対決!レールクラフト阿波座対トミーテック〜阪堺モ161編〜

青の雲塗装で対決!させてみた

  関西では有名な鉄道模型店「レールクラフト阿波座」(以下「阿波座」)。ただの小売りに止まらず、オリジナルの組み立てキットやパーツの設計・販売を行っている。しばらく前までは、「阿波座オリジナルキットと同車種の模型が大手メーカーから発売されないのは、店長さんが裏で絶大なる権力を握っているからだ」という噂が独り歩きしていたが、残念(?)なことに最近その牙城がちら、ほらと崩れかかっている。去年発売された、トミーテックの鉄コレ「阪堺電気軌道モ161形」シリーズもその一つである。カラーバリエーションが多いこの形式、去年は雲形塗装の緑と、旧南海色の2つが製品化された。そして先日、雲形塗装の青とグリーンの2色がバリエーション追加となった。私は過去に阿波座キットを組み立てたことがあり、その際に雲形塗装の青を選択した。青が一番好きな色だからね。そして去年の鉄コレも今年の鉄コレも購入……車番は違えど、同じ塗装パターンが同じ色で揃ったことも有り、禁断の対決を行うことになった。
  なお、「侃侃諤諤」本編にも記した通り、この後更新が長く途絶えたりページが消滅した場合は「あっ、触れちゃいけないところに触れちゃったんだな」とお察しいただければ幸いである。

まず気になるのはボディサイズ……?

【ボディサイズ】 阿波座>鉄コレ
  はい、いきなり禁忌に触れてますね(自覚あり)。ボディサイズは阿波座の勝利……というか大きい。わざわざトミーテックが専用動力まで作って「小さい」なんてことがこの現代の世にあろうはずもないので、忠実に1/150サイズにすると鉄コレのこのサイズになるのだろう。阿波座の店長さんもそんなこと百も承知だったと思うけど、こちらは動力部品の流用(カトーのBトレインショーティー用の動力から、モーター他の部品を持って来て再構築)の都合でこのサイズにせざるを得なかったのだろう。ここはトミーテックが会社規模も活かした開発力の強みを見せたポイント。

【窓周り】 阿波座>>鉄コレ
  窓周りのシャープ感は阿波座が上。鉄コレの窓ガラスはいつもの伝統芸(?)で、裏側の凹みのせいで二重窓っぽく見えてよろしくない。はめ込み窓ガラスの意味半減である。ちなみに、窓ガラスパーツの裏側の凹みはトミーテックだけではなく、トミックスやカトー、グリーンマックスなどにもある。けれど処理の差なのか、本家Nゲージではその処理が目立つことがない。なぜ凹ませてあるのかについては知らないのだが、推測を書いておくと、「1:金型に樹脂が流しやすい」「2:樹脂が冷えて固まるときに、ヒケや歪みが生じにくい」「3:使う材料の量が減るのでコストダウンにつながる」――「3」はちょっとこじつけです(笑) 目立たないようにしようとすると、金型のオスとメスの精度の高さが要求されて、鉄コレはここにお金を掛けられないから……といったところだろうか。以上推測終わり!

【塗装】 橘雪翼≧鉄コレ
お 前 か よ
  塗装は阿波座とは関係ないので自己責任で行きます(とかいいつつちゃっかり辛勝した気でいる)。鉄コレは多分青の上に白を塗り重ねていると思うのだが、若干白さの点で白から先に塗った私の方が有利。そしてわずかに吹き込みが生じてしまっているのが私の塗装のウィークポイントなのだが、鉄コレは鉄コレで白の部分にムラや、ところどころぼってりしたところが出来てしまっている。だからね、もうね、俺の微々たる差で勝ちってことでいいじゃん(笑)
  ところで、私がこれを塗った時、うっかりイメージだけで青を調色したもんだから「実物よりも濃い青色になってしまった」。今回の鉄コレが発売されて、多分鉄コレが「正しい色」で出して来て私がノックダウンする予定だったのに……この通り、並べてみると、彩度の違いはあれど色の濃さはそこまで酷い差でもない?(注:橘雪翼は色覚が弱めなので、深く突っ込まないように) トミーテックがうっかり私のサイトの作例を見て色を決めちゃったんじゃないかと申し訳ない気分になるぐらい。でもまあ、パッケージの青色と比べるといくらか濃いかなあ。まあ、思ったほどの失敗じゃなかったので良かったということにしておこう。

屋根周りは阿波座の圧勝?

【屋根周りのディティール】 鉄コレ>阿波座
【屋根周りのシャープさ】 阿波座>>鉄コレ
  続いては屋根周り。ディティールは鉄コレのプラ成型の方が優秀。しかし一方で、シャープさに関しては阿波座に軍配が上がる。配管類は鉄コレの方がいいっていう人も多そうだけど、ランボードやステップといったところでは差は歴然。一体成型とエッチング別パーツでは勝負にならない。パンタグラフはそもそものディティールが違うのだが、阿波座の方は実車の旧型パンタグラフだったような記憶も? パンタグラフのシャープさも阿波座の方が上である。あと、ヘッドライトはクリアパーツが入った鉄コレの方がずっと実感的である。

正面から見ると、大きさの差が……

  こうしてみるとサイズが全然違うことが分かります(笑)
【排障器】 阿波座≧鉄コレ
  一応阿波座の勝ちということにしたんだけど、実車写真見ると実車の排障器の外周の枠は意外と太い。ぱっと見鉄コレの方が印象把握はいいのだが……横〜斜め方向から見た時にプラ成型品は厚みが目立つのと、あと実は穴の部分が抜けていないのが私にはマイナスに感じられた。

【台車】 鉄コレ>>阿波座
  先ほど書いたように、動力を半流用する形の阿波座は車輪径が普通で、台車もそこそこサイズ。鉄コレの台車を見て「小さっ!」と感動してしまう。あ、純粋な大きさでは「阿波座>鉄コレ」です(爆) 台車を構成する部品は、エッチングパーツの阿波座の方がシャープには見えるんだけど、ディティールの豊富さや立体感は鉄コレの方がいいかなあ。

【ライト点灯化の可能性】 鉄コレ>>>阿波座≒0
  先ほど書いたように鉄コレのヘッドライトにはクリアパーツが入っている。のみならず、室内側へ導光する構造になっているので――なっていませんでした(爆) カトーの旧国パーツとは根本的に違うのね。但し、ヘッドライトパーツ裏へは貫通しているので、極小チップLEDで頑張ればひょっとしたら何とかなるかもしれない。コキ107テールライトでやってた人がいたような気がするので、人類に不可能はないと思う。当初やるつもりでいたんだけど、かなり自信ない。テールライトは穴が開いてないんだけど、プラスチックだし頑張れば穴開けられなくもない気がする。実は実験するつもりで失敗した時のためにもう1台買って来たんだけど、果たして挑戦するのはいつになるやら。

【動力ユニット】 引き分け
  鉄コレの方は「鉄コレ動力」の一言。路面電車用の例に漏れず、室内はほとんどが動力で埋まる。一方の阿波座のほうは、室内占有体積自体は少ないものの、やっぱり中央にモーターが鎮座しておられるので見た目的にはイマイチ。走り自体はフライホイールが入っていないものの割といい。金属車体の重みもあってか安定感もある。

  総じて「シャープさの阿波座」「ディティールの鉄コレ」と言った感じ。一長一短あるんだけど、もちろん値段やら何やらで手に取りやすいのは鉄コレ。キット組むのが大好きで、阿波座贔屓の私としてはまた買い足したいところなのだが……このキット、台車周りの加工が面倒なんだよなあ(それがなければ鉄コレ発売以前にもう1〜2台買い足していた気がする)。一番好きなデザインの青の雲形塗装を一発目に作っちゃったことも有って、二台目以降へのモチベーションが湧いてこない。っていうか、まだ在庫あるのかな? そもそも足が遠のいているので、たまには買い物に行かないと……。

(2017.11.20)

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