第2章 おてんば姫の冒険 その3 フレノール・フィールド(メイがさらわれた後) |
(フレノール・昼) *「ここは フレノール。 今 この町に サントハイムの お姫さまが 来てるの! ▼ *「はやく 見にゆかなくっちゃ! ★ブライ「フム。 何やら 悪い予感がしますな。 ★クリフト「姫様の お姿を ひと目 見ようと 町のみなが 集まるとは。 ▼ ★クリフト「やはり 姫様の人気は すばらしいですね。 じーん……。 ★アリーナ「サントハイムの お姫さまが……って どういうことなの!? ★アリーナ「ひとまずは 宿屋に 行ってみましょうよ。ねっ? ★ブライ「遠くはなれている とはいえ この町も サントハイムの一部。 ウワサはすぐに 城に届きます。 ▼ ★ブライ「旅先とはいえ あまり 羽目をはずしては なりませぬぞ。 ★アリーナ「なんだか すごいさわぎね。 面白そうだわ! ★クリフト「町のみなさんは ずいぶん お祭り好きというか 明るい方々 なのですね。 ★ブライ「フン。どうせ ロクでもない事で さわいで いるのでしょうな。 *「宿屋のご主人は お姫さまたちを たいそう もてなしたそうじゃ。 ▼ *「わしも 少しばかりのたくわえを お姫さまに 差し出そうかのう。 ★ブライ「やれやれ。いつかは こんな事が 起こるのではと 思っておりましたよ。 ★アリーナ「ちょっと 話が おかしくなって来たわね。 ▼ ★アリーナ「とにかく 宿屋へ 行ってみましょう! *「フニャアアアア。 *「ねえ。 ぼくの犬 どこにいったか 知らない? ★アリーナ「犬ねえ……。 どの犬が この子の犬なのか わからないわ。 *「ワンッ! ★ブライ「あまり うかれて あれこれ買うものでは ございませんぞ。 ▼ ★ブライ「必要な物は 何か。 買う前に 3回 考えて それでも欲しい時 買うのです! *「ふ〜ん。お姫さまっていうから どんなに きれいだろうって思っていたけど たいしたことないんだねえ……。 ★クリフト「にせの姫が アリーナ姫に かなうはずは ありません! 当然ですよね。 ★アリーナ「私のことじゃないと わかっては いるけど ちょっと 腹がたつわね。 *「ああ! お姫さまと お近づきになりたい! ★クリフト「……しがない町の 商人のぶんざいで なんたる ナマイキな! *「あんたらも お姫さまを 見に来たのか? この 宿屋の2階に いるそうだ。 ★クリフト「この方は 何を 言っているのでしょう? 姫が 宿屋の2階に? ★アリーナ「もしかして 私の にせ者が いるってこと? ……面白そう! *「お姫さまたち この町に なんの用かしらね! (墓地のそばの小屋・昼) *「黄金の腕輪は たしかに この町の 宝だった。 ▼ *「しかし その宝があるばっかりに 争いががえず ついに その宝を 南の洞くつに 封印したそうだ。 ★アリーナ「洞くつ! ステキな ひびき……。 行ってみたいわ。ねえねえ! ★クリフト「黄金の腕輪は わざわいを 呼ぶ と 伝えられております。 ▼ ★クリフト「この町に あったとは 知りませんでしたが。 (墓地のそばの小屋・夜・メイがさらわれた後) *「黄金の腕輪は たしかに この町の 宝だった。 ▼ *「しかし その宝があるばっかりに 争いががえず ついに その宝を 南の洞くつに 封印したそうだ。 ★アリーナ「黄金の腕輪は 洞くつね! さあ 急いで行きましょう! ★ブライ「この年で 洞くつへ とは。 まったく いまいましい にせ者と 悪党どもめ! ★クリフト「黄金の腕輪は わざわいを 呼ぶと 伝えられております。 ▼ ★クリフト「黄金の腕輪のせいで 姫に、あで わざわいが ふりかからねば よいのですが。 (フレノール宿屋・昼) *「旅人の宿に ようこそ。 ▼ *「と 言いたいのですが 今日は お姫さまがお泊まりなので…。 どうも すいません。 ★アリーナ「この宿ね。 にせのお姫さまが いるのは。 ▼ ★アリーナ「いいこと? 私たちは ただの旅人として その にせの姫に 会うのよ! ★クリフト「にせの姫のせいで アリーナ姫が 宿に 泊れぬとはっ! ▼ ★クリフト「われわれは 野宿でも 姫様は そうはいきません。 むむっ にせ姫め! ★ブライ「さてさて。 では そのお姫様の お顔を 拝見しに うかがいましょうぞ。 *「ふたりもお供が いるなんて さすが お姫さまねえー。 ★ブライ「このブライの にじみ出る知性と 品の良さは にせ者には まねできまいて。 ▼ ★ブライ「ふふん。にせ者めの顔を 早く おがんでみようでは ありませんか。 *「いやー! はなしてー! 誰か 助けてー! ★クリフト「これは いったい!? ……はっ あの男たちは!? ★悪者が 女の子をっ! 早く 助けないと!! ★ブライ「なんと! やはり 悪党めらが 姫を ねらっておったか! *「うーん やられた……。 ▼ *「突然 ヤツらが あらわれて 姫を無理矢理……。 *「おお! 姫が! 姫が 人さらいの手に! ▼ *「どなたかは 知らぬが 姫を 姫を 助けてくだされっ! *「止まれ! それ以上 近付くと 姫の命は ないぞ! ▼ *「しかし こんな宿屋に まさか お姫さまが来ているとはな! ▼ *「よし ものども いくぞ! ★アリーナ「なんてこと……。 早く 後を追いかけましょう! ほら かけ足よ! ★ブライ「さらわれたのが 本物の アリーナ姫で なかったのが 不幸中の幸いか……。 ▼ ★ブライ「どちらにせよ 悪党どもは きつーく こらしめてやらねば なりませんな! ★クリフト「若い娘さんを さらうとは なんたる ひきょう者! 許せません! *「なんとしたことじゃ メイが…… いや 姫が さらわれてしまった。 ★アリーナ「あの子 メイって言うのね。 今ごろ どうしてるかしら。 心配だわ……。 ★ブライ「この くたびれた おいぼれが わしの名を かたったですと!? 助ける気が なくなりますな。 *「お前たち どうか 姫を 助け出してほしい。 さすれば ほうびは 思いのままだ。 ▼ *「ん? 何を けげんそうな顔を しておる? 無礼であろう。 私は お城の神官であるぞ。 ★クリフト「ほうびを チラつかせねば 人助けもできぬ人間に 私は 見えるのでしょうか……。 ★ブライ「フン! にせ者も悪党も まったく いまいましい!! *「ひ 姫さまが さらわれたって!? なんてことでしょう オロオロ……。 ★ブライ「姫とわれらの名をかたった バチが 当たったようですな。 少々 キツすぎましたが。 ★アリーナ「町の人たちも ずいぶん 不安になってるみたいね。 早く 助けなきゃ! (フレノール・夜・メイがさらわれた後) ★ブライ「やはり 一国の姫君が おしのびで旅するなど 危険すぎる……。 ▼ ★ブライ「この事件が 片づいたら なんとかして お城に 戻っていただかなくては! ★クリフト「町の みなさんも さぞや 心を痛めて いらっしゃるでしょうね。 ▼ ★クリフト「なんとかして 早く あの娘さんを助けねば! ★アリーナ「あの子……心配だわ。 ▼ ★アリーナ「私が つかまったんなら 悪者をぶちのめして すぐに 帰って来るんだけど あの子は……。 ★アリーナ「私の 目の前で 女の子を さらうだなんて いいどきょうだわ。 ▼ ★アリーナ「あいつら ぜったいに 見つけだして 泣いてあやまるまで とっちめてやる! ★ブライ「にせ者など 少しは いたい目を見ればよいのです。 いい薬になることでしょう。 *「お姫さまともなると 悪い奴に ねらわれちゃうんだねえ。 おお こわい。 *「今ごろ お姫さまは 何をされていることか……。 ああ お姫さま……。 *「きゃー たいへん! お姫さまが さらわれたんだって! *「もう びっくりですよ! なんと 宿屋にいた お姫さまが さらわれてしまったとか! ▼ *「大胆なことをする人も いるもんですねえ……。 やっぱ身代金が 目的なのかなあ。 ★アリーナ「どんな理由があろうと 女の子を さらうなんて 許せないわ! ★クリフト「これまで サントハイムで このような事件が 起きたことは なかったというのに……。 ▼ ★クリフト「やつらの 真のねらいが 気にかかります。うーむ……。 *「にー にゃーん。 *「アオンッ! *「ねえ さっき 犬のコロが こんな手紙を くわえてきたんだ。 読んでみるね。 ▼ *「姫を 返してほしくば 明日の夜 この村の宝 黄金の腕輪を 村の墓場まで 持って来い。 ▼ *「なんだろ これ? うん。だれにも言わないよ。 ★ブライ「フン。めんどうな仕事をわれらに 押しつけて 宝だけを手に入れようと 考えたわけですな。 ▼ ★ブライ「腹は立ちますが どうやら 言う事を 聞いてやるほか 方法は ありますまい。 ★ブライ「黄金の腕輪をよこせ とは……。 何やら いやな予感がしますぞ。 ★クリフト「村の宝 黄金の腕輪。 たしか わざわいを呼ぶという おそろしい宝物です。 ▼ ★クリフト「黄金の腕輪のせいで 姫にまで わざわいが ふりかからねば よいのですが。 ★アリーナ「黄金の腕輪!? そんなものの ために あの子を さらったの? ▼ ★アリーナ「……しかたないわ。 何とかして 黄金の腕輪を 手にいれましょう。 (フレノール宿屋・夜・メイがさらわれた後) *「とほほほほ……。 ▼ *「旅人の宿屋へ ようこそ。 こんな 夜ふけまで おつかれさまでした。 ▼ *「ひと晩 12ゴールドですが お泊まりに なりますか? はい モいいえ *「さようなら 旅の人 また お立ちよりください。 (フィールド・昼夜・メイがさらわれた後) ★アリーナ「腕輪を渡す時が 勝負ね。 悪党たち 見てなさい。 ぜったい泣かせてやるから! ★ブライ「悪党どもめ。 このブライの目の前で 若い娘を さらうとは ふとどきな! ▼ ★ブライ「必ずや 後悔させてやろうぞ。 ★アリーナ「絶対 悪党たちから あの女の子を 助けてみせる。 いいわね!? ★アリーナ「急いで! 黄金の腕輪を 手に入れて あの子を 助けなきゃ! ★クリフト「あの方々が いなければ 姫さまが さらわれていた……。 ▼ ★クリフト「ああ 神よ! アリーナ姫を お守り下さい! そして あの娘さんも……。 ★ブライ「にせ者の命よりも まずは 自分の命を守るのが 先。 ムチャは いけませんぞ。 ★ブライ「悪党どもめ。 このブライ いやアリーナ姫を アゴで使うとは ナマイキな! ▼ ★ブライ「まったく 許しがたいですな! |