熟母ミサト、十四年目の帰宅

Original text:引き気味


『 Melancholic Mother's Mistake 』


 鏡に映る容姿はまだ30代と言っても通るだろう。
 過酷なストレスと共に生きてきた時間の長さは、そのまま自分という女が周囲の目にどう映っているかを考えるのを放棄していた長さでもあったが。しかし幸いにしてだ。
 葛城ミサト42歳、そう捨てたものではない。
 自己チェックを可能なだけ客観的にしても、そう判断出来ている。

「……村の寄り合いに顔を出す時なんて、オヤジどもがスケベな目で見てきてるんだし」
 そうよね、大丈夫よね。自分に言い聞かせ、取っておきのニアサー前の――十四年モノだ――下着を身に着けた姿で、軽く科を作ってみたりもするのだ。
 第3新東京市健在なりし頃の日々からすれば、たしかに肌のツヤにハリといったものに過剰な期待は持てないかもしれないが。この黒い下着となら、肌の白さもまだまだ自慢したって許される範囲に踏みとどまっている。
 鍛えている分、ブラジャー無しでだって胸が垂れたりとか『……無様ね』と言われそうなことになってはいない。
 よく見れば目尻に小皺が目立っていたり、なんてこともない。
 ネルフ本部の美人作戦部長で鳴らした日々は昔日の栄光に非ズだ。軽くメイクするだけで今でも十分な戦力だと判定して良いだろう。
 なんたって元は第二東大キャンパスの華とも呼ばれた身。こちとら葛城博士のところのお嬢様、本物の深窓のご令嬢だったのよと。

「ヨシッ。――って、ううっ……」
 ここ暫く、お風呂に行けばせっせと肌を磨き、無駄毛の処理にも気を遣い、夜ごと一人になれば鏡の前に立って『イケてる筈』と自分に言い聞かせ続けたそれに、ようやく自信が持てそうになってきた。その代わり。
 その分の余裕が出来た頭を、抱え込んでしまいたくなってしまうのは、
「……なんでこんなことに」
 という、その今更ながらのこの事態が故であった。

「どう? 準備良い?」
「そんな……、急かすようなことしなくたって」
 スッと襖を開けて、隣の部屋から差し込んできた明かりと共に二人の少年たちが顔を覗かせる。
「……やっぱり、ちょっと普通じゃ無いんだし」
「良いんだって。こういうのは男の方から踏ん切り付けさせてあげなきゃ」
 『でしょ、母さん?』と声を掛けてミサトが曖昧に頷いたのを、宥めるようにしていた傍らの少年に得意げにしてみせる。
 それはミサトの愛息子、戦いの中で愛し合った男との間にもうけた一粒種の、加持リョウジだった。
 そしてミサトに申し訳無さそうにしてみせつつも、やはりその熟れた素肌を露わにした格好に欲望の隠せない視線を注いでいる今一人。こちらもミサトにとって弟とも息子とも思っていた少年、碇シンジだった。
「すっげ。そんなエロい下着、ここらじゃ見たこと無いって」
 実の母親の扇情的なランジェリー姿に目を輝かせ、すでに全裸でいる息子は股間を急角度にそそり立たせている。
(ああ……。なんてことなの……?)
 まだ14歳の少年だ。若茎と言うべきそこは日焼けしていない生白さが目立つ細い器官ではあったが、まともに目にしてしまえばミサトの動揺を誘うには十分だった。
「な、そう思うだろ?」
「う、うん……」
「ははっ。落ち着けよ、シンジ。そんなおっきい音立てて生唾飲み込んでたりとかさ、ドーテイかよって」
 はしゃいだ声の息子は、やや華奢な体格に留まる少年のこちらも剥き出しの胸に手を当て――本当に確かめることが出来てのことかはともかく――その動悸の激しさを更に指摘し、からかっている。
「やめてよ、リョウジ君。もうっ……」
 シンジが頬を染めるのは、ミサトに対する欲情と興奮を言い当てられての気恥ずかしさばかりでなのだろうか。
 こちらの少年の若茎もすっかり切っ先を持ち上げ、臨戦態勢でいる。
 二人の少年達が素肌を寄せ合って醸し出している親密さは度を越えていた。
 そしてこれが、これこそが、理由だった。

「し、シンジ君。それに、りょ、リョウジも――」
 制止が思わず口をついて出てしまった事に、我ながら恥ずかしいぐらいうろたえながら。
「わ、私の準備はもう良いから。だからそろそろ、その、本当に……良いのね? わ、わたしで」
「勿論だよ、母さん」
「わたしとあなたは……。分かっているの? ずっと会ってなかったから、そんな実感なんて無いのかもしれないけれど。でも本当に、血の繋がった……」
 親子であると。母と息子で、禁じられた関係を持とうとしているのだと。そのことを口にするのは決心を済ませた後のつもりであっても、依然として重く冷たく、ミサトの胸を息苦しくさせる。
 けれど瞳を迷いに揺らす彼女に真正面から向かい合い、わずかに見上げてくる少年の目に躊躇の色合いは見当たらない。
「今日を楽しみにしてたんだ」
 愛した男の面影を宿す少年が、そうやって硬くなったペニスを軽くしごくようにしてみせれば、
「……ッ」
 喉の乾きのような、それ。
 禁忌であるほどに増して蠱惑的ですらある後ろ暗い誘惑は、ミサトにとっても他人事でないのだった。
(……二人とも、あんなに、あんなにおちんちんを硬くさせて)
 ただ怖れるばかりではない。この淫靡な空気に、自らもよろめいてしまいそうになる感覚。
 未知への扉に手を伸ばしたいという内なる囁きは、確かに彼女の中にも存在しているのだ。
(そんなに私を……こんなおばさんになっちゃった私を、自分のものにしたいの……?)
 これがこの夜の何度目になるのか。ああという嘆きと共に、声には出来ない想いでもって胸中に浮かんだ面影に赦しを請わねばならなかった。
(御免ね……加持君……)
 そしてミサトは実の我が子、弟同然の少年たちの誇示する欲望の有様から、ぎくしゃくと努めて視線を引き剥がし。背後に二人分を隙間なく並べて敷かれた布団へと、今夜の褥へと誘ったのだった。


◆ ◆ ◆


 三人の禁忌の愛を確かめ合う舞台となった敷布団の中央にミサトは横たわり、その左右へ少年たちが寝そべった。
「そ、それじゃ」
 両方から顔を近付け迫った少年たちに対して、ミサトが目を忙しなく行き来させた末にまず唇を差し出したのは、シンジにだった。
「……ま、弾みでも付けなきゃ、ブルっちゃうもんな」
 男と女としての最初の口付けに選ばれなかったリョウジは余裕めかして言ってみせたが、その代わりに自分の順番になった時には大人顔負けの情熱的なキステクニックで攻め立ててみせた。
「……ン、ンンッ、ンッ……っッ」
 長い睫毛を震わせ、少女のように真っ赤になった母親から密着させていた顔を離した時には、ミサトはもう早くも年上の余裕を取り繕ってみせることが覚束無くなっていた。
「――ぁ、そんな」
 二人掛かりでなんて。そう言いかけたのだろう。
 知らずしらずきつく胸を庇っていた腕をゆっくりと、しかし断固として左右から退けさせられ、両方の胸に同時に手が回されてきた時。年若い少年たちの手のひらにしっかりと先端の硬くなった感触を返した乳房を、一人を相手にするのとは違う二つの意思での入り乱れた動きに揉みしだかれていく、その愛撫は、経験豊富な熟女である筈のミサトをも怯ませてしまうものだった。
「あっ、あっ、ああっ。やんっ、そんな――激しくしたり、優しくしたり、一緒になんて……っ」
 こんなのは知らないという、そういう予感である。
 どうにか大人として、少年の暴走してしまっている性をいなしてみせるのだ、制御する端緒を掴むのだと巳を鼓舞していたところもあった。その意気込みが脅かされた。はっきりした予感としてだ。
「ま、待って……。二人とも、二人とも……っ。ああっ、ああっ」
 彼我の戦力を大きく見誤っていたことをおぼろげにも悟り、もしやただただ蹂躙されてしまうのではという不安が膨らみ上がる。
 しかし今更、言わずもがなのことだった。
 今夜のミサトは、二人の若い牡に進んで自分を差し出したのだから。
「可愛い喘ぎ方するんだな、母さんって。分かる分かる。シンジ、そういうゾクゾクする乳首の扱い方、上手いもんな。そういやピアノが弾けるんだって? 村にはちゃんとしたやつないからなぁ」
「ぁァあ、あんっ、やだっ、ちょっと……。ねぇ、ねぇ……。ぁ、ぁアあアッ!?」
「こう……? こんな感じかな、ミサトさん?」
 熱っぽい眼差しで、姉代わりの時期もあった女性の反応を確かめながら。落ち着いた柄のレース生地を持ち上げる敏感な突端を、クニクニと転がし回しているシンジ。
 母親をより切羽詰まらせているのはどちらの方か。実の息子である少年の方も相棒の手付きを真似してみようとしてみるのだが、豊満な女体が逃げ惑うように身悶えしているのを対象にした実地訓練では、力加減が掴みきれずにいる様子ではあった。
 黒いブラジャーカップからはちきれんばかりのバストが暴れているのを握りしめるのには、どうしても過剰に力が入りがちで。上下前後に位置を振り回すそこから選んで乳首を摘もうとする指にこもる力具合も、また同様。
「あぐっ、ッうっ……ンンンッ」
 ビクンと一際目立って大きくのたうち、唇を引き絞ってみせる。その母親の反応が苦痛との境目にあるからこその快感からくるものだと、流石に判断出来る経験までは持っていない。
「ああもう、それじゃ――」
 少年はさっと判断を切り替えると母親のブラカップをずらし下げた。
 濃いラズベリー色をした艶めかしい乳首と乳輪が暴かれたそこへ、音を立てて吸い付いていったのである。
 かつて赤子の頃にそう出来なかった代償なのか、そうしてやれなかった負い目が蘇ったからなのか。思ったよりも随分とミサトの反応は目覚ましいものだった。
「アッ、あああっ、リョウジ……っッ。あーっ!」
 そちらの腕で反射的に我が子の頭を掻き抱き、自らも乳房を与えるようにしていく。
 程なくシンジもそこに続き、42歳の熟女は全身をねっとりと汗に濡らしていきながら、胸に抱きしめた二人の愛子の乳首責めに、声を押し殺すことも忘れて咽び泣いたのだった。

 少年たちが一通りの満足をするまでにすっかりへとへとになってしまったミサトから、これはシンジに順番を譲られたリョウジが母親の足の間に陣取り、取り繕うべくもない染みがクロッチに出来上がったショーツをするすると脱がせていく。
 ブラジャーの方は先に二人掛かりで脱がされてしまっていた。
「…………」
 ハァハァと息を切らせるミサトは、それでもう全裸だ。
 反射的に股間の翳りを隠そうとした腕は、シンジに押さえられた。
 濃いめのアンダーヘアーがこんもりと小高い秘丘を覆ったミサトのデルタゾーンには、色素の沈着した複雑な形の襞花弁が覗く。その二枚の小陰唇のはみ出しで縁取られた熟母の肉裂が露わとなって、口からとろりと淫蜜を垂れ零したはしたない姿を曝け出す。
 少年たちの愛撫でたっぷり感じていた証を、余さずに。
「……ぁぁぁ。は、恥ずかしい――」
 14歳の息子を持つ母親は、小娘と変らない余裕の無さで羞じらった。
 若い牡達の二対の視線は食い入るようにして、瞬きさえしない。
「じっくり眺めたり、触ってみたいって気持ちもあるんだけど」
 日に焼けた背中が年齢のわりの逞しさを見せている少年が自分のペニスを支え、角度を保たせたまま膝で熟母へにじり寄っていった。
「もう、良いよな。母さん……?」
「…………」
 あえて返事はしないが、先ほど無言のまま足先を持ち上げ、最後の砦であった下着を息子が剥ぎ取っていくのに協力してやっていた態度こそが、既に示されていた答え、覚悟である。
 こと此処に及べば、さすがに居た堪れない思いのミサトだった。
 そっと横へ背けたその陰りを帯びた美貌を、シンジが頬に優しく手を添えて、真正面に向き直らせる。
「ぁ……」
 微かにこぼれたのが、いよいよのところで寛恕を願った悲鳴だったのだろう。
 縋るようにしてきたそんな眼差しは、シンジも知らない。
「勿体無いよ、ミサトさん」
 けれどシンジは許さない。これもまた、ミサトの知らない貌だった。
 薄っすらと笑みを浮かべた弟が、折角なんだものと言うのである。
「リョウジ君が、ミサトさんと加持さんの息子が……ミサトさんの躰で一人前になるんだ。ちゃんと、見ててあげなきゃ」
「一人前、って……」
 ミサトが出せるのは、掠れた声である。
「シンジも見ててくれよな。母さんと、俺と」
「……うん」
 自分の体の上で、たしかな絆を感じさせて見つめ合い、遂には少年同士顔を近付けてキスをまで交わし始めた息子たちに、『あぁぁ……』と今にも息が止まってしまいそうな悲鳴を上げながら、
「ァッ、……アッ、アアッ――!」
 その夜、ミサトは。伸し掛かってくる実の息子によって十四年ぶりに、男に犯される歓びを思い出させられたのだった。
 ぬるりと自分のそこに押し入ってくる感触が、それだけで爆発的に全身に伝播していくビリビリとした甘い痺れであって。
(あああっ、やだっ、嘘よ。そんな……こんな……こんなのって――!!)
 冷たく締め上げられたかの痛みに満ちる心とは裏腹に、熱く濡れそぼっていく一方の女としての欲深い鍵穴を。誂えたかのごとくぴったりと嵌り合う肉槍でもって、深々とこじ開けられていったのだった。


◆ ◆ ◆


 事は、三度の禊に晒された世界がトドメともなろう更なるの恐怖からやっと開放されて、暫くばかりの頃。
 長かった戦いの後始末に尚身を粉にして働くミサトが、漸く手に入れた筈の我が子との、そしてもう一人の少年との暮らしを、愚かしくも疎かにし過ぎていたと悟らされた時のことである。
 母親らしいことも姉らしいことも何も出来ていなかったミサトには、その日から何度何故と求めたのかも分からない問いを満たす答えは、一つとして思い浮かばないままでいる。
 十四年を経て、この上また重ねる必要など何処にも無かった筈のミサトの過ち。その埋め合わせであるかの如く、少年たちは互い同士で絆を結び合わせてしまっていた。
 下手をすればそこにもう、ミサトの居る必要のない絆である。
 同性の、少年同士でとは言うまい。それは古いモノの見方だろう。
 二人のまだ14歳だという年齢をあげて、早すぎると言う事も出来ない。そんな時勢ではなくなっている。
 始めは叱ろうとしたものの、そういった理屈を並べられればミサトに尚を言い募って無理強いの出来るような言葉は、思い浮かばなかった。
 結局は黙認せざるをえなくなり、しかしそうして一人置き去りにされて行きそうな寂しさで立ち尽くして。
 村へと戻る回数を増やし、機嫌を取るための土産を持ち帰るのに腐心し、それでも足りないのならと媚びるも同然に求めるものを訊ねた時、
『母さんの体が欲しい』
 そう返されたのである。
 真意を問うのは恐ろしかった。
 この日が来てしまうまで遂に、口にすることも出来なかった。

 だからミサトは、その熟れた女体を二人の少年たちに前後で挟まれて揉みくちゃにされて、息苦しさと快楽に苛まれる呻き声を上げ続けているのだった。
「は、ははは……。凄いな、母さん。そんな――ちゅぱちゅぱ息子のチンポなんか吸っちゃってさっ」
「ンン゛ッ、ン゛ン゛ンッ、ン゛ッ……ン゛ーッ」
「ミサトさんっ、ミサトさんっ。これが女の人の中っ、これがミサトさんの中のっ。良いよ、気持ち良いよッ、ミサトさん……!」
「ン゜ゥッ、アッ、あはァ……っッ。シンジ、くん……ッ。シンジ、くぅん。熱いわ、熱いわ……ッ、わたし。ぁ、あああ……!!」
 実の息子に注ぎ込まれた夥しい精液が逆流する淫唇を、背後から弟に犯される。
 そして四つん這いに手を突いた前に膝立ちする息子には、白濁まみれのペニスを母親であるその唇でしゃぶり清めてやって、奉仕せねばならないのだった。
 シンジが精を放った後はまたリョウジが。かつては自分という生命を育んでくれた子宮に通じる42歳の熟女の媚肉の、貪欲にうねる禁忌の味わいを堪能する番だ。
「これで、こうやってっ」
 寝具の上にばったりと崩れ落ちた豊満な肢体を丁度良い姿勢に転がして、再びみっしりとした肉感のヒップを開かせたリョウジが、アヌスの下に口を開け放った濡れ濡れの女性器へと、膨れ上がった亀頭を埋め込んでいく。
「はぅっ!? ン、あぅッ」
「母さんをっ、孕ませて……やればっ。それで、俺たちも立派な大人なんだろッ? 男に、一人前になるんだからさぁ」
 そのまま一巡、二巡と嬲り物にされ、一息つかせて欲しいと掠れ掠れにミサトは頼み込んだが、若い性欲を漲らせた息子たちは聞き入れなかった。
 戦いの中では凛々しい顔をばかり見せていた美貌を真っ赤に上気させ、髪は乱れ、瞼も腫れぼったく。涙の跡をくっきりと頬に残して見る影もない。すっかり弱々しくなってしまった不屈の女闘士の美身が、生贄として彼らの目の前に横たえられているのだ。
「ぁあ、ぁ、ぁ」
 白い肌を薔薇色の欲情サインに染め上げた豊満なバストを苦しげな呼吸で、しかし誘うようにもゆっくりと上下させながら。その両方の頂で、少年たちのきつい甘噛みで唾液まみれにされた乳首がぼってり充血し、ぬめった輝きを放っている。
「もう、もうおねがいよ……」
 何を口で抗おうが、少年たちに淫らに揉みしだかれるほどに鼻に掛かった甘え啼きをこぼし、乱暴なぐらいの責めすらエクスタシーの表情で受け止めていた母性豊かな美乳だ。
 そこに思い切り顔をうずめ甘えてしまいたいという本能と、強く歯を立てて幾らでも赤く跡を刻んでいってやりたいという暴力的な衝動が同時に湧き上がってくる。
 そして、すっかり皺になった寝床でだらりとミサトが投げ出した両の脚線の付け根には、色の濃い熟女のラヴィアがぽっかり紅唇を開け放っているのだ。
 得も言われぬ快楽が既に約束されている蜜路への入り口をヒクヒクと見せつけつつ、そこで更に若い精汁をまだまだ絞り出せと誘惑しているのも同然。そう見えているのである。
 二度母親の胎内へと射精を遂げて尚、力を取り戻していく若い肉杭を握りしめて、リョウジはミサトの火照る全身に真上から伸し掛かっていく。
「ぁ、ぁあっ……。ぁ、はぁっ、はぁっ、はぁぁ――ッア、アアアアアッ。またっ、またわたし、リョウジに。息子に……!」
 想像したこともないほど萎れきって哀れを誘う、そして嗜虐性をくすぐるものでもある姉の泣き顔に、後ろ暗くそそり立てられて。シンジもまた、力を取り戻しつつあるペニスをしごき上げる。
「ああっ、ああ゛っ、リョウジ、リョウジぃ……。わたし、わたしまたっ、あの時みたいになって……いやらしいことばかりで、おかしくなってっ」
 代わる代わるに突き入れられてくる二人のペニスを、こちらも負けずに欲深な淫膣が蕩かすように妙なる肉襞で包んでいって。いつの間にか貪られる以上、奉仕を強いられる以上の快美を、自らも飲み干していたのだった。
「わたし達の息子に……息子なのに、あひっ、ひぃぃッ!? ぃ、ヒッ……ひぁっ!? ぁ、ああああ。女にされて、女にされちゃう――」
 それが、おんなの弱点をまた一つ歳の離れた少年達に探り当てられてのミサトの悲鳴。
 二匹の若いケダモノに、そこまで許すつもりなど無かった程の崖っぷちにまで追い詰められてしまった末の、甘やかな、溶け崩れていくほど甘ったるい絶望の横顔。
 近親相姦禁忌を犯した者が墜ちる、行き止まりのない官能地獄に酔い痴れての、恍惚の叫び声なのだった。





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