PUPPET : MASTER

Original text:引き気味


『 新世紀蜜獣少女連鎖地獄、前夜 』


 一クラスの生徒数こそ30人程度と少なめだが、それでも第壱中学校全体では数百人が在籍している。
 その半数が女子。
 やはり三桁は下らない。
 いくら教師だろうと、自分の受け持つ生徒の他まではそうそう把握しているものではないだろう。
 逆には教師だからこそ、毎年毎年入学してきては卒業していく分まで中途半端に記憶に残ってしまっている。そういうこともある筈だ。
 となれば、たった一人を絞り込もうとしても、その際、余計な顔まで浮かんできて邪魔をするのじゃなかろうか――。

「あぁ、ありそうな話ですね」
 男が気の入らない様子で返してきた言葉は、それなりに納得の行くものだった。
 マナたちのチームを管理している、指示役にあたる男だ。
 彼女としては、ここまでで手がかりに十分すぎる情報を与えてしまったような気がしていたのだが。大人達はどうやら、まだまだ引っ張ってやれると考えているようだった。
「それでやっこさん、夢中になってる“ノーパンちゃん”が誰か当ててみせるヒント貰えるなら、もっと頑張っちゃうって?」
「みたいです」
 ボイスチェンジャーを使い、聴いて少女のそれだと感じ取れるぎりぎりまで変質させた声に、ご褒美の程度に応じてサイズを変えてやっているマスク。そして第壱中学女子生徒の制服を小道具に。“ノーパンちゃん”と呼ばれている現地協力員に自ら化けてみせているマナは、ビデオチャットを終えたばかりの相手から取り付けた約束について、説明してみせた。
「良いね、良い。……悪くないぞ。あそこがただの学校なんかじゃないと薄々察してる程度には、勘の働く男を引っ掛けられたの、ラッキーだったな」
「熱心ですよね。自分のスケベな下心でも役に立つからってことでしょうから、この隠しカメラってのもきっと、言ってきてない分がもっと仕掛けてあるんだと思いますよ?」
「そりゃそうだろう」
 席でだらだらと報告を聞いていた男が立って近付いてきたのに、マナは振り返った。
 調査対象施設内に手懐けている職員からFAXされてきたものを、そのまま手渡してやる。
 その中の地下シェルター見取り図に、手書きの注釈がこれでもかとびっしり書き込まれているのに目を留め、男は『これも案外役に立つ』とにんまりしてみせた。
「あっちも馬鹿じゃない。たかが一教師ごときがおいそれと近付けるようなところに、本命のルートなんか開いてないだろうが……。往々にして、現場は自分たちのやり易いように勝手な例外を作っちまうもんだ。地下施設、それも普段は人目の無いとくれば、やっこさんも鼻の穴膨らませながら仕掛けに励めるってもんだろ」
「最近は、つい女子の足元にばかり目が行くんですって。靴にカメラを仕込んで撮ってるんだと思ってるみたいです」
「登校中とか校内でスカートの内っ側を映してやってる、“餌”のことかい? 探してるってわけか」
 ええ、と頷きつつ頭の片隅で意識してしまうのは、アジト内のこの自分の席でも必要な時は足元に設置し、動作させているカメラのこと。より正確には、そうしてマナ自身のことも当り前として被写体に、引いては工作材料として使っていることだった。
 この日は幸い、現地協力員当人を撮った素材で相手を満足させてやることが出来た。
 だが、それで済まずリアルタイムの素材が必要な時は、やはりマナ自身が演じておかねばならない。
 たっぷりと羞じらってみせながらも、淫蕩な冒険心に突き動かされるまま――素顔を秘密にしたビデオ通話相手にだけ見せるのなら――といった体で。気を持たせる仕草で下着を降ろし、不自然にならない程度には興奮を煽る演出も交え、くちゅくちゅと秘部をまさぐってみせる。
 向こうはこちらを勤務先の中学校に通う女子生徒の一人とすっかり信じ込んだ、スケベ教師。
 その不埒な女子生徒Xのオナニー現場を、高感度カメラが決定的な部分まで捉えてのけている生中継ショー、といった構図の茶番劇だ。
 我ながら笑えてくる涙ぐましさの小細工だが、アンダーヘアは本物の“ノーパンちゃん”とまったく同じ色具合に染め、処理の仕方も揃えてある。そこを掻き分け、まだ実年齢では十代半ばの自分が秘所をいじくるところを見世物のように。
 ――そもそもが、密かな露出性癖を持て余して危険なアルバイトに手を出した変態少女、という触れ込みなのである。
 他人がやるにせよ自分自身がやるにせよ、進んで男性の目に痴態を晒したがっているという触れ込みの時点でもう、顔から火が出そうになるのだが。マナの個人的感情がどうであれ、信じ込ませた人物像通りを演じねばならない。
 であれば。その場所をただ映すという以上にどぎつく、小淫唇も指先ではっきり広げていって膣の内側をカメラに見やすくしてやる。そんな程度は必須の事だった。
 まず最初に指を口に含んで濡らす場面も。念入りにまぶした唾をその日最初にいじくると決めた場所に擦り込み、潤滑に使ってニチュニチュ指を動かしはじめるルーチンも。全ては成りおおせた本人と違いがないよう、訓練してのことである。
 色ボケ教師が、頼むからもっとピントを合わせてくれ、もっとズームしてくれないかと、必死なリクエストを言い募ってくれば、マナは上擦らせた声を作って『あは、あはは。どうしよっかなぁ……』などと、気を持たせる芝居をしてみせるわけだ。
 ビデオチャット越しでモニターに息を荒げるロリコン教師が食い入るようにする、その現役女子中学生の初々しい女性器が、細い指に机の下で掻き混ぜられてねっとり淫らにぬかるんでいるのは、変態少女なのだから当たり前。
 そのように尤もらしく信じ込ませるため、ただ必要な演技をしてみせただけ。
 ――ではあっても勿論、それはマナが自前で分泌させた愛液によってであるのだから。
 『やだっ……。は、恥ずかしすぎるかも……』と声が震えてしまう――それ全てがどこまでもフェイクだというわけには、いかなかったのだ。

「疑ったりとかは、全くもうしてる様子がない?」
「……は、はい」
 咄嗟にでも、マナは断言してみせることが出来た。
「暑い日が続きますからね。行儀が悪いんですけど、女子ばっかりの時ならスカートをばたばたとさせて風通しを良くしてやるのも、よくある話――みたいに、活用できる場面があったら上手くやれと伝えておいたの、ちゃんと何回か実行してくれましたから」
 本物の第壱中学生徒である彼女が、下着も付けずに学校生活を送らされている中、そうやってスカート裾を翻した向こう側に校舎の壁だの、屋上から見える近くの山野の風景だのが、綺麗にアンダーヘアの整えられた秘部と一緒に写り込んだビジュアル。
 学校関係者なら見間違える筈もない証拠として、まさに十分だったろう。
 反面、万一にも周りに居る他の女子生徒から中身が見えてしまう格好でスカートがめくれ上がってしまえば、それはそれで指示通りであってもアウト。たまたま中が覗けてしまう位置に誰かが居たのに気付けずにいても、やはりアウト。マナ達の知ったことではないにせよ、本当に日常生活を破滅させてしまうことになる当人としては、許容し難い程に冷や冷やものだったに違いないのだが。
 それでもダメ押しとして、第壱中の女子生徒達の中に囲まれながらだとはっきり分かる映像を送りつけ続けることが出来たのは、大きかった筈だ。
「本物の変態趣味の持ち主。バレれば身の破滅だってのもスリルとして興奮しながらやってるっていう、ちょっとそこら辺……おつむが可哀想そうなってニュアンスね」
「そう受け取ってくれてますよ、あれは」
 重ねてマナは断言してみせた。
「いつも猫撫で声でおだててきてますけど、こっちを完全に馬鹿にしてきてるの分かりますもん」
 騙されているのやもという警戒心は、もうあのロリコン教師の頭の中から消えていることだろう。
 程よく侮ってくれている以上、この淫乱生徒の正体さえ掴んでしまえば、きっと思うままに支配できると、そう踏んでいるに違いない。
「上手いこと正体に辿り着けたりなんて出来たとしても、悪い風にはしない。その先もいろいろ便宜を図って協力してあげる、だとか。気持ち程度にご褒美くれれば、それだけで嬉しいよなんて、紳士めかして言ってるんですけどね。絶対、ノータッチどころか速攻脅迫してきます。レイプしまくって肉奴隷にしてやるとか考えてるんですよ」
 あれは、欲をかいてもっともっとと幾らでも調子に乗っていくタイプだ。
 マナは自分の分析と、なにより直感に自信があった。
「後は上手に餌をぶら下げて操縦してやれば、手に入れられるだけの情報をかき集めて、気前よく、必死に、提供してくれます」
「良い手駒ってわけか」
 作戦がこんなにも順調に行ってくれているとなれば、実行役であるマナも鼻が高いというものだ。
 報告を聞きに出向いてくる時も大体の場合は適当な雰囲気で、(……あんまり期待してないのかな)とマナも不安になることがあった指示役の男も、褒めるような態度を見せてくれている。
 自然、饒舌になっていた。
「彼女も、もういちいち振り付けをしてあげる必要無いかもしれません。無茶かな〜って指示を出しても、近頃はいつも、怯えながら本当にアソコ……びしょびしょに濡らしちゃってますから」
「ほほう?」
 餌に使う映像については当然マナも念入りにチェックしている。
 言わば、本人とマナのダブルキャストで入れ代わり立ち代わり一人の人物を演じているのと同じだ。体型や肌質、身体の特徴等で見破られることがあってはならない。
 可能な限りで差異を無くすべく、あれこれ細かくお揃いにしてあるにせよ。リスクの高い写り方をした画像を確保されるのは、先に回避しておくべきなのである。
 協力者である彼女についてもその辺りは入念に指導をして、二人それぞれの映り方から違和感を持たれないよう努めていた。
 故に、振り付けを越えて露出プレイに興奮してしまう性質に彼女がなってしまったとあれば、マナもまた努めて出番では淫らな気分になることを自分に課し、訓練を重ね、恥ずかしく濡らしてみせていたのだ。
 ――ツンと女の雌蕊を尖らせて。
 学校内でしか撮ることの出来ない映像はともかく、他の場面であればマナでも対応出来る。その為あっての、同じ年代の少女での実行役起用だったのだから。
 先に分かりきっていたにせよ、第3新東京市に潜り込んでからというものの随分あちこちで彼女に化け、変態チックな真似をして回らねばならなかった。
 それももう、ここまで彼女が仕上がってくれれば。
 嫌な役目は殆どを任せてしまえるかもしれない。自分はどうしても必要な時だけ、最低限だけで――。

 この頃なにかと繰り返しマナの頭を過ぎるようになっていた考えが、得意になって意見具申してみせるこの時も、脳裏に浮かび上がっていたのは間違いなかった。
「凄いんですよ、彼女。乾いたスポンジが水を吸うようにって言うんですか? はじめは何をさせるにしても、いちいちあんなに納得して貰うの手間が掛かってたのに」
 そのくせ最近じゃ服を脱がせてみたら、こう――と。マナは自分の胸の前でボリュームの大きい膨らみの輪郭や、その先端がいかにも硬くなっていそうに指で揉むのを再現してみせたり。そこに居ると見立てた相手の股間に突っ込んだ手の、ビショビショな濡れ方を確かめるような仕草をしてみせた。
「――嫌だ嫌だと言ってみせても、体の方が正直な、ねぇ。……そりゃベタだわ」
 無精髭の目立つ顔で面白そうに、或いは何事か含むものがありそうに口元を歪めてみせつつ。座るマナを見下ろす男は『ふぅん?』と手に持った書類を団扇のように使い、自分に向かって風を送る。
「カップ酒片手にご機嫌やってるオヤジの手付きじゃあるまいし。作戦にあたっての事前教育にどんな資料を使ったやら、お察しの感じだな」
「あー、あははは……。そこはご想像通りのと言いますか、そもそも支給品ですし」
「正直、変なものまで何につけやたら充実してた時代を知ってる側としちゃあ、君みたいな女の子が平気な顔して冗談にしてるの見せられると、微妙なものも感じるんだけどねぇ」
 あ、この部屋暑かったですかと空調のリモコンにマナが手を伸ばした、その腕を制止して続ける。
「居た堪れないやら、気恥ずかしいやらって話しさ。情緒も無いしな。おかしなところで羞恥心が仕事をするポイント、ズレてると思うんだが……。これも古い世代の感傷かねぇ」
「……感傷、ですか」
「勿体無いなと、その程度には気持ちを動かされたってわけだな。工作任務に就く人材としちゃあ上等なもんだよ。褒めてると思ってくれて良い」
 分からない、と。相手が自分の上位者であるからこそ、適切な反応の示し方に困った風で固まっているマナの手を取ったまま、そう男は言い直してみせた。
「あんな渾名、真面目にコードネームですと報告書に載せてくる感覚からして、突っ込んだところ聞いてみたくはある。にしたってところで、どうせならまずはこっちだな」
「――――っ!?」
 欲望に目を血走らせた変態教師をターゲットとして、始終意識し続ける日々を送っていたからこそ。いつもそれとはまるで対照的な態度で、こちらを完全に子供扱いしているこの上役の男だったからこそ。突然抱き上げられ、机の上に寝かされてしまって尚、マナにはまさかという思いがあった。
 しかし、そこからも更に手を止めてこようとしない男が見せている態度の意味は、明白で。
 マナは偽装用に身に着けていた第壱中制服のスカートをあっさり、白い下着が見えてしまうまで捲られ、健康的に鍛えられたカモシカのような太腿を付け根まで両方、無防備にさらけ出してしまっていた。

「“ノーパンちゃん”とお揃いにしてるんじゃなかったっけ?」
「い、いつもは……」
 さすがに顔を赤く染め、マナは口籠らざるをえなかった。
「机の下にカメラの用意をするからって言って、その隙にその、脱いでたんです……」
「油断大敵、常在戦場とか言えば、君等の古巣のノリに合うのかな。これからは君もちゃんと、見せびらかしたがりになったド変態の女の子らしく、履かないままにしておかないとね」
「…………っ」
 上役の言葉に『はい』と即座に返せなかった唇は、次には(あぁっ……!?)と息を飲まされる羽目に陥っていた。
「はぅっ!? あっ、あーっ! そこっ、いきなりっ。そんなにされちゃ……ッ、っッ……!?」
 爪の向きを縦に使う指先で、下着に割れ目の位置をすっ――となぞり上げられた。それだけで。薄い生地一枚の下、隙間を作らされた少女の花びらの部分に、一気に漏れ出た熱いぬめり。それが、ジワ……と立ちどころに楕円のシミを生み出してしまっていた。
「あっ、あっ……」
 年頃らしいおしゃれ心とは無縁の質実さしかない、白一色のショーツだ。クロッチのところに徴が浮かび上がったマナの性欲を誤魔化すことなど土台無理で。いくら足をもじつかせてみても、それで間近からの視線を躱せるかという以前に、自覚してしまった自身の濡らし具合がまず、マナの頬を熱くさせたのだった。
「なるほど」
 愉快そうに見分されていた。
「頭の中は昼間からピンク色の妄想でいっぱい。何かあれば、すぐにいやらしい湿りで下着をヌルヌルにしてるんだとかいう報告。そっちの方は、間違ってなかったみたいじゃないか」
「そっ、それっ、私じゃ……私の方じゃっ、あっ、あっ、あっ!」
 二度、三度と繰り返し、敏感な亀裂をなぞっていくペッティングが、突然のことで真っ白になっている脳裏に身も蓋もなくエロティックな刺激を送り込んでくるのだ。
 手慣れた手管は、的確にマナの感じるポイントを捉えてきている。
 いや、それが何時から下腹部に点火されてしまっていた情欲の火だったかも分からない。
 ただ煽られて、次から次に薪をくべるようにされて、燃え盛ろうとしていくだけ。
「はうぅっ。ッあっ、そこはぁぁぁ」
「火さえ着いちまったら、君らぐらいの歳なら別に凝った真似とかしなくてもなぁ」
 一しきりの愛撫で指先を若い少女の蜜まみれにさせていく中には、クリトリスの辺りを露骨に小突いたり揉んだりと、踏み込んだ責めも織り交ぜられていて。
 たちまち、硬いスチール机の上に寝そべらされているマナの身じろぎにも変化が現れていった。
「はぅ、あふ――。くぅぅぅーんんっッ!」
 息まで止めるようにし、固く手足を強張らせながら堪らえようとしていたのが、ほどけるようにクネクネと。腰をくねらせ、首をよじらせ、我慢のならない喘ぎで悩ましげに。
「あぅアッ、あひっ。ど、どうして……っ、ンンン。急に……ッ、ひアッ!? あふぅッっっ」
 熟れはじめの桃のような青い尻朶が悶え、無個性で清潔なだけの制服スカートを皺だらけに踏み躙っていく。

 ――抵抗は出来ない。
 身に染み付くぐらい上下関係を刷り込まれていればこそ、おののく手は何も掴まないまま握り締められて、身体の横にビクビクとのたうつばかり。
「アァァッ、ぁ、あぁぁぁーっ! 待って、待ってぇっッ。感じ過ぎ――てますっ。そこっ、そこはっっ」
「ん? どこをだって? もっとシてほしいってかい? ほらこうやって、摘んできゅっきゅっ、って」
「ダメぇぇぇ〜!! ダっ――っ、っッ、む、無理ですっ。そんな凄いの、されるのっ。わ、私のそこ……クリトリス、は……っッッ!?」
 広がっていくシミで秘めた茂みまで透けさせてしまった下着越しに、ツンと過敏になった雌蕊は勿論、秘裂の内側のぬめりきった粘膜まで可愛がられてしまった少女には、抗うという発想自体が許されていない。
「あんまり暴れて、机から落ちたりはするなよ?」
「は、はいっ。はいぃぃぃ……ヒィぃぃぃ〜ッ!?」
 あくまで受け入れ、耐えるだけが許されていて。しとどの愛液を更に酷くさせてニチャニチャ淫靡な音を立ててしまう――それに負けず劣らずの、鼻に掛かった甘い悲鳴を上げ続けるより、他が無い。

 やがて一旦、足を揃えさせられ、スルリとお尻からショーツを引き下ろされたマナは、改めてMの字の開脚ポーズを取らされた、その間へ陣取られてしまった。
 足首から抜き取られてしまった湿った布切れは、無造作に床へ放られる。
「……まぁ、君らの歳じゃそんなものだよな」
 目を細めて眺めやる男の言葉。それが更に、マナの羞じらいを喚起した。
 どこの何を指してのコメントなのか理解が追い付けばこそ、耳たぶまで真っ赤になる程に。
「そんなっ……。ぁ、やだぁぁ……」
 陰阜の丘に手をやった男がゆっくり撫でてやる。その感触に十四歳の少女が背筋をぞくりとさせられるのは、秘唇の周囲を上端から半ばまで辛うじて薄く縁取って、全体的に細すぎる逆三角形で整えられた――生え揃いきらない栗毛のヘアの気恥ずかしさ、こそばゆさ故だった。
 シナシナとして細く、まだ直毛に近い発毛ぶりを玩ばれる。
「同じにするにしたって、どう整えるか選べるほど毛が伸びてたかどうかは個人差だったわけだよな。露出狂のドスケベ娘にしちゃ……ちょっと可愛らしくもなっちゃうか」
 そんなところを可愛らしいと評されもすれば、先程までは一端の女工作員よろしく他の娘のことを濡れやすいだの、妄想癖にオナニー癖がひどいだのと口にしていた少女だろうと、乙女の羞じらいそのままにぶるぶる震えて目をつむってしまうというものだった。
 おかしな具合だが、服も殆ど脱がされないままそこだけ露わに――自分の性器を目の当たりにされたことそのものよりも。ヘアをことさら背伸びした幼い感じに整えていた方が、明け透けに口にされれば恥ずかしかったのだった。

「――あっ!?」
 いよいよその何もかも暴かれてしまった入り口に、ちんまりした唇を割るように屹立があてがわれた時。
 まさに今更拒むなどとは言い出せない程はしたなく、淫乱そのままに濡れそぼっていた――それを利用して、大人の男が十代も半ばでしかない少女に手加減なしのセックスを受け入れさせるべく、一点に向かって男の体重を掛けるための姿勢を取られてしまうと。
(ううっ。やっぱり、挿れられちゃうんだ……)
 マナは最初、両方の手のひらを使って口元を覆って、声を堪らえようとした。
 しかし男は許さずその手を退けさせて、弱々しく歪んだ顔を覗き込んできた。
「声の方も、本当にお揃いなのかどうか確かめておきたいな」
「そんなぁ……」
「見破られたりしない。それぐらいに仕上がってますって報告だったろう?」
 泣きべそをかきそうな気分にさせられて、それでもマナの立場では頷いてみせるしかない。
「いい声、期待しとくよ」
 一方的なだけのセリフである。
 ぬかるんだ肉の花園に屹立で探り当てられ、熱く喘いでいる膣口に力が加えられていく。
 男と女で本当の本当にゼロ距離密着した粘膜へ伝えられてくるドクドクという脈打ちの具合が、あまりに猛々しい。
(ううっ……)
 マナもいよいよ息を飲んだ。
 男の怒張した器官がそうして、居竦んだようになりつつもトロトロと薄白い蜜を垂れ流す小さな花びらの中心を、こじ開ける。
「……んんんンーッ!? ンッ、んぁああああっ!」
 一回り以上も年齢差のある男の体格が重みという何よりの圧力になって、一見すると無理なぐらいに膨らんだ亀頭をその未成熟な陰裂にくぐり抜けさせた。
「ひぅっ!? ンァぁぁあ゛っ。あっ、あっ、入ってッ……くるっ。っッ――!」
 みちみちに一杯になって、殆ど力任せに窮屈さを潜り込んでくる剛棒だ。
 その引き裂かれそうな圧迫感で、恥丘から貫通された狭穴がぱんぱんに充填されていく。
「あうっ!」
 どすんと響く一撃に奥底の子宮口までを打ちのめされ、マナの幼い肢体は反射的に、男の体重をも撥ね退けんばかりに仰け反った。
 破瓜の血は流れなかったが、失禁したかと錯誤するほど一度に大量に、淫らな滴りが分泌された。
 男による事前の巧みな下拵えあってのことだろう。たっぷり感じさせられて、喘がされていたのだから。
(ああっ!? あっ、ああっ。これぇぇ……!?)
 秘所をいじくり回す愛撫に手もなく喘がされていた感覚は、まだその場所に薄れず宿ったままでもある。
 それは何かと制約が付いた生活を送るマナにとっては抗い難い、甘美なものだ。
「アぁぁあ、ンァぁぁ〜ん……!」
 あくまで悲鳴であった声が、喘ぎが、悩ましげに尾を引く響きへと狂わされていく。
 ひょっとすれば、いまだ未成熟なものでしかない女体が、それでも雄々しく漲った男根を受け止めねばならない苦し紛れの中での、ただの防衛反応だったのかもしれないが。しかし結果としては、男が一度引いた腰から繰り出した抽送ピストンを助けたのに他ならない。
「あっ!? アッっ!? アッ、アアッ!」
 ぐっ、ぐっと無理矢理な抜き差しを試していた褐色の幹のペニスが、リズミカルに愛液の飛沫を散らすようになっていく。
 撒き散らされるほどに尚とめどなく、少女の男との結合部からは次から次へと垂れ落ちていく滴りが破廉恥ぶりを増していって。
 学校に通う大勢の少女たちを無個性な規格へ押し込めるためだけのブルーグレーの生地に、マナの青い性が覗かせだした貪欲なエロティックさが、シミを飛ばしていくのだ。
 男も更に腰を荒々しくさせた。
「はぅぅっ、うぅぅ……ッ、っっ」
 真っ赤にさせた可愛らしい顔を、マナが左右によじらせる。
「いやぁぁ。ああっ、いやぁぁぁ――」
 あまりに激しく首をのたうたせるものだから、肩に届かないぐらいでスポーティーな印象にカットしている髪も、スチールデスクの上で乱れてぐしゃぐしゃに。
 真っ白な下肢を割り広げさせた少女の中心部へ深々と沈み込んでは引き戻される、剛直と化したペニス。容赦なき陵辱じみた抽送に、溢れ出す愛液が白っぽく濁っていた。
「……本気汁か。これはつまり、あっちのお嬢さんも同じぐらい感じやすい身体に開発してやってるってことなのかな。それとも、君の方で合わせた結果だとか」
 『どうなの?』と。これはもう、意地の悪いとしか言いようのない質問。
 少女の楚々とアンダーヘアを整えた下腹部へと腰を打ち付けるのを繰り返すグラインドがいよいよ潤滑され、スムーズさを加速させていく。
「もっ、問題……無いです。ンァあああっ、問題っ、無いように……してますっ、からぁっ」
 上役に尋ねられたなら、何がしかは返答してみせねばなない。
 とはいえ、マナはもう下腹部の奥深いところに宿った淫らな熱に全身を炙られるのに、それだけであっぷあっぷの状態。
 ストレートで浴びせられてくる無遠慮な言葉嬲りにいちいち真正面からの回答を用意せねばならないのも、いくらなんでも羞恥心が悲鳴どころでは足りなくなって、
(あああ、恥ずかしっ、っッ。頭……ぐちゃぐちゃで、爆発しちゃいそうだよぉ……!)
 たらたらと鼠蹊部を伝ってヒップの方へ流れる淫蜜がいよいよ本格的な量に。スカート生地まで滴り落ちた分ももはや多少では済まない。そのままではとても外になんか出ていけるわけない有様だ。
「これは、どうして……」
 男の目にも、むしろ積極性を見せて快楽を貪りだしたように見えていたのだった。
「ただ締め付けがキツいってだけじゃ、ないな。馬鹿な男を捕まえとくような役目になら、ぴったりの適正があるみたいじゃないか」
 男が腰を振るもいよいよスムーズに、リズミカルに。セックスに慣れた大人の女を相手にしているのとも、さして変わらなくなっていく。
「あぐっ、ッあっ。……あ、ありがとう……ございます、ぅぅっ」
 苦しげにしてはいても挿入された最初から、引き裂く傷を与えられた痛みらしきものなどは訴えていなかったマナだ。この歳であっても既に処女ではなかったのだろう。
 何らかの、工作員としての訓練を施されていたとしても不思議の無い境遇だ。
「あぎっ、ヒッ、んグッ……! い、いい……っ。ああっ、これぇぇ」
 遂に少女の唇はそれを吐露してしまった。
「イイっ。気持ちっ……悦いっッ……!!」
 安っぽい賃貸アパートの一室を有り触れた事務所として使っているように机を並べた中、響く少女のくぐもった声も、みるみる変化を遂げていく。
 喉の潰れてしまいそうな切迫感のあった呻きから、やがて聞いていても無理の感じられない――激しめのスポーツに興じているぐらいの、そんな堂に入った息遣いに。
 更には、悩ましげな艶めきに彩られた、官能に突き動かされての悦がりぶりだと明白な、あんっ、あんっ、という啜り泣きへと。
「ぁあぁぁアッ!? あっ、あっッ、深いっっ。深い、よぉっ……!」
 十代の少女のぷっくりとした唇がわななきながら、肉の交わりを歓ぶ淫らな歌を囀りはじめる。
「いいっ、イイよぉ……! これっ、上手ッ。ンぁああっ、いいぃ、悦いっッッ!」
 仰け反り、強張り、手を握りしめ。足先をピンッと伸ばしては、『ひぃっ!』と身悶えしていた華奢な肢体が。
「もぅっ、もぉ私っ、わたし……ッ」
「なんだ、コレが良いのか? よっぽど気に入ったみたいだな」
 覆いかぶさる男に下から自分で縋り付いて、共に淫猥な腰遣いをシンクロさせていくようになる。
「勿論、避妊の用意も出来てるんだよな?」
「――――ッ、っッ。は、はい……。妊娠は、心配ないですからっ」
 訊かれた言葉の意味にぶるっと震えてから、正直にピルの服用を答えてみせたマナの瞳は、どろりとした肉欲に塗り潰されてしまっていた。
 こんなにも愛らしい顔をした少女なのに。本物の制服を着て中学に通っている同い年の少年少女たちからすれば、思いも寄らぬ生き方だろう。希望の宿らない曇った眼差しを、ただ刹那的な肉の快楽で塗り潰し。男を虚ろに見上げるばかり。
 好きに膣内射精してくれて構いませんと、そう答えざるをえない立場の女の子なのだ。
「……いい子だ」
 なんのつもりか軽い口づけを与えてやった男が、その後も更に増して女泣かせの手管を揮い、悦がり声を弾ませる一方のマナを追い詰めていく。
 唇に落とされたキスにも取り立てての反応を示さないまま、喘ぎ続けていた少女は、ただただ暴力的な官能に上り詰めさせられるだけ上り詰めさせられていって、
「はぁァう!? いぃぃひぃ……っッッ! ぃ、い、イイぃぃぃ――」
 イク、と。誰かに教え込まされたのでなければなかなか出てこないような絶頂の声。
 そうやって、組み伏せられた肢体を弓なりにしならせたのだった。
 ぱくぱくと無意味に唇を動かしながら、媚肉の深くで爆ぜた煮え滾る射精に涙を流して、
「熱ッ、ぃいイイぃぃぃっ。ヒーッ……!!」
 ドクドクと注ぎ込まれてくる十四歳の子宮口を、灼き溺れさせられたのだった。


◆ ◆ ◆


 服を整え直すのも男は手早いものだった。
 スボンのチャックから男性器を取り出したぐらいだったこともある。
 マナの方も着衣はほぼそのままで、ジャンパースカートの上も下も脱いでいないと言えば、それだけなら似たようなものだったが。
「ぁ、ぁぁふ――。はあっ、はあっ……」
 強烈なアクメを味わされ、気が抜けたようになってしまった彼女がよろよろと体を起こし、スチールデスクから床に下りたのは、男が荷物を鞄に仕舞って帰っていった、それから結構な後になってからだった。

「……女にばっかり、後始末させるなんて」
 後に引くぐらいの使われ方をされてしまった秘所の感触に顔を顰め、近くから手繰り寄せたティッシュ箱から何枚も何枚もを使い、とりあえず股間から内腿までを拭った。
 汚れが取れなくなる前に綺麗にしてしまうしかなくなったスカートは今更脱いで、洗濯機に放り込んできたところ。
 下着もどうせだったから、ショーツもブラジャーもまとめて一緒に洗っている。
 さすがに全裸になったままではいられないが、部屋に臭いが残るのも嫌だったからには、急いで適当なショーツと短パンを履き、上は下着も付けずTシャツを羽織っただけ。窓を開け放ってムッと蒸す外の空気を部屋に通し、消臭スプレーを自棄のように撒き散らす。
 呆けきっていたのから頭がはっきりした後は、そうやって中途半端な格好のまま一人慌ただしく。スチールデスクや床に付いていた行為の残滓を拭って、始末して回っていた。
「……お腹すいた。でも、エッチの後で活動資金だけ置いていかれてるのって、なんだか凄く嫌な感じ」
 愚痴をこぼしてみても、自分の惨めさは拭いようが無い。
「せめて、何か美味しい夕ご飯買ってこよう……」
 そうやって気持ちを切り替えようとしていたのに。
 気付くと、視界の端で携帯の表示ランプがチカチカと光っていた。
 折り畳んでいたのを開いて液晶を確認してみれば、丁度マナが男に抱かれていたぐらいの間に掛けてきていたらしい、不在着信の履歴。
 “彼女”からのものだった。
「――空気の読めない子って、ほんと嫌い」
 ぽつりと零した、平坦な声色。

 その夜、結局マナは部屋に備えていた携帯糧食で食事を済ませ、早い時間の内から寝床へ潜り込んだ。
 そうしてシーツを被り、瞼を閉じたのだった。





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From:エロ文投下用、思いつきネタスレ(6)