続・ヒカリ日記



蜜月の週、喪失連鎖の母と彼女

ガタと、鈍い音がした。誰かが壁に強くぶつけたらしい。
くぐもって聞こえたそれは、夕食の片付けをしているキッチンから廊下に通じるドア越しにも、ひどく気を引いた。
あの辺りには、家族が急に増えて部屋からはみ出した棚が、廊下を圧迫して出っ張りをつくっている。
蹴躓いた程度かと聞き過ごして済ますには、響きが伝えた質量は大きかったように感じられたから、シンジは六人家族に1人を足した分の皿を洗う手をとめた。
ある種の予感が働き―― 余計に気になった一方で、やめておけとも予感は囁いていたのだけれども、

「見てくるよ」
「…………」

やはり気にする気配はあったが、黙りこくったままシンクの泡にまみれた手から視線を動かそうとしない母親を置いて、シンジは廊下に出た。

おざなりに拭っただけの湿り気を残す手で、古びたノブを回す。
ドアを押した分だけ暗い廊下にすっと筋を通し、扇状に領域を拡げた明かりは、その先にぼうっと白い人影を浮かび上がらせた。
アスカだった。
抜ける肌の白さ。それが裸足の足下から前髪に隠れる顔まで続くのを、なにも妨げるものが無い。
例外は、よろめきかけて左右の膝で「く」の字に近くそれぞれ踏みとどまった形になった足が、太腿の先に挟んで半ば隠す股間、うっすらと揃いだしたヘアぐらい。
乱れた髪と同じ赤い色のこれが、シミ一つのない少女の下腹部には異様に卑猥と、シンジの目を気まずく引き寄せてしまう。
薄暗い廊下に身を起こしたところのアスカには、とにかく全裸の白さが目立っていた。

「……その、アスカ……?」

『なんでもない』と少女はしゃがれた声で言って寄越した。
痛みにいらつく舌打ちと、そして何ごとか小さく、聞き取れない罵り言葉。
見れば裸足の親指が赤くなっていた。

「ぶつけたんじゃ……」
―― だからってなによ。アンタに心配してもらうことじゃないわよ」

シンジに苛立ちをぶつける目は、しかしすぐに逸らされる。
気まずい二人の距離には代わりに、奥から憚ることなく飛ばされてくる入り交じった嬌声が、居心地の悪いノイズになって混じっていた。
声は廊下の突き当たりにある、夫婦の寝室から。あの姉妹たちのものだ。
シンジの母親との再婚後もなにも変わることない、洞木家の親子の営みである。
父親がうなり声で射精を知らせ、まだいくらなんでも幼いに過ぎた末妹がはしゃいだ笑いを。
血の繋がった交媾に忘我の陶酔へ浸りきっていたらしい、よく聞き知っていた級友の―― そうして今は () () シンジの同い年の姉妹でもある、ヒカリの―― 悦がり声が、一際大きく、

「あぉぉぉっ。ぉ、あおぅっ。ッ……っ、ッあああっ! あふっ、ふーっ! ふぅッ……ン、ンぉぉぉォォ――
「出すぞ、出すぞヒカリ。お前の尻で。ッ、っおお……、奥までっ。受け止めろ!」
「うんっ、う、う゛ん゛ん゛ん……! らしてぇぇぇ。だ、だしていいか、ら……。ああ、熱いの、あたひのおひりにぃっ!」

まるで獣のうなり声だ。
あの委員長が。あんな狂ったみたいな声だして。そういつもシンジは驚かされる。
目を剥きそうになってセックスに狂っているときのヒカリの貌は、朗らかで、でも真面目なといった表情で占められていたかつての付き合い方からは、とうてい信じられないものだったからだ。

「おとっ、おどうざ―― ッぁぁぁ、あ、あぐぅぅぅぅゥーッ!!」

もう見知っているだけに、いやが上にも浮かび上がる。
そばかすの目立ち気味な頬も、ほつれた髪が汗で張り付いたおでこも、これ以上なく真っ赤にして。鼻息も荒く。
よだれを撒き散らす口元は一時も閉じられることない。ただ一心に、ポルノビデオの大人たちと変わらない艶っぽい喘ぎを一生懸命あげることへ用い続ける。
ごちゃごちゃとした五畳半間の、昼夜問わず敷きっぱなしに近い布団の上。四つん這いに尻を持ち上げ、掴む父親と一緒になって汗みどろに繋がった部分を振りたくっている、素朴なお下げの女の子の姿。
聞くだに喉を酷使していそうな絞り出す叫びだが、それは、近親相姦と呼ばれる交わりにヒカリが紛れもない悦びを得ていることを、赤裸々に伝えるものでしかない。

―― 良いも悪いもないのだ。いまさら。
いきなり現れた母親の、いきなりの再婚で、いきなり家族になったあの真面目な学級委員長は、もうずっと前から姉妹揃って父親とセックスをしていたのだから。
もうずっと前に悩む段階は過ぎていて、父親が帰宅していきなりベルトを緩めだせば、黙って跪いてそのペニスを取り出し、口に含んでしまうのが当たり前に、躾けられてしまっている。
その姉も、妹も。
父親に言われて、義理の兄弟になったシンジに三姉妹連続セックスを仕掛けてきたときには、同い年の少年の待ちもの程度、軽々と肛孔に受け容れて、

『大丈夫、大丈夫よ……。だって、お尻でセックス……したって、こんなの本当のセックスじゃないもの。わたしもお姉ちゃんたちも……赤ちゃん出来たりなんか、しないわ』
『あっ、あっ……い、委員長……っ?』
『だからね、碇く……シンジ君が心配することはないの。なんでもないの、なんってことないのよ、こんなこと』

お尻でしているのだから、本当にセックスをしているわけではない。シンジが義理の姉妹との近親相姦の罪を犯したわけではないのだ等と、甘い誘惑に繋がるようなことを口にしながら、

『あっ、だめっ、だめだ……! 委員長……っッ!?』
『あはっ、あはぁぁ……。いかりくんの、あついのが……わたしのお尻の中、い、いっぱいぃぃ』

脆くも吹き上げさせられた精を残らず絞るほどに上手に、尻をくねらせ使ってみせた。
シンジの抵抗は結局貫き通すことなど適わず、ヒカリや姉妹達の導くまま繋がった腰を不格好に必死に動かして、幾度も果ててしまったのだ。
そうやって義理の兄弟、実の父親とどころか、姉妹達同士でも淫らな張り型を装着したセックスを交わす。普通の場所で繋がる以外にも、当然のようにそうやって、アナルででも。

……お尻の穴で、でも?

―― ッ、あ、アスカ!?」

はっとしてシンジは、この家で度々夜を過ごしつつも唯一「洞木」の姓を持たない、以前の同居人を見た。
アスカは。廊下の奥からよろめいてここまで来たらしい全裸のアスカは、やはり彼女も今さら裸を―― シンジの母、ユイほどの豊かさは得ていないものの、美しいピンク色の乳輪と花開きだした時期の初々しいかたちを見せるふくらみを、隠そうともせず。
代わりにその片手で、ずっと自分のヒップを押さえていたのだった。
ティッシュを何枚も握って。赤く擦過の色に染まっているのが窺える尻たぶの、ちょうど中心辺りにあてがっている。
ポタポタと滴る粘液が、そこから廊下の床ばりに落ちていた。
精液だ。あの義理の父親の。

「……なによ。なにか言うことでもあるっていうの?」

張りと、澄んだ響きを失ったアスカの声が尖る。
怒鳴りつけてやりたい。しかし、酷い使われ方を続けさせられていたような喉ではと、まるで庇いながらようよう捻り出したかの唸りが凄んで、凄もうとして。
タイミング良くなのか悪くなのか。出くわし見付けた鬱憤のぶつけ先に思いのまま、一緒に暮らしていた昔と同じに破裂するばかりになっていた癇癪の気配は、すぅっと不意にしぼみ消えた。

「……水」
「えっ」
「お水、持ってきなさいよ」

『う、うん』と、こちらも言いたいことも言えずにただ頷いてみせたシンジには、その言葉に急いでキッチンに戻れるのが、不甲斐なくと分ってはいても、ただ安堵と感じられていたのだった。

「……アスカちゃん」

すっとその脇をすり抜けて、母がアスカへ駆け寄っていった。
はじめての肛門性交に疲れた少女を、彼女のアナルバージンを奪った男の妻が気遣う声。そんなものは、不必要に強くひねった蛇口からの水音が紛らせてくれる。
たった一杯のコップに水を汲むのにまごまごとしているシンジを再び呼ぶ声はなく、代わりにとって返してきたユイが言葉なく受け取り、そして蹲って啜り泣きを漏らしだしたアスカの元へと運んでいった。
少女の消え入りそうな泣き声と、自身も14歳のアスカと並べられて同じ調教を受けている母親のやりとりは、母がすぐに閉めてしまったドアが、今度こそ完全に遮ってしまった。



◆ ◆ ◆



(アスカも……)

そうだ。アスカも、だ。
シンジはまた、今さらじゃないかと俯いた。
洗い終わっていない夕食の器はまだ残っている。コップを渡してしまった手に、また片付けを再開させるべきなのだろうか。
―― 今すべきなのは、本当にそんなことなのだろうか?
億劫の虫に取り付かれたシンジは、キッチンの椅子を引いてふらと腰を下ろした。
呪わしい記憶が疼き出せば、垣間見えるのはこんな時には尚更思い出したくもない、父親たちの情景ばかりだ。

たとえば、毎週毎週、確実に家族中の女性達が昼過ぎまで起き出してこない日曜の朝。
誰に言われたわけでもないのにシンジの習慣となってしまっているのは、リビングか義父の寝室か、乱痴気騒ぎの舞台になった部屋にノックも無く入っては、彼と彼女らの脱ぎ散らかした衣服を片付けることだった。
日頃は家事を担当している母親も、手伝いを分担している義理の姉妹達も、このような日ばかりは役に立たない。
しかし、彼女らが起き出してくるのを漫然と待っていては、平日に処理しきれず一週間で溜りきった洗濯物が片付かないのだ。
既に朝一番の洗濯槽には一昨日までに換えた家中のシーツが詰まって、泡と共に勢いよく渦を巻いている。
後は、派手にまた汚れ物が出てしまっているだろうその部屋から、洗濯物をかき集めてくるだけだ。

「…………」

空籠を抱えて、脱衣所の扉を閉める。
唸りを立てていた洗濯機の音が聞こえなくなると、今度はすすり泣きに似た女の声が耳に届くようになった。
それもまたままあることだ。
夜を徹して交わり続けていたのか。それとも、目覚めと同時にまた始めたのか。

(……今日は母さんたちの部屋か)

襖を開けてみれば案の定、血の繋がらない母親とその娘達の累々と横たわる中、中年男のたるんだ腹の下に一人の少女が組み伏せられいた。
その女の子は、上の口と下の口と、両方から垂れ流せるだけのものをありったけ垂れ流させられている真っ最中。

「ん゛あ゛あ゛あ゛あ゛……! ッア、ア、アアアァァァ……!!」
ほつれ、絡まり、ブラッシングを欠かさない普段とは比べるべくもない有様のブロンドをのたうたせていたのは、洞木家の次女とも、そしてシンジとも縁深い混血の少女、アスカだ。

―― おう、シンジか」

義理の父親はちらと一瞥を寄越すが、後背位から崩れ落ちて尚許されずにいると思しきアスカには、反応してみせる余裕もない。
鈍く肉同士をぶつけ合う音と共に、喉を絞った悦がり声を張り上げる。
『ひぃ』と子宮を深い抽送に乱打されて、白目を剥かんばかりの悩乱の只中にあった。
彼女のまばゆい肌が汗みずくであるように、周囲に脱ぎ散らかされた下着もどれも酷い様子である。


イラスト:目黒腹蔵さん「ヒカリ日記 case Asuka 02」


「……はぁ」

慣れてしまえば、もう感慨も無い。とうにこぼすべきものは枯れ果てていた。
シンジは黙って散らばった衣服を拾い集めるのみだ。
安眠するに向いたとはとても言えない悦がり泣きが張り上げられる横で、それでもやっとの顔で休息をとる姉妹達の白い裸身を跨いでよけ、ショーツを、ブラジャーを、手際よく籠に入れていく。
女の溢れさせたものか、男の放ったものか、生臭い染みが付いていれば洗濯に。パジャマ、ワイシャツ、ブラウス―― 昨晩訪れたときのアスカが着ていたものだ―― と選り分けていき、ただ脱ぎ捨てられているだけのものなら籠を脇に置いて丁寧に折り畳む。
きちんと一人分ずつ揃え、重ねた寝間着をどこに置こうかと少し考えて、縄の跡もくっきりと残る背中を向けている母親が、どうやらもう目を覚ましているのに、寝たふりでいるらしいと気が付く。
畳を踏む足音が近付くと、ひくりと肩を震わせる。
それでも嘘の寝息を続けようとするユイに、結局なにも声を掛けないまま、シンジは折り畳んだ彼女の寝間着を横に置いてやって、部屋を出た。

―― そんな風に。アスカも、母も、あの父親に「調教」されている。
ふたり共に同じように。ポルノビデオの女性達が縛り上げられて泣きながら受けさせられるのと似た、残酷なセックス訓練を施されている。
アスカがアナルセックスを覚えさせられたということは、母がアナルセックスを覚えさせられたということだ。
アスカが泣いたように、母もあの豊かな乳房をわし掴みに絞り上げられつつ、喉が枯れるまでお尻の穴を義父の黒ずんだ剛棒に貫かれて―― 泣いたということだ。
母は、たおやかな立ち姿がこのところ儚げでさえある、あのひとは、

『あ、ああっ、ひぃぃっ、あなたぁっ……!!』

獣の格好で肛門にねじ込まれ。乱交の舞台でしかない寝室の中ですら淑やかであろうとする声を、限界まで裏返らせて、戦慄いたのだろうか。
内に悲しみをたたえていても、人を思いやった微笑みを忘れまいとするあの母は、苦悶そのものの皺をきつく眉間に刻んで―― しかし、抑えきれぬ被虐の官能に、美しい顔を歪めて悶え叫んだのだろうか。
長い睫毛をふるふると揮わせながら。
ごめんなさいと誰かに繰り返す唇から、だらしない涎をこぼしながら。
結局は面白いように、新しい夫の腰の巡らせへの反応を声を限りに示しながら。

そしてアスカ。
今宵のために「訓練」、「下ごしらえ」だと夜ごと指で道具で道を付けられていて、遂に男のペニスで荒らされた肛門から、みっともなく注がれたての白濁が漏れ出すのを後ろ手に押さえていても。
―― それでも精一杯強がって。
ひょっとすると、一時は何のわだかまりもない日々を過ごしていた間柄の、『シンジ』と、『バカシンジ』と親しく呼んでくれていた自分の目にだけはと。そんな理由でこそ、陵辱肛交の惨状を庇っていたのかもしれないアスカ。
彼女が、大人と14歳の子供の体格差で、まるで押し潰されるようにのし掛かられて、バックスタイルに犯されている姿も、シンジはよく知っていた。

記憶は容易く想像させる。
アスカがアナルバージンを散らされる、その綺麗な顔の歪みゆく様と。愉悦を含んだ雄叫びで得意満面、己の娘を使った罠で手に入れた美少女を最後の処女地まで征服し尽くす、野卑な笑みの中年男を。

『ははぁ、アスカぁ……。良いぞぉ、お前の躰は。さすがはハーフの外人娘、いやクォーターだったか?』
『くぅっ、うっ、ううっ』

弛んだ腹の下、取らされているのは恥辱感漂う屈曲位。
お腹を窮屈に丸めるようにして腰を抱え上げられ、陰部の恥ずかしい秘め花がヴァギナにアヌスと二つとも丸見えにさせられているポーズだ。
大股開きに捕まえられた足が、かくかくと力なく中年男の両脇で宙に揺れる。
中年の男の手で掴まれればいかにも小さな、くりんとしたヒップに、汚い粘液の飛び散りと共にぐんぐんと腰を使うピストンが叩きつけられる。
取り囲むのは、同じような被害者の立場を経て今や父親の狂った性欲に感染し、加害者側となった姉妹達だ。
アスカは、ほぼ同年代の少女達4人が一つの寝床に全裸で集っていても、一人際だって全く別種の白い肌をしている。女の子達が一番デリケートに扱う下腹の場所も、やはり白い。
まだ子供っぽくヘアが薄い分、加えて色素の薄い色をしている分、それだけに、40男の粘っこいセックスで布団に引きずり込まれているとすぐに、真っ赤に腫れ上がってしまうのが目立つ。
そんな恥丘の膨らみには、共犯の介添人を務めるヒカリたち姉妹のしなやかな手が伸びていたのだろう。

『ふふ、男の人って、やっぱり金髪のってくると、燃えちゃうんだ? 私たちより、そんなに美味しいのかしらね。まだ中学生で、私よりオッパイも小さいし……硬いのに、ね』
『でも、ヒカリお姉ちゃんよりはおっきいよね〜』
『もう、ノゾミったら。……どう? まだ苦しい? そんなことないよね。アスカはここのクリトリス……こうやって撫でてあげるのが大好きだから』

ピンクに染まった股間を撫でられ、秘めるべきスリットをくつろげられた性器にくちり、くちりと巧みに指を使われて。
場合によっては更にアスカのお腹に顔を寄せた誰かに、吸陰の舌もぴちゃぴちゃと使われて、

『あっ、ああっ、やっ、ダメぇぇぇ……! そこっ、そんなにしないでぇぇ』

気の強さで堪えきろうと唇を噛んで頑張っていた口元も、あっけなく悩ましい悲鳴に開け放たれてしまうのだ。
一旦崩された後は次から次に可憐で淫乱な喘ぎ声を強いられ続ける。喘ぎ悦がって息苦しい唇には、更に入れ替わり立ち替わり、洞木家の人間達が吸い付いていく。

『い、いゃっ、っああ! ……ッ、ふむっ、むっ、んむぅぅ〜』
『それ、お前も舌を……ん、んんっ、使え』

アスカが毛嫌いする、ギトついた口臭をぷんぷんとさせる中年男にも、さくらんぼのような無垢な色をした唇は幾度も幾度も奪われただろう。

『っぷはっ、ははっノゾミより下手にしかできんようじゃ、先が思いやられるぞ』
『もう、いやぁ……ぁ、んむぅっ、むっ、むむぅぅぅ』

そうして唇から秘唇から、あまりに触れられがたい筈のお尻のすぼまりから―― 全部に男の汚い獣液を注がれ、臭いを染みこまされてしまう。

『いやぁぁ……もういやぁぁ……。おしりは、お尻はもうっ。お尻に入れるくらいなら……ぁ、前に……お願いよぉ……』
『よしよし、良い顔になってきたぞ。セカンドと言えばつまり、ドイツ帰りのお高くとまった金髪娘だと評判だったからな。尻の穴にねじ込んでやったらどんな声で啼くのか……』

日本人とは肌の白さが違うアスカだからだろうか。菊の花に似た後孔のすぼまりさえ、ひずんだ周辺はともかくも入り口の粘膜はまだあまりに清らかな薄いピンク色を保っている。
そこに黒ずんだ亀頭が再びみりみりとめり込んで。きついアヌスの輪をカサがくぐってしまえば、後はズブリと一気に、

『はぉぅ!? ぉっ、あお……お、おおお……』
『前からっ、ははっ、興味がなっ、あったん……だよ―― っッ、そらぁッ!』
『ん゛ぃい゛い゛い゛い゛ッ、ひぃぃィィィ〜ッッ!!』

小鳥のように折れそうな四肢が、あひ、ひぃと湿った布団の上で溺れもがくかの、激しすぎるプレイが常で。
ヨーロッパのお姫様然とした美少女は、底知れず多量に放ち、射精を繰り返すザーメンで常に全身を白く濡らされていく。

『かはっ、はっ、はひっ……ひっ、おひっ、おひりぃ……ぃ、ぃふう゛ぅ゛ッ!』

西欧の血の分、ヒカリたち同年代のクラスメートに比べればずっと大人びて見えていても、それでもまだアスカは、年相応に肉付きの華奢な、腕も足も細い少女にすぎない。
どんなに意地っ張りであっても、大人の男にかかれば軽々と抱え込まれ、裏返しにされ、様々な体位に組み敷かれるしかないのである。
そうやって暴力的な官能の嵐に乱打されている内に、アスカもまた姉妹達と同様、アナル感覚を覚え込まされていく。

『あはぁ、アスカちゃんすっごい』

この美しい生け贄が穢されれば穢されるほど、あからさまに瞳を輝かせるのが洞木家の姉妹達で。
わけても長女のコダマと末娘のノゾミは、ザーメン化粧を施された同性に欲情を募らせているのを、隠しも恥じ入りもしない。
苦吟するサファイアの涙目を横に、もっともっと唱和して父親の暴走を後押しする。

『ね、ね、お父さん。今度はね、アスカお姉ちゃんのオッパイに出してあげて』
『や、やめて……』
『うふっ、お姉ちゃんのおっぱいに、お父さんのせーえきの臭い、い〜っぱいすり込んであげるからね〜』

母性の豊かさにはやはり未到達な、それゆえ少女とオトナの今だけの境目といった風情で魅せるアスカの、尖ったかたちの乳房。
見るからにミドルティーンらしいそこをミルクまみれにしてやってとノゾミが無邪気に言い、コダマが手を叩いて賛成する。

『ああ、いいね……。それでアスカちゃんのお乳を飲むみたいにして、ちゅうちゅう吸ってあげるんだ? ノゾミったら、甘えん坊だね。アスカちゃんにもママになって欲しいのかなぁ』
『あん、お父さんがミルクまみれにしたボクのおっぱいちゅーちゅーするの好きなの、コダマお姉ちゃんじゃない』

実姉の淫ら極まりない性癖を挙げてみせる妹に、コダマはふふっと淫蕩な笑顔で頷く。

『そうだよ。でも、お姉ちゃんはノゾミのコリコリしたおっぱいと一緒に吸ってあげるのも、パパがずぷずぷぅ〜ってした後の、ビチャビチャおまんこで飲ませてもらうのも好きかな』

より淫らがましく。この家族なら皆とうに承知のことを自分の口で告白し直すのは、聞かせる為の常套手段なればだ。
時に義母ユイに聞かせ、時に義兄弟のシンジに聞かせ、次に聞かせた中身を実体験させてやる。

『……んふ、アスカちゃんのお味は……どうかしらぁ』
『あ、ああ、あひぃぃぃっ!? やめっ、ひっ? そこはぁぁ!』

がばと顔を伏せコダマは、父親の脂ぎったアナル抽送にぜいぜいと波打つアスカの腹部に張り付いていく。
さっきまでの精液便所に使われ、白濁と愛液のミックスシロップ漬けになっている小さな秘唇。そこに自らの艶やかな唇を密着させて、尖らせた舌をためらいなくねじ込む。
深く直腸を穿つ極太ペニスで子宮の裏をゴリゴリと嬲られ、同時に女の急所を巧みなレズ舌で愛撫されてしまうと、アスカはもう翻弄されるばかりでしかない。

『はひゃう、ふぁっ! あ、アタシの……くりゅっ、くりゅとりす、吸っちゃああ……!!』

コダマはといえば、同性の性器からこぼれ出すザーメンを啜り飲んで、自分の鼻先にべたべたと擦り付けてしまっても、まるで平気な顔。
なにしろこの姉妹は、実の父親という「男」を知るのと前後して、ザーメンシャワーを全身に浴びるプレイスタイルを、常識としてインプットされたのだ。
ことに、いたいけないあまりに小柄なノゾミは、無惨さが際だつ。
時に馬かそういった獣並みかと疑うほどの量を吹き上げる父親の相手を務めていると、小さめのお下げが愛らしい顔から足まで、まさしく濡れ鼠の有様でべったりと塗れることもあるのだから。
生臭い牡臭を濃厚にロリータフェイスで浴びて、恍惚と。蕾以前のひらべったい胸に股に、飛び散った白濁を自分で集めてすり込むという、所有される証を喜ぶ趣味。
そんなものを末妹からして獲得してしまうほど、馴染まされていれば、

『おふぉ……ぉ、おひり、ぃいいっ。いっぱいっ、いっぱいふぇ……ぇ、えひゅぅううっ! っふぁうう゛う゛う゛〜!?』

ひぃひぃと、苦しげな喘ぎを漏らすのも切れ切れのゲスト美少女を慮る声は、誰からも出ないのだった。
―― そう、親友であったはずのヒカリからも。
シンジが知る限り、あの気難しいアスカの割りには、不思議と洞木ヒカリとの友情は確かなものに見えていた。
アスカは滅多に見せない他人への気遣いを見せていたし、頼りもしていたように思える。同居時代、ミサトのマンションに鋳づらくなったアスカが逃げ出した先はヒカリのところだった。
逆にヒカリも、日本に不慣れなアスカの世話をなにくれとなく焼いていたし、女の子同士の相談事というやつを持ちかけていたり。
ところが、それほど仲の良かったヒカリがアスカを父親への生け贄に差し出したのだという。
アスカが苦悶の顔でのたうって、陵辱破瓜に助けを求めていても、暗く興奮して介添えを務めきったのだという。

『ひっ、ひぃっ……そっちまで……舐められりゅと、あたひぃぃ……ぃ、た、助けて……。たすけっ、ひっ、ひか……ぁ、あああ〜!』
『ああ、アスカ……。綺麗よ、とっても……』

高校生の姉が、同い年の美少女の股間にぴちゃりぴちゅりと舌を這わす、レズ責めシーン。
淫蕩に瞳濁らせた彼女の頬に、アスカの掲げられた太腿が開かれており、更に密着してグラインドで叩きつける姉妹の父親の腰がある。
気の強いアスカが見る影もなく余裕を無くし、ほっそりとした首に金髪をはりつかせて汗みずく。あひ、あひと、のたうち回る。
ざわざわと寝床に広げられてうねるロングヘアーは、波打つ朱金の湖面にも見えようか。
波打ちが一際大きく荒れるのは、皺寄ったきつい入り口に勢いよく父親が沈みこんでいく時だ。

『はぐぅ……ぅぅぅ』

はじめだけは歯を食いしばる。
食いしばっていなければ、どれだけいやらしく悦がりだすか。玉の汗を額に滲ませ、限界近く上気していれば自分でも分かってしまうが故にである。
きっとその声は、と。

(また……またっ、あんな……ぁ、ああっ、あんな恥ずかしい声がっ)

獣じみて喉を裏返らせた悶え啼き、泣き悦がり。
お腹の下にこう、ぐつぐつと。子宮が蕩けだし、泡立つマグマが存在するかの感覚は予兆なのだと、さんざん経験させられていれば嫌でも学習する。
洞木家の家族一同揃って嬲り物にされるのがどれだけ恐ろしいかと言えば、シンジの目の前であってすら、見るも情けないアクメ顔でイき狂ってしまうのだから、救われようがない。
ましてそれが尻穴を犯されてだなんて醜態の極み、牝啼きショウを演じてみせるなど死んでも御免だろうが、

『いぎ……ぃ、いぁ、ああがっ、ッ、おぐふぅぅぅ……ッ。ッ、ふぐぅぅぅ――ッッ!!』

防音の効いたラブホテルでもあるまいに、隣近所に漏れ聞こえそうな叫びが憚りもなく、ぷっくらとした愛らしい唇から迸る。
理性の失調濃厚なでたらめな悲鳴、抑制を欠いた声の張り上げは艶っぽくもある。
掲げられた足指が引きつって、がくがくと宙をかく。いかにも苦しそうに。
苦しい、苦しいと、アスカが思うのは美貌を歪めて泣いている通りなのだろうけれども。中年の男のサイズで挿入されている彼女の14歳の直腸が、どれだけきつく締め付けて、相手に快美感を与えていることか。

『うおっ、お、……ほ、ふふぅっ。良い具合だぞ、アスカぁ』
『ああっ、ぁ、いやぁぁぁ……』
『どう? お父さん。アスカちゃんのお尻の処女、食べちゃった気分は』
『最高だな。なに、このケツ締まりは中学のお嬢さんだからってだけで、お前みたいに上手に締め付けてくれるわけでもないんだがな?』

だからと言って―― と、一端の批評家を気取るかの顔で勝手な批評を垂れもする。

『セックスは……っ、フッ、はふっ、ふっ……っ、気分、だな。こいつがただの中学生のケツなんぞじゃなくて、あのセカンドチルドレンの処女ケツほじってやってるんだと思うと』
『たまんない? ゾクゾクする? ……私たちとは、違う?』 『おうよ。なにせ、外人のお嬢さんのケツ穴だ。この可愛い金髪マン毛を見下ろしながらハメまくってやってるってのは、また格別だな。男の夢ってやつだ』

勿論、実の娘とヤるってのも特別である。それも一つの男の浪漫。大抵の男共なら同意してくれるだろうよと、下卑た形に唇をひん曲げる。
言っている内容は、この男がコダマに手を出して以来しでかしてきた悪徳三昧を踏まえての、気の狂ったキャリアを誇るものだ。

『あれだ、お前の新しい母さんのケツ穴と比べれば、最近喰った同じ初物でも、感動がな……? まぁ、母さんのケツを犯ってやるのも、これが前の総司令夫人の尻穴だときてるから、やっぱり特別なんだが』
『うふふ、酷いんだ。でもまぁ、キツキツってことだけなら、ノゾミのお子様アナルの方がそりゃあねぇ?』
『あん、やぁん。お姉ちゃん、イタズラしちゃだめぇ』

くりくりとした瞳を愉しげ、興味津々に、ちょこんと座った同じ布団の上、特等席で見せ物を眺めていたノゾミの、はしゃいだ声。 父親に自分では味わえない類の感想を聞いて羨ましそうでさえあるコダマが、傍ら、そのつるつるのお尻を撫でさわって。そして小さな窄まりを指で弄くりだす。
やがてつぷつぷと、第2関節まで人差し指を埋め込んでしまって、

『あ、やン、あふ……ンふっ……』

淫らで狂った姉妹のスキンシップは、この家ではごくごく当たり前の、日常の一コマとまで化してきていた。

『ふふふ、そうだな。うち一番のケツの締まりはノゾミで間違いない。テクならコダマか? そら、分かるかアスカ?』
『ほおっ、おおふ、ッ!? ッ!?』
『お前の尻の穴の中に、深ぁく、俺のチンポが胃の下までぶっ挿さってるのが分かるだろ?』

ぐりぐりと、狭く暖かな奥の奥に潜らせた亀頭を巡らせる。

『あぉ……ぉ、おお……ぉ』
『マンコと一緒だ。教えてやっただろう。こいつを入れてやったら、俺の腰に合わせてケツ穴を締めるんだ。真面目にやらんと、猿みたいに真っ赤になるほど尻を叩いてやるからな』

娘達の見慣れた逸脱ぶりにも機嫌良く、父親はこの夜よりはまたアスカのアヌスにとっても当たり前の風景にしてやるからと、告げるのである。

『まぁまぁ、お父さんもそんなに焦らないでいいじゃない。今晩は、ね』

とりなすように挟むコダマは、弄ばれる生け贄に親身になってというよりも大抵の場合が、自分がもっと淫らに楽しもう為のアレンジを加える、ただの提案に過ぎない。
生け贄は増して深く、目の眩む思いに突き落とされる。

『ねぇ〜、アスカちゃん? 今晩は、お尻ではじめての快、感。堪能しちゃってるだけで良いからさ。でも、明日から特訓ね。私も手伝ってあげるから、目標4週間でお尻でイケるカラダになろうか』
『ええ〜? ノゾミも手伝うんだからさぁ。もっとぱぱ〜って。ヒカリお姉ちゃんの時だって、すぐにお尻気持ちイイって、ボクがお父さんの代わりに“ぺにばん”でしてあげるアナルセックスでもイケるようになってたじゃない』
『はあっ、あっ、あっ、はぁっ……ぁ、ぁ、ヒカ、リ……?』
『……やだ、恥ずかしいわ、ノゾミったら』
『でも、ほんとーだもん』

恥ずかしがるヒカリだが、長姉は末妹に肩入れして、本当のことを言ってあげなさいと促す。
それが「後輩」の為になるんだからと、本気で信じている笑顔で。
年端もいかない妹が装着した疑似ペニスでお尻を犯されるのも―― それはそれは気持ち良いことなので、今では大好きなのよと、教えてあげなさいと。

『ああっ、なんてこと……』

そうしてアスカは突き付けられる。
幾度目になるか、もう数えるのも馬鹿馬鹿しい。洞木ヒカリもやはり、この狂気の家族の一員なのだと。

『うん、そうなの……。お尻、お姉ちゃんもノゾミも、とっても上手に弄ってくれるのよ……。ね、だから、ね? アスカも……』

姉たちほど露骨にではなくとも、じっと目を離さず、家族が狂った快楽で歓待する場に参加していることに変わりは無い。
美しい親友が悲鳴と懇願と悩乱と、入り混じったどろどろの顔に犯されていく様に興奮して。くちくちと正座を崩した横座りで自分を慰めながら、その先へと彼女が強引に連れて行かれるのを期待してしまっているのだから。

『じゃあ、ヒカリ。お父さんがアスカちゃんのお尻に出してあげたら――』

息も絶え絶えのアスカとは裏腹に、ゆったり余裕たっぷりに舌を遣う姉の、そんな妹への提案は、うふふふと淫靡な色に塗れていて、容赦がない。

『ヒカリがお尻の後始末をしてあげなさいよ。お父さんのミルク、ちゅーちゅー吸ってあげて』
『あん……。わたしが、アスカのお尻を?』
『そ、お尻のバージンブレイクしちゃった、可哀想〜なアナル、優しくなぐさめてあげなさいよ』

耳元で交わされる恐ろしい相談。ひぃっと、アスカは焦り声を上げる。

『だ、だふぅ……ぅ、ふぁめぇっ。……そんなひょと、ひ、ひないで良いから……! だ、だめよヒカリぃぃ』

アヌスを思うさま穿られる悩乱にか弱く抗いつつ。あのプライドの高い少女だったアスカが、恥も外聞もなく必死にお願いと頼み込んだとしても、ヒカリが聞くわけがない。
この、洞木家の寝室で、身も心も隷属する父親と同じ空間にいる時のヒカリが。ただの、父親の幼な愛人 (づま)にすぎないヒカリが。

―― 故にアスカは、はじめて貫かれた直腸の内側に、男の心ゆくまでの初物味わいを飾るオーラスとして噴出させた熱汁を、どくどくと注がれることになる。
クンニ愛撫の慣れた快感と、腸内射精された気持ちの悪さに咽ぶまま、それでもまだ、恥ずかしくて堪らない屈曲位を解くことを許されない。
貫通儀式とどめの刑吏たるヒカリが施す、仕上げのアヌス責めから逃れることができない。

『ああっ、あんっ、あンうぅぅッ。い、いいから……もうっ、もうそんな汚いの、吸ったりしなくていいからぁぁぁ』
『んっ、ンンっ。アスカ、アスカ、あすかぁぁ……』

ヒカリはきっと、いかにも美味しそうに友人のアヌスを啜ったことだろう。
いつも、いつもいつも、そうやって彼女たち姉妹は、父親が犯した最後に、たとえそこに刻まれたのが苦痛や屈辱の筈だったとしても、締めくくるものを悩ましい官能の泣き声に変えてしまっていたのだから。



◆ ◆ ◆



全ては妄想だ。
だが同時にシンジは知っていた。思い描かれてしまった情景が、ついさっきまで義理の父親の寝室で展開されていた現実とさほどの違いを持たないであろうことを。
その程度にはあの中年男の趣味思考というものが掴めてきていたし、なにより、確信できてしまうだけの「材料」には事欠かないのだから。
さんざん、見聞きさせられていた。さんざん、巻き込まれてきた、付き合わされてきた。
母の悲鳴も、アスカの啜り泣きも知っている。母が羞じらないながら逝き悦がる貌も、アスカが絶頂に悔しがりながら失神する様も見た。
そして逆に、見られもした。

(……汚れちゃってるのは、僕もだよ、アスカ)

辱められた場所を頑なに彼の目から隠し、強気な仮面を装い続けていたアスカに向けて、こぼす。
しかし届きはしないだろう。
溝は深く刻まれている。埋めよう手だてを思い浮かべられない程に。

(もう、だめなんだ)

アスカと、慰める母がいるのだろうドアに背を向けたまま、シンジは強く蛇口を捻って水を出し、再開させた洗い物に意識を没頭させていった。
エプロンを付けたズボンの下で、ひどく疼いていた強ばりの感触に、努めて気付かない振りをしながら。



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Original text:引き気味@北京之春
Illust:目黒腹蔵さん

From:エロ文投下用、思いつきネタスレ(4)