たとえば、この命すらも。
差し出せば、受け取ってもらえるのだろうか。



「ジャーック!なに湿気た顔してんのよ!」
オレンジ色の陽が傾きかけた頃に戻ってきた姉と妹に、耳元で『せっかくハイネルさんとふたりきりにしてあげたのに!』と言われ、グーデリアンは苦笑した。
グーデリアン本人ですら、やっと最近気づいた気持ちに、ふたりはずっと前から知っていたに違いない。
実家に戻るたび、なぜか録画・編集されているハイネルとの喧嘩(じゃれあいと本当は言った)をしっかりと見させられながら、『好きな子にはもうちょっと優しくしてあげなくちゃだめじゃない』なんて言われたことが何度かある。
だから、両手に大きなスーパーの袋をいくつも下げ、水着の上にパーカーを羽織っただけという見事なラインのボディを惜しげもなくさらし、口々にグーデリアンを責めたてるふたりに閉口しながらも口答えはしなかった。
この姉妹にかかればきっと、ハイネルがおかしな風に髪を立てるのも、せっかくの秀麗な顔を隠すようにかける眼鏡も、みんなグーデリアンの所為なのだろう。
「そうそう!大事なことを忘れていたわ!」
「とっても素敵なお客さまをお連れしたの!」
さんざんグーデリアンを口で負かしておいて、ふと我に返ったように姉が言えば、妹が相槌を打った。
その声に、やっと思い出してくれたのね、なんて言いながら入ってきたのは。
「リサ!なぜお前までがここにいるのだ!?」
現れた人物は、今ごろはドイツのBerlinにいるはずの、ハイネルの妹。
「ちょうど、ここへ来る途中にお見掛けしてね、どちらへ行かれるのかお聞きしたらうちだっておっしゃるから、もー驚いちゃったー」
にこにこと言う妹を横目に、グーデリアンはハイネルを見遣って、思わず口元を緩めかけた。
驚きに綺麗な緑色の目はひっきりなしに瞬き、端正な口元は音にならない声を出そうと必死にパクパクしている。
こんな無防備ともいえる顔は、滅多に見られるものじゃない。
だが、めずらしくハイネルの慌てた顔が見られたと、素直に喜んでいる場合ではなかった。
グーデリアンの相手をしているとき以外は常に冷静沈着なハイネルはどこへいったのやら、おたおたおして手にしていたマグカップを取り落とし(中身を干した後でよかった)、しかもそれが自分の足の甲に当たった痛みに顔を顰め、慌てて拾おうとしてテーブルの角に額をぶつけ。
このまま放っておいたらハイネルは身体中青痣だらけになってしまうと思い、グーデリアンは何気なさを装ってマグカップを拾い、ハイネルの肩に手を置いて落ち着かせる。
だが、当のハイネルはそれすらも気がついていないようで、完全にパニックを起こしていた。
おたおたするハイネルも結構かわいいなぁ、なんて同性で同い年(しかも半年年上)のれっきとした男に思っているグーデリアンに、とやかく言う姉妹を非難する権利はないであろう。
そして、そのままにーっこり!と笑うハイネルの妹に、いつものレディ用スマイルを向けた。
「えーっと、はじめまして、かな。お兄さんをいつもお世話してあげてる、ジャッキー・グーデリアンです」
いつもなら『私の方が貴様の世話をしているんだろうがっ!』と拳を振り上げるハイネルが現実に帰ってこないことをいいことにグーデリアンがそう言えば、ハイネルに似た、だがいくぶん蒼みの濃い色の瞳がふわりと細められた。
「こちらこそ、挨拶が遅くなりまして。愚兄がいつもご迷惑をおかけして申し訳ありません、リサ・ハイネルですわ」
グーデリアンに負けず劣らずの慇懃さで挨拶を返したリサは、いまだ両手をわきわきさせながらいまだに『なぜお前がここに…』などと口の中で呟いているハイネルに向き直った。
「あら、どなたでしたっけ、せっかくのオフだっていうのにちっとも家に戻ってこないで仕事ばっかりして、その上突然電話をくれたと思ったらいきなり『Hawaiiへ行ってくる』ですもの。そりゃもー、心配しましたのよ?まさか、さすがのお兄さまでも国境を越えてまで喧嘩をしに行くわけではないとは思いましたけれどね」
言外に、会う相手は聞かずとも承知ととれるその台詞を一気にまくしたてる妹に、さすがのハイネルも口を閉ざし、視線をうろつかせた。
「挙句、私がStuttgartに行ったときにはすでに蛻の殻。せめて、私にくらいはどういうことか、ぐらい説明してくださいますわよね?」
ハイネルの肩まで届かない背で、それでも両手を腰に当てて真っ直ぐな瞳で睨む姿勢のよい背中を、グーデリアンはのん気に『やっぱハイネルにそっくりだなぁ』なんて考えていた。
そんなグーデリアンのしまりのない顔を他所に、ハイネルは懸命にリサにいいわけをしていた。
「いや、だから、別に隠していたわけではないのだが、やはりみなに言うには、ドライバーの了承を得てからの方がいいかと思って…」
「そのドライバーを決めるのに、他の方々の意向は無視なさるんですの?」
「無視だなどと、そんなつもりではないが、あいつ以外のドライバーでは勝てる勝負も勝てなくなるし…」
「でもだからって、ひとりで、しかも内緒で行かなくてもよろしいじゃありませんの。大事な契約なのに。せめて、クルーの一員になる私にくらい、教えておいてもバチは当たらないと思いますわ」
「それは、すまないと思っている…」
それらの会話はすべてドイツ語でなされていたから、グーデリアンに理解出来ようはずもなかったが、それでもハイネルがらしくなくもごもごと語尾を口の中で誤魔化している様子がおかしかった。
「まったく、お兄様はグーデリアンさんのことになると、一気に周りが目に入らなくなってしまうんですものね」
「リサ!」
あんまりに突然、ハイネルが真っ赤になって大声を出すものだから、グーデリアンはもちろん、キッチンで夕食の準備を始めていたグーデリアンの姉妹までも何事かと振り向いた。
「あら、図星でしたのね、やっぱり」
全員の注目を浴びながらも平然としているリサに、ハイネルはガックリと肩を落とした。
「…そういうわけではない」
「そういうことにしておいてあげても、よろしいですけど」
これでもかというほどパワーアップしたリサの笑みに、ハイネルはもちろん勝てなかった。

グーデリアン家特製の豪勢な夕食に舌鼓を打った後、グーデリアンとハイネルは早々に追い出された。
もともとグーデリアンがひとりで過ごすはずだったから、別荘にはいきなり増えた客人への用意などあるはずもなく、ホテルを取ることにしたのだが。
『あんたはフェミニストでありながら、か弱い女性にホテルの狭いユニットバスと硬いスプリングのベッドを使わせるつもりなの!?』
びしっと音がしそうなほどに勢いよく人差し指を立てた姉の決め付けに、仕方なくハイネルとグーデリアンがホテルに泊まることになってしまったのだ。
こういう観光客の多い場所のホテルには、シングルルームなどない。
奇数で来る人のために、エキストラベッドを入れることはあっても、基本はツインだ。
ハイネルは、ツインの部屋の料金を払うからひとりずつ部屋をくれと最後までグーデリアンと同じ部室をとることを拒んでいたが、観光客のためにひとりでも多くの客に部屋を確保したいホテル側の懇願にしぶしぶ頷いた。
それでも、あまり人目の多くない角部屋をとってくれたホテルマンの配慮に感謝しながら、グーデリアンは長時間のフライトからこちらに来て以来休息を取っていないハイネルを先にシャワーを浴びにいかせて待ちつつ、缶ビールのプルトップをかしんとあける。
空はすっかり濃紺色に染められ、昼間は底が見えるほど透き通っている海も今は空との境目すら分からないほどに暗い。
シャワーの音を聞きながら、現在おかれた状況があの時と似ていることに気がついた。
窓ガラスを隔てて見える暗い空、聞こえるシャワーの音、ハイネルを待つグーデリアン。
それでも違うのは、水の音に紛れるようにして聞こえた、胸を切り刻まれるような押し殺した嗚咽の声がないことで、それはいくぶん、グーデリアンの心を軽くしていた。
そして、別荘を去り際にリサが小声で言ったことが頭の中をぐるぐると回る。
荷物というほどのものを持ってきていないハイネルは、ホテルへ移動すると決まっても準備をする必要もないくらいだったが、グーデリアンはさすがに着替えなど多少用意しなくてはならない。
もともとがあまり片付け上手ではないため、ましてしばらくは別荘に居座るつもりだったから、あっちゃこっちゃと広くはない中を行ったりきたりしていた。
そして、ようやく出発となった頃にはすでにハイネルはドアの外に出て待っていた。
『んじゃ、また明日』
そう言って片手をあげたグーデリアンに、夕食の後片付けを手伝っていたリサが近づいたのだ。
『お兄様はね、強情で頑固だから押しには逆らいますけど、実はさみしがりだから引くと結構カンタンに落ちましてよ』
天使とも小悪魔ともつかない微笑でそんなことを言われてしまって、一体どうしろというのだろうか。
いや、その前に、己の兄をそそのかしてくれと、しかも同性である男に言うあたりを心配した方がいいのか。
そしてもうひとつ。
『ジャック、忘れ物!』
そう言って夕方買いこんできた袋のひとつから、姉が投げてよこしたモノ。
これを使うような事態にしろと、応援してもらっていると思っていいのか。
薄くて質のよい日本製の、しかも似つかわしくないほどにかわいいデザインの箱に入ったスキンを、グーデリアンはため息とともに眺めた。



「時間は、実はあまりないのだ」
整髪料を落とし、本来の細くてやわらかな髪を重力に従うままにおろし、伊達とバレているグーデリアンには隠す必要を感じなかったのか眼鏡もないハイネルの姿は、やはり、あの時よりも細くなっていた。
入れ替わるようにして使ったグーデリアンがバスルームから出てくると、ハイネルはカップに注いだミネラルウォーターをナイトテーブルに置いてグーデリアンを見た。
「私は明日の朝、ドイツへ戻る。今すぐにでもテストとマシンの調整を始めなければ、来期のレースにぎりぎり間に合うかどうかというところなのだ」
マシンが新しくなれば、それに付随する作業も膨大で、しかもそれが新しく発足するチームともなれば、その監督でありマシンデザイナーでもあるハイネルのやることは尽きないのだろう。
そんな激務の中、どう遣り繰りしたらここまで来る時間が取れるのか、不思議なくらいなのだ。
「本当ならば、もっと考える時間をやりたいのだが、そういうわけで、出来れば早急に返事をしてもらいたい」
それでもハイネルの口調は焦っているものではなかった。
「もちろん、今すぐでなくてもよい。しばらくは、テストドライバーでも何とかなるし、おまえの方にも都合があるだろう」
グーデリアンは、まだスタースタンピードとの契約年数が残っており、それを破棄するには、莫大な金額の違約金を払わなくてはならない。
本人は気にすることでもないだろうが、アメリカ人ドライバーとして母国人に人気の高いグーデリアンだから、あまり国関係としても友好とは言いがたいヨーロッパの、表面的にはお坊ちゃんと呼ばれる人間のチームで走ることに非難も出るだろう。
あらゆる雑多な問題をもひっくるめて、ハイネルはそれでもぎりぎり時間が許す限りまで、待つつもりだった。
だから、グーデリアンが、真っ直ぐにハイネルに向かって、
「勝てるんだろ?」
そう言ったときには驚いた。
濡れて濃い蜂蜜色になった髪をがしがしとバスタオルで乱暴に拭きながら、グーデリアンは続けた。
「お前のマシンと俺がいれば、誰よりも速く走れて、そして勝てるんだろう?」
レース直前の、ハイネルの視線を捕らえて離さない不敵な笑みを一瞬だけ閃かせ、グーデリアンはベッドに腰かけるハイネルの真正面に片膝をつき、ハイネルの、その外見に似合わないほどに傷んだ指先をそっとなでた。
「俺は、お前に俺の命を預けるから」
ハイネルの作ったマシンを駆るということは、ハイネルを信頼し、ハイネルに命を託すということ。
ドライビングのテクニックだのを云々言う前に、それは大前提。
だからこそ、ハイネルは出来得る限り、マシンを安全性の高い設定にしたのだ。
「だから」
グーデリアンはそこでちょっと言葉を切った。
何を言われるのか、ハイネルは緊張した面持ちで待っている。
まるで、試験の結果を目の前で発表されるような、いや、プロポーズに対する返事を聞くような心情だろう。
…なんて言ったら、絶対怒るだろうけど。
グーデリアンは、表情に出さないようにくすりと笑った。
「条件がある」
「条件?」
グーデリアンの思考は正しく、落第点を取り、追試の内容を聞くときはこんな感じなのかな、などと、試験に落ちたことのないハイネルは頭の片隅で考えていた。
「そう。俺は、まだ契約の残っているスタースタンピードから、なけなしの貯金全部はたいて、莫大な違約金を払って移籍するんだ。だから、俺のワガママだって少しくらいは呑んでもらえるんだろ?」
そのグーデリアンの言葉に、シュトロゼックのドライバーが確保できたことを知り、ハイネルはそれでも表面的にはしぶしぶといった感じで、だがこくりと頷いた。
「じゃあ」
ハイネルの深緑色の瞳をその蒼穹色のそれでしっかりと見つめて、グーデリアンは続けた。
「これから先、どんな状況であっても、それが例えマシンの改良によってであっても、ハイネルが走れるんなら、いつでもドライバーとしてコースに戻ってきてほしい」
ハイネルが喉の奥で息を止めたのを、グーデリアンは見ないふりをした。
「俺は、ハイネル以外のやつを、俺のライバルとは認めない。最大にして最高のライバルを、最速のマシンだろうとなんだろうと、勝手に盗られてたまるかってんだ。だから、俺がハイネルのドライバーになることの条件を、ひとつだけ、聞いてくれ」
言葉なんかじゃ、伝え足りない想いが届くように、ちゃんと視線を合わせて。
ステアリングを握り慣れ、幾度も潰しては硬くなったタコに触れる。
「ハイネルがそうするっていうのなら、監督でも、マシンデザイナーでも何でもいい。だけど、ハイネルのいちばんの肩書きは」
どんな女の子にだって見せたことのない、あの日、シーツで遮られて見てもらえなかった、いちばんとっときのハイネル専用の笑顔を添えて。
「どんな時だって、ドライバーなんだってこと、忘れないでほしいんだ」
「…グーデリ、アン」
ハイネルの、緑柱石よりも澄んだ瞳が揺れて滲む。
「俺は、いつまでだって、待ってるからさ」
照れをウィンクでごまかしながら、グーデリアンは右手の親指を立てて見せた。
「グーデリアン。…私は……。私、は…」
なんで、こういう時に。
こいつは。
ハイネルは俯き、唇が切れるほどに噛みしめた。
「お前なんか、他人なのに、他人のくせに、どうして………」
ココア色の長い前髪がその双瞳を隠しても、陶器のような肌を滑り落ちる水晶の欠片は、隙間から転げ落ちて膝の上で握り締められているハイネルの手の甲に小さな染みをつくった。
実の父親ですら、わかってもらえなかった、ハイネルのいちばんのなりたいもの。
なぜ、この男はさらりと言えてしまうのだろうか。
「他人なんて、言うなよ」
小さなハイネルの頭を自分の肩口に抱え込み、グーデリアンはその髪をさらさらと梳いた。
それは抵抗なく収まり、されるがままになっている。
「俺のすべてを、この身体も、命も、すべてお前にやるよ。だから」
グーデリアンの低く落とした穏やかな声が、その厚い胸板を通してハイネルの耳に直接響いた。
「もう、無理、すんなよ」
髪を拭いた、肩から掛かっている湿り気のあるバスタオルに、ハイネルは顔を押し付けた。
「ひとりで頑張ろうとすんな。ひとりで、なんもかんも我慢しようと思うな。辛かったら、俺に言え」
グーデリアンの大きな手の平が、ハイネルの肩の上をすべる。
「俺は、お前が好きだから」
ハイネルの肩は、かすかに震えていて。
「お前を守りたいとか、庇ってやろうとか、そういうことは思わねぇけど」
ほんとはそうしたいけど、という心の声は、音には出来ない。
「せめて、他人だなんて思わないでくれよな」
「…グーデリアン…」
ハイネルの、小さな声は、だが、揺れてはいなかった。
捨てられていた、寂しいのに、身を守るために威嚇していた仔猫が、ようやく安心して眠るところを見つけたような、そんな安堵のささやきだった。
「さあ、もう寝ようぜ」
なるべく大袈裟にからりと言えば、ハイネルは、うっすらと目元を桜色に染めてはいたものの、いつもどおりに尊大に頷いた。
そして、ばさりと布団をめくった時、ベッドの足元においてあったグーデリアンの荷物が、ちょうどハイネルとのベッドの間の床にどさりと落ちた。
そして、転がり落ちた小さな箱がハイネルの爪先に当たる。
「………グーデリアン…」
それを拾い上げた、先ほどまでとはがらりと変わり、低く、唸るようなハイネルの声。
「貴様というやつは!」
固めた拳を振り上げるハイネルに、グーデリアンは両手を突き出し、ばたばたと振って止める。
「いや!ハイネル!それは、誤解だ!いや、誤解じゃないけど、でも違うんだ!」
「契約は破棄だ!貴様になど、シュティールはやらん!」
「そんな!ハイネル〜〜〜っ」
結局、隣室や下の階の客からの要請により、ホテル側から苦情のコールが鳴り響くまで、いつものふたりのレクリエーションは続いたのだった。

「ハイネル」
上がった息もおさまった頃、すっかり不貞腐れ、シーツの中に隠れてしまったハイネルを、グーデリアンは懸命に呼んだ。
「なあ、ハイネルってば」
「うるさい!私は、寝るんだ!」
怒鳴るハイネルに、それでもグーデリアンは声が聞けたことににっこりとした。
「うん、わかってるけど」
「けど、なんだっ」
なんでこんなにも律儀に返事を返してくれるのか、グーデリアンは嬉しさを隠せない。
「あのさ、俺、ハイネルが好きだよ?」
「…それは、さっきも聞いた」
あくまでもシーツの中から答えるハイネルの声は、憮然としつつもとげとげしさはない。
「ハイネルは?」
「………」
よっ、と勢いよくシーツを引っぺがし、グーデリアンはハイネルの顔を覗き込んで訊いた。
「ハイネルは、俺のこと、嫌い?」
突然間近に現れた濃い蒼に、ハイネルの視線は真っ直ぐに射抜かれた。
その瞳は、誤魔化すことを許さないほどの真摯さで。
「…嫌いでは、ない」
逡巡する間があいたものの、それでもハイネルが答えれば、グーデリアンの蒼がハイネルの碧に近づいた。
「嫌いでないなら」
鼻先が触れ合うほどの距離で、グーデリアンはハイネルに囁いた。
「今日だけで、いいから」
「グーデリアン…」
「ハイネルを、俺にくれないか」




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