第3新東京市夜間ルート〜丸裸の少女たち

Original text:引き気味


『 完全公開、現役隷従中学生 』


 月はまだ上っていない。山々の向こうだ。
 一際の明かりを放つ月を欠いて、夜空には細かな星が一面に―― ひっそりと瞬いていた。
 そして夜半の静けさは、むしろ道路沿いに点々と続く街灯ぐらいしか存在を示す物の見当たらないこの地上の方にこそ、より濃く広がっているように思えた。
 場所は遷都予定都市、第3新東京市も外苑。
 街灯が照らすのは市の外へまっすぐに伸びる新国道だ。
 二車線道路ではあるものの、道幅は随分と広く取られている。背の高い街灯が間隔をさほど空けず道の遠くまで延々と並べられており、ガードレールの白い塗装は真新しく、まだ日に焼けきってもいない。
 立派な、金の掛かった幹線道路である。
 そのことは、皓々と照らす人工の青白い光によって夜闇にも塗りつぶされずまっすぐ浮かび上がった中にはっきりと見て取れるのだった。
 お陰でかえって、一帯の開発の追いついていなさっぷりの方が際立ってしまう。
 道路沿いにすら家屋らしい家屋は全くない。彼方の箱根連山までただただ駄々っ広く、利用されていない土地が左右に開けている。
 そこにきてこの時間帯、人の気配などよもやであった。
 そんな中に。
 ―― キッ。と、通りがかった一台の車が微かにタイヤを軋ませて減速。車体を路肩に寄せる。
 直にエンジンも止まり、完全に停車。
 ワゴンタイプの横っ腹、スライドドアが両側で開いた。
 後部座席に乗り込んでいた幾人かがアスファルトをざらついた足音で踏みしめ、国道の上へと降りる。
 続いて運転席のドアも開いた。
「……ねえっ」
 最初に降りたのが三人。その人影は、最後に降りたドライバーに比べれば随分と小柄だった。
 三人ともが子供なのだろう。内、車からそう離れない内に背後を振り返った一人の声も、女性のものにしてもトーンが高く、明らかに幼い。まだ少女と呼べる年頃なのだと見当が付く。
 案の定、街灯から照らされる下に出てみれば、10代中盤ぐらいの女の子。彼女はスカートとベストが一体になったどこかの学校の制服を身に付けていた。
 髪は夜目にも鮮やかな赤みがかったブロンドで、顔立ちは溜息を吐くほど綺麗な、つまり滅多にいないレベルの美少女だ。
「ほ、本当にやるの? やらなきゃ……ダメ?」
 おずおずとした訊き方だった。
 気乗りのしない何かについてダメだと返されるのが分かっていて、それでも訊いてみずにはいられなかった。そんな訊ね方。
 付け加えるなら、明白な力関係にある者が上位者に媚びて寛恕を願う声の調子でもあった。
 それを人は卑屈な態度だと言うのかもしれない。
「分かってるだろう?」
 ふうっ、とタバコの煙を吹き出し、運転手を務めていた男が少女に答える。
 だらしくなく着崩れたYシャツに、殆どほどけたネクタイ。無精髭。そして、女のように長く伸びた分を襟首で無造作に縛っただけの長髪。
 まっとうな職に就いている大人には見えない男だ。
 男は紫煙をくゆらせ、たっぷりと肺に吸い込むのを愉しんで、それから吐き出すついでで少女に答えてやるだけだった。
「俺は強制したりしない。アスカ、お前が自分で考えて、自分で決めたことだ」
「あ、あ……加持、さん……」
 アスカと呼ばれた少女は、大きく喘いだ。
 きゅっと、制服の赤い胸リボンの前で握り合わせた両手に力がこもる。
 美しく整った顔にも、隠せない動揺が広がっていた。
 長い睫毛が小刻みに震え、サファイアの瞳がわななく。
 そして、ほぼ真上から照らす街灯にはっきり照らされて、『アスカ』といかにも日本人といった名前らしいのにまるで本物の白人であるかのような白い肌が、耳まで赤く染まっていったのが分かった。
 『加持さん、加持さん……』と、小さく繰り返す声は哀れな程におののいていて、そして同時にどこかうっとりと―― 淫靡な興奮を孕んでいたのだった。
 それから、いつしか肩を大きく上下させるほど荒くなっていた呼吸を宥めるように、暫しの深呼吸を試みて、失敗して、
「ぁ、ぁあ……ぁ、ぁ、はぁぁ……っ。や、やるわ……」
「……!? そんな、アスカ!」
 決心して、明らかにその背徳的な興奮に身を任せてしまった態度。
 残る二人の内の学生ズボンを履いた少年の方が驚きを浮かべ、彼女の肩を掴んだ。
「ほ、本気で言ってるの?」
「な、なによ。ここまで来てなに今更怖じ気付いてんのよ! あんただって……カクゴってやつ、決めて来たんでしょ!」
 佇むもう一人、同じ制服の少女が尚も沈黙を守っている前で、少年と少女はやる、やらないで揉めだしていた。
 が、それも長い時間ではなかった。
 言い争いながらも少女は、『アスカ』は、どんどんと興奮の気配を強め、額に汗を滲ませ、顔を火照らせていく。
 ブラウスの首元から覗く真っ白な喉首に伝う、大粒の汗。
 はぁはぁと荒げる息遣いはもう尋常な様子ではなく、少年の制止に言い返そうとする言葉も時に不自然な口ごもりや呻きに中断される。
「あ、あたしは……ぁ、ンンぅ―― ンンンッ、ンッ、や、やるわ。やって、みせるわよ……加持さ、んぅぅ……ンンンーッ!」
 胸の裡からこみ上げる妖しげな感情のうねりを押しとどめようとでも言うのか。ブラウス越しの可愛らしい胸に自分の手のひらを押し当てて―― いや、握りしめて、揉みしだきさえしていた。
「アスカ……!」
 悲しげに上げられた少年の声も遂に振り切られた。
「み、見てて。加持さん。あ、あたしは……ぁ、ぁぁふ、ふっ、ふーっ! ああン、ンッ、ンンッ」
 ここまでくればもはや誰にも誤魔化しのきかないエロティックな、官能的なもの以外の何者でもない喘ぎ声をこぼしつつ、その西洋的な容姿の美少女は道路の真ん中に飛び出したのだった。



◆ ◆ ◆



 センターラインを踏むようにして振り返り、男の方を向き、そこでしゃがみ込み、何をしようというのか。
「んンン!」
 もう彼女の手つきに躊躇はなかった。ばっとスカートを捲り上げる。露わにされた、まばゆい白さの太腿。それを更に大胆に開いて、見せつける。
 ジャンパースカートが覆い隠していた筈の彼女の下着を、ではない。
 真正面から浴びる街灯の光によってくっきりとその全てを露呈させたのは、少女の剥き出しの秘部であった。
「あ、ぁ……ぁぁ」
 羞恥の呻きもこぼれもしよう。
 剥きたての卵を思わせるつるりとした肌の恥丘がやわらかそうにふっくら盛り上がり、そこに唇を縦にした形で刻まれた秘裂。年頃を迎えたならば既に羞恥の根源でしかない、初々しい女性器だ。
「み、見て……。見ていて……」
 この少女、決して、淫売まがいの屋外ノーパン行為、路上M字開脚ポーズに及ぶようないかにも頭の悪そうといった顔だちはしていない。
 いつも丁寧にブラッシングしているのだろう艶やかなブロンドに、西洋人形を彷彿とさせるお似合いの瞳の色は透き通ったブルー。常であれば、冴え冴えとしたほどに理知的な輝きを宿しているのだろう。
 夜闇の中に一人浮かび上がっていると、なにやら幻想めいてすら映る異国情緒。
 ノーブルな雰囲気さえ漂うこのお嬢さん、『アスカ』は、だのにヘアのお手入れも万全なそこを、あまつさえ自分でついと指を伸ばして割り拡げて、ピンク色をした膣粘膜まで見えるようにしてしまったのだった。
 
 ―― それだけどころではない。
 
「はぅ……。ぅく、くー……、くふっ……。っぁ、ああん……!」
 二枚、くぱりとくつろげられた小陰唇はピンクの花びらのよう。可憐な淫花の狭間が暴き出されたそこに、奥から垂れ下がる紐のようなものが。
 「はぁう! ふっ、ふぁハ……ハーッ、はぅぅぅっ」
 10センチほどごとに折れ跡がつき、ジグザグに少女の膣奥から伸びたそれはビニール製のコード。
 コードは、少女が小刻みに躯を震わせている以上にひっきりなしに振動していて、右太腿の内側にテープで貼り付けられた小さなボックスに繋がっていた。
 そして、コードの―― というより、コードの先で美少女の恥花に潜り込んだ何かの振動によって、さきほどからの甘ったるい喘ぎが引きずり出されているのだった。
 その事実は、少女自身がわななく指でボックスに付いたつまみを操作して見せ、コードの揺れる激しさと、噛みしめようとする唇の隙間から噴き零す悩ましい息遣いとが共にエスカレートしたことによって証明されていた。
「ああっ……!!」
「……!!」
 顔をくしゃりと歪ませ、悲嘆の声を洩らした少年の視線。同年代が演じるひどい変態行為を目の当たりにしたせいか、ぶるぶると震えだしたもう一人の寡黙な少女の視線。そして、煙草を咥えた口の端を吊り上げてみせる男の視線。
 三者が注ぐそれぞれの眼差しを浴びて、もう耐えきれないといった風情。目も開けられなくなった金髪の女の子は、そのくせこれが仕上げだとばかりに懐から手帳を、自分が通っている学校の生徒手帳を取り出して、くぱぁと性器を拡げてみせる前の地べたに放ったのだった。
『第3新東京市立第一中学校、2年A組。惣流・アスカ・ラングレー』
 そう読めるのが、彼女の名前なのだろう。
 無論、それで間違いなどありはしない。
 身分証明機能を果たすべく、所属から生年月日から、まだ14歳でしかないという所までしっかりと刻まれたその横には、にっこりと余所行きの笑顔で映るこのアスカ嬢本人の顔写真が貼り付けられているのだから。
 自分で下半身を丸出しにしてしまっている真ん前に出すには危険過ぎるとしか言いようが無い。
 自分で仕込んだのか、誰かに仕込まれたのか。はしたなくもオトナのオモチャ、ピンクローターを陰唇に咥え込んで悦がっているシーンを披露中の最中にとくれば、これはもう正気すら疑われる。
 無精髭の男とどんな間柄なのかはともかく。こんな真似をしているところを押さえられただけでも、それだけでも中学生の女の子にとってはとんでもない弱みとなるのに。そこに名前と所属学校までセットになれば、もうダメだった。
 ここで男が写真の一枚でも撮ってしまえば――
 それこそがまさに答え。おそらくはこのアスカ嬢が『自分で考え、自分で決めた』ことだったのだろう。
「ふふん? 随分とご機嫌じゃないか、アスカ」
 いかにも気乗りしないといった態度を作ってただ眺めているに留めていた男が、ここで漸く動きを見せる。
 ポケットから引っ張り出した携帯のレンズを、彼女の方へと向けたのだった。
 ―― パシャッ。
 フラッシュが光り、携帯内のデジタルメディアにこんな恥ずかしい格好のところを記録されてしまった少女が『ひくんっ』と、その身を竦ませる。
「…………!」
「うぁっ……」
 同時に他の二人もまた、自分がフラッシュを浴びたかのように顔を強ばらせる。
 さらに携帯はジーッとズーム機能を働かせる音を立てて、また一枚、この欧風美少女一生物のスキャンダル写真を撮影した。

「……ぁ、はぁぁぁ……ぁ、ぁぁう」
 まるで瘧にかかったかのような震え方だ。窮屈な姿勢でしゃがんでいたにしても随分と早く、少女の太腿がくがくと限界を訴えて、そのまま彼女は道路に尻もちをついた。
―― あッ、ぁ、だめぇ……。ちゃんと、あたしちゃんと……加持さぁん……」
 それでも、こんな変態プレイに手を出すのは早すぎる歳の、幼い性器を丸出しにするポーズは止めようとせず、そればかりかそれで更に興奮を深めていっているとしか思えない舌足らずな喘ぎでもって、『ンンンッ、ンッ……ンンンッ』と火照りきった顔をよじらせる。
 淫らな興奮は指先にも及んでいたのだろう。
 少し前から何度か、震える指先を滑らせ滑らせ、秘められてあるべき割れ目の口を元に戻してしまっては―― また開き直すという行為を繰り返している。
 そうして、敏感極まりない状態になっているのに違いないピンク粘膜に触れるか触れないかの花唇の端で、押さえるための指先に必要を越えた力を込めている気配。
 つまり、躊躇いがちにではあっても、
「気持ち良いかい? アスカ。俺やレイちゃんや、シンジ君の前でいじるのは」
 と、レンズ越しに眼差しをやっている男に言われてしまうのも時間の問題だったろう、自発的、能動的な自慰に及びはじめていたのだった。
「い……です」
「うん?」
「気持ちっ、い、いいです……っ。ンぁああんんン! いいの、イイのぉ〜。加持さぁぁぁんンン!」
 ローターの振動で機械的に引き出された反応ではなく、自分の指でまさぐって自分で官能を得ている喘ぎ声。
 パシャとまた焚かれたフラッシュ。一瞬の強い光を浴びたそこでは、たしかに粘膜器官であるからという以上のぬめりが生じていたし、縦にくつろげられた割れ目の上端で十四という年齢相応のいじましい小粒ぶりをしていたクリトリスがつんと硬くなって、そこだけ立派にオトナの女になったかの膨らみ方を示そうとしていた。
 年端もいかない少女が背伸びでしかない淫らさで懸命に喘ぐ、あまりの光景。『ごくり』と、少年が生唾を飲み込んだのは、きっと彼女自身にも分かったはず。
「……っ、っッッ!!」
 少女は赤面した。
 元々、頬を顔中を汗ばむほど真っ赤にさせた興奮のただ中にあったのに。さらに火を噴くんじゃないかというほど羞恥に塗れた、なんとも言い難い―― 男に対する恨めしさや媚び、自分に対する情けなさも含まれていたのかもしれない、複雑な表情を。そんなものを僅かの間に作り、誤魔化すように大声を上げて、彼女だけに恥をかかせていた二人を批難したのだった。
 なによあんた達。わたしにだけ、させとくつもりなの……!?
 あんた達もするって決めたくせに、言ったくせに―― と。

 そうして。
 無精髭の男が見守る前で、夜の国道の真ん中に同じ中学の生徒手帳が三冊、置かれたのだった。

「……あ、ぁ、ぁぁ……ぁぁ……」
 『綾波レイ』と記され、無表情すぎる顔の写真を貼り付けた生徒手帳。
 持ち主の彼女はアルビノ症であるらしい。髪の色に色素はなく、瞳はウサギと同じ赤い色。
 しかし今は写真からすると目を疑うほど蕩けた貌だ。  呆と虚ろな眼差しをひたすら目の前の男に、より正しくはそのスラックスの股間に注いで、隣で喘ぐ同級生の少女と同様、道路に直にお尻をつけた開脚ポーズになり、オナニー真っ最中の秘唇を突き出して見せていた。
「……ぁっ、ぁ、あっ」
 M字開脚というか、片脚『へ』の字開脚というか。限界まで開いた左太腿を左腕で抱え込み、こちらは内腿の肉に爪が食い込むくらい頑張って支えているけれども―― 右腿はオナニーが気持ち良すぎるせいのヒクヒクといった痙攣そのまま、だらんと路面に投げ出して、黒いローファーの踵でアスファルトの表面をずりずり引っ掻いている。
 その間、右手は人差し指をちっちゃな膣口に押し込んで、ぐちゃぐちゃ愛液で泡を立てるのにただただ夢中。
「あっ、あ、ぁぁあ……ぁく、くふ……ン……」
 一緒に親指の腹でぐりぐり、ぐりぐり、真っ白なヘアが形作る薄い叢の中心を揉んでいるのは、金髪のクラスメイト以上に積極的に、最初からクリトリスをいじめるやり方で始めてしまっていたから。
 この一見物静かそうな女の子は、道路の真ん中まで出て来てスカートを捲り上げて見せた時から、もう内腿の付け根に一筋伝うほどの愛液を秘唇に沁み出させていたのだ。
 既に何度か、根本近くまで深々人差し指を押し込んだ姿勢で全身を強ばらせ、ぴゅぴゅっとささやかなお漏らしを股間に噴くのとセットのアクメにまで到達してしまっている。
「レイちゃん、悪いね」
「な……に……?」
「君にも今晩、プレゼントあげとくべきだったと思うよ」
 三人まとめての記念写真を撮った後は一人一人の周りを近付いて携帯に撮影していた男が、金髪の少女の股間でモーター音を立てているローターを指し示す。
「わたしの、ここにも……?」
「そう。レイちゃんの、そのエッチなお漏らしだらけのワレメちゃんにもさ。アスカが羨ましいだろう?」
「……いいえ」
 いいえ、いらないわと。ぼんやりとした双眸が見上げて、それよりもと熱い息をもらす。
「あなたの、それで……はやく欲しいの……。奥に、ずんって……深く、深く……」
 『ねぇ』と、ねだるのである。
 いかにも病弱そうな肌をした少女だ。明白な官能に彩られた声も掠れ掠れの囁くようで、こんなにも激しいオナニーに夢中にさせていたらどこか具合を悪くしてしまうのでは心配さえしたくなるやも。
 しかし、男のぱんぱんに膨らませた股間を見詰めて、ちろちろと覗く赤い舌で舌なめずりさえしている艶めかしさときたら。
 アスカと呼ばれる同級生の子が自分を捕らえた官能の猛々しさに振り回されそうになって、どこか泣き出しそうにしているのに比べ、こちらの一見か弱そうな女の子はひょっとすると将来は男を手玉に取る大淫婦になるのかもしれない。
 そんな可能性を見てしまう、堂に入った淫らぶりだった。

 そうして最後の生徒手帳の持ち主、碇シンジ少年。
 学生ズボン姿だった彼はクラスメイトの女の子たちと同じ勝手でというわけにはいかなく、ベルトをゆるめて脱ぎ落としたズボンを道路脇に停めたステーションワゴンの中に残してきていた。
 そのせいで、同じ下半身丸出しの姿であっても、少女たちの隣に並ぶまで歩いてくる間の格好のつかなさといったら。
 そういった主人の気持ちなど何処吹く風、浅ましくピンと上を向いた勃起若茎を両手で引っ張るシャツの裾に隠すように、もじもじと。
 以来ずっと俯いたままの顔は、左右を挟む美少女達の公開オナニーに遅れまいと頑張ってペニスをしごいている今もそのまま。
「……碇くん」
「はぁっ、はぁっ、はぁっ……。ねぇ、シンジぃ……?」
 右から左からの、不満そうに彼を呼ぶ声。
 ひたすらに目の前のこの加持という男の股間にルビーの瞳を注いでいる少女は、つぅーっと端にだらしない涎ををこぼしてしまっている唇でもってさっきからずっと、『欲しいわ、欲しいの』と訴えている。
 けれど、その度に男は首を左右に振って返していたのだ。
 だめだ、まだだ、と。
 曰く、まだ約束の写真が撮れていないからと。
 だから彼女は、そしてもう一人と―― すっかり出来上がってしまって、頭の中が男の逞しいペニスで今掻き混ぜているぐちゅぐちゅの性器を貫いてもらうことで一杯になってしまっている路上オナニー少女達は、少年をせっついているのだった。
「いい加減、顔っ、上げなさいよっ」
「早く、……ああ、我慢出来ないの。ねぇ、早く……」
 さぁ、さぁっと左右から強要されて、
「ああっ、ああああっ……!」
 シンジ少年が半泣きでもたげた顔を眩く染めたフラッシュは、同時にその両手の間から飛ばされた射精の飛沫をも、カメラレンズに捉えさせていたのだった。

「よぉし。シンジ君の顔もこれでばっちりだ。後でアスカの分と二枚、プリントしとくから……。いいか? 言ったとおり、ユイさんとキョウコさん、ママ達にだけ俺からのプレゼントと一緒に渡すんだ。分かったな?」
「…………。はい……」
「分かってるわ。それよりねえっ、早く、早くホテルに―― ううんっ、やっぱり我慢出来ない。ここで、ね、ここでセックスしてよ、加持さぁ〜ん」
「……わたしも。はぁぁっ、わたしももう……無理。あなたの、わたしのここに欲しいの……」

 この指示が何を意味しているのか。到底まともに判断出来ているとは思えないおざなりな返事だけして、少女たちは男のズボンに両方からすがっていく。
 彼女ら自身の言葉通り、もうそのペニスでゴリゴリと膣肉を抉ってもらうことしか頭にないのだ。
 世間に鳴り響くほど校風の乱れた中学校だというわけではない、第壱中学の生徒達が。何をどうして、ここまで躾られてしまったのか。男のセックスと引き替えなら何だってするという、ペット同然の状態にどうやって調教されてしまったのか。
 しかしきっと、もう彼女たちにとっては今日までに何があったか、自分たちの身に何が起きているかなどは、もう問題では無いのだろう。
 ただただ、男の前で競うように―― 男と同性の少年でさえも―― 股を開いて、性器を見せつけて、まず真っ先に貫いて貰えるかだけを考えて、媚びた声を上げ続けているのだった。
 
 そうして、いずれ少年少女三人の母親達を心臓が凍り付くほどに驚かせ、怯えさせ、肉の悦びと苦悩に彩られた泥沼地獄に引きずり込んでいくことになる、生徒手帳を示しながらの下半身露出写真。
 これほどの捧げ物を男にした子供たちに褒美として返された仕打ちとは、ゆっくりと山の端から上りだした月が天頂に至る夜更けまでの、蹂躙セックスなのだった。
 虫の鳴き声ぐらいしか響くものの無い閑散とした道路脇に三人揃って、直腸をペニスにほじくり返される喘ぎを、ヴァギナを巧みな指遣いでまさぐられる嬌声を放つ、淫らな夜間三重唱。
 靴と靴下ぐらいを残して素裸にされて、脱いだ服をアスファルトに敷いて横たわる。それで異様な持続力を見せる男の勃起股間と深く繋がり合い、片方では順番待ちを強いられている同級生二人の陰部に、交互の口唇奉仕を。
 同性の蜜壺いっぱいに注ぎ込まれた白濁液を友人自身の発情蜜と一緒に啜り、男同士のセックスで腫れぼったくなった肛門にも舌を遣う。
 終いには、路面にぽたぽたとスペルマ汚汁を垂れ落とす下半身もそのままに、ガードレールに両手を縛り付けられた無残なヌードでほったらかしにされ、男が運転する車が戻ってくるまでにどれだけ恐ろしく心細い思いをさせられたのか。
 そんな仕打ちをされて尚、この歪められた十代の青春を送る少年少女の瞳はどんよりと欲情に潤み、一層の昂ぶりを浅ましく露わにした股間を夜風に晒しながら、男をひたすら待ち続けていたのだった。




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From:エロ文投下用、思いつきネタスレ(4)