痴漢ネタ

220 名前:投稿日: 2003/07/27(日) 18:33
 どこからともなく伸びてくる指先が戦慄く乳房の先端をごく軽く摘み、
反射的に全身を強張らせると、ほんの少しだけそこを指の腹で擦り上げ、
煽るだけで決して満足はさせずに引いていく。
 わずかなインターバル。
 だが、再び別の角度から忍び寄ってきた手が、今度は短めに改造して
ある制服のスカートの裾を引き上げた。
 淫らな小人がゆっくりとした足取りで太腿の裏側を上の方へと上って
いき、やがて滑らかすぎるその斜面を滑り落ちないようにとでも言うの
だろうか、下着の縁にぶら下がった。
 手掛かり、足掛かりにするには脆すぎるそれは、しがみついた小人の
重みにさえ耐えきれず、少しずつ下方へと引き下ろされていった。
(くぅ……)
 屈辱感に涙さえ零れそうだった。
 これが彼女を襲う毎日の悪夢。
 毎朝毎夕の通学電車の中で、誰とも知らない指先によって高ぶらされ、
啜り泣かされ、辱められる。
 学校では持ち前の明るさと、憎めない愛らしさで人気のある彼女が、
どうすることも出来ない悔しさに唇を噛み締めながら、声だけは漏らし
てたまるかと必死に手摺りにしがみつく。
(……もっと最初の頃に勇気を出してれば、こんな事にならなかったは
ずなのに……)
 じわじわと内腿が湿り気を帯びていくのを感じながら、マナは目尻か
ら零れそうになった涙を手の甲で拭った。
 抗えないのだ。
 この指先が与えてくれる快感は、ずっと片思いを続けている少年を想
い、自らを慰めていた時に得ていたものとは、全く次元の違う快楽で彼
女を灼いている。
 それほどまでにマナの少女の部分を燃え上がらせていた。
(シンジ君、ごめん……私って馬鹿だ……!)
 彼の顔を思い描いた瞬間、唐突に下着の中央を押してきた指先が敏感
すぎる小豆に爪を立て、危ういところで声を漏らし掛けた。
 強い刺激がそうさせたのとは違う。
 あの少年に自分の大切な部分を嬲られていることを想像してしまった
が故のことだ。
(馬鹿だ、私……)
 悔しさと情けなさが一気に増幅され、マナの目からついに一筋の涙が
零れた。


 同じクラスの美少女が、悲痛な想いに涙している姿を見詰める瞳があ
った。
 その黒い瞳の奥にあるのは、紛れもなくマナが感じているのと同じ種
類の昂奮であり、しかし、彼女が抱いている罪悪感だけには全く縁のな
い欲望の光だった。
 指先に触れる布の感触はじっとりと湿り、彼女がもう堪らなくなって
いるという事実を伝えてくる。
(マナ……)
 熱に浮かされたような表情は周囲の人混みの中に埋もれ、被害者の少
女からも、他の誰からも見ることは出来ない。
 シンジの口元に、獲物を完全に捕らえたのを確信した、捕食獣の笑み
が浮かんだ。





初カキコで駄文すみません。
どなたか痴漢っぽいネタで何か書いてくださいー。

221 名前: PDX. 投稿日: 2003/07/27(日) 20:06
>>220

……「黒」がHNなのか、それとも作品名という意図なのか……?

 それはさておき、マナ痴漢電車ものですか?
 もしかしたら初めて読むかも(^_^;
 
 そして、痴漢しているのがシンジ?

 でも、毎朝毎夕って、電車に乗る時刻や乗る車両を変えたりしないのか、
それともそれを変えてもなおシンジがつきまとっているのか(笑)
 なんにせよ、美味しい状況ですねぇ。

222 名前: callin' 投稿日: 2003/07/28(月) 19:58
「黒」ときて「痴漢電車」とくれば
「犬」で「獣」な「水兵月」のひとを連想するのは間違ってますか?

・・・アレは「痴漢電車」の範囲を逸脱してますよね

223 名前: PDX. 投稿日: 2003/07/29(火) 11:32
>>222 callin' さん

 まぁあれは囮捜査ですし(笑)

224 名前: 引き気味 投稿日: 2003/07/29(火) 18:31
ファーストチルドレン、綾波レイと接する機会のある人間はネルフ内でもそう多くは無い。
さらに、彼女の日常について、あれこれとした詮索を休憩中の雑談に交えてしまえるだけの――ある種の鈍感さを備えた職員はもっと少なかったのだけれども、そんな中、レイの曲がりなりにも趣味と呼べるものは読書であるらしいといった話が出ることが偶にある。
そうなると一時、どんなタイプの本を彼女は読んでいるのだろうといった点に興味は集まるのだが、たまたまレイの持つ本のタイトルを目にした事のある人間が苦笑交じりに応えると、大抵はその苦笑いが伝染したような表情を浮かべて話題の関心を次に移してしまうのだった。
いかにもあの娘らしいと散文的に過ぎたのが常であったし、それがまた、綾波レイという少女を知るものにとってのあまり心楽しからざる納得を呼ぶからだった。
要するに、最初の被験者と呼称される年端も行かない少女への後ろめたさに対して、ネルフの各人は無関心がちになっていることで折り合いをつけていたのであり、結果として、そんな態度がレイの周辺勤務であればあるほどに定着していく。
赤木リツコの立場とは、斯くの如き風潮を歓迎すべきものだった。
彼女の中の当たり前の人間性が眉を顰めさせてはいても、ネルフ秘中の秘たる補完計画のスタッフとしてはありがたいと言わざるを得ない。
レイが見せ始めたささやかな人間臭さについては、恐らくは、あの娘に一般的な知識についてを説明する手間を嫌った私のせいなのだろうと捉えることで済ませていた。
それ以上にレイの内面に向き合いたくはないと、無意識であれ、意識的であれ、ブレーキを働かせていていたのは、実は職員達以上のリツコであったから。
そんな中、リツコたちにとってはカモフラージュ以上の意味を持たない選択だった中学校への“転入”以降、レイは明らかに疑問を解消する為の手立てとして以上の積極性を持って図書室を、そして時には街の書店を利用していた。
無論、その借り出した内容等については記録を通じて把握していたのだが、いつものように保安部からの報告と併せて目を通していたリツコの目を愕然とさせたものは、この一月で異様な変化を見せていたレイの読書傾向だった。

(何事なの……!?)

多忙にかまけて見過ごしていたことを、しまったと舌打ちする。
モニタに表示されたリストには、凡そ少女の読むものとして看過するわけにはいかぬ文句が並んでいたのだ。

『通勤快楽、美少女中学生の痴漢奉仕』『痴漢電車でGo!』『犯罪天国、美ょぅι"ょ専用痴漢車両』『転校新生活、路上痴漢の出会い』『艦内痴漢、戦闘中のまさぐりに啼いて〜女性パイロット告白実録』

その他エトセトラ、とにかく目にどぎつく並ぶ「痴漢」の二文字。携帯させている端末からの履歴にも、連日かなりの時間を割いてそのキーワードを基にサーチを続けているとある。
普段の生活で疑問があったならと薦めたのがレイの読書の切っ掛けであるのなら、その意味するところは明白かと思えた。

『何でしょうか、赤木博士……?』

一瞬の自失の後、携帯越しのレイの声でどうやら慌てて呼び出そうとしていたらしい――しかし、一旦返した後に本部への緊急呼び出しを掛けたとあっては内容がら上への報告に窮することになると、漸く立ち戻った理性で思い至ったリツコは、今から帰宅のついでにそちらに寄るとだけ伝えて通話を終わらせた。

(中略)

翌朝、何故か徹夜したらしい赤い目を擦るリツコが、これまた何故か不自然に、登校するレイと同じモノレールの中に並んでつり革に手を掛けていた。
毎朝の如くひそやかな楽しみにレイを囲もうとしていた“乗り合わせの常連たち”はしかし、見慣れぬ美女が寄り添うようにしているのを前に一旦は見せた躊躇もさして我慢も効かず手を伸ばし――、

「んぁ……、あん?」

ついでと呼ぶにはあまりに魅力的と写る美女もまた、さして抵抗の様子を見せぬことに有頂天になって、

(後略)

225 名前: 引き気味 投稿日: 2003/07/29(火) 18:32
…………。ふとキーボードを叩いても文の脈絡が付いてなかったり(;´Д`)

つまるところが、何故か事情を聞き出している内にレイに親身になってしまったリツコが、二人セットになって痴漢電車であふあふ〜というネタを書き捨てるだけのつもりだったのに、妙に長文向きの冒頭なんか付けてる内に疲れて肝心のエロシーンが沸いてこなくなったりしてるんだもんなぁ……。
触発されてのインスタント妄想はエロ書きにとって大事だと考えてるんですが、寝不足の時は止めとけってことですかね。
暫くエロ文書かない時間が続いたりすると、覿面筆の乗りが悪くなるんですがねぇ……。

>黒さん

はじめまして。禄でもないエロ妄想人種の吹き溜まりにようこそなのです。
痴漢電車マナですか。私ゃアスカとレイでB止まりのヌルいのを頑張ってみましたが、屈託の無い元気笑顔系ヒロイン・マナマナの受ける恥辱の時間……とか狙うのもわりとハァハァしますね。
これで原作通りの戦自スパイという背景があったりと設定すると、色々と葛藤が出せそうで楽しく書けそうとか思ったわけですが(w

――つか、黒シンジですかっ!
サイト内的にやたら扱いが悪いのばかりなので、こーゆーのは大歓迎だったりします(;´∀`)

226 名前: PDX. 投稿日: 2003/07/30(水) 15:33
>>224 引き気味さん

 なんとなく、うお氏(だったかな?)の同人誌のラムネ&40ネタを思い出しました。
 アレは、常習の痴漢が乗り合わせる「痴漢電車」に通うココアと、彼女の不審な行動に疑問を抱き後をつけた結果巻き込まれるミルクのネタでしたが。
 自ら望んで痴漢達に弄ばれるココアと、痴漢達に襲われるミルクの対比という描写でした。
 引き気味さんのネタの延長で行くと、ミルク役をアスカにやらせると面白いかも(笑)

 もっとも、うお氏らしいというか、その後列車内で浣腸されて……という方向に逝ってしまいますが(笑)

227 名前: 目黒腹蔵 投稿日: 2003/07/31(木) 06:18
>短めに改造してある制服のスカートの裾を引き上げた。

掌編の効果か、詳細を省いた描写の中でもこの改造の経緯が妄想を誘います尿。
嫌悪感の中に芽生えた無意識の期待の現れなのか、はたまた別の理由によるものか。

そういえば、エロシチュの定番の座を占めている痴漢電車ネタですけど、何か引き付けるものがあるんでしょうかね。
触手ネタは江戸時代に北斎が通過させてましたけど、「人ごみの中での猥褻行為」も源流を辿ればかなり深そうですな。

228 名前: 引き気味 投稿日: 2003/07/31(木) 15:47
>源流

さすがに陸蒸気と呼ばれていた高級なご時世には流行っていなかったと思いますけどね(;´∀`)

痴漢行為を紛らせてしまえる過密な乗り合い状況と、犠牲者に狙われる女性が利用できていたお手軽度。この二つさえ満たしていればと思うのですが、江戸の頃なんかですと川下り舟の中でコソーリ弄ばれているお遍路さん(勿論、若くて美人)の図とか割とイメージし易くて素敵です(w
あと、夏祭りの人込みの中で周囲を固められてしまって――って、「乗り物の中」でなければいけませんな。

大開拓時代西部劇風に乗合馬車のほろの中でなんてのも御者も含めてガラ悪そうでヱロ向きですが、日本じゃあんまりポピュラーじゃありませんし、船を除いて複数人が乗り合わせることの出来る移動手段は他に何がありましたかねぇ。
駕籠、人力車、そんなとこも乗れて最大二人かと思いますし、その中での破廉恥行為は(嫌々でも)同意の上前提でしょうから痴漢シチュとは微妙に外れますしね。

229 名前: なーぐる@出張中 投稿日: 2003/08/01(金) 19:40
そう、寝不足だと脳が!脳が! でも、このダメップリをもっと!

>源流
江戸時代なら大衆浴場とかが発展場としてあったらしいですけど、さて。
平安時代には牛車を移動に使っていましたが、一部の、ええ、一部の貴族の人たちは
予想通りのことをしていたとか考えるのも徹夜明けの妄想の成せる業であり、決して素の私がいつもそういうことを考えているわけではないですよ?
今昔物語とかを読むと、かわいそうな娘さんを牛車の中に引きずり込んでとか、権力を笠にとかしょっちゅうやってたみたいですじょ。

あえて痴漢に拘るなら…流浪けんよろしく、父をなくした剣術小町が一人で切り盛りしている剣術道場ににやり笑いとともに道場破りに来る髭とか。
すでに痴漢とかそういうレベルではないですね。
(;´Д`)

夜這い文化万歳!

230 名前: callin' 投稿日: 2003/08/01(金) 20:01
「痴漢行為」は別に「乗り物の中」に限定せずともよいのでは?
前述の夏祭りだの初詣だのの、誰に触られたか判らんほど密集した人込みの中とか
要は「匿名性」の問題かと――本来は
ただ電車やバスだと単に人込みの中と違って一定時間限定の「密室性」(逃げられない)という付加価値が付いているということでは?

しかし昔の田舎の夏祭りってえと近隣諸村の若い者が集まってお相手を探す場という意味合いもあったのではないかと思うのですが
シンジキュンの場合は逆に
既に特定の相手が居るもののお祭騒ぎに浮かれ出てきて、早々にはぐれ、探してる間にお相手はくるくるされてる
なんて様子が目に浮かぶんですが

231 名前: PDX. 投稿日: 2003/08/01(金) 22:57
>痴漢

 雑踏の中での痴漢行為は、スリと同じ程度には歴史があるんでしょうねぇ……(笑)

232 名前: 引き気味 投稿日: 2003/08/02(土) 14:11
痴漢行為シチュを「乗り物内」と限らずに、雑踏の中といった「周囲の人間に隠れた下で、声を上げようにも上げられない状況」と幅を広げてみますと、授業参観中だとか、運動会の応援中に――だなんてのも美味しそうですな。
匿名性については特に前者はギリギリで、下手すると単なる羞恥プレイになりかねませんけど。
例えばユイさんでやるならば、騒ぎ立ててしまうとシンジが変に思うかもしれない、恥ずかしい目に遭わせてしまうかもしれない、といった辺りが抵抗に対するブレーキに使えそうですわい(w

233 名前: PDX. 投稿日: 2003/08/03(日) 02:50
>>232 引き気味さん

>授業参観中だとか、運動会の応援中

 例えば「INNOCENT TABOO」で、ケンスケ&トウジがユイさんに「お願い」をして、彼女がそれに応じてノーブラノーパンで赴いた、というなら羞恥プレイどまりですよね。
 教室の後ろでシンジらを見ている父兄達の中で、ユイが誰かの父とかに愛撫されていたりすると痴漢プレイですが。

234 名前: callin' 投稿日: 2003/08/03(日) 09:07
>歴史
ご存知の通り人類最古の職業といえば娼婦な訳ですが
EOE後に春を売ってるネタはままあれど、ほとんどアスカなのは何故なんですかねぇ?
マユミとかには無理っぽいのも解かりますが

>羞恥プレイと痴漢プレイ
結局、お互いに知ってて行為に及ぶなら羞恥プレイに過ぎないわけで
「痴漢プレイ」は羞恥プレイの一種であり「痴漢」とは違うということですかな

たとえば夏祭りの最中、雑踏の中打ち上げ花火を見上げるアスカ&ヒカリ
そこでお尻に伸びてくる手が冬月のなら「痴漢プレイ」、時田なら「痴漢」ってことで

235 名前: LHS廚 投稿日: 2003/08/04(月) 02:31
>大衆浴場

近代になるまで浴室は湯の熱を冷まさせないよう(特に風を入れないため)密閉に近い造りのため
真っ暗に近い状態になっていた上に脱衣場以外は男女混浴の浴場が殆ど。
結果なんでもありな痴漢が多く、『湯の子』と呼ばれる妊娠も多かったとか。

身分の高い女性が入るときは中年女性二人の間にサンドイッチになって入ったそうですね。

うん。まさに痴漢行為シチュにぴったり。

164 名前:投稿日: 2004/01/13(火) 20:14
とても前なので、もう1回記載……亀の歩み……。


 どこからともなく伸びてくる指先が戦慄く乳房の先端をごく軽く摘み、
反射的に全身を強張らせると、ほんの少しだけそこを指の腹で擦り上げ、
煽るだけで決して満足はさせずに引いていく。
 わずかなインターバル。
 だが、再び別の角度から忍び寄ってきた手が、今度は短めに改造して
ある制服のスカートの裾を引き上げた。
 淫らな小人がゆっくりとした足取りで太腿の裏側を上の方へと上って
いき、やがて滑らかすぎるその斜面を滑り落ちないようにとでも言うの
だろうか、下着の縁にぶら下がった。
 手掛かり、足掛かりにするには脆すぎるそれは、しがみついた小人の
重みにさえ耐えきれず、少しずつ下方へと引き下ろされていった。
(くぅ……)
 屈辱感に涙さえ零れそうだった。
 これが彼女を襲う毎日の悪夢。
 毎朝毎夕の通学電車の中で、誰とも知らない指先によって高ぶらされ、
啜り泣かされ、辱められる。
 学校では持ち前の明るさと、憎めない愛らしさで人気のある彼女が、
どうすることも出来ない悔しさに唇を噛み締めながら、声だけは漏らし
てたまるかと必死に手摺りにしがみつく。
(……もっと最初の頃に勇気を出してれば、こんな事にならなかったは
ずなのに……)
 じわじわと内腿が湿り気を帯びていくのを感じながら、マナは目尻か
ら零れそうになった涙を手の甲で拭った。
 抗えないのだ。
 この指先が与えてくれる快感は、ずっと片思いを続けている少年を想
い、自らを慰めていた時に得ていたものとは、全く次元の違う快楽で彼
女を灼いている。
 それほどまでにマナの少女の部分を燃え上がらせていた。
(シンジ君、ごめん……私って馬鹿だ……!)
 彼の顔を思い描いた瞬間、唐突に下着の中央を押してきた指先が敏感
すぎる小豆に爪を立て、危ういところで声を漏らし掛けた。
 強い刺激がそうさせたのとは違う。
 あの少年に自分の大切な部分を嬲られていることを想像してしまった
が故のことだ。
(馬鹿だ、私……)
 悔しさと情けなさが一気に増幅され、マナの目からついに一筋の涙が
零れた。


 同じクラスの美少女が、悲痛な想いに涙している姿を見詰める瞳があ
った。
 その黒い瞳の奥にあるのは、紛れもなくマナが感じているのと同じ種
類の昂奮であり、しかし、彼女が抱いている罪悪感だけには全く縁のな
い欲望の光だった。
 指先に触れる布の感触はじっとりと湿り、彼女がもう堪らなくなって
いるという事実を伝えてくる。
(マナ……)
 熱に浮かされたような表情は周囲の人混みの中に埋もれ、被害者の少
女からも、他の誰からも見ることは出来ない。
 シンジの口元に、獲物を完全に捕らえたのを確信した、捕食獣の笑み
が浮かんだ。

165 名前:投稿日: 2004/01/13(火) 20:15
 マナが教室内でもあまり目立たないあの少年に、ほのかな想いを抱く
ようになったのは、ごく些細な理由からだった。
 珍しく図書館で読書などした帰り道、遊具の影が長く伸びる夕暮れ時
の公園に、小さな猫に弁当の残りを与えていたらしい彼の姿を目にした
のが始まり。
 その猫がこの辺りでは新顔だというのを知っていた彼女も、たまにだ
が餌を与えていたことがあったのだ。
 他にも自分と同じ物好きな人間がいて、しかもそれが同じ学校の、同
じクラスの少年だという事実が、彼女に垣根を越えさせるきっかけとな
った。
 明るく誰とでも話せる性格とは裏腹に、最初の一声を掛けるのが実は
苦手だったマナは、恐る恐るといった調子で、しゃがみ込んでいる彼の
背後に歩み寄ったものだった。
『霧島さん、どこかで昼寝でもしてたの?』
 それが話し掛けられて振り向いたシンジの第一声で、夕陽の赤だけで
はない朱に頬を染め上げたのをよく覚えていた。
 最初は確かに本を読んでいたはずなのだが、気が付くと夕方になって
いたのだ。
 まさか一目でそれを見破られるとは思っても見なかった。
 彼の視線の向き先に気付き、大慌てで髪の毛に手をやると、そこでは
前髪の一部がぴょこっと跳ね上がって、盛大に自己主張していたのだ。
 照れ隠しに頬を膨らませた彼女を見るシンジの瞳は優しく、次いで再
び子猫の方に向けられた瞳も、どこまでも優しく穏やかだった。
 そんな横顔に胸を高鳴らせた。


index

From:【妄想炸裂】思いつきネタスレ2nd【猥文投下】&エロ文投下用、思いつきネタスレ(3)