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2007/06/04 (月) 燃料電池
一般向けのテレビ番組で燃料電池を説明するとき、燃料電池自動車などを例とともに決まって使われるのは、「排出するのは水だけだから、環境に良い」というフレーズ。ちょっと待て。そりゃ違うでしょ。確かにその車自体は二酸化炭素を排出しない。でも、燃料としている水素は、水よりも高いエネルギーにある物質で、それを作り出すには結局のところ別のエネルギー源、すなわち化石燃料や原子力エネルギーが必要なんですね。 ではなぜ燃料電池なのか、なぜ「環境にいい」と思われているのかというと、発電効率の問題です。エンジン、蒸気タービンなどの熱機関は、高温の熱源から低温の環境へと、熱が移動する過程ではたらく機関です。燃料となる物質が持っているエネルギーに関わらず、発電効率、すなわち化学エネルギー→電気エネルギーへの変換効率は、物質を燃焼させたときの温度と排熱側の温度(気温・水温)によって決まります。絶対零度の環境に排熱でもしない限り、効率は100%にはなりません。実際のところは、効率を極めた最新の発電所で40%程度、自動車のエンジンなどでは10%程度に留まります。燃料電池の場合は、燃料と生成物とのエンタルピーの差から、エントロピーに関する項を差し引いた分が電気エネルギーとして取り出すことができ、40%〜80%という高い発電効率で電気を作り出せます。とまあ、最低でもその辺までは説明しないと、水素がどこからか沸いてくるものだと思う人が出てしまっても仕方が無いですね。
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