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「あの人も……どうしてああ、女の人を泣かせてばかりなんでしょうねぇ……」
「私にはそもそも、あれでどうしてこうも大勢の気を引いてきたものか、そっちの方が分かんらんよ」
「あら? 面白くなさそうですね。冬月先生」
「まして君などは可愛いとさえ言ったものだしな」

仏頂面の恩師にくすくすとこぼして、ユイは持参したディスクを映し出す、冬月コウゾウ―― 現・第3新東京市長執務卓、据付のモニターに目を戻した。

「日の当たる縁側で嫁と孫と、ですか。ほのぼのとしてますわね」
「……笑えん話だよ」

そんな冷え冷えとした声音で冗談を言われてもと、心胆寒々とした思いの冬月は、実を言えば目を背けたくてたまらないのだ。
録画されていたのは、昼も最中から繰り広げられているらしい、その濡れ場。

『あひいっ、ヒィッ、いい! 深くって……凄くいいのぉっ。お、お義父様、お義父様ぁぁ〜〜〜! 』
『裂けちゃうのっ! おっ、おっ、お爺ちゃん、アタシ……アタシっ! そんなに太いオモチャ、あ、はじめてぇ……!』

今時豪華な、板張りの縁側。昼の日差しが燦々と降り注ぎ新築の板目が実に美しいそこに、女盛りの豊満な肢体を晒す白人女性と、やはり白い肌に一糸まとわず―― 母娘なのだろう、美しい顔立ちの良く似通った少女の姿があった。
彼女たちは並んで四つん這いに、高々と掲げた尻を発情の腰遣いでうねうねと躍らせていた。
女性は背後から白髪の老人に貫かれ、少女はその老人が右手に操っている張型で股間を抉られているらしい。
揃いの金髪を振り乱して何度ものけぞり、『ひぁあ……!』とあられなく叫んで突き出した舌から涎を散らす程に、深く官能に溺れているようだ。
それが先日の碇家。主人たる碇シンジの不在中の一コマなのである。

「アスカちゃんもまぁ……随分気持ち良さそうで。あの人ってそんなに上手だったかしら? ……まぁ、あれだけ激しくしながら、一緒にユカちゃんも泣かせる位ですもの。きっと私がいない間に上手くなったんでしょうね」
「…………」

義理の娘と孫の二人してが、別居中である夫と背徳不貞の関係を持っている。その証拠を目の前にして、口元にうっすら下弦の月を浮かべてさえ見せるユイに、もはや冬月が何を言えるわけもない。

『はっ、あっ、ひぃあ、あ……!』
『ふっ、いやらしい女だな、アスカ君。そんなに私の逸物が美味いか?』
『い、良いんです……あたっ、あたしの奥、ゴリゴリって……当たるっ、当たるたびに……あ、あ、死んじゃうくらいっ……!』
『ふっくくく……。だそうだよ、ユカ。お前のママは、お爺ちゃんのチンポが大好きなんだとな』
『あっ、ママ、ママぁ……。んっ、んむ……』
『ユカ……、んんっ……』
『母娘の口付けとは麗しいな。さすがお前のような淫売の産んだ娘だけのことはある。毛も生えぬようなマ×コに突っ込まれて、ヒィヒィ悦がるとはな……!』
『あううっ! そこはっ、あ、今キツいのっ……! クリちゃんは、あああ、ゆるしてお爺ちゃぁ〜〜ん……!』

少女のツルツルとした秘唇に突き刺さるバイブ。その十手にも似た「枝」で豆粒ほどの幼い淫核を責められ、舌足らずな嬌声が跳ね上がる。
細い腕はガクガクと震え、ついにペタンと胸を突っ伏してしまう。
それでも小振りのヒップを持ち上げたまま、のた打つようにビクビクと跳ねもがく。
祖父へと健気に股間を差し出して、言葉とは裏腹に、膝を突いた下肢から力が抜けようとするのを懸命に支えようとしているようだ。

『なにがキツいだ。そんなに汁を垂れ流して……。気持ち良いのなら素直に言えと、何度教えてやったかな?』
『はくぅっ……!』
『また仕置きが要るか、ユカ?』
『ごっ、ごめんなさい。ごめんなさい、お爺ちゃん。 ア、アタシ……ひぅン! アタっ、はっ、はひぃぃ〜〜んン!』

もはや悲鳴に近い泣き声を洩らす少女だ。
深々と幼膣を犯す張型を意のままに孫娘を叫ばせて、尚も膝立ちにぐんぐんとピストンを繰り返す腰は同時に母親の悲鳴をも搾り取っている。

『ああっ、ユカ、ユカ……。あ、ああふ! ふぐぅぅ……!』

娘があどけない顔を過ぎた官能にくちゃくちゃに歪めて、溺れるような息の下から必死に慈悲を求めているのだ。
気遣わしげに声を掛けようとするアスカだが、その度、肉槍の打ち込みが苛烈に白臀を叩き、床に這って揺れる双乳を鷲掴みに揉み潰されて、悶え泣きに声が途切れている。
スピーカーからはあんあんと、母娘の哀れな二重奏が、甲高く、悩ましく、響いていた。
この外道そのものの老人は、口実さえあらば仕置きと称してその嗜虐性を満たそうとするのだとは、ユイも良く知るところだ。

「シてるんでしょうね。SMとか……」

私もいきなり縛るとか言われた時はどうしようかと思いましたけどと、そんな事を言われて何と相打ちを入れろと言うのだろう?

「…………」

いい加減に引退したいところを後見人だったのだからと、誰かの後拭いに今だ老骨鞭を打たざるをえないこの哀れな老人は、ただひたすらに沈黙を守っていた。
ユイは、動けないのを良いことにされたアレコレだとか、暑いところに厚着したりと縄目の跡を隠すのに苦労しただとか、それなのにその内だんだん感覚がおかしくなってきたらしくって終いには―― などと訥々とこぼしている。
『そーゆーことだったのか!』と当時を思い返して愕然とさせられる冬月は、出来ればやめて欲しくてたまらない。
うなじを隠すハイネックセーターに艶かしい人妻の肌を想像して。そんな劣情に自己嫌悪に陥っていた若いあの頃だったというのに、それが公然緊縛プレイの偽装だったなどと言われてはぶち壊しである。

「聞けばリッちゃんもだったそうだし、アスカちゃんみたいな色っぽいカラダの子に手を付けて、また縛らない理由はないもの。きっと一緒にあの娘もされているのね」

可哀想に、と。

『ゆ、許してお爺ちゃん! 痛いのやーなの。熱いのもやーなのぉ……!』

ともすれば、未熟の子宮を抉られる快絶に仔犬のように手足を突いた素裸がのた打ち回る。そんなままならぬ肩越しに必死に振り返り、泣き縋る目をしているのだ。
母親譲りの青い瞳も、泣き濡れる内にすっかり赤く染まってしまっている。
初潮も迎えぬコンパクトな身体の内から、あんな変態行為の恐怖を刻まれていれば怯えるのも無理もないわねと、哀れな姿に同情を募らせたユイだった。が、

『あ、ああ……あたしがっ。ああっ、あたしが……母親のあたしが代わりになりますからっ』

叫ぶアスカのぼってりと屹立した乳首を、太い指が引っ張りこね潰している。
肉杭の激しい抽送が引き戻されて垣間見える秘唇は、生々しいピンクの器官が腫れ上がり、充血して、見るも痛いしい有様。
それでさも苦しげに喉を喘がせていながら、身代わりを申し出た貌には―― 同じ男の女であったユイには分かる、悦とした媚びの色が浮かんでいたのだ。

『ま、また縛ってください! あたしの……いやらしいオッパイをギュウギュウに。クリトリスが擦り切れるくらい、なっ、縄を……引き回してくださいぃっ! お願いします、お義父様ぁぁぁ〜〜!!』

寛恕を請うのならと嗤う声に応じて、アスカは14のあの頃よりも格段に実った肉体をもってゲンドウを悦ばせようとした。
牝犬そのものの浅ましい姿勢で受け入れているペニスは夫であるシンジの父親のもの。
それは愛娘であるユカから、あまりに青いバージンを突き破り奪い取ったものでもあるのに、アスカは実に誠意に満ちたセックスに奉仕してみせたのだ。
関節の限界まで股を開き、チルドレンとしての訓練が与えたのびやかな筋肉で、四つん這いの四肢を振る。
男の腰の動きに応じるものから更に熱情的に、下の唇を打ち付け飲み込んではぬると吐き出し、またじゅぶと咥え込む。
床板に突いた膝や肘が激しい摩擦に悲鳴を上げている筈だが、まるで気にする素振りはない。寧ろ更に更にと動きを熱っぽくさせていくばかりだ。

じゅちゅっ、じゅっ……じゅちゅっ、じゅぶっ、……ちゅぐ、じゅぶぶぶっ!

しなやかなウェストを淫らに振りたくって、アスカは一匹の発情した雌猫にと変貌していた。
そこに周囲が知る貞淑な妻の、そして幼い娘の母親の面影は微塵も窺えない。
義父の勃起をずっぽりと根元まで、リズミカルに股間に抜き差しさせて。垂れ流しになっているおびただしい愛液が、絡み合う金と黒の恥毛を濡らしている。
飛沫が飛び散る程の二人の交接の下には、とろみのある水溜りが面積を広げつつあった。

『ふっ、うっ、い、如何ですか? あ、アスカのオマ×コはぁっ』

ふぅぅっと荒い息を吹きながら、アスカは奉仕の具合を尋ねた。
深く受け入れる為に弓なりにしている背中を、オイルを塗したかというほどの汗がてらてらと淫猥に輝かせている。
それほどの運動の全てはゲンドウの性欲をもてなすため。自分もまた打ちのめされる程の官能を味わっていながら、それでああんと悶え哭くまま浸り切るよりも、なお男へ仕える事を優先させているのだ。

『お義父様の……おっ、おっきいペニスに……アスカもっ! ああ、アスカも、いっ、いいぅっ……良い気持ちですぅっ!』
『娘の前ではしたない声をあげおって……とんでもない淫売だな』
『ああ、おっしゃらないで……』

見事なブロンドヘアーをうねらせて。痴情に魘されるアスカの顔は、日中、陽の当たる明るい縁側で、しかも娘と二人並んで犯されるという倒錯の極みに酔っているかのようだった。
うっとりと蕩けた口元から伝う涎が、汗と共に細い顎から滴り落ちる。
ぶるんぶるんと揺さぶられる豊満なバストもまた同様に、義父との背徳性交への快美感を板張りに撒き散らしていた。

『言え! お前をここまで仕込んでやったのはシンジか、それとも誰だ?』
『あっ、あああっ!』
『言わぬか。お前が一生を誓ったあの男か、それともそこらの用聞きでも連れ込んで咥え込んでいたのか? どうだ、お前のカラダが一番惚れている男を言うが良い』
『ああ、お、お義父様です! アスカの……ぉ、おぉんン……ぅ! ぅあ、アスカのカラダは、お義父様のものですわぁっ!!』

鼻に掛かった甘え声で、夫に誓った筈の自らの貞操を反故にする。
牝奴隷の身分を弁えた言葉に満足そうに唸りながら、ゲンドウは息子の嫁の内奥をこずいて、教え込んだ続きを促した。

『もちろんっ、ふぅっ……イっ、あっ、……ユカもですわっ。お義父様の孫娘は……あ、アスカが、お義父様の為に産んで差し上げた……あ、ああ……!』

生まれながらの専属ペットである―― と、愛娘を売り飛ばすが如きセリフを、寧ろ恍惚と言ってのけるのだ。
ぶんぶんと唸るバイブレーターを突き刺したまま放置され、尻をもたげた格好で切なく震えていた少女も、よく躾けられた様子で母親に追従した。

『ユカもっ、ユカもお爺さまのペット奴隷ですっ。……ママと、ママと一緒に一生っ……一生可愛がってくださ……ぃ、ぃあはぁぁっ!』

ゲンドウがニヤリと意識を向けたのが分かったのか、祖父の愛奴たる少女は、見て下さいと禍々しい性具を突き立てられた秘部を開いてみせた。
わなわなと震える華奢な太腿。その間から、無毛のスリットが充血して開ききった様子や、しこりきったクリトリスまでもが見えるよう腰を高く高く掲げて。肉付きの薄い尻たぶは指を食い込ませて割り開くように、秘めた菊蕾までも露なスタイル。それは男の目を愉しませるための、娼婦の仕草に他ならない。

やがて母娘ともに膣へたっぷりと精を吐き出された後、二人は頬を寄せ合ってゲンドウの後始末をさせられていた。
白い粘液に塗れた秘唇から揃って糸引く名残をこぼしながら、ぴちゅぴちゅとペニスに舌を絡め、すすっている。
たちまち呆れるほどの速さで硬度を取り戻したペニスはまた白濁をしぶかせて。良く似た美しい顔立ちにねっとりと精液を浴びた母娘は、それでも実に幸せそうに、ふぅんと啼いて喜んでいたのだ。



◆ ◆ ◆




こんなにちっちゃい内から不憫ねと。ユイは孫娘の不幸を嘆いた。

「他にも寝室だとか、いつのまにか作っていたいかがわしい地下室でとかもあるんですけれど」

ハンドバックからぞろぞろとユイが取り出してみせたのは、要するに赤木の名を敵に回してはいけないのだと証明する代物だ。

「分かった! 分かったからユイ君……、もうこれ以上は必要ない」
「では?」
「承知したよ。確かに仕方あるまい。君の息子もこのままではあまりというものだろう」

重苦しい溜息を吐いて、冬月は結局何時になっても父親に人生を踏み躙られているシンジの不幸を思いやった。

「レイの戸籍は書き換えておこう。今となっては君の言うように、碇家の娘という立場は不都合だろうからね」

だが、と。老人はかつての教え子の目論見に一抹の不安を訴えた。

「傷心の彼を上手く慰めて、レイは今度こそ幸せにしてやれるのかね? 彼はそう割り切れる性格でもあるまい」
「大丈夫ですわ。だってあの子には私もついていますもの」

にっこりと満面の笑みを浮かべて、ユイは恩師に請合った。

「男の子は誰でも母胎への回帰を願うものですわ。まして、レイも言わば私の分身。溺れるほどの愛で昼も夜も包み込んで――

実にうっとり陶然とした声色で、

「勿論、ユカのことも放っておきませんわ。……あの子の気掛かりは全て安らげてあげなくっちゃ。不出来な嫁もきっちり離縁させて、シンジの気がすっきりするよう念入りの罰をくれてやってから――

それからそれからと。

「あらっ!? でも考えて見ますと、私もまだまだ若いんですよね」

ぱちんと、さも良いことを思いついたとばかりに手を合せる。

「だって、ずっとEVAの中に居たんですもの。レイと一緒に出かけると姉妹だって間違えられるんですのよ? いっそ私が自分で幸せにしてあげるって言うのも――

待て待て待てと、何を言っているのかねと慌てる冬月を置き去りして、いよいよユイは思い描くバラ色の未来を語り始めていた。

「あの子の幸せのためですもの、母親の私以上に愛してあげられる女性っていませんわ。あの子も昨日の夜は何度も最高だって褒めてくれましたし、ついでに私ももう一度幸せを目指してみるのも素敵ですわよねぇ……」

何かを反芻するかのように、ああんと年甲斐もなく悶えてみせるのだ。

「ね、冬月先生。どうせなら……私の戸籍を弄ってもらえません?」

ついでに年齢もお似合いのあたりにと。浮かれる教え子に、冬月は重々しく告げたのだ。
近年稀に聞くほど刺激的なプランだが――

「不可だね、勿論」



結果、ユイは義妹の軛から抜け出したレイを牽制しつつ、なし崩し的立場の確保へと対外アピールに励んでいるらしい。
綾波と表札を変えたその家で暮らすようになったユカは、何故かお爺ちゃんお婆ちゃんと云う言葉に、深刻なトラウマを訴えるようになった。
アスカの姿はここ暫く誰も見ていない。
それで母親の事を尋ねられると、無闇やたらに動揺するのが最近のユカだ。
ぽつりとこぼしたところでは、当分帰ってこないのだとか。
代わりに「イヌ」を飼いはじめたから寂しくないわよねと、そう傍らで慰める二人の「親戚のお姉さん」が実に優しそうなので、まず心配はないだろうと。これは家庭訪問に赴いた担任の語るところである。

ついでにシンジも、心配する周囲を他所になかなか姿を現さない。
なんでもげっそりと窶れているらしいが在宅治療中なのだと、同居しているという先の親戚二人が応対するのだそうだ。

―― ちなみにゲンドウの行方は、それこそ誰も知らないことである。





[あんはっぴー、えんど]



 
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Original text:引き気味
From: 『そうして彼女は嘘をついた。』脱線分岐妄想スレ