INNOCENT TABOO, case Asuka & Rei

Original text:引き気味


『 禁忌の絆〜相姦隷母(中) 』


 綾波というクラスメイトの少年に誘われて家を訪ねてみれば、早々の玄関で、出し抜けにスカートを捲り上げだしたその母親。綾波レイという美女。
 ぎょっとして目を見開く。
 顔を背けて制止する。それが正解だったろうけれども、露わになった素足の子持ちらしからぬすらりとした白さは、視線を引き剥がさねばと思い至る猶予もくれはしない。
 ロングスカートは黒に近い地の色。そこに、そうと自己主張しない程度に細く控えめなラインの白と赤が走るチェック柄。落ち着いた大人のムードだ。
 その、靴下を履いた踝のすぐ上に届く長い裾を、彼女は表情も変えずにたぐり上げて巻き取っていく。
 大胆に、いっそ無造作なほどに。
 軽く屈んだ姿勢で内股によじり合わされた生膝が見えてしまうのも、むっちりとした太股が付け根さえも丸出しになるのも、あっという間だった。
 スカートの裏地も黒いおかげで、真白に映える太股は妖しいほどのなまめかしさ。
(う、ぁ……)
 少年の目はますます吸い寄せられた。
 更には、お腹の高さにまでスカートを持ち上げてしまって、こちらにまっすぐ立つ。
 むき出しになったスカートの内側を隠そうともしない。
 『……どう?』とでも言いたげだ。
 下着の色は肌色に近いくらいの薄ベージュ。落ち着いた大人の女性らしく派手さはない。これが余計にこの美しい人に似合うと思ってしまう、上品なデザインのショーツだった。
「もっと色っぽいやつ履いとけば良かったのに」
 横の彼がなにか口を尖らせたのも耳には入らなかった。
 気を許す間柄にはなれなさそうなクラスメイト。そのあまりに美しい母親の、薄ベージュ色の布地に包まれた下腹部、陰阜の女性らしい密やかな盛り上がりに食い入る様にしてしまう。
 なんで、どうしてと突然に過ぎる事態に混乱しながら、目に映るそれ以外が脳裏からは急速に追いやられていく。
 誘惑されているのだ、というシンプルな解釈すらここでは思い浮かばなかった。
 ただ、あれをひっぺがして、直に見てみたら、と。このひとの『下の毛』は、やっぱり銀の色をしているのかもしれない……などと。
 腹を空かしっぱなしの野良犬じみたゲスな考えを思い浮かべてしまったものだけれど、一瞬でもそんな目つきに変わっただろうことは確実。気付かれていたらとまた焦れば、手のひらにはいつの間にかじとりと大量の汗をかいている。
 それを自覚して、玄関に立ち尽くす少年は強い羞恥にかられた。
 ―― これではまるで、野良犬どころか『童貞坊や(チェリーボーイ)』のようではないか。
 言わばのっけからの一撃であっさり動揺し、あからさまに焦ってしまっている。魔性めいた魅力に絡め取られているのだ。
 醜態だ。とてもスマートな振る舞いとは言えない。
 横の彼に、そしてこの人に一部始終を見られていたかと思うと、いよいよ少年の顔は赤く染まった。
 が、そうした間にもスカートの裾を上げきって、中身を見せつけるかの立ち姿でいた彼女が、
「…………」
 また無言のまま、理由も告げぬ唐突な誘惑を次のステップに進ませようと白い繊手を蠢かせる。
 お腹の前でエプロンとスカートをまとめていた右手を腰の横に回し、もぞつかせた―― そのせいで僅かの間、視界からあまりに白くスリリングな太腿と、生地の薄さ以上の危うさを秘めた布きれによる眺めが遮られたのが、少年がこの魔性から逃れる最後の機会だったかもしれなかった。
 だとしても、まばたき程度のほんの一瞬だけ垣間見えた『もしかしたら』というちっぽけな可能性で、少年が気付く前には過去形の物となっていたのだけれども。

 するり。
 そう、いかにも主婦といった装いだった彼女が軽く引っ張る動きをしただけで、少年が熱く視線を注いでいた布きれ一枚は、ぺらっと剥がれた。
「……え?」
 いわゆる紐パン、紐ショーツ。ウェストのゴムでではなく、サイドのリボンを結ぶことで下着として履くことができるタイプのもの。
 おとなしめなデザインと思いきや、実はそうでもなかったのか。などと、意外さからくる間抜けな思考の停止。つい反射的に、今まさに剥がれ落ちゆくフロントを追ったその視線が、次に強ばり、息をのむ。
 気付いてしまったのだ。
 輝きを放つ、一筋。めくれ剥がれる布きれと、その下から現れた彼女の生の股間を結び止めるかのようにまっすぐ伸びていたから、はじめはてっきり―― 彼女がもうはしたなくも蜜を垂らしていたのか、糸を引くほどに気分を募らせていたのかと勘違いした。
 だが、そうではないのだ。それは。
 そんなものではない。
 ―― それはチェーンだった。
 細い銀の輝きを、先ほど願った通りに丸見えになった彼女の下生えと同じ輝きを放つ、糸のように細い、装飾としての鎖。
 鎖は一枚の布きれに戻ったショーツが落ち通り過ぎていった白い太腿の間にスティック状の分銅飾りを垂らし、根本を持ち主の最も秘めやかであるべき条裂に、指輪ほどのリングでもって結び止められていた。

「あんた……!」
 性器への、小陰唇へのピアッシング。紛れもない異常性癖、マゾヒズムの産物。自らを誰かの所有物であると証す被虐趣味のシンボルだ。
 一目でこの貞淑そうな顔をした女性の正体を知った少年は、振り向きざまに声を飛ばした。
「お前、なにを企んでる! 俺をっ、嵌めようとしやがったな?」
「何がさ?」
 間近から睨まれながらも、彼は落ち着きなよとニヤニヤ顔を崩さない。
 それどころか積極的に動いて、ドアの前からどかそうとする少年をあくまで邪魔する姿勢を見せる。
 下腹部を丸出しにしたそのままで彼女もまた、引き留めるかのように少年を呼んだ。
「あなたは……」
 ―― アスカの、産んだ子なのでしょう?
 静かな声で。
 少年のみなぎらせた警戒、敵意も露わな大声も意に介さぬ様子で。
 それどころか、プラチナシルバーの秘毛が飾る性器を露出させ、ローズピンクの媚肉花弁に通したピアスなどという、平静でいる方がおかしい自らへの辱めを初対面相手にあからさまにしつつ、僅かほども動揺を浮かべぬひっそりとした声で。
「…………」
「そうだよ、ママ」
 少年が答えないものだから、代わりに息子に視線をやって違うのかと確かめた母親に、
「ちゃんと確認したもの。アメリカから帰ってきた、惣流・アスカ・ラングレーさんの一人息子だって。さっきもきちんと念押しでね」
 彼はうんと頷きを返してみせた。
「なら……」
 なら、である。
 それだけで済ませて彼女は、綾波レイは、いかにもこれが当然といった顔をして少年に向き直った。
 依然、『女の部分』とただ呼ぶにはあまりに恥知らずな有様のそこを見せつけながら、いっそう近付こうとしてくる。
 少年は後ずさった。
 しかし、唯一の逃げ場であるドアは、紅い瞳に得体の知れない深みを覗かせ迫ろうとする彼女の息子の後ろ。
「どけよっ。お前、自分の母親だろっ!? なにさせるつもりなんだよっ」
「ははっ、そんなに暴れなくたって良いじゃないか。痛いよ、まったく。……僕ら、兄弟みたいなもんだってのにさ」
「ああっ? なにっ、何だって……?」
「君のママ、アスカさんのことさ。アスカさん、今も惣流のままなんだろ? うちだってそうさ。ママは僕を産んでもずっと綾波のままで、結婚してない。じゃ、僕の父さんって誰なんだろって、ね」
 少年は思わず絶句していた。
 畳みかけるように、まだ彼は言う。
「いい加減さ、とぼけんの無しにしようよ。ママのあそこ、肉奴隷のリング付けたまんまにしてんの見たんだから、とっくにピンと来てたんじゃないの? 帰国子女の天才君だって評判なんだし、そこまでニブいなんてあり得ないよね」
「なんの話……っ、っッ―― !!」
 一言一言にあからさまに反応を示してびくびくと目元を引きつらせ、今にも殴りかからんばかりの形相を作ろうとしていた、その荒げた声は、『んぅ、ぅうー!?』と言葉に出来なかった残りをすべて―― しっかりと、両頬を捕らえて口付けてきた美しきシングルマザーの咥内に絡め取られていたのだった。

「うぅムッ、っム、やめっ……ッぷはっ、っむむむ……むぅぅっ、ッ、やめろよっ」
 もがき、振りほどこうとする。
 しかし、綾波母子は拘束を解こうとはしない。
 スポーツで体を鍛えてきた彼が本気を出そうにも、押し返そうとした手が触れてしまった乳房ははっとするほど柔らかだ。掴んだ手首は中学生の自分と比べるにしても細く、華奢で、乱暴にすることを躊躇わせた。
 そして、無理矢理のキスはみるみる内により濃密な口戯にと変えられていく。
「んンむ、む、むー」
 挿し込まれる舌が前歯をノックし、歯列を舐める。
 流れ込む甘い唾液。
 反撃しなければ。答礼を返さねば。舌を絡め返して、こっちにもテクがあると見せ付けなければ。
 でなければ、―― 男が廃る。
 咄嗟に浮かぶのはそんな身についた反射もどきのもので、間違っても見知らぬ相手にいきなり唇を奪われ、考える事ではない。
 少年は混乱を極めようとしている自身を自覚して、また焦った。
(くそっ)
 片頬に添えられ、胸に当てられた手のひらはどちらもいかにも女性的で、繊細だ。扇情的としか言いようのない手つきがカッターシャツの胸板を撫ぜ回す。
 腕力に任せるのを、それは暴力ではないかとこんな場面で躇わせるほどに。
 そうしている内にも更に少年は攻め立てられていて、おまけにいつしか、学生ズボンの股間を妖しくまさぐられてしまっていたのだった。
「放せって、くそっ。俺に触るな……!」
「……あなたも興奮しているわ」
「うう、うるさいっ。あんたみたいな―― 変態が、勝手に触ってっ」
 かぐわしい美女の体臭に包まれながらのベーゼ。抱き付かれてダイレクトに感じるのは、圧倒されるようなボリュームをしたバストの感触だ。さらには巧みなペッティングでしかない指遣い。
「うぁ……ぁ」
「こんなに……」
 少年はたしかに勃起させられていた。
 それも、このいきなり痴女めいた振る舞いで体をぶつけてきた佳人が一撫で、一くすぐりするたびに、より硬く下半身に血が集まり、より大きくブリーフの中が膨張させられていく。
 そうでなくても一目で魅惑され、欲情を抱いてしまっていたのもまた事実。
 けれども、それを当の相手の年上美女に指摘されてしまうことは、年頃の少年にとって恥辱でしかなかった。
 良いようにされっぱなしではないか。
「なんだよ、あんた。俺みたいなガキが好みなのか? いい趣味してんじゃねぇか。自分のガキにまで手伝わせて……中坊相手にレイプってか」
 とんでもねぇな。
 そう、挑発的に吐き捨てる。
「変態が。お前もだよ、綾波! 母ちゃんにガキのチンポそんなに咥えさせてやりたけりゃ、手前ら親子同士で勝手に済ませとけよ。他人様を巻き込むなよなっ。―― この、変態がっ! 変態が、変態がっっ!!」

「…………」
 さすがの麗女も顔を顰めた。
 代わりに、彼女の息子が嘲りを返す。
「うちのママを誰彼考えなしの馬鹿女みたく言わないでよね。なにそれ、誰基準で言ってるの? ひょっとして君のママ?」
 くふふと、少年を羽交い絞めにする耳元で『変態はいいけどさ』と、そこはあっさり受け流してみせて、
「でも知らなかったな。この街離れてた間に君のとこの……アスカさんが、そんなことして悦ぶような趣味に躾られてたなんて」
 少年が愛する美しく誇り高い母親の、誇り高いがゆえの―― 真に心を許した相手にのみ見せる、秘められた対極の心理を、まるで見透かしたかの口ぶり。
「てめっ、なに言って――
「ほんとの姉妹みたいだったよね、昔のママたち」
 ぼそりと、自分の思い出話であるかのごとく生々しい情感を込めて呟いてみせる。
 唐突なそれは、今この場とは一見なんの関わりもない過去のこと。
 けれども、いきり立っていた横顔は肩越しに耳にした途端ぎくりとして、いよいよ苦しげに顔を歪めたし、そうさせた余裕たっぷりの口ぶりこそは予めそれを、赤毛のクラスメイトをこの上なく追い詰める切り札がそこにあると承知していた、たしかな証であった。
「お揃いの首輪のマゾっ子美少女ふたり。だけど、その後の調教次第、ご主人様次第じゃそれぞれまた別ってわけなんだねぇ」
 お揃いの首輪。マゾの美少女、二人。調教。ご主人様。あらゆるエロティックな事柄に興味津々な年代である中学生男子が口にするにしても、なお刺激的なキーワード。そんなものが少年たち各々の母親のかつてと結びつけられて語られた時、惣流アスカの息子の顔色は、背筋に氷塊を入れたれたも同然のものとなっていた。
 
(こいつっ……今、なんて……? お揃いの、首輪?)
 まさか、まさか、まさか。やっぱり……知って、やがるのか?
 動揺はいや増すばかりだ。
 綾波レイも少年の口の中をその舌でかき回すのこそ止めたものの、少年がみっともなく膨らませた股間を刺激する手はそのまま。
 わずかな紅潮が認められる白皙の美貌で、じっと真正面から見詰めてきている。
 その紅い目をまともに見ることが出来ず、少年はずっと首をねじ曲げておいて悪態を並べているのだった。
 わけがわからない程の焦りと、無様な興奮。ぐるぐると頭の中が揺さぶり回されているみたいだった。異様なくらい下腹部が硬くなってしまっているのが、自分でも分かる。
「なんだよ、オバン。昔の知り合いのガキがおたついてるのを見るのが、そんなに楽しいのかよっ」
「……アスカに、似てるのね」
「っ、っなッ!? き、気安く母さんの名前を出すな! 放せ、クソっ。さわんな、触んなよこのっ、変態女がっ」
「みっともないからさぁ」
 『そろそろやめとけば?』と、直接見て確かめずとも分かる人を馬鹿にしきった顔で、彼が続けた。
「自分とこだけ常識人みたいな言い方でうちを馬鹿にしてくれてるけどさ、君のママだって同じ穴の狢なんだし。どうせ―― 今もなんでしょ?」
「同じ穴の、なんだって? わ、わからない言い方すんなよな……」
 声が震えるのを止められない。
 平静を、今こそ平静を装わなければと必死に己を叱咤しているのに。
「ねぇ、惣流君」
 ことさらに親しげな口ぶり。こちらを馬鹿にしつつの、舐めきった馴れ馴れしさ。余計に苛立たせてくれる口調だった。
「姉妹みたいな変態の女の子同士で産んだ僕ら、兄弟みたいな―― 本当の兄弟かもしれない二人じゃない」
「言ってろ、糞ったれ。知らねーよっ、なんのことだよ、笑わせんなよっ」
「分かってるくせに。それに、今更『変態』とか言われたってね。それ、君のとこの家庭事情ってやつにもそっくりそのまま言えることなんだろうし。……当たってるよね?」
 認めるわけにはいかないと、自分たち親子の秘密に頑なになって罵り散らす否定の言葉を、ことごとく聞かなかった調子で。彼は、『ね、兄弟』などと馴れ馴れしく笑いかけてくる。
「変態は……お前ら、だろっ」
「ヘンタイ、ヘンタイってさ、どうせなら愛を込めて言うべきだよ。半ギレで喚かれたってね。いくら十年越えで調教漬けになってるマゾ豚ママでも、悦んじゃくれないよ。いつもそんなじゃ、君のママも可哀想なんじゃない?」
 ね、ママ。そう言って伸ばされた手が、少年の目の前で実の母親の胸を揉みしだいた。
「んんぅ……ン……」
 セーターの前を豊満に持ち上げる膨らみをエプロンの脇からためらいなく掴んで、ゆさゆさ上下左右に揺さぶる。
 そして人差し指と親指で膨らんだ頂きの部分を摘み上げて、一度かるく揉みこねてから引っ張り出すように――
「……ぁ、ぁぁ、アッ」
 年若い母親は痛いとうめく。けれどそのか細い一部には、快感をも示して息子に媚びた気配があった。
 くいくいと引っ張られている場所も乳首だろう位置からは微妙に前方にずれていて、そこにはきっと股間と同じ性奴隷のリングが付けられているのだろう。少年には確信に近い想像をすることができた。
 つい今しがた目の当たりにした、成熟しきった女のひそやかな部分。秘所の全体が、色素の薄い肌色をした周辺からは浮き上がってほの赤く、腫れたようになっていた。
 まるで、昨晩も濃厚なセックスに酷使していたかの具合に。
 見るからに淫猥なローズピンクをした性器が目に焼き付いている。
 花びらのごとく女の縦溝からはみ出したラヴィアの片側に、細いチェーンを垂らした銀色のリングピアス。
 それとセットで、少なくともあと二つ。きっと左右の乳首にも付けさせられている。
 想像が正しければ、おそらくはずっともっと若い頃から。それこそ、自分たちと変わらないくらいの歳をした少女だった頃に。
 
 不意に脳裏をよぎった。
 蒼銀の髪をショートボブにした小さな女の子が、自分が入学したばかりの中学校と同じ女子のジャンパースカートを着て跪いていて、ボタンを外しきったブラウスからはだけさせた乳房に、周囲からの感嘆の声を集めている。
 その隣にはもう一人。まだ子供の顔つきをした自分の母親もいて、そっくりそのまま同じ姿勢で跪き、胸を出し、乳首に取り付けられたピアスを披露していて――
 
(う、ううぅぅっ……!)
 ただ思い浮かべただけで脳髄が痺れそうな、背徳的な、淫らな情景。
 巧みな愛撫に刺激され続ける股間からの分とあいまって、少年は気を抜けばがくがくと膝砕けになってしまいそうな瀬戸際に追いやられていた。
「お前のとこと……ぅ、うあ、ぁ……うちをっ、うちの母さんを」
 一緒にするな。それだけを搾り出すのに、もはや少年は必死に歯を食いしばらなければならない有様だ。
 綾波レイの手つきの、なんといやらしいことか。なんという熟達の技巧か。
 堪えているつもりだったが、先ほどから何度も達しそうになっていた。ズボンの中でみっともなくぶち撒けずに済んでいるのは、おそらくは加減されているからだ。睾丸のあたりにどうしようもない震えが押し寄せてくるたび、呼吸を読んだかのタイミングでまさぐる動きが緩められていた。
 手のひらの上とは、まさしくこのことだった。
(クソっ、ああクソっ。なんでこんな時に、俺は……!)
 勝手にチャックを下げるな。勝手に人の大事なものまさぐるな。ブリーフから引っ張り出すな。それ以上、それ以上はしないでくれ……!
 口にして言えばそれこそみっともない懇願になってしまいそうで、もう彼に余裕なんてものは欠片も残ってはいなかったのだ。
 逃れようとずっと暴れていたせいもあって、無様にぜいぜいと息が喘ぐ。白魚のような指に施されるペッティングで追い詰められるばかり。
 玄関マットに膝をつけて姿勢を低くしていった綾波レイの唇に、いよいよその膨張しきったペニスが咥えられてしまった時には、とうとう最後の意地も突き崩されてしまった。
「うあぁっ!? やめっ、それはっ―― ッッ」
「……ンっ、やっぱり……大きいわ」
「僕のより?」
「比べることじゃないわ。あなたのこと、愛してるもの」
「もちろん僕も信じてるよ、ママ。惣流の輸入物なんかいくらデカチンだってったって、ママはとっくに僕のおちんちんの奴隷なんだもんね」
「……ええ、その通りよ。わたしは、あなたのもの……。んっ、んあむっ、ふっ、ふぅむ……むふ、んむっ」
 チュバッ、ピチャ、ピチャッという淫らがましい舌音の合間に、おぞましい睦言をかわしあう母と息子。
「……んぁむ、あむ、んんン……ン」
「うぁっ、あっ、ぁああっ」
 こうなるともう、窺い知れた狂気の関係をさっきまでの調子で罵ることもできず、女の子さながらに格好悪く喘がされるばかりだった。
 
 そんな屈辱でさんざんプライドを傷だらけにされて。こくこくと美味しそうに精液を飲み下すところまで可愛がられてしまって。
 強がる言葉なんて逆さにしても出てこない。そんな状態に。
 そうしてリビングまで放心の体で連れて行かれ、ふらふらとソファに腰掛けたところで認めさせられたのだった。
 彼ら綾波のシングルマザー一家と、自分たち母ひとり子ひとりの家庭も同様であることを。
 少年が、他ならぬ血の繋がった母親と、惣流・アスカ・ラングレーと、近親相姦のセックスをしていることを。
 さらには、少年がアメリカで住んでいた家にも密かに保管されていた古写真とまったく同じ一枚を示されて、その通りそのまま―― 今のアスカの躰にも綾波レイと同様、性奴のピアスリングが輝いていることを。
 なにからなにまで。エプロンとスカートを捨て、対面座位の繋がり方で腰に跨がってきたアルビノ美女の膣内に精をしぶかせながら、認めさせられたのだった。



◆ ◆ ◆

「あなたの腰遣い、似てるわ。アスカが教えたのね。……きっと、忘れられなかったんだわ」
 素敵だった。そう言ってご褒美とばかりに与えられるキス。
 いまだ少年の勃起は力を失わぬまま、膝の上の彼女の膣内にある。足を胴に絡めてきた彼女のわずかの身じろぎで、ぬるぬるの膣壁にしごかれる竿から亀頭まで愉悦が凄まじく、またやるせなく熱汁を漏らしてしまいそうなほど。
 深く絡められる舌に抗う気力など、残っていようはずもない。
「ふぅ―― うン、ン、ンンン……」
「んっ、んんンッ、んぁ、あぅう」
 膝の先にある広めのガラステーブルの上。綾波レイが出してくれたコーヒーの味は、舌にまったく残ってはいなかった。
 ただ、カップソーサーの隣に無造作に置かれた写真に、なにかどうしようもなく悲しい気分の目が行くばかり。
 彼と同じ、青いサファイアのような瞳。それがうっとりと蕩けて、こちらを見返している。
 この地で第壱中学校に通っていた頃の母。あまりに早くして自分を産む、まだその前の―― 少なくともお腹が大きくなる前の、惣流・アスカ・ラングレー。
 写真の中の彼女はアルビノの容姿を持つ綺麗な同級生と二人でどこか、公園らしき芝生のベンチに腰掛け、そしてお互いの手をお互いの制服スカートの中に差し入れていた。
 同性同士でたっぷり性器をまさぐりあっていたのか、二人揃って目元は赤く、とろんとした表情。
 そうして爛れた笑顔でいかにも嬉しそうにカメラの方を見て、そして母の方はちらりとスカートの裾をめくって見せていたのだった。
 パンツは履いていない。股を大胆に開いていた。素晴らしいブロンドの髪をもった女の子の、それよりはいくらか濃い色のヘアが、日なたの陽光を招き入れたスカートの中に濡れそぼって確かめられる。
 そして、そこに輝く金色をしたピアスリングも。
 可愛らしく、いやらしく、破廉恥な、早熟の露出狂。しかも同級生とレズで、性器にピアスを付けさせられるような調教を受けている――
 そんな風に、見た人間の十人に十人は受け取るだろう、過去の汚点と呼ぶしかないスキャンダラスな一枚。
 こんなものが他人の所に残されていたのでは……。
 第3新東京市という自分にとっての新天地での、新しい暮らし。しかし、帰郷を決めた母にとってはどんな意味を持つものだったというのか。
 愛する母の肉体にも引けを取らぬ素晴らしい味わいの美女と繋がりあうセックスに、ふたたび反り返りきったペニスを蕩かされそうにされつつ、少年の心はいつにない弱気で支配されようとしていた。

「ふふ。遅くなったけど……我が家へようこそ、惣流君。ママともども、大歓迎するよ。出来ればぜひとも、君のところとは家族ぐるみで親しくさせてもらいたいな」
 昔みたいにって、ママもさ。
 対面のソファから薄笑いでほがらかに告げてくるクラスメイトは、自分の奴隷だとまで呼んだ母親が別の相手とセックスをしているのを目の前にして、まるで平気な様子。
 それこそがとにかく、不気味でならなかった。





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From:【母子相姦】淫乱美母ユイ3【寝取られ風味】