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2015/09/28 (月) 工学倫理
うちの学科では工学倫理っていう科目を必須にしてるんですが、これが結構おもしろいのです。いや、学生の時はどう思っていたか忘れましたが、最近職員としてこの講義に関与する機会があり、あらためていい授業だなと思いました。
建築家ウィリアム・ルメジャー氏によるシティーコープビル倒壊回避の話、チャレンジャー事故に隠されたO-リングメーカーの技術者の話、三菱自工/ふそうのリコール隠し問題、福島第1原発の危機管理等、実際に起こった事件を題材にして、製品に問題が発覚したときに会社/個人の利益と名誉と消費者の安全と信頼の間で葛藤する技術者の苦悩を知り、それぞれがどのように行動すべきだったかというディスカッションを行うわけです。
今回のフォルクスワーゲンの件も、まさに同種の問題だなと。誰かが排ガス検査時の特別プログラムのアイデアを提案したときに、同僚や上司が「そんなバカなこと考えるもんじゃないよ!」と一蹴しておけば済んでいた話。1,100万台リコール、被害額10兆円以上、ドイツやEUの屋台骨も、ここまでがんばったディーゼルエンジンという技術そのものも、石油業界の投資も、揺るがす事態にはならなかったはず。っていうか、特に欧州の会社なんかこれだけ「コンプライアンス」って言っておいて、中身は何だったんだと驚くばかりですわ。手続きが多くなって仕事がやりにくくなっただけで、肝心なところは取締役の圧力と命令・・・
我々の仕事はメーカー技術者に比べたら非常に社会的影響も経済規模も小さいものですが、どんだけ追い込まれても嘘だけはつかないでおこう・・・と心に誓うのでした。
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