しさを増していき、タプタプタプタプと音を立てて柔らかな胸は上下に揺さぶられる。全てが性感帯とかした胸を揺さぶられ、唇を奪われている内にマユミの脳裏でチカチカと幻影が瞬き始める。

(これは、全部……夢、なのよ。そうでなきゃ、こんなこと…)

「あ、ああん! はぁぁ……。くふっ、あ、はぁぁ」

 全て夢…。
 行きずりの男達に良いように嬲られるいつもの夢。あの優しいゲンドウや、シンジがこんな恐ろしいことをするなんてあるわけがない。
 だから、これは全部夢だ。

「はぅ、う、ううぅ。んはぁぁぁっ」

 左右の乳首を交互につねられ、ひっぱられる。それだけでなくあろうことか…。

「ほうら、自分でくわえてみたまえ」

 眼前に突き出される自らの乳首。
 自分でも大きい方だと思っていたけど、だがこうしてつきつけられると…屈辱と被虐でドキドキと胸が高鳴る。嫌なはずなのに、心のどこかで喜んでしまう…。そう、嫌なことをされるのが嬉しい…。

 自分を見るゲンドウの顔がぼやけ、別人の顔になる。

 「やめて」と…小さい声だったけど何度も頼んだのに、満員電車の中で胸やお尻をまさぐるのをやめなかった中年サラリーマン、仕事中明らかに粘ついた眼で自分の胸を眺める編集長…。嫌なはずなのに…。

「あ…………はぁう」

 ズクンと下腹が熱く疼いた。言われるがままに突き出された乳首を口に含む。

(あ…わたし、自分の、胸を…乳首を舐めてる…しゃぶってる)

 目眩すら感じる陶酔感にマユミは涙を流して悔しがった。自分は、こんなに淫らな女だったのか。もう、昨日までの何も知らなかった自分には戻れない。
 ちゅぷちゅぷと音を立ててマユミは自らの乳首を吸った。刺すような鋭い刺激に胸が震える。無我夢中にマユミは唇で乳首と乳輪を摩擦し、吸引愛撫しつつそっと自らの股間に手を伸ばす。焼けた鉄杭のようなゲンドウのペニスに指が触れたとき、少しビクリとしたがそのまま、躊躇うことなくそれを掴んだ。

「ううううぅぅ…はぁ、ああっ、はぁっ。ちゅぷ。ふむ、ちゅひゅ」

 もう賭のことも忘れてしまったのだろう。マユミはとろけた眼をしたまま差し出されるままに自らの乳首をしゃぶり、腰を前後に揺らしてペニスの感触を楽しんでいる。ゲンドウの指先は獲物の胸に途切れることのない甘媚な電流を走らせ、マユミの体をくねくねと身悶えさせる。

「ほうら、ほら。だいぶいい顔になってきたぞ。くっくくく、なんたる乱れようだ」
「あふぅ、ふ、ふみゅ………ふぁ。ちゅぱ、あ、ああっ…わたし、は」

 清楚な黒髪を揺らして啜り泣くマユミ。ショーツの股間部分の隙間からどっと蜜液が溢れ、涙と汗で濡れた眼鏡が薄暗い照明の中でキラキラと光った。

「ふっ、体はすっかりと堕ちているのに、心は…まだ抵抗するか。もっとも、ずいぶんと心許ない抵抗のようだが」
「あう、うっ。ああ……あ、ふぁ、あああ……!」
「とりあえず、胸だけでイってしまいたまえ!」

 胸を掴むゲンドウの腕に不気味に力がこもる。本能的に恐ろしい気配を感じてマユミは逃れようと実をよじらせるが、ゲンドウは容赦なく双乳を絞り上げた。

「や、やはっ、そんな、そんなに触られたら…!
 はぁっ、あっ、ダメっ、こんなのダメぇっ! ああ、うぁっ、あっ、ああっ!
 あうぅぅ……! っ、くあっ、だ、だめ……ちょ、まっ!
 あああああッッ!! それっ、ダメですっ!!」

 脳裏の中で閃光がスパークする。まともな言葉を発することも出来ず、背骨を折れそうなほどに反り返らせてマユミは絶叫をあげた。追い打ちをかけるように麓から先端まで、絞り上げるように胸を揉みしだかれる。

「ああっ! あっ、あああああ――――っ!!」

 それまで我慢していた嬌声が、全ていっぺんにあふれ出たようにマユミはあられもない悲鳴を上げ続けた。同時にしごいていたゲンドウのペニスがビクビクと脈打ち、再び熱い精液をマユミの手と、そしてボロボロに擦り切れたショーツの上に吐き出した。マユミの体はヒクヒクと小刻みな痙攣を続け、しとどに濡れた秘所からはとめどなく愛液が溢れ続けた。

「あん、ああっ、い、いやっ。いやぁぁっ!
 あ、あぁぁぁぁっ! うっあっああ、あ――――っ!」

 声を上げるとその瞬間、魂も蝕む快楽が一瞬緩やかになるが、直後、先の倍になって快楽はいや増していく。その終わりのない夢幻の快楽地獄の中でマユミは思う。

 ――――こんなことは、望んでない。
 そのはずなのに。

(おかしい、おかしいわ…。わたし、もっと、もっとして……って、そう思ってる。汚いのに、臭くて、気持ち悪いのに…。もっと汚して欲しいって、気持ちよくして欲しいって…。わたし、狂っちゃったのかな…)

 やがて、脱力したマユミをしっかりと抱き留めながらゲンドウが耳元で囁く。

「ところで、賭の結果は…私の勝ちで良いな?」
「ううっ…」

 のろのろとマユミの目が時計を見つめる。経過時間は…4分12秒。

(あと、ちょっと…だったのに)

 うなだれながらマユミは、自分の首に縄をかけられた死刑囚のような気持ちになっていた。これから自分は犯されるのだ。どんなに嫌だと叫んでも、ゲンドウは決してやめてくれないだろう。そして、自分はそれを拒むことは出来ないのだ。

「う、うううっ。だめ…です。お願いですから、許して…」
「許すわけがないだろう。約束を忘れたのか」
「でも、それでも…。ゲンドウ先生は、ユイさんと、結婚してるのに…。それなのに、ユイさん以外の人に、こんな事したら、いけません」
「かまわん。ユイも公認だ。それに、誰が見ているわけでもない。いい加減、その良く動く口をふさげ。おまえは5分間の賭に敗れたのだ」

 本当は8分を超えるまで耐えたのだが、勿論ゲンドウは教えない。
 約束事を守ることに固執するマユミだから、本当に…彼女は服従するだろう。だが、約束に今更意味があるだろうか。

(そう、ここまで惚けた彼女は…そんなこと関係なく私の思うがままだ。心で拒絶しても、体は勝手に快楽を貪ろうとする。リツコ君と同じで…な)

 かつて立場を利用して幾度となくリツコを凌辱し、ついには愛人にしてしまったことを思い出す。当初こそクールな仮面を外さず、情事の最中一言の呻き声も漏らすまいと耐える彼女だったが、遂には自らセックスを求めて縋り付き、騎乗位で腰を振るまでに堕した。

(マユミはリツコ君より快楽に弱いよなだが、心の芯はずっと強い。かなり長い間…セックスに嫌悪感を持ち続けてくれるだろう。そんな彼女を快楽でむせび泣かせるのは堪えられないぞ)

 長く…シンジと和解し、ユイと再会してから封じ込めていた嗜虐の心が顔をもたげるのを感じる。心の壁に亀裂が入り、邪悪な眼差しがマユミを睨んだ。マユミ君と丁寧に呼んでいたはずなのにマユミと呼び捨てるようになり、その口調もぶっきらぼうになっていく。

「ほら、さっさとパンティーを脱ぐんだ」
「あうううっ。い、いやぁ…。嫌です、そんな、恥ずかしい…」
「脱げ。脱がんのなら私が脱がせるぞ」

 泣きじゃくるマユミに構わず、ゲンドウはマユミの左足を抱え上げる。足首を掴み、吊し上げるように足を掲げる。

「あう、いたっ、痛い…」

 ラインダンスの踊り子だって滅多にしないような格好に、マユミは涙を流して抗議するがゲンドウは全く力を緩めない。

(もう、だ、め…)

 大粒の涙をこぼすと、のろのろとマユミはショーツに手をかけた。手に着いたローションとは違うゲンドウの精液の粘りにビクリと体を震わせるが、小さく息を吸い込むとマユミはぐいとショーツをずらした。

「うううぅぅっ」

 秘所があらわになる瞬間、マユミは目を固く閉じてうなだれる。すぐ横で息を呑むゲンドウの気配を感じる。彼の視線が露わになった秘所に集中していることが嫌でも感じ取れた。

「ほほぅ、なるほどなるほど。ユイの奴め、ここまで徹底しているとは」

 ピンク色の柔肉が隠す物なく露わになっている姿にゲンドウは喜びの声を上げる。
 本来なら、年齢相応の淡い茂みが生えそろっているはずのマユミの秘所は、一本の恥毛もはえておらず、充血してヒクヒクと震えるヴァギナも、その上で頼り無く震える小指の先くらいのクリトリスも全てが露わにされていたからだ。

「くくく、良い姿だなマユミ。ユイに可愛がられたか」
「あう、うううぅぅ」

 その時のことを思い出し、マユミは屈辱の涙をこぼす。













 たっぷりと暖め、シェイブローションを塗りたくるとユイはマユミの啼き声を黙殺して剃刀を走らせた。何度も何度も執拗な蹂躙の直後、『剃っただけじゃ、すぐ生えてくるから…』そう言って妙にヒリヒリとするゼリー状の薬を塗りたくった。

「ひ、ひくっ、ああ、熱い…」
「こっちだけじゃなく、お尻の方も…。
 あら、あなたは生えてないのね。アスカって白人の血を引いてるから、お尻の方も凄かったけどあなたは大丈夫そうだわ。でも、念のため薬は塗っておくからね」

 同じ処理を脇にも施し、ユイはさも楽しそうに笑っていた。














「おまえのここには、もう毛がはえてこないぞ」
「あ、あああ…」
「どんな気分だ。医者にも診せられない体にされた気分は?」
「あ、あうぅ。あ、悪魔…あなた達は、悪魔よ…」

 ゲンドウの指が無造作にマユミの恥丘をまさぐる。指を第1間接だけ淫唇に潜り込ませると、強烈な締め付けが指を捕らえる。

「んんっ、ぐぅぅ…」
「ほほぅ」

 その反応に気をよくしながら、ゆっくりとゲンドウは指を蠢かせる。微妙に前後させながら、淫唇を左右同時に指先で擦りゆっくりゆっくりとその感触を楽しむ。

「い、いや…。は、はぁう、う、ぅぅ。くっ…」

 明らかに感じている雌の表情をしたマユミ。顔を真っ赤にして呻き、いやいやと左右によじられる体は踊っているかのようだ。

「いや、いや…感じたくない、こんなの、こんなの嫌…。助けて、誰か、ああ。お願い…」

 親指でクリトリスを転がしながら、中に入った人差し指を曲げてくいくいとGスポットと思われる辺りを刺激する。

「あっ、ああ……ああ、あっ、あっ、あっ、あっあっ、ああっ!」

 自分の感じている刺激が信じられないのだろうか、瞬きもしないままマユミは天井の薄暗い裸電球を見つめ続ける。

「ああぅ……、ぅあ、あああ!」

 今までの自慰行為中の夢想とは違う、実際の凌辱に感じてしまっている自分が信じられない。やっぱり、自分はゲンドウが言うように淫乱な女なのだろうか…。

「くぅあっ!」
「ふん、良い感じだ。どれ、足を上げろ」
「や、あああっ」

 マユミの返事も待たず、ゲンドウはマユミの足首を掴んで自分の足に絡める。膝の所まで下ろされていたショーツが、強引に引っ張られてプチプチと繊維の切れる音を立てて引き延ばされ、唐突にパチンと音を立てると引き裂かれた。

「あああああっ!」

 強引に開かれた両足は、間にゲンドウの膝を挟み込まれて閉じることが出来ない。背中のゲンドウにもたれかかり、両足をM字型に開く今の姿にマユミは顔を背けて呻く。壁に掛けられた鏡には、今の惨めな姿が映り込んでいた。いわゆる背面座位の態勢でマユミは抱かれるのだ。

「では、そろそろ…抱くぞ」

 ゲンドウの両腕がマユミの膝を抱え上げる。幼児におしっこをさせるような格好のまま、マユミの体が僅かに抱え上げられた。

「や、ああ、やっぱり、それは、それだけは…!」
「暴れるな!」
「ひっ」

 逃れようと身をよじったマユミは、ゲンドウの怒鳴り声で動きを止める。恐ろしかった…ということもあるが、その口調が約束を破ることを咎めるように聞こえたからだ。

「おまえは賭に、勝負に負けたのだ。ペナルティを受けるのは当然のことではないのか?」
「う、ううぅぅ。だ、だけど…」
「くどい。おまえには失望した。もう語らん」
「ひっ、待って! 待って、お願い! 私、こんなの…ああ、いや」

 押しつけられたペニスの感触にマユミは息を飲む。その熱さ、太さ、堅さに改めて恐怖を感じる。

(これが…私の中に、入る…)

「ひぅ…うっ、うっ、ううっ。ああ、いやよ、いやぁ…いやいや…。助けて、誰か、助けて」
「行くぞ」

 じゅぶり

 ふっとゲンドウの腕から力が抜けた瞬間、亀頭部分がマユミの膣内に潜り込んだ。

「いやぁぁぁぁ――――っ!」

 マユミは突然首を仰け反らせて絶叫した。どこにこれほどの力が残っていたのか、全身全霊で体を揺さぶり、喉を嗄らして叫び声を上げ続ける。暴れてゲンドウの支えがなくなったらどんなことになるか、そんなこともわからなくなっているのか。

(くっ、今更暴れるな…。それにしても、何という締め付けだ)

 今まで胸を嬲られたお返しとばかりに強烈な締め付けが亀頭を襲う。

 手加減してるとは言え、それ以上進むことが出来ずにゲンドウはクチュクチュと音を立てて膣口をかき混ぜるにとどめた。とりあえず、愛液を吸って練り餌状になった媚薬をかき混ぜながら、ゲンドウはその感触と熱を楽しむ。
 入れた瞬間、イってしまうのはさすがに避けたい。

「はぁう、はぁ、はぁ、はぁっ。うあああっ、だめ、いやぁぁ。無理です、そんなの、入らない!」
「ふぅ、ふぅ、ふぅ、ふぅ…。入らないわけがないだろう、もう少し静かにしろ」
「嫌、イヤイヤイヤぁ――っ! 絶対にイヤぁ――――っ!!
 そんな大きいの、入るわけないわっ! 死んじゃう、裂けちゃう!」

 拒絶ではあるが、嬉しくなる言葉だ。
 ゲンドウはニヤニヤと笑うと、腰の動きを止めて締め付けに耐える。言葉に出来ない恍惚感にしばしゲンドウは身を任せる。チュプチュプと音を立てる秘所からはユイが詰めた媚薬はすっかりと流れ落ちたようだ。十分に媚薬はその役目を果たした。本来ならきつい膣の中は熱く潤み、蛇口が壊れた水道のように愛液を流し続けている。ゲンドウの長大なペニスでも受け入れられるように。

(ふ、頃合いだ)

 ふっと腕から力を抜くと、一気に突き入れた。

「いやぁぁぁ――――っ!!」

 何者も通り過ぎたことのない膣を押し広げ、肉を擦りたてながらペニスが胎内に潜り込んだ。
 一瞬、マユミはチクリと針先で指をつついた程度の痛みを腹奥に感じたが、それはすぐに嵐のような快楽電流に吹き飛ばされた。
 柔肉は押し広げられ、愛液をこそぎ取りながら亀頭が膣を蹂躙する。

「あああ、あああう、うあぁぁぁ」

 内臓が口から溢れそうな圧迫感を感じ、無意識のうちに口元を両手で押さえる。見開かれた両目からは止めどなく涙が溢れ、喘ぎと混じった呻き声が室内に溢れた。
 進入してきたゲンドウのペニスは、そのまま最奥まで達し、そこでかろうじて形を保っていた媚薬入りのカプセルを押しつぶし、内の淫液をマユミの子宮に届くほど胎内深くに溢れさせた。

「う、おっ、おおおお……ああああっっ」

 まるで獣のような呻き声を漏らしてマユミは激しく体を仰け反らせた。背骨があまりに無茶な動きに軋みをあげ、肉離れを起こしそうな激しい痙攣でマユミの体が踊った。

「うあっ、きぁあ――――っ! あう、あうあああっ! ああ、おああっ! うぐ、ひ、ひぎぃ――――っ!
 ひっ、ひっ、ひっ、ひぃっ!! あああ、んぐぅうああ――――!」

 暴れるマユミの上半身を抱きしめながら、壊れた馬車馬のような勢いでゲンドウは激しく腰を突き上げる。締め付けは強烈だが、途中の引っかかりなどはまるでない。オイルでも塗ったかのような滑りと勢いでゲンドウの腰は動く。肉が蠢き、粘膜同士が吸い付く感触にゲンドウは酔いしれた。奥へ奥へと吸い込まれていきそうな錯覚さえ覚えるマユミの感触に息をすることを忘れた。

 激しく荒い息で喉が張り付くが、そんなことを感じる暇も惜しいのかゲンドウは執拗に腰を動かした。

「あううううぅぅ。くぅぅっ。ひぃぃぃぃっ。や、め、ら、らめぇぇ…」

 正気を失った眼でマユミは呻く。全身をバラバラにされそうな快楽に翻弄され、今自分がゲンドウに抱かれ、処女を捧げたことも忘れてしまったのだろう。
 2人の結合部からうっすらと赤みを帯びた愛液が泡になって溢れる。

「いやっ、いやっ、やめて! は、はっ、ふぐ、ひぎぃぃぃ! ん、こ、こ……、お、ぉぉっ!」

 やがてその赤みも後続の愛液で洗い流され、ぬらりと愛液で濡れ光る秘所を剥き出しにしたままマユミは悦びにむせび泣いた。出入りするゲンドウのペニスは赤黒く濡れ光り、自分がそんな物をくわえ込んでいるなどマユミには実際に目で見ても信じられないでいた。
 じゅぶじゅぶとカリにこそぐ愛液が強引に押し広げられたマユミの淫唇からこぼれだしていく。

「やぁ、いや、いやなの、イヤぁ…。あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あっ、あああっ!」
「おうっ! おうっ、おうっ! 良いぞ、良いぞマユミ」

 素早い動きでゲンドウの腰とマユミの尻がぶつかり合うペチペチという、奇妙に乾いた音がマユミには他人事のように感じられる。耳鳴りの所為だろうか、その音はどこか遠くから聞こえてくるようだ。
 呼吸と鼓動が浅く早くなる。
 眼鏡が汚れたのか、それとも前が見えないくらいに涙が溢れたのか…マユミの視線が陽炎のようにぼやけた。

「はぐ、ふぐぅぅ」

 ぐったりと前のめりに倒れ込むが、腰の所でゲンドウの手が支える。中途半端な体育座りのような姿勢でマユミの体は突き上げられる。より深く自分の体重が食い込むのを感じて、マユミは再び絞り出すような喘ぎを漏らした。

「あふぅぅぅ、ふ、深い…ああっ。ハァハァハァ、あっ、はぐぅっ!
 た、たすけ、てっ。お願い、もう、もう! 許して、ゆるしてぇ――――っ!!」

 遂にはあまりの快楽に耐えられなくなったからだが、勝手に逃れようともじもじと暴れる。だがゲンドウは決して放さず、なおも激しくマユミの体を揺さぶった。マユミの全身の毛が総毛立ち、吐く息はどこまでも熱く潤いだしていく。投げ出された足はビクビクとこむら返りを起こしたように痙攣を始める。
 大きく波打つ腹部にその時を感じ取ったゲンドウは姿勢を変えると、重く揺れるマユミの双乳を掴み、より深くマユミの中にペニスをうち込んだ。

「ああ、きゃああぁぁあああ――――っ!!」

 両胸と膣、三点から同時に感じる快楽にマユミの意識は溶けた。
 マユミの膣が、それまでの包み込むような動きから、精液を絞りだそうとするようにぎゅるぎゅると締め付ける。引きずり込まれ、奥の奥に達したゲンドウのペニスが、胎内で大きく膨らみ、弾けた。

「うおおおっ。私の子種を、受け取れ…!」

 ドクン、ドクン

 ゲンドウのペニスが激しく脈打ち、茹だるように熱い精液が音を立ててマユミの膣内に射精される。同時に、マユミの体もまた絶頂を迎え、感激にうち震えた。

「あああああっ、あっ、あ、ああああぁぁぁぁぁ――――っ!!」


 細胞全てが溶けたような陶酔感の中、奥に感じる大量の熱にマユミは全てが終わったことを悟った。
 ゆっくりと精液が身体に染み渡っていくような幻視感。

 じゅぶ、ごぷ、ごぶっ

 ゲンドウが体を動かすと、2人の結合部から大量の精液が泡を吹きながらこぼれ落ちる。内股を伝って流れる生ぬるい精液の感触が気持ち悪いとマユミは思う。

(こ、こんなに、出されたら…私、私…。今日は、危ない、日……だったのに)

「あはぁ、あう……う、ううっ、うう」

 いつしか、むせび泣きながらマユミの意識は暗く慈悲深い闇の中に堕ちていった。









「ごくごく、ごく…………ぷはっ。
 では第2ラウンドの始まりだ」










初出2005/01/03

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