起動性感帯、撫で撫でシコシコ
Original text:引き気味
『 妖精レイプ、快感責め 』
人からは今日まで散々、愛想も可愛げも無いのだなと言われ続けていた自分。それが、こういう場面になると『きゃっ』などといういかにもな女の子らしい悲鳴をもらしてしまっていたことに、ルリは暫く気付けなかった。
「さ、サブロウタさん……?」
艦長室のベッドに尻もちをつかされた拍子、男性を前にしてのこの場合ではあまりにあられのない格好で開いてしまった両脚。その付け根。
女性士官用制服のタイトスカートが他者の視線からの遮蔽という役をなさなくなっていた開けっぴろげな空間を通って、サブロウタの手がするりと伸ばされきていたのだ。
「―― !?」
息を飲む間もなかった。
父親の記憶も母親の記憶もないルリが思い出せる限りの幼い頃から、自分以外の誰にもそんな場所を―― しかもこんな身震いのする意味合いの込められた手付きで触られたことはなかったのに。ルリの下腹部には大人の男の手のひらの感触が押し当てられていて、タイツの上から無遠慮に撫ぜ回していたのである。
「へぇ〜? この感触からすると……」
『艦長、やっぱりもう生えてるんですね』と、確かめるようにルリの恥丘の膨らみにあたる場所を押し揉みながら、サブロウタが口元を緩めた。
「―― それはっ」
当然、十六歳の少女は羞恥に身悶えた。
この頃やっと生えそろってきたヘアのことは、言うなればルリの気恥ずかしさが凝縮されている事実だったからだ。
「冗談、ですよね……」
「これが冗談だと思います? 艦長」
サブロウタの手は一度スカートの奥から引き抜かれて、そして口で噛んで手袋を外してしまうと、また同じ場所に侵入した。今度は素手でルリの股間をまさぐり、そしてカリカリとタイツに爪を立てて引っ掻くと、そこを破いてしまったようだった。
無論、それだけには留まらない。
ピッというその音がしたと思ったら、次には一旦鼠蹊部に退いた指の先がすぐにまた下着の股布の部分を襲い、さすさすと卑猥なタッチで摩擦を加え始めてきたのだ。
「だめっ。だめです……! やめてくださ―― ああっ」
刺激が与えられるポイントは常に一箇所に留まらず、瞬く間にルリのショーツはその部分だけをぴっちりと皺を伸ばされて、未通のクレヴァスのかたちを浮き彫りにさせられていた。
「どうして駄目なんです? ほら、気持ち良いでしょう? ……気持ち良いですよね? ムズムズするけどよく分からないとかじゃありませんよね。ほらほら、はっきり感じるでしょう?」
「あっ、ぁっ」
マシュマロのようにふんわりとやわらかなと土手肉ごと性器の縦割れを揉まれると、ルリは華奢な肩をよじらせて身悶える。
“電子の妖精”だなんて渾名で呼ばれていても、ルリも立派に血の通った女の子。年頃を迎えた躯は、いつ男を迎え入れても良いよう密かに支度を整えていたというだけの話だ。
艦橋の席で堂々と複数の女性たち相手に連絡をとりあうようなサブロウタであったから、愛撫慣れしたソフトタッチのペッティングは、そんなルリの秘所に好ましいものとして受け入れられのに充分だったのだろう。
ルリが戸惑い、拒もうと声を上げるのとは裏腹に、ゆるゆると加えられる刺激を明確に心地良いと認識した性器は甘い疼きを広がらせる根源地となって、少女の抗いから力を失わせていっていた。
「ああっ、ダメです……だめ、ですぅっ」
「ほ〜ら、艦長。とろけるような声じゃないですか。そんな顔で、なにがいったい駄目なんです?」
「だって……サブロウタさんは、そんな格好していても本当はちゃんとした木連の軍人さんで……」
じっと顔を近付けて見詰めてくるサブロウタに対し、わなわなと目を見開くルリは、『ナンパを気取るようになったのも、そもそもは私の護衛をしてくれるための偽装で』等と、彼女の信じている“こんなことをする筈が無いタカスギ・サブロウタ”像を言い募ろうとする。
要するに『信じられない』と、この期に及んで現実を否定しようとしているのだ。
「艦長、人が良すぎですよ」
「……ぁ、だめ。だめ、です。サブロウタさ―― 」
唇を奪われて、舌まで絡め取られて、くちゅくちゅといやらしい音を立てながら唾まで飲まされる。それがはじめてのキスだと今更に気付いた頃には、ルリの頭はすっかりぼうっとしてしまっていた。のぼせてしまっていた。
「ン、ンン……ぅ、ン……」
(息、苦しいから。酸欠で―― )
それだけじゃないですよと、声に出していたならサブロウタに意地悪く指摘されていたはずだ。
艦内備品のそっけないベッドの上で完全に男に覆い被さられていて、スカートの奥をまさぐられて甘い鼻息を洩らしてしまっている。弱々しい、そして攻略難易イージーもイージーだとほくそ笑まれる程度の、女の子。
抵抗だってもっと腕に力を込めて出来るだろうに。今のルリはといえば客観的には男の肩にただひしとしがみ付いて、未知の感覚が羞恥と共に押し寄せるのに甘んじているだけにしか見えない。
「あっ、あっ、あっ……」
そして、じわりとサブロウタの指の下に滲みはじめた熱い“とろみ”。
それはルリのような世間知らずな女の子をはじめてベッドに押し倒した相手としてはサブロウタがたちが悪すぎたという証左であり、わなわなと震える少女の肉付きの薄い太腿の奥で繰り広げられる名人級ピアニストさながらの指遣いときたら、たちの悪さを更に証明し続けて―― やがてルリ自身にもはっきり分かるほどに、彼女のショーツを小水とは違う液汁でぐしょぐしょにさせていったのだった。
「さーて、と」
「あ! い、イヤです。……ぁあああ、あ、何を……させるんですか」
熱い吐息をひっきりなしに。そして、ささやかな胸の膨らみがこれ以上なく忙しない様子で上下しているのだから。運動不足気味のオペレーター上がりにとっては既にもうこの時点で、心臓の暴れっぷりも呼吸器のフル稼働ぶりもいっぱいいっぱいの筈。
だから、それはほんとうに辛そうにの声。
そんなものでは当然、ルリの両方の膝の裏を掴んでスカートの中を覗き込もうとするサブロウタを押しとどめる力なぞ備えていないわけで、
「ねぇ、艦長?」
ルリは思い知らされねばならなかったのだった。
「当たり前ですけど、やっぱり髪と同じ色なんですね。エッチで……、へへ、綺麗ですよ。艦長の真っ白な肌に似合ってるっていうか」
「あ、あ、あああ……。いやぁ……ぁ」
“その辺り”を、一撫ぜされる。それだけでじわっと沁み出したぬるい液体がお尻の方に垂れていくぐらいなのだから、
(わ、わたし、今日履いてたのは……)
思い浮かべた、艦内購買でまとめ買いした白いショーツ。その薄い生地程度では防げているわけがないのである。
まだ、脱がされたわけでもないのに。
(わたしっ―― )
ルリの下腹部に、ほんのりと一つまみ程。一房というぐらいにもならないささやかぶりで、髪の色と同じガラス質の蒼銀色の―― この頃になって生えそろってくれた、少女の大人への成長の徴。
きっとそれは、素肌が透けるほどにぐっしょりと濡れてしまった下着に押し潰されて、それで処女の秘唇がひとすじの割れ目を刻んでいる少し上に張り付いているという、光景。
いやらしい、いやらしい、眺めだ。
「いやです! あ、ぁ、いや……いやっ、見ないでサブロウタさん! お願いです。見ないで……!」
どうして、どうして私、と。ルリは唇を噛みしめていた。
おかしな心の働きだが、この時少女が泣きそうになって心の中で罵っていた相手は自分だった。
自分が―― そう、いやらしいから。こんなことをされたからって、これぐらいで下着をびしょびしょにしてしまうくらい、いやらしい女の子だから。だからまだ裸にされたわけでもないのに、全部全部見られてしまうことになるんだ。サブロウタさんに見られてしまうことになるんだ、と。
「見ないなんて無理ですよ。男って生き物は、いつも女の子のここに興味津々なんです」
「そんな……。っ、ァアッ!」
「知ってますよね、ここ。艦長のクリトリスですよ」
「ひぅ―― !?」
羞恥に身悶え、いやいやと懸命に首をふっていた少女は、一瞬にしてその折れそうに細い首を仰け反らせ、息を詰めた。
一転して凍り付いたように。身じろぎを止めて強ばった躯が、ちょんと一度つついて様子を見ているサブロウタの吹きかける息だけで、恐れをなしたかの体でびくびく、びくびくと小刻みに震える。
(あ、あ、あ……)
言われずとも熱い視線を感じてしまう。ルリには分かってしまう。サブロウタの視線が注がれている先が。
ぴっちりと恥丘のやわらかな盛り上がりに張り付いたショーツを、つんと一点で持ち上げているルリの小さな小さな肉芽だった。
「おやおや〜? 艦長のクリトリス、なんだか息苦しそうですねぇ。頑張って背伸びしてるみたいなのに、パンティが邪魔で息苦しそうじゃないですか」
「ダメ、ダメです。脱がさないで! アッ、アァァ―― !」
「お、それじゃまだ下着の上からのタッチがお望みですかね」
「だめぇっ、そこ、触っちゃ……だめです! サブロウタさ、っッ……!!」
シーツをかきむしる、白い手袋のルリの指。でたらめに暴れるルリの手足が、きちんと整えられていた筈のベッドメイクを見る間に乱していく。普段寝相の良い彼女がこれほどにベッドの上を無茶苦茶にさせたことはない。
かねて、ルリが歩けば颯爽と翻されている裏地の赤い高級将官用ケープも、今は喘ぎ暴れるルリの背中に敷かれて皺くちゃだ。
それほどに、サブロウタによるクリトリス責めはルリを悩乱させていた。
「こんなに敏感にしちゃって。うーん、感慨無量ですね。あんなむっつり娘だった艦長が、こんなに可愛い顔をみせてくれるようになるなんて」
『俺の指、そんなに良いですか?』とサブロウタが親指の腹で揉みこねるのは、濡れそぼったショーツと剥けきらない包皮とで二重に守られた未熟な秘核。
だが、ルリほどのビギナーにはこの程度の控えめな愛撫の方が良く効いた。
充分に配慮された、やさしい愛撫。であっても、ルリの受け止めねばならなかったそれは、秘唇の周辺を撫ぜられたのとはまるで比べものにならない、重い快感だ。
たちまちにして、十六歳の少女が打ちのめされてしまうには十分の。
「ひっ、ひぅぅぅ……っ、ひぅっ! ひぃぃぃ……っッ」
必死に歯を食い縛るルリであったものの、珠になった汗粒を額にして全身を火照らせている悶えぶり。ベッドの上で、ルリの限りなく白に近い銀の髪がざわざわとうねっている。
見て取ったサブロウタがルリの気に入ったらしい揉み込み方でもう一度、いじらしいほど起ちきったクリトリスを揉んでやれば―― 。
「アッ! アーッ……! さぶっ、ろうた……さ……っッッ。ッアアアぁぁンんん……!」
我慢の口元もたちまちほどけ開かれて、男心を得意満面の笑みに誘う愛らしいアクメ声をはりあげたのだった。
性器の方も、今はまだ下着というカバーが掛けられ一定の戒めのもとにあるが、そうでなければサブロウタの経験上とっくにもう花も綻びきって、花弁の隙間から今の幼い絶頂と共にぴゅっぴゅと愛液を散らしていても良かった有り様だった。
そうだ。ルリは、ホシノ・ルリの躯は、りっぱにオンナとして花開く年頃を迎えていたのである。
◆ ◆ ◆ 「ほんと、感慨深いっス」
一気に力の抜けきった躰をサブロウタの下に組み敷かれ、はぁはぁと整わない息で喘ぐルリは、どこか呆然と放心した面持で艦長室の天井を見上げていた。
その耳元に口を寄せ、サブロウタは言った。
「もう艦長も子供は卒業ですかね」
「……わたし、少女です」
「でも、立派なオンナ、してましたよ? ほら、見て下さいよ、俺の指。艦長の愛液でびっちょびちょ」
「あい、えき……」
「そうです。艦長のオマンコも、もうこんなエッチなお汁垂らしちゃうくらいに成長してたんですねぇ」
「おまん―― !?」
あまりに卑猥な言葉に驚いたのか、それともか。スカートの中から引き抜いてきた右手をかざしてみせると、いつの間にか男の腕の中にすっぽり包まれていた少女はぎょっと驚いた風に目を見開き、そしてはっと我に返った表情で顔を背けさせた。
けれど、その頬をまた赤くさせた羞じらいぶりを隠せてはいない。
ニヤリとほくそ笑んで、サブロウタはその汚れた指を少女の唇に触れさせたのだった。
「……ぁ、なにを。いやです……っ、ン、ンンッ」
「艦長が汚したんですよ。綺麗にして下さいよ」
酷い物言いであった。
しかし、覆い被さるサブロウタの放つ大人の牡の体臭を間近にかがされ、屈辱的な要求をしたその口によって耳朶を甘噛みされて、耳の穴に舌先を入れられてしまうような卑猥なやり方で舐めしゃぶられて―― しかもその上、力の抜けた足の間に陣取る膝でぐりぐりと、まだ絶頂をとげたばかりで過敏な股間を圧迫されていると、
「……あっ、ああン……。んっ、んっ、ひどい……です、サブロウタさん。んんっ、んぁっ。こんな……こと、させるなんて……」
生まれて初めて他者に躯を弄られての快感を刻み込んできた男の言葉に抗えず、ルリはむずがるように鼻を鳴らしながら、サブロウタの指を咥えたのだった。
「んっ、んっ、んっ……」
この子はもう、フェラチオなんて言葉、知ってるのかなと、そんな不埒なことを考えながらサブロウタが見ていたのだとは考えもせず。
男女間の、行為と行為の狭間の戯れ。それそのものでしかないやり取りで、知らず男の股間を熱くさせていたルリだったから、直後、艦長室に入った急の連絡が二人をブリッジに呼び出さなかったら、どうなっていたのか。
それにルリが気付いたのは、ナデシコCに警戒態勢をとらせた不審なレーダー反応が、実のところ取るに足らないものだったと判明して緊張がとけた、その時になってからだった。
ルリの目の前の副長席に着いているサブロウタ。彼の鮮やかな金に染めた頭を睨んでから、今後は決して二人きりにならないようにしなければとルリは誓ったのであった。
◆ ◆ ◆ ―― ところがその日の内の、夜時間。
艦内居住区にあるコインランドリーには、汚れてしまったシーツを洗いに来てあっさり待ち構えていたサブロウタに捕まってしまったルリの上げる、初々しい喘ぎ声が響いていたのだった。
当然のごとくに、今度は『さっきはずっと濡らしたままで指揮してて、気持ち悪かったでしょう?』と、早々に履き直したタイツとセットでショーツを脱がされてしまったルリの秘所が、サブロウタの指で背後から掻き混ぜられて立てられる、ねちゃねちゃという粘ついた水音と共に。
「返して、返してください……っンァ、ああっ」
取り上げられてしまった下着は、最前に汚してしまったものより少しだけ上等のものだった。取り戻そうとするルリであるのに、サブロウタには部下のくせ真面目に取り合おうとする態度はみられない。
唸りを上げて回転している乾燥機に手をついて辛うじて体を支え、がくがくと足を震わせながら追い詰められている背の低い少女を、屈んでお尻からいたずらして喜んでいる。
「―― ぁ、ああっ。ああっ! ああアーッ!」
ゆっくりと、武道の鍛錬によるたこでゴツゴツとした太い指を、人差し指、中指とそろえて、ルリの狭い秘裂にくぐらせていく。
これだけで、佐官の軍服に包まれたたおやかな肢体は電流を流されたようにのたうつのだ。
「いぅ……うぁっ、あっ、あ……はぁぁぁ……、ぁ、ぁ、ぁァあ……!!」
それが苦痛によるものではないのだと、なによりルリの鼻に掛かった声の喘ぎ方が示している。
十六歳、未通の狭い膣口だ。苦痛はあるだろう。
「あっ、ンぁああんンン……! ンッ、んんんぅーッ!」
けれど、指の抜き差しに合わせて悲鳴は甘ったるく尾をひき、あるいは跳ね上がり、早熟の天才少女は軍服のお尻を可愛らしく振りたくっているのだった。
一際の刺激が薄い清らかなピンク色をした媚肉の花びらの奥に見舞われる度、
「あひっ!?」
がくんと腰砕けになって崩れ落ちそうになる。
それを乾燥機の端にかじりついて必死に立て直そうとするのを繰り返す内、ルリの両足はすっかり、サブロウタの手を自ら迎え入れているも同然の開脚ポーズをとるようになっていき、内腿にはぽたぽたと雨漏りさながらの愛液が滴るまでになっていた。
「いやぁ〜。凄いですね、艦長。大洪水じゃないですか」
「……しっ、知りません!」
直接にではないものの、淫乱と言われたのと同じだ。ルリはカッと首筋までを赤く染めて、顔を背けた。
また、である。
恥ずかしくなるとすぐにそっぽを向いてしまうルリ。
この電子の妖精と呼ばれる軍服の少女が、まだ幼く、傷付いた心を癒す間もなく海辺の小さな町で暮らしていた頃を知るサブロウタである。そんな彼としては、自分の愛撫ひとつひとつに反応して悦び、女そのものでしかない欲望を覚えて愛液を垂らすまでに成長した少女が、股間の唇に男の指を咥えさせられてどんな顔を今しているのか、どうしても確かめたくなった。
「アッ!?」
体を起こして、少女の肩を掴んで。無理に振り向かせて。
その、妖精とたとえられるだけのことはある美貌が、普段の硬質な澄まし顔はどこへやらで上気しきり、性愛の恍惚に染まった興奮の体。目許にうっすらと浮かんだ涙さえも艶やかに思わせる、とろんと蕩けた金の瞳をして―― 必死に自分と目を合わせまいとしているのを知ると、どうにも堪らなくなったのだった。
「艦〜長っ」
キスしましょう。キス。
そう言って、抱きしめる。
「だ、だめです……! キスは。わ、わたし、キスは大事な人とって―― 」
「それって、誰のことです?」
「……ッ」
勿論、サブロウタは知っていて訊ねた。
その名を思い出すだけで、ルリがどうしようもない恋慕の情と後ろめたさとで立ち尽くしてしまうのだと、よく知っていて。
そうして、その隙を奪ったのだった。
「ンンッ……んっ、んあっ。だめ……やめてください、やめてください……っ」
「さっきもしたじゃないですか、キス。一度も二度も同じですよ。……それに、艦長も嫌いじゃないでしょう? こういう、オトナのキス」
逃げだそうとするおとがいを捕まえて、振り向かせ直して、また深いところまで奪って、吸い上げる。
「ンーッ!? ンッ、ンッ、ンッ、ンゥゥゥ……っッ」
何度も何度も奪って、舌を絡めて、ゼロ距離で熱のこもった息遣いを荒く狂おしげに交わしあって。
「ああっ、あああっ……」
これでもうくたくたと力の抜けていくルリだった。
「サブロウタ、さん……んンンン―― 」
うっとりと、男の名を呼びさえする。
これほどに切なげに求められれば、応えないなどありえないのが男というものなのだ。
ルリの無自覚の媚態。威力の程は、百戦錬磨の遊び人、サブロウタをして危うく獣のように何も考えず飛びかかりたいと思わせたほどであった。
「だめですよ、艦長。まだバージンなのにそんな顔して男のこと呼んだりしちゃあ。こんなになっちゃうじゃないですか」
「……え?」
甘く激しいディープキスの余韻に惚けるルリの所在なく漂わせていた手のひらに、サブロウタは官製ズボンのファスナーを下ろして取り出した己の屹立を握らせたのだった。
巧みな愛撫にどれだけ狂わされて、性愛への欲求を高められていても、そこは処女の示す反応である。ルリは一度は『ヒッ』と声を上擦らせて、手を引っ込めた。
しかしサブロウタは許さない。
「艦長のせいなんですから、責任取ってくださいよ」
無茶なことを言いつつ、手をとってしっかりと握らせる。
ルリの冷たくしなやかな指は、それだけで男には快感だった。たちまちびくびくと竿に浮かんだ血管が脈打ち、肉杭は鉄のように固くなって上を向こうとする。
鈴口にはびゅくと先走りが噴き出し、ヌルヌルとルリの手のひらを汚した。
「い、いや……」
「別にとって食ったりはしませんって。ほら、男も女も一緒ですよ。艦長のここ、こんなにグチャグチャに濡れてて。分かるでしょう?」
「あっ、はぅぅ……ン、んん……! ま、また……サブロウタさんンン……ン、指っ、そのゆびっ……抜いてぇ」
「だぁ〜めです。艦長もほら、お返ししてくんなきゃ。俺のこれ、しっかり握ってくださいよ」
「あうっ!? ん、ンンン……ッ。ひっ、ひふっ!? ひぃぃぃンンン。ンー……っッ」
脈打つペニスへの嫌悪でルリが正気に立ち返ろうとすれば、激しく貪られるキスで頭の中を真っ白にされる。
逃げだそうとしても、敏感になりすぎた性器から送り込まれる指ピストンの刺激で腰砕け状態。サブロウタがお尻の辺りを支えて抱きしめているのでなければ、とうに床に崩れ落ちている。
どうしようもなくなってとうとう泣きそうになれば、べとべとになった足の付け根をまた一層上手に掻き混ぜられて、あんあんと気持ちよさで喘ぐのだけに精一杯にさせられてしまう。
十六歳で連合宇宙軍最新鋭の艦を預けられた天才艦長の肩書きも、いまや形無し。完全にルリは、サブロウタの手のひらの上で弄ばれているのだった。
(もう……だ、め……)
―― 逃げられない。
千々に乱れそうな意識を懸命にかき集めて、状況を幾たびもシュミレートして。その上でこう判断せざるをえなかったのは絶望的な思いでであり、瞼の人への申し訳ない気持ちでであり、そして―― 自分への言い訳で、であった。
「こんな場所でなんて考えて無かったんですけど、勘弁して下さいね。次はきっと、ムードたっぷりのとこセッティングしときますから」
ランドリールームの固い床に重ねて敷かれた自分のケープと、サブロウタの上着がシーツ代わり。背後では低い唸りを立てて乾燥機が回っている。多少の
物音は紛らせてくれるだろう事がありがたい。
―― ありがたいと思う自分が、情けない。
タイトスカートを腰まで捲り上げさせられた裸の下半身。
あれだけ見られてしまうことが恥ずかしかったささやかなヘアも、男に愛撫されてぬるぬるにしてしまった秘部も丸出しだ。
丸出しどころか性器の奥の粘膜、処女膜まで露わになるくらい、見るからに軟派な部下に両腿を割り拡げられてしまって、今にもそのそそり立ったペニスが挿入される寸前。
くちゅりと聴覚によらず伝わった感触が、暴かれたルリの処女にサブロウタのいきりたったペニスが亀頭を密着させてきたのだと悟らせた。
「次なんて……しりません……」
そっぽを向いて、それだけをルリは言った。
顔を見ていなくても、サブロウタが笑ったのが分かった。
きっと、これだけじゃ終わらない。
予測の確かさが分かる自分というものに暗澹とした気分になりつつ、しかし一方で妖しく胸ときめかせる心持ちがあるのを気付かないふりして、
「行きますよ」
「……ぁ、アアッ―― !!」
その日、ルリは十六年間守り続けた処女を奪われたのだった。
そうして。
「ア、ア、ア、アアッ! アアッ!」
自分はやはり、いやらしい少女なのだろうか。
ルリの処女喪失は、たしかに痛みを伴っていた。だが、より以上に快楽を伴っていたのである。
「イイんですね? 艦長」
いつの間にか変化していた姿勢は、サブロウタの胸にすっぽりと包まれた対面座位。ルリはサブロウタの腰に両脚を回し、全身でひっしとしがみ付いて、膣肉を穿たれる恍惚に喘ぎを散らしていた。
下腹部に丸々収められた異物の存在感は圧倒的だが、なるほどたしかに、ルリを取って食うわけではない。悪さをするわけではない。
たしかにある意味で食べられたし、間違い無く悪さをしているのだけれども、
(この、太さ……。おなかのなか、こすられると……っ!)
膣内をぐりぐりと掻き混ぜられれば、今まで知りもしなかったような恍惚の波動が背筋をかけのぼる。
ゾクゾクとした心地よさで、全身の肌が粟立っていく。
思わず堪らず、『ああっ』と首をうち揺する。思わず自覚せず、膣肉を『きゅんっ』と引き締めてしまう。
この心地よさを知ってしまえば、ああもグロテスクな見かけであっても男性器とは、意外に女の子にとって好ましい物なのではないか……。
そうとまで考えてしまう。
ルリはうっとり、華奢な腰をくねらせた。
「ほぉら、良いンじゃないですか」
「……っ、っッ。知りませんっ」
「またまたぁ。だったら素直に口にしときましょうよ。その方がお互い嬉しいわけですし。ほら、痛い時は我慢せず悲鳴上げといた方が楽だって言うでしょう? あれと一緒ですよ」
「どういう……ンンッ、理屈、ですか」
「気持ち良いなら、イイって素直に喘いでた方がずっと悦い気分になれるってことですよ。艦長、すーぐ我慢しようとするんだから」
「我慢なんて、サブロウタさん勘違いしてます。私は……、さ、サブロウタさんが早く終わらせてくれればいいのにって―― ッ!?」
意地っ張りなことを言うルリも、男にはそれはそれで可愛らしいものでしかない。愛でる気持ちでサブロウタが腰を繰り出せば、それであっさり『ひぃん』と啼いて、このセックスを覚えるのにも天才的な適性を窺わせる美少女は、男の胸にささやかな胸の膨らみの先端を擦りつけるのだった。
「ぁああ……。だめです、だめです、こんなに……されちゃったら……」
上着の方も、詰め襟からなにから前を全部くつろげてしまっている。これもサブロウタの手がしたこと。ブラジャーを上にずらされ露出している乳房は、クリトリスと同じですっかり先端の乳首を固くしてしまっており、ここもルリを悩乱させる喜悦の波動の源となっているのだ。
「ああぅ……はぁぁぁっ……。サブロウタ、さっ……!!」
「おっとっと」
サブロウタが慌てて抱き留め直していなかったら、悶えのあまりにのけぞりすぎたルリは、後ろの乾燥機に頭をぶつけてしまっていたことだろう。
「ああっ、アアッ、アアアッ。わたし、わたしっ……!」
「ええ、ええ。分かりますよ、艦長。イキそうなんでしょう? それですよ。それを素直に、イクって言ってくれた方が……男の俺は奮い立つんですよ。感じるでしょう? 艦長の、オマンコの中で。俺がどんなに興奮してるか」
「あああ……、サブロウタさんのが……私の、なかで……っ。まだ、まだこんなに……!」
これ以上、まだ大きくなるのか。
まさしく圧倒される驚きであった。
と同時に、淫らな期待がルリに湧いた。
期待は裏切られず、すぐさまにさっきまで以上の存在感となったピストンがごりごりと荒っぽく、ロストバージンも間もないルリの膣襞をかき回したのだ。
「あうう……! うっ、ぅアアアアッ!」
淫らにくなくなと眉根をよじらせるルリは、燃え上がる官能をそのままに大きく喘いだのだった。
「うひょー。艦長、すっごい乱れ方ですねぇ」
あまりに容易く膣への挿入に馴染み、淫らな反応をみせるルリだったから。はじめはペースを控えめにしていたサブロウタも、今は歳下の上官への感嘆と共に遠慮無く腰をつかっている。
「んっはぁっ、ああああっ、あはぁぁぁぁッ」
暴力的なほどのピストン運動を受け止めるのは、男が思っていたほど少女にとって楽なことではなかったが……たとえそれが苦痛であったとしても、サブロウタとの性交に溺れつつあると自覚するルリには幸いなのだった。
痛みは罰だ。
少女のくせに、セックスをしてしまっている自分への罰。
大切に守ってきて、いつかはと夢見ていたくせに、いとも簡単にサブロウタなんかに純潔を与えてしまった自分への罰。
許されない想いだと分かっていて、恩人を裏切る恋なのだと知っていて、なのに今日まで来てしまっていた自分への―― ふさわしい罰。
だからルリはいつしか、心置きない声を上げてサブロウタに抱かれていた。
はじめてのセックスで、びりびりと膣肉を子宮を痺れさせながら。
問われるままに生理の周期を答え、ならと膣内での射精を告げられて応じたルリは、教え込まれた通りに、
「ぁ、あああ……、ぁあああ! いっ、イキます。わたし、イキます……っ。サブロウタさん……!! あっ、アーッ!!」
淫らに絶頂を告白しながら、男の噴出した灼くような熱い精液を胎内に受け止めて、サブロウタの胸の中で力尽きたのだった。
From:【エロ文投下用、思いつきネタスレ(4)