骨型さんの黒シンジハーレム物『小GEN-DOH』2


450 :骨型 :06/03/20 23:47 ID:???
―小GEN-DOHちょっとだけ更新

翌朝。
シンジは学校を休んでネルフへと来ていた。
「あ、ミサトさん」
「あら、シンちゃん」
ジオフロントは勝手知ったる我が家…のようなものだし、ミサトとの付き合いも随分と長い。
実際彼女がネルフに配属された頃からの知り合いだから、彼にとっては人生の半分は知り合いとして過ごしている。
「どうしたの?」
「いえね、一昨日の彼女の処遇を決めないと、と思って」
「男が浅利ケイタって言うらしいわ。女の方は、駄目ね。もう殆どトんじゃってて何がなんだかわからない感じ」
「おや、そうなんですか?」
心底驚いた様子のシンジに、やはりきょとん、とするミサト。
「あれ?聞いたんじゃなかったの?」
「ああ、そう言えば忘れてました。戦自の連中の情報だけしか聞いてなかったなあ」
「…その後の尋問官、大変だったらしいわよ」
男の方に関しては問題なかったらしいが、女の方は「もっと、もっと」とせがむだけで何も聞き出せなかったのだという。
結局必要な内容は大体聞き出せたし、昨日のうちに街中の『虫』はあらかた排除出来たから問題はなかったのだが。
「まあ、そうでしょうね。で、今はどこに?」
「一応隣り合わせの独房に入れてあるんだけどね。ウチの若い連中から誰から、理由をつけてはそこに行きたがってもう、ねえ」
それだけ一昨日の『尋問』が刺激的に過ぎたのだろうが。
「…ふむ。ところで、昨日捕縛した『虫』の中に、そういうのに使えそうな『雌』はどの程度居ました?」
「五人、ってところかしらね。彼女を含めて、だけど」
「五人ですか。…それなら、ちょっとだけしんどいけど、帳尻は合うかなあ」
「…何するつもり?」
「折角ですし、見せしめの意味も含めてうちの調教師に調教させましょう。それで地下に置いておくというのはどうです?」
「…それって」
「飴ですよ。それで男性職員の勤務時間を増やせば女性職員のシフトも楽になるでしょう?」
あくまでにこやかに、シンジはそう告げる。
「でも、逆に女性職員から突き上げきそうだけど…」
「ま、命を狙う連中にそこまで言えるなら大したもんです。そういう方は僕が懇切丁寧に説得しますよ」
それとも親父に任せます?と小首を傾げる彼に、
「…りょーかい」
ミサトも小さく頷いて応じた。

451 :骨型 :06/03/21 00:40 ID:rmBgo7JM
「シンジ君。…ジオフロントに娼館作るって、ほんと?」
自室で作業中。
ノックもなしに入ってきた女性が、彼の後ろから抱き付いてそう問うてきた。
「そうだけど、どうしたの?カエデさん」
「だって…そんなの、駄目よ。…人権とか」
「まあ、ね。それはそう…判るよ」
泣きそうな顔をしているだろう、甘えん坊の妾の腕を柔らかく撫でながら、だが仕事は止めない。
「カエデさんはこの件に噛み付いてくると思っていたんだよね」
「え?」
「確かにね。これは人道的には許される事じゃない」
「そうよ…だって、やりたくてやるんじゃないんだもの。良くないわよ、それ」
「…ん。でもね?彼女達はどうせ殺される。尊厳を奪われて生かされるのと、作業のように殺されるのと。どっちがいいんだろうね」
「え…」
極論をぶつけたのは判っているが、それでもこれで言を封じる事は出来た。
「まあ、これは親父達にも承認受けたからね。覆る事はない。…残念かもしれないけれど」
「そっか…」
「でも、いつもながら優しいね、カエデさん」
シンジはくるりと体を返すと、カエデの唇を奪った。
「うむ!?ん、ふ…ぷぁ」
「…遠からず自分を殺しに来るかもしれない連中に同情出来るんだもの」
「殺し…?」
「戦略自衛隊のスパイだよ、彼らは。…同じ日本人だからって、甘く見ちゃいけない」
そのまま椅子越しに体を抱き寄せ、左手を胸に添える。
「ん…でも、悲しいね」
「そういうのを無くす為のネルフにしなくちゃいけないんだよ。…使徒との戦いが終わったら、ね」
「うん…」
「王は王たるが為に己の手を汚す事を躊躇ってはならない、というのが親父からの教え。だから僕は、カエデさんに怒られても己の道を変える心算はないよ」
「ん…、判ったわ…あ…はぁっ…!」
「許してくれる?」
「許す、許すから、手、止めて…!」
「手?」
にこりと笑うシンジの手は、既に服の下から直にカエデの体を刺激していた。
「ベッド、行こうか?」



11 :骨型:小GEN-DOH :06/05/05 16:12 ID:RpvN7EIY
自室のベッドで深く眠っている(失神しているとも言う)カエデをそのままに、シンジは表へと出た。
待っていたのはアオイ。
「さて、アオイさん。状況はどうなっています?」
「浅利ケイタ以下二名の情報は、意図的に戦自内部にリークしました。オーファンチームは一佐の思惑通りに突き上げを食らっている模様です」
普段は敬語など使わない二人だが、仕事中は違う。
それが自宅であってもジオフロント内であっても、瞬時に使い分けられる呼吸が、二人にはあった。
「で…次は僕と同年代のスパイが送られてくる、と」
「いつもの事ながら…よく判りましたね?」
「ええまあ。で、目的はネルフの情報の漏洩か…僕の拉致ですか」
「その通りです。どうしますか?今なら市内に入った直後に確保して処分するのも不可能では―」
強い眼光でまくしたてるアオイ。自分のオトコへの無用な危害は優先的に排除しよう、というのは彼女に限らず、シンジの妾全員の総意でもある。
「いえ、どうせならある程度食い込ませましょう」
「な―!?」
「どうせ男女の組でしょう?この際意図的に偽情報をリークさせるのもいいのでは?」
それはつまり、女の方をシンジが篭絡させる、という意味で。
アオイとしては、複雑な心境ではあった。
「…設定は幼馴染。で、両親が第三使徒と戦自との戦闘で死んでしまったから、ここ在住の身内を頼ってこの街へとわざわざやってきた…って所ですかね」
「何が…?」
「ああ、連中の建前ですよ。で、その二人の名前、判ります?」
「ええ、まだ不確定ではありますけど…」
ぱらぱらと書類をめくり、二枚の顔写真が写ったものを手渡す。
「霧島マナ、ムサシ・リー・ストラスバーグの二名が最有力かと」
「ふむ、やっぱりね」
「は?」
ニヤリと笑みを浮かべたシンジに、アオイもまた怪訝そうな顔をした。



12 :骨型:小GEN-DOH :06/05/05 16:14 ID:???

「と言うわけで、協力してもらえるかな?」
「…大丈夫なのか?」
「無茶はしないさ。見張りは付けておいてくれて構わないから。向こうだってむしろ監視があった方が安心するでしょう」
「ほう?」
向こうとてこれが罠だ、という予測も立てて行動に移している筈だ。
逆に監視がなければ深追いせずに退くくらいの芸当はやるだろうし、あったとしても拉致をできる算段をつけてから行動に移すだろう。
それまでの間に、女性の方が寄ってくるのに任せて懐に呼び込み、虜にしてしまえばいいという訳だ。
「まあ、戦自での僕の評判にも拠るんだけどね」
シンジ自身の手腕については、そういう意味では日本国内では然程メジャーではない。
「『親の権力を笠に着て、好き勝手しているドラ息子』と言ったところなら楽なんだろうけど」
飛び級制度のない日本では限度がある為、ドイツやアメリカで色々と学び、戻って来たのが二年前。
そこからネルフの訓練をこなし、同時に碇家の帝王学を学んだシンジである。
表に出ている風評は然程高いものではないだろう。
「一応、僕がナイーブだの傷つきやすいだのマザコンだのと色々と流しておいてくれる?九割がた大丈夫だとは思うけど、念のために、ね」
「…良いのか?風評被害と言うのは馬鹿にならんが」
「まあ、レイやマヤさん達が誤解しないでくれるのならそれでいいよ。他はまあ…どうでもいいし」
「判った。だが、万が一にも拉致されるようなヘマはするなよ」
第四の使徒をゼーレが解き放つのもそう遠くはない。
ある程度こちらで管理できるとはいえ、そういう所での小さなミスは後々大きな問題になる。
「判っているさ。折角改変された補完計画を、また再考されては堪ったものじゃないからね」


13 :骨型:小GEN-DOH :06/05/05 16:15 ID:???

その日。己が生贄だと自覚していない少年と少女が、この街に降り立った。
「…ここが第三新東京市…か」
「…うん」
陰鬱な表情で頷く少女。
「行こうぜ、マナ。義姉さんの潔白を証明するためにも、俺達は今回の仕事を成功させなくちゃならない」
「ええ…そうね。行きましょう、ムサシ」
だがそれも決意を秘めたものにすぐ変じ、しっかりとした足取りで歩き出す。
と。
『避難警報が発令されました。市民の皆様は、速やかにシェルターへと移動してください。繰り返します。避難警報が発令されました―』
「…え?」
「ええええええええ!?」
「きょ―」
「今日なのぉ!?」
背後を見る二人。だが、列車は当然既に走り去っている。
「…どうする?」
「私たちにシェルターなんて用意されてないわよね…」
「とにかく、郊外へ逃げよう!」
「え、ええ…!」
何かもう色々とこちらの予定を覆してくれた存在に怨み言の一つを吐く暇もなく、二人は弾かれたように走り出した。



14 :骨型:小GEN-DOH :06/05/05 20:17 ID:???

「やれやれ…思ったより来るのに手間取ったようだね」
シンジの呟きに反応したのは、マヤだった。
『その分慎重に準備を重ねてきたはずよ。気をつけてね』
多くの人間はこのやり取りを使徒と戦うシンジへの気遣いだと捉えただろうが、一部の者はこれから起きる『イベント』に対する注意だ、と察していた。
「そうだね…。ま、さっさと終わらせて『劇的な出会い』を演出しましょうか」
シンクロを開始した初号機の中で、シンジは小さく笑みを漏らした。
射出されたのは、都市部から少々離れた小山の中腹。
つまり―
「っ!ミサトさん!!」
『子供!?』
市街地を離れようと走っていた彼らの目標地点に。
『データ照合…市民名簿にはありません!』
『じゃ、どうやって来たってぇのよ!?』
『判りませんよ―あ、データ来ました!昨日市民登録された第二からの転居者です!本日付でこちらに住居が登録されています』
こちらを呆然と見上げている二人。
「…どうしましょ?」
(感謝しますよ、マヤさん、リツコさん)
シンジの思惑に協力してくれた二人に感謝しながら、取り敢えず手段を問う。
『シェルターの場所がわからなかったってこと!?』
『シンジ君!…瞬殺。出来る?』
「了解!」
そのまま一気に初号機を疾らせる。
使徒がこちらを知覚したらしく、こちらに狙いを定めるように旋回して下りてきた。
(母さん、痛いのは…嫌だろう?だったら…とっとと奴を殺すよ)
巨体が着地し、こちらを視認した瞬間。
「ふっ!」
初号機の左手が、使徒の体を貫いていた。
そのまま引き寄せて、光球を右手で叩き砕く。
ぶるぶると、両腕の鞭を振るう事すら許されず。
第四使徒はその生命活動を停止した。
「さて、で、次は?」
『ああ、さっきの二人を掴んでそのまま下りて来て』
「はいはい」
今度は悠然と射出口へと歩きながら、外部マイクをオンにする。
「あぁー…、そこの。そう、そこの二人」
そもそも歩幅が違う。逃げようとしても逃げられないのは自明だ。
それを察してか、逃げる様子のない二人の側まで歩み寄ると、ひざまずく様にして手を差し伸べる。
「手に乗って。乗らないと、勢い余って握り潰される危険性を覚悟してもらわなきゃならないんだけど」



15 :骨型:小GEN-DOH :06/05/06 00:24 ID:???
「二人は?」
初号機から下りたシンジは、まずタオルを渡してくれた黒服にそう問うた。
「確保して個別に尋問室に連れて行ってあります」
「ん。それなら、男の方はそのまま帰らせていいよ」
「は?良いのですか?」
「うん。厳重注意さえしておいてくれれば、それでいいよ」
頷きながらも、黒服はちょっとした疑問を顔に浮かべたまま。無論、問い返してくる事はないが。
「ああ、もしもう一人について聞かれたら、こう答えておいて。『先程のパイロットが彼女と話がしたい、と告げたので、少々遅くなる。なに、連絡先を教えておいてくれればすぐに送り届けるとも』ってね」
「…はあ?」
「僕が、彼女を気に入った、って事ですよ」
「あ、ああ!判りました。そう伝えましょう」
やっと得心したのか、黒服はそそくさと歩き去っていった。
「…。僕のイメージって、この中でもそんななのかねえ」
ちょっとだけ溜息をつきながら。
シンジも体に付着しているLCLを落とす為に、ケイジを後にした。



16 :骨型:小GEN-DOH :06/05/06 00:24 ID:???

「やあ、霧島マナさん。初めまして。碇シンジです」
「え?あ、あのあの…」
突然現れたシャツ姿のシンジに、きょとんとした顔をする少女。
「あれ?僕に用があったんじゃなかったっけ?」
「…!?」
にこやかに問うシンジに、だが一気に緊張するマナ。
「ん…戦略自衛隊第三十七独立部隊、通称『孤児部隊』所属、霧島マナ三曹。ああ、新兵器のテストにも参加していたようだね」
「…まさか…」
「ん…?もしかして、ばれてないとでも思ってたのかい?」
「…!!」
ばっと立ち上がり、シンジを組み伏せようとするマナ。
置いてあったペン一つでも十分凶器の一つになる。マナは迷いなくシンジの首筋にそれを突きつけようとして―
「ふふ、情熱的だねえ」
シンジにいきなり唇を奪われた。
「ん、んーっ!?」
「おや、初めてだったかな?…大丈夫。すぐ気持ちよくなるように可愛がってあげるから」
「ちょ、やめ…!」
抵抗しようとするが、今度はあっという間にシンジに姿勢を入れ替えられてしまう。
「ほらほら、暴れないの。君だって僕に接触する上で、こうなる事をある程度は覚悟していたんだろう?」
「っ…。…っあ!あっあ、あああ!!」
「そうそう。そうやって素直に感じてくれたほうが、僕も嬉しいな」
「っく…ふ…!む…さ…しぃ…!」
「うん、濡れてきたみたいだね」
にっこりと、シンジはとても綺麗な笑みを浮かべた。


17 :FOX :06/05/07 00:07 ID:???
>骨型さま
 マナ登場ですね。
 どうも中途半端な情報しか彼女に与えられていなかった(シンジの顔も知らなかった?)ところをみると、彼女自身が餌かあるいは一種の威力偵察のようなものだったのかもしれませんね。

 しかしいずれにせよ、ムサシのところへ戻った彼女がもはや元のマナではなくなっているのは確実でしょうから……。
 マナの変身ぶりがどうなるのか、それがムサシにどう映るのか、楽しみです。

18 :骨型:小GEN-DOH :06/05/07 01:24 ID:???
>FOXさま
感想ありがとうございます。
…えーと、マナはシンジの顔を知らなかった訳ではないです。
ただ、確保された自分に平然と会えるような権限があるとは思っていなかったでしょうし、シンジがネルフの外でしている事と言えばつまみ食いくらいですからw
表だっての活動は、エヴァに乗って使徒と戦うようになったのが日本では最初ですし。
一種の内弁慶のようなもの、とも言えます。

シンジの女好きを知っていて、家族の絆の強い孤児部隊の、しかも彼氏(ムサシ)持ちを選抜して、なおかつ彼氏彼女で行かせた、というのが戦自『孤児部隊』長官の思惑です。
シンジの手管を侮っている、といった所でしょうか。

シンジの彼女とかが「寝取られ」る系統は多いのに、シンジが能動的に「寝取る」のはあんまり多くないかなー、というのが、このマナのくだりを書き上げるに至った経緯だったりします。
黒シンっぷりを披露する為にも、この際書いちゃえ、とw
本当はガギエル後くらいにして、アスカ×マナというのもいいかなと思ったのですが、予定前倒しです。
けれども、ムサシとマナはここで一旦お休みにしようかな、とも。
ラミエル戦が終わって、JAの件が終わった後くらいまで出さないでおくのも、それはそれで『何をされているのか』とかを妄想できそうでいいかなぁ…って思っていたりもするのですが。

とまれちょっと筆が進んでいますので、近日中に次を出せるかな、と。
ああ、ついでにもう一つ。
シンジの笑顔にはユイ系の綺麗な「天使笑顔」とゲンドウ張りの「ニヤリ笑顔」がある、と思っておいてください。
主に女性には前者、野郎には後者を披露する感じで。

19 :骨型:小GEN-DOH :06/05/07 02:13 ID:???

「ふう」
「…」
唇を噛んで顔を逸らすマナには取り敢えず構わず、シンジは汗ばんだ髪を軽くかき上げた。
「思惑とは随分食い違った…なんて、世の中にはよくある事だよ。あまり気に病まない方がいい」
「貴方がっ…!それを言うの!?」
「ん…?まあ、僕は大体四つから五つの予測を必ず立てているからね。実際君が最初僕にしてきた事…というのはその中の三つ目に該当しているよ」
「馬鹿にして…!」
「否定はしない。与えられた任務に猪突する兵士…なんてのは基本的に読み易いから」
ズボンを履いて、取り敢えずマナに手を伸ばす。
「でも、気持ち良かったでしょ?マナ」
「っ…!」
逸らしたままの顔が赤らむのに、満足して笑みを浮かべる。
それが最後には悩乱した自分への羞恥か、それとも名前を呼び捨てにされた怒りや照れの類なのかはさておいて、だが。
「さて、脱がしておいてなんだけど、取り敢えずその服着てくれる?濡れちゃった下着はまあ、任せるけど」
替えが欲しければ持ってこさせるよ?と聞き返すシンジに、力なく頷きながら服に手を伸ばすマナ。
ほどなく持ち込まれた下着を履き―上は当然ながら濡れていない―、マナはやっとこちらを見つめてきた。
「…何を、するつもり?」
「ああ、心配しなくていいよ。ちょっと、会って欲しい人が居るんだ」
「あってほしいひと…」

20 :骨型:小GEN-DOH :06/05/07 02:14 ID:???

連れて来られたのは、独房の一室。
そこでは一人の女性が全裸で自分を慰めていた。
「お…お姉ちゃん!?」
「あは、まな?」
トウジの妹を拉致し、その経緯でネルフに捕えられた最初の戦自隊員の片割れである。
シンジに責められ、思うさま嬲られた所為で、ずうっとこのままの状態なのだ。
「まなもここにきたの?うふふ…ここはとってもいい所なのよ」
「何…したの?」
こちらを蒼白な顔で見つめてくるマナ。その言に冷たい怒りが篭もっているのは、仕方ない事だろうか。
「マナにしたのより、ちょっとだけハードな事。ちょっとだけ刺激が強すぎたみたいだね」
正確にはちょっと、どころではない。尋問を兼ねていたから、それこそ狂れてしまっても構わない、というつもりでやったのだ。
事実それ以来意識はずっとトんだままだ。
「あ、心配しないで。僕以外の男性職員は手も触れてないよ」
孤児部隊から追加のスパイが派遣される事を見越しての、シンジの策である。
ミサトが見立てた他の部隊の『虫』は目下碇屋敷地下にて調教の真っ最中である。
紫垣親子が腐心しているから、出る頃にはそこらの娼婦や壊れたこの女性よりももっと男性受けする淫乱に成り果てている事だろう。
「取り敢えず、君達が来たら会わせてあげようと思ってね。本来ならしかるべき処分に移るところだったんだけど」
女性から目を逸らして、シンジの言葉を黙って聞いていたマナだが、ふと思い出したようにシンジに詰め寄った。
「ケイタ兄は…ケイタ兄はどうなったの!?」
「ケイタ…ああ、彼女と一緒だった彼か。隣り合わせの独房に入っていた筈だけど…。ねえ!」
シンジも疑問に思い、看守に声をかける。

21 :骨型:小GEN-DOH :06/05/07 02:17 ID:???

「はい、なんでしょうか一佐」
「この人の隣に居た捕虜は?」
「ああ、それでしたら入って三日後に発狂しまして。保安部のラボに移送されました」
「…あちゃあ」
顔を押さえるシンジ。
「な、何?」
「もう生きてないみたい」
それは間違いないことだ。
リツコのラボであればドグマのリリスの餌になっているし、保安部直属のラボであれば頭骨を外されて機械的な尋問を受けている事だろう。今回は保安部だから後者だ。
「お姉ちゃんは…どうなるの?」
「そうだね…。当初の目的は果たしたし、早いうちに安楽死でも―」
「そんな!?」
「とは言え、無駄飯食いを養っておく余裕は、実のところあんまりないんだよ。ネルフも」
「…お願い、お姉ちゃんを助けて…?」
「ふむ。構わないよ」
いとも簡単に応じるシンジ。
「ただし…世の中ギブアンドテイク。君が僕の願いを聞いてくれるなら、だけど」
「…いいわ。この体でいいなら、いくらでも好きにすればいい」
「…そういう事じゃあないんだけどな。まあ、向こうと手を切って、僕の恋人の一人になって欲しい、って事なんだけどね」
大差ないか、と言われればそれまでかなと締めて。
「さ、返答は如何に。考えたいなら時間は上げるよ?」

22 :骨型:小GEN-DOH :06/05/07 02:22 ID:???

取り敢えずマナを最初の部屋に送った後、そこから出てきたところでシンジはミサトに捕まった。
「どうしたんです?ミサトさん」
「ねえシンちゃん。ちょーっち、聞きたい事があるのよねん」
「はいどうぞ」
「今の部屋のあの子達、スパイなんだって?」
「ええ」
平然と即答するシンジに、なんとなく得心した表情でミサトは次の問いを口にした。
「もしかして…あの捕虜の名前、実は知ってたわね?シンちゃん」
「ええまあ。碇の『耳』はこと日本限定なら、ネルフより数段聡いですからね」
ついでに言えば、碇家の所有する諜報機関の所属者はネルフ内にもそれなりに居り、戦自やら他やらのスパイを随分前から厳しく取り締まっている。
「やっぱり…。じゃああの子達が今日来る事も?」
そう思い至ったのは、マヤとの会話に含むところを感じたから、との事だが。
「使徒襲来と被ったのは偶然ですよ。第二から電車に乗った所からは確認してますけど、そこまで逐一情報を仕入れていた訳ではないです」
「ふむ…。まあ、被害を未然に防げたのは決壊オーライかしらね。…で、その子どうするつもり?」
「ああ、それですけど。独房の『彼女』を人質にしてこっちに引き込みました」
「引き込みって…大丈夫?」
「まあ、返答待ちですけどね。諾以外の答えは返せないようにしてありますし、なんとかなるでしょう」
そういう事ではない、と言外に告げるミサトの視線に応じるように、そのまま続ける。
「すぐには使えないでしょうけどね。取り敢えずこれから暫くはじっくりと理性を壊さないように、僕自ら教え込む事になりますね」
にい、と至極楽しそうな笑みを浮かべるシンジ。
「うわ、凄そうねえ」
「…そんなに凄くはないですよ?」
だが、先日『尋問』を間近に見たミサトにしてみれば説得力は欠片もなかったらしく。
「凄そうねえ…」
ミサトはこの後数日、シンジの顔を見るにつけて浸るようにそう呟いていた。

23 :引き気味 :06/05/07 23:18 ID:???
>シンジの彼女とかが「寝取られ」る系統は多いのに、シンジが能動的に「寝取る」のはあんまり多くないかなー、
>というのが、このマナのくだりを書き上げるに至った経緯だったりします。

それは良いのです。とっても。
書くのは苦手でも、読むほうとしては大好きなスタイルですから。
なのに、

>「でも、気持ち良かったでしょ?マナ」

この(省略)は一体…… (;´∀`)
そこじゃないですか、一番大事なのは〜! と言うてみたり。

24 :骨型 :06/05/08 20:04 ID:???
>引き気味さま

>そこじゃないですか、一番大事なのは〜! と言うてみたり。

確かにw
ですけど、この時点でのエロ行為は寝取り要素としては薄いんですよね。
ある程度マナはこういう目に逢う位の事は覚悟しているでしょうし。
ですから、むしろ過程を日常シーンの一つに組み込もうかな、と。

とまれマナ編はそういう理由から暫く日常に埋もれます。
宜しくお願いします〜。
index

From:エロ文投下用、思いつきネタスレ(6) & (7)