わたしはだあれ? 2020


78 :引き気味 :05/10/21 14:46 ID:???
「……?」
「あら?」

はてなと顔を見合わせる寝巻き姿の奥様ふたり。
碇家の新婚新妻、碇アスカは、明かりも落ちた寝室への廊下で不意に立ち止まった。

「……なん、でしたっけ? お義母さま」
「ええと、なんだったかしらね、アスカちゃん」

姉ほどにしか見えない義理の母、ユイも目をぱちくりと。
たわいもない話の合間にふと訪れた沈黙だったか、それにしては何だか変な……と、二人して捻る首。
先にどうぞと目で促してみて、促されてみて、やがて奥様ふたりはオホホと苦しい愛想笑いに困り果てた。

(……いやだわ、こういうのもボケって言うんだったかしら。そんなわけないわよね
(こ、こういう時は嫁の方から――って、な、なんでかしら……?)

なに話してたのか思い出せないわと、自分の脳みそを疑うわけにはいかない才女二人が脂汗を浮かべ合う、そんな変なお見合い状態。
たわいもない話の筈だったし、とりあえずまた適当にお茶を濁してしまえと焦る彼女らであったのに、何故かどうしてか引きつる口元に碌な続きが出てこない。
焦れば焦るほどにで、自慢の頭が突然錆付きでもしたのかのプチピンチであった。

「その、あ、えーと」
「ああっ、そうそう! なんて言ったかしら、隣の木庭さんちの飼い犬の……。なんでも急にお座りもお手も忘れてしまったとかで、その、オチンチンも……」
「さっ、最近なんだか増えてるみたいですよね。も、物忘れし易い季節なのかしら、あは、あはは……」

そうこうして、決まりの悪さも引っ張るには限界かといよいよ弱りきったアスカにそんな時、鼻がむずむずと、

「クシュン!」

夏の夜とて、風呂上りの肌薄着のパジャマで包んだだけの立ちっ放しで、体が冷えないわけがない。

「……そ、そろそろ寝ましょうか、アスカちゃん。風邪ひいちゃいけないものね」
「そ、そうですね」

79 :引き気味 :05/10/21 14:47 ID:???
気恥ずかしげに頬を染めながらも、アスカは内心ほぅと息を吐いていた。
二世代住宅で共に暮らそうというほど良好な嫁姑関係であっても、それでもやはり、みっともないところは見られたくないのだから。
折り良く廊下の向こうからおおいと呼ぶ夫の声もして、嫁と姑は声を掛けるとそれぞれのベッドルームへ別れた。

(……はて?)

まだ何だかボケてしまっているような、ぺたぺたとカーペットを踏む足取りにも不確かさが付きまとうような、釈然としない気分を互いに拭えぬまま。

(ま、いーわ。後は寝るだけだし……って、やだ、ちょっと待たせすぎちゃったかしら。拗ねさせると、またヘンなことされちゃったりして)

それも悪くないわね、うふふ、と。アスカは頬の火照りを熱くしつつ、夫の待つ寝室へ入った。


 ◆ ◆ ◆


(まだ若いつもりだし、実際若いはずなんだけど、いやねぇ……。やっぱり、アスカちゃんみたいに若い子と暮らしてると、比べちゃってるのかしら)

軽くしょんぼり肩を落としたユイは、ベッド際で文庫本を広げていた夫の横にすとんと隣掛けると、ねぇと甘えた声を出した。

「わたし、まだアスカちゃんに負けてないわよね?」

いつもは夫が脱がせる寝巻きを今夜は自分で脱ぎ落として、ナイトランプの柔らかい明かりに乳房を晒す。

「……あすか、ちゃん?」

手元にしげしげと落としたままだった目を怪訝そうに起こした夫は、ユイの見せた積極さに驚いたのか、ぐびりと喉を鳴らして文庫本を取り落とした。

「ふふ、あなたったら……、そんな真っ赤になってどうしたんです?」
「……え? いや、その……」

80 :引き気味 :05/10/21 14:47 ID:???
その、男のくせに下手をすると女の自分よりもすべすべとした頬にむしゃぶりついて、ユイは熱い吐息でキスの雨を降らせる。
かたちではと自慢に思う胸に、夫の目が釘付けになるのが女として心地よかったのだ。
しどろもどろに狼狽する夫を可愛いとさえ思いつつ、その胸にそろそろと伸びた男の手がやがて情熱的に揉みしだき始めたのに、うっとりと鼻声になりつつ、

「あん、こんなに硬くして……なんです? もう挿れたいの? 今晩はやけにせっかちなのね。そんな、若い子みたいにがっついちゃ嫌ですよ……っあ、ああん! いきなり……っ、んんぅ〜ンン」

 ◆ ◆ ◆

淑やかなひとの、はしたなく悦ぶ声が聞こえた気がした。

(……気のせい、でもないか)

ちゅぷんと、夫に被せて奉仕していた唇を休めた拍子、外したその間に透明な糸が伸びる。
アスカがたっぷりと舌を絡めて塗りこんでやった唾と、その甲斐あって硬くじゅくじゅくと漏らし始めた先走りの淫らに交じり合った、粘液質の糸橋がだ。
その糸引く感覚がもたらす無作法をしているという実感が、跪いた足の間に熱を誘う。
欲しい。そのじりじりと焦がされるかに似た欲求に身を任せ、アスカは口元を拭って、仰臥する夫の上によじ登った。

「ふふ、意外と激しい方なのかもね」
「何の話だ?」
「もうっ、ユ……っ、んっ? んぅ……その、お義母様のことよ。聞こえてくる気がしない?」
「……? 誰と比べてか知らんが、君も随分と好きな方じゃないのか? 寝室の防音はしっかりしている筈だが――」

こちらの逸る気持ちを知っているくせに、不遜にもまるで協力しようとしない。
奉仕させる一方の憎らしい男は、腰の位置を合わせようとアスカがしなやかな足を動かし跨いで、細い指に開かせる花びらの様子を揶揄して言う。

「恥じらいをまるで知らんその有様では、君の声こそ近所中に響きそうだな」
「……まっ!」

真っ赤になろうと、紅茶色の茂みまで浅ましく濡れそぼつかせ、蜜の涎をたらたらと垂らすそこだ。

「どれ――!」



81 :引き気味 :05/10/21 14:48 ID:???
強かに羞恥心を喚起させられた女の口ごもりに、歪んだほくそ笑みが強引に隙を突く。
アスカには思いもかけない俊敏さ。
ぐいと体勢を入れ替えてきた夫は、女の細い両手首を一つ手に押さえつけてしまうと、腕を掲げ脇を晒す、さながらベッドに磔の無防備なところへ、その髭面を近づけた。
片手に持ち上げるのは、アスカ自身が先ほど脱ぎ下ろしたショーツ。

「恥を掻かされては堪らんからな」

ニヤリと言い放って、美しい顔に近付け見せつけられた『まさか、ちょ、ちょっと……!』の慌てぶりを軽く無視。

「咥えていろ。いくぞ」
「ンンッ!? ンッ、ンンー!」

猿轡代わりに自身の下着を口に押し込められてしまい、白黒とさせていたサファイア色の瞳も、夫の逞しい腰がぐいぐいと突き込みを繰り返してくる内にとろんと潤みきり、やがてくぐもった喘ぎに喜悦の涙をこぼす一方となっていった。

「ンンッ、ンッ、ンゥウウ! ン、フーッ、ンフゥーッ! ンンゥンンンー!!」


 ◆ ◆ ◆


盛りのついた牝猫のように、憚りを知らぬ声を上げる女たちの夜。
紛れるようにして、床下を遥か地下から響いた鳴き声を聞いた者はいない。
それはもっと猫科の、そのもので――。

“ニ゛ィ、ャァアアア゛ア゛ァァァ……!!”

地の底を行く何者かの反応をNERVがキャッチした時、それは既に手遅れだった。
非常召集に集う適格者と司令官たちの夫婦に向けられる、スタッフの怪訝な顔。

『ええと、アスカ? いつも言ってるけど、職場じゃ上司と部下なんだから、そんなことは家でしなさい……って、はて、なんでアスカと司令が結婚してるんだっけ?』
『おいおい、あんまり野暮なこと言うなよ葛城ぃ』
『そうよ。だから欲求不満ならさっさと加持君と覚悟を決めてしまいなさいって。いつまで煮え切らないことしてるんじゃないの』
『良いこと言うね、リッちゃん。……ってワケだし、早速この先の話でもしないか? 落ち着ける静かな場所でも探して』
『……そう、誘っているのね』
『うん? いつから目、赤くなんかしてるんだ、葛城? ……まぁ、いっか』
『んあっ、あ……。そこは、ダメ……っ』

82 :引き気味 :05/10/21 14:48 ID:???
――混迷を深める第3新東京市。
そういえば戦闘配置だったっけかと、思い出したようにエントリープラグが三体のエヴァへと挿入されるも、その専属操縦者たちはどうしても思い出せないシンクロ手順に唸るばかり。
そしてついに、ネルフ本部を囲むようについに現れた三体の敵性巨大生命体。
ネルフのエース、エヴァ初号機は、日向マコト管制官が発進ゲートを開き忘れたままGoサインを出した射出によって自爆自損。
閉じたままのゲートを突き破った首だけ露出の勇姿で、敵生体に相対する。
エヴァパイロットきっての天才、アスカの駆る弐号機は、対象の識別を誤ってケージ内で味方零号機にフルパワーパンチ。
返されたクロスカウンターで沈黙した。
ネルフの最高機密使徒たる綾波レイは、人間への擬態の仕方まで失念して巨大化。
リリスとして顕現した巨体を、しかし発令所に鳴り響くパターン青のサインにさえも意味を失ったスタッフは、『使徒って、なんだったっけ……?』と揃って首を傾げて立ち尽くす。

“敵巨大生命体の放つ特殊電磁波を、有機生命体の正常な思考を妨害するものと推察す”

MAGIの回答も弾き出されるには遅きに失した。
MAGI自身さえ、その心臓部たる生体部品思考回路を侵食され――。

迫るネルフ陥落。
誰もが恐怖無き滅びを迎えようとした大空に、銀の巨人は舞い降りる……!

NEON GENESIS EVANGELION × ULTRAMAN MAX

Crossover Episode 『わたしはだあれ? 2020』

近日公開未定!

83 :引き気味 :05/10/21 14:50 ID:???
……ふと思い浮かんだ。
最初はスワップシチュに使えないかと思っただけだった。
いくらなんでも仕掛けに無理がありすぎると思ったらもうあとはネタに走るだけだった。
折角の宇宙化け猫なのに、リツコを絡められなかったのは面倒だった――もとい、残念だった。
今は後悔している。

だが、私は謝らない。

84 :PDX. :05/10/21 15:37 ID:???
>>83 引き気味さん
 何か変だと思っていたらそういう仕掛けでしたか(^_^;
 事態が収拾してから、だけど碇家の寝室では時々奥様が入れ替わっている……なんてのがオチですかね?(笑)

85 :引き気味 :05/10/21 15:53 ID:???
まぁ、ぶっちゃけた話が先週の『ウルトラマンマックス』パロですから、真面目な文体で書くとさっぱり仕掛けが伝わらないという、欠陥含みですね。
『マックス』での展開を踏襲すると、挿入する場所を忘れ間違えて“後ろ”にとか、そんなギャグになるんでしょうけど(w

86 :PDX. :05/10/22 19:46 ID:???
>>85 引き気味さん
 もしこれがコウガマン相手だったら、まぬけ時空発生では勝てないわけですけどねぇ(笑)

87 :なーぐる :05/10/23 22:59 ID:???
あの手の記憶操作系、現象操作系(ブルトンとか)は映像をどう操るか技量を問われる
怪獣でもありますね。
まあ、それはおいといて、好意を向けていた相手をねじ曲げられるとか。
妄想が広がるところが素敵です。

「なんで、どうして、私、私…。シンジ君じゃなくて、相田くんなのに…。
 相田くん相手に胸をときめかせてるの? ああ、私が私じゃないみたい」
「ああ、アスカちゃん。俺は加持さんと違って、来る者を拒まないたちなんだぜ」

あるいはエヴァの体になったユイさんが、ピンチで現れた銀色の巨人を唐突に押さえ込み、

『ジュワッ、じぇっ、ジェァアアアアッッ!」
「エヴァ初号機、拘束具を除去! ぎ、銀色の巨人を押さえ込み、え、ええぇぇぇ〜〜〜!?」
「マヤ、報告はハッキリ正確に!」
「む、無理です、見てられません! あんな、あんな大胆な」
「おおう、テクニシャン」
「馬鹿なこと言ってるんじゃないわよミサト! ええい、この色ボケどもはどいつもこいつも!
 司令、どうします…ってこっちはこっちで燃え尽きてるし。
 あああ、人類初の異性生命体との第一種遭遇が」


キングジョーはもっと重量感が欲しかったなぁ。分離回避は美味しかったけど、
やはり攻撃を物ともしない防御力と超パワーこそが、キングジョーの売りだと思うし。

index

From:エロ文投下用、思いつきネタスレ(6)