BEAUTIFUL PARTY

第4話



著者.ナーグル














 空が橙色に染まり、まばらだった雲が東南の風で遠くへ飛んでいく。だが年老いて経験を積んだ村人 ――― アスカ達にオーク退治を依頼した村の長老 ――― は湿った空気の匂いから夜半には大雨が降るだろう事を悟っていた。目を凝らしてみれば空の向こう側は、早くも黒々とした雲で暗くなっているのが見て取れる。まだ結果がわかるわけではないが、それでもそわそわと長老はアスカ達が戻ってこないかと、森の入り口へ目を向けた。勿論、何の人影も見えない。彼女たちが出発したのはおとといのことで、普通なら今日の朝に到着するくらいの所にオーク達は住んでいる。

(順調なら今頃、オークどもを皆殺しにできているじゃろうか)

 村人数人を惨殺し、作物と家畜多数を奪った恨み重なるオーク達。自警団を作り、なけなしの金で傭兵を雇うようになってから襲撃は減ったが、代わりに別の村の被害が増えていると聞く。北の村では若い娘が数人掠われたと聞く。それでなくとも人口の少ない村だ。若者に犠牲が出るのは、致命的といって良い。だが致命的という意味で言えば、こちらも他人ごとではない。大切な、冬を越える為の共同貯金に手をつけてしまった。もし飢饉が起これば、確実に飢えて冬を越せない者が出てくる。なんという悪夢か。
 どうあがいても、これから数人犠牲者が出るのだ。何十年と平和だったこの村から。おお、神よ、オーク共に呪いあれ。
 奴ら全員が惨めに、これ以上ないくらい残酷に殺される運命にさらされることを長老は神に祈った。

(報酬無しでオークを倒すと請け負ってくれた、あの冒険者様方はどうしただろう…)

 アスカ達はいかにも強そうで、この人達なら…という期待が村人達にはあった。事実、彼女たちは名乗らなかったが謙遜した以上に強いのだろう。
 しかし、以前頼んだ別の冒険者みたいに返り討ちに遭うことも…いや、きっと大丈夫だ。

「そうじゃ、大丈夫じゃて」

 自分に言い聞かせるように長老は呟き、森の入り口を振り返り振り返り、また振り返り家に戻った。明日か、あるいは明後日にはきっと朗報が届く。
 今頃、彼女たちはオーク共に断末魔の叫びを上げさせている、あるいはそれももう終わっているはずだ。











「あっ、ひっ…………………ん………はぁ…………あ………」
「んん、ん、うぅ、お尻、いやぁ、だ…よ。や…は、はぁ、ああ。う、ううぅ」

 レイとマナの嘆きがマユミとヒカリの歌に混ざる。
 甘く切ない苦悦の喘ぎが休むことなく響く。下卑たオーク達は「人間様」の無様さを野次り、囃し立てている。なんという屈辱だろう。どこからか啜り泣きが聞こえる。あるいは、啜り泣いているのは、啜り泣きが聞こえると思った本人なのかもしれない。
 崩れた柱や石材が乱立する異様な光景の室内で、溢れるほどに流されたオークの精液はつんと来る臭いを漂わせている。時機を逸した沈丁花のような濃くて蒸せる悪臭。彼女たちを苦しめるこの地獄はいつまで続くのだろうか。岩に締め付けられた体の各所は紫色に充血し、無感覚の痺れと苦痛が絨毯の結びのように責めさいなむ。粉々に砕け剥き出しになった神経を直にひねられている。



「う、ううう…。こ、殺し、殺しな、さい…! こんな、屈辱…終わりにして」

 腕と足の激痛、身を切るばかりの屈辱に身を震わせながらマユミは呻いた。血を吐くような、という喩えはまさに彼女の為にある。彼女の命令にオークは大変にわかりやすい行動で返事をする。

 ぐちゅ、にちゅ…ずちゅ。

 のの字を描いていた腰の軌道を、唐突に早く浅い注挿に切り替えたのだ。
 かき回されるたびに淫靡な水音が嫌でも聞こえる。

「あうううぅぅっ! うあっ、あああぁぁぁ、ひぁぁぁぁ……。うううっ…………ああぁっ。あ…ん…くぅ………。
 うううっ。……………いや、もう、いやです。誰か…私を、殺して」
『ブヒッヒヒヒッ。安心しろオーク、望みどおり殺してやるオーク』
「なら、さっさと…んん、くぅぅ……」
『喉が枯れるまで死ぬ死ぬ言わせてやるオーク!』
「あ、あああっ、馬鹿、違う、わ。あ、あああ、ま、また、いやぁぁぁっ!」

 豊満な胸を揉まれ、膣の最奥を突かれる度にマユミは首を反らしてハァハァと喘ぐ。眼鏡の下の目から、また涙がこぼれた。
 両親の仇である憎んでも憎みきれないオークに処女を奪われ、友人達まで犠牲になり、あろうことか一方的な陵辱行為に快感さえも感じ始めている。ブドウの房のように複数の巨大な睾丸をぶらさげたオークの性欲は底なしだ。睾丸の一つ一つが鶏の卵ほどで、それが2〜30個ほど連なって陰嚢自体はカボチャよりも大きく膨らんでいる。人間と比べれば無尽蔵の精液袋だ。
 子宮が溺れる…。
 マユミの足下には比喩でなく白濁した精液が水溜まりになって広がっていた。もう何度射精され、精液が胎内に染みこむその度に来る快楽の絶頂に、身を震わせられたのだろう。果てることのない苦しみ、絶えることのない耐えられぬ絶対官能に狂喜の縁を覗かせられる。苦痛が快楽に、快楽は更なる快楽に。

(こんなの、は、ただの、皮膚の、触覚の、刺激に、すぎない―――っ、はず。痛みは、制御…ああう、うう)

 子供が嫌々するように首を振って、感じていることを見せまいと悲しい足掻きをするマユミ。彼女が動くと、汗を吸った長い黒髪が重く肌にまとわりつく。
 たとえ腕を切り落とされても呪文詠唱を止めないほどの精神集中能力を得たはずなのに、どうしても意志の束をまとめきれない。自分の考える最低の行為よりもオークは更に最低で、執拗で、手が込んでいた。オークという生き物には同情は一切存在しない。残酷と残虐、そして性行為に長けた悦虐の申し子だ。彼らは犠牲者 ――― 女 ――― を苦しめる方法、すなわち快楽の本質を人間の哲学者、学者以上に理解している。一度として同じ快楽を与えず、常に安らぐことのできない神経の刺激でむせび泣かせる神聖な行為に対して、修道僧以上に敬虔で傲慢だ。

『ハッハッ、ハッハッ、フッフッフッフ、フゴ、ゴフ、ピギィィ! き、気持ちいいだろオーク』
「…違う、こんなの嘘……全然、こんな、感じて……。気持ち、よくなんか」

 精神的な物をのぞいて苦痛を感じていたのはほんの一時だった。破瓜の痛みはたちまちのうちに消え去り、ゴーレムの蹴りさながらに突き入れられるペニスの刺激で内側から体はとろける。淫唇を巻き込み、隠核を転がし踏みしだき、蹂躙する。オークのペニスはまさにオークそのものだ。ドリル状の螺旋にねじれ、ランダムに柔らかな肉腫が浮き出ている。単に特定職業の人間やドワーフがするように、陰茎に真珠を埋めたようないい加減な物ではない。肉腫は膣の粘膜に吸い付き、ナノ単位の繊毛をつきたて、悦楽の電気刺激が注ぎ込まれ、性交本来の物とあわせて人間との性交とは比べものにならない快感を与える。快楽中枢を刺激される甘美にして最低の堕落たる悦虐地獄。

「う、くぅぅぅ…いやぁ、こん、なの、ひくっ、感じる、なんて、あう、あうぅ。や、らめ、ひゃ」

 これでは純真無垢だった処女であっても、10分と持たずに呂律が回らなくなり、正気を無くしたアクメ声でおねだりするようになるだろう。
 そして飽きることのない陵辱に、マユミは正気を失おうとしていることを悟っていた。しかしながら、なまじ強力な冒険者であったが故に、そうそう簡単に彼女たちは狂うことは出来ない。そしてオークもまた、マユミを精神の彼岸に追いやるつもりはないだろう。そんな方法があるのかどうかはわからない最悪の予想だが、この予想は当たると淫獄の最中で黒髪の美女は半ば確信していた。



「うあう、うっ、くっ、ひぅぅ。やめて、お、おねが、も、もう、限界よぉ」

 ヒカリは鎧も衣服もはぎ取られ、艶めかしい剥き出し肌は汗とオークの涎で濡れ光っている。入れ替わり立ち替わりでオークに犯され、息も絶え絶えに訴えた。彼女の訴えの返答は、眼前に無言で突きつけられるそそり立ったペニスだ。両手で二匹のオークのペニスをしごかされていたヒカリは、顎が痺れてとても無理だと小さく首を振って拒絶するが、オークが聞き入れるはずがなかった。ヒカリが動けないのなら、オークの方で勝手に動くだけだ。ベルベットのような舌触りは手で擦るよりもずっと心地がよいのだ。

『休むのダメオーク!』
「もう、力が入らないのよ。お願い…ん、くぅぅぅ、ん、んん―――っ!?」

 上の状況を知らない床下のオークに舌ペニスを秘所深く突きいれられ、目を見開き、首を仰け反らせてヒカリは呻いた。体がガタガタ震え、涙が鼻の奥を刺激する。惨めに大きく開かされた両足が、挿入の衝撃でつま先まで震える。

(ああ、また。もう、だめ…)

 父と姉が瞼の裏で笑っている姿が見えた。近親相姦にふけっていたあの二人より、自分は堕ちてしまった。
 ……知りたくもなかったけれど、風の噂で姉は父との関係を完全に切り、大恋愛の末に結ばれた夫との間に子をもうけて、商家の姉さん女房として幸せに暮らしているらしい。それに比べて、自分はなんと堕落したことだろう。
 もう栄光と期待と希望に満ちていた昨日には戻れない。例え助かったとしても、秘密を抱えたまま要領よくやるなんて自分には出来そうもない。老人のような心境でヒカリは諦めた。もうお終いだ。

(もう、良いわよ。どうなっても…)

 それでも、まだわずかに残る誇り故にぶるぶる震えながら、ヒカリはおとなしく、彼女らしい仕草でおずおずと口を開き、そしてねじれたオークのペニスを受け入れた。ピンク色の舌が濃く充血したグロテスクなペニスに絡まり、ぴちゃぴちゃとイヤらしい音を立ててしゃぶり始める。

『おおおぉ、うむ。ヤームヤーム』
「ぴちゃ、ちゅ、ちゅ、くちゅ…ん、ううん。ちゅぷ」

 苦さと塩味がまじったねじれたペニスを、舌、唇、歯、頬の内側…口全体で刺激する。うっとりした顔をするオークを横目に、ヒカリは黙々と奉仕を続ける。一刻も早く射精させて終わらせる為、望まず体で覚えた舌使いで奉仕するしかない。
 いつまで?
 たぶん、死ぬまで。











『め゛え゛え゛ぇぇぇ』

 間延びした嘶きに室内の時間が一瞬止まった。族長は口笛を吹きたくなるほどの上機嫌で口元をゆがめ、部下のオーク達は一斉におびえたように顔を見交わせる。自分の心を殺そうとしていたヒカリ達もまた、何が来たのかと顔を上げ、不安に目を瞬かせた。黴の胞子が舞うように、どろりとした重苦しい気配が近づいてくる…。

『我が、カンよ。実り、ある、狩り、だった、ようだ、な』

 つるべ井戸の滑車が軋るような共通語で彼は囁いた。重苦しい鉛の外套のような絶望の中、硬質な蹄がカツリ、カツリ、と石床を叩く音を響かせて部屋の中央にいざりよる。
 彼に近よられたとき、順番待ちをしていたオークが露骨に身をすくめ、路傍の屍体を見るような態度のまま彼から離れる。
 臆病な下っ端オークを「フン」と鼻でせせら笑うと、横に割れた瞳を蠢かせ、彼は族長を捜した。愚か者揃いのオーク共の中で、まだしも話が通じるのは彼くらいだ。マユミを犯すのを中断することもなく、族長は忠実にして有能な副官を見返した。

『大成功オーク。すごい作戦、大成功。グーデンヤシュ(人間雌)、全部捕まえた。俺の預言者、クドカテングリ』
『それは、重畳』

 オークに仕えるシャーマン、サテュロスのクドカテングリは仰々しく頭を垂れた。大きくぐるぐると湾曲して延びた…いや、かつてはアモン神さながらに雄大だった角は半ばからへし折れ、髄の部分が黒く萎び見る影もなくなっている。だが彼の心の中では今も雄大な角が雄々しく自己を誇示している。それにしてもなんという異形だろう。
 犯され、今更どうでも良いと思いながらも、マユミは初めて見る怪物の姿に驚きを隠せなかった。

 サテュロスは、上半身が野性味溢れた人間の男性そっくりで下半身が山羊、頭部に小さな角が生えているという姿だが、このサテュロスの頭部は山羊そのものだった。マウンテン・サテュロスというサテュロスの亜種なのだが、さすがのマユミもそんなことまではわからない。さらに異様なのは頭部だけではなく、彼の有様そのものの方だろう。内蔵が透けて見えるのではないかと思うほどやせ細り、あばら骨が浮いてるのは序の口だ。どろどろした元は衣服だったぼろ切れを張り付かせ、いくつもの小鉢や箱をぶら下げ、右手には鳥の羽で飾られた長さ1メートルほどの杖をついている。割れた蹄を持つ足は、片方…右足は過去のケガかなにかで膝下から腐り、骨が露出してじゅくじゅくした血膿を滲ませていた。そして背中には大きな篭を背負っていて、そこからなにかしらの異臭と、ごそごそという得体の知れない音を響いている。そして篭から吊された小さな、だが無数の鈴が乾いた音を立てていた。

『めぇぇ。まずは…』

 偉大なるシャーマン、クドカテングリはトロールの頭蓋骨製の鉢に手を突っ込み、薄紫色をした液体を手の平に掬い上げた。香辛料というよりも漢方薬じみた薬の臭いがマユミの鼻を刺激する。

(う…な、なに?)

 シャーマンは性交中の族長とマユミに近寄ると、石柱に捕らわれていた手首の周囲と、足首周辺にその液体をなすりつけた。液体が直接肌に触れたとき、蜘蛛に這い回られたような感触がマユミの背筋を凍らせる。

「はぁ、はぁ、はぁ…あぁ。い、一体、これ、は?」
『人間よ、すぐ、わかる』

 半ば抜けた顎髭をせせりながら、シャーマンは囁いた。瓦礫の多さと荷物の重さに愚痴りながら、マユミたちを尻目に足を引きずりながらヒカリの所へ赴き、そしてヒカリにも謎の液体をなすりつける。その時、ヒカリのたわわに実った双乳に目を細めた。たわむれに下から掬い上げるように乳房をつかみ、乳首をきつく摘むと、怯えた眼差しでヒカリはヒクヒクと震えた。マユミにも目をつけていたが、どうやら族長がご執心らしい。だがこの女なら。緩く波打つヒカリの黒髪を触りながら、彼は思った。先だってガタが来た雌腹のかわりとして所望してみよう。

『あと、は…?』
『へ、へい。あ、あっちにいる、いますオーク』
『めぇぇぇぇ』

 怯えたオークに促され、マナとレイの所へシャーマンは向かい、そしてレイはともかくとしてマナの全身拘束ぶりに一瞬言葉を失った。

『全、身、か』

 とても今の手持ちだけでは足らない。もうあまり数がないので控えたいところだったがそうもいってられない。そう判断した彼はその場に座り込むと、背負っていた篭の中から長い複数本の足を蠢かせる生き物を引きずり出した。怯えたオーク達が一斉に飛び下がる。シャーマンの手の中でわしゃわしゃと何の意味もない音を立てているのは、薄紫色をした手の平よりも大きな蜘蛛だ。オーク達と対照的に、些かも恐れることなくそれを鉢に2匹、3匹と放り込むと、オーガの大腿骨で出来た擂棒で押しつぶし、体液を絞り出していく。プチプチと音を立てて潰れる感触と立ち上るいがらっぽい臭いを楽しみながら、シャーマンは低く唸るように歌う。価値のわからぬ馬鹿なオーク共め。

 この蜘蛛こそ世にも珍しい異次元の怪物『異相蜘蛛』の幼虫だ。本来、異相蜘蛛は異次元に住む蜘蛛に似ているがまったく別種の生き物であり、成体ともなれば人間よりも巨大になる。そして空腹になると人間の世界に転移して現れ、哀れな温血の生き物を捕らえ、そして異次元に帰って行く。だが希に、卵を持ったままこちらの世界にやってきて、さらに希なことに返り討ちに遭う蜘蛛もいる。
 シャーマンが飼っているのは、そうやって運良く回収できた蜘蛛の卵から返した物だ。オーク達が住んでいる廃墟は古代魔法文明で使用されていた転移門が置かれていた場所で、空間が些か不安定なのだ。だから異相蜘蛛はよくこの遺跡に現れるのだが、いることがわかっていれば対処は容易い。
 そうして捕らえられ、こちらの世界で生まれた子蜘蛛は本来の次元に帰ることも出来ず、それどころかまだ小さくて能力が低いことから篭から逃げることも出来ない。そして、必要に応じて磨り潰され、薬の材料とされるのだ。

『む、これだけあれば足りるぇ』

 一度痛めた背骨を伸ばすことに難儀しながらレイとマナを捕らえている柱と壁に液体を塗りつけると、シャーマンは一仕事終わらせた満足感と共に煙藻をキセルで燻らせた。レイとマナ達を観察すると、彼女たちは陵辱を中断したオーク達に怪訝な物を覚え、何が起こるのかと不安を隠せないでいることが見て取れる。

『すぐに、わかる…』

 落ち着かせると言うより、不安がいや増す様にマナに囁くとシャーマンは不具の足を労る様に腰を下ろした。
 オーク達の乱痴気騒ぎには加わらないし興味もない。だが、今は別だ。

(久方ぶりに、股間がうずく)

 丁度繁殖期となっている彼は、オーク達に劣らない性欲に突き動かされている。情欲に濁った目でレイをシャーマンは見る。普通じゃない。なにか、ある。レイを見ていると、鋭敏な魔法感覚がヤスリで削られてる様にチクチクとする。
 本能的に悟った。彼女を犯せばきっと魔力が高まるだろう。今以上に、より強く、強大になる。











 それはそうと、シャーマンが塗布した液体…異相蜘蛛の体液にはどのような効果があるのか。
 ほどなく、コマーシャル明けのクイズ番組の様に答えは判明する。

「あ…手が抜けた」

 唐突に圧力から解放された手先の感触にマユミは戸惑った声を上げる。自由になったことに驚くより先に、支えを失ったマユミは反射的に柱にしがみつき、その動きでさらに足首が床から抜けた。彼女がこうなるのを予想していた族長は崩れ落ちそうになるマユミを支え直すと、耳元でぞっとするような言葉を囁いた。

『おお、抜けたオーク。ちがったかっこうで、してやる、オーク』
「い、や…です。もう、やめ、てぇ」

 やめるわけがないだろう。と族長は物わかりと察しの悪いマユミに、頭悪いなぁと肩をすくめる。いわば今までが前菜…いやいや食前酒で、これからが前菜だというのに、やめるわけがないだろう。

(またたっぷり注ぎ込んでやるオーク)

 一度ペニスを引き抜くと、適当な瓦礫に腰を下ろす。フラフラとよろめいてマユミの体が垂直に崩れ落ちる。精液溜まりの上にぐったりと倒れふし、肩でハァハァと息をしている。元々体力のない彼女にとって、フルマラソンにも匹敵する体力を失っている。弛緩したマユミの秘所から一拍遅れてドロリ、ドロ…と、精液と愛液がまざってゼリー状になった白濁液がこぼれ出した。内股を濡らす雄汁を虚ろな目をしてマユミは見つめる。

『じゅうぶん、休んだろオーク。まだまだオーク』
「そんな、もう無理、です………。あ……そんな」

 清浄潔白だった彼女の認識を遙かに上回るオークの底なし性欲に、改めて戦慄を覚える。やはり書庫で本だけ読んでいてはわからないものはたくさんある。一生わかりたくないであろう事柄ではあるのは間違いないが。
 這いずって逃れようとするマユミだったが、手足に力の入らない彼女は容易く取り押さえられ、膝下に手を差し入れて強引に抱え上げられる。赤子におしっこをさせるそのままの格好をさせられたことに、マユミの顔が羞恥に染まった。認めたくないのか両手で顔を覆い、小さく首を振るとしくしくと子供のように啜り泣く。

「う、うううっ。こ、こんな、屈辱…わ、わたし……死にたい……しんで、しまいたい……」

 マユミを胸にもたれかからせると、族長はそそりたった太い方のペニスを、無様にM字開脚されて奥まで丸見えの秘所に押しつけた。ぬるぬるに濡れ光る亀頭が触れるとビクリ、と一瞬マユミの身体が震える。

「ん、んんんんぅぅぅ―――っ!」

 ろくに抵抗もないまま、処女だった秘所と菊門は再び豚ペニスを受け入れた。根本まで挿入されて膣壁をペニスの隆起に擦られた瞬間、軽く達したマユミは押し殺した苦悶の呻きを漏らした。顔を覆ったまま前後左右に上体を揺さぶって、悦楽の桃色刺激をこらえる。せめてもの抵抗は、感じた声をオークに聞かせないことくらい。

『ゆぅっくり、ゆっくり……やってやる、やってやるオーク』
「お、鬼……悪魔っ。う……ぐっ、あぐ、くっ、うううぅ…うっ、うっ……あう…くぅ………感じ、ない、から。全然、感じない。感じて、なんか」

 胸を揉まれながら背面座位で犯されて、気丈にそれだけを呟くのが精一杯だ。

『ほれ、ほれ、ほれっ!』
「あっ! うあっ、ああっ! ああああっ!!」

 掛け声と共に乱暴に上下に揺さぶられ、マユミのたっぷりとした美巨乳も激しく揺れる。紙の様に白い乳房はうっすらと薄桃色に上気し、控えめな乳首がブルブルと揺れる。硬くなった乳首をもみほぐされ、堪えきれずに甲高い悲鳴を上げるマユミ。族長は下から掬い上げるように手の平に納めると、乳首をつねりながら手の平全体で揉みしだく。

『色惚け顔見せろオーク!』
「きゃ!? ひっ、んんっ! 見ないで、ください……ダメ…ダメぇ。ああ、ぁぁぁ……」

 駄々っ子みたいに身体をよじってマユミは嫌がる。汗の浮かんだ首筋をペロペロと舐められ、気持ちとは裏腹に表情も身体も甘くとろけ、声も鼻にかかった甘えたような声になってしまう。ただ触れられてるだけでも、ゾクゾクゾワゾワと背筋が凍るような疼きに襲われるのに、さらにジゴロの技術を持った原始人の野生で愛撫されるのだ。それは初で敏感なマユミを、普通に犯される以上の快感で狂わせる。

「ああう、あう、ああぅ、あう……わたし、わ、わたし、あああ、お、あ………」

 マユミの中ではオークオーラと大嫌いな存在に犯されるという背徳感覚が複雑に混じり合い、核融合さながらの快感爆発となってマユミを嵐の中の小舟のように翻弄する。

「あう、やぁあ、ああ……はうぅぅ、ひゃぅぅ」

 気丈にも必死に耐えていたマユミの身体が小刻みに震え始めた。虚ろに見開かれた瞳は冬の星のように潤み、緩く開いた口からは蠱惑的な舌を覗かせ、ねっとりとした涎が口元を濡らす。より深いところまで突き刺さるペニスの存在感は圧倒的だ。オークその物とも言えるペニスを拒絶し、呪いながらもマユミはそれだけしか意識が出来ないでいる。

(と、溶ける、身体が…溶けて、いく……わたし、揺れてる、の?)

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……う、っく、んん、っ。はっ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はっ、はひっ、い、ひ、はぁ、はぁ…。
 あ、あああ……ああぁぁ〜〜〜」

 今の彼女は限界まで膨れた風船だ。
 オークとの性交がポンプで、悦虐という空気を際限なく注ぎ込んでくる。過去の因縁と嫌悪のせいで、マユミが必死になって堪えるから、とっくに限界が来ているのにまだ割れない。だが、いつまでも耐えられるわけがない。膨らみすぎた風船は、いつかきっと割れる。パチンと弾ける。切っ掛けはほんの小さな針の一差しで充分だ。

「ひっ………あ、ひっ、ひぃ…んんっ! い、いや、いやぁ……イヤよ、イヤぁ。
 ……感じ、たくない。お母さん、お母さん、マユミは、オークに、また、こんな、ひっ!?」

 突然、族長はマユミに抱きついてくる。それまでの一方的な陵辱とは違う、恋人同士がするような行動に戸惑う。わずかにマユミの目が焦点を結んだ瞬間を逃さず、すかさず族長はマユミの肩口に顔を埋める。ぬちゃりとした舌の感触に続いて、鋭い痛みが走る。『俺の所有物だ』という証なのか、血が滲むほどきつく、歯形がくっきりと残るように噛みついたのだ。

「あぐっ!? ひぐ、ぎっ、いいいぃ〜〜〜っ!!」

 予想外の痛みで惚けていた意識と感覚が覚醒する。それは股間から脳天まで貫く稲妻だ。溜まりに溜まっていた悦楽刺激がマユミの中枢に流れ込んだ。

「きゃっ、ひっ!? いやぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜っ! いや、いやぁ、やあああああだあぁぁぁぁぁっ!!」
『ブヒヒィィィィッ!!』

 マユミの胎内で鋼鉄のような堅さとなったペニスから、噴水のような勢いで大量の精液が噴きだしていく。跳ね上がった勢いで髪の毛が一斉に逆立ち、眼鏡が飛びそうになる。灼熱の精液が膣内に痛いほど満ちる刺激に、折れそうなくらいに身体を仰け反らせ、ガクガクブルブルと瘧のように痙攣してよがり狂う。

「んんんっ、うううっ、んんっ! んんん〜〜〜〜〜〜〜っっ!!」

 大きく目を見開き、肩で息をしていたマユミの身体から唐突に力が抜けた。崩れ落ちる彼女をしっかりと抱き留め、族長は鼻を犬の様に鳴らしながらマユミの様子をうかがった。弱々しいが呼吸はしっかりしている。目は開いたままだが、正体を無くした瞳には何も映っていない。

『気絶したかオーク』

 弱々しい女だな、と鼻に皺を寄せる。生きの良い女を犯すからこそ、征服したという達成感があり、面白いのにと勝手に憤慨する。この瑞々しい身体は手放しがたいが、彼女だけでは彼の獣欲を満たすことは出来ないだろう。

(やはり、もう一人か二人は新妻が欲しいオーク)

 それはそれ、これはこれで乙な物だと、意識を無くしたマユミを再び犯しながら、族長はヒカリか、あるいはマナやレイのいずれかを妻として独占できないかと悪知恵を働かせ始めていた。











 部屋の向こうでは歓声と共にヒカリが床から引き抜かれている。童話の蕪みたいに引き抜かれ、ぐったりと弛緩したヒカリは床上に放り出された。生命体に無機物を透過する効果を与える薬の作用か、金属製の脛当や腰帯の残骸は抜け落ち、ヒカリはほぼ全裸になっている。
 白くすべすべとした肌の美女が、上気して横たわっている姿に欲情したのか、再び、既に彼女を犯したオーク達までもが股間をいきり立たせて集まっていく。

『やっぱり、こっちでしないとなオーク!』

 ライバル達を蹴散らしたのは族長の弟チンベだった。鼻息も荒く仰向けにしたヒカリの両足を抱えこむと、狙いをつけるのももどかしそうにペニスを押し当てる。まだ朦朧としているヒカリは自分の格好にも気づかない。糸の切れた人形のようなヒカリに、チンベは一息にペニスを挿入する。

「はうっ!? う、っっぐぐ、ぐぅぅぅ………!」

 油断していたところに、想像の埒外の刺激が襲いかかる。それは通常の何倍にも増してヒカリに快感を覚えさせた。
 族長と比べればまだまだ成長途上の若々しいペニスが匕首のように鋭く出し入れされる。

「ふぁあ、あ、あう、うううぅ…っ!! 息が、胸が、くるしいっ……。こんな、不潔、不潔なこと、を」
『ハァ、ハァ、ハァ、ハァ、いい、ぐあいだオーク。どんな感じか、言ってみるオーク』
「ああ、はぁ、ん、ひゃ、うっ、あうぅぅ。深い、熱い………。はぁ、はぁ、はっ…………あ………こんな、無理、無理よぉ。ごりごり、した、のが、中から、かきまわ、し、てる…! ああ、あん、ああ、いい…」

 自分が何を呟いているのかわかっているのだろうか。いつものヒカリなら、羞恥のあまり首を吊りそうな淫語を臆面もなく呟いている。自分の状態を麻薬に酔ったような忘我の表情のまま実況し、ヒカリは無我夢中で自らオークにしがみついた。両足がオークの腰に絡まり、自らに押しつけるように締め付ける。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、あ…ああぁぁぁ!」

 無我夢中で両手を振り回していたヒカリだったが、偶然に触れたオークの二の腕をしっかりとつかんだ。反射的に血が滲むほど強く爪を立ててヒカリはすがりつく。それが自分を犯すオークの腕だと頭をよぎったが、抵抗不能な快楽に翻弄されたヒカリは否応もなくオークに身を任せるしかない。豊かに盛り上がった乳房がのし掛かるオークの胸板に押さえられ変形する。ざらざらした瘡蓋が乳首を擦る度にビクン、と震える。

「あああ、ああああああぁぁぁぁっ! 変、変よ、ああ、私おかしくなってる! レイプなのに、犯されてるのに、オークの、オークのが、イイ、イイよ! 太くて、熱いのが! 凄く、凄くぅ!」
『お、お、おおっ? こいつ、すごく、その気、にオーク』

 中心から官能の熱で溶けていく。今まで強い精神力で押さえていた、精神の殻の中の気持ちが剥き出しになっていく。無意識の奥に封印していた記憶が、姉や父の情交を見て覚えていた暗い欲情の気持ちが強く強く…。太くてどす黒い父親のペニスが、グロテスクなまでに充血したラヴィアを押し割って、姉の中に出入りしている。
 そう、今ならはっきりと認められる。あのときマグマのように噴き出たのは嫌悪だけではなかった。

 化粧が濃くて派手ではあったが、自分によく似ている姉の顔が、快楽にゆがみ、巧みな中年男の責めに我を忘れて泣き叫んでいた。

「私が、私が、相手する、から。だから、ヒカリは、ノゾミは…!」





「い、イイの、不潔なのが、イイの…。ああ、わたし、不潔、凄く、不潔、不潔よぉ…」

 姉はヒカリを裏切りたくて裏切ったわけではない。
 妹の同級生だったトウジに告白されたとき、内心彼を憎からず思っていた姉は、彼を巻き込まない為にわざと自分を悪く言い、誰とでも寝るふしだら女だと嫌われようとした。それでも諦めず心変わりしない彼に根負けした姉は、とうとう父親との変態的な関係まで告白したが、それでも彼は諦めなかった。子供までいる彼女と駆け落ちしてでも添い遂げる覚悟だと言ってのけた彼に絆されて、とうとう、彼が妹の思い人だと知ってはいたが姉は彼と結ばれた。

 あの日、自慰に耽る自分を見つめる姉の目は侮蔑ではなく、妹を裏切った申し訳なさで一杯だった。
 だけど、それを認めるとますます自分が惨めになるから、ヒカリは姉が裏切ったことだけを拡大して、恨み呪い、軽蔑することで忘れることを選んだ。

(気持ちいい、気持ち悪いのが、気持ちいいわ…。やだ、こんな風に…。いやよ、思い出したくない……………お姉ちゃん)

 自分のみじめな境遇にマゾヒスティックな快感を覚えながら、さらに貪欲にヒカリは快楽を求める。敬虔な神の信徒としての暮らしでは決して満たされなかった心の空虚、アスカ達との冒険でも見つからなかった「何か」が、いまはっきりとわかった気がする。

(ああ、そうよ…。私は、栄光なんてどうでも良かった。ただ、罰を受けたかった…。そして許されたかったんだわ。汚されて、堕ちるところまで堕ちることで家族を捨てた罪を償いたかった)

 五年近くに渡って押さえ込んでいた『不潔』な快楽のみを目的としたセックスへの欲求が、今一度に解放される。認めればなんと清々しいのだろう。いつも心の奥底で、お堅い自分をめちゃめちゃに壊して欲しいと思っていた。強姦を言い訳にしながら、ヒカリはむしろ積極的に受け入れていた。

「凄い、凄いの。太い、深い、のが、ごりって、はぁ、ああ、あああぁ…」

 今は当たり前のように思い出すことが出来る。姉は自分を巻き込みたくないと、文字通り体を張っていた。けれど、本当は、自分は、父親と姉がしていることに興味があった。姉が犠牲にならなくても良かった、と思う。きっと父が姉でなくまず自分に迫ったとしたら、最初こそ拒絶して嫌がったとしても、無理矢理だったと言い訳しても、結局、最後には拒まなかったと思う。

「オークに、オークにやらしい、こと、されてる…ああ、不潔、オーク、不潔…。私、不潔ぅ」

(不潔なのが、気持ちいい、気持ちいいよぉ。お腹に、力、入れると、固いのが凄く、気持ちよく、なるの)

 不潔なことをしている。不潔なオークに不潔なことを。不潔、不潔なオーク。不潔な父親…。

「お父さん、お父さん、お父さ……あ、ん。オーク、お父さん、抱いて、おちんちん、犯して…お姉ちゃんじゃなく、私を」

 少量ずつドクドクと射精しながらもオークのペニスからは一向に堅さと勢いの衰えない。吸い込まれそうな快感にチンベの目は病的に充血し、口の端から泡を吹いている。心臓が破れそうだと思いながらも、休むといった考えが浮かばない。女を狂わせるはずのオークが逆にヒカリの肢体に狂わされている。ゴクリと粘ついた唾を飲み干し、チンベはヒカリの顔をなめ回した。

「ひゃ、あう、んぶ、んんんっ。いやぁ…粘つく……」

 一瞬、正気付いたヒカリの目が嫌悪に満たされるが、すぐにまたとろんとした表情にとろける。

『小癪な、グーデンヤシュ(人間雌)だオーク。こ、こうなったら、我慢比べオーク』
「がまん、って、ああ、あううぅ―――っ!?」
『死ぬ、まで、犯すのを、やめないオーク!』

 刹那、ヒカリの口元に笑みが浮かんだ。
 結合部の隙間から飛沫を噴くほど激しく腰を打ち付ける。股間から脳天まで貫くような射精感を必死に堪えながら、チンベはヒカリとの性交を小気味よく楽しんでいた。全身を使ってしがみついてくるヒカリの体は柔らかく、触ってるだけでも気持ち良い。

「はぁ、はぁ、はぁ、ああ、凄い、イっちゃう、良いの、良いのぉ。私のあそこ、グチュグチュ、グチュグチュしてる! して、もっとしてっ! 気持ちいいの、やめないでっ!」

 歯を噛み鳴らすと、オークは全体重を預ける様にヒカリの身体を折り曲げて、深くペニスを挿入する。

『おお、ブヒィッ!』
「あああっ、んんっ、あああぁぁぁ〜〜〜〜〜〜っ!!」

 官能の悲鳴を上げながらヒカリはチンベの身体を抱きしめた。剛毛の生えた背中に爪を立て、幾筋もの赤い線を刻み込む。同時に若者らしい青臭い精臭と共にザーメンがヒカリの膣内一杯に溢れかえった。感極まったヒカリは首を反らして長く尾を引く悲鳴を上げ、彼女とオークの下腹がシンクロした様にビクン、ビクリと波打った。ドクドクドクドクと熱い精液が胎内にほとばしる。

「はひ、はひぃ、ひぃ、ひぃ、ひぃ、ひぃ……。んっ…………はぁ、あぁ。……はぁ、はぁ、はぁ、はぁ、はぁ」

 ぐったりとしたヒカリの上にオークはのしかかる様に突っ伏した。100キロを超すズシリとした体重がヒカリにのし掛かる。
 オークの体温がじわりと身体に染みこんでいくのが、気味悪いのに心地よい。

「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ………まだ、なの? 狂え、ない…。これでも、まだ、狂えないの…?」

 呆然とヒカリは呟いた。それは陵辱地獄の最中の、ほんの一時の休憩時間に漏れた彼女の本音だ。でも、狂うのは無理でも、このままなら、いずれ、心臓は弾けて…。

『ブヒヒヒ、ちょっと休憩オーク』
「きゅう、けい…ってそんな、いやぁ、そんなお願い、やめないで、やめないで……」
『息落ち着いたら、再開してやるオーク』

 ヒカリの表情が凍り付き、冷や汗がどっと流れた。
 偽りの狂気で塗り固められていた瞳がゆらりと揺れる。ぼやけた眼の裏に見え隠れする打算と正気がゆっくりと露わになっていく。
 蒼白になったヒカリの頬を軽く叩きながら、豚そっくりの顔を歪めてオークは笑った。

「あ、ああ……そんな、お願いよぉ。それじゃあ、いつまで経っても死ねないわ。ああ、いっそ、そのナイフで刺し殺して…。こんな生き地獄、耐えられ、ない…」
『何言ってるオーク。死なせないし、おかしくなんてさせないオーク。おまえはこれから何年も何年も俺たちに性処理穴だオーク!』

 カッと見開かれた目に光が戻り、直後、命ではなく魂を切り裂かれる断末魔が響いた。

「………いやぁぁぁ―――っ!! 神様、神様ぁっ! 死なせて、今すぐ死なせてぇ―――っ!」
(やっぱり、たくらんでたオーク)

 絶望に泣き叫ぶ浅はかなヒカリを彼はあざ笑った。人間の女はいつも耐えられなくなると都合の良い妄想の世界に遊離して、そのまま狂おうとする。だが直に彼女は思い知る。投げやりに諦めようとしてもそうはいかないことを。オークはそっち方面の調教でもエキスパートだ。そう簡単に運命を受け入れられてたまるものか…。











「えええいやぁぁぁ――――っ!」

 甲高い悲鳴を上げて、マナが暴れる。壁から引きずり出されるやいなや、残っていた力を振り絞って彼女は唐突に駆けだした。全身を蜘蛛の体液で濡らしたまま、激しく暴れる。取り押さえようとしたオーク二匹は喉笛を切り裂かれ、恨み言と血反吐をはきながらその場に崩れ落ちる。何も持ってないはずのマナの攻撃に、オークは驚愕と恐怖の悲鳴を上げた。

「触るな下種!」

 どこに隠し持っていたのか、彼女の手の中に棒状の手裏剣が隠し持たれていた。忍びの技を知る彼女には、たとえ全裸だったとしても隠し場所はいくらでもあるのだ。

「どきなさい!」

 気合いと共にマナは右手を一閃する。立ちふさがっていたオークが、更に二匹喉を押さえてその場に崩れ落ちた。マナの髪の毛に紛れさせていた針金が、必殺の一撃となってオークの喉船に食い込んでいた。
 残ったオーク達は怯み、その隙にマナは跳躍して包囲をくぐり抜ける。既に事なったと油断したオーク達が、武器を捨て鎧を脱いでいたことも彼女たちに味方した。マナは彼女同様に柱から解放されていたレイを抱え上げると、一目散に出口めがけて走り抜けようとする。忍術の奥義により速度、力共に一時的に数倍となったマナの駿足にのろまなオーク達は追いつけない。

 しかし―――。

『めぇぇぇ。にが、さん』

 彼女の正面に立ちふさがったシャーマンが杖を振りかざし、ぶつぶつと呪文を詠唱している。油虫の様に耳障りな声だ。

(あんた達ごときの低級な魔法が、私に効くわけないでしょう!)

 マナは無視して駈け抜けようとした。攻撃魔法、あるいは眠りなどの状態変化系の魔法にしても、オーク達の仲間をしているようなシャーマンの魔法なら、レベルが違いすぎる(はずの)彼女に効く可能性は低い。高い確率でマナは囲みを突破し、逃げ出せる。そして態勢を立て直した後、逆襲に移れば良いのだ。

『深淵の断絶』

 中級の眠りの魔法だ。レベルの低い相手には驚異だが、マナに効く可能性はほとんど無い。魔法に耐えたらすれ違いざまにシャーマンの首を刎ね、そのまま脱出する。

(そう、そのまま、この山羊男を………あ、あれ、体が、上手く)

 つかみかかってくるオークの腕なんて避けられる。余裕を持って動いているはずなのに、手足の動きは遅々として一向に進まない。意識ばかり先に進み、足が痺れ、体から力が萎えていく。

(嘘、おかしいよ。なんで、まさか、こんな魔法で)

 よろめきながらたたらを数歩踏み、壁にぶつかり崩れ落ちる。濡れた人型を壁に貼り付け、担いでいたレイを放り出してしまう。背中から地面にたたきつけられレイが苦痛に呻くが、マナはその声を聞くことはなかった。意識が暗闇に堕ちる寸前、身体能力をあげる忍術には欠点があることを思い出していた。効果時間はさほど長くないこと、反面、効果が切れてからの無力状態は大変長いこと、そしてなにより効果時間中は逆に精神の抵抗力が激減すること。くわえてオークオーラの影響があっては、彼女が抵抗できるはずがなかったのだ。




























































「うっ…あ、あっ……」

 すぐ近くで苦悶の声が聞こえる。最初はそれが誰の声かわからなかった。意識と感覚が真っ黒に塗り込められて、状況どころか自分の名前もわからない。そして暗いのは目を閉じたままだから、と気がついたマナは目を見開いた。橙色を超えて紫がかった光がうっすらと染める室内は薄暗い。彼女が意識を失って目を覚ますまでの時間は、実際の所数分と経っていないらしい。

「くっ…………ううっ…う…うんっ…」

 目の前の闇の中で動いている影が見える。
 白く艶めかしい肌が妖しく踊る。全ての衣服を引きはがされたレイが、床に寝そべったサテュロスの上に膝立ちでまたがり、いきり立っている一物へ秘所を押し当てている。嫌悪が伺える表情だが彼女自らゆっくり、姿勢を変えようと身体を揺らしている。口元に滲む血の赤は屈辱か羞恥か、それとも彼女なりのプライド故にか。

『……まだ、全然、入って、ないぞ』

 寝そべったシャーマンが嘲る様に呟いた。射抜く様な視線でレイはシャーマンを睨むと、「くぅ」と小動物の様な呻きを漏らすとさらに太股を左右に開き、腰を下ろした。

「ううっ………くぅ、あう…っ…」

 くちゅ、とぬめった音を立ててほんの先端だけ入っていたペニスが1センチほど潜り込む。剃ったとかそう言うわけでなく、元々陰りのない恥丘が苦痛に震え、汗みずくになった銀髪を乱してレイはうめき声を漏らす。オークオーラの影響があるといっても、いま彼女を犯そうとしているのはサテュロスだ。マユミやヒカリの様に苦痛の少ない破瓜は望めない。

(ええ、嘘、でしょう?)

 驚きで言葉が出てこない。その時になってマナは、自分が昆虫標本さながらに万歳をする様に手を広げられ、得体の知れない半透明の樹脂で両手を壁に貼り付けられていることに気がついたが、それが些細なことに思えるほど、レイの行動は不可解だった。

「あ、綾波、さん。なんで、どうして?」

 押さえつけられて、無理矢理犯されてるわけではなく、自分からオークに跨りペニスを受け入れようとしているレイの行動はマナには不可解だった。たとえ殺されたくなければ自分でしろ、と命令されたとしても、そんなことをするくらいなら自ら死を選ぶだろう。彼女はそう言う凄みを持った人のはずだ。

『めぇぇぇ。遅い。手を、どけろ。力を抜け』

 身体を支える為、彼の胸に添えられていたレイの腕を苛立たしげにシャーマンは叩いた。絞り上げられる様に二の腕に挟まれているたわわな乳房がぶるぶると揺れる。

「う……………くっ。わかった…わ」

 恨めしそうに柳眉を曲げてシャーマンを睨んでいたレイだったが、おとなしく首肯するとゆっくりと身体を支えていた手を持ち上げる。羞恥…いや、単なる興奮で真っ赤に染まった顔を更に赤く染め、覚悟を決める様に目を閉じると、拳を胸の高さにまで持ち上げる。

ズグッ

「く…っ、はぁっ……」

 膝立ちだけでは支えきれず、重心がずれたレイの身体が3センチほど下がった。その分だけペニスがあまり濡れてない膣をえぐり込む。未踏の処女地を押し割られる苦痛に、たまらず天を仰いでレイは呻いた。

「ああ、ん……………ぐぅ……」
『めぇぇ。逃がさ、ん』

 反射的に逃れようと立ち上がりかけるレイを制し、シャーマンは意味ありげにマナに向かって視線を向けた。レイは彼の視線を追ってマナを見つめ、目を閉じて項垂れる。ハァハァと肩で息をしながら、あきらめ顔で身体を揺すり自らの意志でペニスを受け入れていく。アスカに負けず劣らずに気の強い美女が、強制されたとはいえ自らの選択と判断で異形の怪物に犯されることを受け入れる。彼女の姿は嗜虐心をいたく刺激する。

「あう……あっ……あ…………あ…あっ……」

 騒々しいオーク達が静かに息をのんで見守るほど、今のレイは妖しい魅力に満ちている。
 シャーマンはレイの横腹に手を沿わせると、素肌の弾力と質感を楽しむ為に撫でさすっていたが、目をぎょろつかせながらゆっくりと押し下げ始める。二人の身体が完全に密着させようとしているわけだが、それはつまり、レイが完全に征服されると言うことだ。レイの太股に緊張が走り、必死に抗おうとしているのが見て取れる。

「んんぅ…うぐ、んんっ…」

 汗でぐっしょりとレイの身体が濡れ光る。

『めぇぇ。自分でその大きな胸を、揉め』
「………どうして、そんな、ことを…言うの?」

 問いかける様にレイは呟くが、シャーマンは答えない。諦めたのか小さく嘆息すると、レイはゆっくりと乳房に指を沿わせ、静かに柔肉に沈めていく。

「う……は………ぁ………はっ……」

 胸を慰める様な自慰行為をしたことはないが、ふざけてマナがマユミやヒカリの胸を揉んでその大きさを揶揄したときのことを思い出す。あの時、マユミは本気で嫌がって怒っていたが、ヒカリは窘めながらも、声がわずかに熱を帯びていたことをレイは聞き逃さなかった。

(あの時、の、霧島さんみたいに、すれば…)

「………は、あっ……あっ」

 覚悟を決めて触ってみれば、自分の腕が自分の物ではない様な不思議な感覚がする。力を入れてはゆるめ、産毛の立った肌を撫でさすっているうちに次第にレイの呼気が興奮に熱を帯びていく。たわわな稜線がゆがみ、指の隙間からプリプリとした柔肉がこぼれ出る。

「う、く…ううん……」

(なんだか、変な感じ。身体が、熱い…)

 ぞわり、ぞくりと背筋が震え、次第に胸が熱を帯びてから打全体が熱くなっていく。

『撫でるだけ、ダめぇぇ。乳首を、さわれ』
「……ん……………ぁっ……」

 命じられるまま恐る恐る指を伸ばしていたが、指先が淫らに屹立した乳首に触れた瞬間、驚かされた猫の様にビクっと慌てて指を放す。レイは初めて体験する異様な刺激に驚き、その源である指と胸をまじまじと交互に見て、驚いた顔をする。そんな彼女をシャーマンがじろりと睨む。

『どうした?』
「なんでも、ないわ。ただ……………指が、熱くて、驚いただけ」
『め゛え゛え゛ぇぇぇぇっ!』

 突然、発情期の雄山羊の様にいななくとシャーマンはレイを押さえる腕に力を込めた。腰が更に押し下げられ、内蔵と骨盤がずれるような痛みと圧力にレイは目を見開いて首を仰け反らせた。大人の小指ほどの太さとはいえ、初めて受け入れる山羊ペニスは快感よりも苦痛をレイに与えている。目の端に大粒の涙を浮かべ、強張った膣をこじ開ける苦痛にレイは抵抗した。

『力を、抜け。力、入れる、挿入れてから』
「あうっ、んぅ……いや…………んっ……んんっ」
『よけい、痛い、ぞ』
「それでも……いや」

 緊張の極みに達した太股が痙攣し始めたが、それでもレイは抗おうとする。無駄な足掻きをせせら笑い、シャーマンは哀れな生贄の羊の限界を見極め、彼女の絶望がより強くなる様にタイミングを見計らう。

「………もう、ダメ…」

 呼吸をする為、レイの緊張が一瞬解け、柔らかくなった瞬間、シャーマンは一息に腰を突き上げた。苦痛に反応して全身が強張り、直後、力尽きたレイの身体が沈み込み、一気にペニスが胎内に飲み込まれる。メリメリと中心を穿つ硬質な音を確かにレイは聞いた気がした。

「……………あっ、あああっ」

 窮屈な膣は異物の侵入に悲鳴を上げながらも、防御反応からかわずかばかりの愛液で濡れる。

「あ…………っ、ぐ、くぅ……」

 凶暴な雄の象徴を受け入れる、くぐもった呻きとも断末魔ともつかない重苦しい悲鳴。ぴったりと密着したレイとシャーマンの結合部はにじみ出る血でうっすらと赤く染まっている。
 薄い赤を確かめると、シャーマンは腰をゆっくりと動かし始めた。

「うっ………うっ………うっ………。く、ひっ………ん…う……」

 シャーマンは異物をくわえ込んで痛々しいほどに充血した淫唇に指を伸ばす。苦痛に喘いでいたレイは、触られた瞬間息をのみ、ビクリと体をすくませる。絶妙の力加減に締め付けの得も言われぬ感触にシャーマンはほくそ笑み、血の混じった愛液を舐めとると満足げにうなずいた。
 やはり、処女だったか。かなり高い魔法の素養も持っている。彼女との交合は彼に更なる魔力の増大をもたらすだろう。だが、今はそれよりもわずかに青さを止めた熟れた果実に溺れていたい。
 しっとりと柔らかく、処女故の緊張からか痛いほどに締め付けるレイは極上の名器の持ち主と言って過言ではない。徐々に高まる腰が抜かれそうな快感にシャーマンは歓喜の嘶きを上げ、獣特有のピストン運動でレイを蹂躙し始めた。

『めぇぇ、めぇぇ、めぇぇぇぇ!』
「……あっ…。うっ…くふぅ……ああっ…………あ…………はぁ…………あ…ああぁっ………」

 ピンク色の泡が結合部にできる。乱暴な動きだがレイは苦しいとは感じていない。オークオーラの影響か、はたまた性処理用ホムンクルスとして生み出された彼女の身体の作用か、まだ痛みが引いたわけではないが、処女を失った秘所からはズキズキという脈動する様な疼きが消え、ただとにかく熱く火照る。

「あぁ…………あ、ん…」

 いつの間にか、シャーマンの身体の動きにあわせて腰をひくつかせるように動かしていた。泳ぐ様に頼りない視線が妖しくさまよう。

「い……ん……く、あぅ…………んんっ………んっ……んっ……んんっ……」

 とうとうレイの上体が前のめりに崩れ落ちる。反射的にレイはシャーマンの薄い胸に手を突いて身体を支え、シャーマンもまた、レイの身体を支える様に腕を伸ばしてレイの胸を握りしめる。たっぷりとした柔肉は手に余りそうなボリュームで、なにより見た目以上の弾力と質感にシャーマンは目を細める。

「くっ…ふ、ぅ……」
『良い具合だ、めぇぇ』

 きゅっきゅ、ぎゅ、ぎゅう…とピアノでも演奏する様な指使いでレイの胸はもみし抱かれ、思う様になぶられる。

「く、ふぅ…ん、ん………」

 刺激が強すぎて自分では触ることも出来なかった乳首を骨張った指が犯していく。溶けていきそうな、気を許してしまいそうな官能にレイは我を忘れて身悶える。顔を真っ赤にして小さく首を振り、必死になって遠くへ消えようとする破瓜の苦痛をとどめようとする。

(痛い……痛くない……むしろ、熱い。熱い、熱い物、火傷…お湯…暖かい…お風呂………気持ち、良い…?)

「あ、ああぁぁぁぁっ!」

 それはまさに分水嶺だった。

(心の、壁が…)

 シャーマンの陵辱をわずかでも、一瞬でも気持ちが良いと思ってしまった瞬間、突然、レイの全身を電流が流れた。赤い瞳を見開き、初めてかもしれない大声を出して全身を強張らせる。愛撫を受ける胸と、ペニスが蹂躙しているお腹から全身が溶けていきそうな火傷しそうな熱が広がっていく。血管にとけ込み、全身を流れ、脳を冒していく桃色の悦楽刺激。天を仰いで口をパクパクと開け、言うことを聞かない肺に必死になって空気を取り込もうとする。

「い……あい……ぐっ………ひ、き、くっ……………いぃ…」

(な、に…この、感じ、は…? 溶けて、いく……いや、繋がりたく、ない。でも、もう……考え、られ、ない)

『ふしゅー、ふしゅるる…。おまえも、そうか』
「な、なにを、言って、るの? あぁぁ、あぁ、あううぅ…」
『めぇぇぇぇぇ。いいいぃぃく、ぞ。子種、たくさん。おまえも、一緒、に』

 何を言われたのかはわからなかったが、『子種』という言葉を聞いた瞬間、さすがのレイも顔を蒼白にしてシャーマンを睨んだ。ホムンクルスである彼女が子供を身籠もるかはわからないが、だからといって獣の精液を胎内深くに出すと言われて冷静でいられるほど、レイは覚悟を決めきれてはいなかった。

「……だめ、私は、あなたの、ものじゃ…ない。だ、だめ………あ、あああぁぁっ!?」

(焼ける…意識が、燃えていく……)

 その瞬間、シャーマンの指先が食い込むほど強く、強く胸肉が握りしめられる。老いたサテュロスの強張った一物と下腹が激しく痙攣し、青臭い精液がレイの胎内一杯にまき散らされた。熱くサラサラとした水っぽい精液が膣一杯に溢れ、それでもなお止め処なく鈴口からは噴き出し続ける。行き場を無くした精液は子宮に流れ込み、さらに結合部からブビビと脱糞の様な音を出して溢れだしていた。

「あう、うっ、うううぅぅ…………く、うぅ…」

 苦痛じみた圧力を下腹に覚え、手を当ててレイは呻いた。震えが収まらず、冷たい汗が火傷しそうな熱い肌を滝の様に流れ落ちていく。精液の濁流を胎内に感じた瞬間、レイの意識は一瞬寸断され、堰が切れた様に愛液が溢れるのを感じた。

(染みこんでいく……。とまら、ない。熱いのが…痺れが…私、おか……しい…)

 それがアクメだと、シャーマンにイかされてしまったこともわからないまま、レイは力なく、重く長い呼吸を繰り返していた。

「…はぁ…はぁ…はぁ……んんっ…………くっ…」

(終わったの? こんな、の、が、まだ、あと…何回?)

 絶頂の余韻から、肩で息をするレイにシャーマンは絶望的なことを囁いた。

『めぇぇ。あと1回したら、オーク達とかわってやる…』











 ただ耐え続ける彼女の姿は同性のマナから見ても興奮を覚えるほどに淫らで滑稽だ。でも、どうしてここまでして、無駄な苦痛を彼女は耐えているのだろう?

(まさか、私の…せい?)

 およそ無感情で他人はおろか自分自身も大事にしない様に思われているレイだが、実際には獅子の様に誇り高く、親しい人の侮辱を許さない。口より先に手が出るくらいだ。それはつまり、仲間と認めた人をとても大切にするということでもある。マナの予想を裏付ける様に、シャーマンが口を開いた。

『手が疲れた。おまえ、自分で、胸を、揉め』
「無理…きつい、の」
『黙って、従えぇ。でないといますぐ、あの女、犯して、八つ裂きにする』
「うう、わかった…わ。霧島、さんは、死なせ………ああ……ない…わ。……私が、守る、もの…」
『めぇぇぇ。そうだ、言うことを聞けば、犯すだけで、済ませて、やる』

 やっぱり…とマナは唇を噛みしめる。
 どうせシャーマンが言っているのは口からでまかせだ。犯すのはともかく、女日照りのオークがそんな簡単に女を殺すわけがないのに。

(綾波さんって、いつもそうだよね。…なにか、誰かを守るって事にこだわりがあるのかな。でも、今更、そんなことどうでも良いよね)

 どっちにしても、これから二人とも地獄を見ることになるのだ。レイだって、内心はわかっているだろう。
 初体験の快感にブルブル震えながらも今度は乳首を摘み、刺激し続けるレイをマナは見つめる。

(もう良いよ、綾波さん。無理しなくても)

 自分にどこかよく似ていて特に声がそっくりで、それなのに自分にない物をたくさん持っていて、逆に人が当たり前に持っていることを持って無くて、それが却って彼女の個性になっている。アスカではないけど、マナもまたレイのことが嫌いだった。でもこうなったら、何もかもみんな同じ。

(オークに捕まって、一生奴らの子供を産む為だけに飼われちゃうんだもん。顔がどうとかスタイルがどうとか、魔法の才能とかそんなのみんな関係なくなっちゃう。綾波さん…一緒だね)

 舌なめずりしながらオークが近寄ってくる。直前に仲間がマナに4人も殺されたのだから恨みも強い。途中で転んで首の骨でも折ってしまえばいいのに、とあり得ないことを考えながらマナはオークを見つめる。
 どれだけ乱暴に犯されることになるのだろう。オークの目は情欲だけでなく、怒りと嗜虐で充ち満ちている。

(初めて…やっぱり、ムサシにあげちゃってれば…)

 何度考えても、彼のことは好きだった訳じゃない。でも、それでも、彼に処女をあげていれば、今こんなに苦しまなくてすんだかもしれない。





 見せつける様にマナの前で衣服を脱ぎ捨てているオークに向かって、マナは吐き捨てる様に呟いた。

「………あなた達、覚悟、してなさいよ」
『あん? 何言ってるオーク?』
「絶対自由になってやる。そうしたら、あんた達一人残らず去勢してやるから! 切り取った物、あんた達に食わせて口を縫いつけてやるわ!」

 凄みの効いた脅し文句にさすがのオーク達も情欲が凍り付き、伸ばしかけていた手が止まる。
 この状況でまだこんなことが言えるその逞しさに呆れ半分感心しつつ、まず間違いなくマナは本気で言っているらしいことを悟ってお互いに顔を見合わせた。こういう女はやっかいだ。

『強がりもそれくらいにしておけオーク』
「………強がりなんかじゃないもん」

 こういう女を征服するのは大好きだ。
 仲間を押しのけて一匹のオークが無言でかがみ込み、マナの両足を抱え込む。彼に対してマナはなおも強がった。ざらざらした手の平に感触に涙を浮かべ、身体を震わせているマナを見ればそれが強がりだと言うことは一目瞭然だ。
 体中傷だらけの、いかにも歴戦の古強者らしいオークはあざ笑う。族長にとってシャーマンが知の副官、弟が信の副官とすれば、彼は武の副官だと言える。その体躯はオーガの血が混じっているのかオーク達の中でも一際たくましく、背こそ低いが分厚い筋肉の固まりの様だ。

「…去勢されたくなければ、さっさと私たちを解放しなさいよ」
『まだ強がりが言えるのか、大したものだオーク』

 脹ら脛から足首までなぞり両足首をつかむと、V字型に大きく開かせる。「いやっ」と鋭く叫んで拒絶するマナだが、オークの腕力には叶わない。

『ご開帳オーク!』
「んっ………くぅぅ…」

 数秒の抵抗後、無防備にさらけ出される秘所をじろじろと見下ろし、オークはふふっと小さく鼻で笑った。淡く陰毛が生えた股間には秘めやかな淫裂がヒクヒクと息づいている。よく見ればうっすらと濡れ光っているのが見て取れる。羞恥に顔を背けるマナに、オークは腐った肉の臭いのする口臭をはきかけた、

『おまえ、処女だなオーク』
「なっ、あなた何言ってるのよ? そんなこと、な……ひぅっ」

 股間に顔を埋め、ピチャピチャと音を立ててマナの密を味わう。身動きのとれないマナは小さく息をのんで刺激を堪えた。喉の所までにでかかった甘やかな呻きをかろうじて飲み込み、唇を噛みしめて声だけは漏らすまいと耐える。なぜか触られていない肛門にぞくりと疼きを覚える。幾ばくか腸に残ったままのオークの精液が、奇妙に熱く感じる。芯を貫く悦楽に震えながら、マナは自嘲する。レイの抵抗を無駄なことと笑えない…。

「うん、う……う、んん…あぅ。ああ、や、やだぁ」

 ぴちゃ、ぺちゃ、くちゅ…じゅるるっ……。

 どんなに嫌だと思っても、どうしても腰がひくつく。マナは自分の体が、自分自身が大嫌いだ。オークオーラがどうとか、ギルドマスターに調教を受けて開発された淫らな体だから、とかそんなことは関係ない。処女こそ守っていても、好きでもない相手に何度も抱かれ、快楽を覚えてきたことは紛れもない事実だから。できることならこんな過去なかったことにしたい。
 でも…。

(こうしてオークなんかに処女を奪われようとしてる…。これが、私の運命、だったのかな…)

「う、ぐっ、ううっ…はぁっ」

 くノ一が普通の性交で達してしまうなど言語道断、と調教を受けた彼女の体はある程度好き勝手に受ける刺激量を操作できる。それなのに、堪えきれずに喘ぎ声を漏らしてしまう。表面を亀裂に沿ってなぞるだけだった不埒な舌が、唐突にランダムな動きにかわっていく。右に左に執拗にねぶられ、下腹部全体がどろどろに濡れそぼる。下生えはぐっしょりと濡れて肌に張り付き、充血したラヴィアが淫華として開花している。包皮をもりあげた敏感な淫核は舌先でくすぐられると、ボタンスイッチのようにビクビクと震えて淫華は蜜を滴らせる。

「はぁ、はっ、くぅっ、イヤぁ、いや、やだよぉ、こんなの」

 甘酸っぱい匂いを肺一杯に吸い込み、存分に堪能するとゆっくりとオークは顔を上げた。己の心とは裏腹に、マナの肉体は波打ち、熱い吐息を漏らしてオークの首に足を絡ませようとしてくる。むろん彼女の意識しての行動ではない。魔法じみたオークの魔力の前に、彼女はそうせざるを得ないのだ。緩く開いたマナの口元の涎をなめとり、それから頬を伝って流れる雫を舐めとる。圧倒的な余裕でマナの悔しがる顔を楽しんでいる。

「いや……ああ、やめて…」

(ああ、来る…)

 食いしばった奥歯がキリキリと音を立てる。
 怯え嫌悪しているはずなのに、頭が茹だった様に痺れていく。意識せず生唾を飲み込み、遂に処女を失うことに恐怖する反面、期待をしている。ごそごそとペニスをいじりながら、無防備な秘所にペニスを押し当てる。

 ゴクン…。

 心臓がドクドクと激しく高鳴り、耳鳴りがするほど脈が激しくなる。生唾を飲み込む音がやたら大きく聞こえる。

(わたし、興奮…してる。期待、しちゃってるん、だ)

「ああ…あん、いや…いや」

 ぞわぞわと肌を粟立たせ、かすれ声で呟くことしかできない。口では拒絶しながらも、身も心も真っ赤な法悦に染まったマナにオークは目を細めた。興味深げに象牙のごときマナの首を見つめる。ふっくらとした乳房は十人近い人間の手を触れただろう、物憂げに垂れた眉と垂れ目は人生経験の深さを伺わせる。こういう女も今までに例がなかったわけではない。つまり通常以上に経験豊富な女だ。それなのに処女のマナに彼は混沌とした混乱を感じていた。どういう具合にと言葉には出来ないがこれは只者ではない。

(まずはこうしてやるオーク)

 すぐには挿入せず、ほっそりとくびれた胴を撫で、先走りでぬるぬるとした螺旋ペニスで淫唇と淫核を嬲り上げる。

「くふぅん! あっ、ふぁ、あああああっ!」

 揺らめき登る陽炎な快楽にマナは火の様な悦びの声をあげる。一瞬で普通なら達するほどの官能が走り、とぷとぷと淫液を噴いてマナは全身をふるわせる。イきそうだけど、どうしてもイけないというもどかしい生き地獄。反射的にマナは腰を突き出し、催促する様に腰を振る。今まで見たこともない形状をしたドリル状の一物から目をそらすことも出来ず、マナはまたごくりと生唾を飲み込む。最近忘れかけていたが、見慣れている人間の物とはまるで違う、その形状に息をのむ。大きさその物はそう人間と変わるわけではないが、ゴツゴツした形状は膣の色んな部分を一度に刺激してくることが見て取れる。

「はぁ、ん……あぁ。い、やぁ…」
『くくっ、俺を去勢するんじゃなかったのかオーク?』
「あ……ああう、うっ、そう。そうよ、あんた、絶対に、去勢…切り落として」

 マナの鳩尾から腹が波打つ。
 オークの腰が持ち上がり、尻にえくぼが浮き上がった。同時に容赦ない圧力でマナの上にのしかかってくる。ぬらぬらしたナメクジの様な粘膜が這いずり回り、マナの内側にもぐり込もうとしてくる。

「あ、ああああ……入って、来る…よぉ……」
『ほぅれ、去勢できるものなら、してみろオーク!』
「や、いやぁぁぁっ!!」

 熱い物が割り開いてもぐり込んできた瞬間、マナは甲高い悲鳴を上げた。容赦も躊躇もなにもなく、一方的に、荒々しくオークに貫かれ、頭を壁に打ち付けてマナは激しく身をよじる。

「ああああぁぁっ! あっ、いやあぁっ! い、痛い、痛いよっ! ああ、酷い!」

(こ、こんなに、痛いだなんて…うう、苦しい、よぉ)

 マナの処女華は無惨にオークにつみ取られた。
 焼けた火箸を入れられた様な灼熱の痛みにマナは顔を歪め、悲鳴を上げて身をくねらせ、涙を流して泣きじゃくる。

「ああ、あぐ、うっ、いや、ああ、痛い、こんなの、イヤぁ」

 マユミやレイ、ヒカリに比べればずいぶんと控えめだが人並みの大きさをした乳房がブル、ブルブルと健康的に揺れる。マナの両足を肩に担いだオークは、胸肉を摘み、乳首を口に含むと舌先でころころとなめ回す。

「くぁああっ! あっ、いやっ! いあああっ!」

 名状しがたい吐きたくなる様な怖気が右の乳房を包み、ついでもう一方の乳房も包み込んでいく。
 ほのかに赤くなった乳首をしゃぶり、蒸気の様な息をしながらオークは無言のまま腰を振り続けている。相手をまるで思いやらない乱暴な交合で、じゅくじゅく、グチュグチュと淫靡な音が結合部から聞こえる。渾身の力を込めて抵抗していた秘所は真っ赤に染まり、レイ達に比べると大量に血が流れ出ている。

(擦られて、痛い…熱い。血も、あんなに一杯出て…。ああ、内蔵が…掻き回されてるよぉ)

 あまりの苦痛に、というより精神の疲労に耐えきれず、シクシクとマナは泣き始めた。
 涙こそ、征服の証。
 彼女を征服したことを鉾らしくオークは思う。

「ううっ! ああっ! 痛いっ! いっ、痛い…痛い」

 勿論、登るだけではダメだ。無事に麓まで降りてこその登山なのだから。
 そのうち、痛いだけだったマナとオークの交わりに変化が起こる。時折、痛みに混じって息をするのを一瞬忘れるほど心地良い快感が走るのだ。それが芯を貫いて全身を駆けめぐるたびに、「ひっ」と苦痛のそれとは異なるうっとりする声を出すマナ。

「痛い…痛い…痛い…痛い…いた、ひっ!? ……あううぅ。痛い、よぉ。痛い、いたい、いたい…ひぅっ!?」

 痛みが治まるのは歓迎することなのだが、自分がその一瞬の快感に悦びを覚えていることにマナは戦慄を覚える。このまま黙って犯されたままだと、自分の体がどんなことになるのか、容易に予想できた。ただの苦痛なら耐えられる。だが、苦痛を伴わない拷問には、耐えられる自身がなかった。訓練を受けていないわけではない。だが、訓練以上の刺激に耐える自信は彼女にはない。

「あ、あああうぅぅっ!」
『いま、凄いビクッとしたオーク。感じてるオーク』
「ち、違う…違う、わ……」

 見透かされて動揺する。次第に快感が走るまでの間隔が短くなっていく。オークの肩に預けられた足の指先に無意識のうちに力が入り、くっと親指が折り曲げられていく。足裏の筋が強張り、脹ら脛がプルプルと腓返りを起こした様に震え始める。真っ白な足が夕闇の中で踊った。

「うっ、ふぅん…っひ……くっ……ひっ………つっ……あいぃ……はぁ…」

 秘所からの出血はいつの間にか収まっていた。彼女の口から漏れるのは既に苦痛と拒絶の声ではなく、甘やかな艶声だった。

『どうした、どうした? 俺を去勢するんじゃなかったのかオーク?』
「あう、はう、くふぅ………。あ、ああぁ。うううぅ…」
『くくく、ヤシュ(雌)の顔になってるオーク』
「ち、違う……ああ、あっ。あうぅ、やぁ、やめ、てぇ。うごか、ないで、よぉ」

 腰の打ち鳴らされる音、掻き回される淫靡な水音。マナを苦しめる為だけに考案された様な、長く早い抽挿に我を忘れてマナは叫んだ。ゆっくりとした動きは、殊更にオークのペニスの凹凸をマナに感じさせ、絶望的な快感を味あわせる。あれだけ苦痛でしかなかったオークとの性交が、今は気持ちが良いとしか感じなくなっている。もう認めるしかなかった。自分は、人間はオークには勝てない。去勢するなんて、殺すなんて出来るはずがない。

「ああっ! はっ、はひっ、ひぃっ! ダメ、ダメダメダメぇぇぇ―――っ!」

 息をすることも出来ず、敗北のくノ一は首を仰け反らせて啼きよがる。くノ一として、人間として二重の意味で敗北してしまう。
 オークはしっかりと彼女の細腰を抱き寄せると、より深くより重い角度で股間をマナの股間に押しつけた。

「――――――っ!! くっ、ひぁあああああっっっ!!」

 マゾヒスティックな快感を否定する様に、気でも狂った様にマナは何度も後頭部を壁に打ち付けた。ズシン、ズシンと鈍い痛みが頭を揺らす。

「あっ! あっ! んああああっっ! いい、いい、イ…い、いやぅ、やっ、いや、いっ、いい、イくぅ! イっちゃう、あっ、あっ、あっ!
 あああぁ―――っ!!」

 だが、苦痛すらも凌駕する快楽にマナの膣が激しく収縮した。弾けた様に精液をはき散らす一物をぎゅうぎゅうと処女のきつさで締め付け、さらに精液を絞り出している。

「ああ、あう、うっ、ううぅ…う、うそぉ…」

 興奮したオークが唇を求める様に顔をなめ回してくる。自分が何をやっているのかわかっていないのか、マナは忘我の表情のまま積極的に舌を受け入れた。熱くて臭いオークの唾液が、たまらなく美味しいと感じる。そう、これ以上自分に出来ることはない。あるとしたら、苦痛が少しでも少なくなる様にするには何をどうしたらいいかだ。いつか、脱出の機会が来るかもしれない。その時、無駄な抵抗を重ねて動けなくなっていた、なんて事があったら笑い話にもならない。

「んぐ、ちゅ…ちゅぷ。ああ、美味しい…」

 だから、受け入れてしまうのは仕方ない事…。
 仕方、ないの…。

 絶頂の陶酔感に酔いながら、マナはのろのろと周囲を見渡した。
 全ては終わってしまったらしい。

 レイが三人のオークに犯されているのがまず見えた。膝立ちになったレイの前後からオークがサンドイッチにして、前後の穴を責め立てている。強烈な刺激に呻き声を上げながらも、おとなしくレイはもう一匹のオークが突き出すペニスに口腔奉仕をしていた。
 レイのすぐ横には族長が仁王立ちをしている。東方の伝説に出てくる闘神のような筋肉の体に、雪の様に白い肌をした女が絡みついているのが見えた。女は…マユミだった。全ての衣服を引き剥かれ全裸にされ、両腕を族長の首に巻き付け、両足を腰に絡みつかせて自らの意志で族長の体にしがみついてる。股間には今も族長の巨大な一物がもぐり込み、ビクビクと脈打つたびに彼女に熱い喘ぎを漏らさせていた。
 マユミたちの横ではヒカリが四つん這いになって犯されている。ヒカリは犬の様な呻きを漏らし、喉まで突き上げられて悶えよがっている。そして彼女の口を別のオークが犯し、ニタニタと卑劣な笑みを浮かべていた。

(みんな…)

























 誰かがつけた松明の明かりが、すっかりと暗くなった室内で右に左に影を揺らす。
 遠くでゴオゴオと風が逆巻く音が聞こえる。嵐…というほどではないが、バケツをひっくり返した大雨が降ろうとしているようだ。

『チレド・バウ、ガエ(親分、雨だ)』

 不安そうにオークの一匹が族長に囁いた。
 少々の雨なら大丈夫だが、大雨が降ると窪地にあるこの部屋の中には大量の水が流れ込んでくる。いつまでもここに残れば、雨の勢いによっては溺れてしまうことも充分あり得る。

『むぅ、そうだな…』

 犠牲は大きかったが、素晴らしい戦果だった。要求の多い族長の目に叶う様に人間の女が4人も手に入ったのだから、これはもう文句なしだと言って良い。それがぐずぐずとこの場に残って犠牲を増やすのはつまらないことだ。族長も素直に部下の言葉を肯定した。だが、何かを忘れている様な気もする。

(むぅ、あんまり考える時間、なさそうオーク)

 数度瞬き、一度天井を仰ぐ。それから族長は頷き、部下達に大声でのたまった。







『おまえら、引き上げるぞオーク』


『まあ、ちょっとだけ待てオーク』







初出2008/09/30 改訂2008/10/14

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