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2011/03/19 (土) 福島第1原発
今日までの自衛隊・消防・警察による放水作業で、3号機の使用済燃料保管庫の融解の危険性はほぼなくなり、放射線のレベルもゼロに近い値まで低下しました。本当にすごい!東京消防庁のハイパーレスキュー隊は、都内の火災を鎮圧した翌日から、福島原発での活動を念頭においた核災害鎮圧の訓練を行っていたという。本当にすごい。警察の高圧放水車が出てきたときにはだいじょーぶか?と思ってたのですが、あれはあれで40トンくらいの水を撒いたらしいです。要は、消防庁が作戦立てながら訓練してる間の時間稼ぎだったわけですね。
何百トンのもの水を放水した高所放水車。あれ、建設現場にあるコンクリート圧送車とそっくりですよね。三重県の建設会社が、提供を申し出たらしいです。結局は、消防庁のスーパーポンパーで鎮圧したのですが、限られたニュースを見て、民間の技術者があーでもないこーでもないと考える。感動しました。
いわき市の孤立が懸念されています。福島第1原発から30キロよりも遠い所に位置し、屋内待避勧告も出ていなければ放射線レベルも低い。でも、みんな怖がって近づかないそうです。食料も物資も来ず、燃料も来ないから県外に逃げることもできない。
原発事故の影響は全世界に波及し、老朽原発の即時運転停止や、計画中・建設中の原発の一時凍結が進んでるそうです。国内でも、対災害基準を大幅に見直すために、建設中のすべての原発が一時凍結。
原子力の力は大きいです。濃縮酸化ウラン1kgから発生する熱エネルギーは、石油約70トン分にも相当します。輸送にかかるコストや、エネルギー、安定供給の面から見ても大きな利点です。地震で停止した福島第1、第2原発の総発電量はおよそ1,000万kW。これを全部石油で補おうとすると、一日あたり30万バレル(=35,000キロリットル)の石油が必要とか。これは10日で大型タンカーが無くなってしまう量です。これだけの膨大なエネルギーを、燃料を交換することなく4年間も出し続ける(正確には部分的に交換してくらしい)原子力エネルギーは、鉄腕アトムがいなくても、非常に膨大なものということはすぐに理解できるはず。
化石燃料は現在の生活を豊かにしているあらゆる化合物をつくる上で最も重要かつ貴重な限りある資源であり、熱エネルギーを得るために燃やしてしまうのはもったいない、というのが化学で良く聞く話です。これがあるから、温暖化の影響を無視したとしても、一部の原発反対派が言うように全部火力にしてしまえばいいじゃない、なんて到底思えないのです。要は、これを機会に原発=危険−>反対なんていう安易な考えに走らず、世界が直面しているエネルギー危機について、原子力の必要性について、具体的に数字を挙げながら国民にしっかりと説明することが大切だと思うのです。そして、国も政策として電力会社を競わせたりせず、原子力や送電など国の安全保障に関わる部分は半国営にするべき。こういう危機のとき、すべてを把握できる優秀な技術者がいることが最大の安全保障なのですから。利益優先で下請けにろくに教育もせずに運転を任せっきりなんてありえない。大学にしても郵政にしても、民営化・競争原理=良いことという欧米資本主義に偏った考え方を捨てるいい機会かと。
最新の原発は、全ての電源もモーターも使えなくなることを想定し、内部の蒸気の力でタービンを回し、その軸出力で冷却水を送り込むポンプを駆動する緊急時冷却システムが付いているらしい。電気を使わないこのシステムだと、地震で構造体そのものにダメージを受けない限り、確実に自動的に冷却される。そういう安全設計をしっかりと周知すれば、大きな反対運動には繋がらないと期待されます。また、半ば思考停止状態の原発反対運動も今までに見たことがありますが、そういう行為が新規原発の建設を阻害し、会社に古い原発の延命運転を強いている可能性もあります。反対するなら反対するで、きちっと対案を出すのが議論というもの。お祭りではない。原発に反対する人全員が、普通の人の半分しか電気を使ってないのならまだしも、絶対そんなことないし。かくいう自分も、化学の人間として、自然エネルギーを効率良く電力に変えられる研究開発をする必要があると強く意識した瞬間でした。今後数十年かかるかと思いますが、原子力に頼らなくてもよいエネルギー政策の柱の一つになれるようなものを作っていきたいと思い、そのことを意識しながら今後の研究テーマを考えないといけないです。
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