2023年10〜2024年1月頃に読んだ小説

  
 『餓狼伝』のことを忘れていたり、年末年始ちょっと忙しかったりで感想文が5冊溜まった。

【Re:ゼロから始める異世界生活35】
 帝国を襲った「大災」、退けるキーパーソンとなるのがグルービーとルイ・アルネブの2人ということだが……グルービーは未だ合流できず。ロウアンとハインケルの酔っ払い2人相手にあれこれ。なるほど、ロウアンはセシルスの父親だったか。何か納得。「我が人生の第三幕」とのことだが、当然この人(作者)のことだから第一幕と第二幕は既にプロットがあるんだよな? 第一幕は栄光、第二幕はセシルスに斬られた後の転落後のお話かな。いずれEXとか短編とかで語られるだろうから、覚えておこう。
 ルイの方は、大罪司教という出自がやはり問題。大罪司教の罪を超える功績を立てて云々、ということでスバルは新たな名「スピカ」を贈る。今確認したところ、スピカはおとめ座の一等星……らしい。ついでだからアルネブも星の名前かと思って検索すると、「うさぎ座」らしい。多兎といい、この作者うさぎに何か恨みでもあるのかな?
 話は進んでいるのだろうけど、なかなか先というか収束が見えないまま次へ続く。これまでの本作のパターンでは、窮地にスバルが何度も何度も死に戻りを繰り返して活路を見出す、というものだったが、ここ2冊ぐらいは死に戻りの回数が少なく、かつ簡潔に乗り切ってるかな?

【Re:ゼロから始める異世界生活 短編集9】
 アナスタシア陣営、ガーフィール&フレデリカ姉妹、スバルの剣奴孤島ギヌンハイヴからの脱出劇〜その後の様子、で4話収録。本編に一番関わりあるのはもちろん最後のスバルの前後編で、どちらかというと本編で省略されていた部分?の補足と言った側面もある。最後がなんだかやっつけっぽく見えなくもないが、逆にそれぐらい無理やりでないとプレアデス戦団があそこまで強くなった説明は付かない?

【才女のお世話 7
高嶺の花だらけな名門校で、学院一のお嬢様(生活能力皆無)を陰ながらお世話することになりました
 マネジメントゲームが進行し、伊月は琢磨の“導き”もあってコンサルタントを目指すことになる。というあたりの展開を見ていて、この物語の“終着点”はここなのかな、と感じた。一見して伊月と琢磨の関係の深化は、雛子や華厳と琢磨の橋渡し役に伊月がなる……と思わせて、逆に琢磨が“ラスボス”になるような気がしてきた。ま、この辺はいつもの当たらない私の予想だが――最終章(多分2冊ぐらいに分かれる)では華厳と琢磨が此花グループの運営を巡って反目し合い、華厳(+雛子)側が絶体絶命のピンチに陥る。そこで伊月が一気に才能を開花させて、雛子たちを救う。同時に華厳が伊月のことを認めてハッピーエンド、みたいな。当たるも八卦というやつではあるが、当たらなくても別にいいのだ。先の展開を想像しながら読むのが楽しいのだから。
 最後は成香のシーン。「本気で走る成香に追い付ける人はこの学院にはいない」的に締めてあるのだが、勇気を出して全力で照れる成香が面白可愛い。6巻感想の最初に「物理で殴るのが一番」って書いたけど、やっぱりこの作品物理的に強い人が強いな(意味不明)。

【新・餓狼伝 巻ノ五 魔拳降臨編】
 今年あたりから小説感想文のタイトル表記は、改行を除き奥付への忠実度を上げている。『餓狼伝』は今までサブタイトルを省いていたような気がするのだが、『才女のお世話』とか『クラなつ』とかはしっかり記しているので、こちらも倣うことにした。で、よくよく考えると『魔拳降臨編』とか、ワードセンスが中二病的というか(笑)
 実は、全体的な話の流れを追えていません(笑) この巻でどうしてこの2人が戦ってるのか……というのがイマイチよく分からないまま、ああ夢枕獏の格闘ものだなあ、と思いながらページを繰っていた。あとがきによるとそろそろ完結が見えてきたらしく、この話がどうして大詰めに向かっているのかも分からないまま。まあでも、とりあえず続き出たら買って読んで、完結後に時間が許せば読み返しするしかないかな。
 そのあとがきに気になることが書いてあった。『ゆうえんち バキ外伝』という本が出ているのは知っていたが、『牙刃』シリーズには見切りを付けたので放置していた……あとがきを読むと読んでおこうかな、という、そういう話である(笑) まああれだ、気が向いたら買ってみる。

【今宵も俺は女子高生と雑草(晩餐)を探す1】
 「イラスト みわべさくら」シリーズの最新作(何という紹介の仕方だ)。仕事で大やらかししてしまい、会社をたった1年で退職し、無気力になって貯金も尽きて食うにも困り、仕方がないからそこら辺に生えてる雑草でも食べるか……というときにヒロインと運命の出会いを果たした櫻野なんとかって主人公の物語。
 小説本編はちょっと褒めるところが見つからない。登場人物、物語共に光るところがなく、実在YouTuberとのコラボとやらも(私がYouTuberに興味がないせいかもしれないが)魅力なし。大体タイトルにわざわざ「女子高生」とか書いてるのはマイナスポイント。(いくら大卒2年目とはいえ)社会人と女子高生の恋愛物語って、そんなに需要あるのか……そういや前に「髭を剃る」とかいう文言で始まる作品がアニメにもなってたっけ? あれ結構叩かれてたような気がするのだが、作品側の人は「フィクションだから!」って押し切ったのかな。まあこれ、「バツイチの俺が二次元美少女の〜」とか言ってる私が言ってもダブスタ全開なだけかもだが、この作品読んでそう感じたんだから仕方がない。
 中盤過ぎた辺りから角度30度ぐらいの斜め読みで最後まで目を通すのがやっと。あとがきに「2巻で会えたら」とあったが私にその気はない。さようなら。

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 『悪役令嬢』の代わりに『雑草(晩餐)』が入ったが、残念ながら新戦力にはならず。ライトノベルあんまり増やしたくないからちょうど良かった?
 12月に発売された『Re:ゼロ』の36巻をぼちぼちスタート。3月には37巻と短編集10巻が出る……既に小説としてはかなりの長編になっているが、それでも一定のペースを維持しているので読みがいがある。それ以外では2月に『クラなつ』が予定されているぐらいで、次の小説感想分は陣容に大いなる偏りがあるラインナップになるかも? それを避けるために『ゆうえんち』を読んでみるというのも一案だ。3月までに「ひまーっ!」ってなったら買ってみよう(正確には、『Re:ゼロ』36巻読み終えて『クラなつ』が出る前での間か)。全5巻らしく、手頃な冊数かつ「完結している」という事実が重要だ。

(2024.01.27)
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