『zaregoto』

俺はダレだ?
目が覚めても何も分からなかった。
ただ、何かを探していた。
綺麗な存在。汚いもの。
それには羽根が生えている。
それは飛ぶ為のモノ?
なら俺が探しているものは。
鳥?

いいや、違う、
キミ。貴方。お前。
・・・俺・・・・・。

「大丈夫だよ」
存在を確立してくれたのは、たった一言の言葉で、俺はそれに縋る。その存在に。
闇の中に身を落としても、この存在が影と成り果ててしまったとしても、貴方さえ其処にいるのなら。
俺はその身を掻き抱き、力の限り求めるだろう。貴方と言うその存在。
それが停滞と知っても、その背に生える羽根を折ってでも。貴方を求め、貴方を縛執する。

「離しはしない。それが俺の狂気」
「・・・・そうしたのは、・・・・」
「貴方だ。」
「・・・そうなのだろうね・・・・。」
哀しい顔。白き面を俯かせ、そう言葉を繋ぐ。
その手にナイフを持つのは何時なのか。俺はそう考える。そうしてくれて構わないのだから。
「殺人者になんて、なってあげない」
貴方はそう言った。
「置いて行く事も、置いていかれる事もしない」
そうも言った。
羽根は折れ、貴方は地上に落ちてきた。最高の不運。

「帰してなんてやらない。此処に・・・」
「いるよ」
「いいのか?」
「それを貴方が聞くの。」
「・・そうだな・・・」
無味乾燥な言葉の応酬。それでも構わない。それでいい。
今ここに渇望する存在を。

俺は誰?
貴方は貴方・・・・。

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