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2011/07/07 (木) カドテルとの付き合い方
日本の太陽光発電、相次ぐ誤算…経営の速さ取り戻せ http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110707-00000514-san-bus_all
産経新聞の記事にこんなのが出てました。つい6年前までは世界首位だった日本の太陽電池生産が、今や他国の足下にも及ばないとな。製品技術が枯れてくるにつれて、人件費や電力の安い国に負けるのはある程度仕方ないにしても、印象的なのが米国のベンチャー「ファースト・ソーラー」の登場かもしれないです。
決して人件費も電力も安くない国で、発電量世界首位となったベンチャー企業が使ってたのは、シリコンとは違う化合物半導体型の太陽電池。「テルル化カドミウム」という、紫外可視光をすっぽりと吸収する半導体を微粒子化し、インクジェットで基板に塗りつけて、電極を作成するというきわめてローコスト省エネルギーな技術で、高い変換効率とシリコンの1/10というお値段を達成しています。
ちなみにシリコン電池の場合、シリカ(二酸化ケイ素)を還元してSiにし、さらに還元してシランガス(水素化ケイ素)をつくり、再び酸化して高純度シリコン(99.9999999%くらい?)を得て、今度はそれを溶かして単結晶をつくって電池にするわけです。電気使いまくり。つくったエネルギーを発電で回収するのに数年かかる。プリウスのガソリンと製造エネルギーとかの比じゃないです。
こんなに良いテルル化カドミウムを太陽電池に使いたくなかった・・・というより使おうとも思わなかった日本企業は、やっぱり日本企業だから。イタイイタイ病の原因物質は絶対使えないんですよね。ちなみに欧州で今流行?のCIGS系化合物半導体太陽電池も、n型半導体として硫化カドミウムを少量使ってますが、これすら問題になってCIGS系を発売できなかったとある日本の大きなメーカーがあるらしい・・・
そもそも太陽電池のカドミウムは封じ込めるわけで、発電の時に撒き散らされるわけじゃない。その点、原油にもかなりの重金属が含まれているわけで、同じエネルギーを得るのに大気中にばらまく重金属の量は火力発電が最も多いというデータもあるのです。原発事故以来、世論は火力万歳!!的な意見が多いですけど、ほんの20年前までぜんそくや大気汚染の原因になってたでしょ??って。集団訴訟もして、だから都市に近い旧式火力発電所は停止してたわけで、都合良いにもほどがある。
そりゃ、燃えたときどうすんの?なんて話があるんですけど、原発みたく、例えばメガソーラー施設みたいに、ある程度の管理体制敷いて使うって方法もありますよね。「家庭に設置すること」だけを考えて、究極のクリーンさだけを目指して開発してると、きっと世界に大きく遅れをとるんじゃないかと危惧します。
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