陵辱の婚約者

Original text:デザートマグナムさん


『 第2話 病院 』


 シンジのマンションに、加持リョウジとミサト、碇リツコ(旧姓、赤木)、そしてリツコの片腕である伊吹マヤの4人が駆けつけ、リツコが持っている合鍵で部屋に入った時、テレビの前で鼻水と涙と涎を垂れ流せ、ズボンにシミを作り、青臭い匂いを股間から漂わせて、倒れているシンジの姿を発見した。
 テレビの画面は、DVDの再生が終わった事を示していた。
 リツコは、義理の息子の姿を見つけるや、その傍らに駆け寄る。
 碇ゲンドウと結婚した彼女は、かつてゲンドウが婿養子として結婚し、狂信的にまで愛し続け、こだわり続けた、エヴァンゲリオン初号機のコアに溶け込み戻ることのなかった碇ユイの一粒種であるシンジを実の息子のように愛し、ユイに代わって母親としてゲンドウとともに育てていくと、ユイの墓前で誓っていた。
 ユイから預かった大事な息子の異常な姿に、いつもの冷静さを失って、意識のない彼の頭を抱きかかえて揺さぶっていた。
「シンジ君、しっかりしなさい。大丈夫なの。返事をしなさい。」
 リツコが叫ぶように呼びかけるが、反応がない。
 ミサトもかつて同居し、一緒に生活した中で、決して長いとは言えない間であったが、本当の家族と思っていた、彼女にとっては誰からなんと言われようとも大切な弟。その弟が目の前で壊れ倒れている。ネルフの作戦部長であるはずのミサトも我を忘れていた。
 そして、異常とも言える潔癖症のマヤは、大人の男へと変貌しつつも、いつもは中性的で母親譲りとも思える端正な顔立ちをした清潔感ある少年の異常な姿に、両手で口を覆っていた。
「シ、シンジ君・・・・」
 密かに想いを寄せていた少年の名前を呟く。尊敬する先輩であるリツコの義理の息子に恋心を抱いているなどと、リツコに知られればただではすまないと思っていた。尊敬するリツコの側にも居られなくなるのではないかと恐怖心もあった。絶対に周りに知られてはいけない想い。
 しかし、目の前の状況にマヤは秘めた気持ちが抑えられなくなっていた。彼女も冷静さを失っていた。
「酷い、酷すぎます。シンジ君が可哀想です。どうしてシンジ君がこんな目に遭わされなくちゃいけないんですか、先輩。・・・」
 
 4人は、部屋の状況からすぐに、シンジがアスカの輪姦DVDを見ていたことを察していた。
 諜報課長の加持リョウジは、彼にとってもシンジは大事な弟のような存在であるため、シンジのことは心配であったが、潔癖症のマヤが万が一にもこの部屋でアスカの輪姦されるビデオ映像を目にしてしまったら、さらに収拾が付かなくなると考え、女性3人がシンジに気を取られている間に、デッキからDVDを取り出した。
 携帯で医療班と諜報課の自分の部下に連絡を取る。
「リッちゃん、すまない。すぐに迎えが来るから、そしたらシンジ君をネルフの病院へ運んで貰おう。」
 涙を浮かべたリツコが僅かに頷く。
 どんなにミサトとリツコが呼びかけても、シンジは意識を取り戻さない。息はしているものの、自ら意識を閉じ込めてしまっているようだった。
「先輩、・・・まさか、シンジ君、精神崩壊しているんじゃ・・・・」
「マヤ、馬鹿なこと言わないで!・・・シンジ君、大丈夫よ。しっかりして、アスカは助け出したから。・・・レイも心配しているから、お兄ちゃんなんだから、妹を安心させてあげないと。ほら、目を覚ましなさい。・・・・」
 最後の方は、殆ど聞こえないような声だった。
 リツコがゲンドウと結婚する際、綾波レイを2人の養子とした。レイへの償いの気持ちを含めて。
 もともとシンジの実母である碇ユイとリリスのクローンであったレイだが、遺伝子的には殆ど、碇ユイであるため、シンジの妹となったのだ。
「すみません、先輩。変なことを言って。」
「私の方こそ、ごめんなさい。心配してくれているマヤに怒鳴ったりして。・・・」
「シンちゃん、・・・シンちゃん・・・」
「シンジ君、リッちゃん、本当にすまない。俺がもっと早く情報をつかんでいれば、シンジ君もアスカもこんな目に遭わなくて済んだのに。」


 シンジのマンションに4人が到着する2時間ほど前に、アスカは廃ホテルの一室で、彼女を輪姦しDVDに撮影した男達とはべつに、そこに入り込んできた浮浪者達に意識がないまま輪姦されているところを、ネルフ保安部と諜報部の加持の部下達に救出され、すぐにネルフの病院へ搬送された。
 ネルフ保安部の別働隊が、アスカを拉致し輪姦したグループ全員を拘束していた。

 アスカは病院へ搬送後、すぐに妊娠検査がされた。その他メディカルチェックがされていく。
 ネルフ付属病院の特別病棟にアスカは運ばれ、個室に入れられた。
 シンジも加持によって手配された医療班によって病院へ運ばれ、様々なメディカルチェックの後、アスカ同様に特別病棟に運ばれ、彼女とは別フロアの個室に入れられた。
 アスカは入院1週間後、個室のベッドの上で意識を取り戻したが、シンジは意識を取り戻さないでいた。

 アスカは状況的なものから、入院後何度となく、妊娠検査とその他精密検査が繰り返された。そして、妊娠の心配がないこと、感染症にも感染してないことが確実視された。
  
 諜報部によって犯行グループの取調べが行われていた。
 取調べには、ミサトとリツコも加わっていた。
 リツコは、大事な義理の息子とその婚約者の傷つけた犯行グループに容赦ない取調べを行うべく、彼女自身が開発した薬やら装置の実験台に彼らを使い、自白をさせていた。
 ミサトも、血の繋がりこそないものの彼女の可愛い大切な弟と妹を傷つけた男達に容赦なく非人道的な拷問を繰り返していた。
 
 取調べの結果、アスカを輪姦したグループは、ネルフに敵対する国際的テロ組織の実働部隊であり、サードインパクト後の世界の秩序を守るネルフにおけるエヴァの運用をできなくするために、サードチルドレンたる碇シンジとセカンドチルドレンたる惣流・アスカ・ラングレーの2人の適格者を潰すことを目的として、アスカを拉致し、輪姦し、彼女の婚約者であるシンジにその映像を見せることで、彼の繊細な精神の破壊を目論んだとのことだった。
 そして、アスカの輪姦は、半分犯行グループにとって役得のようなものでもあった。

 超法規的組織であるネルフは、機密保持のため、この事件に関わった犯行グループのメンバーとアスカを救出する際に廃ホテルにいた浮浪者達を秘密裏に消していた。
 その指示を出したのは、ネルフ総司令、碇ゲンドウであった。







 アスカが意識を取り戻すと、真っ先にミサトが彼女の病室に行った。
 ミサトは泣きながら、アスカを抱きしめ、彼女が目覚めたことを喜んだ。

「アタシ、もうシンジに会えない。・・・シンジと結婚なんて出来ない。」
 アスカの初めての一言だった。
 努めてミサトが明るく言った。
「何言ってるのよ、アスカ。シンちゃんだってアスカのこと心配しているんだから。早く元気にならないと。」
「ミサト!」
後からアスカの病室に入ってきたリツコがミサトにそれほど大きな声ではないが叱責する。
 ミサトは自分の失態にすぐに気づいたが、遅かった。
『シンジ君の名前を出したのは拙かったか、・・・』
 そう、心の中で舌打ちする。胸が締め付けられるように苦しい。
 アスカは自分の病室に、婚約者であるシンジがいないことに途轍もなく陰鬱な気分になっていた。もしいたとしても余計に辛かったかもしれないが。
「ごめん、アスカ。」
「謝らないでミサト。逆に惨めになるから・・・。リツコは来てくれたんだ。」
 重苦しい沈黙が女性3人の間で続く。
 沈黙を破ったのはアスカだった。
「シンジは、アタシが何をされたか知っているんでしょ。こんな穢れた身体じゃ、シンジと結婚なんて、シンジに悪いもの。・・・シンジだって何人もの男に慰み者にされた女なんか嫌なはずよね。シンジが私に会いに来てくれないのだって、シンジの気持ちだって判るもの。・・・無理言って、同情で結婚して貰ったって、・・・」
「止めなさい、アスカ。」
 リツコがアスカの言葉を遮る。そして続ける。
「アスカ、シンジ君はそんな事で貴女を捨てたりしないわ。」
「じゃ、どうしてシンジはアタシに会いに来てくれないの。こんな私が嫌なんでしょ。」
「アスカ、本当のことを言うとね、シンジ君は、・・・」
「ミサト、それは言っては駄目よ!」
 リツコが再びミサトを制する。
 ミサトの暗く沈痛な面持ちに、リツコの只ならぬ苦しそうなそれでいてい鬼気迫るような表情にアスカは別の不安を感じた。
「シンジに何かあったの? ミサト何か知ってるの? リツコ何を隠しているの? お願い、教えて。シンジどうしたの?」
「・・・・・」
「・・・・・」
「ねぇ、どうして二人とも黙ってるのよ。何があったのよ、シンジ事教えてよ。隠さないで教えてよ。・・・お願い、・・・シンジ、・・・まさか、・・・死んだんじゃ、イヤァァ・・・・」
 泣き叫び出し、半狂乱になるアスカを見て、リツコが口を開いた。
「シンジ君は死んでいない。生きているわ。だから落ち着きなさい。アスカ。」
「本当?」
 とりあえず、落ち着きを取り戻したアスカを見て、リツコが事実を話し始める。仕事の時のような冷徹さで。
 今回の事件が、ネルフの転覆を目論むテロ組織の犯行であったこと。そして、アスカを襲い、シンジの精神を壊すことが目的であったこと。
「まだ、シンジ君は目を覚まさないわ。マヤにも言われたけど、もしかしたら、3年前の貴女と同じかもしれないわ。・・・」
 リツコが余りの辛さに言葉を失い、それ以上続けられなくなった。
「まさか、シンジは精神崩壊をしてしまったって言うの。・・・ねぇ、何とか言ってよ。シンジに会わせてよ。・・・ねぇ、ミサト、リツコ、シンジに会わせてよ。」
「今のシンジ君にアスカを会わせる事は出来ないわ。もちろん、肉体的なものも含めて、ダメージが大きいのはアスカの方だけど、心の優しいシンジ君にとっては、大事なアスカを傷つけられた方が彼自身が傷つけられるよりも精神的なダメージが遥かに大きかったみたいで、・・・今、レイが付き添ってるから、大丈夫だから。リツコと2人でシンジ君の様子を見たら後でちゃんとアスカにも報告するから、許して。今は、貴女は貴女自身の治療に専念すべき時だと思うわ。」
 ミサトに諭される様にいわれ、渋々シンジに会えないことに納得する。
 この時、アスカにとって、自分がシンジ以外の男に穢されたことは、女として恥ずべきことであり、許されない、言葉では表すことのできない辛く苦しいことであるが、それ以上に最愛のシンジが自分のことで精神崩壊を起こしたかもしれないという事のほうが、彼女の心を苦しめていた。






 心の傷はともかく、身体のほうは取り合えずレイプによる外傷が治り、見た目には元通りの綺麗な状態になったアスカは引き続き入院していた。
 シンジも入院後1週間で意識が戻ったものの、心を蹂躙された彼の意識は朦朧とし、時折フラッシュっバックするアスカの陵辱される姿に錯乱状態に陥ることがあった。アスカを守れなかったという後悔の念と、大切な婚約者を奪われたという喪失感と絶望感が、彼の心をさらに蝕んでいた。意識を取り戻したことで、さらにシンジは壊れていく。

 アスカは、担当の女性医師から、看護婦を伴うと言う条件付で彼女の病室から出ることを許された日、彼女の強い希望でシンジの病室へ行った。
 シンジの病室で、アスカが見たのは余りにも変わり果てた彼女の婚約者の姿と、彼につき添う憔悴しきった表情の彼の義母リツコと彼の妹レイの姿だった。
 シンジは、自分の病室に入ってきた婚約者の姿に気づく気配もない。
 アスカの大好きだった彼の黒曜石のような透明感のある綺麗な黒い目は、店先で客に見向きもされなず売れ残った魚の目のようで、生きた輝きを失っていた。
 食事を自分の意思で取ることのできるようになったアスカとは異なり、ろくに食事を口にしない、点滴で栄養を補給されるだけのシンジの顔は明らかに窶れ、女性が羨むようなサラサラの黒髪もボサボサニなり、ベッドの上でただ、口をもごもごさせて、何か独り言を言っているようだった。
 ベッドに傍らに近づいたアスカに、無言の赤い瞳が向けられる。その赤い瞳の目全体が真っ赤になっている。いつも無表情の、美少女と言って良い顔が、酷いものになっている。涙が枯れるまで泣きはらしたことが一目で判った。
 ベッドの傍らで椅子に座る母娘の後ろに立つ形で、ベッドの上で上半身を起こしているシンジを黙って見ていた。
 『シンジはこんなになる程、私の事愛してくれてたんだ。それなのにアタシはシンジにアタシの初めてを捧げることができなくなったんだ。私が浮かれてて簡単に拉致されたばっかりに。・・・ごめんね、シンジ。・・・』
 やっとの思いでベッドの上のシンジに声をかけることができた。
「シンジ、アタシよ。判る?」
 アスカの声にリツコが振り向く。彼女はアスカがシンジの病室に入って来たことも気づいていなかった。
 ベッドへに腰掛けるようにして、アスカはシンジの頭を彼女の胸に抱き寄せた。
 アスカの目から溢れた涙がシンジの顔へ落ちていき、彼の頬を濡らす。
 暖かい感触と、頬の濡れる感じに、シンジが反応を示す。アスカが彼の頭を抱く腕の力を弱めたとき、彼の虚ろな視線が彼女の泣き顔を捕らえた。
 アスカも、自分の胸に抱きかかえている婚約者の顔を涙で歪む視界に捕らえていた。
 暫く、その状態が続いたが、シンジの奇声が病室の静寂を破った。
 
「あぁぁぁぁ、アスカ、アスカ、・・・何処にいるの? 僕を捨てないで、・・・僕が悪かったから、僕が君を守れなかったから、・・・・何でもするから、僕を捨てないでよ、お願いだよぉアスカ・・・、何処にも行かないでよ。何処に行ったの・・・・あぁぁぁ」

 ナースコールがアスカの付き添いの看護婦に押されて、応援の看護婦と医師が駆けつける。
 駆けつけた医師がシンジに鎮静剤を打とうと注射器を取り出した。アスカの目には注射器すら、シンジを傷つける凶器に映った。
「ヤメテ、シンジを傷つけないで。・・・シンジ、私はここにいるわ。アタシはアンタを捨てたりしない。絶対に捨てたりしないから、落ち着いて。お願い、アタシは何処にも行かないから・・・」
 アスカの声を、彼女の胸の中で聞いていたシンジが、彼女の匂いに包まれながら落ち着いていく。そしてその視線が再びアスカの顔を捉える。見つめあう二人。シンジの目に少しずつ光が戻ってくる。
「アスカ、・・・なの? 本当にアスカ? 夢じゃないの?」
 シンジの意識が現実世界に戻ってきた。シンジがやつれた顔を崩して、アスカの胸の中で泣き始める。アスカもそんな彼の頭を再び強く抱きしめていた。
「そうよ、アタシよ。夢なんかじゃないわ。・・・」
 一度は涙の止まったアスカが再び泣き出していた。
 




 シンジが快方に向かいだし悦んだアスカだったが、その一方でシンジの心が癒えた時、同性からも羨望の眼差しを向けられていた自慢の身体を彼以外の男に嬲りつくされ穢され尽くした自分が捨てられるのではないか、穢れた自分は女性から人気のある彼には相応しくないのではないかと、より一層の激しい不安を感じるようになっていた。
 シンジもアスカも、エヴェンゲリオンのパイロットという重要人物ということもあり、慎重すぎるほどの治療を要するためまだ入院を余儀なくさせられていた。
 そんな中、シンジはアスカの病室通いを毎日していた。
 一方、アスカはシンジの病室へ自ら出向くことはなくなっていた。
 アスカは、シンジといる時間はとても明るく、元気で食事もよく摂ることから、病院関係者は2人が病室で一緒に過ごすことを認めていた。また、ミサトやリツコからも出来るだけ会わせてやって欲しいと頼まれていた。
 アスカは病室で一人になると、シンジが自分の病室へ毎日来るのは、彼の優しさと、その優しさが起因の罪悪感のためと考えていた。
 そして、時々見舞いに来るマヤの存在もあった。
 彼女はアスカとシンジが一緒にいる時にしかアスカの病室に見舞いに来ない。しかも二人の様子を見ていて、シンジの視線がマヤの方に向いていない時に、アスカに冷たい視線を向ける。潔癖症のマヤがまるで汚らわしい物を見るような目で。その目はまるでこう言っているようであった。『汚らわしい身体でシンジ君に触れないで。シンジ君が穢れるわ。貴女にはシンジ君と触れ合うことはおろか、話すことも許されないのよ。』と。

 アスカからシンジに触れることがあっても、シンジがアスカに触れることはなかった。シンジは、自分のフィアンセを陵辱した者たちと同じに彼自身も男であることが、アスカに触れることを躊躇わせていた。自分が触れることでアスカを傷つけるのではないかと。


 その日も、シンジは彼の病室を抜け出し、アスカの病室へ行っていた。
 シンジがアスカの病室へ入ると、彼を迎い入れたアスカは彼に気付かれないよう後ろ手に病室の扉の鍵を施錠した。
 シンジがいつもどおりに、ベッド脇の椅子に腰掛ける。アスカはベッドに縁に腰掛け、おもむろに彼に語りかけた。
「ねぇ、シンジ。シンジにとって、アタシって女として魅力的?」
「うん。アスカは凄く魅力的な女の子だよ。女の子って言うより女性だよね。いつまでもアスカと出会った時のつもりでいるから女の子って思っちゃうけど。・・・アスカって
僕なんかよりずっと大人だし。」
「じゃぁ、シンジ。シンジはアタシのこと今でも好き? アタシのこと愛せる?」
「アスカのこと好きに決まってるじゃないか? アスカは僕のその、・・・こ、婚、・・・僕の婚約者なんだから。」
 シンジがどもりながら、顔を少し赤くして答える。そのシンジにアスカが少し表情を曇らせて再び質問した。
「半分しか私が聞いたことにアンタ、答えてないわね。 私は、アンタがアタシのことを愛せるかとも聞いたのよ。どうなの。」
 アスカのことを“好きだ”と答えたシンジにとって、アスカの質問の後半部分は意味がないように思えている。アスカの顔を不思議そうに見るシンジに更にアスカ質問を繰り返す。
「アンタは私のこの身体を愛せるかって聞いているのよ? そんなことも判らないのバカシンジ。」
 質問の意味を知り、驚いた表情でシンジが、何とか声を出して答える。
「僕は、アスカのことが好きだ。愛してる。だから、ちゃんとアスカと結婚したら、アスカのこと、抱きたいと思う。でも今は、まだ、・・・」
「今はまだって、なによ。それじゃ別のことを聞くけど、シンジあんた自分でしてる? ずっと入院で溜まってるでしょ。」
「自分でしてるって? 何てこと聞くんだよ。」
「今度はすぐに判ったようね。だから、マスターベーションよ。男は大変よね、女と違って出さないとスッキリしないんでしょ。オカズは何にしたの。アタシ? それとも別の女?」
「病院にいるんだから、そんなこと出来る訳ないじゃないか。」
 少し怒り気味にシンジが答える。しかし、アスカは気にも留めないふうで続ける。
「じゃぁ、家にいるときはしてるんだ。結婚するまで自分で慰めて我慢してるんだぁ。そん時、シンちゃん、オカズはどうしてるのかなぁ?」
 悪戯っぽくシンジに聞く。
「アスカ、もうやめてよ。そんな話は、・・・・」
 シンジが弱々しい声で、話題を変えさせようとするが、アスカはそれを許さなかった。
「バカシンジの癖に、フィアンセである私の質問に答えられないって言うの。アンタは私の質問に素直に答えればいいのよ! 判ってるの、バカシンジ!!」
 ここ1年以上の間、アスカはシンジのことを“バカシンジ”と怒鳴ることはなく、甘えたような話し方しかしていなかった。そのアスカに使徒戦役で憎まれていた時のような高圧的な話し方をされ、シンジは圧倒されていた。
「家にいる時は、アスカが委員長と遊びに行っている間に、その、・・・アスカのこと考えながら、・・・自分でしたり、前に撮ったアスカの水着の写真を見ながらヤッたりしたことがある。」
「ふ〜ん、そうなんだ。盛んなシンちゃんは、一緒に住んでるアタシをオカズにヤッてたんだ。そういう目でアタシのこと見てたんだ。・・・・まぁ、アンタがアタシのことオカズにしてたのは知ってたけどね。」
 アスカが汚らわしいものでも見るようね目つきでシンジを睨む。
 シンジが俯いたまま、体を弾かせた様に声を荒げて言った。
「僕は、ずっとアスカのことが好きだったんだ。アスカしか居なかったんだからしょうがないじゃないか! アスカのことしか考えられないんだから、アスカ以外の女の人なんて考えられないし、好きになれなかったんだから、・・・アスカのことそういう対象で見たりするのは悪い事だと、アスカに悪いと思ったけど、我慢できなかったんだ。・・・ごめん、アスカ。」
「シンジ、何で謝るの。シンジがアタシをそういう風に見ていたってことは、シンジにとってアタシは魅力的だったてことでしょ。そんな悪い気はしないわ。・・・でもね、シンジ、シンジ以外にアタシのことオカズにしている男って居ると思う?」
 アスカは、打って変わって優しい声でシンジに言ったが、シンジはアスカの後半の質問に体をびくっとさせた。シンジの頭の中にアスカの輪姦DVDの映像が呼び起こされる。アスカにどのように答えればいいものか。彼女を傷つけないか戸惑う。
「アスカは美人だし、かわいいし、スタイルだって凄く良いし、僕以外の男だって、きっとアスカのことオカズにしている男は絶対居ると思うよ。」
「そうよね、アタシがシンジのものだっていっても、オカズにするのは勝手だものね。でも、シンジ以外の男にそういう風にされるのって、アタシが天才美少女だっていう証明になるけど、嫌よ。はっきり言って、そういう奴等って気持ち悪い。」
 そう言うと、アスカはベッドの上で脱ぎやすい病院服を手早く脱ぐ。ブラはつけておらず、ショーツだけになった。そのショーツもアスカは脱いだ。
 シンジは、アスカの美しい肢体に顔を真っ赤にして固まってしまった。アスカとの同居で何度か彼女の裸を見たことがあるが、それでも彼にとっては余りに刺激が強いものだった。そんな彼に微笑みながらアスカが言う。
「シンジ、さっき結婚したら私を抱きたいって言ったわよね。それに今はマスターベーションもしてないって言ったわよね。・・・・そんなシンジの前に、裸のアタシがいるのよ。今すぐ、アタシのこの身体を抱きたいと思わない? 結婚前でも、結婚するまで待たなくても良いじゃない。」
「アスカのことすぐにでも抱きたいと思うよ。でも、アスカ、ここは病院だよ。」
「病院とかそんなの関係ないじゃない。アタシはシンジのフィアンセなんでしょ。それなら、目の前に裸でアタシが居るんだから抱けば良いじゃない! フィアンセを抱く勇気もないの。それとも他の男に抱かれた女は嫌? 慰み者にされたアタシは穢くて抱けない?」
 アスカが弾けた様に、シンジに食って掛かるように言ってくる。
「そんなぁ、アスカが穢れてるなんて思ったことないよ。アスカは綺麗だよ。誰がなんと言おうと。」
「うそ! 嘘ね。だったら何でアタシの身体に触ろうとしないの。すぐ目の前に裸で居るアタシを抱こうとしないの? アタシのこと愛してるって言うなら、アタシの事が穢れてないって言うんなら、アタシのこと抱いてよ。・・・シンジにとって魅力的だって言うんなら、今すぐアタシを犯しなさいよ! どうしたのよ、アタシは良いって言ってるのよ。気が済むまでアタシを滅茶苦茶にしなさいよ! アンタがアタシを抱かないって言うなら、犯す価値もないって言うなら、アタシはアンタ以外の男に抱かれまくってやるわよ!」

 シンジは涙を浮かべながら、ベッドの上のアスカに抱きついていた。
 普段の大人しい感じとはかけ離れた荒々しさでアスカの上になり、彼女の首筋や形のよい胸にしゃぶり付く。成すがままにされるアスカの太腿に布越しにシンジの興奮した怒張が押し当てられる。
 両手でフィアンセの身体を弄りながら、激しく何度もキスを繰り返す。そして、シンジも病院服を脱ぎ、全裸になって屹立するペニスを解放する。
 ペニスで直にアスカのくすみのない滑らかな白い肌を味わいながら、自分の下になっているフィアンセに問い掛ける。
「ねぇ、アスカ、本当にいいの? このままだと、本当に止められなくなっちゃうよ。」
「シンジィ、バカね。今、アンタはアタシを犯しているのよ。レイプしているのに、良いかどうか訊くなんてナンセンスね。アタシが良いって言ったんだから、良いのよ。アンタはアタシのフィアンセなんだから遠慮なんてしなくて良いのよ。判った?」

 童貞のシンジは、既に何十人もの男によって貫かれ繰り返し射精され陵辱された“使い古し”“使い込まれた”フェアンセのヴァギナに彼のペニスを挿入した。
 既に濡れていたアスカの股間にシンジのペニスがすんなりと呑み込まれていく。
「ウッ、・・・ウウウッ・・・」
 シンジは自分の男根がアスカの中で包まれる快感に声を漏らす。
 挿入したまま動こうとしないシンジ。
「どうしたのシンジ? 動かないと気持ちよくなれないでしょ。」
「動いたら、本当にもう、我慢できなくなる。そしたら、アスカを壊しちゃうかもしれない。そんなの嫌なんだ。」
 アスカに答えるシンジが顔を真っ赤に染める。
「ホント、馬鹿ね。アタシはシンジにアタシを犯しなさいって言ったのよ。アンタがアタシを犯さないって言うなら、アンタ以外の男にアタシが滅茶苦茶になるまでアタシを犯させるわよ。だからぁ、アタシが欲しかったら、さっさとアタシを滅茶苦茶に犯しなさいよ。このアタシが良いって言ってるんだから。」
 
 シンジは、母親に抱きつく子供のように、アスカと密着したまま腰を動かし始めた。
 稚拙な腰使いでアスカの中に出し入れし、フィアンセを陵辱する。
 フィアンセの身体を、自分の体中で感じながら彼女をレイプする倒錯に陥りながら彼女との初体験をするシンジは、挿入した時以上の快感に、顔を歪め、声を漏らしている。声にならない声で彼女の名前を呼び続ける。
 がむしゃらに突き上げてくるシンジの下になっているアスカは、すぐ目の前にある彼の顔を見ながら、病室のベッドの上で彼を受け入れていた。
 初体験のシンジには判らなくても、アスカには判っていることがあった。
 処女を奪われた時は、男を受け入れるのに激しい痛みを伴ったのが、ヴァージン喪失とともに8時間もの間身体中を男の性欲処理に使われ、休む間もなく男達にペニスを埋め込まれ、出し入れされ続けたアスカの身体は、男を易々と受け入れられる身体に変わっていた。
 その事実にアスカは、シンジの快感に歪む表情を見ていると心が苦しくなる。
 『シンジは初めてなのに、こんなアタシでごめんね。シンジだって本当はヴァージンの女の子としたかったよね。・・・シンジにそんな風に求められると、あの男達に穢されたアタシの身体が綺麗になっていく気がする。シンジが求めてくれるんだったらアタシ・・・・』
 胸が熱くなる。心の中の声が、空気を震わす声となって溢れ出した。
「そう、シンジ、それで良いの。シンジが思うままにアタシを犯して。・・・・シンジはシンジが気持ち良くなる事だけ考えて、この惣流・アスカ・ラングレーをレイプすれば良いのよ。・・・シンジはアタシを好きにシテ良いんだからね。・・・・だから、思う存分アタシを滅茶苦茶にして良いのよ。貴方がアタシを求めてくれると、それだけ、あの男達に犯されたこの身体が綺麗になっていくような気がするのよ。・・・」
 アスカの最後の言葉に、彼女の上になっているシンジが一瞬硬直した。その後、弾かれた様に上半身を起こすと、声に成らない奇声を発しながら、暴走したエヴァの様に、モデルのような完璧な女神のスタイルをしたアスカの身体を力強く抱きしめた。シンジは身体全体を激しく躍動させて、逃げられないように捕まえた彼女を強姦する。
 アスカの輪姦DVDの陵辱シーンが思い出されたシンジは、理性を失い性欲だけに支配されてフィアンセを滅茶苦茶にする。

 男達に囲まれて白い脚だけが見えているアスカ・・・
 身体中に精液を浴びせられてベッドに横たわるアスカ・・・
 黒い肉体の間から白い手と脚しか見えないアスカ・・・
 精液塗れになったアスカを更に一人ずつ楽しみながら陵辱する男達・・・

 シンジの頭の中を、それらのシーンが繰り返される。
 それらの映像と重なる、目の前にある現実のフェィアンセの顔。
 
 質素だが機能的で丈夫な病室のベッドが軋み音を上げる。
 シンジは最愛のアスカを輪姦した男達から彼女を奪い返そうとするように、彼女の身体を自分の色に染め上げ、自分の物にしようとしているように、ひたすら身体中の筋肉を総動員してペニスを彼女の膣に出し入れする。
 シンジは初めての女の肉体の甘美な快感に酔う。そして程なく絶頂を迎えた。
 絶頂の瞬間、シンジは婚約者の身体に肉の槍を奥深くに挿し込みながらも、更に抉るように押し込んだ。

 人生初の膣内射精が終わると、シンジは荒い息が収まっていないにもかかわらず、アスカの中で萎え始めようかとしているもののまだ硬度を殆ど失っていないペニスを出し入れさせ始めた。抉っては抜き、抉っては抜き、ただその行為をひたすら繰り返す。

 一度射精したことで、シンジの肉体に次の射精までの時間的余裕が生まれていた。
 アスカはただ、シンジの陵辱を受け入れる。彼女の身体を必要とされている現実とともに、理性を失った婚約者の性欲を受け止める。

 目の前のアスカの顔と、陵辱するシンジの頭の中で呼び起こされる男達に顔射され白濁に汚れるアスカのシーンが重なる。
 自分を受け入れているアスカの顔に何度もブッカケされている錯覚に陥る。
 再び絶頂を迎える時、シンジはアスカとの結合を解き、彼女の美貌にペニスを押し当てていた。そして、現実世界でアスカの顔にシンジの精液が放たれる。

  ドクドクドク・・・・
 
 呆けた様に自分の精液で穢れた婚約者の美貌を見ながら、再びシンジは彼女の股間にペニスを突き刺す。
 アスカの胸を貪りながら、ペニスでも彼女の柔肉を激しく味わう。

 シンジは更に5回、アスカの中で絶頂を放つまで彼女の中にペニスを打ち込み続けた。

 正気に戻ったシンジが、アスカの精液で汚れた顔をみて、「ごめん」と謝った時、アスカは粘液を張り付かせた顔のまま、
「謝る事はないわよ。だって、アタシがシンジにアタシのことを犯しなさいって言ったんだから。それに、こんなになるまでヤッテくれたんだから、アタシは嬉しいの。だから、今度からは、我慢なんかしないで、ヤリたくなったら正直にアタシに言うのよ。アンタの性欲処理ぐらい幾らでもやってあげるわよ。」
と笑顔で言った。





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