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2014/03/15 (土) STAPについて
専門外なのに色んな人から意見や感想を求められる小保方さんの件ですが、そもそもの原因はNatureに掲載されたからって騒ぎまくったことかもしれません。いや、掲載されたらそりゃ名誉なことだから、所属組織がプレスリリースなんて当たり前なんですけど、それに輪をかけてリケジョだの割烹着だの・・・世間は知らないんですよ。論文の審査プロセスを。NatureやScienceのようにきわめて新規性&インパクトの求められる雑誌は、一度でも学会発表をしているとか、特許を出しているとかばれた時点でアウトです。ということは、少なくとも1月までSTAPという現象について関係者(理研の周辺や共著者)しか知らなかったわけです。それを発表し、Nature誌が抱えている専門審査員のうち数人が予備審査でOKを出し、外部の研究者3人くらいが査読(Peer Reviewという)し、OKだったから掲載という流れ。
ここで大事なのは、誰も「再現実験」なんてしないことです。審査員は、掲載されいている僅かな(しかし重要な)データと引用文献を自分の知識や常識と比べ合わせて、査読論文が本当に科学的に重要な知見を提供し、内容や実験方法、分析方法に問題がないかどうかを結論付けます。無償でやることですし、わざわざ「同じことをやってみたができなかった」なんていう人はいないでしょうし、いたとしても掲載前の論文の情報を得て自分で実験している時点で契約違反です。もちろん、有機合成化学のように結晶構造解析などのかなり技術的に確立された手段がとられ、データから100%の信頼性が得られるケースもありますが、今回のように画像データメインの生化学や、構築に莫大な労力のかかる特殊な技術や装置を要する物理系・物理化学系の研究、はやぶさや深海探査みたいな国家プロジェクトレベルの大きな研究は、検証しようもありませんよね。
つまり、Natureに掲載されることが重要なのではなく、それがその後いかに研究者の世界で認められ、知見として、技術として利用してもらい、論文が「引用」されるか、この「被引用数」が大事なわけです。博士論文でも盗用はもってのほかですが、STAPが再現性は低いにしても真っ赤なウソではない場合、ちょっと過剰に叩かれているかなという気がしないでもありません。
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