壁ネタ・白濁の虜囚@なーぐる


277 :なーぐる :07/05/28 02:34 ID:???
じゃあ、私はこんな感じで(笑
普通にファンタジーに。いやー、オークって本当に使いやすいモンスターですね。


 彼女達はそれなりに知られた冒険者だ。
 年齢はヤングとは言え、生贄を要求して近隣の村々を荒らしていたドラゴンを倒し、邪悪な計画を練っていた巨人達を討ち滅ぼした。それらの功績を持って、彼女達はまだ18歳という若さにも関わらず、多大な恩賞でもって報いられた。
 リーダーである惣流アスカ・ラングレーは没落した家を再興し、領地と准男爵位を授与された。それを持って彼女はサムライに転職し、その勇名は増す一方だ。
 綾波レイは滅多に歌わないことと、その美声で知られる吟遊詩人だ。竜や地獄の番犬ですら彼女の足下で眠りにつくと言われ、近在の国一の実力と讃えられている。
 一行の知恵袋である魔法使いの山岸マユミは、大いなる力の素質を持った魔法使いのみしか受けられない『審問』試験を受け、見事に合格して最年少合格記録を塗り替えた。
 サブリーダーである女僧正の洞木ヒカリは、とある街を呪っていたリッチを調伏し、その不死の秘密であるフィラクタリーを破壊して数千の民を救った。その功績を持って正式に僧正の地位を与えられている。
 元盗賊の霧島マナは忍者となって以後、彼女を倒そうと送られたギルドの数十の刺客を全て退け、逆に勢力が減少したギルドを壊滅させた。

 そんな「竜を挫く者」とまで呼ばれた彼女達一行が、どうしてそんな簡単な依頼を…という謎は残るが、ともかく彼女達は旅の途中、とある村を荒らしていたゴブリン退治を依頼された。

 本来、彼女達が相手するのもばからしいような小妖魔たちであったが、どうせそんなに急ぐ旅ではないし、と気楽に彼女達は引き受けた。少々の手違い…村人はゴブリンと思っていたようだが、実際そこに住んでいたのは豚に似た容貌のヒューマノイド、オーク達だった。

 彼女達の思っていた以上にオーク達は弱く、アスカ達の10倍以上の数がいながら剣を閃かせ、魔法の炎を少し燃え上がらせただけで蜘蛛の子を散らすように逃げ去った。想像以上の情けなさに苦笑しつつ後を追ったアスカ達は、遺跡の中枢に到達していた。

 何もない、ただの空間かと拍子抜けしたその時、悲劇は起こった。

 何の前触れもなく、空間を呻き、歪む。罠…いや、まだ生きていた古代文明遺跡の仕掛けが発動したのだ。そう悟る間もなく、アスカ達の視界は真っ白な光に包まれていた。背後で逃げ去ったと思っていたオーク達が、大喜びで嘲り笑う声が聞こえた。


「ブホホホ! またかかったオーク! あの部屋行くぞ」
「窒息、されたらつまらん! 急げ!」


278 :PDX. :07/05/28 07:34 ID:???
>>275,276 引き気味さん

 昔読んだとあるH漫画で、脈絡もなくそこにある「穴」にはまりこんでしまって、下半身だけが異世界に飛ばされてしまったヒロインが、異世界の住人たちにさんざん輪姦されるなんてのがありました。それを思い出したり。

279 :引き気味 :07/05/28 21:53 ID:???
オークのセリフ、語尾は必ず『〜オーク!』にしてしまうのって、すり込まれた元々はやっぱりバスタードなのかしら? (;´∀`)
あの漫画ももう随分遠いところにきたわりに、一向に終わりが見えてこないですね……。
これまた月刊キャプテン時代から随分遠いところに来てしまっていた某ガンアクション漫画は、先頃無事完結したようでありますが。っつか、最後の方はもうかなりどうでも良くなってしまっておりまして、この漫画の再開が表紙になっていたが為にアワーズという雑誌を知った&買い出しという全盛期からするとかなり切なくありました。
思い返せば、そのマキシマム掲載開始の号って、エヴァの映画見に行く途中で買ったんじゃなかったかしら?
――調べてみると、掲載開始は97年9月31日発売号から。ぎりぎり、夏映画の続いていたタイミングだったんかいな、と。我ながら記憶も適当になってきてますね。

……ところでナーグルさん。シンジは? (゚∀゚)

>>278 PDX.さん

壁の穴にはまってとかは、人気のシチュですしねぇ。 

280 :白濁の虜囚@なーぐる :07/05/28 23:58 ID:???
「あつつ、ここは、一体…」

 テレポート直後の意識喪失から目覚めたアスカは、まだ朦朧とする意識に吐き気を覚えながらも、目を数回瞬かせた。タチの悪い便秘のような腹の重さと足下の頼りなさに気分が滅入る。閃光の残像が焼き付いていた視界が徐々にハッキリすると共に、アスカは自分が先程の部屋とは全く違う別の場所にいることに気がついた。手入れの行き届いた癖のない長髪が顔にかかって鬱陶しい。蜂蜜色の髪を整え、ずれていた羽付カブトをかぶり直す。その頃にはようやく薄暗い室内に徐々に目が慣れてきていた。
 円形をした広間に、本来ここにあった物ではない無数の建材やガレキが放置してある奇妙な部屋…。

(ここは、確か、オークを追い掛けてるときに通った部屋だわ)

 なんで折れた柱や薄い石壁などが無造作に、乱雑に放置されているのだろうと、最初足を踏み入れたときは思ったが、理由がわかってみれば単純なことだ。先程の部屋の仕掛けは古代魔法王国の魔法が使えない人間達が使っていた、転送装置だったのだ。本来なら二つの地点にあった物質を移動させるだけだった転送装置だが、あらかじめ移動先にこんな風に様々なガレキを配置することで、それはただの転送装置以上の物となりうる。

「くっ、この私が、オークなんかに…」

 不自由な自分の姿勢に歯がみしながら、アスカは思いっきり壁を殴りつけた。グローブとブレイサーを通して重い衝撃が骨を震わせる。
 壁の大きさは幅が3フィート、高さが5フィート、厚みが1フィート程度だが頑丈だ。漆黒の壁にかろうじて爪先が地面に着く程度の高さでアスカの腹部は固定されている。
 四つん這いのような姿勢で捕らえられ、胴体で寸断されたような違和感ともどかしさ、なにより無様な自分の姿にアスカは熾火のような怒りを覚えた。思い出したように、じたばたと足を振り、何か触れる物は足がかりになる物はないかと捜すが、太股が自分を捕らえている石壁に触れるだけだ。必死に手を突っ張って、オーガも裸足で逃げるような満身の力を込めるが、固定された彼女の体は1ミリだって動かない。

 30秒間、呻き声を上げつつアスカは藻掻いたが、どうやっても自力では抜け出せないと悟り、ぐったりと力尽きた。疲労と無理な姿勢に荒い息を吐きつつ、何か助けになる物はないかと周囲を見渡す。


281 :白濁の虜囚@なーぐる :07/05/28 23:59 ID:???
「………………」
「……うわぁっ!?」

 ふと右手の方に目を向けたとき、瞬きをしない冷たい目でじーっと、戦乙女の孤軍奮闘を見ている悪友の姿に気がついた。紅玉のような赤い瞳には、アスカのジタバタはさぞや滑稽な物に見えたことだろう。口元を歪めてるとか、笑ってるとかならまだしも完全な無表情であるところがなお腹立たしい。
 最も見られたくなかった相手に恥ずかしいところを見られた、という羞恥がアスカの全身を石炭のように染めるが、すぐに彼女は手を口元にやって噴き出す息を堪えなければならなかった。

「なによあんた。その、格好は…」
「あなたにだけは言われたくないわ」

 アスカの仲間でありライバルである吟遊詩人は、アスカに負けず劣らずの姿勢で無機物に囚われていたのだった。そんな状態になりながらも、オークに対する怒りと屈辱を石像じみた無表情で押し隠し、決して氷点下の美貌を失わない。仰向けになったことで、シャギーに刈られた前髪が乱れている。
 床に転がった直径2フィート程の折れた石柱に、仰向けの姿勢で綾波レイはアスカ同様に腹部をくわえ込まれ、無防備な姿をさらしていた。更に左腕は床に肘までくわえ込まれ、上体を起こすことも出来ずにいる。少し離れたところに、レイの相棒、体の一部でもあるリュートが転がっていた。
 吟遊詩人は時として踊りを交えて呪歌を歌う必要上、あまり重装備でないレイは一般的な布の服しか着ていない。いや、一般人が着る衣服以上に、ある意味扇情的で無防備だ。長さは足首の所まであるが、太股の付け根にまでスリットのある絹のスカートの隙間から形の良くスラリとした足を伸びているのがみえる。白く艶めかしい太股に、幻惑(ファシネイト)されたかのようにアスカは頬を赤らめてたじろいだ。

「どうしたの? 急に顔を背けて」
「なんでもないわよ! そ、それより! 他のみんなは!?」

 誤魔化すようにきつく尋ねると、レイは窮屈そうに首を曲げてアスカには見えない方向に視線を向けた。

「あっちにマナがいるわ」
「本当!?」
「ええ。でも、意識を失ってるみたい」
「あんたの声で起こせない? なんとかこの状況を打破しないと」

 ふぅ。重く小さく歎息するとレイはマナの状態をアスカに伝えるべきかどうか迷った。マナはアスカを捕らえているのと同じ様な壁に、やはりアスカ同様に囚われていたからだ。レイから見えるのは、壁の中心からキノコのように突き出たマナの頭と両手首だけ。レイからではマナの首から下がどんな状況なのかはわからない。ただ彼女が生きていることだけはわかった。ショートボブの栗毛の髪が微妙に揺れているのが見えるが、それは風の所為ではなく、暢気なことにマナが眠りこけているから。

「起こしても良いけど、たぶんあまり助けにはならないわ」
「………ああ、あの馬鹿も石に挟まってるのね。まったく、あいつが罠に気づきさえすれば、こんな事にはならなかったのに」
「そうかもしれない。でも、彼女に全部を背負わせるのはフェアじゃないわ。この仕掛けは、多分、元々罠ではなかったと思うから」
「わかってるわよ。それくらい…ちょっと言ってみただけよ。
 それより、他の誰かは見えない? マユミとヒカリは?」

 レイは見渡せる限りに視線を向けてみるが、マユミとヒカリはどこにも見えない。ここにはいないのか、それとも単に見えない場所にいるのか…。


282 :白濁の虜囚@なーぐる :07/05/28 23:59 ID:???
「こ、ここです〜。アスカさん、綾波さん…私は、こっちに、アスカさんの左後方にいます」

 仲間の安否を気に掛けて押し黙ったアスカとレイの耳に、微妙に緊張感を削ぐおっとりとした声が届いた。妙にくぐもって聞こえるのは、ドーム上の室内で反響しているからだろう。

「山岸さん」
「マユミ、無事だったのね!」
「あんまり無事じゃありませんけど、とりあえず生きてます」
「無事じゃない、ってことはもしかしてあんたも?」
「ええーーーっ! マユミちゃん、魔法使えないのー!? 私、かなりきつい姿勢で苦しいのに」
「って、また五月蠅いのが目を覚ましたわね。マナ、あんたちょっと黙ってなさいよ! 今私がマユミと話してるのよ!」
「ぶー」

 マナの減らず口に内心助かったと思いつつ、マユミの謝罪に大樹の如き希望が一気に萎え萎んでいくのをアスカは感じる。マユミは魔法使いだ。口さえ利ければその大いなる魔力でこの状況から抜け出すことだって出来るはずだ。だからこそ、魔法使いは魔法を使うことの出来ない大怪我でも負ってない限り、無事ではないなんて口にしたりはしない。
 そんなアスカの期待を如実に感じ取ったからだろうか。アスカからは見えない位置にいるというのに、飼い主に怒られた飼い犬のように顔を伏せてマユミはうなだれた。アスカ以上に長く艶やかな黒髪の所為で、さながら黒い子犬が体を丸めるようにも見えた。

「ご、ごめんなさい。私、その、折れた柱に両手を捕らわれているんです」

 高さ3フィートの所で折れた石柱に両手首を捕らわれ、更に左足首だけを床にくわえ込まれたマユミはろくに体を休めることも出来ない苦しい姿勢でいた。魔法を増幅する機能を持つアーケインスタッフは手首同様柱に飲み込まれ、更に魔法を使うための触媒 ――― マテリアル ――― は背中に背負った魔法のポータブルバッグの中だ。魔法は言霊だけ扱えれば使える物ばかりではなく、この苦しい状況を抜け出せるような強力な魔法を使うためには、触媒と複雑な手の操作も必要不可欠なのだ。
 申し訳なさで今にも泣きそうなマユミの言葉に、アスカは重々しく呻き声をあげた。喉に粘つく唾液を苦しげに飲み下すと、反芻するようにマユミの言葉を確認する。

「つまり、あんたの今使える魔法では抜け出せない…そういうことね」
「は、はい。あ、でも希望がないワケじゃありませんよ。さっき、すぐそこを飛んでいた蝙蝠さんと、急いで使い魔契約を結びました。今一生懸命、村まで助けを呼びに行ってもらってます。それでなんとか助けに来てくれれば…」

 マユミとしては精一杯の明るさで言ったつもりなのだろうけれど、それがどれくらい小さな可能性であるか、それはアスカにもわかっていた。小さな蝙蝠が、朝昼と休まず飛んだとしても村に着くまで丸1日はかかるだろう。その間、天敵の鳥に襲われないとも限らないし、しかも途中でマユミの魔力の補給…つまりは意識が失われたら制御は失われてしまう。それでなくとも体力のないマユミが、その時まで眠らずにいるというのはかなり大変なことだ。
 それに、運良く村に着いたとしても人語を語る蝙蝠の言うことを聞いてくれるとは限らない。聞いてくれたとしても、助けになんて来てくれるだろうか。

「ありがとう、マユミ。元気が出てきたわ」
「マユミちゃん、グッジョブ!」
「山岸さん、頑張って」

 にっこりと満面の笑みを、マユミからは見えないけれどアスカは浮かべた。つられたようにレイも目を閉じ、小さく控えめな笑みを浮かべる。マナの視線の先で、マナもまた小さく笑みを浮かべた。


283 :白濁の虜囚@なーぐる :07/05/29 00:00 ID:???
「ありがとうございます、みんな…」

 アスカのお尻 ――― それしか見えないから仕方がないが ――― を見ながら、マユミはそっと涙ぐむ。みんなの期待と励ましは想像以上に彼女を奮い立たせた。なんとしても、みんなを救わなければ。
 アスカを、レイを、マナを、そしてヒカリを。って、ヒカリ?

「あ、そうだわ。ヒカリさんはどこですか?」
「うあ、そうだった。ヒカリのこと忘れてた。ちょっと、どこかにヒカリいないの?」

 慌ててキョロキョロと首を振って周囲を見渡すアスカの姿に、じーっと赤い瞳を半目にして見入るレイ。やれやれと首を振りつつ、マナが呆れる。忘れていたのはお互い様なのに、だ。

「忘れてたって、アスカさん本当にヒカリちゃんの親友なのかしら?」
「私は友達のつもり無かったのに、初めて喧嘩したとき、彼女、私のこと友達だって思ってたそうだから、きっと彼女の一方的な思いこみ」
「うっさい! マユミ、あんたヒカリの姿が見える?」
「いえ、私の所からは見えません。マナさんはどうですか?」
「うーん、私からも見えないよ。この部屋の中にいるのかな? 運良く、ヒカリちゃんだけ飛ばされなかったって事はないかな?」

 あるいは運悪く彼女だけ壁の中に全身飛ばされてしまったかだ。
 そうなると待っているのは石と混ざり合い、魂を消失してしまうか、あるいは石の中で窒息してしまうか。

「そんな、ヒカリ…ヒカリッ!」

 全身をはいずり回る虫のような悪寒に一同は吐き気を覚えた。友を失ったかも知れない、それも永遠に。
 大切な物を目の前でなくしてしまったかもしれない可能性は、アスカやマユミのトラウマを刺激する。
 消失感が全身を包み、指先は震えに憑かれ、カタカタと奥歯がぶつかり合って不揃いなスタッカートを奏でる。呵責と後悔という蛇に全身を絡め取られる。

「そんな、嘘でしょ。返事してよ。お願い、ヒカリ、ヒカリ! 誰か、嘘だと言って! 私が、私ならどうなっても良いから、だから、ヒカリを殺さないで!」

 蒼白のアスカの血を吐く叫びが虚しく室内に響いた。マユミとマナは啜り泣き、あのレイでさえ畏怖と慚愧で顔を強ばらせている。神はいないのか…。自虐的な思いで全員が打ちのめされたとき、唐突に、奇跡のように返事が返ってきた。

「う…あぅ。うぅ…こ、ここよ」

 弱々しいがたしかにその声は、彼女達の仲間である洞木ヒカリのものだった。マユミより更に後方、マナからもレイからも見えない完全な死角の位置から、弱々しい声が聞こえてきた。

「頭、痛い。飛ばされたとき、頭をぶつけて、意識が…なくなって、たみたい」
「だ、大丈夫なの?」
「血が、出てる。けど、大丈夫。もう、止まってる…わ。それに、まだキュアを使うくらいの力は、残ってるから」

 虚ろな目をしながらヒカリはのろのろと頭をまさぐる。血を吸い込み、固まった髪の毛がゴワゴワバリバリとした手触りを返してくるが、ヒカリは鈍く断続的な疼きを繰り返している頭部裂傷に手の平を添えると、小さく祈りの言葉を唱えた。手の平が優しく柔らかいオレンジ色の光で満たされ、それと共にパックリと割れていた頭部裂傷が塞がっていく。
 ほどなく、まだ頭は鈍く疼いているが、回復したヒカリはふぅと重く長い溜息をついて脱力した。


284 :白濁の虜囚@なーぐる :07/05/29 00:00 ID:???
「ふぅ、なんとかなったわ。ごめんなさい、アスカ、綾波さん、山岸さん、霧島さん」
「ヒカリ、大丈夫なの?」

 その時になってようやく、自分の状況に気を回す余裕が出来たのだが、ヒカリはだらしのない弟をたしなめる姉のように溜息をついた。

「……あんまり、大丈夫じゃないかも」

 身動き一つ出来ない自分の状況に、ヒカリはもう一度、大きく長い溜息をついた。
 腹部が石にはまりこんでいるのはアスカやレイと同様だが、はまりこんでいるのは壁や石柱ではなく、床そのもの。腰から下は床下の未知の空間に存在していた。ただ、石の中で身動き一つ出来ないというわけではなく、自由に動かすことが出来ることから、床下はそのまま地面というわけではなく、なにがしかの空間になっていることはわかった。


 そのことを皆に告げると、返ってきたのは落胆の呻きだったが、ヒカリには余裕があった。かなり苦しい耐性だが、休憩できないこともない。これから瞑想をし直し、オーク…いや、ゴブリン退治のつもりで心に刻んでいた低レベルの法術を除去し、より強力な術を覚え直してそれを使えばいいのだ。
 ヒカリの必殺の術、コメットフォール。理力の固まりであるそれは、仲間には傷一つつけずに無機物のみを打ち砕く。それで床を打ち砕けばいい。
 魔導書を読み直さないといけないマユミと異なり、僧正であるヒカリの力は心の内に宿っている。

(あと2〜3時間の辛抱よ)

 そう、あと2〜3時間、何事もなく休憩して術を覚え直すことさえ出来れば…。

 だが、ヒカリは忘れていた。オークはまだ、倒しきってはいないと言うことを。そして彼らが彼女達を見逃しているまま、と言うことはないのだ。
 ヒタヒタ、ヒタヒタ、と秘密の通路を通ってオーク達が囚われの美女達に近づいてくる。

 1,2,3。 鼻をひくつかせる。

 1,2,3。 涎を滴らせる。

 1,2,3。 目の前の肢体に腕を這わせる。

 もう彼女達は逃げられない。



 ヒカリが唐突に、だが必然の悲鳴を上げるのは、それからわずか5分後のことだった。


285 :なーぐる :07/05/29 00:05 ID:???
とりあえず、導入部分だけどこんな感じ。
D&Dとかその手のゲームに詳しいと情景描写とかは容易かも。
ダルクオールとかの設定最高!

>オークのセリフ、語尾は必ず『〜オーク!』に
やっぱりバスタードなんでしょうか。
少なくとも指輪物語のオークは粗野で乱暴な言葉遣いだったけど、普通に共通語で話してましたからねぇ。
馬鹿なオークが使う、わかりやすいオーク語ってのを表現しきったわけで、白眉表現だったんだなぁ
と認識を新たにしました。

ただ、最近の展開というかなんというか。何ヶ月も使って光ドバードカーンとにかく凄いんだぞー
ってことを言いたいらしいことはわかったけど、物語は一秒も進んでないグダグダ展開に呆れ返り。

それはそうと、やっぱり馬鹿すぎるから訛りが強い共通語&オーク語(みたいな)表現にした方がエロイかしら。

>……ところでナーグルさん。シンジは? (゚∀゚)
出ますよー。ラストにちょこっと。



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