「へくしょん!へくしょん!へくしょん!」
 ……と可愛らしいくしゃみを繰り返したのち、盛大に鼻をすすってから彼女は切り出した。
 「あのさぁ」
 しばしの沈黙。もう一度くしゃみ。
 「……ねぇったらぁ」
 「なによ!この不審人物」
 「そんなにトゲトゲしなくてもいいんじゃないかなぁ。ふたりとも似たような境遇なワケだし。だいたいあたしが敵だって決まったわけじゃないっしょ?」
 「じゃあ聞くけど」アスカの眉がきりりとあがる「アンタは何者なワケ?」
 「うーんと……ね」小首をかしげて上を向いて少し考え、それから彼女は満面の笑みを浮かべた。
 「よし、それでは明かそう!」豊かな胸を反らして彼女は宣言した「わたしは、わたしは真希波・マリ・イラストリアス!みんなは真希波とかマリとか呼ぶぞっ!どうだ!恐れ入ったか!」
 数拍ののち、クオーター少女のミルク色の肌が怒りで紅く染まる。
 「名乗っただけじゃないの!ぜんぜん正体さらしてないし!やっぱりアンタ……え、えっと、えー。マリ……だったっけ?……はスパイでしょ!」
 「だからね、式波君」マリは溜息をついた。「そう思っているならばキミは碇シンジくんじゃなくって諜報部に電話をすべきだと思うんだけどな」
 マリの言葉に式波・アスカ・ラングレーはぐっと言葉に詰まる。
 「そ、それはね、諜報部がぜんぜんまったく信用ならないからよ!だいたい密入国したアンタを悠々しゃくしゃく泳がせておいてることからして怪しいじゃない」
 「うーん。そうかもねぇ」マリは肩をすくめた。「じゃあこれも、諜報部のワナの一部なのかなぁ」
 さっと青ざめるアスカににっこり微笑んでから、真希波・マリ・イラストリアスは大きく伸びをして床にばたんと倒れ、天井を仰ぎ見る。たっぷりとしたバストが純白のブラウスをばっつんぱっつんに持ち上げて、いまにもボタンが外れそうな姿勢になった。
 「これさぁ、シンジ君が来ても外せないんじゃないかなぁ?」
 マリは右足を揺すった。ぎゅっと締まったその足首はがっちりとした手錠がかかり、天井まで届く巨大な書架につながっていた。
 「んなことないわよ。鍵はちゃんとあるんだから。あそこに」
 形のいい顎でアスカが指し示す。
 書架と床の数センチしかない隙間で燦然と鍵が輝いていた。
 しかしアスカはそれを手にすることはできない。
 そこまで手を伸ばすことも、そもそもその近くまで歩いていくこともできない。
 彼女の両手首はそれぞれ左右の足首に手錠によってつながっていていたのだから。



 -自縛- Case A





 数日前、この第三新東京市内に大胆にもパラシュート降下した侵入者がいることを知った式波・アスカ・ラングレーは、その事実を知るや瞬時に迎撃態勢を整えていた。
 すなわちスタンガンに拘束用の手錠、緊急呼び出し用のブザーなどなど。
 だがそのキットを綾波レイも碇シンジも受け取ろうとしなかった。
 「わたし、体力ないから」
 ……逮捕なんてぜったい、むり。
 言外にそう匂わせてレイは首を振った。
 「えっと、その……そんなの必要ないと思うよ。だってその、優しそうで美人な女の子でくんくんして、ミサトさんみたいに大きくって柔らかく……あ、いや、なんでもない。そ、そそそそそ、そういうのは諜報部に任せるべきじゃないかな?」
 碇シンジはむしろ積極的にアスカの提案を拒否し、彼女に重大な懸念を抱かせた。

 だから少女の手元には三つの手錠が存在したのだった。
 休日前の放課後、図書室で洞木ヒカリお薦めの少女小説を読みふけっていたアスカが(そういうモノにすっかり耽溺していることを彼女は自身の保護者に知らせるつもりは全くなかった。だからそれを借りて自宅で読むなどは論外だった)、とっぷり日の暮れた校内を歩いていたときにふとその「侵入者」……MAGI制御下にある高性能監視カメラでもぼやけたディティルしか捉えられなかったが、それが長身で眼鏡を着用した少女であることは明らかだった……と出くわしたとき、アスカの鞄の中にはその手錠が三つ、納められていたのだった。

 式波・アスカ・ラングレーは即座に謎の少女めがけて駆け寄った。
 風を巻き接近するアスカを認めた侵入者は、「にゃ?」と間の抜けた声を上げてしまう。
 すぐに我に返って身を翻し書庫らしき小部屋に飛び込んだ。
 もちろんアスカもそこへ突入。
 高い書架に囲まれたその空間でエヴァンゲリオン弐号機パイロットは侵入者を束縛せんと、おのれの格闘技能を全開にした。
 だが、謎の少女は手強かった。
 空手チョップの構え(ただし妙に腰の引けた)と「あちょーあちょーあちょー」という奇妙な掛け声でアスカを牽制し、旋風のような回し蹴りも見事にかわす。
 はずみで床に落ちる鞄。散らばる教科書、飛び出す手錠。どこかに飛んでいく鍵。
 それどころかローキックでアスカの足下をすくい、「あ、青の縞パンなんだ」と乙女の秘密を暴露するほどの手練れだった。
 けれどもアスカも負けてはいない。
 打撃格闘戦が身長差で不利になるのならと、純粋な組み討ちに切り替える。
 全身をバネにして飛びかかり、膝にしがみついて押し倒す。
 「覚悟なさい!」
 落ちていた手錠を拾い上げ、謎の侵入者……眼鏡の長身少女……を束縛せんとする。
 だが。
 「へ?えええっ?」
 逆手を取られ、カチリと手錠がかかったのはアスカの右手首、さらにもう一方のリングはアスカの左足首をかちゃりとくぐってしまった。
 「ちょっと!まてぇ!」左手で掴みかかる。バランスを崩してひっくり返る。
 けれども謎の少女・マリの足首をアスカはがっきと掴んでいた。
 「は、はなしな……さい……よっ。く、くうぅぅぅぅッ」アスカを引きずり、かつなにやら「三歩進んで二歩下がるー」と演歌調の歌をつぶやきつつドアに向かってじりじり進むマリ。しかしアスカも意地でも離さない。
 カチャリとマリの足首に手錠がかけられた。
 「うわ、うそ!マズい!」
 「逃がすかぁッ!」その手錠が書架のフレームにロックされた。見事にひっくり返る。
 「ざまあ見なさい!そこで待ってるのよ!すぐに諜報部に連絡して……う、あ、おっっとっと……」右手右足が拘束されたものすごく無理な姿勢でアスカは書庫と床の隙間に滑り込んだカギへとよろめきながら向かう。
 しかしその右足首をこんどはマリがひっつかみ、アスカは床におでこをぶつけて涙目になった。
 「いーかーせーなーいー」アスカの足首に手錠をかけ、マリは自分と同じく書架の柱につなごうとする。自由な左手で激しく抵抗するアスカ。
 「うわっ!このこのこの!……あ」
 「あ……」
 書架にもう少しでつながるはずだった手錠がアスカの左手首をいつのまにか拘束していた。
 「ちょ、この、うひゃぁ!」もがくアスカはスカートの中が丸見えの状態でごろりと床に転がった。
 「あららぁ……これじゃぁあの隙間に手は入らないわねぇ。どうやってカギをとるつもりなのかなぁ?ア・ス・カ・さ・ま」
 「アンタだって動けないくせに!」
 「う、まぁ……そだけど」
 「どうするのよ!コレ!」
 「いや、それ、あたしに聞くことじゃないと……思うけどにゃぁ?」
 マリは溜息をついた。

 かくして謎の侵入者・マリと熱血無鉄砲無思慮な追跡者・アスカともに脱出も追跡も不可能な状態が完成したのだった。
 二人とも妙にエロティックな格好で拘束された状態で。



◆ ◆ ◆



 「分かった?シンジ!南棟の三階、西側の書庫だからね!すぐ来るのよ!大急ぎで来るのよ!大至急でダッシュだからね!あー!電池切れちゃう!はやく!はやくッ!」
 アスカの叫びとともに携帯電話の液晶表示はブラックアウトした。
 「まじ?ほんとに電池切れ?」アスカの顔に携帯電話をかざしていたのは真希波・マリ・イラストリアス。
 二人の少女は一時的な休戦条約を結んでいた。
 両手が自由に使えるマリがなんとかたぐり寄せた携帯電話、それで碇シンジを呼び出し、書架の下の鍵を回収してもらうというところまでは休戦。
 両者はとりあえずの合意に至っていた。
 もちろん、彼が鍵を見つけた「あと」についてはそれぞれまったく思惑が違っていたのだが。

 「あのさぁ」
 「なによ!このスパイ女」
 「またそんな風に言う」

 さっきの会話が繰り返されて、マリは少しうんざりしていた。
 この手詰まり状態の元凶であるはずの式波・アスカ・ラングレーはまったくぜんぜんマリに対する敵意を隠そうとしないのだ。
 だから少し意地悪してやることに決めた。
 「ま、わんこシンジくんのことだから……」
 「『わんこ』じゃない!」
 「いや、それは言葉のアヤってもので……とにかくカレはきっと血相替えて助けに来てくれるよ。でもねぇ」にやりと笑う。眼鏡がきらりと光る。「彼より先に他の人が来たらどうなっちゃうと思う?」
 「ど、どうって……助けてもらえばいいだけじゃない。ばっかじゃないの?」
 ちっちっち、とマリは細い指を振った。肉感的な唇が愉快そうにゆがんでいた。
 「分かってないなー。シキナミくん、そりゃね、助けてくれるよ。最終的には」
 「最終的?」不安そうに首をかしげるアスカ。にんまりするマリ。
 「いまのキミがどういうカッコしてるか、分かってる?」アスカははっとする。両手を動かそうとして、可愛らしい下着に包まれたヒップが完全に丸見えになることを発見する。慌てて両手を元の場所に戻して脚を閉じる。それでもかなり「きわどい」どころか「狙った」露出状態であることにアスカは気づいてしまう。
 「そうそう。クラスのあこがれの存在の式波さんは、いま、なぁにをされても逆らえないってこと」
 ヨーロッパの血を引く少女のミルク色の肌がさぁっと青ざめる。
 ……もうちょっと意地悪しちゃおうかな。
 くすりと笑って言葉を続ける。

 「いつも強気で高飛車で、デートのお誘いも、必死の告白もすげなく冷たく拒否しちゃう式波サンのこの姿をクラスの男子が発見したらどうするかなぁ」
 ひくり、と少女の身体が痙攣する。
 ……ほんとにつれない対応してるんだ。このコ。思い当たる節、いっぱいあるんだぁ。
 マリはもう一押しする。してしまう。
 「セクハラ教師を真っ正面から非難して鼻っ柱を叩き折っちゃうどころか、全校の笑いものにしちゃった美少女アスカさんのこの無残な姿を先生方が見つけたらどうするかしら?」
 「あ、あ……そんなこと……あ、ありえない……からぁ。だって、当然じゃない……あんないやらしい目で見るなんて非難されて……当然でしょ?」
 「あちゃぁ。ほんとにやってるんだ……このコに罵倒されたらダメージ大きそうだなー」
 栗色の髪を持つ美少女の弱々しい反論はマリの悪戯心を刺激させた。
 にんまり笑ってこの勇敢な少女の不安を煽ってやる。
 「ふーん。あり得るかどうか、ちょっと想像してみれば分かるはずよ。あのわんこくんが来る前に、他の人たちに見つかっちゃう可能性を」
 小さく悲鳴を上げるクォーター少女。けれどもその青い瞳はどこか遠くを見つめていた。



◆ ◆ ◆



 「……ちょっと想像してみれば分かるはず。あのわんこクンが来る前に、他の人たちに見つかっちゃう可能性を」

 ……確かにシンジよりも先に、他の誰かがここに来る可能性はある。
 式波・アスカ・ラングレーは不自由な姿勢でマリの言葉を内心認めていた。
 ……けれども、アタシにそんな性的な嫌がらせをするわけなんて……ありえないでしょ。
 ……みんな常識ってものを持ち合わせてるんだから。

 「いまの式波さんの姿を見て、理性を保てるオトコがいると思う?
 ……真っ白ですべすべの太腿。
 ……可愛いちいちゃなショーツでかろうじて護られているぷりっぷりの「洋物の」お尻。
 ……いつもとはまったく違う不安げで儚げな瞳。
 そんな美少女が身動きできないんだからね」

 うそ、うそ、うそだ。そんなこと、そんなこと……。

 「想像してごらん。クラスの男子に見つかっちゃったとき、式波・アスカ・ラングレーの身にナニが起きるかを」
 ヨーロッパの血を引く少女は身震いする。

 もし、もしクラスの男子がいまのアタシの姿を見たら、我を忘れてしまうかもしれない。
 だって、だって、いつもスカートの中を覗こうとしてる男子だよ。
 着替えの盗撮写真をお金を出してまで買っちゃう男の子たちだよ。
 体育の時間で、体操服の裾からおへそが覗かないか、怖いくらいずっと見ている男の子たちだよ。

 ……うん、「ひとり」ならそんなことはしない……ううん、「できない」かもね。
 ……だけど……ね、「何人ものクラスの男子」だったらどうなるかなぁ?
 ふたり?さんにん?ふふ、四人もいたら……どうなっちゃうかなぁ?

 アスカの愛らしい唇から甘い悲鳴が漏れた。


 拘束された少女たちを見る少年たちの視線に含まれる好奇心は、ほんの数十秒で淫らで邪なものへと変わってしまった。
 アスカによる事情説明はなんの役にも立たなかった。
 「あとしばらくの間は彼女たちを好きにできる」ことを彼らに知らしめただけだったのだから。
 くすくす笑いながら少年たちは「クラスのお姫様」の下半身に手を伸ばす。

 「ばか、やめなさい!身動きできないクラスメイトにそんなことするなんて卑怯じゃない!」
 きりりと柳眉を釣り上げる式波・アスカ・ラングレーの非難の声も少年「たち」にとって獣欲をあおる素敵なスパイスにすぎなかった。
 両手両脚がまともに使えないながらも膝を使ってよちよち逃げようとする少女はしかし、そのぶざまなうつぶせ姿勢が小振りのヒップを蠱惑的に見せているだけということを分かっていない。
 可愛らしいショーツに包まれた素晴らしい曲線を、柔らかな布地をぷっくりと持ち上げている少女の「おんな」の部分の形状を鑑賞していた少年達はアスカがドアのすぐ前にたどり着いたその瞬間、げらげら笑いながら一斉に手を伸ばして引き倒し引き戻す。
 悲鳴と罵声はうつぶせ姿勢のお尻からショーツが乱暴に剥かれるにつれ、懇願の声に変わる。
 「やめてやめてやめて、そんなことしないで、お願いだからやめてぇ……い、いやぁぁぁッ!」
 「うわ、オンナのココってこんなカタチしてるんだ」
 お尻を突き出した姿勢の少女の大切な部分をひんやりとした指が乱暴に押し広げる。
 素っ頓狂な声、どっと上がる歓声。
 「タテスジって感じ」
 「あんまり生えてないな。ふわふわ産毛?ってやつ?」
 「うわぁ、やわらけぇ!こんなに広がるんだ」
 「おっ、中はこんなびらびらがあるんだ」
 「妹のとはちがうなぁ」
 「やめて!やめて!見ないで!拡げないでよぉ」
 「奥はすごいピンクで、このちっちゃい孔がおしっこの孔で、こっちが……」
 「いや、いやぁ、い、い……あ……か……くぅぅぅッ」
 「すっげぇ狭くて熱くて、ぬるっとして、だ、第一関節しか入らないけど……超気持ちいい!」
 「ゆ、ゆるし……て……ぇ」
 「ほら、ほらほらほら!ココをぐいって剥いたら……このちっこいピンクのやつがクリトリス!」
 「やだぁ!やだぁ!それ、そこ!摘まないでぇ!弄らないでぇ!い、いき、息を吹きかけないでぇ!」
 「あははっ!式波が泣くとアナルがひくひくしてら!」
 「意地悪ッ!卑怯者!恥知らず……ああ、ああ、やだあ、なでちゃやだぁ……」

 「クラスのお姫さま」を性の教材として与えられた好奇心旺盛な少年たち。
 彼らは「オンナのカラダ」の学習に夢中になった。
 異性の構造を初めて知る者も、家庭でしばしば母親や姉妹の身体を目にしている者も。
 彼らはとても熱心に執拗に式波・アスカ・ラングレーの身体を調査する。
 うっすらと茂る柔らかな恥毛を撫で回し、さらにはつんつん引っ張って少女に苦痛と恥辱のあえぎを漏らさせ、顔を見合わせて「紅茶色ってやつ?やっぱガイジンだよな」と笑った。
 可愛らしいショーツを剥かれ、露わにされた女性の構造を乱暴に指で押し開いて確認し、顔をすぐ近くまで寄せると大声で感想を述べ、匂いを嗅ぎ、息を吹きかけた。
 そう、少女は「解剖」されてしまう。
 自身もはっきり認識していない乙女の器官の構造を指さされ、撫でられしごかれ、突き刺さるような視線を浴びつつ大声で告げられる。
 恐怖と屈辱と痛みと痛痒感で全身から汗が噴き出す。
 制止の声が媚びを含み始めていることにも気づかない。
 「ばかぁ!ばか!やめろぉ!……い、いやぁ!やめてぇッ」
 少年達に突然表に返されて、男言葉のしかし甘く愛らしい声はなかばで途絶えて哀願へと変わる。
 少年達の答えは簡潔でかつ直接だった。
 女子中学生のブラウスのボタンがぷつぷつと音を立てて飛び、薄いピンクのブラがずらされ引きむしられ、白磁の膨らみとピンクがかった鳶色の先端が露わになった。
 「すっげー」
 「うわぁ、すっげぇ白いよ!さすがガイジン!」
 「式波のおっぱいだー」
 「こ、これって何カップ?」
 プールでの授業で競泳水着を美しいかたちに持ち上げ、しっかりと谷間を見せつけたティーンズバストは当然、少年達の観察対象となる。
 色、形、柔らかさ、肌触り。
 悪戯したときの悲鳴も、残酷にもみしだいたときに掌に残るわずかな硬さも、それを「ぐりぐり」したときにあげる彼女の懇願のあえぎも学習対象となった。

 もちろん、学習意欲旺盛な少年達が手や指だけの「調査」で満足するわけがない。

 「ば、ばか、やめて!やめろぉ、やだぁ、なめ、なめ、舐めるなぁ!舐めちゃやだぁ!」
 クラスの男子達が遠くから眩しそうに眺めていたその肌の「味」を「舌触り」を確かめるべきだと考えるようになるまでほんのわずかな時間しかかからなかった。
 熟す直前のバストの頂きで震える尖りをぱくりと銜え、音を立てて吸うようになるのもすぐだった。
 熱くぬるぬるした舌で女子中学生のニプルを転がし、くすぐったさと嫌悪で混乱しきった彼女のあげる甘い旋律を楽しむようになるのもすぐだった。

 そして彼女は融けてゆく。
 邪な好奇心の対象にされたクラスのお姫さまは屈辱と羞恥と痛痒感と苦痛、それから意地悪な視線と残酷な言葉に弄ばれて式波・アスカ・ラングレーのまだ幼さの残る青い肉体は陥落してしまう。

 「ほら、見ろ見ろ!式波のココ!ぬるぬるがいっぱい出てきた!」
 「見ちゃやらぁ!見ないれぇ!みらいれぇ!」
 「クリをさ!こうやってシコシコしてやったのが良かったんだな!」
 「い、いじめないれぇ!そ、そこ、いじめないれぇ!」
 「式波ったらこんな可愛い声出すんだ」
 どっとあがる少年達の笑い声。涙をこぼす少女。
 「アスカのぬるぬる、エロい匂いがしてるぜ」
 「か、かぐなぁ!かいじゃらめぇ!やらぁ……あ、い……お、おぉぉぉぉッ」
 「うわぁ、そんなトコ、舐めるなんて……よくやる」
 「エロいビデオみたい」
 「で、でもさ……なんかそれって……」
 その行為になじみのない少年達のコメントにじゅるじゅると音がするくらいに舌を動かしている少年は顔を上げ、にやりと笑ってみせる。
 「ちょっとオシッコの臭いがして、しょっぱいけど……熱くて、ぬるぬるしてやめられなくなるぜ。それにさ……」手を伸ばしてアスカの乱れた栗色の髪を馴れ馴れしく触った。
 「舐めてやると式波がどんどんスナオになってくるんだぜ」
 「ばかぁ……ちがぅ……ちがうったら……」
 「特にココ、クリを下から舐めてやったら……」
 「あ、だめぇ、ば、ばかぁ、あ、ぁ、ぁ……あ。あ、あ、あは……あ……」

 そこで改めて彼らは気付く。
 少年達が密かに鑑賞していた淫らな映像のヒロインの表情と「クラスの女王様」のそれが同じであることを。
 卑猥な動画の女優たちのあげるあざといあえぎと、クラスメイトの美少女の懇願の声が同じ響きを帯びていることを。

 「やっちゃおうか」
 だれともなしに呟かれた決意。
 式波・アスカ・ラングレーは甘く悲痛なあえぎを漏らす。

 「……そうそう、すっごく乱暴だと思うよ。だって男の子なんだから。だってあこがれの『式波・アスカ・ラングレー』なんだから。きっと『やりたいこと』ぜんぶ試そうとするよ」

 無様に四肢を拘束された少女の制服ははだけられ、剥ぎ取られて手首と足首に絡みついて新たな拘束具として機能していた。
 下着は誰かが持っていた……こっそり見せびらかす以外になんの使い道も考えていなかった……バタフライナイフで切り刻まれ、床に投げ捨てられていた。
 「マリ、マリ、たすけて、たすけてよぉ……みんな、みんなすぐに元気になって……あ、ああ……ん……あ、あ、あ、あッ、おおッ、休ませてぇ……お願い、お願いだから休ませてぇ。マリのお口で元気になったソレ、もう入れないでぇ……」
 真っ白な絹肌をクラスメイトたちに鑑賞されている少女はかつての「敵」の名を繰り返す。
 けれども彼女、真希波・マリ・イラストリアスはアスカの悲鳴に応えることができない。
 「ほら、ちゃんとしゃぶって綺麗にしろよ」
 「ふーっ、んむふぅぅぅ−」
 「おい、すぐにアスカに入れたいんだから、しっかり『ごほーし』しろよ」
 「ふ、んんんんっ。むぁぁぁ……ふぁ、はひぃ、わはりまひたぁ……」
 少年達がこぼした、あるいは暴発させた樹液を眼鏡にこびりつかせたマリは従順に彼らのペニスに奉仕していた。
 柔らかな唇で。
 よく動く舌で。
 細くしなやかな指で。

 彼女は少年達の「提案」を拒絶できなかった。
 できるわけがなかった。
 式波・アスカ・ラングレーが彼らにむさぼられるさまを見せつけられたのだから。

 拘束されて抵抗できない肢体を六本の手、三〇本の指でなぶられ、ぶざまな開脚姿勢を取らされてもアスカはまだ逆らおうとする。
 けれどもその覇気も、男子の一人がにやにや笑いながら放った平手打ち一発で霧散する。
 痛みや苦痛を恐れたのではない。
 人類を救う少女戦士がそんなものに負けるはずがない。
 だが、彼女はもう逆らえない。
 彼らの視線に、彼らの残酷な台詞に打ちのめされてしまったのだ。
 彼らが少女を屈服させるためならなんの躊躇もしないという事実にアスカは打ちのめされたのだ。
 凛々しい表情を涙で台無しにした少女はクラスメイトが拾ってきた段ボールの上で蹂躙される。
 自慰のときもおずおずとしかいじったことのない乙女の孔を、乱暴で性急な指遣いでほじられピストンされえぐられて、嫌悪と拒絶の声を上げつつ式波・アスカ・ラングレーは濡れてゆく。
 「ほら、聞こえるか?オマエのココ、くちゅくちゅいってるぜ!」
 「こんなの!こんなのただの肉体反応なんだから!感じてるわけじゃないからっ!アンタたちとこんなことしたいなんて、ぜんぜん!まったく!ちっとも思ってないんだからっ!!」
 「アスカ」低い声に少女は凍りつく。若い雄は冷ややかに彼女を見下ろしていた。口元に浮かぶ残酷な笑みは彼女の記憶には存在しないものだった。「オマエの意見なんて誰も聞いてないよ」少年の笑みが、肉食動物のような笑みが大きくなる「『ぜんぜん!まったく!ちっとも』な!」
 そう告げ、彼はアスカの処女花をさらに残酷な指使いで刺激してゆく。
 「い、いやぁ!い、いたい、乱暴にしないで!お願い、お願いだからぁ!」

 アスカはいやでも理解してしまう。
 自分には二つの選択肢しかないことを。

 すなわち「苦痛に泣き叫びながら無理矢理に犯されるか」
 あるいは「彼らの慈悲にすがって『やさしく』犯されるか」

 けれども少女がそのどちらかを選択できるわけなどない。
 ぽろぽろ涙をこぼしつつ、少年の指遣いにあえぐしかない。
 だが、彼女は選択を強いられるのだ。

 「そろそろかな」
 一本でも動かされると苦痛な少年の指が二本になり、アスカの狭隘な入り口でドリルのように捻り合わされ、ぐりりと挿入される。
 「あ、ああああっ!いや!いたい!いたいのぉ!いたいのやだぁ!」
 こじ開けられる苦痛は彼女の想像を超えていた。
 エヴァのパイロットとして耐苦痛訓練まで受けていたにもかかわらず。

 だから、アスカはついに選択してしまうのだ。


 「式波、すっかり素直になったな」
 「もう手を離してもちゃぁんと『ポーズ』を保てるようになったし」
 「ほら、クリをもっと悪戯してやるから腰を突き出せよ、アスカ」
 「あ、あああ……」
 カエルのような開脚姿勢のまま、式波・アスカ・ラングレーはもじもじと腰を動かした。
 「おっぱいもっと弄ってやるからな」
 左右から伸びるクラスメイトの掌がアスカの乳白色の双乳を無遠慮に掴み、その柔らかさを楽しみつつ先端の尖りをくりくりと指で刺激する。
 「あ、あ、あ……いい、む、むね……きもち……いい……で……すぅ」
 「お、式波は胸も感じるようになったか」
 「ほらな、素直になったほうが得だろ?アスカ?」
 哄笑に顔を背ける少女の蒼い瞳から涙がこぼれ落ちる。けれども彼女の淡い草むらに飾られた処女花からきこえる淫音は先ほどよりもさらに粘っこいものに変わり、室内の牝臭はさらに濃くなっているのだった。
 そう。
 彼女は選択してしまったのだ。
 自尊心を捨て、若獣たちに媚びる選択を。
 苦痛を少しでも和らげるために抵抗をあきらめ、代わりに乱暴で性急で強引な前戯に「思いやり」が欲しいと懇願する道を選んだのだ。

 全身の力を抜き、クラスメイトが望むがままの姿勢を受け入れることを表明し、さらに「もう……もう……分かったからぁ……逆らわないから……好きなように……して……いいからぁ……せめて、せめて優しくしてよぉ……」と泣きながら降伏宣言してしまったのだ。
 中学校の制服を無残にはだけられたミルク色の肢体を無防備に横たえ、すらりとした脚を拘束具の許す限り拡げてかすかに日焼けした内股と青白いまでの下腹部、ぴったりと閉じているもののにじみ出た牝汁でてらてら光る処女花を隠すことなくクラスメイトたちに晒す式波・アスカ・ラングレーはとても美しい生贄となることを選んだのだ。

 いや、それだけではない。

 「ああ、クリトリスッ、クリトリスぐりぐりされるとじんじんしちゃう!」
 「お、お尻、お尻の穴は入り口をイタズラされるとぞくぞくするんですぅ」
 「そ、そこイイのぉ!そ、そこそこを指で擦られるとお腹の奥が幸せになるのぉ」
 「ああ、おっぱいぎゅってされるより、ニプルを意地悪されるのがすきぃ」

 全身をうっすらとピンクに染め、愛らしいクラスのお姫様は獣たちにむさぼられていた。
 けれども彼女の表情には苦痛の色はない。
 クラスの男子を見下す台詞を連発していた唇から漏れるのは、若い暴君たちの刺激がいかに気持ちよいかを称える甘く切ないあえぎ声だった。
 「ね、もう大丈夫でしょ?」
 「あ、ああ……マリ……ほんと……だ……ぁ。ことばにすると……すごく……よく……なる……の……ぉ」
 足首を棚につながれ横たわったままの真希波・マリ・イラストリアスにアスカは甘くとろけた笑みを浮かべる。
 マリは思わず彼女から目をそらしてしまう。
 アスカが完全降伏したからといって、少年達はアスカが望むような丁寧で優しい愛撫とは全く無縁だった。
 「お、おねがいだから、優しく……して」と涙を浮かべて哀願されてもそれは彼らの欲望をさらに高ぶらせ、さらに性急で独りよがりな悪戯を少女に行うだけだった。
 だから泣きじゃくり、懇願し、ここにいない少年に助けを求めるアスカにマリはついに助言してしまう。
 「『気持ちいい』って言ってごらん」
 「え?」
 「触られてるトコ、意地悪されたところが『気持ちいい』って言ってごらん。そうすれば……楽になるから」
 問いかけるような表情のアスカに、マリは軽くうなずく。
 「あたしも経験あるから。あたしのときも……そうだった……から」
 うっすらと微笑む。アスカの瞳に理解の色が宿る。
 しばらくの躊躇ののち、こくりとアスカは紅茶色の髪をかすかに動かし、そして言った。
 ちいさなちいさな声で「気持ち……いい……アタシのクリット……指で擦られると……」と。

 「畜生、チクショウ!ここ?ここ?畜生!」
 「もうすこし下だって」
 「へたくそぉ!」
 「ちゃんと先っぽ入れてから腰入れろよ」
 どっと沸き起こる笑いと歓声。
 じゃんけんで「権利」を勝ち取った肥満気味の少年はアスカを組み敷き、おのれの剥き出しの下半身をもぞもぞと動かしなんとか挿入しようとしていた。
 けれども気ばかり焦ってうまくいかない。かっとなって少女を怒鳴りつける。
 「もっと腰を浮かせろ!アスカ!」
 「は、はい……こう……ですか?あ、おお、ああ、すごいよぉ。クラスメイトのおちんちんに擦られて、あ、アタシ、アタシ変な気持ちになっちゃうよぉ」
 式波・アスカ・ラングレーは少年の言葉に素直に反応し、さらにもじもじと腰を浮かせる。ぐりぐりと硬い若茎に花弁をぐりぐりこじ開けられ、がちがちの亀頭に粘膜を擦られかき回され、さらに勢い余ってクリトリスをこつんこつんと刺激され、その感想を素直に赤裸々にあえぎ叫び、その甘い台詞に自身を酔わせてゆく。

 マリの「アドバイス」は的確だった。
 ……意地悪で性急な刺激でも「気持ちいい」と叫び、「素敵」と賛美すると苦痛を感じなくなる。
 苦痛から逃れるすべを失った式波・アスカ・ラングレーはそれにすがった。
 普通なら口にするのも目にすることも拒否する淫語を自身の唇が発し、それを耳にするとアスカの精神のどこかでスイッチが入ったことを自覚した。
 身体がかっと熱くなり、苦痛がなにか違うもの……くすぐったくて、むずむずするもの……へと変化する。
 少年達の意地悪で残酷な言葉が、彼らの情熱の表れのように感じ始める。
 「こんなこと」しかできなくなった自分が情けなく悲しく、同時にこんな惨めで可哀想な状況の自分が恥ずかしくいとおしいと感じ始める。
 そうなると聡明な少女は順応を始めてしまう。
 切ない息づかいを、淫らなあえぎ声を上げて、自身の理性をピンク色に染めてしまうのだ。
 恥ずかしいトーンで語られる「さらに淫らな行為への期待」で、自身の恐怖心をとろかしてしまうのだ。

 ここにいない少年の名前を、同僚であり同居人である彼の名前を呼べば、「おなかの奥のほう」がきゅんとなることも、クラスメイトの少年たちの「意地悪」がさらに執拗でとても素敵なものになることも知ってしまうのはすぐだった。

 そうしてマリの「アドバイス」で身も心も準備できてしまった式波・アスカ・ラングレーはその純潔をクラスメートの少年達に奪われる。
 いや、捧げるのだ。
 拘束されたままの卑猥なM字開脚でころりと表に返されて、じゃんけんで決まった少年に「はじめて」を捧げたのだ。
 がちんがちんに硬くしたペニスの先で粘膜の入り口をぬるぬると擦られ、他の少年達の血走ったまなざしを浴び、彼らの手で無遠慮に小振りの美しいバストをもみしだかれいたぶられ、なめらかな腹部を腰回りをいやらしくなで回された
 アスカはうっとりとその瞬間を待ち望む。
 それは来た。ついに来てしまう。
 少年のピンク色の亀頭の先端が小さな孔に引っかかった。
 「ああ」とアスカが絶望と媚態の混じり合った甘い声を上げる。
 歓喜の声とともに少年の腰が押し出される。
 「お、お、おぉぉぉッ」アスカの瞳が見開かれる。
 「入ったぁ!」雄叫びはすぐに悲鳴に近いあえぎに変わる。「す、すげぇ!こいつの、アスカの孔ってすげぇ!熱くて、狭くて!、ぬるぬるしてぇ!」
 「動かないでぇ!痛い、痛いよぉ!あ、い、あ、お、あ……あぁ、く、い、ひ、あ、あっ……あ……」
 ぱくぱくと唇を動かす少女。見開いた青い瞳は苦痛と混乱と驚愕がミックスされていた。
 少年達の突きだした携帯からはカメラの作動音が連続する。
 「見ろよ!アスカのあの顔!」
 「『こじ開けられてます』って感じ?」
 「ちょっとブス入っちゃってるのがいいよな」
 「ああ、いやぁ、ふとぉ……いぃ……ゆるして……ぇ」
 苦痛と懇願の声も、少年にとっては征服感を高める素敵な効果音にすぎない。
 ずんと腰を進め、えぐり、がくがくと腰を振り……そして三十秒もたたずに果てた。
 「い、いやぁ……出されてるぅ……ナカに出されてる……」何が起きたか理解したアスカはぽろぽろと涙をこぼすしかない。

 そのあとはお定まりの展開となった。
 「そーろー」は嘲笑されながら、しかしどこか充実した表情で彼は立ち上がり、すぐに押しのけられた。
 次に式波・アスカ・ラングレーを自分のものとする権利を得たのは小柄な少年。
 無言のままベルトを外しズボンと下着を降ろす。ぎらぎらした目つきで見下ろされた少女はもう挑むような視線を彼に投げつけられないことを知った。
 涙をこぼしつつ横を向いてしまうアスカに獰猛な笑みを浮かべると自身より背の高い少女にのしかかる。
 真っ白な太腿を乱暴にさらに大きく拡げてから、剥いたばかりのピンクの先端を純潔の証と白濁した樹液がとろりとこぼれる淫唇にあてがう。
 一気に腰を進めた。強引に残酷に押し広げてゆく。
 「あ……ぁ……マ……マ……」細い少女の悲鳴に少年は自身の硬度がさらにさらに増したことを知る。
 そして少女の粘膜から得られる快感に夢中になる。
 腰を進めたときの抵抗感に、腰を戻したときのまとわりつき、絡みつかれる感覚に、そのときに「クラスのお姫様」のあげる「やだぁっ、やめてぇ、いたいの、いたいのぉ、あ、ああっ、あ……」という素晴らしいリフレイン……それは彼女がクラスに君臨しているときには絶対にあり得ない音色だった……の虜になった。
 腰をぐりぐり揺すり、下半身を溶かしそうな快楽に酔いつつ少年はアスカの唇を改めて奪う。
 がちがちの男性器に串刺しにされて揺すられて、悲痛な甘い吐息を漏らし「オー」の字に開かれた可憐な唇が貪られ、にゅるりと舌が侵入する。
 くぐもった声と甘い吐息は少年をさらに酔わせた。ぬるりぬるりと口内粘膜を舐め回し、さらには少女の柔らかな舌をつつき、唾液を流し込む。
 彼女は逆らえない。
 いや、少女はそれに夢中になってしまった。
 ペニスでずぶずぶ犯されつつ行われる淫らで卑猥な口づけに。
 少年に舌を吸われたとたんに式波・アスカ・ラングレーは理性がぐずぐずに融けてしまったことを自覚したのだから。
 「おいおい、アスカったらキスされてすごくいやらしい顔になってるぜ」
 「見てみろ、アスカのアソコ!さっきまでバージンだったのにどろどろにラブジュース?だしてやがる」
 「やらぁ、こんなのやらぁ……アタシ、アタシ、れいぷされてるのにぃ……キスされてとけれるぅ……。ああ、やらぁ……」
 少年達は顔を見合わせて笑った。
 それは勝利と確信の笑みだった。
 式波・アスカ・ラングレーという名前の美しくも愛らしいクラスのお姫さまが彼らの性欲解消の道具として、素晴らしいセックスペットとして生まれ変わるであろうことを確信する笑みだった。

 「見下ろすような態度を取ってたコト、謝りますぅ……ごめんなさいッ」
 「ああっ!大きいっ!キミのコレ!大きすぎるよぉ!」
 「す……素敵ぃ……これ、コレ……すてきっ!う、後ろからぁ!後ろからずんずん突いてもらうこのセックス、アスカは大好きになっちゃいそうですぅ!」
 四肢を拘束された美しい女子中学生が泣きながら叫んでいた。
 いや、叫ばされていた。
 段ボールに涙で濡れた頬を押しつけて背後からレイプされた式波・アスカ・ラングレーは「とっても素直に」なっていたのだから。

 「三人目」の少年に軽々と裏返されたアスカは小振りながらもむちむちのヒップを持ち上げられ、白磁の双丘を少年の指で無慈悲にぐいとひろげられる。
 絶望混じりのあえぎとともに、すっかり腫れ上がってしまった開通直後の牝花がくちりと露わになる。
 ぽっこりと拡がった雌孔からとろりとろりとピンクと黄色みがかった精液が垂れこぼれ、彼女のスカートの裏地を汚す。
 さらにぐいと少年は力を込めてアスカの淫唇をくつろがせて、おのれのぎちぎちに勃起したペニスの先端を押し当てる。
 「ひ!い、いやぁ、まだ!まだするのぉ?!」
 少年は応えない。
 剛直に軽く手を添えたまま腰を突き出した。
 ぬるぬるとした感触、先端に絡みつく暖かな抵抗。
 「芯」が通ると同時にぐいと反り返るアスカの上半身。
 「う……あ……ッ。ひ……あ……あ……ン」
 ぱくぱくと動くつややかな少女の唇から漏れるのは、教室に響き渡る威勢のいい台詞ではなかった。
 まったく同じ音色で、しかし教室でのそれとはまったく異なる、とても淫らな絶望のあえぎだった。
 彼はただ本能の赴くままピストン運動を始める。
 「ひ、あ、だめ、やらぁ、いきなり、いきなりするなんてぇ。あ、あっ……ま……まだ痛いのに……く、ふぅぅぅッ……そんならんぼうしないでぇ……あ、あ……ああ……は……あ……ん……あ……あああ……ん……あッ……あ……」
 「ずっと想像してたんだ。アスカをバックから犯したいって!後ろから突いてやればどんな声で泣くかずっと思ってたんだ」
 背後からのしかかりつつ少年は言った。もちろんピストン運動を続けながら。
 体育の時のブルマ姿を眺めつつ、何度物陰に引きずり込んで押し倒そうと考えたか。
 水着姿の飛び込み台での前屈姿勢に、どれだけ魅了されたか。
 スカートからちらちら覗く真っ白な太腿を、孤独な白日夢のなかでどれほど無慈悲な開脚ポーズにしたか。
 それがいま、現実になったのだと。
 「あ、ああ、く、ひぁ、あ、あ、ああっ!お、お、いや、だめ、お腹の奥、ついちゃらめぇ!あ、あ、ああっ!ン、あは、あ、お……」
 少年の歪で勝手な告白を耳元でリフレインされた少女は、中学生とは思えないカリ高ペニスで未熟な粘膜を擦り立てられたクラスのアイドルは、ミルク色の全身を汗で濡らしながら未知の高みへと連れて行かれてゆく。
 ピストンのたびに無意識にきゅんきゅん襞を締め付けていることを、「アスカってチンポをぎゅ!ってするときケツの孔がひくひくするさせるんだな」と暴露されて、ついにわんわん泣きながら「見ちゃだめ!みないでぇ!見られたらもっともっとおかしくなっちゃうよ!これ以上『きゅんきゅん』したら気持ちよすぎておかしくなるからぁ!」と。

 だから背後から自慢の髪を掴まれて少し揺すられ、命じられるだけで少女は少年が吹き込んだ台詞を淫らにリピートできるようになったのだ。

 「ああ、クリトリスッ、クリトリスぐりぐりされるとじんじんしちゃう!」
 「お、お尻、お尻の穴は入り口をイタズラされるとぞくぞくするんですぅ」
 「そ、そこイイのぉ!そ、そこッ!そこをおちんちんでごりごり擦られるとお腹の奥が幸せになるのぉ」
 「ああ、おっぱいぎゅってされるより、ニプルを意地悪されるのがすきぃ」

 「すげぇ!あの『アスカ』がこんなにエロい台詞を言っちゃうんだ」
 「もともと淫乱なんだぜ、きっと」
 「ち、ちがうのぉ……あ、あっ!あン、あ……。いや、だめ、お尻、お尻にいたずらしないでぇ!あ、ふ、ゆ、ゆび、いれない……あ、ん……ぁは……い、いい、いい……あ……」

 支離滅裂に少年達の言葉に刺激に反応する式波・アスカ・ラングレーを見下ろす少年達の表情はまさしく支配者のそれだった。
 暴力とペニスで女性を屈服させられると信じて疑わない表情だった。

 だから、だからなのだ。
 「四人目」がアスカを貪り始め、手隙になった少年達の飢えた視線が自身に向けられたその瞬間にマリは、真希波・マリ・イラストリアスは屈辱的な提案を自ら行ってしまったのだ。
 「あ、あの……さ、み、みなのソレ、マリのお口と手でご奉仕させて……くれない……かな……」
 無言のまま詰め寄る彼らにマリは余裕の笑みを浮かべようとする。
 だが書架に右脚をつながれ四つん這いの姿勢で浮かべるそれが媚態と服従の表情になってしまっていることに彼女は気づいていない。
 「マ、マリの『おくち』ってすごく気持ちいいんだよ。そ、それに……あ、あたし、オトコのヒトのソレをお、お、おしゃぶり……するの好き……だ、大好きだし!だ、だから……」めがねの奥の青い瞳にいっぱい涙を浮かべて彼女は提案する。
 「……乱暴しないで……お願いだから……おくちと手で、いっぱいいっぱいご奉仕するから……」
 肥満体の少年が床に横たわるマリのすぐそばにどっかと腰を落とす。
 半勃ちのペニスをマリの顔に突きつける。
 半ば皮を被った先端からは精液とアスカの純潔の証、それから彼女の愛液がミックスされた液体がとろりと糸を引いていた。
 「あ……」上目遣いで少年を見る。少年は無言で顎をしゃくった。
 「は……はい」マリの瞳から涙があふれ出す。「ご、ご奉仕……いたしま……すぅ」
 マリの肉感的な唇が開くとピンクの舌が震えつつ突き出され、異臭を放ちつつ萎えた幹をつたう滴を受け止めた。
 そのまま唾液を乗せて包茎ペニスの「境界」をじゅるじゅる音を立てて舐め、吸い始める。
 その暖かくぬめぬめした感覚に少年はうめき声を上げる。
 たちまちのうちに硬度を取り戻しぐにゃりと亀頭が顔を出すと、上目遣いでマリは微笑む。
 薔薇の花びらのような唇を大きく開き、さっきクラスの美しい女子生徒を犯したばかりのペニスをちゅるりと吸い込み、口全体を使ってそれを刺激し、奉仕し、たっぷりと唾をためて舐め回す。
 「ずいぶん熱心だなぁ」
 「式波がやられているところを見てサカったんじゃないか?」
 「ほら、もっとしゃぶれってばよ!」
 少年におさげをがっしり掴まれた美少女は、喉まで使っての口腔奉仕を要求された。
 うっすらと涙を浮かべ、うめき声をあげつつも彼女は逆らわない。逆らえない。

 「四番目」の少年に正常位で犯される式波・アスカ・ラングレーの蕩けきった表情が視界に入ってしまったから。
 小さいながらもこりこりに勃起した乳首を残酷に刺激され、いたぶられて痛痒感で狂乱状態にされたクラスのアイドルが、「四番目」の彼の命令にまったく躊躇せず「う、うん!アスカの中に出して!キミのどろどろのザーメンでアスカをけがしてッ!アスカを玩具にしてぇ!」と叫びあえぐ声が耳に入ってしまったから。

 「出すからな!飲めよ!」
 「ふ、ふぅぅぅ……かは……くぅぅぅ……ン」
 「うわ、飲んでる飲んでる!」
 「すげぇ、よくやるよ」
 「こいつ、この女!すんげぇ上手いよ。すんげぇ気持ちいいぜ!」
 「じ、じゃ、俺も、俺もしてもら……させてみるぜ」
 後始末を終えて酸素を貪るマリの髪が掴まれ、ぐいと持ち上げられた。
 白濁液をこびりつかせた唇のすぐそばに別のペニスが突きつけられた。
 リノリウム貼りの床にぺたんと座ったまま顔を傾け、上目遣いで少年を見上げた。
 その隣にまたひとり、にやにや笑いの若い獣が並ぶ。
 甘い溜息とともに「オー」の字になった唇が中学生の男性器を銜える。
 同時にもう一本のペニスにしなやかな指が巻き付いて、粘液に汚されることなどまったく躊躇せず、甘やかな刺激を与え始める。

 そうして真希波・マリ・イラストリアスはその整った顔を犯された。
 しなやかでほっそりしたすべすべの指を搾精のために使われた。
 唇を頬を、さらさらの髪を射精のための道具に使われた。
 「アスカ待ち時間」の欲望処理の道具として。
 結果としてマリは「アスカいじめ」の道具になった。
 なぜならアスカにはひとときの安らぎも与えられることなく、残酷に輪姦され続けたのだから。
 誰かが少女の中にたっぷり放出し、さすがに萎えたペニスをずるりと引き抜かれると、マリの口舌奉仕で完全復活した別のペニスが少女を串刺しにするのだから。
 男性器の抽送が苦痛にしか感じられない未成熟な少女の躯をまったく休むことなく貫かれ、こじ開けられ、揺すられ、突かれていくうちに式波・アスカ・ラングレーの宝玉のような瞳は輝きを喪ってゆくのだった。

 「クラスのお姫様」の陥落が間近であることを本能的に察知した少年達は、アスカに屈辱と淫らな刺激を集中的に与え続けた。
 けれどもただただ欲望をアスカへ放つことだけに夢中だった彼らが、じっくり丁寧に彼女の肉体と心の反応を確かめながらの蹂躙セックスを始めたために「待ち時間」が増えてしまったことがマリに災いしてしまう。
 アスカの泣き顔を鑑賞し楽しみ、クラスメイトの柔肌を悪戯していた少年達は気づいてしまったのだ。
 マリのたわわな胸の膨らみに、短めのスカートから覗くむっちりとした太腿に、乱れたスカートをから覗く素敵なヒップラインに。
 「手持ちぶさた」な少年のひとりがにやりと笑い、もうひとりに囁く。
 アスカを貫いているひとりを除いた少年達がゆっくりと真希波・マリ・イラストリアスへと近づいてくる。
 もちろんマリも抵抗する。
 けれども頑丈な書架に拘束された美少女が出来ることなどたかがしれている。
 ネクタイを掴まれ引き倒され、純白なブラウスのボタンがいっぺんに弾き飛ぶ事態に陥ると、彼女はまたもや屈服するのだ。
 「わ、わかったからぁ!お、お姉さんのバストをオモチャにしていいから!い、いえ、ささせて、させてください!みんなのオチンチンにマリの『おっぱい奉仕』させてください!だ、だから、だから!レイプ、レイプだけはやめて!」
 たわわなバストの先端を左右から乱暴に弄られ嬲られた彼女はザーメンまみれの表情で懇願し、「パイズリ」なる淫奉仕がどんなものか、そしてそれが「まだまだ控えめの式波さん」にはできないセクシャルサービスであると説明するのだ。

 にやにや笑いながら彼らはそれを受け入れる。
 もちろん少年達の意見は一致していた。
 一つ一つ、この年長少女に妥協という名目でそのプライドを切り売りさせてそれを楽しもうと。
 もちろん最終的にはこの大胆ショーツをこんもり盛り上げている媚淫花をずぶりとペニスで貫き、余裕ありげに振る舞う彼女を淫らに啼かせるのは既定の方針ではあったが。

 だから式波・アスカ・ラングレーの悲痛な声が次第に甘く淫らに蕩け、同時に未知の感覚への戸惑いの色を隠せなくなるあいだ、真希波・マリ・イラストリアスは恥知らずな取引をエスカレートさせてゆく。

 純白のすべすべしたブラウスと細身のストラップがお洒落なブラを脱ぎ捨てて、その絹肌を晒しての「パイズリ」の次にマリが提案したのは「指と舌を使ったさらに過激なご奉仕」。
 ちょろちょろと「おひげ」の生えた睾丸をやわやわと弄んだあとに音を立ててのキッス、そしてやんわりとおくちに含んであたたかで柔らかな口内粘膜と淫らに動き回る舌で卑猥な刺激を当たられた少年達は、たちまちのうちにアスカを蹂躙したときと同じ、いやそれ以上の硬度を復活させた。
 さらに彼らに「回れ右」してもらい、不審げな不満げな表情の彼の菊門を尖らせた舌でつんつん悪戯しはじめる。
 背後から両手で肉茎をしごかれ、先走り汁を亀頭全体にゆるゆると塗りつけられながらのアナル奉仕は少年達に大好評だった。
 「う、うわぁ、舐められるのすげぇイイぜ!」
 「な、中まで舌が入ってくる!これサイコー!!」
 「なるほどなー。俺たちにべろべろされて式波がとろけちゃうわけだぁー」
 誤解と曲解まじりにマリの情熱的な奉仕を絶賛する少年達の声にアスカはさらに絶望させられ、陵辱者たちをさらに調子づかせるのだった。

 嫌悪を押し殺しての排泄孔へのサービスすら飽きられた少女が次に提案したのは「すべすべ脚を使ってのサービス」
 ストッキングに包まれた暖かですべすべな爪先を使っての「脚コキ」。
 拘束されて不自由な脚を使ってのサービスは好評だった。
 ちらちらとミニスカートの奥を覗かせながら、リズミカルにペニスを刺激された少年達はうめき声を上げながらついに放出に至る。
 しかしまだ、彼らは底なしなのだ。
 ついにマリは少年達のほのめかしに乗ってしまう。
 犬這いのまま彼らに向けたお尻を少し持ち上げ、ココア色のニーソックスと太腿のコントラストを強調してこう言ってしまうのだ。
 「ね、ね?すべすべのニーソに包まれたおねーさんのむちむちの太腿で遊んで……みない……かにゃぁ?」
 むっちりした柔らかさと弾力を兼ね備えた太腿を使っての疑似性交……すなわち「スマタ」……の提案は了承された。

 言われるがままにさらにヒップを持ち上げた破廉恥ポーズを取ったマリは分かっていなかったのだ。
 きゅっと締まったウェストが見えるまでミニスカ制服をまくり上げて、白下着に飾られたヒップを振らせておいて「スマタ」で済むはずがないという、そんな簡単な予想もできないほど追い詰められ、そして消耗してしまっていたのだから。

 そう。
 そうなのだ。
 真希波・マリ・イラストリアスは背後からあっさりと少年たちに犯される。
 六本の手で四つん這いにがっちり固定されてショーツを乱暴にずらされて、非難の声をあげる暇もなくずぶりとレイプされたのだ。

 「ひ、ひどいよぉ!す、素股までの約束だったのに……う、うそつ……きぃ……い、あ、ああ……ン。あっ、あ、ん、んあっ!」
 「パンティーが透けるくらい濡らしてたくせに、なに偉そうなこと言ってるんだ……よ!」
 笑われながら腰を打ち付けられて、マリは甘く啼いた。
 ショーツをくるりと剥いたとたんに湯気が出るほどの熱量と粘りを帯びた牝器官は前戯の必要すらなくがちがちのペニスをぬるりと迎え入れてしまったと指摘されても、マリは全く否定しなかった。
 それどころか無意識のうちに芸術的なカーブを備えたヒップをくりくり動かし揺すり、少年のカリ高な肉茎を素敵に締め付け、ぬるぬるの肉襞を絡みつかせるのに最適で淫らな姿勢を取って陵辱者たちに少しでも気持ちよくなってもらおうとしてしまうのだ。
 「ひ、ひあ……あ、お、奥まで……中学生に奥まで突かれて……ん、あ、あっ、あ……ン……」
 マリの甘いあえぎに少年たちはげらげらと笑いはやし立てる。
 やがて彼女は眼鏡越しの青い瞳をとろりと欲情させてついに言ってしまう。
 「あん!あっ!あっ……あ……ほらぁ……見て……。わたしを見て……ぇ。ほらぁ、やっぱり男の子たちにはかなわない……んだよ……ぉ。よってたかって押さえつけられちゃって、えっちな目で見られたら……ぁ……もう、逆らえないでしょぉ?」
 すぐそばで長い脚を大開脚させられてずんずん揺すられているアスカは真希波・マリ・イラストリアスの豹変ぶりから目が離せなくなってしまった。
 マリはどんよりとアスカに微笑む。
 「ふ、ふぁ……ッ、ん、あ、あ……あん!あ……そ、そうだよ。男の子のオチンチンでずぶっと串刺しにされたら、女の子はもうダメになっちゃうんだよ」
 「マ、マリ!?そ、そんな……そんなこと……あ、あん!だめぇ!あ、なに?い、いまの素敵なの……なに?あ、だめ、だめぇ、あん!あ……」
 「ほら……ね?ごりごりずぶずぶ貫かれたら、とっても幸せになっちゃうでしょ?」
 式波・アスカ・ラングレーの絶望と不信と、戸惑いと被虐の入り交じった瞳にマリはにっこり微笑んでみせる。
 「ああ、でも、でも、こんなの、好きでもないクラスの子に……むりやり……レイプ……あ……あん!……あ……されてるのにぃ、悦んじゃうなんて、素敵だと思っちゃうなんて……」
 「クラスのお姫様」のかわいらしい唇から非難を装った賞賛の甘く素敵なあえぎ声があふれ出し、少年達は式波・アスカ・ラングレーの陥落を確信した。


 そうして二人の少女はクラスの男子の所有物になった。

 「マリ」と呼ばれる年長少女は書庫で鎖につながれ「飼われる」ことになった。
 「餌」は食堂の購買部で調達されたパン、それから「マリ係」たちの与えるタンパク質と決まった。
 日の当たらない室内で運動もろくに許されない少女の肌はやがて不自然な白い輝きを帯び、しなやかな手足も彼らの悪戯を払いのける力を喪い、不健康ゆえの淫らさを発散させる肢体へと変化する。
 彼女にその運命を受け入れさせたのは「マリ係」による「トイレの躾」だった。
 笑い囃されながらの強制排泄が、苦痛と快楽で覚えさせられた「トイレのお願い」の挨拶が、自身がペットに過ぎないことを思い知らされた。
 やがて真希波・マリ・イラストリアスは待ち望むようになる。

 全裸に首輪を付けられての深夜の女子更衣室やプールのシャワールームへの「おさんぽ」と意地悪でいやらしい「水浴び」を。

 むっとする室内で失った水分を「マリ係」のペニスから「いただける」液体……その鼻につくアンモニア臭を彼女はもうまったく気にできなくなっていた……を喉を鳴らして飲み干す瞬間を。

 どうやって入手したか量販店のタグが付いたままの新品の女性下着に着替える瞬間を。
 たとえそれが「マリ係」のモチベーションを高めるためのもので、すぐに剥ぎ取られて犯されると分かっていても、清潔なそれを身につけているときは自分が飼育されているという現実から逃れることができるのだから。

 ……ねぇ!ちょっとそれ!すんごく悲惨な結末になってません?

 式波・アスカ・ラングレーは偽りの日常が与えられる。
 ほかの女子生徒や教職員たちの目がある場所ではいつも通りの勝ち気で強気でクラスを引っ張っていく女子中学生。
 けれど隷属を誓った「ごしゅじんさま」だけになると式波・アスカ・ラングレーは変貌する。
 勝ち気な口調が次第に減り、くちごもり、うつむき、上目遣いに少年たちの表情をうかがうようになる。
 そのギャップをにやにや少年たちに観察され、拗ねるような、甘えるような口調で「だって、だって……」と最近かなり短くなったスカートの裾を気にしつつ頬をうなじを赤く染めてもじもじする様子を同性のクラスメイトが見れば驚愕するに違いない。
 けれどももう遅いのだ。
 彼らの合図やなれなれしいスキンシップは彼女を本来の姿へ変えてしまうのだ。
 すなわち性欲解消のための「ドレイ」へと。

 彼女だって抵抗したのだ。
 少年達の脅迫に屈しまいと努力したのだ。
 けれどもなにもかもを保護者やNerv関係者に告白するにはアスカのプライドは高すぎたのだ。
 まだ挽回のチャンスがあるとひどく甘い考えを抱いてしまったのだ。
 もし逆襲に転じた場合、「マリ」に危害が及ぶと仄めかされてしまったのだ。
 いくらスパイとはいえ「マリ」を見捨てることはアスカに出来るはずがなかった。

 ……おーい。ひとりイイコになってませんかー。

 だから彼女は今まで気にもかけていなかったクラスメイト達の玩具となることを選ぶ。
 残酷で鮮烈な刺激を与えられ、同時にそれが快楽となるように躾けられた「クラスのお姫様」は着実に変わっていく。
 少年達の願望のまま弄ばれ、輪姦されてゆくうちに、自身の存在理由を価値観を再構築させられていく。
 それは彼女の携帯に保管された画像ファイルからも明らかだった。

 未成熟な淫裂から白濁液と痛々しい破瓜の痕跡をとろとろこぼれさせたM字開脚ポーズと、画面外から伸びた手を添えられたピースサイン付の泣き顔が同時に写る「式波・アスカ・ラングレー開通記念.jpg」。

 そのファイルの翌日の日付に保管されているのは碧い瞳にいっぱいの涙と陶酔を浮かべ、桜色の唇を卑猥に「オー」のかたちにして舌を突き出した「初めてごっくんできました.jpg」。

 「開通記念」から一週間後には仮性包茎を舌先で器用に剥き、うっとりとピンクの亀頭を舐め回す「ご主人さま十人到達記念.jpg」

 十人目の「飼い主」ができて二日目には「初めてチンポでアクメを迎えることができました記念.jpg」が登録されていた。
 そこでは肥満体の少年にのしかかられたアスカがローファーの靴底を天井に向けた大開脚ポーズのまま、ひしとその少年に抱きつきふんわりとうっとりと壊れた笑みを浮かべていた。

 まだまだ少女の「節目節目の記録」は続く。

 靴下とローファー以外は身につけず、教室の机の上で四つん這いに突き出された少女のヒップとその菊門にずぶと突き刺さる誰かの指が写った「十五人目のご主人さまの指でアスカはお尻アクメを迎えました.jpg」。

 ジャージと下着を履き古された運動靴の足首まで引き下ろしただけの男子生徒の下半身が生徒机に横たわる式波・アスカ・ラングレーを性急に貫き、中出し性交に夢中になっている「ごめんねヒカリ.jpg」。

 同級男子の自宅勉強部屋で、チューブトップをまくり上げて白磁のバストを露わにしつつフェラチオ奉仕と前後の孔を使ってのセックスに夢中になっている「今日は○×君のおうちで四人だけの勉強会です.jpg」。

 グラビアモデルのような大胆水着と挑発ポーズのボディのあちこちだけでなく、お澄ましした表情にも、輝くような栗色の髪にも精液をこびりつかせた「壱中のカメラマンのモデルにさせていただきました.jpg」

 小悪魔的な表情で教卓上で全裸のまま「わんこのちんちん」ポーズをとってとろりとろとろ中出しザーメンを無毛にされた淫裂からこぼしつつにっこり微笑む「クラスの男子全員(除くIクン)がアスカのご主人さまになってくれました.jpg」。

 「……ああ、ああ……どうなっちゃうんだろ?クラスみんなの所有物にされちゃったら、アタシ……きっと想像できないくらいえっちなことされちゃうんだよね?
 そ、それに……シンジ『だけ』に内緒にしてもらうためだったらどんな命令にも従っちゃうとかだったら……とっても悲劇のヒロインみたいで……ちょっとステキ……かも……」

 ……ちょっと!どれだけ歪んでるんですかー。

 「えっとぉ、きっときっといつでもどこでもえっちなコト、するように命令されちゃうの。『今まで憧れてたのに』とか『あの高飛車な態度はなんだ』とか叱りながら、でもアスカのえっちな身体にみんな夢中になるの。『穢れてる』とかエラソーなことを言う『処女厨』なコもいるけど、そういうコも結局アタシの身体で気持ちよくなって、アタシに妄想を全部ぶつけてくるんだから。そう、そうなの。結局アタシは『クラスのお姫さま』なのよね」

 ……その自信と認識は大間違いだぞー。

 「あぁ、どうしよう。そんな風にアタシのココロとカラダ、クラスの男の子達に作り替えられちゃったらどうしよう?シンジにちゃんと躾直してもらったら、元に戻るのかなぁ?」

 ……そこで「わんこシンジ君」が出てくるのが可愛いんだけど、もうどこから間違ってるのか指摘するのも面倒。ちょー面倒。
 ……ああ、でも、十人?二十人?のオトコノコたちにペットとしてちょーきょーされちゃうなんて……きっとキモチいいんだろーな。
 ……まずいまずい。あたしもアスカちゃんのエロ妄想に影響されてる……かも。



◆ ◆ ◆



 不自由な四肢をもぞもぞさせてうっとり妄想に耽っている式波・アスカ・ラングレーを眺めつつ、真希波・マリ・イラストリアスは溜息というよりも熱い吐息を漏らした。

 十四歳の天才少女はさらに奔放に妄想を暴走させ、「クラスの男子生徒の奴隷に墜ちた弐号機パイロットを碇シンジに矯正してもらう」シナリオに突入していた。
 そのシナリオはアスカの身体と心に施された淫らな教育を碇シンジが「上書き」することで、墜ちた天使(と自分で言っているのにマリはほとほと呆れかえった)を救済できるというものだった。
 羞恥と屈辱の記憶を告白することに抵抗するアスカにクラスメイトであり、同僚である少年は優しくもいやらしい「事情聴取」を施す。
 少年の前だけでは凛々しく輝く戦乙女を保とうとしていた式波・アスカ・ラングレーはしかし、クラスメイトたちにより立派な快楽中毒者でもあった。
 少年の的確な尋問に少女は、「やむをえず」クラスメイトにほどこされた屈辱的で淫らな調教内容をひとつひとつ報告するのだ。
 アスカの涙ながらの「告白」は少年を昂ぶらせ、やがて「あ、アイツらと同じこと!いや、もっと非道いことをアスカにしてやるんだから!!」とお仕置きをはじめちゃう……という展開となる。
 美しくも妖艶な魅力を備えてしまった女子中学生の肉体に少年が「措置」を施すあいだ、式波・アスカ・ラングレーは「ごめんなさい!逆らえなかったアスカを許してください!快楽に負けたアスカにおしおきしてください!」と涙ながらに懇願し(日常生活でアスカがシンジに敬語を使ったことなどあるんだろうかとマリは思った)、その願いは叶えられるのだ。
 「碇シンジに庇護される淫乱ペット」となった少女は羞恥と被虐と快楽に満ちた日常生活を送り、それに溺れるのだ……。

 ……うわぁ、アスカちゃんのパンツ、すんごいシミになってる。
 真希波・マリ・イラストリアスは喉がからからになっていた。
 ……自分で慰めたいけれど、手足が使えないからあんなにお尻くりくりさせて、あんなに切なそうな顔をして……。だから妄想がどんどん暴走しちゃうんだぁ。
 マリは自身の手がお洒落な下着のウエストをくぐり、くちくちと自慰を始めていることさえ気づいていなかった。
 ……い、いま、「わんこシンジ君」がドアを開けたらどんな顔、するのかな。
 ……式波さんってば、あんなに熱を持ってどろどろになっちゃってる「女の子の部分」を弄ってもらうためにどんな風にカレを誘惑するのかな?どんな「言い訳」を準備してるのかな?
 ……ああもう!きっと「バカぁ!」とか「ヘンタイっ!」とか罵りながら絶対に逆らわないんだろうなぁ。
 ……「やだやだぁ」とか「ばかぁ!ばかばかぁ」いいながら「わんこシンジ君」に「捧げる」ポーズを取っちゃうんだろうなぁ。
 ……うわぁ、そんなの見せつけられちゃうの?すぐ目の前で?!

 ちくちくと大胆な指遣いで自身を慰めるマリ。
 アスカが恨めしそうに自身を見つめていることに気付くとオーバーニーソックスに包まれた脚が大きく開き、恥知らずなオナニーポーズになった。
 「わんこシンジ君が来るまで我慢なさい……んっ、あ……あぁ……」
 「あ……中指でぴすとん……すご……お……い。キモチよさそ……」
 食い入るように、もどかしそうにマリの指遣いを見つめるアスカ。
 「いいもん。好きなだけ空しい作業に精を出せばいいわ。アタシはバカシンジが来たら……ふふ、ケダモノになったアイツに……あ」
 「……ん……んっ……あん……あ……どした……の?」
 「あ、あのさ……あのバカシンジ、引いちゃわないかな……『クラスの他の子にレイプされちゃう妄想で切なくなっちゃった』って言われたら」
 「ん……く、ふっ、あ……ひ、ひくのはソコじゃない……と……思うんだけど……にゃぁ……」
 「ね、ねぇ……どうしたらいいと……思う?も、もし……」

 「うーん。じゃあさぁ」真希波・マリ・イラストリアスはにんまりと笑い提案する。
 右足首を巨大な書架につながれて、四つん這いにどこかけだるそうな姿勢となると上目遣いにアスカを見る。
 「わんこシンジ君が来たときにに『あたしたち、さっきまでここで、この学校の先生たちに悪戯されてたのよ』って言ってみない?」
 「え……ええっ?」
 「そう。ウソだけど、言うの。きっとカレ……」
 「バカシンジはカレシじゃない!」
 「それは言葉のアヤってもので……じゃあアスカはわんこシンジ君に心配してもらいたくないの?」
 うっと言葉に詰まるアスカ。にんまりするマリ。
 「そー言うとすごく心配してくれるよ。『アスカ、アスカ、アスカ』って何度も何度も呼んでくれるよ」
 「う……う……うん……」頬を赤らめてどこかを見つめるアスカ。にやにや笑いが止まらないさらにマリはひと押し。
 「『拘束されて、お互いを人質に取られて、すごくいやらしい悪戯されてたの。知りたい?』って。
 とっても可愛らしい同居人のアスカちゃんと、空から降ってきた美人のお姉さんが先生たちに悪戯されて、あともう少しで奴隷にされちゃうところだったんだから、って教えてあげるの」

 「そ、それ……は……いい……かも」
 「でしょ。……ココの先生、筋金入りのロリコンがいるんだから。ちょっと事前調査しただけで分かったんだから」
 「あ……やっぱり……そうなんだ。あの先生たちって……やっぱりロリコンなの?」
 アスカの声に不安とそして期待の色がにじむ。
 「そ、そりゃもう。ちょっと調査しただけでそれはそれはいろいろと」
 即答するマリ。ぶるっと全身を震わせるアスカ。
 「あの体育教師、古典と数学と……英語の教師……あやしいって思ってたのよ」
 軽蔑しきった口調の少女。けれどもその瞳にはなにかを期待するような鈍い輝きを帯びている。


 -自縛- Case B に続く



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