Back Seat

Original text:引き気味
Illust:目黒腹蔵さん



15

「じゃ、アスカ……。私、こっちだから……」
「ええ……」

休日なのに制服で過ごしているアスカとヒカリ。
昼前から本部を訪れていた二人は、中央大垂直溝と呼ばれる吹き抜けの前で別れた。
天井は高く通路も巨大な、だだっ広い構造規模の割りに人気は無い。
深度数千mという巨大な竪穴に掛けられた橋は、本部ビルデイングの中でも特に高位のパスを必要とするエリアへの境界でもある。
無機質に寂しい一帯には、吹き抜けを縦に渡る風音だけが煩かった。

「気を付けてね……」

何を指してかを遠巻きにしか言えないアスカの言葉は、微かな震えを帯びていた。
ヒカリはこくと少しだけ前髪を揺らす。

「……大丈夫。心配しないで」

歩き掛けたところで振り返らない小声。そのまま彼女は橋を渡っていった。
橋はベルトコンベアータイプの自動式になっているから、その上に立つヒカリの背中はぐんぐんと遠ざかっていく。
向こう岸には二人、ヒカリを待っている黒服の姿が見えていたが、アスカはそれ以上は目に入らないよう、自分の行くエレベーターへと背を向けた。
―― それがせめての気遣いである。

「洞木ヒカリだな。良し、パスは確認した。いつものようにボディチェックをさせて貰うぞ」
「……はい」

(またっ、嫌な連中……!)

早くと、エレベーターを待つ間にも、風に乗って男たちの声が聞こえてくる。
職務の特性を前面に出した無個性な態度であっても、下卑た調子が混ざっていることは否めまい。
「ゲスト」と呼称されるヒカリがその先に呼び付けられる用向きも、勿論承知の上の彼らだ。上司の勘気を買うような真似はすまいが、ネルフの最重要人物の前に通すに問題が無いか、不審物を所持してはいまいか、それだけの当たり前を理由にしているだけで、十二分に少女には恥辱的であり、彼らには楽しめるのだ。
手に持ったセンサーをヒカリにかざす。
やっている事はそこらの空港施設で行われるものと変わらないが、ネルフのセンサーは非金属であっても探知する。
反応がありと言えば、男の手がセーラー服に包まれた少女の肢体をまさぐるのである。

『ヒッ……!』

小ぶりなヒップを痴漢の手つきでスカートの上から撫で回し、年頃の女の子のくびれたウェストから、成長著しい乳房にも。

『……ッ』

薄いブラウス越しにブラジャーのラインをまさぐり、無骨な指の付け根でそれとなく乳首のしこりを挟み嬲る。
堂々と痴漢行為を働かれていても、ヒカリは恥ずかしさと嫌悪感に唇を噛み締めるだけ。
サングラスで隠そうとも、頬のすぐ側に寄せた顔はいやらしい下目使い。開いた首筋から染み一つない若々しい素肌が鎖骨の先に続くところを覗き込む。
その上での、自己申告をヒカリに強いる。容赦なく、更に恥を晒させる。

『こちらに持っているのは何だね?』

指差すのは異物反応を捉えたスカートの中。
べたべたと胸の膨らみを掴むようにされた後で、ヒカリは顔は更に真っ赤にせねばならない。
スカートの裾をぎゅっと握って、手を震わせながらめくり上げ、その中を見せさせられる。
黒服達は女子高生の生の太腿を視姦し、その付け根から最も秘められておくべきデルタの地帯にも遠慮なく不埒な目を注ぐ。
ローターを仕込まれてショーツを汚してしまっている時などはまだマシな方。時には何も履いていないことも、もっと悪い場合もある。
その全てを曝す、慎ましい性格の少女には堪らぬ辱め。
要するに、自己申告の形をとった、露出ショウ。老人が肉奴隷少女達への恥辱プレイに、黒服達を使っている―― その一バリエーションに過ぎない。

『その……、道具……です。私の、使う……使ってる……』
『この先で必要な物なのだね?』
『は……はい……』

ふっくらと盛り上がったヴィーナスの丘に、薄布の一枚も守るもの無く。少女の一番の肌白の部分をむき出しにして見せて、縦すじのような割れ目に刺さったそれを示す。
『バイブレーター……です』と、少女の唇に乗せるには、あまりに恥ずかしい名称さえも許して貰えることはない。

『……んっ、くぅぅ……』

時には緩慢にくねっている最中。
スイッチは老人の手の中の無線式だ。
学校に居る間から刺激され続けていれば、薄白く濁った蜜汁で汚してしまっている内腿の様子を、誰とも知らない男が目に楽しむことになる。

『……ふむ』

そう言って口の端を少しだけ歪ませる。それだけ。

『……っ、ッ―― ! うっ、ううっ……』

それがどんなにヒカリの羞恥心を突き刺すことか。
きちんと出して見せろと言われれば、

『……んむっ……ッ、んっ、んぅぅ〜〜! ンッ、ンゥ……!』

苦心惨憺して、自分が分泌させたものにべったりと濡れ湯気さえ立てている男の性器の形をしたそれを、秘所から引き抜き差し出さねばならない。
ヒカリは男達と比べると胸までしか背のないような華奢な女の子だ。その下腹に入っていたとは思えないような、太く、ゴツゴツとこぶの付いたバイブレーターを。

『ふぅっ。んっ……、ん……ぅ……くぅぅンんん……!』

ズルル……、チュボッ

自分の手で逆手に持って引きずり出す。
どんなにそっとと注意しても、それだけで開発された敏感な膣粘膜が刺激されてしまうのは避けられない。
せめていやらしい声を出してしまうのは―― 聞かせてしまうのは嫌よと抑えるが、

『んぅ……ぅ、ン、ンンン……!』

片手を押し当てた下からでも、鼻にかかった切ない声では、あまりに虚しく無意味に思える。
ハッ、と嘲笑。
ネルフの治外法権の外に出れば、じろじろと見るだけで咎を浴びるような高校生の少女が、ぶるぶるとお下げを揺らして、制服を大きく捲り上げたあられもない姿で身悶えるのを愉快がる。

(好き勝手して……こいつらッ……!)

憤っても、アスカは無力だ。
同行していても、彼らはセカンドネルドレンとしてのパスを持つアスカ相手の権限を与えられてはいないから、彼女だけはその屈辱を免れることが出来る。
それが却って後ろめたくも責め苛まれるアスカを遮るのは、

―― ネルフの戦乙女、現代のアテナたるお方ですから。

そうへつらってみせる黒服達のたとえ、ギリシャの処女神へのなぞらえ。
だからボディチェックは必要無いと言いつつも、サングラス越しの目付きが『俺たちは知っているぞ』と告げている。
ヒカリと揃いのセーラー服。たとえ同じようにスカートをめくって見せなくとも、同質のモーター音を股間からくぐもってさせていれば、天下のアイドル美少女で通るアスカにも、やはり淫具の責めが課されているのだと知れるのだ。
ヒカリを二人で挟むようにする傍らに立っている、その姿と演じられる痴態を見比べて、

(あんたのパンツの中にも入れてるんだろう……?)

そんな、嬲る視線。
アスカは怯まずにはいられない。カーッとうなじから耳まで真っ赤にしてしまう。

(くっ、ク……ううっ……)

まさに自分の肉割れの内側で蠕動するバイブの存在を、まるで透視されているような羞恥がこみ上げる。

(み、見ないで……。いや、いやぁ……!)

友人が晒し者にされているのと同様に、この自分も器具によって犯されている。
そして、実は密かに歓びさえ覚え、女の穴に咥え込んでいるのだと。そう気取られているのではないかと怯える。
立ち竦んでしまうのだった。

『結構だ。戻していいぞ』
『ハッ、ハッ、ハッ……ハ……。え……?』
『戻して良い。元通りにな』
『……はい』

大人向けのバイブを抜いた直後、ヒカリの膣口はそのサイズを残したままにぽっかりと口を開けてしまっている。
内側の綺麗なピンク色の襞粘膜が黒服たちの前に丸出しになっていて、荒くヒカリが息を吐くのに合わせるように、ヒクヒクと。
小粒のクリトリスも包皮から勃ち上がり、授業中から装着を強いられた異物感に発情を促されていたアスカには、ドキッと思わず鼓動が跳ね上がる、淫らな有様。
清楚な佇まいのヒカリには、あまりに無残な―― そしてアンバランスな、エロティシズムだ。

『元通り、に……ンッ、くぁぅぅ〜〜!』

無関心さを装った当たり前だろうという眼に促され、ヒカリはまた15歳の慎ましやかな入り口に、悩ましく呻きながら収めていかねばならない。
ファロスを象ったグロテスクな拷問器具を、ズブズブと。

『ぐっ、ん……! んんっ、んー!』

内股になった膝がガクガクと震える。
愛液で滑り易くなった肉割れにグネグネと暴れまわる樹脂製の亀頭を何とか挟ませ、グッと力を込め、淫肉の内側に。
突き立てるように自分で挿入ショウを披露させられるヒカリ。

『あ、ああっ……あううっ……』

スベスベの下腹部にめり込んだだけ盛り上がりが生まれ、透けるような肌の色が恥辱のピンクに染まっていく。
どんなに我慢しようとしても、バイブ責めの快感が火照りと共に全身に広がっていっているのは隠せない。
窮屈なクレヴァスに発生する、摩擦のエクスタシー。
息は乱れ、細腰が淫らにくねりだす。

『ひ、ヒカリ……』
『大丈夫、だから……っ、あっ、あひぃ……ィ!』

高校生活も新しい磨かれたローファーの足元に、無理に花弁へと押し沈めていく隙間から零れた恥蜜が、ポタポタと落ちる。

『くぁぁ……! こんな……っ、だめっ……んぐぁアァァーっ!』

恐らく監視モニタで見ていたのだろう。老人が制御している筈のバイブレーションが、急に動きを激しいものに。

(ああっ、あんなことをされたら……。ヒカリ……!)

竿に埋め込まれたコブが、敏感になってたまらない秘粘膜を荒々しく苛めているのだ。
グングンと、子宮にもどれだけ響いていることか。
いっぱいに広がってまだ花唇に呑み込みきれて居ない竿の部分が、蜜壷の内側での凄まじさを伺わせる荒々しさでのたうっている。

『だめっ、そんな……! あぐっ、うーっ! 見てるのに! ああっ、こんなところで……見られてるのに!』

(ヒカリ、だめ―― !)

『だめ……いやっ、あっ、いやあああ! 見ないで……! 見ないでくださっ、あっ、あひひぃ……!』

心に背いて暴走してまう躰。
みるみる快感の渦に巻き込まれていったヒカリは、『ヒーッ!』と仰け反って絶頂姿を演じてしまった。
アスカが慌てて駆け寄らねば、そのまま床に垂れ流したおびただしい悦楽の汁の上に、腰砕けたまま倒れてしまっただろう。

―― そんな辱めを、ヒカリはまた一人で耐えねばならないのだ。

(ヒカリ……)

助けてやれぬ不甲斐無さを感じるのは、これで何度目か?
数え切れぬだけ打ちのめされた敗北感に顔を沈ませて、アスカはシンジの病室へとエレベーターに乗り込んだ。



◆ ◆ ◆

―― 今頃はまた、あの老人の責めに泣き叫んでいる頃だろうか?

張りというものを失った腹の下に組み敷かれて、縄に胸を搾り出された緊縛姿で涙を散らせている友人。

(あの硬いペニスで串刺しにされて……ザーメンでドロドロになるまで、何度も、何度も……)

そんな暗い部屋での光景を思い浮かべてしまったアスカに、シンジがためらいがちな声を掛けた。

「アスカ……無理してない……?」
「えっ。なに、シンジ?」

腕組みをして考え込んでいたのを、ベッドに横たわる少年へ、はっと顔を上げる。

「アスカ、凄く辛そうな顔をしてた。最近、ずっとだよ?」

(いけない!)

とうとう、機密区画の「治療施設」に隣接するような病室に移されねばならなくなったシンジである。
元気付けねばならない立場の自分が、暗い顔をしてみせるとは……!

「え、ええ……ちょっと疲れてるのかもしれないわ」

両目とも真っ赤な瞳に変わってしまったシンジが、枕から気遣わしげな顔で見上げている。

「その……部活に慣れなくって……。結構練習がハードなの。だから疲れが溜まっちゃって……」
「アスカ……」
「ちょ……!? ダメよ! 寝ていなくっちゃ!」

白い毛布をのけて、体を起こそうとする。
たったそれだけで苦しそうに表情は歪み、ぜいぜいと息を切らせる顔にびっしりと汗が浮かぶ。

「……大丈夫」

支えようとした手を制止して、体中にコードを貼り付けたシンジが微笑んだ。泣き出す寸前なのに、誤魔化そうとしている―― そんな力の無い笑顔。
二人の関係が一番上手くいっていなかった頃、どうしようもなく黒い考えを抱えてアスカに縋ろうとしていた―― そしてアスカがことごとく拒絶していた、あの時に近い雰囲気だ。
それなのにアスカの手を払おうとしている。

(なんでそんな顔をあたしに? シンジ……!?)

「僕はっ、もう……大丈夫だから……」
「なにがよ! そんな調子で、全然大丈夫じゃないじゃない!」
「大丈夫じゃないのはアスカじゃないか!」

寝かせようとするアスカに抗って、叫ぶ。

「シン、ジ……?」
「僕は……こんななのに、ずっと会いに来てくれてる。凄く嬉しかった……」
「なに……言ってるのよ……」
「……でも、もう良いよ」
「なにっ、言ってるのよ……!!」

思わず怒鳴り返して掴んだ腕は、ぞっとするほどに細かった。骨と皮、そうとしか言いようが無い。
そして『ヒッ……!?』と手放してしまう位、冷たかったのだ。

「ね? もう、こんななんだ……」
「ば、バカね……。こんなもん、その内治るわよ。ネルフの医療技術は世界一なのよ? 首の千切れたエヴァだって元通りにしちゃうんだから……」

違うよ、そんな事じゃない……と、そう言うようにシンジは首をゆっくりと振った。

「どうしてアスカはお見舞いに来てくれるの?」
「……そ、そりゃあアンタ……」
「どうして?」

酷く痛むという目は、半開き程度にしていないと辛い筈なのに。シンジはひたむきに見詰めてきていた。

「アンタが……。その、あ、あたしは……」

アスカにはその一心な目が何故か辛かった。
ほんの少し前―― それか、ずっと遠くに感じられるあの頃は違った。
気弱に視線を逸らそうとするシンジが、とにかく焦れったかった。
あたしの目を見て話しなさいよと、何度も文句を付けたものだ。
しかし……。

「……アンタでも、一応はその、戦友だし。……同じチルドレンで、クラスメートで……それからその、ど、元同居人じゃない……」

よしみってヤツよと、その顔をそらしながらの声は尻すぼみで、本当に伝えたいことの万分の一も言えてやしなかった。
自分に自信が持てない。一歩―― 一歩、この線から踏み込んでしまえば、きっと嫌われるから。その臆病は、どこまでもシンジと共通していた。

「アスカ、優しいよね」
「な、なによ……」
「ありがとう。……本当にありがとう」

ふっと通じる、緩んだ空気。
だが、言葉の理解は心の深層とは裏腹だった。

「でも僕はアスカに何のお礼も出来ないもの。……分かってるんだ。僕はもう治らない」
「バカ言ってないで……!」
「アスカの時間を無駄にさせてるだけだ!」
「アンタッ―― !!」

―― 人がどれだけあんたの為に苦労してると思っているの!?

悔しげに引き絞った目尻に、涙が浮かぶ。
激情は、平手を浴びせようとしたシンジの貌に掻き消された。

「ずっと感じてたんだ。アスカ、つまらなさそうな顔をしてる。いつも何だか他のことを考えてて……、それが辛そうだって」
「だから……疲れててって……」

もう終わってしまった事を振り返って並べるように、淡々とシンジは続けていた。
アスカを見ている筈なのに、視線が合わない。光の届かない目をしている。

「嘘だよ……」
「あ、あんたは人の事より、……自分の心配が大事でしょう?」

震える声に『ほらね?』と返す。

「僕じゃアスカの相談相手にもなってあげられない。悩んでても……打ち明けて貰えるようなやつじゃないんだ。役に立ってあげられない。ただここで寝てるだけ、何の価値も無い人間なんだ!」
「シンジ……!!」

助けて欲しい時ほど拒絶を叫ぶ。それはアスカも同じだったこと。

―― アンタの全部があたしの物にならないなら……!

それ程に求めていたのに、差し伸べる手を撥ね付けて、怒鳴って、罵って。
あの時の失敗が取り返しのつかない事にならずに済んだのは、それこそ奇跡に過ぎなかった。
今度間違えば、二度との無い喪失になる。
その冷たい予感を、肌が感じていた。

「なのにどしうてっ、僕は……僕はアスカを……」

うっうっと俯いて泣き零す。顔を覆って、肩を小さく落として。

「優しくしてくれるのが辛いんだ。僕は勘違いしそうになるから……そんなこと無いって分かってるのに。なのに……」
「違うわ、シンジ。勘違いなんかじゃない」
「……アスカ?」

泣きそうになっていたら……ぎこなくなっただろうけど。ちゃんと笑って上げられただろうか?
アスカは腰掛けから立ち上がって身を寄せた。
体温だけでもこの気持ちのように伝わってくれれば良いのにと。―― 抱きしめようとする。
手を伸ばして。その震える肩を、悲しく薄くなった胸板を、暖めてあげたいのだと。

「あたしは……あんたが大切だから……」
「あす、か……」

ああと凍えそうな寂しさから声が融けようとした、二人の体温の匂う距離。病院服とセーラー服の、刹那の隙間。

―― ッ!?

だめっ、……ダ……メッ……!

日差しの翳んだ雲間は、届かせてはくれずに―― また閉じた。



◆ ◆ ◆

「アスカ……?」

ビクンと、触れ合おうとした体を引き剥がした彼女に、シンジは怯えた声を掛けた。
ああ、やっぱり……と、絶望が覆い尽くそうとしている。
それでもダメだった。

(アタシっ、今シンジに……)

―― 抱きしめて貰ったなら、

(気付かれてしまう……!)

囚われのお姫様には、悪い魔法使いの付けた重い鎖。

病室に入ってからずっと腕を組んでいたのは何の為? 
隠していたのではないか。その―― ブラジャーさえはめてはいない胸の先に、医療テープで貼り付けた卵型のプラスチック器具。ピンクローターという名の奴隷の首輪を。
きっと抱き合えば、彼の胸が優しくアスカを抱き返してくれるより先に、その異物感が少年の疑問を掻きたてるだろう。
その乳房を下から黒く持ち上げて、ウェストを押さえつけている、ヨーロッパの娼婦のような革地のコルセットもだめだ。そうと知られずに済むには、あまりに自己主張の強すぎる硬さでアスカを拘束している。
それに……と。
無線のスイッチも今は切られているようだが、ローターだけでなく、またいつものようにバイブレーターも股間に仕込んだままなのである。
突き刺さった底の方を無理やりショーツの中に収めて、スカートの下ではまるで男の子のようにこんもりと突き出してしまっている。
それがもし、シンジの胸の中で動き出したなら……。きっと、誤魔化せない。

「アスカ……」

(ああっ!)

サッと寂しさを浮かべたシンジの貌。

―― 傷付けてしまった……!

(でも、そんなつもりじゃないの……!!)

痛切な叫びも、どうしても打ち明けられない。
泣きそうになる。
揺れるブルーの瞳。美しい唇からは血の気が引いて強張り、伝えねばならない言葉は形にならなかった。

「良いんだ……」
「し、シンジ……」

俯いてしまっていた。
涙が溢れ出しそうになっているのは二人ともだ。

「ご、ごめんなさいね……。その……あ、あたし……そろそろ行かないといけない時間だから」
「うん。……うん」

ぎこちなく顔を作ろうとしていても、それが笑顔に見えるものだったか――
向こうを向いて肩を震わせるシンジが、それを確かめられるはずが無い。

「ま、また来るわ……」
「うん」
「その時っ、その……つ、続きを……ね?」
「うっ……うんっ」

縺れる足でドアをくぐり、どう言い繕おうとも逃げ出すそれでしかなかったアスカは、どんな言葉を最後に残してきたかも思い出せなかった。



◆ ◆ ◆

「こんなのっ……あるから! あるからっ、アタシはぁ……!」

人目を避けて駆け込んだ物陰で、アスカは泣いていた。
泣きながら股間の張り型を操っていた。

「うぐっ、うっ……ふっ、ううぅ〜〜!」

ドロドロのショーツの下にそのしなやかな手を差し入れて、握り締めて秘苑をグチャグチャと掻き回す。

「意識しちゃったら……どうしようもないじゃないっ! っぐ、うぅっ、ンーッ!」

喘ぎと共に口の端に垂れる涎の筋。怒りとも付かぬ、悲しみとも付かぬ、激情。
座り込んだ背中の壁に、叩きつけるように仰け反る。

「チクショウ! チクショウ! ……どうしてっ!」

抜き差しつつの乱暴な手つきに、ブラウスのボタンがパツンパツンと弾け飛んだ。
隙間に差し込んで、揉みしだく。
乳首は硬くなっていた。だが、ローターにスイッチは入っていない。リモコンバイブも沈黙したままだ。

「どうしてこんな時には動かしてくれないのよ……! 良いんだから! もうっ、良いんだから……! あたしを気持ち良くしてよッ!!」

ゆらりとアスカは立ち上がった。
ぼろぼろに乱れた髪が、幽鬼のように顔を覆っていた。

―― 足りない。忘れさせてくれる位、躰を熱くさせてくれるには。

「足りないのよ……」

逃げ込んだ通路は、まるで誘われたようにあの部屋へと通じるものだった。
よろよろと歩いていく。
歩いていく内に聞こえてきたものは、尾を引くような友の―― ヒカリの声だった。

アッ、アアッ! アーッ!!

厚い扉を隔てて、尚、彼女の上げる女の悲鳴が響いてくる。

「ヒカ……リ……」

あひっ、おぅひ……! ヒ、ヒィィ〜〜〜ン! 許してっ、許して下さい、おじいさまぁっ!

隔離された密室でとは言え、辺りはばからぬ叫び。
しきりに許しを請うてはいたが、紛れも無い歓びの声だった。

「なに嘘ついてんのよ、ヒカリ。そんなに嬉しがってて……」

あっ、あっ、だめですっ、わたし……あ! お尻はっ、あっ、いや……太い……ン〜〜!

ほら、すぐにヨがっちゃって。お尻をいたずらされているのね?
知ってるもの。ヒカリもあたしと一緒で、家を出る前に綺麗に掃除してるものね。
いつもは使わない自分の部屋に篭っちゃって……いつでも使って頂けるようにって、トイレで準備してるのよね。

そうよと、それすらも今のアスカには当たり前のこと。

―― だって、牝奴隷の義務なんだから。

はぁーあ! はぁあああ! ハッ、あ! そんなに奥まで……く、狂っちゃう……。

とっても気持ち良さそうな声……。ご主人様の指でほぐして頂いてるのかしら?
ヒカリの可愛いアヌスに、ご主人様の上手な指で入れて頂いて……中でくすぐって貰ってるの?
それともバイブで? アナルビーズで?
……鞭かもしれないわね。
お仕置きをして下さって、あたし達のような汚らわしいマゾの躰に教えを刻んで下さるの、大好きでしょう?
あたしは肌に跡が残るからって、あんまりシてもらえないのに。ヒカリは気絶するまで苛めて頂いてるから。
そうして教えて下さるのよね。ご主人様のが絶対だって。仰ることが何より大事なんだって……。

「ふふ……うふふ、そうよ……厳しく可愛がって下さるのよ。ペットのあたし達を……」

ご主人様はとってもお上手。あたし達に厳しくしながら、柄の方でご褒美も下さるのよ。
なんだ、いやらしい娘だ。ワシに叩かれてそんなに濡らしておったのか! って。……そうなの。あたし、もう途中からわけが分からなくなって、躰がとにかく熱くって、股からベトベトに濡らしてしまっているの。

はいっ! はいいっ! ヒカリは……あ、ヒカリはいやらしい変態なんです! おじいさまにお尻をして頂いて……オマ×コもビショビショにしてたんですっ!

お漏らししたみたいにね? ―― だから、栓が要るだろうって、

あうっ、んぐぅぅ〜〜! そうですっ! 入れて……入れて下さいっ、わたしの……ヒカリのオマ×コに……!

淫らで淫らでどうしようもないメスイヌだから、堪らないのよね。
シッポのようにあそこから生やした鞭を振って、天井から吊るして頂いている腰をもっともっとって高くするの。
あたしの浅ましいヴァギナがどんなに悦んでいるのか、ぬるぬるのラブジュースで洪水になって、クリトリスもカチカチに尖っているのを見て頂いて、もっと可愛がって欲しいから……!



◆ ◆ ◆

「そうよっ!」

アスカはよろめく体をぶつけるように、扉を開いた。
あたしは……! と、ムッと立ち込めたオスとメスの匂いの中にその身を滑り込ませる。

中では予想したようにヒカリが吊るされていた。
アスカに迫るほどに実った胸肉の果実を前に搾り出すよう上下で縄打たれ、老人が彼女の股間を弄り易くするためにだろう―― 足首を吊ってVの字に高く開脚しているお陰で、腹から胸はほぼ水平だ。
腕が肩ごと背中に回されているせいもあって、天井向きに弾んでいるバストの大きさが際立つ。
その白い乳房の表面には、やはり予想した鞭の跡が赤く走っていた。

「あくっ、くっ、はぁう! ヒーッ!!」

その弾む天辺、小指の先ほどに膨らんだ乳首が、老人の取り付ける木製の洗濯バサミで潰されている。

「いあっ、あっ、おじいさま……あ、オッパイが……あ、ああ……」
「疼くのだろう? ジリジリと炙られておるようだろうが、それが直に気持ち良さに変わるのだ」

ぶるぶると悶える二つの山形の肉の向こうに、淫悦にすすり泣くヒカリの顔があった。
可愛い顔も、汗と涙と涎ですっかりグチャグチャだ。

「ああっ、痛いッ! お、おじいさまっ、わたし……乳首っ、うーっ! 許して下さい。ひぃぃーん!」

身を仰け反らせる度に乳房が揺れ、先端に振動を伝えている。
そのことで洗濯バサミもまた揺さぶられ、ヒカリの敏感な乳首に一層過酷な責めを与えるのだ。
その苦痛の中、感覚はますます鋭く磨かれて、入り口に立つアスカに向けて全開となった陰唇―― そしてアスヌに突き刺さった、二本のバイブレーターの刺激を増幅させることになる。

「そらっ、踊りたまえ! それが君が苦痛を快美へと昇華させる、唯一の道だ」

ビシッ、ビシッと老人の握った鞭が立て続けに振るわれて、宙吊りの緊縛裸身が跳ね狂った。

「あぅっ、ふわぁぁああ! あぁあああー!」

少女のおとがいが悶絶に突き出され、お下げの髪が暴れ回る。
ギシギシと縄を軋ませて、躰をもがかせる程に掻き混ぜられる蜜壷と秘門から、濁った液が飛び散った。

(あ、ああ……何て、いやらしいの? ヒカリ……)

アスカの喉がカラカラに渇いていく。
見ているだけで、その倒錯的な光景はアブノーマルな興奮を覚えさせた。
泣き叫ぶヒカリも次第に、深々と貫かれた股間からの振動がもたらす重厚な快楽二重奏に陶酔の貌へと変貌し、縛り上げられての被虐快感へ溺れゆく様を見せている。
ふるふると睫毛の震える瞼を閉じ、腰をうっとりとくねらせ出す。

(凄い……。あんなに激しく責められたら、あたし……きっと正気じゃいられなくなるわ……)

ヒカリの受け止めているだろう悦虐感を思って手を伸ばしたアスカは、自分がどうしようもなく発情してしまっているのを知った。
半ばずり落ちて金色のアンダーヘアを覗かせているショーツには、ぐっしょりと愛液が沁み込んでいる感触。
靴下まで濡らしてしまっている位だ。
恥部から突き出たバイブの底に面積の少ない布生地はピンとテントを張ったように引き伸ばされていて、二度と使い物にはならないだろう。

「あ、ひああ……!」

濡れそぼった淫肉も、そっと手を触れただけで背筋に電撃を伝わせる程。
子宮にまで燃え盛り、ひとりでに卑猥な収縮を見せて、牡の蹂躙をひたすら望んでいる。
膣の、動いてくれないバイブがもどかしい。
友人が目の前でされているのと同じに征服して貰って、唇の形をした淫欲の泉を思う存分にペニスで貫いて欲しい。
そうして迸る射精を膣奥に浴びせて欲しいと、切に願う。

「あ……だ、め……」

腰砕けに倒れこむ。
床から顔だけを起こしてヒカリと老人を見詰めた。

「こ、こんなの……初めて……。ほんと……、乳首ももう気持ち良い……イイ! イイんですっ! あっ、感じちゃう! 感じちゃいますっ、おじいさまぁぁあああ……!!」

親友の嬌態を眺めるアスカの瞳にも、その淫蕩な焔が燃え広がりだす。

「あ、ああ……アタシにも……」

ガクガクと力の入らない腕で不潔にぬかるんだ床を這い、老人の下へと。

「あたしにも、シて……くださいっ。ご主人様……!」
「ほう?」

とっくに気付いていた筈なのに、今気付いたばかりのように老人は振り返った。

「今日は、君は良いと言っておいた筈だったが」
「お、お願いします……あたしも、ヒカリのように……」
「ふふふ。君の苦役の一日に、折角、身を休めることの出きる時間を作ってやったのだ。どうせなら、愛しい彼の元で過ごしていてはどうかね?」

そんなとアスカはすすり泣いた。
とても戻る気にはなれない。
傷付けたばかりの居たたまれなさもあったが、なによりもう、欲情の火が付いてしまった肉体が疼いて疼いて仕方が無かった。

「お願いです……お願いです……」

老人の足に取りすがって、その足の甲に口付ける。

「んっ、ふんっ……っ、お願いしますから……あ、あたしにも……ご奉仕させてください……」

ふふんと、老人はアスカを見下ろした。
まだ花開き始めたばかりの年頃ながら、這いつくばっているセーラーの襟元に覗く項には、えも言えぬ色香が漂っている。
ヨーロッパの血の混じった美貌も、スキップを繰り返した明晰な頭脳も申し分の無い―― そして、どんな由緒正しい名家の華でも届かぬ、世間での評判。世界にただ一人の、セカンドチルドレンのブランド。
気高さも王族の姫にも等しい。本来ならば、その身を穢されるくらいならと死をも選ぶだろうプライドの高い少女なのだ。
その、惣流・アスカ・ラングレーが、

「犯して欲しいかね?」
「はいっ、はい……!」

秀麗に整った顔で老人の足に頬擦りさせて、潤んだ目が見上げる。
股間に反り返ったペニスに熱い視線を注いでいる。

「くくく……ワシよりも彼の方が良いのではないかね? 無理をすることはない。ワシは慈悲深い主人であろうと思っているからね。君の自由恋愛を邪魔することはないよ」

そら、今から彼のベッドに行くが良い―― と。

「後生です……。あ、ああ……どうかそれ以上はお許しに……。あ、あたしは……ご主人様の……ど、奴隷なんです……。あたしのご主人様は、冬月さまなんです……」
「彼のものより、ワシの逸物の方が良いかね?」
「……はい」
「良いのかね……? 折角自由を許そうというのに、あまり我侭なことを言うようでは、ご褒美は取り消しにしてしまわねばならんよ」

ずるずると身を這い上がらせ、どうにか老人のペニスに逃げ込もうとしている。そのアスカの顔をゆっくりと伸ばした手で押さえて、老人は選択を迫った。
二度とシンジとの夜を求めることは許さないぞ、と。

「ワシの専用のカラダになるのだ。それで後悔は無いのかな?」
「ああっ……」

愛しいシンジに全てを捧げる。それは夢だった……。

(二度と、叶わない……ユメ……)

今の自分はシンジに差し出せるような綺麗なところは何処にも残っていない。
とうに、求めることは出来ない夢に終わっていたのだ。

(そうよ。あたしは躰を売り渡したのよ。もう、このカラダはあたしのものじゃない……とっくにご主人様のものになってしまっているの)

何が変わるというのだろう? 何を失うというのだろう?

(何も……変わらない……)

全ては今更だ。これ以上、何も喪うものはない。

そして一言頷けば、アスカは開放されるのだ。
燃え盛る女の芯には、太く逞しい牡が注ぐ、この熱病の特効薬が。それは体の内側からアスカの全身に沁み広がって―― 悲しみに凍る、心の痛みを忘れさせてくれる。
悩みを忘れた、体の幸せだけで満たされたアスカにさせてくれるのだ。
それを転落と、牝奴隷だと呼ぶのなら、

(良いじゃない。それで……)

「あたしは……冬月さまの奴隷です。冬月さまに使って頂けるだけで幸せの、いやらしい……みだらな牝イヌなんです!」

プライドも何もかもをかなぐり捨て、涙を流して哀願する哀奴の眼差し。
よろしいと、唇を寄せるのを止めていた手は外された。

「あはあっ!」

嬉しいっ―― と、無残な歓喜を花開かせたアスカが、飛びつく勢いで老人の股間にむしゃぶり付いていく。
それはまさに、お預けされていた餌に尾振り飛び付く、イヌの仕草そのままだった。


イラスト:目黒腹蔵さん「The Salvation of my Master」


「よし……良いぞ……」

己の醜い陰茎を、これ以上は無いという厳かな手付きで包み、高貴な薔薇色の唇と舌で奉仕する高校生美少女。
その熱心な口舌テクニックを堪能しながら、老人は満足そうに目を細めていた。

「よくぞここまで淫らな女になったものだ。まだ16歳にもならんのになぁ……」

それを一から為したのが自分であると、深く満足する。

(どうだね、キョウコ君……)

少女とよく似た顔立ちを持っていた、古い知人に語り掛ける。

(君も美しい女だったな。その君の産んだ子だ。さぞかし麗しい姫君に育つだろうと思っていたが、それがこのワシの慰み者となって過ごそうとは、想像したこともなかったろう)

自分のような年寄りの腹の下で、その輝かんばかりの肢体を悶えさせている姿を、見せてやりたいとも思う。

「んむっ、んっ、んちゅっ……ご主人さまぁ……」

トロンと爛れきった表情をして赤黒い亀頭に舌を這わせ、ペロペロ、ペロペロと先走りの汁を啜っている。

「そうだ、アスカ君。身も心もワシに捧げるがいい。ふふふ……ヒカリ君が不満そうにしているな。今日はたっぷりと時間があることだし……」

その言葉に、どれだけ濃厚なセックスに悦がり泣かせてくれるのだろうと瞳を輝かせるアスカ。

「そうだ。下に言って、今夜はケイジから人を除けさせておこう。君の弐号機の前で、友達共々可愛がってやろうじゃないか」

―― そうしてキョウコ君に娘の晴れ姿を見せ付けてやるのだ!

もはや、遠い昔にその潔癖で慕われ、まっすぐに過ぎると揶揄さえもされた跡形も残ってはいない。
歪んだ欲望の追求をのみ映す濁った両目に、美しい獲物を映して。老人は乱暴に押し倒したアスカへと挑みかかっていったのだった。



◆ ◆ ◆

「はぅんっ、うふぅ、くぅぅ〜ん! いっ、素敵っ……! あ、ああ……ご主人様……!」
「アスカ、凄いわ。お尻にこんなに深く入れてもらって……気持ち良くなれるなんて……」
「そ、そうよ……あ、アタシっ、お尻でも……イッちゃうの! お尻も大好きな……ああ、ヘンタイなのっ!」

制服のまま四つん這いのスタイルでアナル陵辱にわななくアスカ。
半分以上がはだけられた制服の前から、ミルク色の乳房がこぼれだして揺れている。
その鴇色の乳暈に取り付けられたローターにはやっとスイッチが入れて貰っていて、グミの実ほどに膨らんだ乳首に細かい振動を与えていた。

「んああァン! あ……はァ……! あああァんっ、ンッ、お尻……イイぃいン!!」

入り混じった快感の乱打に切れ切れの囀りを上げるアスカは、気品のある美貌を朱に染めて、だらしない口元から糸引くよだれを垂らす乱れよう。
背後には全裸の老人が取り付き、スカートを捲り上げ、むき出しにさせた弾むようなヒップの柔肉へ腰を打ち付けている。
ヒカリはそのアスカの下に縄目の跡も痛々しい素裸を寝そべらせて、親友のもう一方の快楽器官に張型を使っていた。

「アスカったら、オマ×コより良いみたい」
「ひ、ヒカリも……好きでしょう?」
「わたしは……まだそんなに、して貰ってないから……」

アスカと老人の激しい結合部を下から見上げる形のヒカリは、恥ずかしそうに口篭りつつも羨ましさをはっきりと滲ませていた。
目の前で、第二の性器に作り変えられたアヌスをぐんぐんと犯す豪棒。

「んぉうっ、ンッ、ンゥンムム……! あうんっ! あぁうんンン……!」

あられもなく美声を漏らし、腰を振るアスカの様子はいかにも蕩けそうなもの。
自分の菊花を貫く模造のそれとは、どれほど段違いの快楽に溺れる事が出来るのか……。
先輩奴隷にうっとりと潤んだ瞳を向けるヒカリに、老人が鷹揚な声を与えた。

「なに、気に病むことは無い」

若く鍛えられたアスカの肉体ですら喘ぎ喘ぎの汗みずくなのに、疲れの片鱗も見せず、猛烈なピストンを見舞い続けて言う。

「今晩の内にヒカリ君にもたっぷりと後ろの良さを教えてあげよう。すぐに前と同じ以上に夢中にさせてやろうとも」
「んぐっ、むふぅん……ン、よっ、良かったわね。ヒカリ」

夜を徹しての肛辱を予告する言葉に、それを祝福する喘ぎが続く。
一歩先に被虐性愛の虜となったアスカは、老人とのアナルセックスに酔い痴れるまま、心から喜んでいる様子だ。
眉間に切なく皺寄せて、『それは、とてもとても素晴らしいことなのよ』と、艶かしい笑み。
おぞましい宣告を受けつつも、異様としか見えぬ嬉しさを浮かべてしまう奴隷少女は、照れ隠しのように友への愛撫を強くさせた。

ちゅぐっ、ずっ、ずちゅ……ズブッ、ズッ、ズヌルン……ジュブ、ズッ!

老人と前後の抜き差しのリズムを互い違いに揃えて、歓喜の悲鳴をひっきりなしにさせる。
さらに、自分がされれば喜ぶだろうなと思うそのままを実行する彼女は、ぷくんと膨らんだアスカの牝尖に、そっと愛液で濡らした指先を添えた。

「ひゃうん……! そっ、それ……感じ過ぎっ、……んン!!」

くりゅくりゅとアスカの一番敏感な性感突起を可愛がる。
弓反りの背中を良いようにビクビクと反応させるのを、面白がるようにさえしてしまって。

「きゃ、きゃっ……んっ、ヒカリぃぃ〜〜……」

鼻から抜けるような歓声。
荒く悶える息の下で、お返しよと。

「やっ、アスカ……!? そんなに強くしないで……私のお尻、壊れちゃう……ん〜〜〜!!」
「うふふ。ご主人様はもっと太いのよ? ちゃんと満足して頂けるように、あたしが開発してあげるわ」

ヒカリの秘毛の肉割れに入ってブブ……と唸っているそれに比べれば、細身の、アヌス用のバイブ。ぺたんと親友のお腹に伏せてしまったアスカは、ヒカリのクリトリスにも口付けの愛撫を注ぎながら、容赦なく裏門を突きほぐした。

「ひぁう、ぅぁ……いぃうぅ……アスカぁぁ……!」

アヌスの感覚にまだ慣れていないヒカリは、全身の筋肉を緊張させてむせび泣く。
しなやかな内腿に腱がはっきりと浮かび、アスカの手のままにビクビクと痙攣を繰り返していた。

「むぅっ! 出すぞ、アスカ君……!」
「ああっ、あっ、熱ぅい……」

やがて、世界に冠する美少女アイドルのヒップを楽しんだ老人は、思い切り深く突き入れたところで精をしぶかせた。

「アスカ……出して貰ってるのね?」
「そ、そうよ……。ご主人様の熱い精液が……あたしのお尻の中に……あ、ああん……火傷しちゃうぅ……!」
「凄いわ……見せてアスカ……。あん、何ていやらしいの……。アスカのお尻から、おじいさまの精液が零れてるなんて……」

そうして、ドロリと白い粘液が垂れ落ちる小さな菊のすぼまりに吸い付いていくヒカリ。
不潔だなどと感じているそぶりも見せない。
すっかりと、部屋中に立ち込めた濃密な性臭に酔っているのだ。

「んっ……」

レロと窄めた舌で吸い啜るように、

「ひゃぅん、ヒカリっ、ああっヒカリ……!」

あのヒカリがあたしのお尻をと思えば、快感もひとしお。
親友が舌先で犯す微妙な快感は、一気にアスカの官能を弾けさせた。
イクイクと絶叫して、崩れ落ちる。

「おじいさま……。今度は私に……おちんちんを入れて下さい……」

気をやったアスカの下から這い出したヒカリは、股間に二本突き刺したそのままで、ソファに寝そべり休む老人へとフェラチオを捧げた。
宙吊りの両穴責めの時から生の肉棒を味わせて貰っていなかったためか、噎せるような臭いにもはっきりと陶酔の色を濃くしている。

「んふっ、むっ……んむぅんンン……」

情熱的に舌を遣い、竿から亀頭までをこびりついた淫液と自分の唾液を塗り替えるように。ほっそりとした手指で陰のうにもやわやわとマッサージ奉仕を加える。
中学時代からクラス委員長の務めを果たす清楚な雰囲気は見る影も無く掻き消え、その粘ついた舌遣いの横顔は、娼婦さながらの淫蕩に堕ちていた。

隆々と回復させた褒美だと交合を許され、跨った騎上位で腰を躍らせていると、今度はアスカが物欲しさに甘え啼いて絶対者に縋り付く。
そのアスカはハサミ責めの疼きが消えないヒカリの乳首への刺激を命じられ、吸い付いて――

果てしなく愛戯を交わす二匹の牝奴隷たちに、老人は無尽蔵とも思える精力を注ぎ込んで行った。

「良いの……とっても気持ち良いの……アスカぁ……」
「ヒカリも……凄い格好よ。オッパイも顔も、ご主人様の精液でドロドロで……いやらしいわ。ゾクゾクしちゃう」
「んっ、アスカだってそうじゃない」
「そうよ……。あたし達、ご主人様のセックス……ペットだもの。……んっ、それっ、あふぅぅん! もっと激しくして良いからっ。アタシのお腹っ、グチャグチャに掻き回してぇえええ……!!」
「私もっ! アスカ、私もっ……!! あっ、あひひぃぃん……ンンン! おじいさまのお汁が、私の……お尻で、ぇ……ぃぇえええ……!!」

どす黒いペニスを受け入れ、汚精を浴びてはわななき倒れ、また起き上がってしゃぶり付く。
性欲に支配されるニンフォマニアと化した少女達が、ケイジへの通路を犬の姿勢で引き立てられていた時、二人とも前からも後ろからも大量の白濁液を滴らせていた。
それさえも、アスカとヒカリがその晩に注ぎ込まれる欲望の、ほんの始まりに過ぎなかったのだった。



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