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最近の山陽新幹線では「のぞみ」の増発により、所要時間は短くなった。しかし「ひかり」は、「のぞみ」の待避などで所要時間が伸びたために、年々不便になっている。そのため「のぞみ」の登場前より、実質的には利用価値のある列車が減っているのである。
現在、新大阪−博多間を3時間以内で結ぶ「ひかり」は、手元の時刻表を見る限りでは「ひかり129号」以外に見当たらず、3時間10分を切るのもほとんどない。平均すると速いものでも3時間15分前後である。
一方で、最近は各種割引きっぷにより飛行機が安くなっている。「山陽新幹線」対「飛行機」を考えた場合、福岡空港のアクセスが便利なことから、東海道新幹線の場合に比べて新幹線は相対的に不利な状況である。
そのため、山陽新幹線はさらなる増発で、利用客に便利なダイヤを作らないと飛行機に流れてしまう。飛行機の速達性を考えると、何らかの形で速達列車を増発する必要があると指摘する。
また昨年登場した「500系のぞみ」は、世界最速300km/h運転によって、新大阪−小倉間が1時間台になるなどさらに所要時間は短くなった。500系の功績は素晴らしいのであるが、現在のところ従来の300系「のぞみ」も存在するため、ダイヤパターンが乱れている。
山陽新幹線の利用者には、小倉や博多で在来線に乗り換えて熊本や長崎などに向かう客もいる。このように「大阪−九州」という比較をした場合、小倉や博多で新幹線から在来線への接続が肝心となる。
「のぞみ」が300系のみの時代ならば、九州内の在来線特急でも速達型の「つばめ」は「のぞみ」に接続させていた。しかし500系の東京乗り入れ時のダイヤ改正では、「つばめ」についてはパターンダイヤを優先させ、500系との接続は考慮されなかったため、あまりいい接続にはっていない。これは300系もまだ存在するため、300系のダイヤに合わせなければ毎時間「のぞみ」と接続しなくなるからである。
そのため、今後は「のぞみ」の車両を統一することが必要である。先日毎日新聞で、「JR西日本はのぞみを500系で統一したい」といった旨の記事が出ていたが、「のぞみ」全列車を500系に統一させるか否かは別にして、毎時1本は500系のぞみを運転させないと、在来線との接続は改善されないであろう。
現在、次世代の「のぞみ」として700系新幹線がJR(JR東海とJR西日本の共同)で開発されている。700系は最高速度が285km/hで、現300系より車高を高くするなど車内のゆとりを持たせるなど接客面での改善もなされている。しかし前述した毎日新聞の記事には、JR西日本の意向として「700系を8+8の16連にして、東海道新幹線では16連で運転し、新大阪で分割・併合ののち、山陽新幹線内は8連で運転させたい」というようなことも出ている。
こうした背景を念頭に置いて、私も山陽新幹線のダイヤについて考えてみた。
まず現在のところ、新大阪−博多間では「のぞみ」のほかに「ひかり」も運転されているが、「ひかり」のうち定期列車として運転されているものの大半は「のぞみ」に抜かれるダイヤとなっている。500系「のぞみ」と「ひかり」の所要時間差は1時間近くあり、500系「のぞみ」に抜かれないように「ひかり」を運転するのは困難である。
当初「のぞみ」は「ひかり」より30分ほど短くて済む」というイメージだったのが、「500系のぞみ」の登場でこの差が1時間ほどに広がっており、以前より「のぞみ」の相対的価値が高くなっている。また「のぞみ」運転前は1時間に2本「ひかり」が走っていたのを考えると、1時間当たりの列車本数は実質的に減っている面がある。だから、今後は「のぞみ」を毎時2往復体勢にすれば良いと思う。
現在、東京−博多間を結んでいる最速「のぞみ」の方は、500系に統一するべきであると思う。これは500系の速達性を最大限に生かすためでもあるが、現在のように数時間おきだと500系の運転するときだけダイヤパターンが崩れ、岡山や九州内での在来線との接続が改善されないからである。「のぞみ」は「中国地方以西」対「近畿・東海・関東地方」という大規模な範囲での速達化の鍵なので、最速「のぞみ」をすべて500系にすれば利便性の向上に直結するのである。だからこそ毎時1本は500系のぞみが必要なのである。
「ひかり」格上げの「のぞみ」は、現在開発中の700系をこれに充てれば良いと思う。そして新神戸、福山、小郡にも停車させれば途中駅利用者の利便性を図ってゆけばよい。ちなみにこの「のぞみ」の新大阪−博多間の所要時間は2時間40分ほどになる。
そして「ひかり」は、「のぞみ」の停車しない駅と関西以東を直接結ぶ列車として定着させるのである。東海道新幹線に名古屋−新大阪間で各駅停車となる「ひかり」が設定されているのと同じように、博多発着で広島−博多間が各駅停車になる「ひかり」、広島発着で岡山−広島間が各駅停車になる「ひかり」、岡山発着で新大阪−岡山間が各駅停車になる「ひかり」を設定し、代わりに「こだま」1往復減らすのである。なお、これらの「ひかり」は、「のぞみ」の合間を縫って走るため、各停車駅間の所要時間を短くする必要がある。よって大半は300系の限定運用として運転することになる。
このようにすると新大阪−博多間にも「ひかり」1往復を確保することは可能で、こちらの所要時間は現在の「ひかり」の平均とほぼ同じ3時間15分前後にすることができる。
これだけ速達列車が走ると「こだま」のダイヤ調整が難しく、途中駅発着のものが増えたり所要時間は長くなったりするが、どの駅にも毎時1往復は「ひかり」が停車するのでそんなに混乱はしないであろう。
そして「グランドひかり」をについては「ウエストひかり」に改造したらどうだろうか。具体的に示すと、現在16両編成(12M4T)のV編成から、中間車ユニット2つと食堂車、グリーン車各1両の計6両をはずし、10両編成(8M2T)とする。また座席はすべて2&2にする(T車はモケット張り替え程度で現在のまま使用する。階下席は現在でも2&2)。
上記で編成から外した中間車のうち、食堂車はもったいないけど廃車とする。残った車両については残った車両同士で編成を組む。そのために中間ユニットの一部は東北新幹線で実績のある先頭車化改造を施す。現在のV編成2編成から捻出される車両は食堂車を除くと中間車ユニット4つとグリーン車(T車)10両なので、2両を先頭車化改造すると前述したのと同じ10両編成ができる。つまりグランドひかり2編成で新ウエストひかりが3編成できる計算となる。
現在のウエストひかりは6編成なので、「グランドひかり」を最低4編成改造すればよいことになるが、6編成くらい改造しても良いと思う。そして残った「グランドひかり」は増発や増結用としたり、博多−名古屋間の「ひかり」など若干特殊な運用に当てればいいと思う。また、これで余った0系「ウエストひかり」は、製造年が古い中間車を中心に廃車として6連に短縮させ、こだま用に使うと良い。
このように「グランドひかり」を「ウエストひかり」化すると、新大阪以西で230km/h運転ができる強みを十分に発揮できるために、今日の「のぞみ」中心のダイヤに多少順応することができるので、ぜひ行なってほしいと思う。この新「ウエストひかり」は、現在と同様、定期列車として朝晩やピーク時間帯に運転するほか、臨時増発用としても使用する。新大阪−博多間の所要時間は、停車駅を新神戸、岡山、福山、広島、小郡、小倉の速達型とすれば3時間5分ほどで結ぶことができる。
以上述べたようなダイヤを想定した場合における、1時間当たりの運転本数と停車駅をまとめたものを上に示す。
これで結果的には新大阪−博多間で「ひかり」の利便性を悪化させることなく「のぞみ」の本数を増やせる。従来「のぞみ」や「ひかり」の恩恵がなかった都市においても途中駅停車で恩恵を受けることができ、大阪や東京などへの利便性は一気に向上する。このような「利便性」の向上を図ったダイヤになって欲しいと願う。
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