─ 福音のいけにえ ─

序章



書いたの.ナーグル







 数年越しで ―――― 行き違いから殺しあいまで行った末 ―――― 遂に結ばれた碇シンジと碇(旧姓:惣流)アスカの新婚若夫婦。端から見てラブラブべたべた、今夜も…ね? イヤン、エッチなんだから! という独身者を発狂させるような毎日を送る。

 元ネルフ総司令とは仮の姿。その実体は官能小説家である碇ゲンドウ。
 その妻であり『エヴァにいるの飽きた』とか言って、あっさり復活した30前後の若いままの碇ユイ。
 ユイとゲンドウ、世界を破滅一歩手前に追いやった2人は、色々あったけど元の鞘に収まり、今は息子夫婦と一緒に暮らしている。






 この一見すると理想的な家庭に。



「はじめまして、碇ゲンドウ先生。新しく担当編集となった山岸マユミです。
 ご家族の方も、どうかよろしくお願いします」
「う、うむ。よろしく頼む」

 キラリと金のイアリングを輝かせながら彼女は頭を下げた。
 ゲンドウの担当編集としてマユミが2世帯同居住宅に来たのは、ほんの数ヶ月前。

 平安時代の姫のように背中まで伸びた長い黒髪は、濡れた尾羽のように艶やかで美しい。前髪は綺麗に額の所で切り揃えられ、彼女の生真面目な性格をかいま見せる。ほっそりとした体は華奢ではあるがスラリと伸び、タイトスカートから覗く脚線美はそこらのモデル顔負けの美しさと躍動感に満ちあふれている。

 眼鏡の下でキラリと光る理知的な瞳は、彼女の大人しいながらも強く真っ直ぐな感情をこれ以上ないくらい物語ってる。

 きつく結ばれた口元の艶黒子は、彼女の年齢を何歳か多く見せているが、かえってそれが奇妙な色気があった。

 なにより、中学生時代の時とは比べものにならない、男ならゲイであっても生唾を飲みそうな豊かな胸、ほっそりとしたウェスト、健康的な子供を産みそうなヒップ。そしてそれらがバランスよく配置されている。

 つまりは、これ以上ないくらい極上な、和風文系眼鏡美女だと言うことだ。

 思わぬ知った顔にたじろぐシンジと、夫に近寄る女は(ユイ以外)みんな敵!
 と、最初は身構えたアスカだったが、すぐに必要以上に口をきこうとしないマユミに戸惑いを覚える。
 清々しさというより、どこか剃刀のような鋭さを感じさせる、編集者らしいスーツ姿のマユミは何というか怖かった。垂れ目なのに、その目で見られると猛禽に睨まれてるみたいで背筋が薄ら寒くなる。綺麗でスタイルが良い分、言葉に出来ない凄みがあると言った方が適当か。
 清潔なのも余り行きすぎると生き物が生きていけなくなるわけだが、今のマユミは正にそんな感じだった。

「あ、あの、マユミ?」
「何かご用ですか惣流さん?」
「え、えーと、あの、すみません」
「惣流さん、いえ、今は碇アスカさんでしたね。
 今は碇先生の原稿が大変危ない状況です。印刷所の方に既に多大な迷惑をかけています。特に用がなければ話しかけないで下さい。先生の気が散りますから」
「は、はい」

 愛しいシンジと新婚ほやほや、毎日愛し愛され、舅達との仲も良好…というか、姑、ユイとの仲は良好すぎるくらいで幸せ絶頂のアスカとは対照的に、数年ぶりに再会したマユミはどこかやさぐれていた。






 普通なら、彼女のように生真面目が過ぎる人間は嫌われる。そして彼女も、どうやら嫌われることを望んでわざときつく当たっているようでもあった。

 しかし、碇家の人間は底抜けのお人好し揃いでもある。

 ゲンドウは見た目の凶悪さとは裏腹に礼儀正しく、穏和な紳士として接する。執筆中は厳しく、作品に妥協を許さない鬼と化すが、プライベートに戻れば穏やかな小春日和のような男性となる。当初こそその山賊じみた顔に脅え、神経ぶち切れそうな遅筆に怒っていたマユミだった。だがゲンドウの一人の淑女として丁重に接する態度と、素っ気ないが確かに感じ取れる気遣いに幼児期に失ってしまった父の面影を見る。
 要するに、なんだか胸がキュンとしてしまったのだ。
 ま、書いてる小説の内容は鬼畜凌辱あり、近親相姦あり、獣姦あり、寝取られありだったりとアレだったが。

 そして彼の妻のユイ。
 夫の側に、それこそ締め切りが近くなれば夜を徹して張り付く自分以外の異性であるマユミを、排斥するどころか暖かく迎え入れ、母のように受け止めてくれる。彼女にマユミは母を感じた。

 なにより、彼女が中学生のに時に出会い、怪獣(使徒)から彼女を救い、凍った心を溶かして恋心を抱かせた人、碇シンジ。
 その笑顔は変わらず優しく、どこか線が細くて頼りなさげだった部分は妻を、守るべき相手を持ったからか頼もしく成長していた。
 そう、心の奥底に埋めていた感情が反応するほどに。

 いつしか、家族同然に接してくる碇家の人々に素直に接するようになり、やがて笑顔を見せるようになるマユミ。
 その穏やかな平穏は、マユミが碇家の暗部をかいま見たとき、遂に終わりを告げるのだった。











 運命の日。
 マユミはゲンドウの新作『凌辱母娘地獄・回天編』の原稿を受け取るため、碇家に来ていた。だが案の定原稿は遅れに遅れ、明日の昼までには必ず! というゲンドウの言葉により、一晩泊まって待たせて貰うことになった。


 翌日早朝、顔を洗うために客間から出たとき、彼女は見てしまう。
 あってもおかしくないかも知れないけど、でもやっぱり狂った組み合わせを。

「あ、碇さん、おはよ…………ござ、い…」

 どこか惚けた情事の残滓を身に纏って夫婦の寝室から出てくる半裸のアスカとシンジ、そして2人の後でくすくす笑いながら着崩れを直しているユイにマユミは言葉を失う。

「なっ、なんで、ゆ、ゆっゆゆゆ、ユイさんが、し、ししし、シンジ、いえ碇さんの部屋から!?」

 治したはずのどもり癖が再発するほどの衝撃。
 だが、ばつの悪そうな顔をするシンジとは裏腹に、アスカとユイはさも意外そうに肩をすくめてマユミの驚きようを笑った。

「別に親子が仲良くするのはおかしな事じゃないでしょ?」
「アスカちゃんの言う通りよ。彼女は家のシンジのお嫁さんなんだし。義母の私と一緒でもな〜にも変なことないわよ?」
「へ、変です! そりゃ、一緒にいることはおかしくないかも知れないけど、でも、でもでも!
 夫婦の営みの時まで一緒だなんて、そ、そそそ、そんなのおかしいです!」
「夫婦の営みって、ずいぶん古風な事言うのねぇ…。いやまあ、確かにこんな格好じゃごまかせないか。
 でもね、あなたの想像するようなこと、私はしてないわよ」
「そ、想像って…わ、わたし」
「家の宿六が書くようなことをしてたと思ったみたいね」

 そう、確かにそうだ。
 担当編集者として、誤字や文法などのチェックのためゲンドウの作品はほぼ全てを読んでいたわけだが、その中の一編に、実の母とその息子夫婦の糜爛性ガスを浴びたみたいに爛れた関係を題材にした話があった。

(あうう、私、私…とんでもないことを想像しちゃってた。
 単にユイさん、シンジさん達を起こすため部屋に入っただけかも知れないのに。服が乱れてるのは、子供っぽいところのある人だから、ちょっとふざけただけかも知れないのに)

 顔を真っ赤にして、マユミは早とちりをしてしまったのかとおろおろする。

 すーっと音もなくマユミに近寄るユイの目が、どこか危険な色に輝く。喩えるならイブをそそのかした黄金の蛇。
 だがまだつきあいの浅いマユミにはその意味が分からない。シンジやアスカがそのままの姿勢で硬直してしまうユイの笑み…。使徒よりも恐ろしいそれは、碇家において絶対的な処断が行われることを意味する。

「ちょーっち、アスカに指導してただけ。何をかって?
 そろそろ可愛い孫の顔を見たいのよ。夫婦が最高に気持ちいい状態で同時にイクと妊娠する可能性が高いって言うでしょ。だからそれのお・て・つ・だ・い♪」
「そ、それは、俗説なんじゃ…」

 いつの間にかすぐ目の前に立つユイにたじろぎながらも、生来の生真面目さ故に律儀にマユミはつっこむ。漫画の悪人のように、やたらと口元をつり上げてユイは笑った。

「あら、そうかしら? そうじゃないかも知れないわよ」
「ひっ」

 本能的な危険を察知し、マユミは知らず知らずのうちに後ずさって逃れようとする。しかし、いつの間にか背後に立っていた半裸のアスカが抱きつき、羽交い締めしてきた。マントのように纏っていたシーツがはらりと落ち、裸体があらわになるが委細彼女は構わない。
 背中に押しつけられる事後の熱を持ったままのアスカの乳房は、焼け付くナイフの刃のようにも感じられた。

「あ、ああっ!? ちょ、アスカさん何するんですか!?」
「マユミ、ごめん!」
「ご、ごめんって…そんなあっさり…。ああ、やだ、そんなの、だめ、でっ、す」

 動きを封じられたマユミの大きな胸を、パン生地でもこねるようにユイが揉みまくる。F91の女の手には手強すぎる巨乳にさしものユイも苦戦するが、女の弱いところを熟知した巧みな愛撫は純で初な彼女の抵抗を容易くはぎ取る。

「凄いわ、こっちまでゾクゾクしちゃいそうなおっぱいね」
「ひ、ひぃ…い、いやぁ。
 あ、あああっ!?」

 たちまちマユミの腰から下に力が入らなくなり、はしたなくも喚きかけていた叫びは甘い喘ぎに取って代わる。

「はっ、はぁっ、はぅ。うっ、ううっ、や、やだぁ。ううっ、やっ、誰か、助け、てぇ…。
 アスカさん、アスカさん、うう、シンジ、さん。助けて。
 ひ、ひぃ、あ、ゃあぁぁん。あっ、ああっ、あん、あはぁん」

 とろけそうな喘ぎをあげるマユミ。彼女の裏切られた絶望で涙に濡れる瞳が、所在なさげに立ちつくしていたシンジを見つめた。震える指先がシンジに向けて差し伸べられる…。

 助けて、助けて、助けて。

 言葉にしなくとも心に響く切なる悲鳴。凶悪な殺人鬼であっても、振り上げた刃物を躊躇うような。
 だが、シンジは申し訳なさそうに頭をかくと小さく、だがはっきりと呟いた。

「ごめん。僕はずるくて、卑怯で、臆病で…」

(そんな、そんな、なんで!? なんでなんですか、シンジさん!?)

 かつて命を賭して自分を救ってくれた王子様(過去形)の言葉に、悲劇の姫は眼鏡の下の目を大きく見開いた。
 絶望と共に濃密な闇がマユミの周囲に満ちてゆく。
 最後まで抗い、矜持を保っていた心が、折れる。

「うふふ、そう、それでいいのよマユミちゃん。いいえ、マユミ…。実を言うとね、私、こうなることをずっと期待していたわ。レイは勿論可愛いけど、でもね、今でもシンジが女の子だったらなぁ…ってそう思うことがあるの。
 ふふ、マユミはシンジにそっくりだから」
「え、えうぅ。は、はぅぅ」
「あなたのこと大好き。
 マユミ…。アスカでなくてあなたがシンジとの子供を産んでくれても私は一向に構わないくらい」

 冗談めかして言っているが、ユイの目は全く笑っていない。この人は、本気でそう考えている。
 こんな状態にもかかわらず、至近距離から見つめられて、マユミの背中に冷たい汗が流れ落ちた。

「ユイお義母様! 冗談でもそんな事言わないで!
 シンジの子供を産むのは、妻である私、碇アスカラングレーなんだから!」
「勿論アスカに期待はしてるわ。でも……早く孫の顔を見たいのよ。それなのにあなたときたら!」
「う、ううっ。それを言われると…」

 口惜しそうにアスカがうつむき、むくれる。
 シンジの赤ちゃんを産みたいというのは紛う事なき本心だけど、今のところ全く妊娠の兆候はない。
 だからユイの厳しすぎる言葉の裏にある理不尽さよりも悔しさばかりが先に立つ。
 むくれる姿はとても20になった女性のものとは思えない。どこか幼女のような危うさをマユミは感じた。
 狂ってる。
 この一家は、狂ってる。なんで私はこの異常性に気づかなかったの?

「まさか、ユイお義母さま…。お義母さまは、私の味方ですよね?」
「勿論よ。でもね、私はアスカの味方であるけど、同時にマユミの味方でもあるわ」
「くっ、やっぱり…」

 この人達は、一体何を言ってるの?
 マユミは戸惑うことしかできない。

「え、どういう事、ですか…?」
「マユミ、あなた、シンジのこと好きなんでしょう? 友達としてでなく、女として」

 何気ない、まるで夕飯の献立を尋ねるようなユイの言葉に、マユミの顔が紅に染まる。シンジの目の前で彼の母親に愛撫されるという事実よりも、更に羞恥を感じさせる言葉だった。こんな時に、いや、こんな状態だからこそ指摘されたくなかった。

「山岸さん…そうだったんだ。僕の、事…」
「あ、ああああ…。嘘です、違います、そんなの思いこみ、勝手な想像です…」
「うふふん♪ そんな顔して全く説得力ないわよマユミ。でも、残念だったわね〜。シンジがそうと知っていれば、あなたを選んだかも知れないのに」
「マユミ、あんたまさか…! シンジは、シンジは私の夫なのよ! 私のなのよ!
 私はシンジのもので、シンジは私のものなの!
 誰も誰にも渡さない! 邪魔をさせない! レイにも、マナにも! あんたにも!
 それを、この…!」

 締め付けるアスカの腕に力がこもる。
 息苦しさと苦痛にマユミが呻く。だが狂気に支配されたアスカは全く力を緩めようとはしない。

(こ、このままだと………死、ぬ)

「落ち着きなさい」

 縊り殺さんばかりのアスカの腕を、そっとユイが掴む。

「嫌よ! いやいや! 絶対に嫌!
 喩えユイお義母さまの言葉だって!
 こいつ、殺してやる殺してやる殺してやる殺してやる!」
「またペットにされたいのかしら」
「―――――――っ!!」

 マユミにはさっぱり意味不明の言葉に、夜叉の形相をしていたアスカの拘束が急にゆるんだ。電動マッサージ器のような震えがマユミの背中に伝わる。明らかに怯えているアスカに戸惑うマユミだったが、囁かれるユイの言葉に耳を疑い硬直する。

「どこまで話したかしら。そうそうあなたがシンジを好きだって所まで話したわね。
 そう、だからあなたとアスカの立場は同じなの。どっちもシンジを世界で一番大好きって気持ちは本当ですもの。私、エヴァに長い間溶けてたから人の気持ちに敏感なのよ。
 当然あなたにも権利はあるわ。レイやマナがそうであるように、あなたも」

 この人は、一体何を?
 意味が半分も分からず、戸惑うマユミにユイは蕩々と言葉を続ける。

「は、はぅ、はぁ、け、権利…?」
「そう。あなたもシンジを愛する権利はあるの。あの子の赤ちゃんを産んでも良いの。
 でも今のところ誰も妊娠していないわ。アスカなんて半ば独占状態でもう1年以上も頑張ってるのに。両方とも体に問題があるワケじゃない。ただ、エヴァに関わった者の悲劇かしら。色々調べた結果分かったわ。
 馬鹿みたいにも聞こえるけど、愛し合う2人が魂さえも砕けるような快楽の中で絶頂を迎えたとき、初めて妊娠するの。だから2人とも毎日毎日一生懸命なんだけど、もうちょっとなのよね…。
 って、あら?
 まさかこれっぽきりの愛撫でもう返事も出来ないって、あらあらあらあら、ちょっとちょっとちょっと?
 いくら何でも敏感すぎない?
 意外にあっちの経験が豊富なのかしら」

 いつの間にかぐったりと脱力し、小刻みに震えるマユミに、どうなの? と問いながらきつく服の上からでも分かる屹立した乳首をひねる。情けや遠慮一切無し。

「ぎ、ひぃぃ――――っ!! あ、ああああっ!!」
「答えて」

 焼け付くような痛みに混じって、耳元に吹きかけられるユイの吐息がマユミには妙に熱く感じられた。

「は、はぐぅぅ! い、言います! 言いますから、だから、つねらないでっ!
 と、取れる、取れちゃいますっ! 痛い、痛い、痛い――――っ!
 う、うぐぅ、うううっ。うう、わ、わたし、私は、まだ、経験なんて」
「処女なの? こんなに感じちゃってるのに」

 鼻孔を刺激する愛液の匂いに気分を高ぶらせながら、ユイは乳首をつまむ指先に力を込める。その声音と切れ長の瞳を確かめるまでもなく、マユミの言葉に僅かでも嘘を感じれば再び彼女を悶絶させる気十分だ。

「ひ、ひいぃぃ…!
 ほ、本当です。嘘じゃ、ありません…。本当に、私は、男の人とは、まだ」
「本当に処女なの!? それなのにこんなに感じちゃってるなんて…!
 それにこの胸、まだ誰も指を触れてない処女地のはずなのに!」

 彼女の体を大地に喩えるなら、正に…約束された豊穣の地、エデン。
 にっこり…いや、ニヤリとユイは魔神皇帝と異名を取った夫以上に恐ろしい笑みを浮かべる。
 想像以上のマユミの体に、自然自然と溢れる笑みを止めることが出来ない。

「これほどとは…! この碇ユイの目を持ってしても見通せなかったわ」
「あ、あのお義母さま?」
「母さん?」
「おっと思わず違うキャラになりかけてたわね。
 それはともかく、あなたならとても可能性が高そうだわ。処女なのにこんなにも感じちゃうなんて」
「や、待って、お願い、私、こんなの」
「まだ覚悟が決まらないのかしら。大丈夫よ、出来る限りあなたに苦痛を感じさせないようにするから」

 マユミの鳥肌だった頬を撫でるユイの手が、蜘蛛じみた動きでいやらしく蠢く。

「ふふふ、楽しみだわ」
「ひ、ひぃぃ」
「そんな怖がらないでほしいんだけどな〜。まあ、無理矢理あなたの処女を奪っちゃうとか、妊娠させるとか言ってるから無理ないかも知れないけど」
「そ、そこまで分かってるなら、お願いします、このことは誰にも言いませんから。
 あああ、お願い、助けて、助けて」

 ここまできてたすけるわけじゃいじゃん。
 あ〜も〜わざとやってるんじゃないか、と思うくらい脅えた表情が可愛らしい。
 これが、噂に聞いたいぢめて光線っ!

(本気でいぢめたくなってきちゃったじゃない。うう、でも我慢我慢)

 そう、色々気持ちよくなるための準備をしなくては。
 いくら感度良好とはいえ、事に及べば処女であるマユミが苦痛を感じるのは間違いない。それは可哀想だ。それを緩和するために、色々、怪しい薬やら何やらを用意しなくては。

(媚薬やクリームを調合するにも一人じゃ手が足りないわね。仕方ない、ゲンドウさんにも手伝わせましょ)

 締め切り? なにそれ。

「アスカ。まずあなたが可愛がって上げなさい。たっぷりじっくり、マユミの抵抗をとろかせるの」
「は、はい…」
「私が戻ってくるまでに、最低三回はイかせてあげなさい。
 傷を付けたり処女を奪ったりしなければ、何をしたって良いわ」







初出2004/11/06 更新2004/11/10

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