*「どうした? ゆうしゃ。
もう 降参かい?
モはい
いいえ
*「そうだな。今日は このくらいに
しておこう……。
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*「私の役目は はやく お前を
一人前に 育てることだが
あせっても しかたあるまい。
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*「さて もどるとするか。
ゆうしゃも 家で ゆっくり
休むといいだろう。
*「勇者さま 勇者さま……。
*「勇者さま どうか たすけて……。
*「あ! おどろかないで……。
わたしは カエルでは ありません。
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*「あ! 今 どう見ても カエルだって
思いましたね?
モはい
いいえ
*「あなたは 正直な人ですね。
その正直さを みこんで
お願いがあります。
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*「もう さっしているとは思いますが
じつは わたしは ある国の姫でした。
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*「しかし 悪い魔法使いに のろいを
かけられ このような姿に
されてしまったのです。
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*「まあ なってしまったものは
しかたがないし カエルも思ったほど
わるくは ありません。
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*「そんなわけで 毎日
のんきに暮らしていたのですが……
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*「こまったことが あります。
それは…………
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*「それは………………。
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*「……………………………。
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*「あ! いけない 誰か 来るわ!
シンシア「あ ゆうしゃ 剣のけいこ
もう 終わったみたいね。
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シンシア「ん? どうかしたの?
え? おおきなカエル?
なんのことかしら……。
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シンシア「わたしは ずっとここにいたけど
カエルなんて 見な……
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シンシア「見 見なか……
シンシア「うぷ! あはははは
あははは…… もう だめ!!
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シンシア「ゆうしゃが 見たのは
このカエルでしょう。
▼
シンシアは モシャスをとなえた!!
シンシア「のんきに暮らしていたのですが
こまったことが あります。
それは……
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シンシア「それは………… (モシャス解除)
▼
シンシア「って ごめんなさい。じつは
それ以上 思いうかばなかったの。
▼
シンシア「もうすこし ちゃんと先の話まで
考えてから やればよかったんだけど
ゆうしゃに はやく見せたかったのね。
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シンシア「びっくりしたでしょ!
わたし いろんなものに姿を変えられる
モシャスの呪文をおぼえたのよ!
▼
シンシアは モシャスをとなえた!! (うさぎに)
シンシア「じゃあ わたし いくわ!
シンシア「あ! そうそう!
ゆうしゃの お母さんがよんでたわよ。
もう 夕食だって。
▼
シンシア「じゃあ ゆうしゃ
また 明日ね!
*「おや ゆうしゃだがや。 (農夫)
そろそろ 日も暮れるべな。
▼
*「どれ おいらも 家にもどって
めしにするべか。
*「やや ゆうしゃ。 (男)
つかれた顔をしてるな。
そうかい 剣のけいこを……。
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*「大変そうだけど くじけるなよ。
なんせ ゆうしゃは オレたちの
希望なんだから。
▼
*「といっても 今の お前には
なんのことだか わからないよな。
気にしなくて いいぜ。
*「ここは 村の入り口。 (兵士)
あやしいヤツが 入ってこぬよう
見張っているのだ。
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*「ところで ゆうしゃ。
村のそとへ 出たいか?
モはい
いいえ
*「しかし まだ その時でははい。
今のお前では まだまだ
ちから不足なのだよ。
はい
モいいえ
*「うむ そうだな。
ゆうしゃが 村を出るには
もっともっと 強くならなくてはな。
*「ぷはーーっ!!
おお ゆうしゃ お前も
水を飲みにきたのか?
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*「今日の 剣のけいこは
少々 あらっぽかったからな。
わっはっはっは。
▼
*「ところで シンシアとは
あいかわらず 仲がいいみたいだな。
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*「つい先日も オレのところに来て
ゆうしゃを あまり いじめるなだと。
▼
*「まあ たしかに最近は けいこが
すぎたかも知れんが それはそれだけ
お前も 強くなってきたということだぞ。
*「おお よう来たな ゆうしゃよ。 (老人)
今日は そなたに ベギラマの呪文を
教えてしんぜよう。
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*「と いきたいところだが 今日はもう
日も暮れかけておる。
授業は また明日にしようぞ。
*「ぐがー ぐがー。 (あらくれ)
この村には 誰もいれねえぜ!!
むにゃむにゃ……。
*「おや 誰かと思ったら ゆうしゃさん。(宿屋の主人)
いや ちょっと部屋の そうじをね。
▼
*「といっても こんな山奥の村に
客なんぞ 来やしないし もし来たって
まさか 泊めるわけには……。
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*「あ! いえ その まあ……
昔の習慣ってヤツですな。
あはははは……。
(自宅)
*「あら おかえり ゆうしゃ。 (母)
おなかが すいただろ。
今 食事にするからね。
*「おお もどったか ゆうしゃ。 (父)
今日も 一日 ごくろうだったな。
*「よし! 母さん
そろそろ めしにしよう!
もう ハラが ペコペコだわい。
*「はいはい。今 はこびますよ。
*「さあ ゆうしゃ。
お前も 席におつき。
*「ふむ! これは うまいわい!
もぐもぐ もぐもぐ……。
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*「ときに ゆうしゃよ。
お前は まだ小さいから この村しか
知らないだろうが……
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*「外の世界は とても広いのだ。
そして いろんな人たちが
暮らしておる。
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*「お前も やがて 大きくなって
この村を はなれる時が
来るかも知れん。
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*「その時 外の世界で
お前は どんな人たちと
出会うのであろうな……。
*「父さんたら なにを言うかと思ったら!
食事中に さびしくなるような話は
やめてくださいよっ。
▼
*「ゆうしゃは ずっと 私たちと
いっしょに暮らすんですよ。
たとえ どんなことがあってもね!
*「おお そうだったな!
こりゃ わしと したことが……。
わはっ わはっ わはははは!
物語は これより はじまる
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