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2004/06/16 (水) プロジェクトX〜北陸トンネル火災〜
米原から敦賀を抜けて福井方面に向かう路線、それが北陸本線です。その途中、敦賀−南今庄間にある全長13キロもの長大トンネルが北陸トンネルなのです。1962年にこのトンネルが開通するまでは、北陸本線は山の中を通っていました。この峠、山中峠というのですが、3年ほど前にここを車で通ったことがあります。25‰の長い上り坂、カーブと、車にとっては何のこともない道なのですが、勾配に弱い列車、しかも蒸気機関車にとっては正に難所で、スイッチバックを繰り返してやっとこさ超えるという区間でした。 福井県民の期待とともに開通した北陸トンネルで、1972年に大惨事が起こりました。深夜、トンネルを通過中の青森行きの夜行急行の食堂車から出火したのです。「国鉄の規定」に従って列車は5キロ地点(ほぼ真ん中ですね)で非常停止、車内は瞬く間に煙に包まれました。火元から遠い寝台車に乗っていた乗客は自力で逃げ延びたのですが、火元に近かった座席寝台の客は取り残されてしまいました。。。 その間消防は出動はしたものの、国鉄の情報伝達の悪さと隠蔽体質?のため、身動きの取れない状態におかれていました。 消防「トンネルのどの辺りで止まってるんだ?」 国鉄「上司の許可が無いので、お教えすることはできません。」 消防「貴様〜人命が掛かってるんだぞ!」 という会話が本当に行われていたとは、恐ろしい限りですね・・・。その後も国鉄は救援列車こそ出したものの、確認もしていないのに「全員救出」を宣言したり、対策本部は指揮能力がなかったり、そのせいで救助が遅れて何人もの命が奪われたというのは非常に遺憾であります。 事故後北陸トンネルにはしっかりした消火設備が整えられ、実験によってトンネル通過中の火災の場合はまず通り抜ける、というあたらしい「規則」ができたみたいです。そういえば、列車の車内に赤い非常停止ボタンがありますね。ここには「トンネル内での火災の場合は押さないで下さい」との表記が見られるのですが、これが北陸トンネルの火災を受けてのことであると改めて知ることとなりました。 これは個人的な感想なんですが、昔から、そして今でも鉄道会社の事故対策および連絡手段は非常に貧弱であると感じます。空気の少ないトンネル内で火が燃えると、あっという間に一酸化炭素濃度が上昇してしまうことくらい分からなかったのか、そもそも止まって何のメリットがあるのか。まぁ後ろの車両に燃え移るのが多少遅くなるかもしれませんがね。 そう思わせるような事故がつい最近もありました。紀勢線の丸太乗り上げ脱線事故ですね。警察から指令に連絡があったのにもかかわらず、線路が塞がれていることが上り快速列車には伝わってませんでした。その原因が落下した丸太で無線基地局を繋ぐ通信ケーブルが切断されたからだというのです。これには笑ってしまいますね。何のための防護無線なのか。結局は線路が破壊されてしまった場合、接近する列車を止めることすらできないシステムなのです。本末転倒。 対する新幹線は世界に誇れる素晴らしいシステムです。それと同じように、あらゆる可能性を考慮して、柔軟に物事を考えて欲しいものですね。
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