|
2015/05/27 (水) プライドないのかって
ここのところ、メディアや民間の調査会社からさかんに日本の科学力が中国に負けたというデータが出てますが、それはあくまで論文数や引用数を基準とした定量的なデータ。ただでさえ人口が多い(人類の1/4!?)中国人が、おかしな仲間意識で互いに無関係な論文まで引用しまくるから、そりゃ中国人のデータの見栄えがよくなって当然です。
そうそう、研究者を何年かやってると他人が書いた論文の査読(要は審査です)が回ってくるのですが、ほとんどが欧米の科学雑誌に投稿された中国人の論文なのです。それがまた、(自分が若いってのもあるんでしょうけど)箸にも棒にもかからないくだらないものばかり。今まで40ほど見てきて、9割リジェクト、つまり落としてます。
その内容は、90年代以前に発見され、2000年ごろに欧米や日本の研究者が精密な実験と考察で特性を調べた材料を対象として、合成技術なんか要らない、いい加減な方法で既知の材料に何か元素を加えて材料をつくって、装置さえあればだれでもできる一通りの分析をして、これまた何の工夫もない触媒特性の実験をやって、適当な考察を入れて、はいおわりと。某国製の電化製品みたいな粗製濫造。なんかもう、研究して新しいこと見つけてやろう!未解決の問題を解いてやろう!っていう気概なんか微塵も感じられず、ただただ作業。論文増やして出世するための作業、って感じ。
論文審査自体は完全なボランティアでありますので、依頼が来たとき断ることもできるのです。ただ、自分も書いて誰かに審査してもらう以上互助の精神もあり、分野の近い研究者の最新の成果に触れることができるというメリットもあり、引き受けるのです。だから、心のこもってない、いい加減に書かれたものを審査するのははっきり言って時間のムダ。
過去にはその材料の有効性を主張するのに好ましくない主要データを、あえてグラフ化せずに本文に数字をちりばめて説明してあったので、拾い集めてグラフにして、クズだよっていうことばを添えて送りつけてやった(笑)。さらにひどいやつなんか、過去の文献を引用しながらその文献の趣旨とは全く違った内容を記述し、自分の結果が一見して科学的に正しいかのように見せていました。もはや捏造一歩手前。だから、「引用先論文は著者の言うような材料を扱ってません」とか、「引用先論文は著者の言うような見解にはなっていません」とかいちいち書いて返してやりました。どうせ査読者がチェックしないと思って適当にやってるんでしょ。数時間かけて調べながら真面目に読んで、嘘だらけだと判った瞬間の怒りときたらもう筆舌に尽くしがたい。
昨日はついに編集者さんに悪口書いてしまいました。「最近多すぎるけど、論文引用が正直に行われているかどうかを判断するのは、査読者の仕事じゃない。こんな論文を見るのははっきりいって時間のムダ!」って(汗)。編集者さんは著者と同じ国の人。ちょっと反省。
|