ヒカリ日記

Original text:引き気味


『 週末の買い出し(下) 』


「ひぅっ、っあ……」
 尚深い官能へと飢えを露わにした子宮の疼きを、内腿を下へと伝う濡れた感触でまた思い知る。
 姉があちこちいじった上で譲ってくれたジーンズには、とっくにシミが出来てしまっているだろう。
 シートにまで染み通りはしないかと、それが気掛かり。
 つまり、もうどうにも火が着いて収まらないのだった。
「ふっ、くぅっ、くぅンンン!」
 悔しくそれを認めて、ヒカリは首をシートの背もたれに押し付け、何とか今以上に乱れるのを堪えようとした。
 だけれども、父親のさせる股間での指の動きは、ヒカリの我慢になぞ一片の思いやりもしてくれるものではなくて、
「ああ、あ、ああっ。あ、あっ!? はうッ、あ、ああうっ」
 結局はまたすぐに、『あっ、あっ、あっ』と、口を押さえて喘がざるをえないのだった。
「あの夜、はじめて父さん達と寝た日は痛かったろう。お父さんも驚いてしまってたからな。コダマが出来るだけお前が楽なように手伝ってくれてたが、それでも乱暴にしてしまったのは悪かったと思ってるよ」
「……い、いやよ。思い出せないで……。わたし、もう……もうこれで良いって、思ってるもの。だから……っ」
「そうか。お前みたいな優しい娘をもてて、俺は幸せ者だな」
「おとうっ、さ……。お、お願い。そんな、そこっ、強くされると……っアッ、あ! 下着履いてないから、こすれて……、わたし―― っ、ッつぅンンンー!」
 いつしか、破れ目から忍び込んだ指の二本ともが、揃えられてヒカリの蜜穴に埋め込まれていた。
 手のひらでズボン越しにクリトリスの上を揉まれるのと揃えて、膣の内側からも挟む感じでまさぐられた時などは、乱暴なくらいの刺激で思わず場所も忘れそうになったくらい。
 シートと背中との間におさげが挟ってしまったままだったから、思い切り首が仰け反った瞬間などは痛みも結構なものだったのだけれども。けれども、二晩をおいてお預けされていたセックスへの強い予感で、ヒカリの中のだらしない部分はとうに、躾の悪い犬並に涎を垂れ流すばかりで。
「お父さんが、するからぁ……」
 自分への情けなさが、目元に、声に、滲んだ。
 だが。たった14でここまで淫らな肉体になった愛娘。その恨みがましい声などは、却って中年男のペニスに力を漲らせる材料でしかない。
 『ほんとうに、可愛いやつだよ、お前は』と漏らして、父娘相姦の禁忌に溺れる父親はハンドルを切った。
「ホテルに寄っていこう」
 決定を告げる。
 ヒカリは、秘肉をペニスにされるようにずっぷり指で貫かれ、すっかり膝も緩く開きっぱなしにさせていた下半身をビクリとさせた。
 男は目を真正面に向けたまま、指から伝わる感触でそれを知る。
「予定よりは短くなったが、お前がお尻をもじもじさせて道を歩いていく姿は堪能したしな。そこらのいやらしい奴に気付かれそうになって危なくなるまでは、暫く―― と、そう思ってたんだが」
 避けていたつもりが、知り合いに遭ってしまったのなら仕方がない。逆に予定よりもっと良い刺激になった様子でもあることだし。
 そう呟いて、薄く笑った。
「ふふ、コダマたちには恨まれそうだが、この間ネットで探していたホテルはこの近くだろう? 駅の裏だというからな」
「ま、まさか」
 ぎくと顔を引き攣らせた娘が、信じられないという目で運転席を向く。
「たまには、一足先に試す方になるのも良いだろう?」
「あ、ああ、嫌よ。わたし―― ッ、ッツ!?」
 聞き分けのないことを言おうとした娘には、ギチギチに詰め込まれたラヴィアの内側で、お仕置きへの示唆が行われた。
 左手の残り三本にはまだヒカリの内股を撫ぜさせていても、人差し指と中指はカギ爪に曲げて、秘唇の裡に窮屈に飲み込ませてある。あらゆる意味で、そこは急所だ。
 「あぁ……ぁ、あぁ――
 苦しげに呻くヒカリ。だが、たった14歳のそこだとても、大人のペニスで日夜貫かれている場所だった。けっして無理に、ではない。
 そこへ父親はもう一本を加えた。親指が、五本の指の中で最も太い一本が追加される。深々と。
「ンぃヒッ! ひぐっ、い、……おっ、おとうさっ。っあ、あお……ぉ。む、無理……。だめっ、ゆるして……」
「じゃあ、続きはさっさとホテルでやろうか。もう準備は要らないだろう? 入ったらさっさと脱いで、いやそのままでも良いか。まずは後ろからヤってやる。犬みたいに這い蹲って、その可愛いお尻を上げて、俺のを咥えるんだ」
 「無理ではない」と「無理」の中間。ぎりぎりに「無理」へと近付けられる仄めかしに、少女はシートベルトを引っ張って体を丸めて、ひぃひぃと哀れな声を上げた。
 父親の無慈悲な腕に縋り付いて、分かったからと泣き叫んだ。
 股間への負担を少しでも和らげようと、シートの上に足を引き上げて、みっともないがに股開きの姿勢を取りながら。
 そうして父娘の車は、いかがわしげなビニールの暖簾がぶら下がったゲートへと、滑り込んだのだった。



◆ ◆ ◆



 肩を抱いたまま館内に連れ込まれる。
 休日とはいえ昼間からラブホテルにしけこむような人間しかどうせいないのだ。見られたところでと、父親は考えているらしかった。
「親子だなんて誰も思わないだろうな」
 良いところ、援助交際で遊んでいるスケベオヤジだと見なされる程度だろう。結局誰とも行き交う気配が無いことを多少残念そうに、そう嘯きさえする。
「いっそパパって呼んでみるか? コダマみたいに。……ふふ、本当のことなのにな」
 上機嫌に娘を引き寄せる父親は、腕を組んで歩こうとまで口にした。
 性格の通り、品行方正そのものので学生生活を過ごしていたかったヒカリには、ラブホテルとは口にするだけで顔が真っ赤になってしまう施設。いかにも尻の軽い馬鹿娘たちがするみたいに男の腕にぶら下がった歩き方を要求されるのは、それだけで恥ずかしかったが、
「…………」
「よしよし、可愛い子だね、キミは。ふ、ふふ」
 こうやって男の肩に俯いた顔を預けてしまえば、いくらかは人目を避けられる。
 そうして傍目には一層親密そうに―― それは親子なのだから、真実であるのだが―― 少女と中年男のカップルは、廊下に並ぶドアの一つへと辿り着いた。

「あっ」
 部屋に入ってすぐに、ヒカリは軽く突き飛ばされた。
 たたらを踏んで、ベッドに手を突いてしまう。
 家にはない、大きなベッドだった。どんなに乱れさせられて、ノゾミのようにのたうち回ろうとも、大丈夫そうなくらい。
 そしてベッドの向こうの壁に据えられた木の十字架が、否応なく目に飛び込んで来る。
「準備は要らないだろう。まず一発だ。ヒカリ、尻を出してろよ」
「お、お父さ―― !?」
 十字架の横木にぶら下がる手枷に一瞬意識を奪われた間に、もう父親はズボンを下ろしていた。
「ま、待って。まだ私! っあ、だめ、脱がないと――
「いいじゃないか。どうせお誂え向きに穴が開いてたんだ、こうしてしまえば」
「あ、あああっ」
 『ビリリッ』と、SM用の設備を整えたプレイルームに上がる布地を裂く音。予想以上に昂ぶっていたのか、性急に事を進める父親が、ジーンズの股の間に両手を入れて破れ目を一気に広げてしまう。
「そんな、帰りは……。わたし、今日は着替え持ってきて……」
「気にするな」
 手をついたまま、再度押さえ付けられた背中は殆ど水平に。言われた通り、男に向かって突き出したポーズを取らされたヒカリのヒップは、もう破れ目と呼ぶのは控え目だろうというほど広げられた穴から、大きく露出してしまっていた。
「そのまま帰れば良いだろう。駐車場までぐらい、軽いものだろ?」
「ぅあ、はうっ……ッ、おとうさ……!」
 ふんっ、と息を一つ吐いて秘裂のぬかるみに宛がって。青いデニム生地を履いてすらりと伸びる両脚を遡った付け根、ぽっかり肌色を覗かせてしまった少女の股間に、男は腰を叩き込んだ。
 既に潤滑油たる愛液の滴りは充分。とくれば一気に根本まで、と。
「あぉ……ぉ、かはっ、は……」
 挿入の瞬間に見開かれた瞳に、涙が滲み出す。
 慣れが麻痺させた心は、それほど悲しいわけではない。ではないが、人並みに夢見た恋物語とはかけ離れた交わりが強いられるたび、込み上がる感情が消えてしまったわけではなかった。
 父親が娘のきつい味わいにいつもその時は満足を漏らすのと、対照的だった。
「ヒカリ。たっぷり、お前の中に出してやるからな。帰りはスボンが破れた股からボタボタ垂らしながら行くんだ」
「そん……ぅあ、あ、ああンっ。はぅっ、あ、あっ」
「車に戻ったらタオルを渡してやろう。シートを汚さないように、父さんのチンポ汁をお漏らしするマンコを押さえておきなさい。だけど、そこまでは丸出しで歩くんだぞ? 壱中のまじめな学級委員長が、お父さんとラブホテルで近親相姦セックスしてましたって証拠を、堂々とな」
「ああっ、やっ、酷いわ……。そんなことしなくても、わたし……っッ、お、お父さんに何でも……っあ、あああっ」
 力無く俯いた首。まっすぐベッドに向かって垂れたおさげ髪。汗が浮くほど上気しきった顔に半開きの目蓋をわななかせて、ヒカリは啼いた。
 彼女の細いウェストをがっちり掴み、小気味の良いリズムで突き始めた父親を受け止めるのも、もうヒカリには慣れたことだが。それでも、大人になりきらない中学生少女の秘腔に、四十路男のいきり勃ちは負担が少なくない。
 周辺の白い肌よりも朱の色が差した割れ目の辺りには、小さな入り口に飲み込まされた極太の肉杭による無理が窺えた。
「んんんっ、んんんうぅっ、んあああーっ」
 筋の浮いたどす黒い竿が出入りをする度、口いっぱいという風情で頬張らされた媚唇はめくり返り、ぽってりと充血した粘膜花弁が引きずり出される。
 筒先で子宮口をダイレクトに刺激されるほど突き込まれても、まだ男の幹を完全に飲みきることは出来ないのだ。父親の隆々とした勃起は、高校生である姉ですら根本までは飲みきれないのだから。
 これで激しいピストンのたびに飛沫となって飛び散る愛液がヒカリの官能を伝えていなければ、見るも痛々しい蹂躙の図だったことだろう。
「はっ、はひっ。ひはっ、あっ、あくっ」
 背後から覆い被さる男との体格の差も激しかった。歳の差は二回り以上なのである。肉親同士の禁忌に触れていなくとも、中年男が抱いて良い歳の子ではない。少女が抱かれて良い歳の相手ではない。
 けれども、「女」を開発されたヒカリには、そのサイズ差のあるペニスが堪らない。
 みっちりと詰まった幼膣をゴリゴリ、エラの張った亀頭で摩擦されていると、膣襞すべてが入り口まで引きずられるかの思い。
 敏感な粘膜を全体一気に刺激されて、あまりの悦楽に目が眩むのだった。
 バックスタイルによる結合が深まる都度、甘美な性感に意識が攫われていく。
「あぉっ、おっ、っはぁッ! あっ、ああーっ」
 さんざん恥ずかしがってみせておいて、ヒカリはわななく舌を突き出す浅ましい牝犬の貌になって喘いでいた。
 こうなるとどこにも、生真面目なクラス委員長の面影は残っていない。
 父親や姉、妹を馬鹿に出来ない、淫乱な近親相姦娘に変わり果てているのだった。
 
「そら、もう我慢しなくて良いんだぞ? せっかくラブホテルに来たんだ。好きなだけ大声でよがっても、どこからも文句は来ないんだからな」
「いや、や、やっ。そんなの、のっ、おお……っ」
「聞えたってどうせ、隣の部屋もどこも、みんな自分らのセックス中なんだ。ひょっとしたらお前みたいに、中学生のくせに来ているいやらしい子もいるかもしれないぞ? そら、そういえばあの子達はどうだ。セカンドとサードの」
「あ、アスカと……碇、くん……?」
「付き合ってるんじゃないのか? それにあの歳で一緒に暮らしてるんだ。まさか、キスもしてないなんてことは無いだろう。それにあの子達は金持ちだぞ。ホテルだって使い放題だな」
 娘の狭い膣を遠慮無くほじくり返す一方で、父親は近くで見かけた友人達について邪推してみせた。
「いや、や、やめてっ。アスカは……違うのよ! わ、私たちみたいに……いやらしいことなんてっ」
「ふふっ、どうだろうな。分からないものだぞ。そう思わないか、ヒカリ。お前だって、みんな真面目な子だって思い込んでるだろうにな」
「あ、ああ……」
「それが、お父さんとラブホテルに来て、こんなにいやらしく……父さんを締め付けて……。感じてるな? いつもより……おおっ、きついみたいじゃ、ないかっ」
「あっ、ああっ、ああんっ。あーっ」
 ベルトを緩めるのすら待ってくれなかった下腹部にヒカリが感じるのは、ぽっこり膨らんでしまったのではと思うくらいの異物感だった。
 姉のサイズの筈が、それでも履き心地は妙にきつめのジーンズ。脱ぎもしないまま、直接股間に裂け目を作られて犯されるのは、締め付けられた不自由な感覚を覚えながらで。抽送のリズムと共にぎち、ぎち、ぎちと、デニム生地が軋む。
 殆ど四つん這いになった、普通だったらしない変な格好のせいだろうか。そうは思うものの、やはりきつい。
 軽く曲げて父親の体重に突っ張る膝に、震える腿に、腰に、拘束感を伴う倒錯した気分。
 揶揄された通りきゅんきゅんと子宮が疼いていて、頬を紅く染めてもつい幼膣の締め付けを強くしてしまう。父親が喜ぶからと姉に訓練させられたことだが、今は無意識にやってしまっていた。そうするとヒカリも気持ちが悦いのだった。
(ンァ、あ……ぁ、きつ、い……)
 それには、ベッドに突いた腕もぶるぶると震えて今にも崩れ落ちそうなのを必死に支える目の前、壁に異様な存在感を放つ拘束セットもが関与していたのやもしれない。
「あっ、あ、ああんっ。あっ、あ、あ――
「どうした? そんなに熱心に気にして」
 下向きになって揺れる胸元へ手をやりながら、父親が訊いた。張り詰めた胸を力任せに揉みしだかれる。
「んぁぅンっ」
「お前もやっぱり興味津々か。ああいうのを試したがるのならコダマだろうと思っていたが」
 親子の視線が重なる先に、鎖で吊された革の手枷が揺れていた。自分たちがベッドを軋ませる振動がそこまで伝わって、揺れていたのだった。
「ち、違うの。わたし、ただお父さんが……するのに、我慢してただけでっ」
「うん? なんだ、お父さんに気を使って我慢してたのか? 早く経験してみたいっていうのなら、言ってくれれば良かったのに」
 一方的に納得して、男がピッチを上げた。
 喘ぐ頬をぐいと引き寄せられ、耳元でいじわるに尋ねられる。
「どこが良い? このままマンコに出すか、それとも顔か? 胸か?」
「おとうっ、さっ。あ、ああんっ、そんな、お、おちんちん……激しくて。もおっ、おっ、あはっ、はひぃっ」
「一発出したら、あの十字架に縛ってやるからな。目隠しも縄も揃ってる。そうしたらコダマ達のお土産に写真を撮っておこう。父さんのチンポミルク、顔に掛けられて縛られているのと、そのシャツの胸もベタベタにして丸出しのマンコとお揃いにしているのと、どっちが喜ぶと思う?」
「い、いや……。お洋服、もうこれ以上……汚されたりしたら。あっ、ああっ……わたし、帰れない……」
「じゃあ、マンコか?」
 ギシッ、ギシッ、と二人分の体重を支えているヒカリの腕の下で、スプリングの効いたベッドが音を立てる。
 一気に射精まで駆け抜けるつもりになった父親の突き込みは、容赦無くヒカリの悦がり声を搾り取っていた。
「ゴムも付けていないのに、良いんだな? ヒカリの子宮に父さんが赤ん坊の元を仕込んでやっても、良いんだな?」
「だめぇ……ぇ、だめっ、だめぇ……!」
 じゃあと、お下げ髪を振り乱して叫ぶ娘に男が交換条件を頷かせる。
 頬に当たる切羽詰まった息遣いに、今にも膣内に血の繋がったスペルマ濁流を浴びせられそうになっていたヒカリは、もう首を縦に振るしかなかった。
 自分自身、オーガズム寸前に追い込められている。このまま早熟な膣肉を責め立てられれば、危険な精液をきっと子宮一杯、喜んで飲み干してしまう。
 なにより、身体の反応は理性を裏切り、勝手に危険な精をねだって強烈な収縮を見せているのだ。刻一刻を争った。
「お口、お口に……。飲んで、あげるからっ」
「よし」
 ガクガクと揺さぶられつつ叫んだ答えに一声吠えると、男は手早く二度三度、娘の最奥を突き上げてから、幼蜜に濡れそぼったペニスを引き抜いた。
「あうっ」
 お下げの片方を乱暴に手繰られ、床に引き倒される。
 よたよた腰に力が入らないまま跪くと、父親がずいと反り返った怒張を突き付けた。口を開いた途端、すぐに喉奥まで突き入れられる。
「ムグッ、フッ、んむぅ……ぅンンン!!」
 居竦んだ舌の上を強引にもぐり込んで、生臭い性臭の根源が少女の口蓋をこじ開ける。
 こればかりはいくら仕込まれようと慣れることのない嘔吐感が少女を襲うのだ。苦しげに鼻を使って窒息を逃れ、顎を精一杯に開いて、涙を滲ませたヒカリは堪えた。
「出すぞ、ヒカリ。出すからなっ、ヒカリっ! お、ぉおおおっ……!」
 そしていくらも保たず、愛娘の膣を犯すのにも劣らない恍惚のイラマチオを貪った父親が、埒を開ける。
 どぷりと塊になって噴出された粘液が、ヒカリの喉奥にいきなり迸りとなって押し寄せるのである。当然、少女の小さな口の中だけで受け止められるものではなかった。
「え゛ふっ、ッつ、ごふっ」
 反射的に頭を押さえ付ける手を振り解き、顔面にびしゃびしゃと父親ザーメンの飛び散りを浴びながらえずくも、しかし同時にまた一段とヒカリ自身も追い詰められてしまっていた。
(あ、ぁあああ……っ。おとうさんの……においが――
 もはや、意識も霞むこの境地が息苦しさによるものか、日々調教され続けて刷り込まれた実父の性臭に対する条件反射なのか、考える力も無かった。
 ただぼんやりと座りこんで。鼻筋を顎へ流れ落ちていく大量の精を顔面に浴びてしまったため、片目しか開けられない視界の中で、残りの服を脱いでいく男の姿を眺めるばかり。
 
「おとう、さ……」
 純朴な可愛らしさをドロドロに穢された顔が、床からぼおっと男を見上げる。
 それをしたのが父親である自分の放った精液だというのは、直後であるにも関わらず股間に力が漲る眺めだったのだろう。
「よしよし、良い顔をしてるぞ、ヒカリ。コダマたちに見せてやりたいぐらいだ。ふふ、母さんにも見せてやりたかったかな」
 処女を奪った日から繰り返し繰り返し犯していても、まだ飽きるということはない。そんな顔をして目を欲望にぎらつかせる。
 他ならぬ自分自身で踏みにじった哀れな娘の姿に、そしてこれからまだ思う存分に陵辱することが出来るという昏い興奮に、生唾を飲み込まずにはいられないようだった。
「立て、ヒカリ。お待ちかねの本番だ。時間が勿体無いからな、そのままで良い。さっさと始めよう。コダマ達がお腹を空かせる前にあと二発はしてから帰ろうか」
 そして、さぁと。その十字架の前に立つのだと。
 差しのばされた手を握ってふらふらと立ち上がったヒカリは、もうその言葉通りにする以外は考えられないといった様子だった。
 ぎくしゃく、ロボットめいた動きで従い、広げた手首に手枷が取り付けられていくのもただ甘受して――



◆ ◆ ◆



 そうしてその夜。
 予定をはるかに上回った時刻に帰ってからの騒動を思い、苦笑いする男が運転する助手席。正体もなくし虚ろに座るヒカリの胸には、服の上から食い込む赤いSMプレイ用のロープが巻き付いていた。
 あれだけ嫌がっていた局部露出よりも尚酷い格好。素人縛りの亀甲に乳房を絞られ、顔も胸元もあきらかな陵辱の痕跡に汚した姿を晒しつつ、部屋から駐車場までを引き立てられたのに。既にその頃には、羞恥を覚える余力すら無くしていたヒカリなのだった。
 夕方、今晩の食材にとヒカリが買い込んだスーパーの袋が、ホテルに入った時に移された後部座席のその位置で、無造作に転がされたままだったが、
「少しやり過ぎたか。仕方がない、今晩は途中で弁当でも買って帰ろうか。言い訳はお前も考えておけよ? きっとコダマもノゾミもお冠だろうからな」
「…………」
「ふふ、なかなかの写真も土産にたっぷりあるんだが。逆にこれを見せて、見ただけで勘弁して貰えるかどうかだなぁ?」
 なにより、ついでにまたゴムを買い足しておかなければなとほくそ笑む男は、帰ってからも解放されずヒカリが遭わされる壮絶な性宴を、この上にまだ楽しみに、確信していたのだった。



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From: 【近親相姦】ヒカリ日記スレ【爛れた洞木家】