-MODEL- Ver.Y


Original text:FOXさん


 ……アタシ……アタシ、ダメになっちゃった……。
 イヤなはずだったのに。こんなこと、すごくくやしいハズ、なのに……。
 みんなに、みんなに見られてるのに……。
 やだ……こんなの……やだ……よう。
 少女は涙をこぼしていた。

 だがもはや少女は抵抗できない。
 満員電車の中ですらりとした躰をひくひくと痙攣させながら、屈辱を受け入れることしかできない。

 それどころか、安っぽい背広の胸元に汗ばんだ額を甘えるように押しつけて、聡明な瞳をどんよりと曇らせてしまっているのだから。

 少女の制服はもはやその体を為していなかった。
 襟を飾るリボンは引き抜かれ、青い制服の上衣はそのままにブラウスのボタンは外されてしまっていた。
 健康的なおへそが見えるくらいにブラウスをはだけさせてしまい、お気に入りの下着がのぞいてしまっていた。
 左右からそれぞれ伸びた無骨な指でブラジャーの上からこりこりと双丘の果実をいじめ、それから柔らかなふくらみを確かめ、こね回していた。

 やがて飽き足らなくなったのかその指はひょいと下着をずらし、彼女が愛する人以外には絶対に見せたいとは思わない素肌をさらしてしまう。
 恥ずかしげに屹立した桃色の乳頭をそれぞれ悪戯されてしまう。
 固くしこったそれをリズミカルにしごかれ、転がされてしまう。

 しかし少女は逆えない。
 背後から男に肉厚の掌で口を押さえられ、くぐもった声をあげるだけだ。
 もちろんその程度の声なら騒々しいこのラッシュ時の通勤電車内を通るわけなどない。

 いや、そもそも少女は助けを求められるような精神状態になかった。
 若々しい弾力のある肌を男「たち」の何十本もの指が這い回っていても、少女はそれに逆らえない。

 スポーティーなショーツを膝近くまで下げられ、さらに制服のスカートを前後とも思いっきりまくられてしまっても彼女は逆らえない。

 腰高のすらりとした下半身を剥き出しにされても隠すことなどできはしない。
 うっすらとした若草が茂る聖泉をくちゅくちゅと弄られても無抵抗のままだ。

 美しく可愛らしい表情を嫌悪に歪ませ、怒りに燃えた瞳で男達を睨みつけていた少女は、もうここにはいなかった。

 なぜなら、彼女は自身すら気づいていなかった秘密を暴かれてしまったのだから。

 「キミ、こんなところで感じるんだ。驚いちゃったな」
 少女の耳元から粘っこい囁きが聞こえてくる。
 気力を振り絞って彼女は首を振る。
 「んんんぅーっ!」
 その蒼い瞳が見開かれ、全身が硬直した。
 「第二関節まで入っちゃった」
 再び囁き声。
 「動かしてみようか?」
 何度も少女は首を振り、拒絶の意を示そうとする。
 「んぁぁぁっ!」
 甘く、そして鋭い快楽に少女は貫かれる。
 がくがくと青い肉体が震え、やがて全身の力が抜けた。

 もちろん、彼女は倒れることも許されない。淫らな操り人形と化した少女は男達に左右から支えられ、彼らお望みのポーズを取らされてしまうのが「きまり」なのだから。

 「いやぁ、いるんだねぇ」
 朦朧とした意識の中に男の囁き声がわんわんとこだまする。

 本来ならスカートとショーツによって護られているはずの乙女の美臀。そのあらわにされたまだ硬い丘のあいだに男に左中指が侵入していた。

 「チカンにお尻のアナをイジられて、気持ちよくなっちゃう女子中学生が」

 その言葉にあわせて男の中指が、彼女の排泄孔の入り口をゆるゆると前後する。
 「んんぁ……はぁ……」
 彼女の吐息にはすでに媚びの成分が混じっていて、そのことを彼女自身も理解していた。

 ……どうして、どうして感じるの。こんなトコロで、きたないトコロで。
 オトコのユビでいじられただけで、信じられないくらいキモチよくなって、なんにも抵抗できなくなるなんて……。

 少女は自身の肉体に裏切られてしまっていたのだから。

 そして、

 少女の意志に反してほぐれはじめた後ろのすぼまり。そこへ侵入した卑劣な指がゆっくりと曲げ伸ばしされるたびに、乙女の前門から分泌される蜜はその濃度と量を増してゆく。

 「キモチいいだろ?」
 ヨーロッパの血を引く美しい女子中学生はもう男の言葉を拒絶できない。
 彼女はアナル責めの快楽に陶酔しきっていたのだった。

 「オジサンたちが、もっとよくしてあげるからね……」
 満員電車の中で半裸に剥かれた惣流・アスカ・ラングレーへの悪戯はさらに過激さを増してゆく。

 彼女のまなざしはどこか遠くを見つめたまま、虚ろに幸福なものへと変わっていった……。

 その後、十分以上にわたってアスカはみずみずしい肉体を男達の指に蹂躙された。
 ひくひくと痙攣し、甘くくぐもった声を上げるさまで男達の目と耳を愉しませ続けた。
 淫らな刺激にすっかり溺れてしまい、男達が彼女を弄りやすいように脚を開き、可愛いお尻を突き出すポーズさえ取ってしまっていた。

 やがて聞き取りにくいアナウンスののち、電車はその速度を落とす。
 アスカの目の前を流れるプラットフォーム上の人々の顔が、速度が落ちるに従って鮮明になっていく。

……あ、これで……終わるんだ……。
 ぼんやりとアスカは考える。
 このえき、いつもいっぱいひとがおりるから、このひとたちもこんなことしていられないはず。

 少女の予想を裏付けるように男達は彼女の乱れた服装を直しはじめる。
 スカートとショーツを元に戻し、はだけたブラウスの前ボタンをぞんざいに留めてゆく。

 ……アタシもおりて、つぎのでんしゃで……ううん。たくしーでかえろう。おかねがたりなかったら……ユイおばさまにたてかえてもらえば……。

 だが、彼女はまったく理解していなかった。
 ドアが開き、背後の男が大きな声を上げるまで。
 そいつが「すみませーん。この女の子、気分が悪いみたいですので降りまーす」と叫び、少女を抱きかかえるようにしてホームへ降り立つまでは。
 少女を囲んでいた男達も同時に、にやにやしながら降りるまでは。

 再び男達に両腕を取られ、逃れられないようにされてしまう。
 「洗面所に連れて行ってあげるから、もう少し我慢するんだよ」
 おためごかしの言葉と同時にまた言葉を封じられてしまう。

 「さ、今度はオジサンたちも気持ちよくさせてもらうからね」
 耳元で囁かれ、視線をぐいとホーム端へ向けられる。
 「あそこの身障者用トイレット、広いし誰も来ないからね、十分に楽しめるよ」
 「いやぁ、こんな可愛いOK娘を楽しめるなんて、またまた大ヒットですねぇ」
 「一昨日のショートカットの人妻もよかったですが、こんな美少女もまた……」

 犯罪者たちは期待に満ちた表情で視線を交わし、アスカは第二幕があがったことを知る。
 この常習者達がいままでの犠牲者に行ってきたこと……屈辱的な快楽を与えて逃れられないようにしておいて、その後個室へ連れ込んで好き放題にむさぼり、愉しむ……が自分の身にいままさに起ころうとしていることを知る。

 そして、この屈辱と恥辱がそれだけでは終わらないことを予感してしまう。
しかし、惣流・アスカ・ラングレーはもはや逆らえなかった。

 ……やだ、こんなのやだよ……。

 彼女はおぼつかない歩調のまま、紺碧の瞳から涙を流しつつ陵辱の舞台へと引きずられていく。

 熱く、重く湿ってしまったショーツをいやでも意識しながらアスカはすすり泣く。
 ……どうして、どうしてこんなコトになっちゃったんだろ……。



◆ ◆ ◆



 「……車内大変混み合いましたことを深くお詫びいたします……」

 ……ったく最低!どうしてこんなに込むのかしら?
 惣流・アスカ・ラングレーは柳眉を逆立てつつ内心でつぶやく。

 ラッシュ時なんだからどんどん増発すべきなのよ。それなのにどーして十分に一本のペースなの?ここは第三新東京市でどこかのイナカじゃないんだから。だいたいよく我慢してるわね。このオジサン達。普通なら暴動が起こるはずじゃない?

午後の授業がなくなったことを幸いに、第三東京市の繁華街までたった一人で買い物に出かけていた……本当はヒカリも誘ったのだけれど、「その、ちょっと、スズハラのところ、ご両親が留守だからごはん作ってあげるの。ほら、妹さんもまだ小さいし……ホント、ごめんね」と断られてしまった……アスカは憤懣やるかたない表情で夕方の帰宅ラッシュとなった電車の片隅で脚を踏ん張っている。

 幼なじみで同級生の碇シンジを連れてくるべきだったと彼女はいまさらながら後悔していた。
 アイツ、あたしのショッピングについてこさせようとするとものすごく抵抗するけど、やっぱり連れてくるべきだった。この荷物だって持って……持たせられるのに。

 ここにいない幼なじみを胸の中で延々罵倒するアスカ。
 「穴場」を見つける天才的な嗅覚と脚を使っての買い物の結果(だから振り回されるシンジはたまったものではないのだが)、少女の両手はその「戦果」でふさがっていて、吊革につかまることさえできない。彼女はひとまわり大きな大人達にぎゅうぎゅうと押され、車内の隅の方で壁にもたれるしかない。

 それにしても。オジサンばーっか。
 アスカはため息をつく。
 確かに車内はほとんどがサラリーマンばかりで、アスカのような年頃の少年少女は数えるほどしかいない。さらにブティックの紙袋などを抱えている学生は彼女だけだった。
 そのせいか、男たちはちらちらと彼女へ視線を投げてくるのだ。

 ……やだな。学校サボってると思われてるのかなぁ。
 頬を膨らませ、ついと窓の外へ視線を向けた。
 しかし、アスカは感じてしまう。

 男たちの視線を。邪な「なにか」が混じったその視線を。
 ……変ね。アタシ……見られてる。
 圧迫感さえ感じてしまい、ついに少女は振り返った。
 「!!」
 次の瞬間、心拍数が跳ね上がる。

 ……えっ!どうして?アタシ、なにか変な格好してる?
 アスカは慌てて自分の身なりを確認する。
 ……ボタン取れてない……よね。髪の毛だって大丈夫。す、スカートも……うん。ちゃんとしてる。ちょっと短いけど。それにヘンな汚れもない……し。

 もう一度周囲を見渡す。
 そして少女は圧倒されてしまう。

 なぜなら彼女の視野内のサラリーマン達はすべて、にやにやと笑いながら惣流・アスカ・ラングレーを眺めていたから。
 夕方だがまだ高い太陽光に頬を染めている、女子中学生のすらりとした肢体を舐めるように見ていたから。
 少女の紺碧の視線と真っ向からぶつかっても、それを逸らそうとせずに好奇心を剥き出しにしていたから。

 ……うそ!うそ!どうして?
 彼女は再び自身を確認する。
 問題なかった。少なくとも、彼女の知るかぎりでは。

 アスカはぎゅっと目をつぶり、再び窓外へ向き直る。
 だが、それでも感じてしまうのだ。
 男たちの視線を。それが強さを増していくのを。それが欲望にまみれていることを。

 ……やだ。こんなのやだよ。
 彼女は震えを止めることができない。車内はむしろ汗ばむほどの温度だというのに。

 ……そんな目で見ないで……よぉ……。
 いままでなら平気で跳ね返せたはずだった。
 気にもしないですんだはずだった。
 だが、もはやそうではなかった。



◆ ◆ ◆



 「碇君とどこまで進んでるの? B?/C?」
 「体育の授業のあと、ブラしていないときがあるって本当ですか? Y/N」

 授業中でも端末に現れるメッセージ。

惣流・アスカ・ラングレーが夢中になって男子の指を銜えてしゃぶり、さらに(それが幼なじみとはいえ)男の太股に卑猥に腰を擦りつけてる姿をクラス中に曝してしまった「事件」以来、彼女の立場は微妙に変わってしまっていた。

 「惣流さんはフェラが好きなんですか? スキ/ダイスキ」
 「欲求フマンのアスカは学校で何回オナってますか? 昼休みに1回/休み時間全部使ってる」

 犯人捜しをする気にもなれなず、メッセージそのものを平静を保って消去する。
 しかしそれでも、教室内のどこからかくすくす笑う声(それも男女の)が聞こえてくる。
 機械的に、意識に留めずに消したつもりなのに、そのメッセージのことをふと思い出すのだ。
 そのメッセージに返事をしている自分を想像し、不意に鼓動が速くなってしまうのだ。

 たまらずその日のうちにメッセージの受信相手をシンジとヒカリだけに制限する。
 「アタシ、『これだけ』ですんじゃうんだ」
 少女は自分が孤独であることを突然理解してしまう。

 でも、「声」は電子的なものだけではない。
 少女達の話の中心にいてもふとその「声」は聞こえてくるのだ。
 「惣流さんってじつは「サセコさん」なのかも」
 「アスカって……援……してるってほんと?」
 「惣流ってさ、あんな風にガキっぽい話をしてるくせして、やってることはやってるんだよな……」

 そして、視線。
 階段に腰掛けてバカシンジとのやりとりに夢中になっているときに、踊り場に用もなくたたずむ少年達がアスカの乱れてしまったスカートへ向けているそのまなざし。
 音楽室や美術室を掃除しているあいだに、いつの間にか女子が自分一人になってしまっているときの男子の目つき。
 自分を見つめるクラスメイトが欲望を隠さなくなったときに、どうすればいいのかなど一四歳の少女に分かるはずなどない。

 さらに、彼女自身。
 スカートの奥をじっと注視されていることに気がついても、無防備に緩めてしまった膝を閉じるまでになぜか意志の力を必要としてしまうのだ。
 立ち上がって走り去ろうと思っても、恥知らずなオトコどもを怒鳴りつけようと思っても、なぜかそうできないのだった。

 いつのまにかたった一人だけの女子として室内に取り残され、男子生徒の発する気配が危険なものに変わってしまったとき、いままでのように切り抜けることができなくなってしまっていた。
 おびえた眼差しで男子を見つめ、無意識のうちに彼らの獣性を高めてしまっているのだった。
 男子を糾弾する勝ち気な台詞が、少年達の支配欲を煽ってしまっているのだった。

 じりじりと壁際に追いつめられ、華奢な腕を掴まれてしまったところに血相を変えた洞木ヒカリが駆けつけることによって、「絶対待ってるのよ!いいわね!」とアスカに言われた碇シンジが心配して現れることによって、なんとかアスカは生贄とならずにすんでいたのだった。

 そう、いつのまにか惣流・アスカ・ラングレーは彼女自身気がつかないままに、欲望の対象物へと化身してしまっていたのだった。



◆ ◆ ◆



 だから、惣流・アスカ・ラングレーは男たちの視線を跳ね返せない。
 ただ身体を硬くして、男たちが自分に密着してくるのに耐えるしかない。

手の甲でさりげなく触れられたときもじっと動けず、調子に乗った男のひとりに手のひらでさわさわと撫でられても、屈辱と恐怖で凍りついたままになる。
 ついに電車の揺れにあわせるようにぐるりと身体を回され、両腕を絡め取られる。
 男達が造る壁の中に完全に取り込まれる。

 だが胸元のリボンに誰かの手が触れたそのとき、アスカの心の奥にかかったもやが晴れた。
 退屈で、つまらないけれどとても貴重な「アイツ」との時間につながるものへの冒涜。それへの怒りが、少女の精神にいつもの輝きを取り戻させる。

 「や……だっ……はなして」
 少女の唇から拒絶の声が漏れる。それはいつもの彼女のそれとは異なりとても小さなものであったが、周囲の不埒な大人達をひるませる。
 さらに自由な脚を使って男の足を踏みつけ、蹴飛ばそうとする。

 お互いの名前も知らない男たちは顔を見合わせる。
 独特の嗅覚で「獲物」を発見してはそれに群がり、いたぶってきた彼らには「抵抗された場合は諦める」という暗黙のルールがあった。

 けれども、目の前で男たちを睨みつける女子中学生の肢体はあまりに、あまりに魅力的だった。

 震えながら、おびえながらもまだ屈服しないその表情は、かえって彼らの獣欲を高ぶらせた。

 「……やめて!……やだぁっ!」
 アスカは声を上げる。
 左右の男どもが彼女の脚の間に左右から靴を突っ込み、じりじりと拡げられて無防備となった生脚を少女の前に立つ男がゆっくりと撫で上げ始めたのだ。
 不幸なことに、少女の美しさは男達の歪んだ勇気を奮い起こさせるに十分であったのだ。

 「ひ……ひぁ!」
 くすぐったいような、びりぴりするような感覚に背筋を貫かれ、恥ずかしい声を出しそうになってしまう。
 少女は可憐な唇を噛みしめて、男達を喜ばせまいとするが、結局それは抵抗の言葉を自ら封じるだけのこと。

 だがアスカは抵抗そのものを止めたわけではない。
 ボタンに指が伸びると身をよじって逆らい、スカートの中に忍び込む手には太股をむちゃくちゃに動かして侵入を少しでも妨げようとした。
 制服を上から撫で回される不快な感覚をなんとか無視しようとする。
 決して不埒な大人達の玩具にされるつもりはないことをアピールする。

 しかし、
 「!」
 アスカは声にならない悲鳴を上げた。
 踵が持ち上がりぶるぶるとつま先が震えていた。
 瞳が見開かれ、涙がこぼれ落ちる。
 「あ……くぅっ……あ」苦悶の声が漏れる口が肉厚の掌にふさがれた。

 少女の前後に立つ男達はほくそ笑み、視線を交わして合図を送る。
 「んんん……むぅぅーっ!」
 アスカの踵がさらに浮き上がる。爪先が力無く床を掻く。

 苦悶の表情を浮かべる惣流・アスカ・ラングレーの下半身。
 まだなんとかスカートに護られているそこでは、スポーティな少女らしいショーツが卑猥なTバックに形を変えている。

 前後から伸びた男達の手によってむりやり引き上げられ、よじれた布地は無垢な秘裂に食い込んでいたのだった。

 強烈な刺激のあまり抵抗できなくなったアスカへの責めはエスカレートする。
 左右から伸びた手が細腰を押さえ、彼女を動けないようにする。そして完璧にタイミングを合わせ、前後の男達は彼女のショーツを交互に引っ張り始めたのだ。

 「んんっ!むーぅっ!んー」
 幼い陰裂と幼芽がこすりあげられ、未体験の刺激にアスカの意識は灼熱してしまう。

 にやりと笑う男たち。
 男たちのペースが上がり、乙女の秘密の部分をリズミカルに刺激される。

 十数秒の拷問ののち、惣流・アスカ・ラングレーはついに屈服した。
 ぽろぽろと泣きながら、男たちの愛撫に受け入れてしまう。
 男たちの指が制服のボタンにかかるのを震えながら見つめるだけになってしまう。

 だがもちろん、男達は卑劣な責めを終えはしない。さらにリズミカルにショーツを食い込ませ、少女の未開発な部分に刺激を与えてやる。

 彼女が苦痛以外のなにかを感じるようになるまで。
 ヨーロッパの血を引く女子中学生の瞳に妖しい光が宿るようになるまで。

 数分も待つ必要はなかった。
 少女は全身を弛緩させ、男の胸にもたれかかっていた。
 苦痛をいつしか鈍い快楽に変化させ、それに翻弄されてしまっていた。

 もうアスカは男達の罠から逃れようとは思えなくなってしまっていた。
 彼女が懸命に努力していたのはただ一つだけ。
 両手に持った紙袋を落とさないよう、両手に力を込めることだけだった。

 おとさ……ない……もん。
 少女自身のショーツによる股責めはいつのまにか終わっていた。
 しかし、彼女は気がつかない。ただ、たった一つのことだけに集中していた。

 しっかりにぎってるの……よ。あすか。
 ……せっかく、せっかく、あした、えにかいてもらうんために買ったんだもん。

 男の指がショーツのビキニラインに沿ってゆっくりと動いていく。
 ……どれを着ていったらいいか、しんじにえらばせるんだか……ら。

 そろそろとアスカのショーツが下ろされていく。
 すごく……かわいい……の……えらんだ……んだ……もの。

 絵が……できたら……しんじに……ほめてもらうんだ……から。
 男の無骨な指が彼女の肉芽を探り当てた。
 コリコリと刺激すると同時に、熱を持ちぬめる処女の肉裂を浅くかきまわされる。

 「あ……あ……はぁ……」ぶるぶると震えるアスカ。
 ……だめ……ダメ。落としちゃ……だめ。
 歯を食いしばる。

 それを背後から見ていた男がふといたずらを思いつく。
 桜色の唇を押さえて言葉を封じ、少女の髪の匂いを楽しみつつ、残った手で滑らかなヒップを撫で回していた彼は、その中指で彼女の後ろのすぼまりをノックする。

 「ひぁっ!」アスカが大きく痙攣した。だがそのあとに、彼女がひどく甘い溜息を漏らしていることに男は気づいた。

 おや?
 この明らかに処女であるはずの女子中学生が見せた、らしからぬ反応に男は首をかしげる。
 少女のタブーである場所を、菊門を軽くぐりぐりといじってみる。

 「んんっ!んっ!んふぁ……」
 彼女の体温が上昇し、全身から甘い匂いを発散させた。
 その可愛らしい表情はだらしなく惚けてしまっていた。

 なるほど。そういうことか。
 男はほくそ笑み、確信する。
 「誰に開発してもらったんだい?」
 彼は少女にささやいた。
 虚ろな瞳の彼女は答えない。そもそも彼女には男の言葉が理解できないのだから。

 もちろん男は答えなど必要としていなかった。
 美少女の幼裂からしたたる蜜を中指にまぶしながら、「どこかのオトコにオシリで感じるようにされたんだろ?」とささやく。そして答えを待たずに彼女のアナルへ中指をゆっくりと、ゆっくりと侵入させる。

 「あ!んんんっーッ!」アスカがくぐもった悲鳴を上げた。
 青い瞳から涙を拭きこぼしながら何度も何度も首を振った。

 どうして、どうして、どうして?
 こんなトコロを触られて、アタシ、気持ちよくなっちゃうの?
 嘘!こんなの嘘。これじゃアタシ、変態だわ!

 しかし、男がゆっくりと指を前後させるうちに、固い後門はしだいにほころんでいく。
 彼女の脊髄を甘い電撃が何度も通り過ぎていく。

 そして、第一関節をずぶずぶと沈めたとき、
 固く握りしめていたアスカの両手の力が緩んでしまう。
 必死になって掴んでいた紙袋が落ち、代わりに男達の指が少女の華奢な指に絡まった。

 少女はついに囚われてしまった。
 完全に。逃れようがないまでに。



◆ ◆ ◆



 タクシーが停止するやいなやマンションのエントランスから碇ユイが駆け寄ってきた。
 震える手で紙幣を運転手に渡しているあいだに、惣流・アスカ・ラングレーは車を降りた。
 ただしそのあいだも同乗者の手を握ったままだ。
 「シンジ。アスカちゃんと一緒に先に行っててちょうだい」

 ユイの息子でアスカの幼なじみである少年は黙ったままうなずき、少女に二言三言声をかけてエレベーターへ向かう。
 少女の手をしっかり握ったままで。


 「ユイおばさまったら、そんなに心配そうな顔をしないで」
 シャワーを浴びて着替えを済ませたアスカがユイの顔をのぞき込む。ユイはジーンズとTシャツ姿の美少女を思わず抱きしめてしまった。
 「よかった。本当によかった」

 息子のシンジはあまり多くを語らなかったが(というよりも、状況を巧く表現する語彙を持ち合わせていなかったのだろう)、アスカが危険から逃れることができたのは、奇跡に近かったのだ。

 ……もし、シンジが放課後に相田君と一緒に出かけなければ。
 帰りにアスカと同じ電車に乗っていなければ。
 男達に囲まれてホームを進むアスカに気がつかなければ……。
 アスカがこのような笑顔を浮かべることはなかったに違いないわ。ひょっとすると永遠に。
 ユイはアスカの髪を撫でながらそう思った。

 ……そんなことになれば、ドイツへ出張中のキョウコにどう詫びればいいか。
 心の底からユイは安堵する。

 「シンジ、立派だったわ」ユイは手放しに息子を賞賛した。
 少年がやったことは彼自身が語ったとおり、アスカの名を叫んで近づき、そしてその手をしっかり握って男達の囲いから連れ出しただけにすぎないのだろう。

 でも、それで十分。ユイは誇らしかった。ちゃんとオトコノコできたのね。ちょっと感心。
 彼女はシンジに微笑んでみせたが、頬を赤らめてそっぽを向かれてしまう。

 ……あらあら。まだまだかも。ちょっと変わったのかなと思ったんだけど。
 ここ数日、母親を見る少年の態度が変わりつつあることを敏感に感じていたユイは苦笑すると同時になぜか安堵してしまう。
 少年の視線にはどこかセクシャルな成分が感じられていたからだった。
 少年は痛みと欲望が混じり合ったような匂いを発していたからだった。

 「おばさま?大丈夫?」アスカの声で我にかえった。「震えてるわ」
 「え、ええ。大丈夫よ。だって……とっても恐ろしいことだもの」
 「でも、顔が赤いし、それに」ユイの額に少女はおでこを押しつける。
 「大変!すごい熱!」アスカはつぶやき、そして叫ぶ。
 「シンジ!薬はある?それから氷!タオルも!」

 「ほら、遅いぞ!急いで漕ぎなさい。ほら!がんばる!」
 「だったらアスカが降りたらいいじゃないか!……痛い!」
 「うるさい。ほら、もっと漕ぐ!」
 けっきょく薬箱に解熱剤はなく、あわてふためくシンジをアスカがせっついて深夜のドラッグストアへ自転車で買いに行くことになったのだった。

 当然ペダルを漕いでいるのは碇シンジ。アスカは荷台に腰掛けて少年を鼓舞している。
 真夏の深夜の気温は高く、地下の駐輪場から地上へ出ただけで汗だくになり息が切れる。
 だが少年の表情は明く、元気な幼なじみの声が心地よかった。
 「ほら行けーっ!ってこら!なぜ止まるのよ!バカシンジっ!」
 「……赤信号だよ。せっかちなんだから」
 「ナマ言うな!えい!」
 シンジの腰に巻かれた滑らかな両腕がぎゅっと締まり、少年の息が詰まる。
 背後で少女がくすくすと笑った。

 「あのね、シンジ」
 惣流・アスカ・ラングレーは少年のTシャツに頬を押しつけたままで言う。
 「ん?」
 「ありがと」
 「えっ……うん」シンジは赤信号をじっと見つめたままだった。うまく言葉が出てこない。この美しい幼なじみを慰めるべきなのか、それともなにもなかったように振る舞うべきなのか少年には分からない。

 ただ、分かっていることがあった。
 「アスカ、あのさ」
 「なに?」
 「買った服、見つからなかったね」
 「……う、うん」
 「また、買うの?」
 「……うん」
 「あのさ」シンジは続けた。少しだけ勇気が必要だった。「そのときは……その……僕も一緒に……いくから」

 少年と少女は沈黙してしまう。
 「ご、ごめん。お節介なこと言……」
 「馬鹿」早口になったシンジにぎゅっと少女が躰を押しつける。薄い布地越しに柔らかな感触と体温が伝わってきた。
 「ジュースぐらいおごってあげるから、歩き回らせても文句言わないのよ」
 「うん」
 「紙袋いっぱい持たされてもぶつぶつ言うんじゃないわよ」
 「う、うん」

 あっ!とアスカが声を上げた。
 「ほら!青信号!進めーっ!」
 弾かれたように少年はペダルを踏む。

 碇シンジには分かっていることがあった。

 自分がアスカを護るべきであると。



◆ ◆ ◆



 その少年と少女の様子を碇ユイは階上から眺めていた。
 二人の会話の内容が聞こえるはずなどないが、彼女の口元には自然と微笑みが浮かんでいる。

 ……よかった。本当によかった。
 ユイは思う。もし少年が助けに入らなければ、少女を襲う運命は過酷なものだったに違いない。

 そう、そうにちがいないのだ。
 ユイの身体はさらに熱を帯び始めていた。

 あのまま、あの大人五人が余裕で入れるほどの個室へ連れ込まれれていれば……。

 力のでない肉体を後ろから羽交い締めに拘束され、残りの男達に一糸まとわぬ……ストッキングごとくるりとショーツも脱がされて……姿に剥かれてしまったにちがいない。
 逃げ出したり、助けを求めたりできないようにするために。

 タイルの感触を足裏で感じながら、オールヌードを痴漢たちに披露させられてしまうにちがいない。
 下腹部の毛並みやバストやヒップの肉質まで、男達によって評論されてしまうのだ。
 誰にも見せたことがない肢体を欲望の対象として鑑賞されてしまうのだ。
 そう、あのひと以外……夫以外に見せたことがなかったのに。

 それから代わる代わるに濃密な、卑猥なキスを強制されてしまうにちがいないわ。
 舌の付け根まで吸われ、なま暖かい唾液を音を立てて飲まされ、夢心地にされてしまうのだ。
 ルージュが恥ずかしいほど崩れても、それを直すことなど許されない。
 ひたすらに口でのセックスを強いられてしまうのだ。
 もちろんそのあいだも、全身を男達の指が、掌が、さわさわとあやしく這い回るにちがいない。

 碇ユイはぎゅっとわが身を抱きしめる。全身の震えが止まらない。

 そして白いタンクに手をついて腰を高く上げ、大きく脚を拡げた姿勢を強制させられてしまうのよ。
 ……腰を掴まれて爪先立ちにされ、硬い肉杭を打ち込まれてしまうの。

 屈辱に泣きながら、いやいやと首を振りながら、それがずるりと入ってくると、彼らも驚くほどの大きな恥ずかしい声を上げてしまうの。
 だから、わななく唇には、さっきむしり取られたショーツが、自分の粘液でたっぷり濡れたそれを押し込まれて、行儀よくするように命じられたんだっけ。

 リズミカルにお尻に打ち付けられているときに耳元で「この格好でスルのが好きかい?」と尋ねられたときには、何度も何度もうなずいてしまうのよ。
 そうよ、アスカちゃんだって、勝ち気なあなただって……あんな風に責められたら我慢できなくなっちゃうのよ。

 背中を壁にも垂れかけたまま、ずるずるとユイは絨毯の上へ崩れ落ちる。乱れたスカートの裾に右手を忍び込ませて自ら刺激を与え始めてしまう。

 完全に虜にされてしまったら、今度は便座に座った男に背中から貫かれ、悶える顔やかちんかちんになった乳頭を鑑賞されてしまうのよ。
 言葉を封じていたショーツを取り出され、代わりに……おとこのひとのモノでふさがれてしまうのよ。

 顔や身体にせーえきいっぱいかけられて、フラッシュをいっぱい焚かれてしまうのよ。

 そうよ、アスカちゃん。あなたはもう少しでそうなってしまうところだったのよ。
 ……あなたは、とても幸運だったのよ。

 碇ユイは両手で自分を慰めていた。泣きながら快楽をむさぼっていた。
 息子とその幼なじみがあと数分で戻ってくることなどすっかり忘れてしまっていた。

 そして、寝室のサイドテーブルに置かれているスケッチブックのことも忘れていた。
 その中のページに、ある絵が描かれていることも知らなかった。

 そこには全裸で洋式便器に腰掛けて、女のあわいから液体をしたたらせている女が描かれていることを。
 美しい表情も、均等の取れたバストにも白濁液を浴びせかけられて、幸福そうに微笑んでいる女が描かれていることを。

 さらに、惣流・アスカ・ラングレーも知るよしがない。
 「ASUKAの記録」と表紙に書かれたスケッチブックに描かれた絵のことなど。

 そこにはソファーにうつぶせになり、口元で掌を握りしめ、必死に唇を食いしばる少女が描かれていた。
 少女の口元にあるのは銀色の電子デバイス。相田ケンスケから借り受けたデジタル録音機。
 いかなる理由かは不明だが、それが彼女の口枷として作用しているのは明らかだった。
 しかしそれでも、その桜色の唇からはいまにも言葉が、いや獣のようなあえぎ声が漏れそうなのは明らかだった。

 その絵の中で、惣流・アスカ・ラングレーはソファーの上で屈辱と快楽で泣いている。
 うつぶせになり、その下半身を女性の膝の上にのせて。
 高く持ち上げられた美尻は女性のすらりとした指に割り開かれ、深々と指が差し込まれている。

 少女の表情に焦点を当てた構図ではあったが、女の指が美少女の菊門を貫いていることは明らかだった。
 優しく髪を撫でられながら、少女は肛門調教を受けているのだった。
 優しい言葉を掛けられながら、排泄孔で快楽を得ることができるように教え込まれていたのだった。

 そしてアスカの柔らかな紅茶色の髪を撫でている手にはめられているその指輪は、三度目の絶頂に震えながらも、まだオナニーを止められない碇ユイの指に輝いているそれと同一だった……。



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From:【妄想炸裂】思いつきネタスレ2nd【猥文投下】