Convenience Harlem



01

―― A.D.2016。長の戦役から開放された初号機より、碇ユイ、サルベージ。
当年とって39歳。しかし、肉体年齢的には永遠の27歳をのたまう彼女は、ちゃっかりリツコと再婚していたゲンドウの元へは帰らなかった。
愛息子であるシンジのマンションをこそ、その安らぎの場と定めた彼女だったのだが、しかし――



◆ ◆ ◆




「ああん、シンジぃ……」

朝も早よからあられもない嬌声。カーテンをびっしりと閉め切った寝室で戯れているのは、とうに登校していなければならない筈の少年少女達だった。
部屋の主たるシンジ、そしてその上に素裸で重なる同居人のアスカ。
未だ15歳の子供達だけれども、キングサイズベッドのスプリングをギシギシと軋ませて、おふざけでもごっこでもない、本物のセックスに耽溺している―― 大人顔負けの腰使いで貪る、騎上位結合。

二人がベッドでいちゃつくようになったのは、関係者の一様に納得するところだ。
名義上の家主であるミサトなどは、これを見越して別宅たる加持の部屋に入り浸り。禄に寄り付きもしないで、月に一度程度様子を見に来るだけ。
それ程にドっピンクな空気を始終撒き散らす若いカップルだから、家の中に閉じ篭っているのはむしろありがたい限り。外野があてられ、ムカ付くこともない。
好き勝手にヤっててくれと言うことで、今もアスカは、まばゆい裸身を揺らしながらシンジの腰に跨っている。

「あっ、あっ、あっ……」

うっとりと、ブルーの瞳を瞼に隠して喘ぐ。
騎上位に貫いてもらうシンジのシンボルを食い締めて、淫らに腰を揺する姿は、中学生とも思えぬ艶っぽさ。
自慢のブロンドがうねうねと華奢な背中で踊っている。

「くっ、うんっ。シンジったら……あ、やっぱり、朝はぐんと大きいみたい……ッ、ン! アタシっ、子宮まで……ごりごりってぇ……」

呂律も回らずあられもなく、顎を突き出して息を切らせる喜悦の貌。こんな蕩けきったアスカを見ることが出来る男は、シンジだけだ。
観賞用には最高の美少女だけど、性格がね……とボヤかれるほど険の強い彼女が、今はまさしく発情した猫のよう。

「んっ、気持ちいいっ、キモチ良いのっっ! シンジぃ……」

シンジの、同じく裸の胸に手を付いて、深く繋がった性器を軸に愛液塗れの秘部を擦り付ける。
ギュッ、ギュッと締め付ける膣肉の中で、シンジのカリが“天井”をこそぐ―― それが堪らないのよと、顔を左右に、よだれを散らすほどの悩乱ぶり。
カーテンの隙間からの射し込みを受ける乳房は、汗と涎と、そして白いぬめりでてらてらと輝きを返す。
昨晩からうんと揉まれて、しゃぶられて、そして精液を浴びせられたのだろう。
ピンク色の乳首もこれ以上は無いというくらい尖ったままだ。
真っ白なアスカの肌には、胸だけで無く全身にそんな濃厚な夜の名残が残っていて、まるで花びらを散らしたように赤くマーキングされているのは、シンジがところ構わず吸い付いたキスマークだった。

「シンジっ。ううンっ、シンジ、シンジぃ……」

制服を着ても誤魔化せそうに無い首筋もマズいが、アスカが大喜びで上下させているヒップの、その谷間の中心、実に微妙なあたりにまで点々と残っているのは、万が一にも見付かればのヤバさ。
アスカの着替えを目撃できる、シンジ以外の唯一―― クラスメートの少女達には刺激が強すぎる。

「あっ、あはっ♪ 漏れてるわ……。あんまりっ、激しいからっ……あんっ、お尻に出してもらったのも――

折れそうな細腰を持ち上げて下ろしての熱心な抽送にくねらせていたアスカが、はしゃいだ声を上げた。
太股に、一際熱い粘りが流れ落ちた感触。とろり、とろとろと、叩き付けるようにしているアスカの桃尻、そのあわいの窄まりから、

「シンジのっ、セーエキ♪」

こんな美少女が、本来は排泄のための器官まで用いたセックスを、悦んで捧げていた―― あからさまな証拠。
それだけ貪り合ってまだ足りなかったのか、朝になってまた再開させたものかと思えたが、しかし、何故かキングサイズのベッドの上でシンジにまとわり付いているのは、彼女一人ではなかった。

「んん……。碇くん……もっと……」

綾波レイが首に噛り付いてキスを貪っている。
授業を再開させた一中の制服をまとっているし、ベッド際には通学カバンが投げ出されたまま。恐らくは、朝の通学路を清々しく同道しようと誘いに来たのか―― そのままベッドに飛び込んだと見える。

「ふゎ、あ……アスカぁ……!」
「だめ、碇くん。今はわたしを……」

アスカの火床がシンジを焼くように包んで、射精を促す。その度、シンジの少女と見紛うかという整った顔立ちが眉根を切なくさせる。
そんな苦悶にも近い顔を自分に向け直させて、ほっそりとした指で両頬を押さえ貪るのである。
私を見ていてと、間近から覗き込む潤んだ赤い瞳。
苦悶にも似て快楽に酔うシンジの目を、見詰め合って離さない。

「んふ……んっ、んん……」

どこかのお姫様のような小さな桜色の唇で、しかしキスとキスの合間に覗かせる赤い舌は、ねっとりと少年の咥内を犯す淫らな侵入だ。
もごもごと蠢く綾波レイの頬の形。ぬるんと絡め取ったシンジの舌をレイ自身の唇の中へ招待して、互いの唾液を甘く味わい合う。

「んンッ、んんぅ……!! ふんンン〜〜!」

それだけでレイは充分なエクスタシーを感じられるのか、ビクビクと何度も肩を震わせ鼻で啼いていた。
制服の襟から覗かせる首元は色っぽい紅潮。シンジの横に添い寝する彼女の下半身では、乱れたスカートの裾から、ぐっしょりとクロッチを濡らしたショーツが見えてしまっている。
口付けを続ける中、軽いアクメに達したと分かる痙攣で何度も内腿をよじらせていたが、ついと伸ばされたシンジの手が、その白い太股を這い登り、ヌレヌレの布地に忍び込むと、

「んはあっ! はっ、碇くんんん……!!」

耐え切れず、顔を仰け反らせて身悶えたのだった。

「ああ……綾波……」
「碇くんっ、碇くんっ!」

シナシナとした薄い若草の丘をくすぐって、綾波レイが喜蜜を滴らせる清純なスリットを、下から上へツゥ―― と。

「ああっ、あああ……!」

びくんと制服のウェストを打ち揺すってシーツに顔を埋める。
そのまま、巧みな愛撫を加えるシンジの指の腹。
われめの先端で、繊細な小粒から優しくカバーが剥かれたのに、レイはシーツを噛み締めて耐え備えた。
今にも襲うだろう、過敏器官へのダイレクトコンタクト。

(ああ……碇くんの、指が……)

感じ過ぎるどころではない衝撃への、怯えすら入り混じった期待に、レイの膨らみかけの胸の奥が震える。

「綾波……」

こんなにカタクして……と、薄いショーツの下でしなやかな指先が踊った。

「ンムッ……! ンム、ムゥゥゥ〜〜〜〜!!」

噛み殺そうとしても、尚、辺りに憚られる快感の声。
事後には、普段の無口さんがと決まってアスカにからかわれるから、恥ずかしそうにせずにはいられない。それでも、どんなに抑えようとしても、その時は高らかに啼いてしまうレイの絶頂だった。

「んはぁぁ……。いかりくん……」

くてんと脱力したレイは、今更に白皙の美貌を真っ赤に染め上げて、隠すようにシンジの首に鼻先を埋めていく。

そんなレイも、元々からシンジを巡るアスカのライバルと目されていた少女だった。
そして、戦後もシンジの同居人という既得権益の死守に成功したアスカも良いとしよう。
些か年齢からするとモラル厳しいが、ステップアップした戦場がベッドの上でも続行中―― と見ることも出来る。
たとえ二人してシンジの寝室に潜り込んでいても違和感は無い、とは衆目の一致するところ。
そんな井戸端でも、まさかあのシンジ君がねぇ……と加持リョウジですら呆れ返ったのが、シンジの唇が空いた途端に反対側から吸い付いた山岸マユミだった。

「んんっ、んん……」

ベッドサイドに腰掛け、上半身をシンジの方へ伏せての接吻は、レイにも劣らぬ濃厚なもの。
耳元に掻き上げる艶やかな黒髪。フローラルな香りが立ち上る。洗いたての、シャンプーとリンスの匂いだ。
ピンクのバスローブをまとっているのは、シャワーを浴びていたばかりだったからだった。

「ああっ、マユミったら……!」

同じくバスルームから、湯滴をポタポタとさせつつ一歩出遅れたもう一人の少女―― 霧島マナが小走りに。ズルイと唇を尖らせる。

「髪、私が洗ってあげたのに!」

何をと言えば、シンジがたっぷりと顔面からロングヘアにまで振り掛けた精液をだ。

「アスカさんも、綾波さんも……」

シンジの腰の上ではアスカが悦がりっ放しでいるのを見て、右脇では幸せそうに寄り添ったレイが、優しくお尻を撫でられ鼻を鳴らしているのに羨ましそうに。
キスはマユミにとられちゃったからと、マナはアスカとマユミの間、せまい空間に身をすべり込ませて、そのシンジの左手を取った。

「私にも綾波さんみたいにシてね」

シンジがくぐもった返事を返す前に、広いベッドの上で四つん這いになった脚の付け根へ挟んでしまう。

「んっ、そおっ、シンジっ♪」

利き手でもないのに、こんな事になると巧みなシンジだ。
まだお湯の温かさが残るマナのヴィーナスの丘を、ふにふにと撫で包んで揉み込んで。ついと伸ばした中指は、柔らかいピンクの花弁の中心に。

「ああ……そうよっ、シンジの指で、私を犯して……」

お返しにと、シンジの胸に顔を寄せたマナは、少年の乳首に舌を這わせたのだった。

「ああっ、マナ! そんな……」
「んふ。男の子でも感じるでしょう? 私もシンジを気持ち良くさせてあげる……」

チロチロとくすぐるように舌先で。マナの唾液が少年の胸に塗りまぶされていく。
ああ、ああ……と息を熱くさせるシンジは、その分以上を込めて、マナの肉の穴に挿し込んだ指を忙しなくさせた。

「んんっ、んふっ、良いよぉ」

じゅぷじゅぷと抜き差しさせると同時に、マナの柔らかな部分を包み込んだ手のひらで、ツンと充血した雛尖を刺激するのも忘れない。
たちまちと表情を恍惚のそれへ、マナも吐息を甘やかにさせていった。

「はぁぁっ、碇君……」

その横では、シンジとのキスを貪っていたマユミが、いよいよ切なそうにバスローブの胸をはだけている。
ふるんとまろび出る二つの柔らかな果実。
豊かな稜線を描き、友人達よりも一足進んで大人の女性を匂わせる、たわわな実りぶりだ。
シンジに処女を捧げ、女の快感に喘ぐ日々に囚われてからは、また一段と魅力的な丸みを増したよう。
いかにも揉み心地が良さそうなそのミルク色の乳房を、彼女は荒い息ごと弾ませて、そしてギュッとシンジの肩に押し付けるようにする。

「わたしっ、あれだけしてもらったのに……。また、からだっ……あ、熱くなって!」

なよとした雰囲気からは意外としっかりと引き締まったその肩に、二の腕の筋肉に、コリコリとしこる乳首を押し潰させ、転がし、発生する微電流に喜びを漏らす。

「んぅん、ふぅう〜〜ん……」

自分の手で揉みしだくより、例え刺激としてはもどかしくとも、シンジから与えて貰う快感だと感じられる―― そのことがマユミの嬉しさなのだろう。
その身をしなやかに擦り付ける、ネコのような仕草。
ぐいぐいと胸を擦り付けるほどに、淑やかな顔立ちがなまめかしく上気していく。
閉じることを忘れたように喘ぐ唇から、顎までをだらしない涎がぬらぬらと濡らしていく。

「ふゎ、ふわぁぁ……。碇君、ああっ、碇君んん……!」

牝猫の甘えはますます発情の具合を増す一方。

「ふっ、うふん……碇君……んっ、んふっ」

唇を貪りながらもいよいよ興奮が一線を上回ったのか、普段の内気さもかなぐり捨てた様子で、片手をバスローブの裾元へと走らせた。
白魚のような指先を自分の股間にもぞもぞとさせて、内腿には、隣のマナにも負けぬくらいヌルヌルとした淫液が幾筋も。
しかも、濡らし伝わせる量はどんどんと増すばかりなのだった。

「あはっ。マユミったら」

抑えきれぬ衝動に本格的に浸りはじめた友人を見やって、マナのからかいの声が。

「外だと一番の恥かしがりやさんなのに、えっちの時は凄い積極的……」
「そんな……」

言わないで下さい……と、真っ赤になった顔を背けさせても、マユミは手を動かすのを止められない。
バスルームを出た時にはぴったりと閉じ合わせていたバスローブの前は、すっかり乱れはだけてしまっている。
シンジに直に押し付けるバストは勿論、そんな激しい手付きを差し込んでいた腰もほぼ全開状態。
マナの目には、バスローブの裾からマユミの白い太股と下腹、そして対照的にツヤツヤと黒い恥毛の茂みが丸見えだ。
ふっくらとした乙女の丘自体を揉みこねてしまいたいらしい、忙しない手のひらに覆われて、ネチャネチャと淫襞のよじれる音を立てている。

「シンジのキスだけじゃ物足りない? どこかのお嬢様みたいな顔してるのに、欲張りなんだから」
「あ、だって……わ、わたし、熱くって……」

ピアノの鍵盤を優雅に叩くのが雰囲気と思える、しなやかな中指は、深く内側に折り曲げて、恐らくはシンジの動きに見立てた抜き差しを。

「は、ぁ、ぁああ……あ、擦ってないと。ここっ、擦ってないと……もうっ……!」

スケベなんだからと耳元に吹き込まれ、『……いじわる』と泣きそうな目をしてみせても、熱の浮いた顔は火照る一方。
読書以外の楽しみを知らなかったようなマユミが、今は瞬く間にその虜となったファロスの一突きを切望して、激しい自慰に声を掠れさせている。

「ほーんと、マユミったら」

凄いと思う。

(すごい、えっち……)

シンジにもアスカにも、全部見られていると分かっている筈なのに。視線恐怖症のきらいまであったマユミが、そのまま乱れきった顔を晒している。
疼きを慰めるのに一生懸命で、隠そうとする余裕も無いのだろう。羞恥心よりも上回ってしまっているのだろう。

「んあっ、あん……マユミ……」

マナも、秘唇から中をまさぐって貰う指の動きに喘いだり悶えたりと忙しいのだけど。クスリとそんな親友にこぼす。

―― みんなで一緒になんて、最初はあんなに恥ずかしがってたのにね)

その筈が、内気なマユミを煽る側だった自分の方が、今では時に圧倒させられる。
どこで覚えてきていたのか、シンジを喜ばせる色々なやり方に驚くほどの大胆さで踏み込んでいって―― マナ達が、女の子というものは、大好きな相手とならお尻でさえもイキ狂うことが出来ると知ったのは、マユミからだ。
ベッドを囲むマナ達の前で、高く掲げたお尻を貫かれ叫んでいたマユミは、寧ろその目を丸くした友人達の視線をさえ快感に変えてしまっていたそぶりがあったが……。

「ほんと、やーらしいんだから。すっごい顔してるよ、マユミ。いやらしくって、だらしなくって……すっごい綺麗」
「マナ、さ……ぁ、あああ!」

びくんと背筋をうち揺すったマユミの胸に、シンジが吸い付いていた。
ちゅぅぅぅっと強烈に、まだ出るはずも無い母乳を催促するような吸引。
しこりきった乳首が唇の間に柔らかく捕まえられ、しごかれる。

「私の……オッパイ! そんな、されたら……ぁ、いうううぅーっ!!」

ぽってりと充血させられたピンク色の頂上、わずかな窪みをシンジの舌先がくじるようにする官能が、パルスになって全身に痺れ走っていた。
ますます過敏に磨かれた性感神経を、あぁん、あぁんとすすり泣かせて苛め上げる。
ぶるぶると左右に打ち震える、マユミの悦がり顔。
はらりと乱れた黒髪が、情交の朱に染まった頬に広がる。

「んぅぅ、ふぅんンんん……」

マユミの口元へも一筋掛かり、悶える彼女が唇に食い締めたのを、マナはドキッと胸躍らせ見詰めた。

「……なんだかもう、ちゃんとした大人の女の人みたい。色っぽい顔してるんだから」

一瞬、猿轡を噛まされた被虐の横顔に見えたのだ。
そう言えば、どこかおどおどとしたマユミの風情は、マナにさえ責めて責めて泣き叫ばせたいという、一種アブノーマルな欲望を募らせる。
縄で縛って無理やりに……? そんなエスエムだとか緊縛だとか、シンジをとことん誘惑して陥とすのだと決めた時に随分勉強したのだ。
いつかは自分たちもと予感がある。
このままならと、シンジも、そして自分たちもエスカレートを望むだろうから。

(マユミは……和風でだよね)

浴衣の上から胸の大きさを強調するように縛られた、そんなマユミの艶姿が思い浮かんだ。
西洋の血を引くアスカは、艶々と輝くエナメルのスーツが似合いそう。
あの性格だから、女王様のように振舞うのもぴったりだろうが、逆に徹底して屈服させられた奴隷の役もはまるに違いない。

(うわぁ……)

奴隷―― と、そう首輪をはめたアスカを脳裏に描いて、マナは一層興奮を増した自分を見付けていた。
すぐに妄想は自分の姿へと置き換えられる。
大型犬に使われるような分厚い皮の首輪を付けられて、シンジの前に跪いている自分。
何故か、たまらない魅力を感じてしまう。

(奴隷……よね。そう、シンジがご主人様で、私達はハーレムの奴隷なの)

ジュン……! と、股間の奥が疼いた気がした。
シンジの指を咥え込んだ粘膜の間に、熱い液が満ちた気がした。

「んふ。シンジっ、ご主人さまぁ……」

今日はその「設定」でいってみようか。きっとシンジもびっくりして―― それから喜ぶわと、マナは疑いようも無く確定された未来予想図に、自らを昂ぶらせていくのだった。



◆ ◆ ◆




「シンジっ、あっ、アタシ……!」

『イッちゃう……ぅ』と髪を波打たせて、アスカが絶頂に涙を流す。
シンジにぴったりと体を添えてうつ伏せになっていたレイは、ショーツをずり下ろされて、白いヒップが剥き出し。いやらしく張り付いた手のひらに、すべすべの丸みを撫で回されて、

「ん、んぅん……ンッ、いかりくん……ン!!」

やがて、その秘めやかなアヌスに突き立てられた人差し指に、切れ切れの啜り泣きを搾り取られるように。
白いソックスのつま先までピンと反り返らせて悶えているから、また可愛い啼き声で仰け反るのも時間の問題だろう。

マナは一足先に深い陶酔に崩れ落ち、シンジの胸で荒く息を吐いている。
そのマナの愛液で塗れた指先は、今はシンジの肩にしがみついたマユミの股間へ。お尻の方からぐちゃぐちゃと、卑猥に陰唇の手探りを行っていた。
マユミの肌が白い分、掻き混ぜられて蜜を糸引きこぼすその粘膜の鮮紅色が生々しい。

そして――

「またなの、母さん?」
「ええ、そうみたいね」

四人の少女を悶えさせつつ、気だるくシンジが声を掛けた入り口の人影、佇むネグリジェ姿のユイが、もう一人の寝巻きの女性―― 現在のゲンドウ夫人であるリツコを捕まえていた。

「ど、どうして……?」

震える唇で問うリツコ。
その寝巻き姿は熟れた肢体を包むには素っ気ないもの。ゲンドウと喧嘩しての家出中という、余所行きならではの礼儀正しさによるのであろうが、それでなくても、比較してのユイのネグリジェは色気が過ぎるデザインだった。

レイと面影を共通させる肌の白さを際立たせる、レースを主体とした黒い生地。しかもスケスケ。
足元から目をやれば、艶やかな脚線美や成熟したウェストラインの悩ましさも、さらにこれまた総レース地の小さすぎるショーツ、ブラジャーもまるで露わである。
直接素肌を晒すよりも、ネグリジェの高級レース越しに黒く透かし見えているこの方が、よほど扇情的だ。
家庭で着るような寝巻きではない。
娼婦が―― それも飛びっきりの金持ちを相手にするような、そんな淫らな職業の女が着るに相応しい装いだと、リツコの目には映った。

現に、少年が向ける眼差しは線は母親を見るものではない。
酒精とはまた違う酔いに熱っぽく、母親のセミヌード姿をつま先から頭までためすがめつ見入る、陶然の面持ち。
たっぷりとその感嘆と欲望を受け止めるユイも、静かに立ち位置を変える素振りをして、息子の熱いため息を誘うよう、しなりと腰を振って見せるのである。

「ふふふ……」

挑発的に乳房の下で腕を組むと、大きく開いた胸元から豊かな谷間がこぼれ出しそうになった。
膨らみの頂上が微かに色衝いて見えるのは、果たしてレースの意匠によるものか。それとも、細かな網目の隙間に見える、ユイ自身のコリコリとした蕾そのものなのか。
女性としての魅力を過剰に漂わせる、香水の匂い。

それがリツコには信じられない。
誘惑しているとしか思えない。

―― 見せ付けて、その欲望を刺激している相手は、実の息子だというのに。

(まさか。こんな……こんな事をする人だったなんて……!)

そう付き合いが深いわけではない。
特に、ユイの不在中、妻の立場に成り代わった自分に見せていた顔は、余所行きのものでも特に念入りにガードを固めたものだったろうと想像できる。
それでも、リツコの見た碇ユイという女性は、巨大な知性を涼やかな所作、人当たりで包んだ―― 淑やかな女性だった筈だ。
かつてを知る冬月の思い出話からもそれは確かに違いない。
まして、長年の空白から親子の絆を取り戻そうとしているシンジに対する気遣いの端々には、これが子を求める母親の愛かとリツコにも思わせた、慈愛の表情が覗いていたのだ。

一瞬の憧れすら抱いてしまった女性が、よもやその息子達の前でこんな破廉恥な媚びを見せるなどとは……想像の埒外にあった。

「ユイ、さん……。どうして……?」

息子たちの前で、「母親」ではなく、そんな「オンナ」をアピールするような姿で恥ずかしくはないのですかと、そう尋ねたつもりのリツコだった。

「あら。だって、リッちゃんがうちに泊まってもう三日。毎晩だったものね」

しかし、リツコの腕を取って部屋に連れ込んだユイは、わざとらしい言い方でリツコの側に話を向かせる。

「シンジ達ったら、毎晩毎晩うるさくして……折角のお客さんに申し訳無いところだけど。でもね」

それで毎晩覗いているっていうのも、しかもそれを見ながら自慰に耽っているというのも、

―― どうかしらね? と。

ニィッとユイが口の端を吊り上げるのを、床に力無く座り込んでしまったリツコは、ここ連夜の秘め事をとっくに知られていたのだという眩暈の中で見上げていた。

「リッちゃんったら、廊下なんかで毎晩じゃ寒かったでしょう?」

クスクスと笑う。
邪気など微塵も感じさせないが、リツコの背筋を冷たく這い上がるものがある。

「さあどうぞ。あなたは、大切な―― 大切なお客さんですもの」

ゾクリと漂わせるものがある。

このひとは、あの人の奥さんだったひと。私が奪ってしまった人を、愛していたひと。
優しそうに言ってくれるけど、でも……。

リツコは射竦まれてしまっていた。
まるで白蛇のような、ユイの舌なめずり。それが見えた気がした。

「母さんも悪趣味だね。リツコさんばっかり苛めて……どうせ、母さんだって覗いてたんじゃない」
「あら? 可愛い息子に娘、それに未来の花嫁さんたちなのよ?」

成長を見守るのは母親のつとめよと、笑顔を交わす。
その、まるで違和感を感じていない様子のユイとシンジ―― リツコにとっては、義理の息子となった彼を、どうしてそんなに平然としていられるのと、信じられない思いだ。
恋人達との情交を母親に見られたというのに。息子の前で恥ずかしいネグリジェ姿を晒しているのに。何故、この二人は当たり前の顔をしていられるのだろう?

「リッちゃんには、特等席を用意してあげるから……」

そう言って、混乱するリツコの前に引っ張り出してきた古めかしい装飾の肘掛け椅子。
『おや……?』とシンジが面白そうにした、その意味ありげな目付き。

「さ、お掛けになって」

ショックの抜け切らないまま、リツコは促された腰掛へと顔を向ける。その美貌が瞬時にカッと熱を帯びた。

「な、なんですか……これは……!?」
「あら、見て分かるでしょう? リッちゃんのための椅子よ」

見ればそれはロッキングチェアー。
背もたれでも持って押してやれば、ゆらゆらと今にも揺れだしそうな―― だけれども、決してどこかのテラスに置いて昼寝を楽しむような、そんな緩やかな時間を過ごす為の物ではない。明らかに。

「そんな……!? ですけどっ、私に……こんな……!?」

リツコに座れと薦めるその椅子に、丁度腰を下ろす真ん中の辺り、シートから槍のように突き立った細工が為されている。
リツコぐらいの歳になれば見間違える筈が無い、男性の性器を象ったもの。その用途も容易く知れる。
この椅子はつまり、腰掛けた女性に模造のペニスを飲み込ませて―― ゆらゆらと揺らす中で抉られ、喘ぐのを、それを楽しもうというものなのだ。

(こんな……いやらしい物に、私に座れと言うの……?)

「さぁ」

何故そんなにも怯えを感じてしまうのか。自分でも分からぬそら恐ろしさに震えるリツコを、シンジと少女達が、そして息子の枕元に腰を下ろしたユイが見詰めていた。
すぐにその母親の胸へと伸びる、シンジの手。

「あん……」

黒いネグリジェの胸を持ち上げる、母性としての量感を備えた膨らみを、麓から掬い上げるようにやわやわと。
愕然としつつも目が離せないリツコの前で、薔薇をあしらったレース地越しに、乳房の先がみるみるぽってりと尖り勃つのが分かる。
その乳首を摘んで転がす息子のいたずらな指を、ユイは淫蕩な笑みを湛えて好きにさせている。
ああんと気持ち良さそうに頬を緩めている。

「シンジくん……!? な、なにを……ユイさんっ! あなた、母親なのに……!」

まさか、実の息子と関係を――

ぎょっとして問い詰めるリツコに、ユイは余裕たっぷりに返した。

「あら、リッちゃんには私がそんな爛れた女に見えるのかしら?」
「で、ですけど……」

そう言いながらも、ユイはシンジが胸をまさぐるのに任せているのだ。

「ふふ。まだ、よ」

未だ、と。その答えにユイは、二重の意思を見せている。

「私はね、リッちゃん。まだサルベージされて、生まれ変わって、誰にもここを許していないのよ」

うふふと零しながら、ベッドの上に伸ばした見事な脚線美を、軽く開いて見せる。
膝も浮かせるようにした、その奥に覗く秘めやかな女性の部分を、透かして見れば良いと言うように。

「だから綺麗な躰なの。ふふ、そう……処女なのよ」

奇妙な事を言うユイだが、それが決して妄言などではないとはリツコ自身が良く知るところであった。
サルベージされた碇ユイは、肉体的には当時の27歳のまま。
そしてエヴァンゲリオン・コアからの帰還が及ぼした影響の全ては、儀式を差配したリツコによってチェックされたのである。
即ち、再生に際し、彼女がその処女性を取り戻していたことも。

「不思議よね。私には、もうこんなに大きい息子がいるのに」
「ユイ、さん……」
「だから決めているのよ? 私にもう一度の痛みを与えてくれるのは、シンジじゃなきゃってね」
「ユイさんっ!?」

悲鳴を上げるリツコに、母と息子は口付けを深く交わし、唇の間に銀の橋を掛けて微笑む。

「愛しい息子が、生まれたところに還りたいってお願いするのよ? こんなに嬉しい事は無いわ。だって私がシンジを産んであげたんですもの。シンジのためなら、私はどんな苦痛にも幸せでいられるの」

寧ろそれは自らの願いでもある。
―― でも、まだなのだと。

「それじゃあ、母さん。今日は……抱かせてくれるの?」

ユイと肩をくっ付けるように身を起こしたシンジが、期待に満ちた顔で尋ねた。
ついさっき、アスカの胎内に精を噴き上げたばかりなのに、その股間がムクムクと鎌首を持ち上げる。
母親の豊満な肉体への欲望を漲らせるそれに嫉妬したように、すぐさまマナとアスカがむしゃぶり付いていった。
レイとマユミはまだ体に力が入らないのか、出遅れた形だ。
シンジの手により、それぞれアヌスとヴァギナでもって気をやらされたばかりだから仕方が無かろうが、卑猥な舌音を立てる友人達を恨めしそうに見ている。
そんなレイの頭を撫でてやりながら、ユイはシンジにまだだと繰り返した。

「花嫁さん達をちゃんと満足させてあげられないようじゃ、ご褒美は上げられないわね」

母の濃密な体臭を間近に感じ、少女たちには無い成熟を備えた肉体に魅せられているシンジには酷な言葉だろう。

「そんなぁ……」

未練も露骨にネグリジェ越しの胸をこね回しているシンジは、ついつい唇を尖らせてしまう。
くすりとそれだけは母親の顔でおかしそうにして、ユイはまたシンジを甘やかすのだった。

「そうね。母さんが欲しいなら……頑張りなさい? ほら、今日は特別なお客さまもいらっしゃるし」

ついと横目をくれる。
床にへたり込んだリツコが、レイにアスカという―― 彼女が良く知る少女達が、普段からは思いも寄らぬ淫らな表情で少年の性器に唇を寄せる様子に、その大人顔負けの淫猥な口舌奉仕に、すっかりと息を呑まれているのを見て取って。

「退屈なさらないように、ね。」

―― そうしたら、

「今日は……母さんの下着の中、触らせてあげるわ」

昨日までは服の上からしか許してあげなかったけどと、シンジにうっとりと顔を綻ばせての興奮を誘う。
少女達は少女達で、一層硬さを増したペニスに喜び。競い合って舐めしゃぶり、竿から亀頭から、そして袋にまでもとピンクの舌先での奉仕を捧げるのだった。

淫猥な気配を色濃くさせる寝室に震えるリツコは、やがて操り糸に手繰られるようにぎくしゃくと立ち上がり、義理の息子達が揃って見詰める前で寝巻きに手を掛け――
誰もが息を詰める静けさの中に、パサリと、床に落ちた布切れの音が響いた。


 
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Original text:引き気味
From:【妄想炸裂】思いつきネタスレ2nd【猥文投下】 & ハーレム物全般嫌いなんだけど@2ch