骨型さんの黒シンジハーレム物『小GEN-DOH』1


165 :骨型 :05/11/27 23:57 ID:???
黒(強)シンジで本編再構成…というのをちょいと考えてみますた。
どっかで見た〜、とか言うのがあったら御容赦を。…まだエヴァSS歴浅いもので><

―――
第二新東京空港。
今しがた停まったチャーター機から、降りてくる一人の少年。
高くない身長に似合わず、全身を漆黒のスーツでまとめ、更にサングラスをしている。
基本的には『背伸びした』ようにしか見えないのだが、そうは思わせないのは醸し出される風格からか。
「青葉」
「はい」
「車は?」
「は」
背後に立つ青年の方が少年に傅いている様は、傍から見ればジョークの一種としか思えない訳だが。
と、青葉と呼ばれた青年が車ではなく誰かを見つけたらしく、その耳に口を寄せた。
「…一佐、司令が」
「ふむ?」
と、視線の先には、蒼髪の少女と黒服を伴ってこちらを見ている中年の男が。
「ふむ、判りやすい。…青葉」
「は」
「私はあちらと合流して諸事を済ませてから第三に向かう。君は先に本部へ戻って通常業務に戻ってくれ」
「了解しました」
少年は心なしか少しだけ足を速めてそちらへと向かった。
「…よく戻った」
「ええ」
小さく口許を歪めた笑みを交わす、二人。
格好もそうだが、そういう仕草も良く似ている。
「おかえりなさい…兄さん」
「…一佐だ、レイ。ここではまだ、ね?」
ぽふ、と少女の髪に掌を乗せて、今度はにこやかに笑む。
頷く少女の髪を撫でると、少年は車に乗り込んだ。


166 :骨型 :05/11/28 00:00 ID:???
――――
車内。
車が走り出して五分程。少年はサングラスを外し、年相応の顔を曝け出している。
最初に口を開いたのは中年だった。…こちらはサングラスをかけたままで。
「…シンジ」
「ん?」
呼ばれて、促された事に気づく。
「ああ。キール老の『説得』も終わった。次回の会議で補完計画は完全に書き換えられる」
「そうか」
「で、老にはカヲル、という孫が居るそうなんだが」
「…ん?」
「庶子の子だそうで、姓からして違うらしい」
「ほう?」
「だが老の気に入りのようで…それを妻にしろ、と言われた。…どうしたものかな」
「ふむ、問題ない」
「そうかい?ネルフの名義で何かを捻じ込むんじゃないだろうね?」
司令と部下、と言う割には随分ぞんざいな口を利くが、中年の方に気にするそぶりは見られない。
「アスカ嬢は、ユイが決めたお前の婚約者だ」
「…それで?」
「老も判っている。それでいてそういう条件を出したからには、程なく『問題がなくなる』」
「ああ、成る程ね」
つまりもっと上の権力を使う、という意味だ。
来週辺りには妻帯可能人数が増えている事だろう。
「初号機の整備は?」
「…万全だ」
「そう。…母さんは癇癪を起こしていないかい」
「まだ、大丈夫だ。後二日は待つ、と言っていたよ」
「短いねえ」
「そう言うな。機嫌を損ねられては堪らんだろう」
「まあね。父さんも苦労する」
苦笑する。
巨大兵器の文字通り『一部』となっているシンジの母は、触れ合えない分彼を溺愛している。
最低でも一週間に一度は彼の姿を見ないと暴走したり故障したりといった『癇癪』を起こすのだ。

167 :骨型 :05/11/28 00:01 ID:???
――――
「…兄さん」
「ん?」
「もうすぐ着くわ」
「ああ、ありがとう。レイ」
助手席に座っていたレイの言葉を聞いて、シンジは視線をそちらに向けた。
目の前には、巨大すぎるほどに巨大な邸宅。
庭の時点で既にキロ単位の幅がある。
門の前に車が停まり、門番が恭しくそのドアを開ける。
「さて、引き続き爺様のご機嫌を伺ってくるかね」
「すまんな」
「仕方ないさ。来週からは第三は戦場だからね。パトロンは多いに越した事はない」
老人に好かれる、というのもあまり好ましい性質ではないような気もしないでもないが。
まあ、片方は身内なのだ。問題ない…筈だ。
と、車を一旦下りたところで、シンジはふと気づいたように後ろを振り返った。
「ああ、父さん」
「ん?」
「さっきのチャーター機の乗務員の…マクランディ嬢。あれ、結構いい声で啼くね」
「ほう?」
「仕込んだら後々楽しめるかもしれない」
ふむ、と呻くゲンドウ。
「判った。ヘッドハントの意向を兼ねて、屋敷に『招待』しておこう」
「悪いね♪」
嬉しそうにそう言うと、シンジは意気揚々と屋敷への門をくぐった。

碇家。
云百年前から日本を影で支配し、そして今もなお厳然たる影響力を持つ一族。
シンジの実家である。

168 :骨型 :05/11/28 00:15 ID:???
――――
水音が響く。
室内、しかもここは意味合いとしては『待合室』の類であるのだが。
「…まったく、いきなりか」
「ご、ごぇんなさい。…れも…」
「かまわんさ。続けて」
体が幾つあっても足りないな、と胸中で呟きながら、シンジは自分の股間に顔を埋める女性を見下ろした。
「爺様は?」
「はぃ…」
一旦奉仕を止め、こちらを見上げる女性。
「先ずは旅の疲れを癒して、その後にとの事で」
「爺様の差し金か。…判った。じゃあ楽しませてもらおうか」
むしろ疲れが増すのではないか、という気もしないではないが。
「ふむ。…流石爺様、上品なのを選んでいる」
立ち居振る舞いを考えても、良家の出だろう。
二十代半ばから後半、と言ったところだろうか。
性的なものはともかく、躾というのはどうしても幼い頃からの積み重ねがモノを言う。
だが、機内で『愉しんだ』後の彼にしてみれば、動きに少々物足りないものがある。
「立って」
「…はい」
「足を」
「これで?」
否もなく、動きも弁えたもの。
「十分。では頂く」
「はぃ、どうぞ…。…っ、うン…」
ぐ、と中に潜り込ませ、動く。
「っ…はァ」
嬌声を上げる、というよりは艶かしく喘ぐ、と言った様。
向こうの女性は基本的に『乱れる』性質であるから、こう言った反応も新鮮で良い。
「…ふむ、見透かされたかな」
「はぃ…?…んくっ」
「ああ、何。気にしないで。こちらの話さ」

169 :骨型 :05/11/28 00:31 ID:???
ずんずん、と突き上げる。
はぁはぁと耳元で囁くように熱い吐息。
左手で右足と腰を絡め、右足で左腿を掴む。
「強く動く」
「は…んんっ!!」
同意を得る前に動きを早める。
「っ!…かっ…ひぃ…はっ!!」
「上品な喘ぎ方をするね。…好ましいよ」
「はっ…ありがとう…ございますっ」
大きな声を上げないのは、意識的なものか、天然か。
前者であれば、是が非でも悲鳴じみた声を上げさせたいと思うのだが。
「っ…ふぁ…はっ」
「ひ…くふ…ンぁ」
「ぁっ…はぁはぁ…んっ!」
どう抉り、回し、突いてみても反応に大差はない。
どうやら天然らしい。
壁の上の時計を見遣る。そろそろいい時間だ。
「さて。余り待たせても何だ、終わらせてもらう」
先ほどより強く突き上げ、衝動を呼び起こす。
そしてそのまま奥に突き込んで、発散させた。
「ん!んくっ…はぁ…はぁ…」
「ありがとう。中々にすっきりさせてもらった」
「…光栄、です。シンジ様…ン」
ぐったりともたれかかってのその受け答えに、笑みを浮かべる。
…何から何まで良い仕上がりだった。


170 :骨型 :05/11/28 00:52 ID:???
――――
湯を浴びて、用意された和装に身を包み、部屋へ。
「おお、シンジ」
「悪いね、爺様」
「何、構わぬよ。…良い娘じゃったろう」
「ん。気に入ったよ。どうだろう、連れて帰らせては―」
「それは駄目じゃ。お前がここに来る理由が一つ減る」
「…成る程」
祖父の我侭と言えばそれまでだが。
苦笑するシンジ。ここでは単なる祖父と孫。互いの立場など関係なく、表情を崩せる。
と、祖父は茶でも飲むかのような気楽さで機密に切り込んできた。
「それで、キールの奴は何と言っておった?」
「ああ。…応じてくれたよ」
「本当か?」
「ん。次の総会で補完計画は簡単に言えば『俗なもの』に変わる」
「ふむ?」
眉を寄せる祖父。だがシンジは言及を避けた。
「ま、全ては敵生体を全て撃破してからだけどね」
「それもそうじゃの」
「取り敢えず、僕と父さんを相手にしては、彼らも強行に自分の我を通せるとは思えもしないだろう、って事さ」
「ユイの見立ては正しかった、と言う事かのう…」
祖父の嘆息の意味もわからないではない。
父は見た目で損をするタイプ、だからだ。
だが父あってこその今の自分があるのも事実だ。
「しかし、お前どうやってあの頑固者を説き伏せた?」
「三時間。じっくりと話をしただけさ」
大した事をした訳じゃない、と告げると今度こそ祖父は唸ってしまった。
あの頑固者が、とかやはり若い子供に、とか聞こえるが、無視。
「さて、んじゃ部屋に戻って少し休むよ。…流石に少し疲れた」
こういう状態では身のある会話は出来ないだろう。
「ん?…ああ、そうか。では夕食の折にな」
頷く祖父に、だがシンジはもう一つ頼みを口にした。
「で…さっきの人、ここに居る間の『お付』にしてくれない?」
「構わんが…余程気に入ったのじゃのう」
「ああ、ちょっとね。ああいう人をこう…」
ニヤリ、と口許を歪めて目を細め、
「思うさま啼かせてみたいのさ」
――――



177 :骨型 :05/11/28 23:49 ID:???
――――
翌日、午前十時。
司令執務室にシンジが姿を現した。
「碇シンジ特務一佐、ただいま帰投しました」
「ああ、お帰りシンジ君」
「うむ」
副司令の冬月がにこやかに出迎え、ゲンドウがいつもの調子で応える。
「では、これより初号機のテストに参加します」
「うむ」
そのまま振り返って退出するシンジ。
それを眺めて、笑みを浮かべる冬月。
「いい育ち方をしたものだな、ユイ君の息子は」
「…私の息子だ」
「判っている。ちょっとした嫌味だ」
「…そうか」
「…ところで、ユイ君の不機嫌はまだ治まらんのか」
「心配ない。シンジが顔を見せればすぐ機嫌を直す」
「戻って来たらどういう目にあうかな、お前」
「…」
どうやら思うところがありすぎるのか、顔を背けるゲンドウ。
「ネルフは表も裏も彼頼み、か。已むなしとはいえ、情けないことだな」
取り敢えず冬月もあまり隣の上司を当てにはしていないようだった。


178 :骨型 :05/11/29 00:10 ID:???
――――
本部内廊下。
更衣室に向かっていたシンジに、声をかける女性が居た。
「あ、シンジ君おかえり〜」
「ええ。ただいまミサトさん」
笑顔を振り撒いてやって来るミサトに、同じく笑顔で応えるシンジ。
「ね、ね?ドイツの土産は?お土産」
「酒はありませんよ。調達する時間がなくて」
「えーッ!?」
「代わりにこれを」
疑問符を浮かべる彼女の手に、一枚の封筒を乗せる。
「加持さんから『愛しのミサトへ』だそうですよ」
「な…ななっ…なーっ?!」
「じゃ。テストに参加しますので」
顔を真っ赤にしてあたふたするミサトをかわして、歩き出す。

「あ…シンジ君。おかえりなさい」
「おかえりなさい、シンジ君」
「ただいま戻りました。赤木博士、伊吹二尉」
プラグスーツに着替えてケイジに下りると、二人の女性がシンジに声をかけた。
「では、始めましょうか」
「助かったわ。反応が悪くて困っていた所なの」
「…またですか」
溜め息を吐くシンジに、苦笑で返す二人。
「では」
シンジがプラグへ向かう途中、リツコが思い出したように声をかけてきた。
「ああ、シンジ君。終わったら健康状態の検査をするから、私の研究室まで来てね」
「はい」
視線が絡み合う。シンジを見るリツコの視線が、わずかに色を変えて。
「…先輩?」
「ええ、始めましょう」
その交錯は一瞬で消えた。

179 :骨型 :05/11/29 00:27 ID:???
――――
テストは先ほどまでの苦労が嘘のように順調に終わった。
「現金なものね、ホント」
という責任者のぼやきが全てを象徴している。

さて、その責任者の私室。
厳密にはそうではないのだが、周囲の認識はそのようなものだ。
「健康管理には問題ないようね。異状は見られないわ」
「それは、ね。後一週間もないでしょう?体調崩して満足に戦えなかった、じゃ済みませんよ」
「そうね」
苦笑を交わす。
「さて。…それで、僕に何か御用なんでしょう?」
シンジの眼光が変わる。
いや、強さが変わった訳ではない。
言ってみれば、質の変化だ。
それも彼を知らない者から見れば変わった事にすら気づかないのである。
だが、目の前の女性にとっては劇的な変化だった。
ごくり、と喉が動く。
「言いたくないのであれば、このままお暇しますが―」
それは婉曲な催促。
「…司令が、ここの所抱いてくれないのよ」
「…ほう?」
二人の関係についてはシンジも弁えている。
と言うか、彼の最初の相手はリツコだった。
そういう相手に自分の愛人を用意する辺り、セッティングした父の正気を疑わないではないが。
偏愛の類だったのだろう、と今は勝手に解釈しているが。
「それで、僕に何を?取り成せとでも?」
「ええ、それもあるのだけど…」
と、徐に服を脱ぎだすリツコ。
「暫く相手をして貰えないと疼いてしまって…。久しぶりに…どうかしら?」
裸体を晒して迫る彼女に、シンジは
「ふふ…くっくっく…」
含み笑いで返した。


180 :骨型 :05/11/29 00:39 ID:???
「くっく…。いくら父がご無沙汰だからって、僕を矛先にする、というのもどうかと思いますけどねぇ」
飽きられたか不安ですか?と問うと、
「っ!」
簡単に赤面するリツコ。
「プライドがないのか…。いや、あるからこそ『僕』なのかな?当てつけるにはまあ、悪くない人選です」
細めた目で、じっくりと裸のリツコを睨め回す。
「だけど、残念ながら父には『当てつけ』の意味すら為されない」
それは結局、『シンジの初めての相手』をさせている時点でも明らかで。
「当初から言い含められていたはずですね?貴女は…何者です?」
「っ…都合の、いい、女」
「でしょう?貴女は父に上司と部下以上のモノを求めた。だが、父は応えず、貴女は―」
シンジの視線によってか、言葉によってか。段々とリツコの頬が紅く染まっていく。
「『ならば、体だけでも』とせがんだ」
「あ…ぅ」
「だから貴女は仕込まれた。都合のいい女として」
リツコの瞳が潤む。
息も荒くなり、がくがくと足が震える。
「父が貴女に求めているのは『天才』の頭脳と、メスとしての機能だけだ」
ばっさりと切って捨てるシンジ。その視線が冷たくなる。
「貴女の愚痴は『おあずけを食らった犬』のものか?『嫉妬に狂った情婦』のものか?」
言葉の刃が、リツコの心を抉っていく。だが、その表情は少しずつだが上気している。
はぁあ、とリツコが大きく息を吐いた瞬間、
「まあ、意地悪はこれくらいにしておきましょう」
ふいにシンジは笑みを浮かべた。
プレッシャーの消失に、リツコは我知らず床にへたりこむ。
「ところで」
立ち上がり、ズボンのジッパーを下ろすシンジ。
「僕は父が世話し忘れている犬の世話をする用意ならあるんですが…」
その言葉に、リツコが視線を上げる。
その瞳は期待に濡れ、そしてシンジの言葉の意味するところを全く違えず理解している。
口にして、示せと言うのだ。
「貴女は、どちらかな?」
返答は、決まっていた。

181 :骨型 :05/11/29 00:55 ID:???
――――
ことが済んで。
脱いだ服に袖を通していたシンジは、ふと思い出したように口を開いた。
「リツコさん」
「…なん、でしょう」
「さっきはああ言ったけど、僕はこれでも初めての相手を蔑ろにするつもりはないんだ」
「え?」
「もし、父に飽きたらいつでも言ってください」
「え?…え?」
「ああ、父の方はちゃんと取り成しておきますからご心配なく」
快楽にぼかされた頭ではシンジの予想外の言葉は処理し切れなかったのか、疑問符を浮かべるだけのリツコ。
ズボンを履き、ベルトを締める。
言葉の意味するところを理解出来る程度に思考が回復し、リツコがそれを反芻しようとしたところで、
「ああ、ところでリツコさん。僕がドイツに居る間に、父さんと一体何処でシました?」
「…そ、それは…」
「初日にケイジ。もしくは発令所でコトに及んだ。…違います?」
「…!」
図星だったらしい。
「何故って?父はあれで好色なのでね。わざわざ貴女を遠ざける理由なんて、これくらいしか」
一週間程度で『欲求不満』を口にするリツコも相当なスキモノである筈だが、そこの言及は避ける。
とまれシンジは部屋の奥にあるリツコの端末に手を伸ばした。
「で、母もなんか『無駄に疼く』らしくて、そういうのを見せ付けられるの嫌いなんです」
一応直接伝えてあるんですけどね、とつぶやきながら、所内の自分宛のアドレスを呼び出す。
並ぶ業務連絡やら誘いのメールやらの中に、目当ての新着メールを見つける。
「釘を刺されたんじゃないかな…。あ、ほら。見てください」
と、まだ床にへたばっていたリツコを手招きする。
「僕の所にも愚痴が来ていますよ。余程据えかねたんですねえ」
ふらふらとシンジの背後に立った彼女に文面を見せると。
リツコは無言で盛大に頬をひくつかせた。
――――

331 :骨型 :06/02/05 20:28 ID:???
『屋敷』。
表向きには碇家の別宅の一つである。事実、シンジやゲンドウは一応ここに住んでいる(ゲンドウは仕事等の理由で一ヶ月に五日もここには居ないが)。
だが、ここにはもう一つの顔がある。
碇家が秘密裏に運営する娼館だ。
とはいえ、別段金を取る為に運営しているのではない。
そもそも日本経済を裏から牛耳る碇の家に、金の為に運営される娼館など必要ない。
ここの用途は、普通の娼館とは別のものなのだ。
「シンジ様」
「ん」
書斎で書類を整理していたシンジは、室外からの声に顔を起こした。
「お客様がお見えです」
「ふむ、どちらだね?」
「総理大臣の…」
「ああ、判った。『商品』のリストを用意しておいてくれ」
「はい」
屋敷には三種類の女性が居る。
一つは、シンジやゲンドウの寵愛を受ける『妾』。
もう一つは、元々来客を満足させる為に用意された女性達、所謂『商品』だ。
扱いは野球の一軍と三軍くらいの差だと思えば良いだろうか。
妾は各々の豪華な個室を用意されており、専属の『お付』がつく。表での『仕事』を持ち、時には主人に同伴してパーティなどに参加する事もある。
また、主人以外の男性の相手をする必要性が無く、必要あれば主人の子を身篭る事さえ許されている。
文字通り、妾。法律の関係上籍を入れる事は出来ないが、それでも彼女達は『側室』としてこの屋敷に在るのだ。
そして商品と呼ばれる女性は綿密な健康管理のもと、地下に用意された個室に軟禁され、定期的に専門の人間から『調教』を受ける。無論表に出て仕事をする事は許されない。
無論生活水準は平凡な社会人よりも数段いいのだが。
何よりの差は、屋敷の主人が彼女達の相手をすることはない、ということだ。
彼女達を気に入った来客に下げ渡される事はあっても、屋敷の勝者として立つ事は決して許されない。
それがここの非情なまでのルールなのだ。

332 :骨型 :06/02/05 20:29 ID:???

そして最後が、ここの主人の正妻である。
だが、未成年のシンジには未だ正妻は居ないし、ゲンドウの正妻は今はエヴァの中だ。
よって、現在ここにいる女性はシンジの『妾』が四人と、ゲンドウの『妾』が七人(リツコもこの中に居る)、そして『商品』が十七人。
先ほどの声はゲンドウの妾の一人だ。
「ふむ。そう言えば…」
「何か?」
今は隣を歩いている。
「マクランディという女性はここに来たかな?」
「ええ、二時間ほど前に。『商品』として扱うのでよろしかったので?」
「そうだね。まあサツキさんやアオイさんほど上手くないし、マヤさんやカエデさんほど初々しくもないしねえ」
元々はゲンドウの個人的な秘書のような存在であり、ユイがエヴァに呑まれてからはシンジの家庭教師のような事をしていた女性だ。
年齢も四十に近づき、ゲンドウやシンジの体の相手はしなくなったが、現在でも屋敷内の発言力は大きい。
屋敷の女執事、とでも言えばいいだろうか。

333 :骨型 :06/02/05 20:29 ID:???

応接室。
「これはシンジ様」
「やあ」
畏まった大臣に、軽く手を挙げて答えるシンジ。
「今日はどうされました?一応来週には『使徒』が襲来します。郊外とはいえ、この付近は戦場になりますから、そろそろ準備を始めたいのですが」
「は…。実はその事で」
「ふむ?どうしました?もしかしてまだ信じていないような方が居るとか?」
「いえ、セカンドインパクトの例もありますから、その事に関しては大丈夫です。しかし、その正体について、秘匿されたままでは納得いかないと…」
「ああ、蚊帳の外なのが気に入らないんですか」
苦笑するシンジ。
まあ、権勢欲が強いほど、自分達が物事の中心に居なければ気が済まないのかもしれないが。
「旧世代の人類の悪しき遺産…だそうです。彼らが自分達の進化の在り様を幾つかの方向性でアプローチしたものだ、というのが我々の見解ですね」
「ほう」
「その中で生まれた存在ですから、広義では我々の兄弟みたいなものだそうです。…嫌でしょう?そんな化け物と兄弟だなんて」
「た、確かに」
「だから発表は避けていたんですがね。まあ、ある程度の生態についてのデータはお渡ししてもいいですよ。ただし第一級秘匿情報ですから…」
目つきを鋭く細め、強い調子で告げる。
「もし仮に流出した場合、例外なく日本の国会議員およびその身内は変死するでしょうね」
国会議員を挿げ替える。それくらいは造作もないのだから。
「…わ、判りました。もう少し調整してみせます」
「期待していますよ」
にっこりと微笑むが、大臣の額には脂汗が。
そこでシンジは唐突に話題を変えた。
「さて、それで…今日はどうなさいます?」
「は?ど、どうとは?」
「ふふ、ここの存在理由をご存知ないわけではないでしょう?」
「あ、いや、しかし…」
普段は国会で堂々と発言し、政治家には珍しく一般の女性にも人気のある男なのだが、今は面白いほどにうろたえている。
シンジがもう一言揶揄を加えようとした、ちょうどその時。
「…!……!?」
「っ!!…?…!」
表が俄かに騒がしくなった。

334 :骨型 :06/02/05 20:30 ID:???
開け放たれた応接室の扉。
そこに現れたのは、ブロンドというには少々くすんだ髪色の女性。
「…ああ、これはミズ・マクランディ」
「シンジ!こ、ここは一体なんなの?!」
「なに、とは。ああ、本宅ではありませんけど、一応我が家ですよ。申し訳ありませんね、僕はこちらに所用があったので」
「そういう問題じゃないわ!!」
「ほう?」
「こんな、こんな非人道的な事…!」
非人道的、という日本語を知っている辺り、かなり勉強しているな、と場違いな連想に行き着く。
「それが何か?」
「何か、って…!」
今まさに血管が千切れそうな程に額に筋を浮かべる彼女。
「訴えるわ!この国が駄目なら、ステイツのマスコミに流してでも!!」
「では、ここの内情を知った上で、ここを出られる、と?」
「当たり前でしょう!!」
「判ってませんねえ」
シンジは大仰に嘆息した。
「僕の招きに応じてここに現れた時点で、否の答えはないんですよ」
「そ!そんな勝手な事―」
ぷつん、と。
まくしたてていた彼女の全身から力が抜けた。
「…貴女がここを出られるのは、誰かの持ち物となった時か、亡くなった時だけです」


335 :骨型 :06/02/05 20:31 ID:???
「失礼致しました、シンジ様、お客様」
「ああ、紫垣。いつもながら見事だね」
現れたのは、瞳の色の薄い男性。
「恐縮で御座います。しかし、久方振りに活きの良い。色々と楽しめそうですね」
「そう。取り敢えず地下へ。後の措置は追って連絡するよ」
「ほう、シンジ様直々に、で御座いますか…」
「それも追って、ね」
「畏まりました」
彼は、碇家に仕える調教師である。
父祖の代から彼の家に仕え、閨事の管理を任されている一族の一人。
先代―シンジの祖父の『商品』の中でも最も見目麗しい者を下げ渡されて『妻』とし、息子と娘が一人ずつ居る。
子が二人できたと同時、掟によって男性機能を―男性器と一緒に―廃し、晴れてゲンドウ、およびシンジ付の調教師となった。
そして次は彼の息子がそしてゲンドウの商品の一人を下げ渡されてシンジ、もしくはシンジの子付の調教師となるのである。
娘も中々の器量であるから、遠からずシンジの妾としてここに迎えられるかもしれないが。
世襲制のこの『役目』を、彼ら紫垣の一族は誇りとしていた。

336 :骨型 :06/02/05 20:31 ID:???

「…ああ、お待たせして申し訳ない、総理」
「いえ、それは大丈夫ですが…」
「…ふむ。いい機会だ。紫垣」
「は?」
ふと、シンジは口許を歪めて女性を抱えた紫垣を呼び止めた。
「総理。この女性は今日付けでここの『商品』となる事が決定しました」
「ほう…?」
「まあ、お待たせしてしまったお詫びも兼ねて、ですが」
ふと、得心したかのように紫垣が目を細めた。
「…この女性を御自分で直に調教なさるつもりはありませんか?」
「よ、良いのですかな!?」
「ええ。アドバイザーにはここの調教師達をつけましょう。ルールは一つだけ。調教師達のガイドに従い、『死なないように』自分色に染め上げてくだされば結構」
「はい、私どもが全面的にご協力致します。気高い情婦でも、卑しい肉人形でも、お好きなように調整してみせましょう」
紫垣も恭しく頭を下げる。
「そ、それは中々に良い趣向ですな」
「ええ。もし納得の行く出来になりましたら無料で差し上げましょう。お気に召さなくても責任持って碇の家で管理致します」
「そこまでしていただけるのですか…」
「誘ったのは僕ですから。一度味見をしてしまったのですけどね?…中々にいい声で啼きますよ」
「ほほう…」
情欲の色を瞳に乗せる大臣に、満面の笑みを浮かべる。
「それでは、どうぞこちらへ」
女執事の案内に従い、大臣は部屋を出た。
これからじっくりたっぷり、大臣は時間の許す限り彼女を陵辱し、調教し、屈服せしめるだろう。
「ふむ。…地下の個室に空きがある間は生調教、ってメニューも案外いけるかもしれないなあ…」
無論、そうそういいタイミングなどありはすまいが。
「まあいいや。さてと、今日の早番は…」
すぐさま興味を失い、『妾』の日程プログラムに目を移す。
「マヤさんか。たっぷり甘えてくれるといいねぇ」

337 :骨型 :06/02/05 21:15 ID:???
「ふひゅうー、ひぃ、ふひゅー…」
三時間後。
息を荒げながらベッドに突っ伏すマヤは、満ち足りた顔でシンジに頭を撫でられていた。
シンジもまた穏やかな顔で手を動かしていたのだが、ふと。
「そういえばマヤさんは、ここの『商品』が余り好きではなかったんだっけ」
「ふえ?あ…うん」
まだ荒い息をつきながらも、律儀にその質問に答える。
「何故?」
「だって…。シンジ君が目移りしないかって心配なんだもの」
ぷっ、と頬を膨らませるマヤ。
「え、でもカエデさん達は?一応目移り、って事になると思うんだけど」
「それはいいの。シンジ君のおうちの事情でしょ?納得はしてないけど…」
一夫多妻。この場合は一妻多妾か。
ゲンドウとは違い、確かにこれはシンジの場合は半ば義務だ。
碇の遺伝子を残す為に。その確率を高める為に、彼の場合は妾でさえも『居なければならない』。
「そりゃ嫉妬みたいなのはあるけど…。それでもちゃんと大事にしてくれるでしょ?」
「そっか。なら僕が彼女達に目移りしないって証拠があればいい訳だ?」
「あ…ひ!?」
くちゅり、と。
まだ熱く潤う秘部をくちくちと甚振りながら、彼女に立つ事を求める。
「ん…なに、するのぉ?」
「そうだね、今日はちょうどいい『証拠』が手に入ったから、マヤさんにも見てもらおうかと思ってね」
それを見ればきっとマヤさんも安心するよ?と微笑むシンジに、マヤは濡れきった瞳を向けてしな垂れかかった。


338 :骨型 :06/02/05 23:41 ID:???
地下室。
「如何ですかな?投薬から一時間。そろそろ頃合ですが」
鎖に両腕と両足を繋がれ、口までも塞がれたマクランディ―ジュディ・マクランディという名なので、今後ジュディと呼称する―は、大臣を憎しみの篭もった目で睨みつけていた。
「なんというか、ぞくぞくとするな。…こう、背筋を走るものがある」
「ええ。しかし、この場にてその行為を許されるのは、ここではこの雌に対してのみで御座います。お取り違えのなきよう」
「判っているとも」
「さて、大臣。そろそろ薬が全身に回っておりまして、女陰等の部位の神経が過敏になっている状態で御座います。刺激なされば、それだけで」
「ふむ。こうかね?」
「ふっ…!ふぐ…ふぅ…!?」
ぐりぐりと股間を踏みつけられて、目を剥くジュディ。
「しかし…」
「はい?」
「先ほどまでの悲鳴を肴に背後から、というのもいいが…」
「こういう屈服しかけ、というのも心奪われるもので御座いましょう」
「ああ…堪らんね」


339 :骨型 :06/02/05 23:42 ID:???
「ふむ。…まだ途中だったか。流石に一般人にやらせると手際が悪い事だね」
「ひ…シンジ君…!?こ、ここ…一体…!」
「プレイの一種として当主達に用意された部屋…なんだけどね」
つまり、調教の様子を見つつ見せつつ、互いに興奮を高めたり、妾に自分との扱いの差を教えたりという部屋な訳だが。
シンジが部屋からマヤの股間に指を差し入れたままであるのも、それが理由だ。
「ン…し、シンジ君、か、彼女…は?」
「この間の出張の時に、コナかけられたんだよね」
「な…!」
「チャーター機のアテンダントさんだよ。声かけてここに招いて、システムの説明をしたら暴れてね」
「あ…暴れ…ひん!?」
「そ。頬っぺた叩かれちゃった」
嘘である。が、マヤはその瞬間眉根を寄せた。快感よりも嫌悪が優った、そんな風情である。
「な、なんてことを…っ!」
「まあ、だからそこでああいう目に逢っている訳。大臣もストレス溜まってるんだねえ、容赦ないや」
「大臣?…あっ!?」
今度は驚愕に目を見開く。
こういう、感情を容易く露にする辺りが彼女の魅力だ。
「ところで…、興奮しない?」
聞きながら指先に集中する。
「あ!あ、あ、ああっ…んんっ!?」
つぷつぷと指を躍らせながら、視線を鏡の向こうに誘導する。
「向こうではああやってここを乱暴に踏みつけられて浅ましく喘いでいる。こっちではそれを肴にしながらこうやって優しく弄くられて悦んでいる」
そのまま首筋、耳へと舌を這わせながら、
「ね?自分が上流階級の嗜好を体感している、って感じ、しない?」
「ひくっ!!」
「鏡の向こうでは、下等な雌が自分を汚す雄に媚びた視線を向けているんだ…。ほら、マヤさん。無様だと思わないかい…?」
「ほ…ほんと…!無様…無様だわ…!」
はあはふ、と食い入るようにそれを見ながら、シンジの指に、掌に、股間を擦り付ける。
「なんて…なんて…獣…みたいな…ああっ!!」
嘲るような笑みがマヤの顔に浮かんだ。
「僕があんなのに惹かれると思う…?」
ぶんぶんと、首を横に振る。
「ね…?だから、安心して。僕はマヤさん達だけにしか心を許さないから」
今度は縦に。
「シンジくん…挿れて…!」

340 :骨型 :06/02/05 23:43 ID:???

「シンジくん…挿れて…!」
「ん?」
「ほら、あんなの挿されて喘いでるわ…あの女…」
ちょうどその先では、大臣によって三本目のバイブレーターを挿し込まれたジュディが、首を千切れんほどに振りたてて悶絶していた。
「私はぁ、あんなおもちゃじゃなくて、シンジ君ので気持ちよくなれるのぉ…。くすくす、ざまを見なさい…」
いい感じにトリップしている。
シンジは前置きもなく、いきなりそこに自分を突っ込んだ。
「ひぐんっ!?」
「どう?マヤさん」
「きか…ないでぇ…!判ってる、でしょう…?」
「そうだね」
「んっ!あはぁ…!どう!?いいでしょう!うらやましいかしら?!ふふ…!うふふふ!」
「ちょっと薬が効きすぎたかなぁ」
あまりの豹変っぷりに、流石にシンジも冷や汗を禁じえなかった。

また、余談ではあるが。
翌朝、この事を聞かれたマヤは顔を真っ赤にして早々に仕事に出てしまい。
そして、ジュディ・マクランディという『商品』は碇家の娼館に人員登録されることはなかった。
大臣が第二東京に帰ったのは、更にこの翌日であった事も付記しておく。



368 :骨型 :06/02/09 02:10 ID:???
初戦、完勝。
それが第三使徒サキエルとの戦闘の全てだった。
これが最初の実戦である(その他はともかく、エヴァでの実戦は最初なのだから嘘ではない)シンジにとっては紛れもなく大金星だ。
初号機の発生させたATフィールドは使徒のそれを容易く侵食し。
両腕を軽々とへし折られ、顔面を殴り潰され、そして
『嬲るのは趣味じゃない』
と言い捨て様の手刀でコアを毟り取られた。
単なる物体と成り果てた使徒を上空へと放り投げ、それを兵装ビルから発射されたミサイルが爆砕する音をBGMにして、シンジは光球を握り潰した。
『弱いね…弱すぎる』

369 :骨型 :06/02/09 02:11 ID:???
「…やはり嬲るのは見目麗しい女性に限る」
「ちょっと…嬲るなんて…ひどい言い方よ…シンジ?」
「ああ、すいませんサツキさん。ですがまあ、さっき口にしてしまったものでね」
「ンッ!?あ、ああうっ!!」
腰の動きをまさしく『嬲る』類のモノに変え、シンジは背後から強く突き上げる。
「まあ、嬲り方にも色々とありますから」
「はあうっ!」
サツキが反論しようとするとすぐさま強い刺激を与え、それに溺れようとしたら今度は動きを和らげる。
「ちょ、こんなの…ひどっひぃん!」
「ん、サツキさんはやっぱりこうやっている時が一番美しいや」
「や、こらぁ…!」
がくがく、と。
「大体、最初に僕を襲ったのはサツキさんでしょうに」
「おそっ…た…んじゃ、ないっ!」
「そうでしたっけ?」
にぃ、と口許を歪めて、サツキの耳を舐め上げる。
それだけでぞくぞくと身を震わせる彼女の耳元で、強く、囁く。
「僕に、酒を、飲ませて!」
ちなみに飲んだのはサツキの自室。
絵画の補習、という名目で呼び出したのは確かにサツキだった。
「酔って、寝ている、僕の!」
「う、うそ…!寝たふり…だった、じゃない!」
やっと、反論したのも一瞬。
「ズボンを、下ろして、これを!舐めていたのは!誰!でしたっけっ!?」
「っ!っ!っっっ!!!」
更に苛烈になるシンジの動きに、喘ぐ事すら出来なくなる。
「ほら!答えて!誰、でしたっ…け!?」
「わ、私…!私がぁ…!!」
「よく出来ました」
途端に、動きを緩める。
「あっ…!」
「はい?」
にっこりと笑むシンジに、『失望じみた』声を上げてしまった己の失策を悟ったのだろう。
「…動いて」
存外素直に、次の言は出た。
「仰せのままに」

370 :骨型 :06/02/09 02:11 ID:???

シンジは、妾にはひどく甘い。
彼が情を交わした女性は二桁の中盤に至るだろうが、その中でも、実はこの四人は別枠と言っていいほど大事に甘やかしているのだ。
故に、彼は最後には寛容にリクエストに答える。
激しく、強く、それでいて嬲るように。
「やっぱり戦った後はサツキさんとスるのが一番相性がいい」
「ふぁ!あっ!あっっ!!ひぁああっ!!!」
「サディスティックな僕を一番悦んでくれるんだから、ね!」
「っ!」
最後にしっかりと腰を押し付けて、爆ぜる。
「ああああぁ…!」
ゆっくりと下半身を弛緩させながら、ぐったりと寄りかかってくるサツキの髪を優しく撫でる。
「…ん、シンジ」
「なに?」
「戦った後は…私とシたいの?」
「そうだね」
「なら、使徒が来るのも…あながち嫌じゃないかも」
「…そういう発言は、不謹慎」
言いながらも、二人はくすくすと笑いあうのだった。

382 :骨型 :06/02/12 01:20 ID:???
「ふむ。まあ、あの戦闘で市街に被害があった、という報告があれば僕は常識というものを疑いますがね」
「はい。…しかし」
「…誰が彼女を表に連れ出したのかは、判明していますか?」
「ええ。既に確保してあります」
屋敷内。始末書を書く必要もなく、腰の抜けたサツキと一緒に帰宅したシンジは秘書―アオイから一つの報告を受けた。
サツキを部屋に送り、自室にてその報告を聞いた彼は、眉間に皺を寄せて不機嫌を隠そうともしない。
「名前は鈴原アキナ。外傷はなし。しかし至近での戦闘行為を見て重度の心神喪失状態だそうです。技術開発科の鈴原三尉の長女だという話ですが…」
「鈴原…?トウジの血縁ですか」
「はい。三尉とともに病院に集まっています」
とまれ、命に別状はないというのだから過剰な心配は要らないだろうが。
「判りました。父に連絡を。犯人は僕が直々に尋問しますから、手を出すなと」
「はい、確かに」
部屋を辞すアオイ。
実験と書類整理、戦闘準備などで帰国以来学校と離れていたシンジにとって、初めてその事を思い出させる一件がこれだった、というのも不機嫌に拍車をかける一因だった。
「さて、では戻りますか」
本来だったら上機嫌でアオイを押し倒していた筈なのだが。
サツキを抱いて満足した訳ではないが、こう鬱屈した気分を妾の誰かにぶつけるのは、シンジのよしとする所ではなかった。

383 :骨型 :06/02/12 01:21 ID:???
「ほう。なるほど」
取調室前。
外からその中を覗き込んで、シンジは目を細めた。
「案の定と言えば案の定。戦自のタカ派の狗ですか」
鷹の狗、というのも語呂としては異なものだが。
椅子に拘束されているのは、一組の男女。所持品は没収され、更には弛緩剤を注射されて動きを封じられているから、自殺すら出来ない。
「知っているの?」
横から一緒に覗いていたミサトが聞いてくる。
「ええ、まあ。戦自の工作員ですよ。一応七割はこっちのデータベースで確保している筈ですが…ミサトさんこそ、ご存知ない?」
「あ、あはは…」
作戦立案以外にはとんとざるな上司であり部下―戦闘中は上官だが、普段は階級上では部下である―の苦笑に、溜息で返す。
「オーファンチーム、ってご存知です?」
「孤児部隊…孤児の部隊?」
「そうです。セカンドインパクトのどさくさで戸籍を無くした孤児たちを秘密裏に保護して育て上げた特殊部隊です。体のいい実験部隊ですね」
何しろ、死んだところで部隊員以外に悲しむ者は居ないのだ。
「色々極まった思想教育を施していたらしいですが、今回はそれが仇になる」
その思想教育は多岐に亘るが、最大の特徴は部隊そのものを『家族』として捉えている事にある。
そうやって縋るモノを用意した上で、それを土台にした各種教育を行うのだそうだ。
中の二人はスパイである。そして行動に移るまで確保されなかったという事は、抜け目なく第三新東京市内に潜伏していたということ。
元が孤児であるからこそ、彼らにはちゃんとした道徳、倫理観念を植え付けた上でスパイとしての教育を施している。シンジはそう踏んだのである。
そうなれば、男女であればこそ崩すのは容易い。
「さて、始めますか」
シンジはとてもとても酷薄な笑みを浮かべて部屋へと入った。



384 :骨型 :06/02/12 01:22 ID:???
「さて…。話してもらおうか」
弛緩剤が効いているのを確認し、女の方の拘束を解いたシンジは、抵抗できない彼女をまず全裸に剥いた。
その上で再び椅子に拘束し、背後からその体にやんわりと指を這わせたのである。
「っ…」
無論、男の視線がこちらに向くような場所に椅子を置き換えてから、だ。
「とはいえ、薬が抜けるまでは喋るのも難しい、か。…暫く待っていてあげよう。話せるようになったら言うといい」
言葉を向けられたのは、男の方だけだ。
「それまでの間、僕はこの柔らかさを堪能させてもらうとしよう」
シンジの指先は巧みであった。
薬が効いている為か、普段の彼の技巧にしてはゆっくりであったが、徐々に女の肌に赤みが射していく。
「ふむ、中々に柔らかいな」
「うぅっ…うっ…うぁ…」
ねっとりと。そんな言葉が似合うような動き。
じっくりと、長い時間をかけて。
「だが、ボリュームが足りない。正直もう少しあった方が僕の好みには合う」
乳房への刺激から、その中心へと。
「っ!うぅぅーっ…!!」
「脇腹も実はなかなかイける人には溜まらないそうだね」
「ひぅぁ…!」
「うぐぁぁぁっ!」
呻いたのは女。同時に男も叫ぶ。
体を絶え間なく震わせる女に悲しげな視線をやり、同時にその背後のシンジを憎悪に塗れた目で睨みつける。
「どうした?話す気にはならないか?」
「…だ…れ…が…!」
「そうかい?それならば…」
シンジは、女の体の上で優しく這わせていた手の動きを、一気に攻撃的なものへと変えた。
「ふぅぁぁぁっ!?」
「彼が喋れるようになったなら、君ももう喋れるだろう?と言うことは、弛緩剤の効果はかなり薄れているという事だね」
びくんびくん、と跳ねる女体。
反応が良い。長時間の愛撫のお陰である。
下地は出来た。
「ならばこうしよう。彼が今回の件に関して僕が聞こうとしている事を言えば、嬲るのを止めてあげよう」
「き、貴様…!!」


385 :骨型 :06/02/12 01:23 ID:???
ぎりぎり、と歯を軋らせる男。
「ふむ?」
きゅっ、と左の乳首と淫芯を捻る。
「ひぃぃっ!!」
口から涎を垂らす女。
シンジの技巧は伊達ではない。
妾四人との夜や、摘み食いする女性の遍歴は、それこそそこらの大人よりも数段濃い。
それにじっくりたっぷりと弄ばれれば、その結果など明らかだ。
「あう!ああう!ああああっ!!」
女の見目が予想以上に良かったのも、シンジの動きを苛烈にさせた。
だが、決して絶頂はさせない。
そうなりそうになると巧みに動きを緩め、反応していたのとは違う場所へ優しい刺激を送る。
「どうだい?喋るつもりになったかい?」
そして男が首を横に振るのに満足すると、再度女を責め苛むのである。
「い、いやあ…っ!!」
案の定、先に音を上げたのは女の方だった。
「いやあ!もう、もういや!ねえ、ねええっ!!」
縛られた体をじたばたと暴れさせながら、女はこちらに向けて大声を上げた。
シンジはその頭を撫でながら、告げた。
「欲しければ、強請るんだ。浅ましく、目の前の彼にも聞こえるように大声で、ね?」
「あ…ああぅ、下さい。下さいぃぃっ!お願い、挿してぇぇ!!」
「どこに?済まないが口は駄目だ。噛み切られてしまうと困るからね」
仮にこれが演技であるならば―どこぞの映画賞で助演女優賞の一つも取れそうな演技力だが―口に入れた瞬間に噛み千切られるのは想像に難くない。
だから一言忠告を入れた訳だが、彼女のどろりとした目を見ればそれが杞憂だったのは直ぐに知れた。
「こ、ここ!この、気持ち良くなるところに、挿して!入れてぇっ!!」
「ふむ、よく言えました」
シンジはにっこりと微笑み、
「でも駄目」
爽やかに拒絶した。

386 :骨型 :06/02/12 01:23 ID:???

「な、何で!?」
「だってこれは尋問だからね。君が望む通りにして上げる訳にはいかないんだ」
にい、と口許を歪める。
「じゃ、じゃあ!私、言うから!!何だって喋るからぁ!お願い、ねえ、お願いよっ!!」
「駄目駄目。こうやって強要しての発言には証拠能力がないんだから。こうやってお願いしている彼に喋ってもらわないと、意味がないんだよ」
だから、と続け。
「彼がもし、喋ってくれたなら、君のその願い、叶えてあげよう」
「ほ、本当?」
縋りつくように問うてくる彼女に、鷹揚に頷く。
「ええ」
と、女は突如顔を反転させ、鬼のような形相で男に叫んだ。
「ねえ、言って!言ってよ!!言いなさいってば!!」
「…馬鹿な」
失望を表情に浮かべ、首を横に振る男。
だが女は食い下がる。
「早く言いなさいよっ!このままじゃ、このままじゃアタシ、狂っちゃうんだからぁっ!!」
「だが…何と言われても…」
「この鬼畜!クズ!外道!女の敵!!アンタみたいな奴が居るから―」
「くく…」
どのような気分だろう。
こうやって『家族』に罵られる気分は。
「…判った。話す…」
数分後、男が折れるまで、女は狂れたように男を罵倒し続けた。

387 :骨型 :06/02/12 01:26 ID:???
「あっ…!あはああっ!いい!気持ちいいっ!!」
ずんずんと下から突き上げられ、女は恥じらいもなく声を上げる。
待たされた意趣返し、とでも言うかのように激しく動き、その様を男に見せ付ける。
なかなかに締まりも良く、もう少し楽しもうかとも思ったシンジだったが。
「ふむ、それでは次の質問だ」
更にもう一つ揺さぶりをかける事にした。
「この街には何人のお仲間が居るんだね?」
「…」
「おや?」
「言えると、思うか」
直属の、命令を出した上官の名を挙げてしまった彼だ。
ここでの様子はモニターされているから、今頃ゲンドウ辺りが梃入れを始めているだろう。
そういう意味では、もう心情的にも何かをばらすといった事はしたくないのだろう。
「そう」
それを聞いたシンジは、突如腰の動きを止めた。
「…え?」
動きを止められ、あまつさえ体を離そうとするその動きに、再び女が反応した。
「な、何で止めちゃうの!?」
「…彼が非協力的だからね。君を尋問しても情報が得られないなら、別の方法を―」
「い、嫌ァっ!?」
半狂乱…いや、既に狂ってしまっているのかもしれない。
このノリの良さには、だが逆に少々引く。
(ちょっと確認してみるか)
そのまま女を下ろし、電話を手に取る。
「ああ、リツコさん?」
『何かしら』
2コールで出た技術部責任者に、問う。
「今、狗どものの尋問中なんですが」
『ええ』
「弛緩剤に何か混ぜました?」
『催淫剤と自白剤を少々。私が調合したやつだから、混ざって危険なものではないわ。安心して』
「…ああ、プレイ用ですか」
『ええ。実地テストには丁度いい素材でしょう?』
「確かに。有難うございました」
何となく得心して、シンジは受話器を下ろした。
「さて…」
そのまま視線を二人に向ける。

388 :骨型 :06/02/12 01:26 ID:???

「――!!」
「…」
叫び喚く女と、黙って歯を食いしばる男。
男の口許には血が滲んでいる。
「で、どうするね?」
男の肩に手を乗せて、最後の問いを行う。
「好きに…しろ」
「そうか。…良かったね。話してくれるってさ」
「…!本当!?」
「…ああ」
「さあ。どうして欲しいのか、ちゃんと態度に示してくれるかい」
「はいぃ!判りましたぁ…!!」
もぞもぞと、拘束されたままで二人に背を向け、嬉々として尻を持ち上げる女。
「尋問、してくださいぃ!!」
「いいだろう」
「ふぁぁ!いぃぃ…っ!!」
「くっ…」
目を背ける男に、シンジは無慈悲に告げた。
「…さあ、最初の質問だ」


翌日。
突然の事ながら、戦略自衛隊の組織再編が行われた。
罷免された幹部は五人、左遷された者はその倍。
そしてその全員が三日以内に家族ともどもネルフに拘束され。
今度はシンジではなく、本物の尋問官によって苛烈な拷問を受ける事となった。
この三ヶ月後、戦略自衛隊では再び大粛清人事が行われる事となる、が。
この一件はその起点とも言える事件であった。


406 :骨型 :06/02/14 23:43 ID:???
「学校?行かなくてもいいじゃない」
アオイがじろりとこちらを睨んでくる。
なんというか、可愛らしい。
公私を分ける、と言ってもここまで違うのはどうなのだろう。
「いや、一応僕は学生だし」
「そういう問題じゃないの」
中学生にこうも甘えるのも含めて。
寝室、ベッドの中。
昨夜、色々な意味ですっきりしてネルフから帰宅したシンジだったが、寝室に入った瞬間全裸のアオイに押し倒された。
そのまま朝まで相手をするのを強要されて、終わったのが一時間前。
今はシャワーを浴びてきたついでにリビングでパンを胃に収めてきた所だ。
「徹夜させられたのは久しぶりだなあ…」
「だ・か・ら。ほら、私の胸を貸してあげるから♪」
「駄目。レイからも今日は出るように言われているんだから」
「…むう」
「ああもう」
なおも駄々をこねるアオイの唇を奪い、一気に蹂躙する。
「ん・ん…んっ!」
「帰ってきたら存分に相手をしてあげる。それまでちゃんと仕事をするように」
「判ったわよぅ…」
頬を膨らませながらも、一応納得してくれたらしい。
髪を軽くかき上げて整髪料をさっと吹きかける。
シャツに袖を通し、真新しいズボンを履いて。
(さて、今日は誰の『匂い』をつけて帰ろうかな…)
シンジは寝室のドアを開けた。

407 :骨型 :06/02/14 23:44 ID:???
黒塗りの車が停まり、運転手が急いで下りる。
「到着致しました、シンジ様」
「ご苦労」
開けられた後部座席から悠々と降りるシンジに、向けられる数多の視線。
好奇やら驚きやら嫌悪やら羨望やら。
だが、そんな中にあって二人の少年が彼に近づく。
「よう、センセ」
「やあ、トウジ」
「一佐、おはよう」
「おはよう、ケンスケ」
二人の挨拶に笑顔で返し、校門をくぐった頃、
「おはよう、兄さん」
「おはよう、レイ」
レイが後ろから追いついてくる。
『屋敷』に入る事ができる女性は、『本妻』か『妾』か『商品』だけ。
上記のような碇家のルール、そして情操的な悪影響等が鑑みられて、レイは屋敷に住む事は許されていない。
故にミサトの家に下宿、という体裁を取っているのだが、
「昨日はミサトさん、遅かっただろ?」
「なんかもじもじしてたわ」
「…やれやれ」
兄としては奔放な部下の方が妹に悪影響を及ぼさないかと心配しきりだったりする。


408 :骨型 :06/02/14 23:44 ID:???
昼休み、屋上。
「ね…ねえ、碇くん」
「ん?」
友人二人、そして妹と昼食を食べていたシンジの前に現れた、お下げの少女。
「ああ、ヒカリ」
一緒に食べるかい?と問い返すと、既に食べてきた、との返事。
「じゃあ、どうしたの?」
「ん…あのね?」
途端にもじもじとし始める少女に、シンジは少々意地悪な笑みを浮かべた。
「ああ、そうか。…そう言えば、今日だったね?」
「え、ええ」
「それじゃ、食べ終わるまで待っていてくれるかな」
「判ったわ」
「ええんか?センセ。イインチョが待っとるやんか」
「構わないさ。どちらにしろ、ちょっと時間がかかるからね」
だがシンジは、先ほどより心持ち早い速度で食事を再開し、
「さあ、行こうか」
ヒカリの肩を抱いて屋上を後にした。


409 :骨型 :06/02/14 23:45 ID:???
「で…だ」
応接室。ソファに対面する形で座ったシンジは、こう切り出した。
「実は今日の所は午前中に済ませて来たから、別にヒカリの力を借りる必要はないんだよ」
「え…」
悲しそうな顔をするヒカリ。
「いや、済まなかったね。わざわざ昼食を早めに切り上げて僕の為に来てくれたんだろ?でも今日は誰かに手を出そうとはしないから安心してくれていい」
「そんな…」
俯き、震えだす様に、内心ほくそ笑む。
「何故だい?」
「…え?」
「君が何故そんな悲しそうな顔をするのか、それが理解出来ないんだ、僕には」
「そ、それは…」
答えに窮し、顔を背けた彼女の死角から近寄り、
「…そもそも」
「ひぅ?!」
そっと首筋に指先を這わせる。
「僕が家訓の『妾選び』の為に女性に手をつける事に難色を示したのは君だろう?」
「う…うん」
そんな家訓はない。
あっても普通信じない。
「まあ確かに、風紀的には問題だよね?だから君の譲歩案に乗ったんだよ?」
そのまま指を胸へと下ろしてかすかに刺激し、腹を通って臍の辺りへ。
与えられる刺激に、ぴくぴくと震えだすヒカリ。
彼女の出した譲歩案、それは。

410 :骨型 :06/02/14 23:45 ID:???

「そ…それは…それはぁ…」
「ね。僕は女性が悲しい顔をするのが嫌なんだ」
優しく声をかけるシンジ。だが、下腹に這わせた指は止まらない。
「ヒカリ…。僕は何か勘違いをしていたかな」
直接触れてもいないのに、既にくちくちと水音が聞こえつつある。
「僕は『君が僕の性欲解消に付き合うから、大っぴらに妾選びをしないように』という案だったと記憶しているんだけど、違った?」
「ち…違わない…あっ、あっ!!」
秘部だけは避けて、指を躍らせる。
息がかなり荒くなってきた彼女の頬に自分の頬を摺り寄せながら、囁く。
「…ねえ、ヒカリ」
「ふぁ…?」
「僕はヒカリの事が気に入っているから、君が僕の妾候補になってくれるなら、この学校では新しい妾を選ぶような事はしないって約束してもいい」
「…え?」
きょとん、と。
感じる事も忘れて、こちらをまじまじと見てくるヒカリ。
「まだ僕達は若いから。君を妾として屋敷に囲う事は出来ないけど、専属の人をつけて『候補』として勉強してもらう事は出来ると思うんだ」
「あ…あの…」
言ってみれば、旧家・碇家の側室として娶ると宣言しているようなものだ。
彼女の父とて、ネルフで働く人間である。碇家のことに関しては、或る程度知識を得ている。
と言うよりも、同級生になる、と決まった折に父から色々と言い含められている。
「急な話だとは思うけど、でも結構前から考えていたんだよ」
そう。彼女は磨けばかなり光る。
そうでなければ、指摘された際にでも自身の権力を振りかざして―佐官なのだから、一人の技術部員の首くらいはどうとでもなる―家族ともども放逐していた筈だ。
同級で、家の事情を知りつつも彼に真っ向から意見を言ってくる程の気骨。得がたいし、惹かれたのも事実だ。
「う…うん。考えてみる…」
「良かった♪」
つぷ。
「ふああああっ!!」
「それじゃあ、ヒカリ。ここからは僕が楽しむ為の行為じゃないよ」
「…じゃ、じゃあ、何なの…?ああ!」
「恋人同士の逢瀬。君にも愉しんで欲しいな…」
秘部を掻き回しながらの言に、ヒカリはゆっくりと頷いた。
「気持ちいいよ…碇くん…ンッ」

411 :骨型 :06/02/14 23:46 ID:???
放課後の教室。
「皆、帰ったようね」
視線を巡らせ、満足げにレイは呟く。
残った生徒はたったレイの他に二人。
トウジとケンスケだ。
「な…何の用や…」
「トウジ…止せよ」
視線を合わせずに言い捨てるトウジと、それを諌めるケンスケ。
「判っているでしょう?『いつも通り』、確認をするのよ」
「そないな…」
更に反論しようとするトウジを、視線だけで黙らせるレイ。
そのまま、続ける。
「兄様とあくまで友人として接し、その心を安らげるのが貴方達二人の役目」
「ワイは…シンジの友達や。それで…それでええやろ」
「ええ。それでいいわ。貴方達は実によくやってくれている」
「お、おう」
「だからこれは私の勝手な行動よ」
そっと制服を脱ぎ、下着姿になる。
上品なシルクの上下。ごくりと唾を飲む音が聞こえる。
「あ、綾波…!」
ケンスケが伸ばしてきた手を、無慈悲に払う。
「…私を抱きたいのならば兄様の為に働きなさい」
そして告げるのだ。
シンジが彼女を褒美に渡す、と言ったその時、私は貴方に組み敷かれる事を許すだろう、と。
これもまた、『いつも通り』なのである。
教壇の上に、足を組んで座るレイ。
「嗅がせてあげる。鈴原、相田。傅きなさい」
「「は、はい…」」
正座し、彼女を見上げる二人の下僕。
それだけで、彼らは一瞬のうちに『シンジの友達』から『レイの下僕』へと変貌する。
小さく口許を歪めて―その仕種はシンジにとてもよく似ている―レイが、頷く。
二人はそれを待ちわびたかのように目を輝かせると、レイの側へと走り寄った。


412 :骨型 :06/02/14 23:46 ID:???
「…はぁ…はぁ…ひいさん…レイのひいさん」
太腿の側、目を血走らせてじっとショーツを見つめながら、懸命に鼻を動かすトウジ。
触れる事は許されていないからと、ひたすら愚直に凝視し続ける。
対して。
「あ…嗚呼…」
裸足の先に鼻を突きつけていたケンスケ。
トウジ同様に下から上へのアングルを堪能していた彼だったが、とうとう我慢できなくなったらしく、口を大きく開いた。
「…相田?」
「んむ…んぶっ」
親指を咥え、咥内でちゅるちゅると舌を這わせる。
「…何をしているの?」
「…え」
ふと我に返る彼を見るのは、二人の冷め切った視線。
「何をしているのか、と聞いているのよ。相田」
「あ…あの。おみ足を…清めさせて頂こうかと」
取り繕う言は、冷徹な一言によって打ち砕かれる。
「私は言った筈ね?『嗅がせてあげる』と。それ以外の事を許した覚えはないわよ」
「お、お許しを!!」
「駄目。兄様のお役に立つ訳でも無し、私の言いつけを守る事すらできない。そんな愚物を何で許すと?」
「あ…ああ…う」
瘧のように震えるケンスケ。
「ふん、無様ね」
「うう…あぁぅ」
くすりと侮蔑の笑みを向けるレイ。
ぐり、とケンスケの眼鏡に吸われた指を押し付け、告げる。
「許して欲しいのならば、兄様の為に死になさい。友人として尽くしながら、同時に命を賭けなさい。そうすれば許して上げるわ」
「わ、判りました…!判りましたからっ…!!」
「本当に無様」
傅く二人を視線の端に、落胆を込めて吐き出す息に乗せたのは、ただ敬愛する実兄への想い。
愛されるのではなく、妹として愛でられる宿命に身を焦がす彼女の、鬱屈した心がこう言った行動に結びつく。
曰く、兄様は自分に様をつけて呼ばれるのを好まないから。
曰く、兄様は公私を混同なさる事を良しとしないから。
曰く、兄様は私の知らない所で色々な女に情を与えて居るから。
「はぁ…兄様」
彼女は理解している。
これはヒカリへの嫉妬なのだと。



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