阪急京都線のダイヤ改正は千里線大改悪

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 阪急京都線で3月24日にダイヤ改正を行うことが、先日発表された。主な内容は、平日の昼間時と土曜・休日のダイヤを10分ヘッドとし、その中に特急、急行、普通(梅田・天下茶屋−高槻市・北千里)の3本を運転するというものである。停車駅が大幅に変更となり、特急は十三、茨木市、高槻市、長岡天神、桂、烏丸となり、現在の特急から2駅増加である。急行に至っては十三、淡路、南茨木、茨木市、高槻市−河原町間の各駅であり、高槻市以遠では普通の運転を取りやめるというものである。
 このダイヤは、千里線利用者(特に下新庄以北)にとって過去最大のダイヤ改悪だと言える。梅田方面へは、淡路乗り換えを含めて10分ヘッドなのは一緒であるが、京都方面へ速達列車で行くのは乗り換えが2回必要となるなど大変不便になる。
 今回の改正で一番問題なのは、京都府内で通過運転する列車がすべて淡路を通過することである。京都線の梅田行きは急行は現状でも淡路で結構客が入れ替わるのに、淡路は十三と同様「淡路から他の方面へ流出する人が、淡路から乗り込んでくる人を上回る」駅であることを考えていないダイヤの作りになっているののだ。
 もっとも、今回の改正はJRの快速停車駅に相当する本線内の駅に特急を停車させることによって、JRと同等以上の本数を確保することに主眼が置かれている。1時間あたりに茨木市から利用できる列車は、JRの場合は12本のところを、阪急は9本から12本に増やすことで対等となる。長岡天神や桂は特急の停車のみならず、急行を先着させることで本数を12本とする(急行の待避駅が桂のみか不明なので、判明次第訂正する可能性あり)。JR長岡京は8本(うち4本は新快速と乗り継ぎ)なので、本数的にかなり有利となる。このように本線系統を見る限り、所要時間が伸びる大阪−京都間を移動する人や、特急通過となる大宮を利用する人などを除けば、便利なダイヤとなる。しかし、千里線という犠牲を踏んでまでそこまで改正する意義があるのか、もっと他にいい方法はないのか、と問いたい。
 そこで簡単な改善策として、改正案のダイヤのうち、特急の停車駅を次のように3通りにすることを考える。
 特急A 烏丸、桂、長岡天神、高槻市、茨木市、十三
 特急B 烏丸、桂、高槻市、茨木市、淡路、十三
 特急C 烏丸、長岡天神、高槻市、茨木市、淡路、十三
 このダイヤだと淡路でも1時間に4本は特急が利用でき、京都方面への利便性は向上します。長岡天神と桂は1時間4本に減ることになるが、他に急行が利用できるため、これでも全体の本数は10本とライバルのJRを上回る。つまり、大阪方面へ12本というのは過剰なのである。 また、他の私鉄も含めた京都市内の地下線内の駅は、すべて1時間8本以上あるのに、大宮と西院は6本となるのは問題である。それと桂−河原町間の列車が減るのも、桂駅利用者の流れを考えると問題である。そこで30分毎に桂−河原町間の普通を設定し、桂から京都方面への利便性を確保するとともに西院と大宮での1時間8本の運転本数を確保する必要がある。この普通は短区間なので4両編成とし、嵐山線と直通させると新たな需要が獲得できる。嵐山方面への直通は構造上難しいかもしれない(京都方面は楽)がやってもらいたいところである。
 また、淡路、長岡天神、桂の相互間を行くにも30分に1本は乗り換えなしですむ。もっとも、長岡天神−桂間は急行が10分おきに走っているので、それほど問題はないが。
 停車駅を変更するのはややこしいという意見も聞かれそうであるが、個人的には、混乱以上に主要駅間同士の利用者の利便性を確保する方が先決であると考える。例外停車に対して分かりやすく案内することで補うことが最低条件であるが、混乱を避けるためにダイヤをすっきりさせて無駄な停車を増やしてスピードダウンさせるのはいかがなものか。1人の人間が混乱して30分損したとしても、31人以上の人間が1分短くなった恩恵を受ければ総合的にはプラスなのである。
 主要駅間同士の利用者にとって見ると途中の停車駅はどうだってよく、例外停車駅利用者にしてもその大半は主要駅−例外停車駅の利用であり、よく利用する者は「時刻表を覚えておいての利用」というパターンが多い。混乱するのはダイヤ改正直後を除けば、「たまたま例外停車駅へ向かう用事ができた」とう程度の人くらいである。そもそも、特急の停車駅を重要度に劣る淡路、長岡天神、桂で3パターン化したところで、名鉄の例外停車あたりと比べたら雲泥の差で単純であり、この程度で混乱するという方がおかしい。
 とはいえ、昼間時以外のダイヤに大きな変更はなく、終電の繰り下げや堺筋急行の増発など千里線南部へは少し便利になっている。阪急千里線とライバル関係である御堂筋線よりも平日のみであるが終電で6分遅くなるのは評価したい(土曜・休日も10分繰り下がったが、御堂筋線より4分早い)。
 最後に、淡路には近い将来、JR大阪外環状線が通ることになっている。大阪外環状線は競合の性格は少なく、南茨木のような「強調」の性格が強いと思う。もっとも淡路−梅田間の利用では、運賃的に有利となることが予想されるJRに少し客が流れるであろう。大阪外環状線ができると、淡路以北の阪急京都線沿線から新大阪や、山陽新幹線方面(大阪市内発着となるケース)は、梅田・大阪(JR)新大阪乗り換えだったのが淡路(JR)新大阪となることが予想され、学研都市線・大和路線方面へも淡路乗り換えとなるため、将来的には阪急は淡路に特急を停める方向に動くと考えられる。それまでは京都方面−千里線(下新庄以北)は十三で本線特急と北千里方面への普通を乗り継ぎ、淡路−十三間で折り返す人が増えるであろうと思う。
(2001年2月4日)

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