暴くもの、暴かれるもの


Original text:ハルキゲニアさん


03.

夕方から夜へと移り変わる頃。
シンジの部屋は、むせかえる様なオスの匂いに満ちていた。
若さに任せた激しい自慰に、もう何度射精しただろうか。
右手に疲労を覚えて中断したが、精液とカウパー氏腺液に濡れ光るシンジのペニスは、未だ萎えていない。

参考書を買う為のはずだった金は、ネルフ本部で声をかけてきた男性職員から買った、一枚のDVDに化けた。
つまらなかったら返金しても良い――そう言われて、半ば押しきられて買ったが、これほど興奮するとは思わなかった。
ミサトから今夜は帰らないと連絡を受けてから、ネルフからの給与で買ったばかりのノートパソコンを起動し、DVDをセットした。
以来、二時間に渡り陰茎を擦り続けていた。

「ほんと…アスカそっくりだ…」

画面の中ではアスカに良く似た少女が、男に跨がって尻を振り、膣内の男根を擦り立てている。
その動きが不規則なのは、後ろから乳房を揉みしだく第二の男のペニスが、後ろの穴に挿入されているからだ。
カメラを固定した第三の男が少女の傍らに立つと、少女はそそりたつ陽根に口で奉仕を始めた。
少女の髪にも胸元にも、長く続く行為の末に精液がこびり付いている。
その表情は情欲にとろけきっていた。

「…アスカが帰ってきたら、見つからない様にしないとな…」

呟きながら画面から眼を離せず、画面の中の少女が胎内の射精に身を震わせ、
次いで体位を変えて電気仕掛けの玩具を使われ始めると、シンジも堪らなくなって右手を使い始めた。

精液と愛液にまみれ、ペニスを模した張り型に掻き回される性器がアップになり、
少女のあからさまな愉悦の声にシンジが射精に至ろうとするその瞬間、インターホンが鳴った。
無視して擦り続けたものの、電子のチャイムはしつこく鳴り、水を差されてタイミングを逃した快感が引いて行く。

「…ああ!もう!」

パンツを引き上げ、まだ硬いペニスを無理やり納めると、DVDの再生を一時停止して玄関に向かう。

「はい、どちら様ですか?」

不機嫌にドアを開けたシンジを待っていたのは、アルビノの少女、綾波レイだった。

「…碇くん、入れてくれる?」

息を切らせたレイの言葉に、挿入をねだるDVDの少女を連想し、ちょっと前屈みになりながら、招き入れる。

「どうしたの綾波?急に」
レイは素早く室内に入り、即座に施錠。真剣な眼差しのレイは、ただならぬ様子に見える。辺りを見回したレイは一言、

「……碇くんの匂いがする」

顔を赤らめて言った。
シンジの精液の匂いは玄関にまで満ちていた。


慌てて換気しようとしてレイに止められ、そのドタバタの際に女性器のどアップが映った一時停止状態のモニターを見られ、
慌てて隠そうとして、未だ勃起していたものをレイの臀部に押し付けてしまい、
そのうえ、男の子は仕方ない、と理解さえ示され、シンジは今すぐ逃げ出したい衝動に駆られていた。

「…話、良い?」

僅かに顔を赤らめながらレイに切り出され、

「何かあったの?」

熟れたトマトの様な顔でシンジが答える。
気まずい。
だが、レイの話はそれどころではなかった。


街に異変が起きている。
暴徒の集団が女性を襲い、強姦している。
それも、一件や二件ではない。

マンションに居て悲鳴を聞いたレイは確認の為外に出て、それを目撃した。
暴徒から逃げたレイは携帯電話を自室に忘れており、逃げた方向にここがあると思い出し、逃げ込んだのだった。

「でも、どうして…?」

「わからない。碇くん、ネルフに連絡して」

ミサトが不在となれば、武器も車も無い二人に時間的猶予は無い。
ネルフは状況を把握していなかったが、尋常ならざる事態に二人に緊急避難を命じた。
とりあえず学校へ。生徒が居れば共に行動し、学校用のシェルターに待避。本部からの迎えを待て。
街中の監視カメラの映像から暴徒を確認したネルフ本部は、それが最も確実だと判断した。
間もなく日が落ち切る。西の空はまだ赤く夕焼けの名残があるが、東の空は既に黒い。
僅かに西日の残る中、二人は学校へと走り出した。


油断なく身構えていたレイと腰が引けていたシンジだったが、学校の前まで特にどうという事もなかった。
ただ、全く人通りがなく、たまに遠く響く悲鳴が、何か異常な事態が進行している事を思わせた。

「やっと着いた…さぁ、行こう」

「待って」

校門へと向かおうとするシンジを、レイが止める。

「…誰か居る」

西日が逆光になり良く見えないが、確かに校門のすぐ内側に人影がある。
誰か二人、何かを運んでいるようだ。

「おう、シンジやないか。」

「あれ?綾波さんもいるよ?」

トウジとケンスケだった。
逆光故に、向こうからは此方が見える。
こんな時間に何をしていたか知らないが、ここは一緒に行動すべきだろう。
シンジが声を掛けようとした時、校門前の街灯が灯った。
ここの街灯はタイマー式だが、タイミングが遅いと不評だった。
その街灯が、トウジとケンスケの二人が抱えたものを照らした。
ケンスケが抱えていたのは、女の尻。
綾波と同じ制服のスカートを捲り上げられ、下着を膝まで下げられた尻が、
ズボンとパンツを足元に落としたケンスケに抱えられている。
そこから続く上半身の先、頭はトウジの両手に挟まれ、ジャージを下ろしたその股間に顔を押し付けられている。
彼女の両手は後ろ手に縛られ、両脚は開いたかたちでモップの柄にくくられ、固定されていた。

「ちょっと待っとけ。すぐ終わるわ…いくで委員長、歯ァ立てんなよ」

呆然とするシンジとレイの前で、二人は猛烈に腰を使い始めた。
拘束された洞木ヒカリが、口中の男根の隙間からくぐもった悲鳴を上げる。

「んう゛、んっ、んーー!」

ヒカリの悲鳴が一際高くなり、二人がより深く突き込んで尻を震わせ精液を注ぎ込み――
それが終わっても、まだシンジは動けなかった。

「どや二人とも。混ざらへんか――」


ペニスを抜かれ、崩折れるヒカリをトウジが支え、そっと横たえる。
虚ろな眼の顔を覗き込み、ようがんばったな、気持ち良かったで、と声をかける。
硬く反り返ったペニスを唾液と愛液、精液に光らせ、こちらに向き直る。

「どやシンジ。お前も一緒に――」

「綾波さんを――」

トウジとケンスケ、二人の言葉はそこで途切れた。
糸の切れた操り人形の様に倒れた二人の後ろには、いつの間にかレイ。
その手にはスタンガンが火花を散らしている。

「最初に悲鳴を聞いた時、家から持ち出したの」

トウジのジャージの紐でトウジとケンスケの手を縛り上げ、
半ば意識の飛んだヒカリを、シンジとレイとで校舎へ運び込む。
昇降口で戒めを解いた時、ヒカリは完全に意識を失った。

「どうしよう」

「…シェルターへ急ぎましょう」

学校のシェルターは、校舎のすぐ裏手にある。
わからない事だらけだった。
暴徒が来る、というのはまだわかる。
だが、今朝まで普通だった同級生が加害者になった…となるとさっぱりわからない。
しかも、トウジの言動からして、それが悪い事だとは思っていないようなのだ。
何が起きているのか。
三人は校舎裏へと急ぐ。


結局、校舎裏のシェルターには入れなかった。
先客がドアをロックしたらしい。
おそらく、トウジとケンスケ――もしくは、他の加害者――に追われた女生徒が逃げ込んだのだろう。
シンジはヒカリを背負い、スタンガンを構えたレイが先を伺い――一番近い地下道へと急ぐ。
学校のシェルターは近隣住民の避難場所でもある。
つまり、他のシェルターは遠い。
こうなれば、直接ネルフ本部を目指そう――
ドアを叩き、中に呼び掛ける続けるシンジに提案された、無謀とも思えるレイの決断であった。

だが、これは正解だった。
もし、声を掛けたのがレイだったら、ドアは開いていただろう。


学校からほど近い地下道。
ネルフのカードがなければ入れない秘密区画である。
とはいえ、普段は使われない点検通路に近い場所である。
幅は2mも無いし、コンクリート打ちっぱなしの壁と、天井の蛍光灯が寒々しい。

「ここなら誰も入ってこれないね」

快適さとは程遠いが、暴徒に対してはシェルター代わりになる。
ヒカリも休ませたかったし、二人はそこで休む事にした。

ヒカリを横たえ、離れてシンジが座る。
その隣にはレイが座った。

「…疲れたね…」

作り付けの非常電話でネルフ本部に連絡。電話に出た青葉シゲルは、その場で迎えを待て、と言ってきた。

「とりあえず、少し休みましょう」

トウジとケンスケの豹変はショックだった。
だが、夕方に耽った激しい自慰の疲れか、ほどなくシンジは眠りに落ちた。
すぐに迎えが来る。それまで少しだけ休もう…


シンジの寝顔を見ているうち、レイは下腹に熱い物を感じ始めていた。
異常事態に神経が昂っている事もある。
幾度か見かけた、路上で行われていたセックスが脳裏に焼き付いていた事もある。
レイがシンジを訪ねた時、シンジが自慰に耽っていた事に気づいた事もある。
シンジの微妙に膨らんだ股間と、何かを邪魔されたような不機嫌さ、妙に紅潮していた顔から、それとわかった。
同時に、部屋に満ちていた匂いの正体に気づいた。
強い匂いと、転がっていたティッシュの量から、かなり激しい自慰だったようだ。

(碇くん、の、精液の匂い…)

知らず知らずのうちに、視線がシンジの股間に落ちる。
碇くんはあそこを洗っただろうか。その暇は無かったはず。
碇くんのは今もまだ、精液にまみれているのだろうか。
膝を抱えて座っていた姿勢が変わっていく。
脚が開いていき、その隙間に右手が忍んでいく。
下着に浮いた染みを確かめる様に、指でなぞり上げていく。

(碇くんの、おちんちん…)

シンジの股間から眼が離せない。
シンジの精液の匂いを思い出し、脚の角度が広くなる。指の動きが大胆になる。
息が荒くなる。左手がブラウスの胸元に入る。
意識して抑えなくては声が出そうになる。
硬くなった乳首を弄る。乳房をほぐすように撫で回す。
下着の上から陰核を擦る。染みの中心をえぐり、腟口に指を食い込ませる。

淫らな水分をたっぷりと含んだ下着を脱ぎ捨てるまで、五分とかからなかった。


レイは、自分が大胆になりすぎているとわかっていた。
だが、どうしても止められない。
いま、レイはシンジの正面に回り込み、四つん這いになって――シンジの股間に顔を埋めている。

(なんてはしたない…)

そう思えば、高く掲げた尻の下で、秘所の潤いが増していく。
股間に顔を埋めたまま深呼吸をしてはズボン越しにシンジの匂いを嗅ぎ、肉壺に指を深く沈めていく。

ズボンの上からじゃ物足りない。
碇くんのおちんちん
直に触りたい。

その欲求は次第に強くなる。
深く入った指が、今まで触れた事のない部分に触れた。

「んうっ……!」

いわゆるGスポットを探り当てた指が、半ば意思に反してそこを擦り上げて。
レイは自分の左手が、シンジのズボンのファスナーを下げて行くのを見ていた。
いけない、という気持ちより、期待の方が大きい。
通路に満ちた女の匂いに反応してか、開いていくファスナーの隙間から、シンジのそれがブリーフを持ち上げる。
ズボンから解放されて強く香る男の匂いに、レイが軽く達した。
それでも、レイの花をくじる指の動きは止まらない。
クリトリスを擦る動きではなく、ヴァギナを往復する動き。
経験の無い深い自慰に溺れていく。

「んっ…んっ…んっ…んっんっ…」

声は抑え切れず、レイの下肢からは激しい水音。
コンクリートの床に落ちた水滴が染みを広げていく。
ブリーフの前開きを掻き分け、引き出したシンジのペニス。
まだ軟らかさの残るそれの包皮を剥き下ろし、鼻を押し付けて深呼吸。
レイはシンジの匂いを深く吸い込み、今度はより高く達した。


シンジは夢を見ていた。
あの、DVDで見た、アスカに似た少女。
彼女がシンジの目の前で犯されている。
見知らぬ男に犯される彼女の股間から、水音が響いている。
いつの間にか、シンジは彼女の前に。
部屋に満ちた女の匂いに勃起したものを差し出すと、少女はためらいなく口に含み――

ペニスへの刺激に目を覚ます。

一瞬混乱し、状況を思い出し、下半身を襲う快感に呻いて――
自身の陰茎をしゃぶるヒカリに気づいた。

「…!?」

(委員長!?なんで――)

声が出ない。動揺故、ではない。どう頑張っても、呻き声一つ出せない。
それどころか、手も足も動かなかった。
壁に凭れて座っていたはずの身体は、仰向けに寝かされている。

(見て、碇くん)

ヒカリが囁く。
その視線の先に――レイが居た。
四つん這いになり、壁に凭れて座る男の股間に顔を埋め、剥き出しの尻を高くして。
その頭が微かに上下している。
レイの後ろにはもうひとりの男が、レイの脚の間に手を入れ、蠢かせている。
甘い喜悦の声に混じり、シンジを呼んでいるのが聴こえた。

(君だと思っているんだよ、俺を)

レイの口腔奉仕を受ける男――青葉シゲルが囁いてよこす。
レイの股間を責めていた男――日向マコトが立ち上がり、陰茎を剥き出す。

マコトがニヤリと笑って、レイの背中に触れる。
ヒカリがニヤリと笑って、シンジの首筋に触れる。

「…綾波ッ!」

声が出た。

「…!碇くん!?」

声が返る。
今まで舐めていたそれがシンジのものではなく、自慰と思っていたものが男の指によるもので。
そもそも自分の性的な昂りが異常と気付いたその瞬間。

「……いやぁ―――っ!」

綾波レイは、純潔を破られた。


――結論から言えば。
地下通路に逃げ込んだのは失敗だった。
本部への連絡も失敗だった。

ヒカリは既に感染しており、その身体からはイロウルが滲み出し、空気に満ちていた。
狭く風の無い通路は格好のガス室となった。
アスカの「治療」に参加し感染したネルフ職員たちは、本部内を制圧していた。
シンジとレイ、二人の行動は正に飛んで火に入る夏の虫だった。


地下通路での陵辱は続く。
イロウルは「やり方」を変えた様だった。

「いや、いや、あっ、ダメ、やめ、やめて、」

身の内を突き上げられ、リズミカルに続くレイの抗議は、甘く蕩けている。
レイの性欲は彼女自身のものだ。今やイロウルによる操作はされていない。
手足も自由だ。
意識も全く正常な状態にある。
その代わり。
性感だけが高められた。
人間は苦痛に耐えられる。
だが、快感に耐えられる人間は居ない。
綾波レイは普段、枕に跨がり腰を使う事で自慰をしていた。
刺激としては、下着の上から摩擦する程度のものだ。
寧ろ、いやらしく腰を振る自分の動きに昂りをかんじていた。
自慰としては、自分のそこを開く事さえしたことが無かった。
性的には殆ど未開発だったのだ。

だから、逆らえない。
破瓜の痛みさえ押し流す快楽。
己の指さえ入れた事の無い深みを男の剛直で掻き乱されて。
好意を寄せる男の子の前で、好きでもない男に犯されて、二人がかりで陵辱されて、抵抗さえ出来ない。
嫌で嫌で堪らないのに。
反応する身体を止められない。

今、レイは立ち上がったシゲルに抱き抱えられ、突き上げられている。
シゲルの首に手を回し、必死でしがみついている。
そうしなければ、シゲルの長大な大人のペニスに、細く発展途上な身体の最奥を貫通されてしまいそうだから。
それは嘘ではなかったが、レイ自身を欺く欺瞞でもある。
しがみついて身を浮かせれば、突き上げに合わせて尻を振る事が出来る。
自分を犯し、自分の身体で快感を得ている男の香で昂ることが出来る。
強姦されているのに、自身をレイプする男にしがみついて腰を振るいやらしい自分に興奮出来る。
それら全て、シンジに見られてどんどん身体が熱くなる。
何より、――気持ち良くて、そうしなくてはいられない――


シンジは全てを見ていた。
いや、観させられていた。
レイがマコトの精液を飲むところも、
蕩けた表情でシゲルのペニスを舐めるところも、

ペニスで肛門を貫かれるところも、
身体中をまさぐられながら精液を浴びせられてイクところも、
ゲームと称して脚を開いて立たされ、前後から舌で下半身を責められるところも、
感じ過ぎて崩折れ、罰ゲームと称して前後から貫かれ、悲鳴を上げて達するところも、
全て、シンジからレイが、レイからシンジが見えるように行われた。
何をしているか、何をされているか説明までされた。
レイはシンジの事が好きなのだ、と教えられた。
性欲の昂進はされていないということも。
犯されて悦ぶアレは女の本性なのだと。

性感が高められていることは教えられなかったが。

そして、シンジ自身には――何もされなかった。
ただ手足が動かず、性欲だけが高められた。
レイの恥態を見て勃起すると、ヒカリがクスクス笑って息を吹き掛けた。
微かな刺激に反応するペニスを見て、また笑う。
レイを見ろと。
犯されるレイを見ていれば、レイがイクたび、ヒカリはペニスに息を吹き掛けた。
今も、シゲルの肩越しにシンジを見つめながら尻を振って絶頂を迎えたレイを観させられ、
ヒカリは四つん這いでマコトに後ろから貫かれながら、ふう、と吹いた。
これ以上無いほど硬く張り詰めた陰茎に刺激が走る。
思わず尻を浮かせ、ペニスが宙を突き、ヒカリがクスクスと笑う。
そんな微かな刺激でも、無いよりマシだった。

いつしか、レイの性感は操作を解除されていた。
だのに、抵抗は出来なかった。
レイの身体は純粋に体感によって開発されていく。

シンジの性欲も解放された。ただ焦らされ、昂っていく。

イロウルにとり、シンジとレイは例外であるようだった。

やがて幾人かの応援がやってきて、二人は本部へ運ばれていった。
レイは犯されながら。
シンジは剥き出しのペニスを勃起させたまま、それを観させられながら。




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From:エロ文投下用、思いつきネタスレ(4)