失楽園・序章


Original text:kuzukagoさん


それを目撃したのはほんの偶然だった。
今夜もユイは徹夜でE計画の最終チェックに泊り込んでいた。
自分の研究室に置き忘れた書類を取りに来たついでに、ユイに差し入れをしようと思い立っただけだったのだ。
ユイの研究室のドアが微かに開き、中から光がわずかに洩れていた。
ドアの隙間からあのような光景を目にするとは思っていなかった。
研究室の白い壁は女の甘いあえぎ声と男の荒々しい息遣いを響かせる。
ユイは机の上に上半身を突っ伏していた。
下半身を覆っていたフレアスカートは大きく捲くれ上げられ、パンティらしき布切れが彼女の足首に纏わりついていた。
ユイの後ろには男がいた。
男はユイの腰を掴んで、剥き出しの下半身をユイの尻に叩き付けていた。
女が自分の妻であるユイであるにもかかわらず、その彼女が剥き出しの尻を差し出しているのが俺以外の男であると言う光景が何を意味しているのか一瞬判らなかった。
・・・浮気・・・ユイが!?
男の方へ目をやる。
汗だくになりながらユイに後ろから挑んでいるのは・・・・・・冬月・・・・・・妙な納得がそこにある。
ユイと冬月の関わりは、大学の教え子と恩師という関係で、付き合い自体は俺とのそれよりも長い。
冬月からすればユイは大のお気に入りで、ユイも冬月に対する敬愛を隠さなかった。
ただ、そんな二人におかしな噂が流れなかったのは、二人の歳の差と真面目な人柄の賜物だった。
・・・・・・なら、今、目の前で起きているこれはなんだ!?

見られている事に気付かないまま、ユイと冬月の声は段々と高くなっていく。
もうすぐ二人は達しようとしているようだった。
冬月が一際高くうめくと、ユイの背中に突っ伏した。
ユイの開いた脚の付け根、冬月と繋がっている辺りから体液が床に垂れていた。
冬月の手が背後からユイの前に回っている。
どうやら、服の合せ目から服の中に手を入れて、彼女の乳房を愛撫しているようだ。
ユイと冬月は小声で会話を交わすと、クスクスと甘やかに笑った。
二人が向かい合うと、ユイは自分の唇を冬月のそれに押し当てた。
深く強く息もせず唇を貪る。
冬月の腕もユイの背中に回り、彼の方からもユイの唇を貪った。

ようやくユイが身を起こして大きく息をついた。
「ゲンドウは、君の事を愛しているのか?」
冬月が唐突に尋ねた。
「何故です?」
「君がこんなことをしている事にまだ気付かないんだろう」
冬月はユイの胸に手を伸ばした。
「あの人は気付かないわ。もし気付いていても何も言いませんわ」
「そうか?」
そしてそのままブラウスのボタンを外し、ユイの肩口からブラウスを引き抜く。
「私達には冬月先生のお力が必要です」
レースの施されたブラジャーに包まれた胸が勢い良く揺れた。
「そのためなら冬月先生の望むものは何でも差し上げる事が出来ます」
「それが君の身体であってもかね」
「ええ、勿論」
ブラジャーを捲り上げると、白い乳房が剥き出しになり、冬月の指が食い込み、形を変える。
「なぜ・・・・・・あの男の為にそこまでする?」
「あの男?いえ、私がそうしたいからそうするのですよ。私には冬月先生が必要な人ですから」
冬月は床に跪き、ユイの乳房を顔の前に持って来た。
冬月は目の前のピンクの乳首に吸い付いた。
ユイが大きく吐息を洩らす。

スカートのホックを外して、床に落とすとユイの身体を覆うものは、足首に絡み付いているパンティストッキングの残骸のみになる。
そして、再び机の上に、今度は仰向けに寝た。
冬月の男は、いつのまにか復活していた。
冬月は机の上のユイに覆い被さり、歳を感じさせない冬月の男が、ユイの女の入り口に近づいていく。
彼女の女の入り口は、そこは既に冬月を迎え入れる準備が完了していた。
俺の妻の中に、俺以外の男が侵入していく。

ユイは熱い吐息を吐きながら腰を廻すようにして受け入れた。
ユイは俺にしか許さなかった筈の柔らかな下腹部を冬月に許していた。
太股を左右に広げて冬月の腰を迎え入れていた。
冬月が腰を打ち付ける度に、ユイの口からは艶めいたあえぎが迸り、二人が繋がった部分からピチャピチャと湿った音が聞こえた。
妻の白く、若さに張り切った肌に、老人の浅く黒く、たるんだ肌が絡み付いていくのを俺はただ、呆然と眺めていた。

冬月の息遣いがだんだんと荒くなっていく。
「でも、本当にいいのかね、ユイ君」
「ええ、中に下さい。冬月先生」
「しかし・・・・・・絶対、大丈夫というわけではないのだろう?」
ユイはクスリと笑った。
「私・・・今日は危険日です」
「何!」
「私、ただの浮気なら先生に抱かれるつもりはありません」
「・・・・・・」
「私を妊娠させてください。あの人の元に戻れない身にしてください」
「ユイ君・・・・・・」
冬月の息が荒くなり、下半身を打ち付ける速度が速くなった。
突き込まれる度にユイの口から抑えきれない嬌声が迸る。
そして・・・
俺の妻であるユイの肉体に深々と埋め込まれた冬月のペニス。
それがユイの子宮の中に冬月の精をたっぷりと注ぎ込む。
冬月は放ち終えると女体の上に突っ伏した。
役目を果たした冬月の性器がしなびて、ユイの中から抜けた。

初号機の起動実験の失敗で、ユイが消えるその三日前の出来事だった。




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