INNOCENT TABOO Short Shorts / ピーピング・ガール

Original text:引き気味


「お、おっきぃ……」

嘘でしょ、と。
アスカはドアの隙間にぴったり付けていた顔を仰け反らせた。
頬が真っ赤に染まっている。
全ては碇夫妻の寝室でまさに真っ最中の、人妻の不貞相手がそそり立たせていた持ち物の偉容ゆえだった。

寝室の主であり本来の夫たるゲンドウを差し置いて今、全裸の美夫人に悩ましく媚びを売らせているのは、いかにも不釣り合いな矮躯のシルエット。
いや、矮躯のと呼ぶまでもない、真性の子供だ。夫婦のベッドに今一人確認出来る、他でもない一家の息子のシンジに並べれば、少年と呼ぶにも躊躇いがある。
四つん這いになったユイのヒップを抱え、勢い良くバックより突き入れる姿も、体格の差からまるで全身でしがみ付いているように見えてしまう。
名前はムサシ・リー・ストラスバーグ。
アスカもよく知る悪ガキコンビの片割れで、浅黒い肌を持つ、まだやっと年齢が二桁になって少しの小学生。
きちんとした格好で人前に立ちなさいと言われれば、剥き出しの膝小僧もやんちゃ盛りな半ズボンを親に履かされて、胸に安全ピンで名札をぶら下げる―― そんなハナ垂れ小僧の歳でしかない。
だのに、20歳以上も歳の離れた熟女とベッドを共にして、毛も生えない股の間からそそり立たせた自慢の持ち物は、立派に機能するどころの騒ぎではなかった。

「シてる……。本当に、三人で……してるんだわ……」

きしりと、アスカが身を屈めた足元に身の乗り出しが伴うフローリングのきしみ。そろり、細く開いたドアにまた恥知らずな目を寄せて、日頃口にする惣流・アスカ・ラングレーの矜持を自身で裏切る窃視に、息を飲む。
両親の寝室に、罪も畏れぬ欲情を浮かべ立ち入るボーイフレンドがいた。彼がぎらぎらとした目で見つめる前で、彼の母親を獣の姿勢にさせて味わう不埒者がいた。
ムサシは後背位から二人の性器粘膜がグチュグチュと音を立てて絡み合う部分を猛烈に運動させ、

―― あひっ、ひっ、いいひっ……! 素敵っ、素敵よ、ムサシくん。わたしを……ああ、こんなに感じさせてくれるなんて……!

と、自らの武器が一人前であることを、立派に成人した女性の唇から証明させているのだった。
熟れ盛りの女が汗の伝う喉を晒して喘ぐのに、締りが良いと一人前の態度で不遜にその媚肉を褒めてみせさえする。
母親であるより女としての魅力をムンと漂わせるユイの乱れぶりに、食い入るようにしている息子がいるというのにだ。
イクよ、イクわと、声を揃えて絶頂を遂げる様は、それこそ本物の夫婦さながらに息があっていた。
こんな充実したセックスを行えるほどに馴れ合った躰とはと、人妻にとって紛れもない裏切り行為であろうに、ムサシとの『歴史』を直視してしまった気分が潔癖な少女のアスカを今更に動揺させもする。

(おばさまったら、いったい何時から……こんなことしてたのよ……)

アスカの複雑な心を余所に、心地良さげな上気と共に身を起こすユイは、幼すぎる情夫と満足そうにキスまで交わし合う。
熱々という言葉が相応しい、舌を深く絡めあったキスだ。互いの唾液を舌に乗せて送り込んで、啜り合っている。

―― んふっ、ンっ、んふん……ムサシくん……ン。
―― せん、せっ。んっ、んんっ……すっげ、良かったよ……へへ。
―― 嬉しいわ、ムサシ君。

鼻筋を傾けては密着させ、息継ぎを挟んでは何度も繰り返し貪って、後戯の口付けに夢中の二人。
あむ、ああむと食み合う唇同志の狭間に忙しく出し入れされ、よじれ絡む舌と舌。二つの顎に伝う唾液。そしてムサシの小さな手は絶頂を遂げたばかりのユイの胸をまさぐり、返される熟女の腕は入れ替わって寝そべる少年の股間に伸びる。
オーガズムを迎えて終わりではなく、そこからまた後が大事なのだという教えに忠実に、ムサシもユイも愛撫の手を休めない。

大人と子供だという図式だけ無視できたなら、いかにも良い関係を築けているカップルだと看做せも出来たろう。
けれど、たぷと量感を湛える胸に抱きしめられる少年は、ユイの恋人を気取るにしても、その乳房にすっぽり顔が埋もれてしまうくらい背丈に違いがあるのだ。
なのに、浮かべる誇らしげな顔は牡としての覇気に充ち満ちて―― 不敵ですらあるのだった。
野生児のように陽に焼けていながら良いところのお坊ちゃん然と整った顔立ちで、その上でこう憎たらしい表情ばかりするムサシが彼女は嫌いだった。
一人で向け先を奪われた劣情を抱え、背中を丸めて観客に甘んじるシンジの顔付きとは随分な違いである。

(シンジ……)

複雑な思いに、アスカは眉根を曇らせた。
母親を寝取られて座視しているシンジの姿は、情けないと感じるには充分なものだ。
しかも、それでいて俯き加減に凝視する目はぎらぎらとしていて、明らかな興奮で膨張しきった股間を、自分の手で慰めまでしている。
男らしくない。格好良くない。

(シンジはそれで良いの?)

気になって仕方がない幼馴染が自分以外の女とセックスをしていると知っただけで、アスカは胸が潰れそうな苦しみと怒りを覚えたものだ。
まして、いくら恋愛感情とはもはや別次元の『授業』の名の下にであっても、目の前で恋敵のレイなどと絡み合い、母親とまで愛し合うところを演じられては、未だに慣れることのない嫉妬にアスカの心は荒れ狂う。

ではシンジは、シンジはどうなのだろう?
アスカがどうしても自分の物にしてしまいたい少年は、大切な母親を奪われているにも関わらず、そうやって年下のムサシごときに喘がされる様に、興奮しているようだ。

たしかに分からないでもない。幼い愛人との濡れ場に耽るユイは、普段に増して美しく―― そして妖しいエロティシズムで目を奪う。
アスカもじっとりと手に汗をかいてしまっていた。
ブラウスの下で胸の頂が硬くなっている自覚がある。そしていつの間にかショーツと太腿の間に生まれていた、落ち着きの悪い湿り気。
廊下に膝をついて姿勢を低く息を殺していても、完全には抑えられない微かの身じろぎだけで、湿り気の一番こもった場所が疼きを覚えるのである。

(ぁ……。いやだ、これじゃ下手に動けないじゃない……)

だから、分かってしまえるアスカだった。
理解できてしまうだけに、恋人の情けない姿を悪し様には罵れない。
母親が抱かれているすぐ横で、自分は自慰に誤魔化すしかないシンジを不甲斐ないと思いつつ。ぎゅっと力を込めて拳を握っているのは、そうしなければスカートの下に差し入れてしまいたくなるからなのだった。
自分だって、興奮している。
小さい頃から面倒を見てくれたひとが、ほんの子供相手に主導権をとられたセックスをしている。
その倒錯的な光景を覗き見ているという認識自体がまた、胸に妖しく、どうにもならない昂ぶりをもたらすのだ。
ともすれば、発情をきたした胸を揉みしだき、愛液を滲ませるクレヴァスを思いっきりくじってしまいたくなる。
こっそりと自慰のお気に入りに覚えてしまったクリトリスを、漏らしてしまった蜜でまぶしてゆっくり揉んでやれば、今ならさぞや気持ち良く逝けることだろう。
シンジが自分でしているように。ムサシがユイの精液まみれの秘部をまさぐっているように、ユイがムサシにしてやっているように。

(……どうせ……誰も見てないんだし……)

構わないのじゃないか。
囁く誘惑があった。
したい、してしまいたい。
昼間から、人の家―― それも廊下で、覗きをしながらするというのはいかにも後ろめたいが。いつかのレッスンでムサシたちが見守る前でさせられたのに比べれば、まだしもと言える。
並べた椅子に同様に大股開きの下半身ヌードを披露させられ、ぎこちないオナニーショウを演じたレイという道連れもいたが、あれは本当に恥ずかしかったものだ。
それに比べれば、別に誰に見せなければならないわけでもないし。

「んっ……」

そろそろとアスカは手を動かした。
ずっとぎゅっと握り拳を作っていたためか、やけに強ばった指は震えがひどい。
ひざまずくように揃えた膝を割って大きく姿勢を変えてしまうのは、また床板を鳴らしてしまいそうで怖かったから、まずアスカはその震える手をベストの下へくぐらせた。

「ンあっ」

やはり、すっかり硬くなっていた。
尖りきったアスカのピンク色乳首は、ブラウスの上から触れただけで『ジン……』と胸全体に染み渡る甘やかなさざ波を広げる。
扇情的にすぎる交媾の現場に接して、既に生娘ではないアスカは官能を煽られに煽られていたのだ。やっと手に入れた慰めに、すぐに少女は、放課後のままの制服越しに未熟な膨らみを刺激する一人遊びがやめられなくなった。

(だって、おばさまがいけないのよ。私が見てるって、知ってる癖に……。あんなに、あんなにいやらしい顔をして……)

言い訳めいているのは分かっていた。
けれども、これもレッスンだと言ってアスカを唆したひとは、まるで承知の上で挑発しているとしか思えないのだ。
中学生の息子がいるとは信じられない若々しさを持つユイであるが、きめ細かな肌は今、交情に艶めかしくピンクへと染まり、放つ色香はただごとではない。
次から次に、中学生の女の子や息子に見せて良いのかという、過激なポーズをとって、はばかりもない声を上げて――
そしてアスカは息を飲んだ。

「やっぱりっ……、なんて、なんて大きいのよ……」

夫婦のベッドに我が物顔に胡座をかくムサシが、母親ほどの相手にうやうやしく後始末をさせている。その屹立の規格外サイズに、アスカは度肝を抜かれたのだった。
ちらちらとベッドの奥で待ちぼうけを食わされているシンジの手元にも目をやり、見比べてしまう。

「あ、あれっ、あれって……シンジのと、一緒のもの……よね」

思わず口走ってしまっても、答えを返す者はいない。いない筈だ。
隠れて覗いている手前、誰かがそうだと言ってくれても却って慌てるだけなのだが、直視してしまったムサシの本気、小学生男子の臨戦態勢は、アスカにとっての完全な未知の域にあったのである。

無意識にごくんと生唾を飲んでいたアスカは、不意にきょろきょろと辺りを窺った。
勿論、今日この時の碇家にいるのは、アスカもいれて四人だけ。何も知らずいつも通り、実母の淫靡な言いつけに従うシンジ。ランドセルを背負った学校帰りのままで人妻との甘美な『レッスン』を堪能しに来たムサシと、他ならぬこのピーピング・トム少女を手引きしたユイその人のみ。その手筈になっている。
ユイを信じるアスカは不安など覚えていなかったが―― それでも気にしてしまったのだ。
しかし不埒な窃視犯を見とがめる気配などありはしない。
廊下の清潔に掃除されたフローリング床にぺたんと腰を抜かしてしまって、愛らしい顔を茹で蛸のように赤くさせたアスカを見つけて、何事かと訝しげに訊ねてくる誰かはいやしないのである。

「き、気のせいよ……。そうに決まってるわ」

ほっと胸をなで下ろし、アスカはもう一度ドアの隙間に顔を寄せるのだった。
おっかなびっくり、そしていそいそと。片手はブラウスのボタンを気ぜわしく一つだけ外した内側に忍ばせて、ブラももう邪魔に感じる素肌との間へ強引に指先を入れてしまって。

―― ぴちゅ、ちゅ、ちゅぱっ……。

漏れ聞こえてくるのは濡れた舌音。
その発生源、甲斐甲斐しく息子より幼い間男の股ぐらで上下するユイの美貌をを穢す、てらてらとした亀頭の赤黒さが、まだまだ処女を卒業して間もないアスカの目を丸くさせる。

―― うはぁ、さいっこー。やっぱ最高だぜ、先生のフェラは……!

もっと舌を速く、しごくみたいにしゃぶってくれよとリクエストするムサシの声。それは、いくらこんな破廉恥な授業であっても仮にも教師と生徒の間柄、それにも増して大人相手に子供のとって良い態度だろうか。
図々しい限りにアスカには聞こえて、『んはぁ……、分かったわ。これひぇ……んふっ、いいのね……?』とくぐもった返事で見詰め返している濡れた瞳に、少女は胸が痛くなるような腹立たしささえ覚えた。

「あいつったら……。それに、おばさまも……」

しかし、目は吸い寄せられて放せない。
もう一人の母親も同然に可愛がってもらった恩人を、小学生坊主の分際で随分と舐めたふんぞり返り方で扱っているムサシにも。それを唯々として受け容れてしまっているユイ自身にも。黙って順番待ちに甘んじているシンジにも。アスカの気持ちとしては面白くない限りであるはずなのに。
西洋とのクォーターの血を表す青い瞳は、釘付けになってしまっている。
美貌を無惨にスペルマで汚した恩人の、ぞっとする程の色っぽさもそうだし。歳からはまるで考えられないいやらしい傲慢さを浮かべたムサシの憎々しさもそうだが。まずその、横咥えにしたユイの唇からはみ出してしょうがない、ムサシの毛も生えずに大人になってしまったペニスに、だ。

「なんで……信じらんない……」

情熱的なフェラチオキスを捧げる薔薇色の唇とは見るも対照的に禍々しく、幾筋も血管を浮かび上がらせたいきり立ち具合。
完全に皮がむけた肉槍の穂先は、小学生の股に付いているとは思えない凶悪さでエラが発達している。
べっとりと濡れているのはユイがいくら舐め取っても追い着かない勢いの射精跡だ。
舐め清めようと奉仕する美夫人の口元をドロドロにさせていっている、あの量ときたら。
それだけ放出しておいて、尚ピンと天井を向くムサシの巨根。
たった今、バックスタイルで深く―― あれほどの巨容を打ち込んでいたなら、さぞかし子宮近くにだったろう―― 射精したばかりだろうに、鎮まるということを知らないのだろうか。
直後だというのに、(シンジの倍……ううん、もっと、あるんじゃ……)と、アスカは恐れをなしてしまう位だ。
悪ふざけにスケベ少年たちが見せびらかしてきた時とは、何から何までもが違う。やはり、ユイのような飛びっきりの相手と本気のセックスをするとなると、男は自分の武器に最大の威力を発揮させようとするのに違いない。
なにより大きい。大きすぎた。

「うそだわ……。だってあいつ、シンジより三っつも下で……小学生なのよ……」

上擦った声をこぼし、愕然とする。
知らず呼吸も『はっ、はっ、はっ』と、のぼせかけたものに。
息をひそめると言ってられないような荒いものになっていても、自分ではどうにもならない。
へたりこんでしまった身体を手でも支えようとして、ともすれば気付かれる音を床に立ててしまいそうな。
ドキドキと胸は全力疾走中さながらに高鳴り、その鼓動はまるで鼓膜のすぐそばが乱打されているかの煩わしさだ。直に響いて聞こえさえする。気になって仕方がない。
それ以上に、盗み見た光景に意識は奪われていた。雑音のように思考に混ざろうとする他こそが、全て煩わしかった。
向かいの道路を車がただ通りすぎていく。家の外の、それだけの音にもアスカはびくりと肩を震わせた。
反射的に耳を澄ますが、それでも目は離さない。

(今、なに……? おばさま、何て言ったの?)

もうっ、と神経質に眉根が顰められる。
ドアの隙間に、耳も近付ける。
いよいよ姿勢は齧り付きで、言い訳も出来ない覗き魔の有様。

(こんな時に、うるさい音をさせないでよ)

何かがあれば気付かれるやもと恐れていた警戒心、意識の集中が、もはや真逆に意味を変えていた。
あの異常なサイズの『おちんちん』が、再びユイという熟達のセックス巧者相手に威力を見せつけてくれる、その瞬間を見逃してしまいかねない邪魔者の全てこそが、今や煩わしいのだった。
周囲の雑音を耳から遠ざけ、室内で交わされる男と女の会話、裸同士の物音にこそ、アスカの意識は注がれていた。

「あっ、はっ、はっ、ああっ……」

もじもじと太腿は擦り合わされて、すっかり下着をびしょびしょにしてしまった秘所にもどかしい刺激を集めている。
今は、制服の下でブラのカップからずらし出してしまった乳首にかけられた指だけが、暴走しそうな渇望をやり過ごす頼りだ。

(ブラ、形が崩れちゃうけど……、我慢できないのよっ)

ドアの隙間の向こうでは、やっとシンジがお預けから解放されていた。
ユイが呼び寄せ、ムサシのそれと一緒に二刀流よろしく両手に握り、交互に唇を与えてやっているところだ。

―― ごめんなさいね、シンジ。待たせちゃって。
―― うあっ。あっ、あ、母さん……!
―― おっとぉ、シンジ兄ちゃん、我慢しすぎでもう先漏れしまくりじゃん? 手加減してあげないと先生、あっという間にバクハツしちゃうんじゃないの。
―― あら、あらあら。ふふっ、そうなの? シンジ。

ムサシのものよりも初々しい色を残した亀頭にゆっくりと、先走りを舐めとる舌先をちろりちろり、巻き付かせながら。ユイは少年たちの欲情をゾクゾクと煽る、色っぽい上目遣いをしてみせる。
知的な美貌の持ち主がこうも淫らな貌で奉仕に務めてくれるのだから、我慢ならない年頃の性欲をさんざんに挑発されてきたシンジはひとたまりもなかったろう。我慢が長く続きすぎた。
まして、ユイは実の母。
あえなく、『ああっ』と情けない声を上げて、実母のぽってりとした唇がしごく内側へ、青臭い臭いのミルクを注ぎ込んでしまうのだった。

―― んっ、うんっ、んン……。

ためらいなくコクコクと喉を鳴らし、咥内に溜め込んだ残り分に膨らんだ頬のまま、ユイは優しく息子を見上げる。悪戯な猫の輝きを宿した瞳。場違いな母性愛にすら充ち満ちた視線だ。
激しい交わりにセットを乱し、節々で色っぽい仕草にかき上げていてもなお、汗で貼り付いたままの頬のほつれ髪。つぅ、と口の端から一筋垂れ落ちる飲精のこぼれ落ちがそこに加わって、ただ覗き見ているだけのアスカの口の中をもカラカラにさせる魔性の魅力が降臨する。
圧倒されていないのは、余裕綽々で巨根をしごいてもらっているムサシくらいだ。

(たしかに、シンジのと……全然違うわ)

今までまともに見つめようとしたことは無かったが、ああやってユイが二本を並べて頬張り、並べるように見せ付けられれば嫌でも分かる。
ムサシのペニスの、シンジとは段違いに発達した凶器ぶりというものが。

「……あんなの、挿れられちゃったりしたら……」

無意識のうちにアスカは、スカートの上から下腹部を押さえていた。
ここに……、と。想像してしまっていたのである。
そして、この時のアスカは、後ろから見ると可愛らしいお尻が収まり悪そうに―― 切なそうに、もじもじとしているのだった。
自分の体のことだ。彼女自身もすぐに気付いた。

(……濡れてる。やだ、あいつのなんかに!?)

じんわり、スカート越しだけど分かっちゃうじゃないのと錯覚するくらい、ショーツの中が熱く疼く。
性に開花させられたばかりの14歳少女の子宮が、ユイの手で味をしめさせられた異性の性器を求めだしていたのだ。
頼りない薄布一枚に押さえつけられたスリットは独りでに綻び、蜜を垂らし、隙間から滲む熱さは意識をじりじりと炙る。

(アタシ、濡らしちゃっ、た―― の)

意図せずしてそこを手の平に確かめさせていた彼女は、そのまま太腿の奥に溢れつつあるぬかるみについても無視し通すことは、やはり出来そうに無いと、今更に自覚するのだった。

―― じゃさ、次はシンジ兄ちゃんと二人で、先生に二本挿しご馳走してあげるってことで。お尻の準備、してるんでしょ?
―― ええ、もちろんよ。ふふ、ムサシ君は今度はわたしのアヌスが食べたいのね?

「あ、ああっ……。っ、はあっ、信じられない……っ。お、おばさま……ぁ」

一家の主婦に、夕食の支度をする時間を与えないつもりかと思うほど、まだまだ乱交の宴を終える気配のないセリフのムサシである。
景気付けとばかり、シンジの精液を口に残した状態のユイへ、自分も真っ正面から勢い良く顔面シャワーを浴びせてから、ドロドロに汚した美貌を拭う間も与えずに、また四つん這いで尻をもたげさせるのだった。

―― え、えっ? ムサシ君と、一緒にするの……?
―― なんだ、小さくなったまんまじゃん。だったらさ、また先生にしゃぶってもらっててよ。その間はオレ一人で……へへ、先生の尻、たんのーさせてもらっとくからさっ。
―― シンジ……、さあ。
―― あ、ああっ。母さんっ。

小憎らしい口を叩く少年に清楚な美貌を台無しにされた母が、力を失ったペニスに奉仕してくれる。無惨さと共存する官能美だ。アスカを抱くときには多少は頼もしく見えるリードをくれるシンジが、たわいもなく声を上げるのも仕方あるまい。
そして、よろよろと腰砕けにされるシンジの股間に、目蓋も開けられないままで、もごもごと口元を蠢かさせるユイ。
その豊穣の尻肉は、浅黒い肌の悪ガキに思うさまほじくり返されて。しなやかな背中が仰け反りかえる度、美母の唇に咥えられたシンジにも悲鳴を漏らさせる。

「すっごい……。お、おばさま……お尻の、おしりのあなっ。ムサシに……あんな太い、ふっといおちんちんで……ズポズポされちゃってる……!」

『あ、ああ……』と酔っぱらったように顔を真っ赤にしたアスカはとうとう、ひたすらにドアの隙間を覗きながら、ぺたんと廊下にお尻を付けてしまったスカートの中で、夢中になって本格的な自慰をはじめていたのだった。
くちゅくちゅと、もうすっかり透け透けに濡れてしまったクロッチは横にのけて。露わになったクレヴァスに、わななく細い指を一本、二本、三本とくぐらせていく。
親指はお気に入りの弱点であるクリトリス快感を、包皮ごと圧し揉む臆病な中学生少女らしいスタイルで貪って―― でも、そこはアスカの家の自分の部屋ではなく、碇家の、シンジとユイの家の廊下。ユイの寝室の前。英会話教室を開いていて、子供たちの出入りの多い、予定外の誰かがやってきても決しておかしくない、廊下の真ん中。
だとしても、

(だいじょうぶっ、だいじょうぶよ……)

アスカはあえて都合の良い考えで、己の自制心に目を瞑らせたのだった。
シンジも余裕が全然ない顔をして喘いでいて、それどころではないに決まっている。
ムサシは美夫人とのセックスに有頂天になっているし。ユイはユイで、

(おばさまも、夢中っ……じゃない。きっと、こっちなんか……忘れてる、わっ。……ンあっ、あンっ、いいっ、いいよぅ……っ)

それに、と。アスカは高まりつつある快感にぶるぶると身をよじる意識の片隅、ちらりと、だとしても構わないなんて馬鹿な考えを思い浮かべたのだった。

(おばさまなら……いいものっ。気付かれてたって……)

どうせ、手引きをしたのはユイだ。
約束通り、黙っていてくれる。
なんでもお見通しのユイおばさまだから、自分がはしたない真似をしてしまったと気付いても―― ひょっとすると、これ自体予期していたのかもしれないし―― 咎めはすまい。
からかわれるくらいは、我慢できる。
そんなことこそ、何度もレズビアンチックに抱かれてしまったり、痴女じみた露出プレイまで仕込まれてしまっている立場からすれば今更だ。

(あ、あたしが……こんなところで、おばさま達のセックス……、ムサシの、ムサシなんかのおちんちん……見ながら、いやらしい……ぃ、おなにー、おなにーしててもっ)

ユイになら、知られてしまっても構わない、から。

「い、いっちゃう……。ふぐっ、っッ。う、うぅふゥゥゥーっっ……!!」

そう自分に許しを与えて、夕暮れの近い斜陽が差し込むフローリングに、声を殺したアクメを遂げるアスカは、それを堕落と呼ぶのだと深刻視したりしてはいない。
咄嗟に首を曲げて噛みしめたジャンパーベストの生地には、ぱさと放されても、きつく刻まれた小さな歯形が。
その刹那に一瞬、ドア越しに隙間の向こうとこちらとで淫らな視線が合わされたような錯覚。そのことにも、もう何の危機感も覚えなくなっていた。
そんな無防備な美少女は、辛うじてドアに倒れ込むことだけは防いで、はふと脱力しきった。
崩れきった膝に向かってがっくり俯いた火照り顔は、はらりと垂れた前髪が隠す。
そうやって蹲って、しばしアスカは余韻を貪ったのだった。

―― い、いいひぃっ! ムサシくんっ、ムサシくんのおちんちん……素敵よっ。
―― 太いでしょ? ねっ、シンジ兄ちゃんのなんか、目じゃないくらい、すげーでしょっ。
―― ええっ、ええっ。ふ、太くって……。わたしの……なかっ、お尻の中っ、もう……いっぱいよ! いっぱいでっ……感じちゃうのぉっ!!

パン、パンと小気味良く、肉を叩きつけ合う音は続いている。
獣のように叫ぶムサシの声と、年齢不相応な逞しい剛槍にアヌスを貫かれるユイの歓喜。
母親の下に潜り込んで、生まれた場所へ、年下の小学生がたっぷり使った跡にぬかるみきった場所へ、やっとペニスを収めることの出来たシンジの喘ぎ。
繰り広げられる乱倫の肉宴は、当分まだ、終わりを迎えはしないのだろう。
とは言え、どれだけ放埒で、色狂いかと思えても、家事をおろそかにすることはないユイだ。
単に、覗き見て学習する機会を与えてやった愛弟子に、気取られることなく立ち去る猶予を考えてくれているだけなのかもしれない。

もうちょっとだけしたら、静かにここを離れよう。
今日はもう、来たことも知られない内に、家に帰ることにしよう。
そこまでぼんやりと考えて、ふとアスカは夢想した。

制服を乱して、人の家の廊下で座り込んでしまっている自分。
ドア一枚を隔てて中には、夜も待たず3Pプレイで人妻相手に浮気と近親相姦禁忌を強いている少年達が、股間をいきり立たせて好き勝手にしているというのに。
そしてその一見貞淑そうな人妻も、見かけとは裏腹に淫乱も淫乱で、女の子とだっていやらしいことが出来る趣味をした危険なひとなのに。

(あは。……いま、ここにいるってバレて……あいつが、ムサシがやってきたら……)

あたし、抵抗できない。
そのまま、犯されちゃうかも……。

埒もないと言うには、あまりにおぞましい―― 筈の、妄想だった。
ゆらりと身を起こそうとするアスカの、紅茶色の髪がベールのように隠してしまった下の、口元は、

「ふ、ふふ、ふふっ……。あたし……、なぁに、考えてるのかしら、ねぇ……」

たとえ見え辛かろうと確かに、意図の判然としない笑みでもってはっきり、ゆるやかな弧を描いていたのだった。



◆ ◆ ◆

「へへ、ドアの後ろでアスカ姉、自分のマンコいじくっちゃってたよな、先生」

にやにやとムサシが口にする。
それはアスカが立ち去った後の、アスカが知らない会話だった。

「え、ええっアスカが、いたのっ!?」
「シンジはちょっと注意力が足りない感じからね」
「そーそ。ちゃ〜んとドアの隙間からアスカ姉が顔真っ赤にして覗いてるの、目とか見えてたし」

嘘っ、と慌てるシンジ。
たくらんだのはユイだろう。他にはいない。
咎めるような目で振り向くのに、『だからよ』と。数々のタブーも意に介せず、実の息子を混ぜての乱交にさえたじろがない美母は、ため息をついて見せた。

「シンジじゃ、アスカちゃんが見てるって言ったら気にしすぎちゃって……。お手本になるようなセックス、ムサシ君みたいに出来なくなっちゃうでしょう?」
「……じゃ」

ムサシは最初から知っていたのだ。それを悟って、再びシンジはショックを受けた。
一方のムサシはまるで気にしていない。

「分かって注意してリゃ、クチャクチャいじって、アアンなんてエロぅな喘ぎしてんの、ばっち聞こえだったぜ?」

生徒同士としてセックスレッスンの席を共にするようになったといっても、まだまだ恥じらいを捨てきれないアスカである。
絵に描いたような白人美少女の見かけを持つ彼女の、ムサシには滅多に拝むことの出来ない乱れ姿が垣間見れて、大満足の様子。

「スカートん中に手、突っ込んじゃってさ。こう、もぞもぞって腰をうねらせちゃて、アスカ姉もエロいよなぁ。どうせなら景気良く脱いですりゃ良かったのに」

手付きをいやらしくもぞもぞとさせて、つるんとした屹立をしごくマスターベーションポーズをとってみせる。アスカの自慰シーンを演じたつもりか。
一人気付かず、シンジの性欲にはいまだ手厳しいガールフレンドの秘め事を見逃してしまったのでは、それが本当かどうか判断はつかなかった。
恨めしく思いながら、シンジには想像するしかない。

(あのアスカが……?)

ユイやシンジたちを覗いていて、あの潔癖な女の子が、自分の昂ぶりを抑えられなくなるくらい興奮していた――
その可愛らしくも魅惑的だったに違いない、拙い自慰の秘密。まさかムサシに知られていて、自分も知ったとアスカは承知の上なのか。
いやまさか。

「母さん、なんで……?」
「これからもね、アスカちゃんにレイちゃん、私たちのレッスンの新しいお友達には色んな勉強をしてもらうつもりなの。ムサシ君たちもだけど、シンジもね、良いお手本になってあげるのよ」

この怖れ知らずの母が仕出かすことだ。一度きりじゃすまないだろうとは思ったが、しかしである。
ユイはムサシ「たち」と言った。ならば、ケイタら他の少年とのセックスも覗かせて。まさかではあるが、トウジやケンスケにも同様に頼み込むつもりなのだろうか。
そして、トウジやケンスケも、シンジの美しい幼馴染が声を殺して自慰に耽る姿を目にすることになるのだろうか――

それは、それが、どういった意味を持つのか。
楽しそうに近い将来のことを思い巡らせているらしい母親を前に、シンジは呆然としていたのだった。



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From:『INNOCENT TABOO』 寝取られ風味、淫乱美母ユイスレ3