INNOCENT TABOO

- case Mana -W


written by PDX.


「あっ、あ、ああン……」
 マナのしなやかな肢体が淫らにくねる。あの後、浴室からシンジの部屋へと場所を移して、なおも淫らなレッスンは続いていた。
 シンジのベッドは、三人が淫行に耽るにはかなり窮屈であった。
 彼の両親の寝室のダブルベッドの方が楽なのは誰の目にも明らかだったが、シンジの部屋で初体験をしたいというマナの希望でここにやってきたのだった。
 あらかじめユイが用意しておいたのだろう、おろしたての真っ白なシーツに幼い裸身を横たえるマナ。そんな彼女に覆い被さったシンジが、そっと唇を奪う。
 二人が互いに舌を絡めあいながら濃厚なキスをしている間に、ユイがその手をマナの股間へと伸ばしていた。白い肌に切れ込んだ深いスリットをなぞるように上下する指先が、じわじわと沁みだしてきた蜜を塗り拡げてゆく。
「あっ……ん……」
 ユイの指が、マナを優しく包む薄皮をめくり、彼女を裸にしてしまう。
 そして、少女の一番感じやすいところに、そっと唇を寄せる。
「ん、あ、あああーーーーっ!」
 剥き出しにされた性感帯を吸われ、たまらず唇を離し悲鳴をあげてしまうマナ。
 だが、その可愛らしい悲鳴に構うことなくクンニを続けるユイ。少女の幼い性器をとろけさせ、初体験の苦痛を少しでも和らげようとするかのごとく、両手と唇を駆使してマナの身体に淫らな波動を流し込み続ける。
「あ、あ、ああ!」
 マナの唇を解放したシンジが、堅くそそり勃つモノを彼女の目の前に突きつける。彼が何を求めているのか、今更解らないマナではない。右手で肉茎をそっと掴み、剥きあげた先端を口に含む。
「ああっ、そ、そうだよ、マナちゃんっ!」
 少女の唇を犯すかのようにゆっくりと腰を前後に動かすシンジ。そんな彼のペニスに、マナの舌が絡みつく。
(シンジさんの……おちんちん……!)
 唇の、アヌスの処女を捧げた肉柱を、再び口に受け入れる。そして、股間に浴びせられる巧みな愛撫。目を閉じ快楽に酔うマナは、幼い性器をペニスで貫かれているかのごとき錯覚に溺れてゆく。
 シンジの手が彼女の頭をそっと押さえて逃げられないようにし、唇を犯す腰の動きを速める。
「うっ、ううっ!」
 シンジが欲情していること、自分を求めてくることが嬉しかった。
(もっと……もっと犯してください……マナを、シンジさんの欲しいようにしてください!)
 いささかマゾヒスティックにそう思ったちょうどその時、ユイが彼女のクリトリスを甘噛みした。
 股間に鞭を撃たれたかのような感覚。その電撃が背筋を駆け抜けマナの後頭部で弾けた瞬間、シンジが射精した。
「ま、マナちゃんっ!」
「ううううーーーーーー!!」
 どくっ、どくっと熱汁を注がれるたびに瞼の奥に閃光が瞬く。
 絶頂に達しながら味わう生苦い精液。美味しいとはとても思えなかったが、その苦い味すら心地よいものであった。
「ああ……」
 口の中に射精されながらイき続け、失神したようにぐったりとしていたマナがようやく戻ってくる。
「せんせい……」
「うふふ、ずいぶん気持ちよかったみたいね、マナちゃん」
「はい……」
「無理して飲まなくてもよかったのに、ふふ」
 マナは、無我夢中でシンジのエキスを飲み下していたのだった。
 かぁっと真っ赤になるマナ。
「美味しかった?」
「……苦かったです」
「うふふ、それが当たり前なの。
 でもね、慣れてしまうと、好きな人のザーメンがとても美味しく感じられるようになるわ」
 微笑むユイ。その言葉が嘘や誇張したものだとは、マナには思えなかった。
 以前観たビデオの映像の中で、ユイはシンジやムサシ、ケイタの出したものをそれはそれは美味しそうに飲んでいたからだ。
 きっと、いつか、自分も。
「それじゃ……もういいわね?」
「……はい」
 マナと唇を重ねたユイが彼女から離れる。代わりに、シンジがベッドに乗り、マナの上に覆い被さる。
「あ……」
 肌と肌が擦れ合うだけでも気持ちいい。唇を吸われたりしたら尚更だ。
「シンジさん……」
「うん……」
 シンジが、マナの脚をMの字型に大きく開かせる。そして、彼女自身の奥深くから溢れてくる蜜でとろけきった中心に、熱い熱い切っ先をあてがった。
(ああ……これで私……シンジさんに……)
 結婚の約束をしたわけではない。あくまで花嫁候補、それも第一候補でしかない。
 シンジの側には、彼のことを想う少女が少なくとも二人いるのだ。
 彼と同い年であるが故に同じ学校に通うことが出来るという点でマナよりも優位な二人。たったふたつという年齢差は、身体の発育という点でも大きなハンデとなっている。
 だが、シンジと唇を重ね、熱い迸りを口に、直腸に注がれた今、マナはライバル二人に大きく差を付けることが出来た。
 そのうえ、いちばん大切なものを捧げることが出来るのだ。マナが、シンジの花嫁になった自分の姿を夢想することを、いったい誰が止められよう。
 そしてシンジの切っ先がマナの花園を押し広げ、奥へと入り込もうとする。
「ーーーーーー!!」
 きつい肉洞を強引にこじ開けられる。熱くたぎる頭部が食い込んでくる。それだけでも想像していた以上の苦痛であった。
 そして、シンジが更に腰を押し込むことで、彼女の感じる苦痛はピークに達した。
 限界まで引き延ばされた皮膚が、耐えきれずに裂かれる感覚。
「ぅあああーーーーーーーー!!」
 既にアナルヴァージンを喪失している彼女であったが、あの時とは全く異なる苦痛。
 浣腸で汚物を洗浄し、同時に括約筋を弛緩させたうえで拡張棒やビーズを用いての拡張。
 ユイの手による性感開発を施された排泄器官は、殆ど苦痛を感じることなシンジを受け入れることができた。それどころか、初めてのアナルセックスで絶頂を経験すらできた。
 だが、処女膜を傷付けぬようにと、異物の挿入を伴わない開発しか為されていない幼い女性器は、感度こそ高められてはいたが、破瓜の痛みは殆ど減じられてはいなかったのである。
 あまりの激痛に、それまで必死で飲み込んでいた悲鳴を漏らしてしまうマナ。目尻からは涙すら漏らしている。
「ま、マナちゃん!?」
 彼女の苦しみように今更狼狽えるシンジ。根元まであと三分の一ほどを残して腰の動きを止めてしまう。
 成熟した肉体を持ち出産経験すらあるユイとの性経験しかない彼は、処女が初めて男性を受け入れる時に苦痛を味わうものであることをすっかり失念していたのであった。
「シンジ」
「か、母さん」
 狼狽えた彼を叱るでなく、笑うでもなく、ユイは息子を見つめていた。
「中途半端なところで止めても、マナちゃんを楽にすることにはならないわよ」
「で、でも」
「根元まできっちり、挿れてあげなさい。そして、優しく抱きしめてあげなさい」
 ユイが、こういう時に無益なことを言ったりはしないだろう。そう考えたシンジは、自分が組み敷いている少女を見つめ、囁いた。
「いくよ」
「……はい」
 マナの声を合図に、シンジは腰を押し込んで、少女の小さな身体を奥の奥まで貫いた。
「あああっ!」
 圧倒的な異物感と、傷口を擦られる苦痛に喘ぐマナ。
「マナちゃん……」
「し、シンジさん……」
 少女を抱きしめて唇を重ねるシンジ。彼にすべてを委ね、瞼を閉じるマナ。幼い二人を見つめて微笑むユイ。
 彼女は、二人に理解させたかったのだ。セックスは素晴らしい営みであること。同時に、女性にとっての初めての性交が、重いものでもあるということを。
 だから、敢えてマナに対する必要以上の開発を行わなかったのだ。
 そしてそのことがあったからこそ、敢えてマナの後ろを先に喪失させたのである。
「わかるわねシンジ。女の子にとって、初めての行為というのは大変なことなの」
「……うん」
 シンジのお尻を撫でながら諭すように語りかけるユイ。
「だから、嫌がる相手から無理矢理奪うなんてのは最低の行いなの。
 そしてそれ故に、初めてを捧げてもいい相手だと認められることは誇らしいことだと思いなさい」
「うん……ああ」
 ユイの指先でアヌスを責められているシンジが喘ぐ。
 マナの涙を見たシンジが、説教をしている間に萎えてしまわないよう、深々と突き入れた指の先で彼の泣き所を擽っていたのだ。
「マナちゃん、大丈夫?」
「……い、痛いけど、平気、です」
「シンジなんかにあげちゃって、後悔してないかしら?」
「ぜ、ぜんぜん!」
「ふふ、それだけ元気があれば十分ね」
 シンジの前立腺を弄んでいた指を引き抜く。
「ああっ!」
「さあシンジ。動いてあげなさい。最初はゆっくりね」
 苦痛が少しは和らいだのであろう、マナの顔色が多少マシになってきたところを見計らって指示するユイ。
「い、いいの、マナちゃん?」
「はい。大丈夫です」
 にっこりと微笑むマナ。その健気な振る舞いに、シンジは感動してしまう。
「それじゃ……」
「はい……」
 シンジがゆっくり腰を引くと、一瞬、マナが硬直する。思わず『大丈夫?』と言ってしまいそうになるシンジであったが、マナも耐えているのだと思い直す。
 そして、再び彼女の胎内に戻ってゆく。幼い膣肉が、キュウキュウと彼を締め付ける。
 ユイのそこも決して緩くはない。一児の母であることを考えれば十分以上の締まり具合を維持していると言えるだろう。
 だがそれでも、処女を喪失したばかりの十二歳の少女が相手では比較にならない。ペニスを根元から喰いちぎられてしまいそうな締め付けに耐えながら、シンジは緩やかな前後運動を繰り返す。
「す……すごい、よ、マナちゃん……」
「ああ……あ、熱いですっ」
 マナの幼い性器は、未だ挿入の快感に目覚めてはいない。苦痛こそ減ってはいるものの、快楽によがり狂うと言うにはほど遠いものであった。
「ああっ!」
 しかし、それでも彼女は確かに悦びを感じていた。
 堅く、熱く脈打つシンジの分身の圧倒的な存在感。それは既に異物感ではなく、彼を受け入れているという実感となっていた。
「ああ……ま、マナちゃんっ!」
 事前にユイが十分に濡らしていたせいもあり、初めてにしてはスムーズに出入りする肉茎。
 マナのきつい締め付けのために、シンジは限界に達しようとしていた。
 彼の腰の動きが速さを増していく。
「ああああっ!」
 ユイと交わる時のように、速く、激しく突き入れるシンジ。
「ごめんっ! ああっ、でも、止まらないんだっ!」
「い、いいんですっ! ああっ、マ、マナの中で、い、イッてくださいぃっ!!」
「ぅあああああっ!!」
「あああああーーーーーーっ!!」
‐ドクンッ!‐
 ひときわ深く突き込んだ瞬間、シンジが弾けた。迸る熱汁で胎内を灼かれ喘ぐマナ。
 だが彼女は、至福の表情を浮かべていた。初めてを捧げた相手を自分の身体で感じさせて、満足させることが出来たのだ。
 そして、ライバル二人に対して大きく差をつけることが出来たという確信。マナはシンジに抱きつき、何度も何度も唇を重ねた。

 再び浴室。
 汗やその他諸々のものを洗い流す三人。
 シンジの部屋からここに来る途中、シャワートイレのビデを使って胎内に注がれた精液を洗い流すようマナにアドバイスするユイ。
「せっかくシンジさんがくれたのに……」
 ユイから貰ったアフター・ピルを使うから、避妊のためにビデを使わなくてもいいのに、と思うマナ。しかし、ユイの説明で納得したのだった。
 ピルも100パーセント避妊を保証できるものではないので、物理的な洗浄も有効であるというのが第一。
 そして、帰宅するまでの間にアソコから漏れ出た精液で下着を汚してしまったら、洗濯の時に母親にバレてしまう危険性があるというのが第二。
 シンジとのことを両親に知られたらまず確実に引き離されてしまうと思ったマナとしては、シンジが注いでくれた『愛の証』を泣く泣く洗い流すしかなかった。
 なお、マナの後ろに注がれたものは、シンジの部屋に行く前に既に洗浄済みである。アヌスが爛れたりしないよう、浣腸をしてすっかり綺麗にしてしまったのだ。
 二人に遅れて浴室の扉をくぐったマナを待っていたのは、首から下全身くまなく真っ白な泡をまとった碇母子だった。
「ふふ、遅かったわねマナちゃん。
 さぁいらっしゃい、綺麗にしてあげるわ」
「……はい!」
 二人に抱きつくマナ。少女の身体に、四本の腕が絡み付き、あっという間に彼女を泡まみれにしてしまう。
「ああン」
 マナの胸や股間を念入りに洗う二人。シンジの手がスリットを撫で、ユイの指がアヌスを貫く。
 負けじとマナも手を伸ばし、シンジのペニスを扱きあげる。
(シンジさんの……とっても元気)
 マナの唇を、アヌスを、そしてヴァギナを貫き、可憐な処女地に精液を注ぎ続けたペニス。
 自分の手の中でぴくぴくと震えるものが愛おしく思える。
「シンジさん」
「なに?」
「あ、あの、また……入れたいですか?」
 マナは、シンジの欲望を自分の身体で発散して欲しかった。彼が望むのであれば、口でも、前でも後ろでも受け入れてあげたいと思った。
「駄目よマナちゃん、せっかく洗っているんだから」
「でも先生、シンジさん、こんなに……」
「だったら、このままマナちゃんの手でいかせてあげなさい」
「あ……」
「コイトスは、性器だけでするものではないの。指でも、唇でも……いいえ、好きな人に悦びを与えることができるなら、全身でコイトスできるのよ。全身が性器になるの」
「はいっ」
 シンジの皮を剥くようにして、亀頭を丁寧に愛撫する。
「さ……シンジも、マナちゃんをいかせてあげなさい」
「うん、母さん……ああっ!」
 ユイがもう片方の手で、シンジの後ろを犯したのだ。二人のアヌスを両手で弄ぶ。
「あっ、あっ、ああん」
「あ、ああ、あああっ」
 ユイの巧みなアナルマッサージの前に、なすすべもなくとろけてゆく二人。
「さぁ、二人一緒にいくのよ」
「は、はいっ、せんせい、あああっ」
「あ、ああっ!」
 夢中になって互いの股間を愛撫し続け、そして、果てる。
「「あああああーーーーーーっ!!」」
 マナの手の中でシンジが震え、熱い白濁を飛沫かせる。そして感極まったマナもまた、シンジの手の中に聖水を迸らせてしまう。
 激しい絶頂にくずおれそうになる二人を抱きしめ、交互にキスするユイ。愛らしい堕天使達への、淫らな女神からの祝福だった。

「それでは失礼します、先生」
「はい、また来週いらっしゃいね」
 碇家の玄関で、お別れのキスをする二人。
 これまでは頬にしかキスできなかったが、マナがファースト・キスを済ませたことで、堂々と唇にキスが出来てユイも満足そうだ。
「それじゃあシンジ、ちゃんと送っていってあげるのよ」
「はいはい」
「それから、そうねぇ……今度の日曜日にでも、マナちゃんとデートにでも行ってらっしゃい」
「な、何を言うのさ母さん」
「あら。お嫁さん候補の女の子相手にエッチまでしておいてデートできないなんてことはないでしょう?」
 ユイの口調から、からかわれていると悟ったシンジはとっとと逃げ出すことにした。マナの手を引いて玄関を出てゆくシンジ。
「まったく、母さんってば」
「ユイ先生って楽しい人ですよね」
「振り回される方の身にもなってよ」
「あははっ」
 少女の無邪気な笑顔に拗ねてみせるシンジ。
「あの、お願いがあるんですけど……」
「なに?」
「腕……組んでもいいですか?」
「えっ?」
「ほら、私、足首を捻ってますし」
「あぁ……でも、こんなところから?」
「途中でママに会うかもしれませんよ?」
「……なるほどね」
 マナに言いくるめられ、真っ赤になりながら腕を組んで歩く。シンジの腕にしがみついてマナは嬉しそうだ。
 処女喪失を経験したマナは、股間の違和感のためどうしても歩き方が不自然になってしまう。家の人の目をごまかすため、碇家でふざけたマナが、転んだはずみに足首を軽く捻ってしまった、ということにしたのだ。
 彼女の足首に湿布を貼り、シンジに家まで送らせるというのもユイの指示によるものだ。これは、マナの家の場所をシンジに教えるという点でも都合がよかった。
 霧島家までのさほど遠くもない道のりを歩きながらおしゃべりに興じる二人は、端から見ると幼い恋人同士のようであった。
「ただいまぁ」
 自宅の玄関をくぐるマナ。さてどうやって母親を言いくるめようかと思案していたのだが、出迎えた母の『まったくドジな娘ねぇ』という一言に出鼻をくじかれてしまった。どうやらユイが、前もって霧島家に電話をして事情を説明し、マナを預かっておきながら怪我をさせてしまったと謝罪したらしい。
 日頃から元気すぎる娘なので怪我なんてしょっちゅうですよ、とマナの母親は恐縮するユイに笑って応えたのだった。
「それでは失礼します」
「あらあら、せっかく送っていただいたのに。お茶でも飲んでいきなさいな」
「いえ、もうすぐ晩ご飯ですし」
「あらあら、しっかりした子ねぇ。
 これマナ。ちゃんとお礼を言いなさい」
「はぁい。ありがとうございました」
「それじゃマナちゃん、お大事にね」
 シンジの後ろ姿を見ながらぽおっとしているマナ。
 以前からシンジさんシンジさんと言っていた娘のそんな様を見て、『騒がしいだけだったこの娘も、生意気に初恋なんてするようになったのねぇ』などと考えている母。
 よもや、目の前の娘が先ほどの大人しそうな少年相手に穴という穴すべての処女喪失を経験したなどと夢にも思わなかっただろう。
「さぁさぁ、いつまでも見ていないで、着替えていらっしゃい。すぐ晩ご飯にしますからね」
「はぁい」

「ただいま」
「あら、早かったのね」
 帰宅したシンジ。ダイニングに顔を出した彼を、エプロン姿で夕食の用意をてきぱきとこなすユイが迎えた。
「割と近かったよ。マナちゃんの家」
「場所は憶えた?」
「え? うん、憶えたけど」
「忘れないようにね」
「どうしてさ」
 息子の鈍感ぶりに内心『一体誰に似たのかしらねぇ』と思いながら、こういう大事なことはしっかり教えておかねば、と気を取り直して優しくレクチャーするユイ。
「マナちゃんとデートするとき、迎えに行くのに場所も知らないんじゃ行きたくても行けないでしょ?」
「で、デートって、だから」
「別に処女を抱いたから責任を取れだなんて言っているわけじゃないのよ。
 マナちゃんは自分であなたを選んだんだから、マナちゃん自身の責任もあるの」
 私はそのお膳立てをしただけ、とユイは言う。
「今はシンジのお嫁さん候補で満足しているけど、しっかり捕まえておかないと他にボーイフレンドを見つけて乗り換えちゃうかもしれないわよ?」
 女は恋多き生き物なのだから、とと言うユイ。彼女に言われると妙に説得力があって困る。
「あんないい娘なんだから、逃がしたら勿体ないわよ」
 マナの幼馴染みであるムサシやケイタが、彼女のことを憎からず思っていることまでは説明しなかった。
「とりあえず、マナちゃんのレッスンのある曜日は、毎週寄り道しないで帰ってくること」
「ええっ?」
「今日のマナちゃんを見たでしょう? 初めてだったから痛いだけだったのよ。来週ならもう傷口もふさがっているし、もう痛い思いをさせないで済むわね」
「な、な」
「ちゃんと丁寧に愛撫してあげて、優しく抱いてあげるのよ。来週ではまだ無理かもしれないけど、マナちゃんを満足させてあげられるように頑張りなさいね」
 ちゃんと避妊するのよ、と釘を刺すことも忘れない。
「はい、お待ち遠様」
 できたての夕食をテーブルに並べていくユイ。
「今日は疲れたでしょう? いっぱい食べなさいね」
「うん。……ねぇ母さん」
「なぁに?」
「片付け、手伝うから……後で、一緒にお風呂、入ろうよ」
「あら、今日あれだけお風呂に入ったのに?」
「だって、まだ母さんとしてないし」
 そんな不満を漏らすシンジに、吹き出しそうになるユイ。
「うふふ、駄目よ。今日は、シンジとマナちゃんの大切な日なのよ? マナちゃんとの事を思い出して、忘れないように胸に焼き付けておきなさい」
「……うん」
「それに今日は、お父さん早めに帰ってくるそうよ」
「ちぇ」
 ゲンドウが帰ってくるのであれば諦めるしかない。しぶしぶユイの言葉を受け入れるシンジ。
「それでね、シンジ」
「なにさ?」
「聞かせてくれない? マナちゃんのヴァージンのお味」
「えええっ?」
 にっこり微笑むユイ。その笑顔に嘘もごまかしも効かないことを察したシンジは、マナの初フェラの感触や、前後の処女を貫いたときのことまであらいざらい白状させられたのであった。


 終



Back Menu