INNOCENT TABOO, case Asuka & Rei

Original text:引き気味


『 美乳飾り、悪戯な花びら(上) 』


―― ッ、ッツー!!」
 ベッドの上で、レイの白い背中が踊り回っていた。
 唇を噛みしめて七転八倒。
 断末魔の蜘蛛の脚のように曲がりくねり続ける両腕には、シーツを握りしめた手の甲に力みきって浮かび上がった筋が見てとれる。
 こちらに土踏まずを向ける足裏は、爪先の開いたり閉じたりをひたすら繰り返していた。小刻みに、殆ど痙攣のように。
 どんな貌でいるのか。伏した目元は、乱れた前髪で隠され、分からない。
 とは言え、全身に吹き出した汗と真っ赤に染まった肌色から、体温の燃え上がりの程は一目瞭然。
 プラチナ色をしたサラサラの髪も、頬に、うなじに、濡れて張り付く。
 見ていれば、ひっきり無しの身悶えはこれを震い剥がそうとするものかとも思えて、いやいやとレイが首を振りたくる度、暴れる毛先から汗が飛んだ。
 清潔に整えられていたベッドシーツも既に、染みだらけ。
 レイの汗を吸った場所。ああ、と喘ぎに垂れた涎が落ちた場所。そして転がり回る内に位置は変っていったが、元は下半身が広げられていた真下に当たっていた場所――
 
「っッ、っンンンッ! ンーッッ!!」
 声にならぬ悲鳴と言おうか、嬌声と言おうか。喉からの唸りに似て、唇を固く閉じようとも結局張り上げてしまっているのに変わりはない。
 快楽尽くしの責め苦への、日頃寡黙な綾波レイ、渾身の絶叫だった。
 ユイの寝室が特別厚い壁で守られていなければどうなったことか。
(ああもう、レイったら……)
 馬鹿ねと半ば呆れた心持ちで、アスカはそれを見やっているのだった。

 アスカも友人も、とうに全裸だ。
 自宅の部屋の次ぐらいに使い慣れた気がするこの寝室、碇夫妻のベッドルームでのスタイルの常である。
 靴下ひとつさえ履いていない。
 パンツはスカートより先に奪われた。
 この頃はその格好こそがこの『レッスン』での“練習着”だと決められてしまった感があって。中学帰りの少女達は碇家の門をくぐると早々、靴を脱ぐより先に、出迎えたコーチ役の少年達によって“不要なもの”を回収されるのだった。
 
 アスカはムサシ少年の手で脱がされ、レイの下着は毎回ケイタ少年が抜き取る。
 本当ならばその役はシンジにこそ任せたいし、脱がせて欲しいと思うところなのだけれども、こと『レッスン』となると、コーチ役はムサシ達が適任だとされていた。
 他ならぬ碇ユイがそう判断したのだ。アスカ達に不満はあっても、否やは無かった。
 けれど、玄関で言われた通りにスカートをまくらされるのは、たとえ幾度重ねても本当の意味で慣れはしないものだ。
 ―― 慣れてしまったのなら、多分なにかがアスカ達の中で死んでしまったということなのだろう。
 アスカもレイも、制服のスカートの裾を胸まで持ち上げさせられていながら、いつも顔を真っ赤にしていた。
 ムサシ達の前で下着を脱ぐのも、その先を見せるのも、今更のことではあっても、やはり恥ずかしいものは恥ずかしいし、悔しいことは悔しいのだ。
 かてて加えて、背後の扉一枚隔ててすぐ側に日中の往来の気配があるのだから、その心許無さといったら。
 
『さ、さっさとしなさいよ。脱がすなら脱がして。いつまでも、こんな場所で……!』
『まーまー、ま、ここで我慢が利かないんじゃ、まだまだ勉強が足りないってもんだぜ? アスカ“君”』
 目下扱いのアクセントを強調しておいて、ムサシは続けたものだ。
『気持ちは分かるけどさ、ここは抑えて、心静かに堪能してもらいたい場面なんだよね。その、恥ずかしさ、ビクビク気分ってやつをさー』
『……アスカ』
『な、なによ、レイ』
 一足先に諦めの境地へ達しているものか。ノーパンスタイルに仕立てられつつある時でも、声の響きはまだ尚冷静極まりない少女は、溜息を漏らすように言うのである。
『……これも訓練。露出という趣向での、軽度な』
 そう解釈するべきだし、そうに違いない。淡々とこう指摘されれば、一人覚悟が足りていないと非難されている気すらする。
 アスカには、分かっているわよと声を張り上げる他なかった。

『あ、でもさ、アスカお姉ちゃん』
 憤然と唇をへの字にして、仁王立ち。さぁ脱がせと開き直ってみたらの時だったろうか。熱っぽい眼差しをほんの数センチの位置から、レイの薄い色のショーツが包む盛り上がりに注いでいたケイタが、上目遣いにこちらを向いたのは。
『アスカお姉ちゃんくらい綺麗な先輩がさ、僕らみたいなのに早くパンツ脱がせてっておねだりするの……、凄くエッチだよね』
―― ッ、アンタ……!』
 ニタァ……と嫌な薄笑いをしたかと思えば、またすぐにレイのショーツのふくらみに形作られた縦筋の皺に目を戻す。

 ほんと、碌なこと言いやしない。
 いちいちここで気付かされたりしなければ、勢いで口走ったまま流していられたのに。
 
 そう、カッと紅潮の薔薇色を深め、いきり立つアスカに、
『褒めたんじゃん、いまいちいつもセーセキの悪いアスカ君を、珍しくさぁ』
 と彼女の腰の辺りからニヤニヤするのが、最初に手にしたコーチ役という立場をフルに利用して嵩に懸かる、ムサシというエロガキだった。

 そんな風にしてするすると下着が脱ぎ下ろされていくと、次にはその日の初顔合わせになる秘所の様子を、二人の小学生にいかにもな助平声で揶揄される段となる。
 へへっ、えへへぇ―― と、いかにも期待通りの眺めを見付けられたという喜色満面。相棒とにやけた目を交わし、『気が早いじゃん、姉ちゃんたち』だなどと。
『くうっ……』
『ん、んんっ……』
 今まで自分の体温を外気から守ってくれていた大事な一枚が奪われ、なのに裏腹にいや増して、見られていると思えば思うほど熱く火照りすら覚える場所。『ふうっ』と、生え揃いはじめたばかりの翳りをそよがせる息を吹きかけられてしまって、
『しっかり濡れてんぜ。感心感心だよなー』
 そう、スカートをまくった時点で見咎められると覚悟していた下着の染みの意味を、しっかりからかわれてしまうのだ。
『待ちきれなかった、って感じだよな』
『ねね、レイお姉ちゃん。糸、引いちゃてるんじゃない? これ』
『ンンっ、……いきなり、触らないで……』
 レイの躯は、アスカと同い年でもまだまだ未熟さが目立つ。殆ど無毛に近い幼気な恥裂に、ぴったり閉じ合わさる奥から滲み出すようにしてデルタの地帯を湿らせていたもの。レイがもじもじと白い太腿を捩り合わせる狭間、ツルツルの表面を覆っていた湿り気は、紛れもない彼女の愛液であった。
『あっ、は、ああっ……』
 そのねとつきをケイタの指で確かめられてしまえば、敏感なスリットなだけに、普段の無愛想さとは裏腹な声が漏れ出てしまう。
 胸の前で第壱中学制式のジャンパースカート、青い裾を握りしめていたレイの手が、カタカタと震えた。
 
 言うまでもなく、アスカにとっても他人事ではなかった。
 太腿の半ばに引き下げられてしまったショーツの裏地との間に、糸を引くぐらいと言われかねない痴態を呈しているのは、全くの同じ。
 毎度とにかく強気で通そうとするアスカであっても、スカートをめくらされ、下着を脱がされるだけで、その頃にはとうに股の間を濡れ濡れにしてしまっていたのだ。
 いつもいつも、(こいつらの前では……!)と心に誓っているアスカ達なのではあるが、さすがに毅然としていられるものではない。
 けれど、これがレッスンの成果だよなと感心されれば、得心のいく気分があるのもまた事実だった。
 14歳の肉体の、ここまでの火の着きの良さ。それがレッスンという名の開発の、あるいは調教のもたらした結果だった。

 アスカ達は当然、シンジの家をこうやって定められた放課後に訪ねれば玄関でムサシ達が待っているのを知っていたし、その場で下着を脱がされてしまうのも分かっていた。
 既に処女ではない。清らかな身ではない。
 そして、ムサシ達というのは何度ももう躰を与えてしまった、爛れた関係の相手でもある。
 ―― にしても、それでもカケラも好意など持てない、いやらしい少年達。
 そんな彼らに、露わにされた女の子の一番恥ずかしい場所、かつては恋する少年にだけと決めていた剥き出しの股間を、じっくり鑑賞されてしまう。
 大人の茂みを形作る一歩目、二歩目ほどにあるヘアが薄くけぶる恥丘。
 日焼けとは無縁な白い肌がなめらかな下腹から股の付け根、すっと一筋刻まれたスリットに至り、わずかに赤みを帯びる秘部。狭間からはほんの少しだけ、無垢なピンクをした小陰唇も覗く。
 女の子の急所である肉の雌蕊を隠した包皮さえも、まじまじと見詰められる。
 それも全て、承知のこと。
 決して、脅迫されて嫌々だとか、拒否も出来ない立場に苦しめられてのことではなかった。
 アスカ達の受けている淫らなレッスンを取り仕切る淫母、碇ユイは、一方的な関係など許しはしない、公平な監督者であるのだから。
 だから何もかも承知の上で、授業の終わった学校から連れ立って碇家への道を歩き、ドアホンを鳴らし、そして、
『待ってたぜ、姉ちゃんたち』
『いらっしゃい、レイお姉ちゃん、アスカお姉ちゃん』
『…………』
『……お邪魔します』
 隠そうともしない欲情を浮かべた少年達に迎え入れられるまま、扉をくぐったのだ。

 本当はその時もう、お腹の下には熱を覚えていた。
 淫靡な、昂ぶりを。
 流れ落ちそうな、はしたない潤みを。

 振り返れば。刻々と減っていく『その時』までの残り時間を数えるようにして歩いた、中学からの帰り道。隣を行くのがいくら普段から寡黙な友人でも、着いてしまおうとするにつれ口数の少なさの意味合いが変っていっていることに気付かないアスカではなかった。
 自分だってそう。ことさら続けた無意味な世間話も途切れ途切れになり、いつしかずっと無言のまま。
『…………』
 耳に自らの息遣いばかりが聞えているような、そこに胸の鼓動が混ざりだしているかのような、そんな錯覚までもが。
 はあっ、はあっ……と。トクン、トクン、トクン―― と。
 気になってならないのは、不自然に顔を赤くしてしまってはいないか。ひょっとして今から早々、下着を濡らしてしまっているのではないか。意識するあまり、周りに気付かれるくらい変な歩き方になってしまってやいないか。
 ちらりと横目に窺えば、友人は赤い目を落として歩道の舗装をじっと見詰め歩いているかのよう。
 しかし、本当は己が内心にこそ意識を沈めていることがよく分かる。
 高鳴る鼓動と、予感への抑えられない不安、無視しえない期待の感情へと。

 そして、その理解も一方通行のものではない。
 アスカが推察出来ているのと同様、向こうからも察知されているのだろう。似通った心の裡を。
 通じている、というわけだ。
 そのことは確信してすらいる。
 共に同じ部屋で少年達に抱かれ、一つのベッドでアクメを極め、鏡写しのようにそっくりのイキ顔を晒し合っていれば、互いの呼吸も分かってくるというものだ。
 レイもやはり、アスカが密かに―― 少年達の陵辱を待ちわびているのだと、知っている。
 それこそ事実だった。

 ―― もうすぐ、着いちゃう。
 ―― ああ、見えてきたわ……。
 ―― 今日も、今日もあの扉の中で、あいつらが待っているのね……。
 ―― 私たち、またたくさん……犯されるんだわ。
 ―― ああっ、レイ……。
 ―― アスカ……。

 こうやって、向かう道すがらから淫らな高揚を少女達が分かち合った先では、玄関での秘部晒しの儀式を経て見抜かれ、『レッスン』という名の乱交タイムへの期待はムサシ達との間に於いても通じ合った理解となる。
 全員が加害者でもなく、被害者でもなく、共犯者。
 犯してしまうのは、この家に集まる同志の他には、誰にも知られるわけにはいかない、共有の罪。
 けれど、彼女たち、彼らは、ハマってしまっている。
 今から止めたりなんては、とても無理だ。

 故に、下着を奪い、奪われた後がいよいよの本番だと、表面的にはアスカ達が一方的にじゃれ付かれているばかりのやり取りの場所は、移されていく。
 日によって、碇家のリビングか、シャワールームか、一番奥まった夫婦の部屋か。
 どうせどの部屋だろうと、碇家のたいていは最早ムサシ達、アスカ達の自宅も同然だ。いちいち断らずとも好きに使って良いと、大らかにユイは放任している。信頼していた。
 だから今日はと決めて、先をずんずんと行くのはムサシ達の半ズボン姿。中学生のアスカらにも増してセックスなど早すぎる11歳児二人の股間は、とっくにこんもり、テントを張ってしまっていた。
 アスカ達の目もどこか恍惚と、伏し目がちながら濡れた眼差し。
 彼らに手を引かれ、アスカとレイが碇夫妻のベッドルームにと連れ込まれる廊下には、かくのごとく互いに納得し合った興奮だけがあるのだった。―― 今や。
 ムサシ達のペニスを直視することさえ嫌がっていた日々は、既に遠い。

 そうこうして、最早珍しくも特別でもない展開が進んでしまえば、アスカもレイも一糸まとわぬ姿に剥かれてしまっている。
 目隠しをされているだの、ロープで綾取りのように縛られてしまっているだの、見るからに卑猥な道具を挿し込まれてしまっているだのが無い分、今日はまだマシだと言えた。
 ただ裸で、ただ手もなく喘がされてしまって、特にレイが全身を激しく悶えさせているだけ。
 
「ンンゥ……、ぅうンゥンン! ンッ、ンゥゥンンン……! ンン、ンンンゥッ!!」
「レイ……」
「レイ姉たち、今日はアクセル開けるの早ぇーよな」
 アスカの相手をしているムサシも、あまりのレイのむせび泣きにちらり余所見に付き合い、つぶやいた。
 ほつりと呆れた風のそれが、感想の全て。
 以前はシンジに対してだけしか見せなかった一途なアルビノ娘の、本気の悩乱というものも、もう珍しくも何ともない光景だったから。
 それで、この変態小学生コンビの片割れ、浅利のムッツリ坊やがレイに加えている暴虐の程はときたら、だ。言葉にしたら何てことはない、ただの口付け攻勢だった。
 少なくとも現在は、間違いなく。
 
 たとえシーツに既に一戦交えた後そのもので染みが点々残っていても。
 レイがもがく都度開けっ広げになる股の間に、紛れもない吐精された痕跡を見せていても。
 であっても少なくとも、今この嬌声の、直接の原因は。
 ただの、口付け。
 それも乙女の唇へならぬ、背中への。
 
 間違い無く愛撫としての口付けではあろうが、場所自体を見る限りではこれほどの激烈な反応を呼ぶような過激な部位でもない。
 それ故に、アスカは余計げんなりとするのだった。
 丁度また、レイの華奢な腕がガクガクとシーツの皺を引き延ばして震えた拍子、顔覗かせた、その背中の様子。
 なめらかな背を突き上げて、互いにせめぎあうように浮かび上がっていた二つの肩甲骨。そこの間に一面、花びらを散らしたのに似た眺めで、痕跡が印されている。
 不健康さを心配させるほど白いレイの肌に映える、桜の花びらが散ったかのキスマーク。
 キスマーク、キスマーク、キスマーク。
 いったい幾つか、どれだけか、数えるのも馬鹿馬鹿しいほどに、たくさんの。
「んっ、んちゅっ、ちゅっ、ちゅっ。れい、お姉ちゃぁんん……」
 突っ伏すレイは両脇から回された手で胸揉みしだかれながら、ぴったりと彼女の背に重なって表情の見えないイガグリ頭により、猛烈なキス刻印を施されているのであった。
 
 ただしかし、口付けているだけというなかれ。
 執拗な反復吸陰は、全て含めればかれこれ、一時間には及ぼうかとしていたのだ。

「なんつか、むしろ怖ぇーよ」
 今度の呆れ声も、ベッドサイドのミニソファにアスカと座っているムサシのものだ。
 座っている、と言ってもありきたりに並んでではなく、ムサシを下にしてアスカが膝の上にという、対面座位でであったが。
 浅黒い肌をした混血の少年は、同じく混ざり合った血のルーツをこちらは西洋に持つ、美しい金髪碧眼のお姫様を抱いて、満足そうにふんぞり返っているのだ。
 無論、彼の歳に似合わないサイズの勃起は、年上の美少女の胎にずっぷりと根本近くまで収められている。
 それでいつものと同じく激しい突き上げでアスカを狂わせてしまっていないのは、今日の彼らに師が課したテーマが、緩急の緩を追求するというレッスン内容であった為だった。

「……あむ」
「んンッ」
 丁度ムサシの目の前に来ていた、赤く尖った乳首。アスカのバストのツンと勃起した頂きを、欲求そのままに少年は咥えた。
 ゆさ、ゆさ、とスローモーな揺さぶりで美少女先輩の膣肉をかき混ぜ、同時に赤子の気分で吸う。
 ちゅーっと吸って、ちゅぽんと放す。
 アスカは軽く眉間を寄せて声を漏らしたが、すぐ隣で首くねらせて喘いでいるレイとの反応の差は明らかだった。

 苔の一念つったっけ? とムサシは口にした。
「なんかもう、レイ姉キスされるだけでイキっ放しになりそうな勢いだよな」
「……凄い敏感なくせに。私なら問題ないわ、なんてうっかりOK出して許しちゃうのが馬鹿なのよ。たかが背中にぐらいとか、思ってたんでしょうけど」
「うわ、仮にも俺ら“コーチ”だぜ? 弱点も含めて、正直にやってくんないと困るんだけどさ。第一、敏感なのはアス姉もじゃん」
「うっさい」
「褒めてんだけど。てーか、今さらバレバレなのに隠すなよなー。も、何遍オレのガチガチチンコで天国見せられてんだよ。お姉ちゃんさぁ」
「う、うるさいわね。レイ程じゃないわよ」
「えー?」
「レイほどじゃないって、言ってるでしょ! もうっ、アタシはあんなキスぐらいでひんひん言わされるほどじゃないわよっ」
「どーだか。……ま、たしかにあのレイ姉はすげーけどさ」
 二人して同時に目を戻したレイの様子は、やはり他愛もなく背中に張り付くキス魔によって蕩かされる、醜態の極みであった。
 物静かにしても程があるという普段からは、想像も付かない。
 あの、“クール・綾波レイ”が。ざわざわとプラチナの前髪を振り乱す下、目尻に涙さえ浮かべて。玉の汗が浮かんだ顔を真っ赤に歪め、身も世もなく悶え狂っているのだ。
「ンぅフッ! ふぐっ、フッ、ふゥゥーッ、ふっ、ッツ―― っっ!!」
 既にもう、シーツを掴んで堪えるどころではない有様。必死に両手で口元を覆うことで、辛うじて声を抑えているつもりらしい。

 そして。ただただキスを繰り返し、余っている手も遊ばせているわけではないにしても、ひたすら今日のレッスン開始からをキスに固執し続けているケイタの拘りっぷり。或いは、一点突破に賭けた執念の程。
 ユイによるはじめての顔合わせからこっち、随分と鉄壁で鳴らし続けたそのガード。レッスン中にどんな恥ずかしい真似をさせてもされてもポーカーフェイスで通そうかとした、あのレイに対し、ケイタの上げ続けている華々しい戦果だ。
 ムサシも普段なら嵩に懸かって、もっぱら自分が担当のターゲットと目しているらしいアスカに向かって相棒を誇り、歯噛みの顔を楽しみながら、ベッドトークのスパイスとして使うところなのだが。
「……将来が怖すぎるわね、あの子」
「否定できねーよ」
 レイを喘がせに喘がせ、愛液垂れ流しっ放しにしたという成果を引き出したにせよ。そこには、ムサシにすら大した手並みだと手放しで感心するのを躊躇わせる程のものがあった。
 
「……言っとくけど、キスマークは止めときなさいよね」
 微かなひきつりを浮かべて向き直ったアスカが、そう釘を刺した。
 興奮の赤みを帯びた蒼い瞳が、疑わしそうに睨んでいる。
 レイがかくもの口付け責めに遭わされていて、そんな横で自分の乳首を強く吸ったムサシには、改めてその必要を覚えたのだった。
「私の場合はレイとは違うんだからね。水泳でも普通に体育でも、見学で済ませるってわけにはいかないの」
「分かってるけどよぉ……」
 はっきりしない口調を返し、ムサシはその眼前で揺れる見事なバストを眺めた。
 ユイのように成熟しきった豊かさはまだ備えていない。たわむ白桃の果実に届きそうで、少し足りない、実りきる過程にあるコニーデ状の盛り上がり。
 それでも、ムサシにとってみればずっと「お姉さん」である彼女。発育ぶりは彼女達の歳の中でも郡を抜いて良いのだろうと分かる、綺麗なラインの乳房だ。
 他には周りにいない西洋人の肌と可憐なピンク色の乳首の組み合わせは、ヤりたい盛りの坊やが鑑賞するのにこれ以上はない。
 浅黒い肌の彼が手を伸ばし、鷲掴みにしたりすると、自分の手とで余計にその純白の輝きが引き立って見えるのだった。
 目の前で服を脱いで貰う時、ブラジャーを外して生で拝ませて貰う時は、未だに胸が高鳴りに鳴りまくる。
 これを好き放題に揉ませてしゃぶらせて貰えるのだから、まさにユイ先生様々、シンジ兄ちゃん様々だった。

「うん、何度見ても美味そーだわ」
 舌を伸ばし、甘いその果実を舐めてみる。
 ぷくっと充血した乳頭を、舌先でねぶってみる。
「ンぅっ。ン、ンンぅン……」
 舐め突きながら上目遣いに窺う赤毛の美少女の表情は、どれだけ強がった口調を取り繕っていても、いかにも心地よさそうなものだ。
 半開きの唇の間から、チロチロと赤い舌の先が覗く。
 ムサシ達の師匠であるユイが手ずから導いてセックスに目覚めさせ、シンジやムサシ達が一つ一つ性感を拓いていった彼女の躯。今や性に不慣れな生娘の頃とは見違えるほどに感覚鋭く、磨き抜かれている。
 そして、そんなアスカの性感帯を膣の中も含め本人以上に熟知している一人が、ムサシだった。

「なぁ、アスカ姉……」
「あん、ん……な、なによ……」
 アスカは再びゆっくりと腰を使いだしたムサシの動きに、じわじわと子宮を蕩かされる心持ちでうっとり声を出してしまっていた。
 時折吸われ、甘噛みにしゃぶられている乳首の感覚も、良いアクセント。
 快感の証しに硬くなりきっているのも、とっくに自覚している。
 誇らしげにするムサシには、かつて死ぬほどムカついたものだが、今は『だから何?』だった。
 自らの膝の上で跨るその太腿にムサシが手をやって引き寄せ、より結合を深めようとする。
 アスカも腰をもぞつかせて協力した。
「あぁ……あん、深い……、ぃ」
 何か言われたなら反射的に憎まれ口を返すようでも、セックスが与えてくれる快感を拒絶しているわけではない。故にこそ、甘く官能に酔いしれている合間には、案外の素直な喘ぎで、開花した淫乱娘の貌を覗かせるのだった。
 ユイの薫陶の行き届きぶりだ。
 同時に、『レッスン』を自分たちに施してきたムサシの上手さについても、いわば信頼があった。

 任せていれば、確実にコイツはアタシたちを気持ち良くしてくれる――

 積極性がゆえの素直な受け身。
 無自覚にだったからであろうが、従わされて嫌がらないムサシとの“慣れ”だった。
 ユイによってこじつけられて始まった、好意の一切介在しない肉体関係の、ひとつの円熟でもある。

「あ、あ、あぁ……、ぁ、ああ……」
「ほら、アス姉」
 ぱん、と軽くムサシが抱え込んだ尻を打つ。
 そんな合図を意識せず理解して、アスカが自分でも腰を巡らせだす。
 持ち上げて、下ろし、また膝を使って持ち上げて―― ゆっくり下ろし。濡れ濡れになった媚肉で、まっすぐそそり立つ小学生男子のペニスを銜え込んで、しごくのだ。

―― ちゅぐっ、ぐちゅっ、ぐちゅり。

 柔らかいことこの上ない牝肉と、固く張り詰めた牡槍の奏でる睦言は、ひっきりなしに。
 ぬるぬるに濡れた紅茶色のヘアの叢を、その点だけは申し分ないセックスパートナーのつるっとした股間とぴったり重ねて。その下のもう一つの唇器官が、狭間に薄紅の粘膜を充血させて、ムサシを迎える。
 迎え入れて、深く深く貫かせる。
「ああぁ……あ、いい……」
 呼吸に合わせた締め付けが、11歳児らしからぬ隆々とした亀頭から竿まで、口いっぱいに頬張った。
 子供の癖に立派に張ったエラで膣襞をこそがれれば、たまらないとアスカは喉を喘がせ、悦んだ。
 細い腰がくねる。
 ソファにふんぞり返るムサシの上、膝を畳んで跨っていた両腿に、ぎゅうっと力が込められる。しがみついた小学生坊やの胴体を放すまいと、両側から固く挟む。
 放しゃしないよと、ムサシもまたアスカの尻を抱え込み直した。
「はぁ―― 、ぁ」
 結合が再び深まる。
 何度もアスカのほっそりとした首がしなり、『はぁン』と突き出されていた舌が口の端の涎を舐めとった。
 その悦びの程は訓練された膣の締め付けにダイレクトに繋がり、ムサシを共に歓ばせるのである。
「うほっ、ほほっ。そう、そおっ……。そうだよぉ、アスカ君んん。ん、んーっ……、上手くなったよなぁ」
「なに、よ……。えらそうに……、ッ、っああ、あはぁっ……。子供のくせに、小学生の……くせにぃ」
「良いから良いから、ほらもっと」
「ンッ、んああぁ、あ……」
 促されるまま、アスカは腰を振り続けるのだった。



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From:【母子相姦】淫乱美母ユイ2【寝取られ風味】