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2012/10/10 (水) 絶対音感
小さいころからピアノなどの楽器に触れてると、音を聞くだけで音階を当てられるようになる、有名なアレです。僕もそうでした・・・が、最近(というより数年前から)半音ほどずれて聞こえるかなぁ??と自覚するようになりました。
もちろん、半音ずれてるだけで、決して崩壊してるわけではありません。音を正確に記憶することはできるので、「これがドだ」と覚え直すことによって、音程当てもできるし、一度聞いた歌謡曲をそのまま演奏したりもできます。ただ、上手く伝えられませんが、昔からの自分の感覚の中にある「ド」の音が、実際には半音下の「シ」に限りなく近い音なのです。言い換えれば、本当の「ド」を聞いたら、「ド♯」と認識してしまう。
悔しいけどブランク長いからまあ仕方ないかな、と思ってたのですが、ブログやQ&Aサイトを検索してみると、中高生までピアノやっててその後全くやめちゃった人で、同じ症状の人が結構多いみたいです。しかも「ずれる」という事実だけでなく、自分が思ってる音より「半音」「高く」聞こえるという共通点!!
こ、これは何か「ヒト」という種の抱える構造的問題!?(大げさな)に違いない!といきなり興味が沸いてきました。医学は素人ですが、音っていうのは耳小骨で増幅された音の振動が、蝸牛管の中の神経細胞を振動させて、それが電気信号に変換されることによって聞こえます。蝸牛の中には管に対して平行に、仕切りのような「基底膜」が張ってあり、神経細胞と繋がったこの膜が振動するのです。蝸牛管と基底膜の共振周波数は場所によって異なり、耳小骨に近い入り口付近は高周波、奥に行くほど低周波の音に共振します。これを解明したのはゲオルク・フォン・ベーケーシいうドイツの物理学者。ちなみにこの研究でノーベル賞とってます。まあ、今でも議論はあるらしいのですが、基底膜による周波数分解というのが、今のところ最も有力な説らしいです。まあ、説明が他力本願ですが、こんな感じです。 http://202.252.170.6/research/staff/wada/rika/3-Phy.pdf
その上で、絶対音感というのを、「基底膜のどの細胞が振動したかを音程と結びつける能力」とします。すると、たとえば体の成長によって管の全長が長くなったとき、特定の位置の細胞が、より管の奥側に入ってしまい、昔よりも低い周波数で共振する、ということは起こらないでしょうか??この場合、半音低い「シ」の音が聞こえても、もともと「ド」で共振していた細胞が反応するので、本人は「ド」だと認識してしまう、すなわち、半音高く認識してしまわないでしょうか??単純な推測であるにもかかわらず、自分を含む多くの人の認識と一致します。
蝸牛管の成長は(あったとしても)かなり遅いでしょうから、もしも現在までずっと楽器に触れていたら、毎日毎日頭の中で補正がかかります。脳は自然と新しい細胞(蝸牛管の中の、より手前側の細胞)をドの音だと認識するようになり、正確な音程が保持されるでしょう。体が大きくなる時期に、楽器に触れない・・・これがズレの原因だとしたら、大変興味深いですね。おそらくこのような考察は、医学、とりわけオージオメトリの専門誌なんかには当たり前のように書かれてるのかもしれません(暇があったら電子ジャーナル検索してみようっと!)。日本語のgoogle検索じゃ、見つかりませんがね。
さて、間違いなくズレてしまった音感、戻るのでしょうか?多分、正確に音が出せる楽器、たとえば調律されたピアノや、そもそも「デジタル処理で作った周波数」として音を出している電子楽器を毎日触っていると、脳神経回路の方が書き換えられるんでしょう。その反面、音程を自分の感覚に頼る楽器(バイオリンなどの弦楽器や、トロンボーンなど連続した周波数の出せる一部の管楽器)の奏者と、アカペラな人は、特に意識して音を確保しない限り、同じ問題が出てくるのでは??オーケストラやアカペラで「絶対音感の人は二人はいらない」と言われるのは、その人たちが考えている音が、単に昔からズレているというだけではなく、遺伝や年齢やわずかな疾患によって、昔は正しかったはずの音程に個人差が生じることも原因の一つなのでは?と思います。
このままにしておくのもなんか悲しいので、夜でも家でできる趣味として、PCと繋げる電子楽器でも買って遊んでみようかなぁと考えるのでした。
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