はーれむすれ@西院版

1 名前:LHS廚:04/09/25 20:34 ID:???

まぁ、このスレだけは私が建ててもいいでしょう(W


EVA板における現行スレ
シンジハーレムを追い求めるスレ3
http://comic5.2ch.net/test/read.cgi/eva/1081870404/

☆前(?)スレ☆
ハーレムエロ探求スレッド
http://jbbs.livedoor.com/bbs/read.cgi/movie/1029/1066837126/

◆旧BBSにおける現行スレ◆
ハーレムエロ探求スレッド2
http://jbbs.livedoor.com/bbs/read.cgi/movie/1029/1091098192/

一応、当初、本スレの基本趣旨はシンジ君が『近代大奥』を築くスレです。
『初物は出来るだけシンちゃんへ』や『おなごたちの相手はシンジのみ、レズすら避けよ』、
『全員の愛情はシンちゃんへと向く』というもの。

……ただ、、本スレと違い、これは推奨ですので、無理に守る必要はないです。


2 名前:LHS廚:04/09/29 21:54 ID:???

生扉が妙なので急遽こちらに避難。
本当に、不安定です。
(一度は書き込めたんですがね)


ちなみに、前スレのストーリーの『お尻』は>>1023 です。
−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

火照りを冷ますつもりがあっさりと燃え上がらせたアタシ達。
まず体力のなさと日ごろの生活習慣からノゾミちゃんが脱落。
次いでマリイとマユミが明日の事もある、と大事を取って身を引いた。
そして。



『ひゃ、これ、丸見えになっちゃうよぉ!?』

シンジは二回目で完全に腰がぬけ切ったマナをいすに座らせて、アタシ達の
SEXを見せ付ける。


『どうマナ、見える?』
『うん……ぐちゅ、ぐちゅって小さく音が響く度にアスカのがめくれて、
 金髪のいんもーを、白くなった液体が包みこんでぇ……』


マナとちょうど向かい合う形になった椅子の上、それが今のアタシの舞台。

大股開きになったシンジの上に肩幅くらいにピン、と足を伸ばしたまま
またがって腰を振るの。

3 名前:コウイに値する名無しさん:04/09/30 10:43 ID:???

>>2 LHS廚さん

 まぁ基礎体力不足であろうノゾミちゃん脱落は当然として、明日のことを
考えて撤退できるマリィとマユミの理性に感服w

4 名前:PDX.:04/09/30 10:44 ID:???

>>3 は私です(汗)
 最近名前の記入漏れ多い……。

5 名前:LHS廚:04/09/30 21:32 ID:???

この後の、結果は、まぁ……惨敗だ。

体の中がひっくり返された様な苦痛と紙一重のような、そんな快楽。
そして残るのは、満足感に満ちた敗北感だった。

少し前までは如何なるものにも許さなかった[勝利者』の座。


『ほら、アスカ』

その一言だけで、今迄のアタシならそう間違いなく、そう言い出した相手に渾身の一撃を
打ち込んで二度と言わないように、痛みと一緒に刷り込んでやっていた筈のこと。
それをあっさり許してしまう。 心地よい敗北感と一緒に。

(アタシに朝は訪れないかも)

それが、注がれる精液のショックに意識を飛ばされる直前、アタシが思った事だった。


----------------------------
>>3-4 PDX.さん。

早速のれす感謝です。

>理性。

全員相手はキツイっすよ。
8P?……になっちゃいますし。



6 名前:PDX.:04/10/04 13:45 ID:???

>>5 LHS廚さん

 ヒカリがシンジの体調のために配慮して、「ほらほら、二人とも明日も忙しい
んだから」と『とっとと寝る!』を命じられた二人はブーたれながらも寝床に
向かう……なんてのもありかとw

7 名前:LHS廚:04/10/05 20:58 ID:???

「あれだけやって気絶もしないなんて。 ……アンタって鋼鉄並みの頑丈さねぇ」
「戦自の訓練の成果……で、本当に見るの? 映像の横取りできるようにしたけど」
「もちろん……ってあれ? ひかりは?」
「『向こう』よ」

----------------------------------------------------------

「や、ん?!」

アタシが軽い酸欠から目を覚ましたとき、シンジ君は両胸の間に頭を挟み込んで頬擦りをしていた。
……何故か、懐かしそうな顔をして。

人の気配は、多分二人位しかしない。
ふっくら優しい、けどどこかぴちっとした太ももが枕の役割をして、頭の下にある。

「胸のサイズなら私も近いと思うんだけど……」

あ……ヒカリちゃんだったのね。


でもね、膝枕してもらっていて……こう言うのも何なんだけど。
気持ちは判るしいじる何かが欲しいのもわかるけど、爪で乳首をつつくのは反則だと思うのよ、うん。
ささやかな感触が、少しずつ『熱』を体に与えて行ってるのよ。


「そうなんだけどね……お母さんに近い、というかなんと言うか……」
「……マザコン?」
「そうかも知れない。 お母さんと最後に話したのが何時だったか、思い出せない位
 僕の中では過去の話になっちゃってるから……あ」

8 名前:LHS廚:04/10/06 00:20 ID:???

まだボーっとしたままの頭を軽く振りながら上半身を起こそうとして……できなかった。
ちょうどシンジ君があたしの上に乗っているから。

「あ、どきましょうか?」
「ううん、このまま貴方の体温が感じられるほうが落ち着けるから……」

少しずつ意識がしっかりとしてきて、現状がハッキリと判ってきた。
部屋の趣味と以前アスカから聴いていたチェロがある事から、多分この部屋の持ち主はシンジ君。
この部屋にいるのはあたし、ヒカリちゃん、そしてシンジ君の三人。
つるつるとしたシーツの感じから、ベッド・メーキングされたばかりのベッドの上にいるらしい。

「えっと、みんなは?」

あたしのちょっとした発言で深紅に染まったシンジ君の変わりにヒカリちゃんが説明をしてくれる。
彼女はあたしの後頭部が彼女の乳房にあたるように調整もしてくれた。
……男じゃなくても、コレは気持ちいいものらしい。

「妹は寝かせました。 あの子はまだ、夜更かしが出来る子じゃないですから。
 ブ−たれるマリイ達は『明日、実験と輸送が終わったら集中的に』と理由と御褒美の約束をして。
 アスカはシンジの相手をしているうちに潰れちゃって」

戦自に居たころと同じ生活パターンを送らないとどうも落ち着かない、と言うマナちゃんは自主退場したと言う。
もちろん、あのブレスレットを操作してから。

でも、何でそんなことを?


「初体験は、思い出に残したい物じゃないですか」
-----------------------------------------------------------
本日はここまで。

>>6 PDX.さん。
 いろいろ小細工してみようか、とも考えましたが。
 やはり、しっくり流せる方を選びました。

9 名前:コウイに値する名無しさん:04/10/06 00:35 ID:???

>>7-8 LHS廚さん

>シンジの母の記憶

 5歳かそこらであれですしねぇ。
 私の場合……一番古い記憶は3歳くらいかなぁ。

>「初体験は、思い出に残したい物じゃないですか」

 ある意味、このメンツの中で一番イイ思いをしたヒカリの言葉ですね(笑)


10 名前:LHS廚:04/10/07 21:14 ID:???

えと、まず。
>>9 さん。

>いい想いをしたヒカリ
シンちゃんが彼女に迫った理由が理由ですから、どっこいどっこいな気も(w


ネタ補給のため、ふとシンジ補完関係の質問を。

三人娘+マヤの一人称はサツキだけあたし(ひらがな)で残りは私、と言うことにしてますが
本当のところはどうなんでしょ?
知っておられる方、答えをぷりーず。

後は……りっちゃんの外電ですが。
こうなったらおもろいかな、と言う意見が合ったらどうぞ。
結果次第で考えてみるです。

ミサトさんのほうは……正直微妙です。
-------------------------------------------------------------

ヒカリちゃんの話はあたしにとって願っても無い話だった。
けど……。


「出来れば、そばにあなたも居て欲しいの」
「え?」

そう言って部屋から出ようとした彼女をあたしは止めた。
こういう反応は創造できていなかったようで――見られるのには慣れている筈だけど――
アスカいわく『シンジ君の童貞GETの猛者』は目に見えて判るほど混乱していた。

「あ、あの、それってサツキさんの初体験をを見ちゃうって事に」
「見て欲しい……まぁ、覗きとか見られて感じちゃう、って話じゃなくて」

あたしは。
自分が誰にも知られずに消えてしまうんじゃないか、と思う事がたまにある。
たまに感じるこの理由なき不安を解消したい、と言うのがNERVに参加した理由だ。

11 名前:PDX.:04/10/08 13:24 ID:???

>>10 LHS廚さん
 すみません、>>9 は私でした(^_^;

 シンジの場合、ヒカリとの初体験のことを思い出すたびにアスカにフられた
(と誤解した)ときのことを思い出してセンチになってしまったりするのだろおかw

>アスカいわく『シンジ君の童貞GETの猛者』

 根に持ってるなぁ、アスカw 

12 名前:LHS廚:04/10/09 19:44 ID:d1hEvGuI

更新のため上げまつ。

>ねた。
正直ほぼまっさらの状態ですからな、四人組。
マヤが辛うじて『先輩好きなレズ?』と『紅怪獣着ぐるみ』と言う二大ネタで存在感を
出してる感じですから。
バックボーンとなるネタは幾らでもほしい所なのです。
(なにせ、着ぐるみのほうはss発生のネタでオフィシャルちゃうし)

さて、『彼女の仕込み』を、っと。
-----------------------------------------------------------
最初の頃は大した興味なんて無かった。
毎日行う、ただの終業作業だったのだから。

「ん?」

MAGIの内部監視ログにアタックの可能性として提示されたデータ。
監視の網に引き上げられた理由は3つ。

一つ目は『ここ数日、それも深夜に……以前の実に50倍のリクエストがかかる様になった事』。
二つ目は『アクセスリクエストを出しているのが文字通りチルドレンの監視記録関係である事』。
三つ目は『リクエストしているのが全員女子職員……自宅に端末が無いレイの名前まであった事』。

「何よこれ……まさか、加持君?!」

ミサトの話として、加持君がマヤを口説いていた事があると言っていた。
確か、キスをして君の口をふさぐ……だったか、口説きの台詞は。
ただ、そう考えたとしても妙だ。

「いくら加持君でもシンジ君に興味を持ち出したレイを口説き落とすのは無理だし、
 何より、この数を落として回るのは無理……。 おとりなのかしら」

アクセスしているのは全員が一見じゃない。
記録を信じれば、使われていないサーバーをファイルサーバにして監視映像のコピーを
命令している猛者までいる。
加持君を始めとするスパイなら、一回でそのアカウントを使い切り、捨てるはず。
一寸したミスをきっちりツケとして取り立てるMAGIが相手なのだから。

13 名前:LHS廚:04/10/09 20:12 ID:???

あ、ここは変えた方が。

アクセスしているのは全員が一見じゃない。

アクセスした人物の殆ど全員が一見で終っていない。

14 名前:PDX.:04/10/09 20:17 ID:???

>>12 LHS廚さん

 マヤさんについては本編でのイメージが使えますが、オペレータ三人娘も併せての登板となると
たしかにシンジ育成計画に準拠したほうがキャラが立つかもしれませんね。

>だれかさん(笑)

 オペレーターズが、本来なら隠蔽できるであろうアクセス記録を敢えて残して彼女を誘おうとして
いるんでしょうかね?(笑)


15 名前:LHS廚:04/10/09 21:11 ID:???

あう。

〜アクセスリクエストを出しているのが〜

〜アクセスリクエストを出されている先が〜

へ変更お願いします。
--------------------------------------------------------

かなり後になって判ったことだが……ちょうどその頃。
この異様なスピードで広がる『友達の輪』の端っこにいつに無く貪欲に喰らいつきながら
成長し始めた欲望の赴くまま『知りたいこと』を入手する為に。
少女が一人、本部内にあてがわれた部屋の端末の前で格闘していたらしい。

『なるほど……男性器はそうやって口に咥えても喜んでくれるのね……』

アクセス痕跡を隠す努力すら忘れた蒼銀の少女。
このいじましい(?)努力が無ければ、私がこの輪の中に加わる理由は出来なかったはずだ。

---------------------------------------------

「何よ、これ……」

目の前の映像は、音声つきの、リアルタイム送信の。
カスパー主任オペレータ・大井サツキの処女喪失現場だった。

----------------------------------------------------------
本日はここまで。
そしてしっかり覗きネタで締める私。


>>14 PDX.さん。

>犯人(笑。
答えは芋づる式、と言うものでした(w。

16 名前:コウイに値する名無しさん:04/10/10 09:03 ID:???

>>10 LHS廚さん
 一人称について、『全員「私」』というおこたえがエヴァ板のシンジ育成スレに
書かれていました。


>>15 LHS廚さん

>異様なスピードで広がる『友達の輪』

(笑)

>アクセス痕跡を隠す努力すら忘れた蒼銀の少女

 こいつですか(^_^;
 特に狙っての「お誘い」ではなかったんですね。




17 名前:PDX.:04/10/10 18:07 ID:???

 またやった orz

>>16 は私です。

18 名前:LHS廚:04/10/10 19:03 ID:???


>某博士編。

うーむ。
某スレの反応を見てしまうと外伝で済ませたくなくなるぅ。

>某作戦主任。

無精髭氏をあぼんせずにいれる方法……。
べたに『酔った結果、あら勘違い』させてみますかねぇ……。

『上の女史編』込みでネタぷりーず。
――――――――――――――――

「いや……痛いよぅ……」

ついさっきまでの表情はあっさりと消え、彼女は僕の上に跨って。
うっすらと涙を浮かべている彼女をヒカリが抱きしめて慰めている。

「こんなに、痛み、あるのぉ」
「大丈夫ですよサツキさん。 痛みはすぐに慣れてしまいますから」

痛みのせいか、まるで年齢の上下が逆転したかのような二人。
その表情を覚えるのが義務と感じた僕は、掬い取るように裏返して、背中越しに
彼女の唇を奪う。

「ひぅ……」

痛みを紛らわせるためか、彼女の唇から伸びる舌が全力で僕のそれを追いかけてくる。
時たまサツキさんの唇からこぼれる二人分の滴はヒカリの口の中へ。

「大丈夫ですよ、シンジがすぐに気持ちよくしてくれますから……」

情欲からくる物ではない、年上の後輩を悦楽へと導く『先輩』の抱擁。
その一方で、背後から体の全てを情欲で埋め尽くそうとしている僕の抱擁。

痛みにゆがんでいた筈の顔は痛みの中から浮かび上がってきた気持ち良さと、
――少し位は自惚れていいと思う――好意を持った相手である僕に抱かれているという気持ちが。

確実に、一人の大人を『本物の女』に換えていく。



19 名前:LHS廚:04/10/12 22:23 ID:???


>某すれ:957氏。
>髭男・あぼん。

ハイ。 取り合えず、私もする気ないです。

>ミサト編のあいであ。

ふむふむ。
リツコ編を先にしたい以上、そのネタを貰って考えてみるです。

で。
ネタ欲しさにEVA板のりっちゃんスレをひとつ覗き。
そーいえば『赤ワイン』があったな、と。
(あの方の『before dark』は好きやったなぁ……)

髭の彼女やった、と
というわけで『リツコ嬢参入編』、大まかに固まって来たです。

=======================================


浮いた情はどこさで育つ?
胸の中か、頭脳(あたま)の中か?
どうして生まれた、なに食て肥えた?

さぁてお答え、お答えは。


シェイクスピア作『ヴェニスの商人』第三幕中の歌より


―――――――――――――――――――


「あ、御免なさい、ちょっと、一寸だけ休ませて……」

肌の温もりと、今までの皆と違う、艶やかな反応。
二人の――文字通り二倍――の年齢差を最も象徴する身長の差。
どっちかと言うと小柄なヒカリの顔は、彼女に負けず劣らずな大きさを誇る
サツキさんの乳房の谷間に埋もれて、僕たちは少しまどろんだ。


20 名前:PDX.:04/10/13 01:00 ID:???

>>18-19 LHS廚さん

>先輩ヒカリん

 余裕の態度ですねw
 嫉妬も多少はしているんでしょうけど、その上でシンジと自分の関係を
肯定しているというか。

>僕たちは少しまどろんだ。

 自分をいいように抱きまくった少年にこういう態度とられると、サツキさん
としても複雑かもw



21 名前:LHS廚:04/10/13 02:02 ID:???

一寸言葉使い間違えたかも。

僕たちは少しまどろんだ。

僕たちは少し休憩することにした。
に修正してください。

―――――――

>>20PDX.さん。

>余裕の態度。
まぁ、一応先輩ですし。

>複雑なサツキ嬢。
上記を参照、ということで。

22 名前:LHS廚:04/10/20 22:18 ID:???

ネタ仕込み、ねた仕込み。

---------------------------------------------

みんなに誤解されている事だけど、私は別にレズビアンじゃない。
ただ、他の人達と明らかに感覚が違うと思えるのは
『恋愛の相手を選ぶ基準として、SEXの相性も重要と考えている』と言う事だけ。


だからレズと言われる位なら、エピキュリアン(享楽主義者)と言われた方が良い。
まぁ、皆のウワサを否定する気は特に無かったりする。
先輩とそうなってみたいとは思うし、過去女性と付き合った事が数回、確かに有るから。

でも、それ以外はたいした違いは無い筈。
こんな時に答えを詰まらせるのも……ねぇ。

――――――――――――――――――――――――――――――――

幾つかの書類整理を済ませたかった私は、結局11時まで掛かってしまって。
同僚たちも、調理担当のおばちゃん達もいない食堂でぽつんと一人
夕食を持ち込んだ本を片手にひっそりと食べていた。

「寂しいわね、一人で食べるのって………サツキ、彼のご飯を……」

この数日で出来上がってしまった、特に実体験までしっかりと見てしまった私はすっかり
虜にされてしまっている。
いくら『体』しか興味が無いとはいえ、その……。

「まぁ、サツキって純情らしいから一緒に戴かれて………」

がたん!

「ひっ?!」

誰も居ない筈の、それも調理場から聞こえた大音は私の心を一気に冷やしてくれた。
読んでいたのが『怪談百物語』だったせいもあって、もうしっかりと。

23 名前:PDX.:04/10/22 12:31 ID:???

>>22 LHS廚さん

>みんなに誤解されている事だけど
>エピキュリアン(享楽主義者)と言われた方が良い。

 こういうマヤさん像は珍しいかも。
 あの「不潔」って台詞とつながらないかもしれませんが、職務を放棄して
あんなことをしていた二人に対するコメントと解釈すればよいでしょうかね?
 ま、誤解とはいえ(笑)



24 名前:LHS廚:04/10/23 19:40 ID:???


誰もが想像しそうな、世に言う『幽霊ネタ』は本部内にはまったく無い。

某先輩が猫憑きだとか、バッカスの化身が一人いる、とかのお笑いネタならあるけど、
人の生死を賭け、使徒……天使の名を冠したあの生物と戦う私達は、
まぁ……毎日が『ホラーを科学で解析』する毎日であり。

正直な話、幽霊話を作ってるよりも、そっちのほうが怖かったりするのだ。


勿論、今回の話の正体も『枯れ尾花』だったりするわけ……だったんだけどね。


---------------------------------------------------------------------------------


内心の恐怖を必死に抑えて明かりを付け、モップの柄片手に飛び込んだ私を待っていたのは

「あ、伊吹二尉」

まぁ、当たり前というか……可愛い「枯れ尾花」だった。
夕食を食べなかったせいで空腹に耐え切れなくなったのと、何やら『伝統』のものを
食べ物と『一緒に』手に入れたくて、ここまで探しに来たらしい。
彼女なりの根性なのか、微妙に引きつった顔でちびちびとカツサンドを食べつつさがす
レイちゃんの手伝いをする、んだけど。


「『伝統のもの』? ここに有ったかしらそんなものって」


伝統、最近のレイちゃん、本部内に広がるピンクな「友達の輪」。
言っててすぐに思い当たるものがあった。
彼女が今最も興味を持ち、こういう所で拾える「伝統のもの」っていったら……。

「もしかして、レイちゃんが探しているのって」
「すりこぎ、大根、茄子、人参……」

誰が教えたのだろう……?



今日の思わぬ収穫。
かなり正確な、彼の「サイズ」。
人外とか言う程じゃなかったけど、想像よりも大きかった。
楽しみ。


25 名前:LHS廚:04/10/27 00:02 ID:???


「あー! 私がまだ食べてないのにぃ!」

食堂で用意された中華や和食の出前に混じっても十分目立つ、
私の為に作ってくれたシンジ君とヒカリちゃんの好意がつまった『お弁当』。

「アオイ、飲み物の手配ご苦労♪」
「ちょっと塩味がきつい気もするけど、男の料理としては十分いけるわ」

主任達を呼びに行くついでに、コーヒーなどの飲み物を食堂に取りに行かされた
私を待っていたのは……同僚たちの手にかかり、変わり果てたその惨状だった。
薄紫のお弁当箱の中身は箸という名のくちばしでもう。
ぐりぐりと。


「とても美味しいという訳じゃないけど、十分いけますね」
「葛城さんが直帰するようになるはずだわ。家庭の味、としては十分だもの」
「病気なんかした時にさ、『アオイ、朝ご飯が炊けたよ』なんて言ってくれたりしたらさ」
「「良いなぁ………サツキも、葛城さんも」」

私は皆にお茶をついであげながら「なんで朝ごはん?」と聞く。
昔、朝ごはんをちゃんと炊ける男は亭主の鑑と褒め称えられたらしい。
「朝ご飯が出来たよ」と私を起こし、美味しいご飯を食べさせた後会社に向かうシンジ君。
でも時々失敗して。
黒焦げな目玉焼きが出来ていたりして。

『たまには失敗もあるわよ』って慰めて………。

「おーい」
「帰ってこーい」

夜食のお供と化した彼のお弁当はごらんの通り好評で、一寸だけ優越感にひたれた。

――――――――――――――――――――――――――――――――

「そういえばアオイ、主任は? 一緒にどうですかって誘いに行ったんでしょ?」
「一寸調子が悪いみたいで『後で食べる』って。 カエデ……葛城さんは?」
「さっき一度だけ来たんだけど……なんか目が血走ってた」
「また加持さんね……ホント、あのウワサみんな信じちゃうわよ、本当に……」



26 名前:LHS廚:04/10/28 22:31 ID:YyORTE2c


某すれ>>22 さん。

増強版はとりあえず考えていますが、前止まったままの連載が二つも
詰まっていますのでかなり後になるかと。

ちなみに、過去の総集編(?)は『涙腺』に保管して頂いてます。
番号で言うと

200、218、219、220、227

となって、新掲示板に綱がっています。

あと、

>纏まってるのが読みたい。

当初より人数が増えまくって(!)ネタだけでもてんてこ舞いなので……。
すいませんです。

27 名前:PDX.:04/10/29 09:14 ID:???

>>24-25 LHS廚さん

>レイ

 天然ですねぇw

>弁当の末路

 悲惨だ、悲惨すぎるw



28 名前:LHS廚:04/11/05 02:15 ID:???

>某所、はろうぃんねた。

いたみを堪えて書けばよかったな……。


-------------------------------------

あたしが加持の馬鹿と別れたのは。
リツコと浮気したからだ。
酔ったせいだと判っていても。

アイツ自身の酔った頭の中ではあたしを抱いている事になっていても。

赦せなかった。
あたしだけのアイツじゃなくなったから。
……父さんのような絶対の繋がりが無い以上、アイツとの繋がりは
絶対に信じられる物じゃなければならなかったのに。
それをアイツは軽率な行動で壊したのだから。

もちろん、別れた後は後悔した。

-------------------------------------------------------------

何度か告白もされたし、つき合ってもみた。

長続きしなかったのはアイツとの『恋』がまだ終わっていなかった……
そのせいだと気付くのに、時間は掛からなかった。

時間は流れて。


久々に会ったアイツは演技がそこかしこに感じられたりしたけど、あたしの記憶のままだった。

あたしの前でリツコに抱きついて

『悲しい恋をしているね』

なんて言って嫉妬を誘ったりする部分が増えたりもしていた。

けど、あたし以外には一線を引いてくれていた。

そして、あの結婚式の日。

『アスカとけじめをつけて来た』と言ってくれた。

だから少しだけ、信じてみよう、と思った。



友達以上からもう一度始めてみよう、って思ったのに。
それなのに。


アイツはまた、リツコに手を出していた。


29 名前:LHS廚:04/11/06 22:37 ID:???

ミサト編の取っ掛かり(聞き違いによる勘違い)を作ってみたものの。
まだ迷ってます。
ネタどーしよ……。

それに。
書く(ハーレムに入れると)として。
……時系列は何時にしましょうかねぇ……?


追伸。
そういえば。
こういんマンさんは何処へ……


――――――――――――――――――――――――

ディスプレイの中で起こっている光景を見ながら。
片耳だけの安いイヤホンから聞こえる嬌声に自分の声を重ねて。

『あの人』との交わりではたどり着けなかった所へと昇りつめた時。


『……っジくぅん!!』

がたん!!

『だれ!?』






それから数分。


「もしかして、みら、れたの……?」

呆然として。
自分の痴態……を見直して。
思いっきり嫌悪感に打ちのめされる。

――自慰をよりによって見られた、誰だか判らなかったけど、たぶん確実に――
――それも、司令ではなくシンジ君に抱かれている所を想像していた私を――


今日は、とても無様な気がする。
偶然見てしまったもの。
いびつでも、本人達しか判らないものでも、確かにあった一つの『想い』の形。
私はそれを否定することだけは、絶対に出来ない。

そして、羨ましいと、『愛』がほしくてこんな事をしてしまう自分も。

『あの人』は一度として私を抱いていない。
『心』と言う意味もあるけど、『女性としても』抱かれていないのよ。
(この点、加持君に抱かれたと信じている、親友の誤解はいまだ解けてない)


つまり、唇とアナルは何度も使われているのに……私はいまだ処女。
穢れた処女なのよ、私は。


今の自分を思い出す度に、自分が惨めに思えて。
涙を流せず、私は慟哭していた。

30 名前:PDX.:04/11/07 22:52 ID:???

>>29 LHS廚さん

 リツコさんが「アナル開発済み処女」ですか(^_^;
 本編でのマヤとの会話を考えると淫靡ですなぁ。



31 名前:LHS廚:04/11/22 19:33 ID:kJU20qzo

ようやくPCの不調がそれなりに収まりましたので。
やっと更新できます。

デモミジカイ・・・・・・。

―――――――――――――――――――――――――――――――――


ベッドの上で果てしなく続いていた饗宴も三人の疲労度から限界になりつつあった。


上に乗る少女のお下げが一つ外れ、その癖が残った髪をまとわりつかせ。
彼女の下になっている女は痛みの証を少女の体に刻んで。

お互いの体に相手の汗をすり込んでいく。


数十分前からここではイヤホンを耳にはめながら
閉店後とはいえ、レストランで出されるものではない。


「悪趣味よ、そうやって覗くの」
「諜報に関わる俺たちだ。 少し位役得が無きゃな」
「『彼』が知ったら、なんと言うかしらねぇ」
「加持一尉はもう帰ったんだろ? この前セカンドを連れて来た時は驚いたが……
 彼のこのテクニックは加持一尉の伝授かねぇ?」
「それだけは無いわ。 彼、そういう事に対する神経だけはすさまじく硬いもの」


32 名前:LHS廚:04/11/29 00:51 ID:???


一寸書きたくなったシーンですので……一寸外電的。
コースケさん、イメージはこんなもので如何でしょ?


----------------------------------------


2003年6月27日



わたくしの恋人、そして三人にとっての主人がフランスから日本へ帰る朝。
同時に、これが多分……今のままの5人全員が集まれる最後の朝。
もし『次』があるとしても、少なくともユイは……私の初恋の相手は『生命の実』の中。


多分、人としてはもう、会えない。


もちろん数回ほど止めた事はある。
でも、ユイはそんな忠告程度で止まる子じゃない。
そんな彼女を好きになってしまったのだから……だから最後まで付き合ってあげる事に決めた。
インパクトが成功すれば、ずっとユイの側にいられると信じて。


ここは空港のそばにある小さい公園。
ユイとわたくし、そしてユイの『同士』にして『使い魔』と化した三人が集う最後のチャンスである
この日に記念写真を撮っておきたかったから。


ユイとわたくしのツーショットに始まって、それぞれが撮っていく。
5人全員でも撮った………でも、猫たちと四人で写るのだけはやんわりと断った。


「最後の写真ですのに……全員で写らなくてよろしいんですか、レミット様?」
「お願いだから『様』付けはやめて、メリーナさん。 わたくしも貴女達とおなじ……ユイを愛し、
 『同じ目的』を達成しようとしている仲間とは思っているけど、ユイと違って貴女達の事を
 わたくしは『ネコ』とは思っていないんですから」


それに、貴女達三人と違って、わたくしは彼女と対等に付き合ってるんだから。
ずっとそう思っているのも事実……だからこそ、彼女たち三人と写りたくなかった。
流石にその事は、伝えなかったけど。



「それじゃ、レミット……お願いね?」

恋人の声に答えて。
ユイと三人のネコが位置についたのを改めて確認し、わたくしはシャッターを切ったの。



33 名前:コースケ:04/11/29 20:35 ID:???

リミット……もといレミット嬢ってマリィの母親ですか?

子供は居ないようだから全員二十歳そこそこって感じがしますね

34 名前:LHS廚:04/12/11 23:54 ID:???

書いては消し書いては消ししてます。
もう少しお待ちを。

>>33 コースケさん。

はいです。

ヒカリ達の母がメリーナ(何故か『メリーヌ』と書き間違えてしまうのですが)。
マユミの母がカズミ……で、彼女の母親がレミットです。



35 名前:LHS廚:04/12/15 01:33 ID:nsA2a2Jg

そういえば。
使徒戦はどう処理すんべぇ……。


----------------------------------

様々な体液のにおいがこもった部屋を出たとき。
簡単に言えば、あたしはボロボロだった。

何度も叫んだせいだろうか、喉がいがらっぽくて、ヒリヒリして。
一度だけ、二人で飲んだシンジ君のあれが、何処かに残ってる気もする。
……嫌じゃ、ないけど。


思い出してしまった自分が恥ずかしくて、下を向けば体中にいくつもの痣。
完全に『彼の』形を残した……体のあちこちに痣……キスマークができていて。
何時も開かない方向に開いたりしたせいか、節々が妙に痛くて。

重く、鈍く、汗のせいで内股全体に広がってしまった純潔の証が見えて。
思い出していく。



『ひた、だめ……』
『本当にいやなら、やめますよ?』
『だめ?!』
『どっちなんですか、サツキさん。 次は私の番……』

『だって、ようやく、どうやったら気持ちよく慣れるか判ってきた気がするんだもの。 痛み、感じなくなってきたんだもの。
 もう少しで、気持ちよさだけに……だから、もう少し、がんばるから……』




耳の内側で血管が血液を流していってるのが判る。
流れにあわせて体温と雰囲気をを盛り上げてしまって行く自分が。
今日の仕事を無視して彼に突貫してしまいそうになるほど、溺れようとしている気持ちが怖くて、でも嬉しくて。

……でも。
私は大人なんだから、と煩悩を振り払おうとした時。

リビングの窓越しに、微かにアスカとマリイさんの背中が見えた。

36 名前:PDX.:04/12/20 16:20 ID:???

>>32,35 LHS廚さん

>レミット
 ママさんズの中でも微妙に立ち位置の違いがあるわけですな。
 その意識の違いは、子供たちに受け継がれたのかどうか。

>使徒戦
 軽くスルーというか、本編と変わらない部分は飛ばしてもいいんじゃ
ないでしょうかね?
 子供たちの人物関係に大きく影響しそうなものは、変えた部分だけ
言及するとか。



37 名前:LHS廚:05/01/05 17:46 ID:CN1b54Xs

>本擦れの方へ。

えと。

大奥は基本として『世継ぎ』を作る場所であり、ハレム的な事は確かにまず
できませんな。

なにせ、精が付きそうな食事が取れない生活をしていた方ですんで。
(親戚の忌日があまりにも多く、精進として魚介類が取れなかったせい。
 肉はそもそも駄目だし、魚があっても健康の為にと徹底的に脂抜きされた
 おからみたいな物。 おまけに城の中を長く移動する為、冷め切っていた)


>Hを見る女性たち。

当初はいなかったそうです。
ただ、寝物語(?)の際に土地が欲しいわ♪と要求した人が。
それもかなりの広さだったため、取り消すのに四苦八苦したらしいのです。
で、以降そういう事が無い様に、との判断から生まれたもののようです。
(その夜あったことを一字一句、漏らさず報告せねばならなかったとか)


ちなみに、尼さんが一人、大奥から一人がすぐ隣で待機。
隣の部屋では武士が数人、呼び出しに答えるために寝ずの番をしてました。

38 名前:FOX:05/01/05 22:29 ID:???

>>LHS廚さま

>親戚の忌日があまりにも多く

 徳川幕府って300年近く続いたわけですから、それを考えるとほぼ幕末では毎日が忌日ってことになるような……。
 食べ物のことといい、将軍さまって囚人とあまり変わらない生活だったんですねぇ。

 勉強になりますー。

39 名前:LHS廚:05/01/10 01:51 ID:cKBM5XT+

>>38 FOXさん。

>病的な管理。
将軍様たちの平均寿命は約48〜49との事。
お風呂で体を自分で洗うことすら出来なかったようですから、本当に神様のような扱いなのです。


さてさて。

今年初の更新です。
--------------------

その日。
洞木ノゾミは注目を集めていた。

ただそれだけなら彼女の日常においてたいして変わらないことではある。

違う色の髪や瞳に対する興味。
未熟とはいえ異性に『興味』を持ち始めた男子の視線を集める者への女子達が抱く嫉妬。

様々な理由があるにせよ視線の先には彼女がいた。
明らかに目立つその姿……だからこそ、苛めの対象になっていたのだから。


ただ……それは子供たちのみに起こっていたことである。



第三新東京市の基本的な出来事の根幹はあくまでNERVであり、まがりなりにも国際組織の本部所在地
なのだから外国からかなりの職員がさまざまな理由でやって来ている。

勿論それぞれの生活の中、日本人と結婚する者もいるし、子供を育てるものもいた。
子供たちと違い、そう言うことに理解をもつ大人達にとって。
彼女のような存在は生まれて当たり前の者であるし、何より自分達の中にも国際結婚を果たして
子供をもうけた者もいるのだから。


それがここ数日、対象が大人……教師達にも伝染しつつあるのだ。
『注目』の意味は違えど。


女性教員たちはまだ良かった。
『恋』を知ったからおませな成長をしてるのよね、と思い込むことが出来たから。

彼女のクラスの担任はまだルージュも引かれた事の無い唇からもれた舌に艶かしさを覚え。
少女の襟元に微妙に現れていた鬱血を見つけた教頭には背徳の回春剤になった。

幼児趣味に目覚めかけた者達が蛮行に及ばなかったのは、はたして幸運なのか
それとも犯罪者になりたくなかったからなのか。

彼女本人にとって、すべてはどうでもいい事ではあったのだが。

40 名前:PDX.:05/01/10 23:53 ID:???

>>39 LHS廚さん

>ノゾミ

 注目を集めた理由というのが、他人にはとても言えた
もんぢゃねぇってところがアレですな。


41 名前:LHS廚:05/01/11 18:13 ID:???

>本スレの方々。
も少しネタをぷりーづ!
いや、『碇シンジでつ!』から延ばす予定無かったんでホントにねたが浮かばないんですよ。
……つか年末更新してなかったしなぁ……今でも読んでいてくれる人、いるのかしら。

--------------------------------------------------------------------


ベランダにて。


『お守り?』
『そうです。 折角こんなに自分を慕う女がいるんですもの。シンジさんには是非
 「こんなに愛している皆を残して死ねるか」ってピンチから立ち上がって貰いたいとは思いません?』
『何をお守りにする気よ? 前ミサトが「下の毛がお守り」なんて言ってたけどアタシは
 そんな物お守りにする気があるなら参加しないわよ! しゅ、つ、撃前のキス……でい、んだし』
『自分の物もあるとはいえ、そんな不衛生になってしまう物をプラグの、L.C.L.の中にに
 持ち込む事なんてEVAの技術者として絶対に許しませんわ!』
『防水出来る加工をすればいいじゃない。 机の上にせっせと用意してたの、それでしょ?』
『あれはそうではなくて……』


42 名前:LHS廚:05/01/11 18:14 ID:???


本部内でも一番の長さを誇る長い中央第一エスカレーター。

「あーあ、私もアスカみたいにシンジの股の間に滑り込めばよかったなぁ……」
「いいじゃない。 シンジの足に猫みたいにすり付くその姿って、マナらしくて、アタシ好きよ?」


二人の少女は下へと潜って行く。


「『お守り』、かぁ……なんか、変に恥ずかしくてたまらないね」

一人はまさに宝物を手放したくないようにしっかりと手に持って、穴が開きそう、という表現が
今の彼女を見て生まれた、といってもいい程に二枚のカードを眺める。

「まったく、横から覗き込まれたらどうするのよ。 二枚とも、ばれたらお小言ではすまないのよ?」
「アスカみたいにこそこそしながら見たくないもん」

もう一人といえば。
ここにくる途中、立ち寄った商店街で一番見栄えのするパスケースを一つ買って、その中に
「お守り」を二枚とも押し込んでいた。

他人が一人でもいるときはそ知らぬ顔をするくせに、盟友の一人と二人きりになった途端、
こっそりとパスケースを広げ、今までの彼女はなんだったのか、という笑みを漏らす。


そこには確かに、恋する乙女がいた。

43 名前:LHS廚:05/01/12 00:48 ID:???

レス&今夜最後の更新(まだ途中なんですが)

>本スレの方々。
かなり前からネタのリク在りますか、といってたのがサパーリになっちゃったので。
この部分から先で、こうしたらいい、と思うのがありましたら今でも聞きますよ。

>>40 PDX.さん。

>注目を集めた理由

書いた後、ふと。
教頭はキスマークと気付いたのか、それとも……。


44 名前:LHS廚:05/01/12 00:49 ID:hi1aij56


『「勝ち絵」?』
『大の日本フリークだった母によると、戦国時代ののころ、日本の人達は自分の繁栄を祈るため
 和合……つまり、愛し合う男女の交わる姿を描いた紙を胸にしまって戦っていたそうなのですわ』
『胡散臭そうよ、それ。 だいたいHしてる絵を持ち歩くなんて、お守りって言うよりポルノじゃない』

『その話なら、マヤに聞いた事あるわ』

『『サツキさん?!』

『日本は農業……神様がいっぱい、何処にでも居る世界だからこその風習らしいわ。
 五穀豊穣、性は生、実りのシンボルなんですって。
 西洋は絶対的な神様が一人しか居ない世界でしょ? だからそういう事を背徳と見るんだって』

-----------------------------


私が何気なく漏らした「最近変わったと思うこと、あった?」に対する回答は
以前の彼女とははっきりと違う、ごく普通の

「私達に対する男子職員と女子職員の対応があまりにも違うわ」


ここに来るまでの男女職員の態度の違いは明確。

興味津々の女たちをいぶかしげに見つめる男性職員たち。
いたずら職員達の結束と沈黙は鉄壁の固さを誇っているようだ。

45 名前:PDX.:05/01/12 01:11 ID:???

>>41-44 LHS廚さん

>お守り

 なんてものを(笑)
 マジで、誰かに見られたらアウトですな。
 まぁ、新たな子猫候補に見られるぶんにはいいのかもしれませぬがw

>教頭はキスマークと気付いたのか、それとも……。

「あぁ蚊に刺されたんですな。
 セカンドインパクト以降マラリアも流行っていますから気をつけないと」
……だとエロくなかったり(笑)

>男女職員の態度の違い

 公然の秘密状態ですか(^_^;


46 名前:LHS廚:05/01/19 01:38 ID:???

下がりすぎな気がするので上げさせてください。
ついでにちょいと>>44の訂正&追加。

ののころ、日本の人達は自分の繁栄を祈るため

の頃、日本の武士階級の方々は自分の繁栄を祈るため

----------------------

>>45 PDX.さん
>なんてものを。

愛ゆえに、という事でしょう。


47 名前:LHS廚:05/01/22 19:25 ID:X30aXTSw

あら? 挙がっていなかったのでつな。

さてさて。
>棒すれ・harem.jpgの作者・515(?)氏へ。
以前宣言した通り、このCGを基本として今書いてるのですが
アドをこっちのスレに直リンしていいでしょうか。

……ちなみに。
持っている方には一応。
マヤ&ミサト → ノゾミ&サツキ
リツコ    → マリイ
と変更していると思って下さいまし。
(つまり現時点ではレイの部分が空席です)


48 名前:LHS廚:05/01/23 00:19 ID:???


『お守りを作る為に一寸だけ……私や妹の……そう言うシーンを撮るって……』
『な、な、なんて提案をするんです?! こ、このあねたちはっ!!』

『いいじゃない。 シンジのお守りになるんだし、ちゃんとノゾミちゃんの分も作るわよ……ねぇ、マリイ』
『大人の私としては流石に、ノゾミちゃんのペア写真だけは素っ裸になって欲しくは無いんだけど……』


『シンジさんやマユミさんを見てよ! 真っ白になっちゃってるじゃない!!』
『はい、確かに強烈すぎます……マナさんは、驚かないんですか?』
『戦自にいた頃、問答無用で素っ裸にされた経験、結構あるから』


『もしかして……お嫌、ですの?』

『あ、いや、嫌とか、じゃな、いんだけど、その……レイは? 彼女は今、ジオ』
『はい、ですから、今日はレイさん抜きで取り敢えず試作品を作ってみる、と言う事で。
 レイさんには後でもう一枚、彼女好みのお守りじゃない写真を提供する、という事で話がついてますわ』
『え?! もう話がついてるんだ……ってノゾミは嫌って言ってるけど?』
『ボ、ボクは……そりゃ、嫌、って言うわけじゃ……』


『彼女の不安は多分、学校に持って行ってバレたら、とかそう言う事だと思うんだけど、違う?』
『流石に、彼女は特にバレるのはまずい事なので全体写真はヒカリさんに預かってもらう事にしましょう。
 それと、ペア写真のほうは服を着て頂きます。
 破廉恥、とか言う意味を超えてしまいますから。 でも、見えない所は基本的に何もつけず、と言う事で』
『え?』
『つまり……性器だけはこっそり触れ合った状態にして撮る、という意味ですわ』


49 名前:LHS廚:05/01/27 18:47 ID:???

>>cg
以前のスレが覗ければそこを指定してしまうのですが、覗くの不可らしいので。
独断で乗せてしまう事にします……大丈夫かな。

ttp://www.mirai.ne.jp/~unamu/eva/harem.jpg
(作者の方、不可なら言ってください。 消しますので)


50 名前:コウイに値する名無しさん:05/01/28 12:04 ID:???

ネ、ネコミミ!?と思ったらヘッドセットでしたかhahahaha

51 名前:LHS廚@大混乱中。:05/01/28 23:40 ID:EiDYhbbc

いきなりのレスの嵐に………びびった。
『無断リンクなんてやったらあかんかったか?』とマジで。


レスまとめてしまいまつ。
>ハーレム全般すれ。
>フタナな明日香様ハーレム。

『アスカ〜』、執筆再開しました。
ただ、現時点において執筆の主体はまだこちらなので暫くかかるとおもいまつ。
(作風変わってるんじゃないかな、と心配しつつ書いてます)

>絵師の方。
掲載の許可、感謝です。
新しい作品も中々。
……リツコ編に入ったら、絵のシチュを使わせていただくかも、です。

52 名前:LHS廚:05/01/30 21:54 ID:tZxL7uSo

俺達が通うこの学校にはひとつだけ不満な点がある。
男子は屋外でサッカーや野球、陸上等をやらせていれば良い、と思ってるフシがある事だ。
女子が水泳をやってる今日のような日は特に。

プールサイドにきゃいきゃいと並ぶ女子達を眺めながら、今日も無駄話。
そう言えば、あの日も校舎の影に体育座りしながら話していたっけか。


「そう言えば、こんな時やったかなぁ……ワイらがセンセに」
「えーと、トウジ達が『綾波の胸、ふくらはぎ』……ってのしかかって来た時のこと?」
「そうさ、あの時はこんな短時間で委員長の胸が膨らむとは思わなかったし、綾波の表情が
 豊かになる、とも考えなかったもんなぁ……。 ところでさ、シンジ」

ん? と何も判っていなさそうな反応を返すシンジに一気に止めを刺す。
少なくともお前、委員長とはやった経験あるよな、と。



53 名前:LHS廚:05/01/30 21:54 ID:???

「!!?!」

いや、本当にわかり易い反応をしてくれるよ、シンジって。
目が点になって真っ青になって、周囲をきょろきょろと見回して、俺達二人以外が聞いていない事に
思いっきりほっとしていたり。

「……病室での彼女の態度、忘れたのか? あの堅物をミサトさんまで惚けさせる『女』にして。
 言いたくないけど俺達、あれからしばらくまともに歩けなかったんだぞ?
 キスしていただけでした、なんてのも無しにしろよ? 信じられるわけ無いんだぜ?」
「せやせや……誰にも言わんから……な?」

「あ……いや、その……。 キス、されていただけなんですけど……。 本当に」

誰が信じるか、と顔全体で表したトウジと攻めに攻めまくって答えを手に入れてやろうとした時。
シンジに聞こえろ、と言わんばかりの声が飛んできた。


「おい、見ろよ。 綾波と洞木だぜ」
「うわ、委員長の胸見ろよ。 あの谷間に『挟んで』みたくね?」
「いいなぁ、碇の奴。 何人か……せめて山岸位くれないかな……」
「大丈夫だって! 惣流や綾波、マリイはしゃーないとしても、他はそろそろ碇に飽きてくる頃だって」
「そうすりゃ俺達にも……」

その話声を聞いた瞬間のシンジの顔だけは、今でも忘れられない。
自信がある、と言う顔ではないのに。

彼女たちが自分から離れる事など、そんな事がおきる筈が無い……という確信に満ちていた。


その顔を見たこの時初めて。

委員長だけではなく、綾波も惣流も霧島も山岸もマリイもみんな既にシンジの物なのだと直感し。
俺達は、まさに『ハーレムの王』としてのシンジを見た気がする。

54 名前:PDX.:05/02/01 00:09 ID:???

>>52-53 LHS廚さん

 おや、いきなり場面が変わりましたな。
 トウジ&ケンスケはシンジ相手にどんな思いを抱くのやら。
 単なるやっかみか、それとも嫉妬からくる醜い感情に発展するのか。ちょっち心配。


55 名前:引き気味:05/02/01 22:49 ID:???

アトリエかぐやは寝取られ路線や痴漢ネタと黒エロ路線でのイメージが強かったのですが、今度の新作はガチでハーレムなんですねぇ。
リンクで紹介されていたCGとか見ますと、トロンと魅了されて正気を失った体の瞳がなかなかよさげです。
逆にとことん責められて放心した場合の目でもそうなんですが、ああいったハイライトの入ってない(?)目に、真っ当ではないエロティシズムを感じるところです(w

56 名前:LHS廚:05/02/08 00:24 ID:???


汁スレの人に召喚され、登場。
……済みません、簡単なレスで。


>旧世紀。
まあ、色々揉めましたが、ヒカシンが有るので取りあえず満足です。
愛情ではなく生き残るために、という……とことん打算な点がLHSスキーの私としては、
微妙に引っかかってしまってますが。
(マナ、マユミまでしか入れてくれない人、多いので)


>天皇陛下。

EVA=だいだらぼっち、と言う設定は意表を衝かれました。
それ以外は……コメントしにくいです。


ちなみに。
>30は年増。

江戸の芸能界たる吉原でいえば確か……。
15〜16が旬で19〜22あたりで中年増と呼ばれ大御所あつかい、24あたりで引退、でしたか?


57 名前:LHS廚:05/02/08 23:14 ID:???


階級が不明なので。
三人娘も二尉に固定してます。

-----------------------------------------------------------------


第一発令所。

「天候?」
「いいのかな、この天候、ってさ」

マコトの端末からウィンドウが一つコールされて開く。

微妙な北風に乗り、積乱雲が一つ松代の方へ向かっているらしい。
確か、松代の変電施設のユニットは、ヤシマ作戦の際に使われたものが幾つか流用されたと聞いている。

「俺さ、心配なんだ。 だって前回の使徒はいよいよ冗談めいた世界に入っていってるし、
 その前の使徒はあっさり本部に侵入しているわけだし……」
「まぁ、な。  そう言えば聞いたか? 昨日の昼に葛城三佐、『委員会』のテレビ会議に招聘されたらしい。
 色々言われたんだろうなぁ………最上二尉の話じゃ昨日、かなり血走った目をしていたらしいからなぁ……」
「そ、そうなのか……」


やっぱりと言うか、当然というか。 マコトの気持ちは参号機以外のものに向いてるようで。
三佐の話に加わってシンミリとしたく無かった俺は何の気も無く天気図を広げて……妙な事に気がついた。

「えっとさ。 このオレンジのラインって確か……」
「ああ、当初、参号機が送られてくる筈だった航路だな。 本来なら今日の昼に到着予定だったんだよ。
 だから航路が写って……って事は大井二尉、予定ラインを消さなかったのか。 ……で?」


予定の航路ライン上に幾つか。
まるで航路を知っているかのように積乱雲が写っている。
これじゃまるで……。

「怖い、な」

キョトンとした同僚に軽い口調で、一言。
まるで、積乱雲が待ち伏せしているような位置にいる…………。


58 名前:LHS廚:05/02/13 23:21 ID:???

時事ねた。
でもこんなの。

----------------

とある監視カメラの映像。


『副司令、これ司令にもお願いしますね』
『伊吹君なら毎日のように会ってるのだから……碇に直接渡さないのか?』
『その、本命って訳ではありませんし』
『しかし、なぜ今年はこうも多いのかね?』
『ええ?! 他にも渡した子、いるんですか?』
『あ、あぁ。 君で四人目……』
『(小声で)……外堀の埋め合いっこ、って訳ね……あ!?』

向こうに職員が一人通りかかる。
済みませんと声をかけ、マヤちゃんは彼女を追う。


----------------

別カメラが撮影している場所・第一発令所。


「一寸良い? サツキ」
「へ?」

珍しく微妙にふらふら&ガニ股な金髪美女の左手をロングヘアの職員が掴む。

「いや、『感想』聞くだけだからぁ?」
「ほ?」


ふうん、やっぱり夕凪さんも知ってたんだ、とか。
あら、そう言う桜庭さんもしっかり知ってたんじゃない、とか。
主となる言葉が完全にない、異様な発言に包まれつつ。

マヤちゃんに後押しされながら、彼女は退場して行った。


「じゃ、後宜しくぅ……ってどうすりゃ良いんだよ、俺達」


59 名前:LHS廚:05/02/15 22:10 ID:???


(これからの更新にはちょっと『痛い』と感じる表現がありえます……)

--------------------------------

それぞれがそんな日を過ごしている中。
悲劇の幕が上がる。


「そうなの? さっき流れた『メール瓦版』に書いてあった彼女の……」
「最初はさ、信じられなかったのよ。 彼には洞木さんって彼女がいるって葛城さん言ってたし、
 アスカちゃんだって最初加持さん一筋だったんだし……それにさ」
「それに?」


私の頭と耳は周りの会話に集中して、一言一句聞き漏らさない努力を続けている。
この中に、私のあの恥辱……シンジ君をおかずにしたオナニーを見た子がいるはずだ。
絶対、口止めしなくてはならない。

……シンジ君に、欲情していたなんてこと、しられてはいけないのよ。


「ショタの最上二尉ならともかく、彼女がシンジ君の虜になるって、信じられる?」
「そう言えば、ほかならぬ二尉はなんて?」

一身にその視線を浴びているアオイはポーカーフェイスを通している。

「本人に、聞いてみよ……!?」



その会話を止めたのは、背後から聞こえた…ぱしゅん、という聞きなれた空気音。
ドアの開閉音に併せて噂のハーレム構成員、チルドレン二人が入って来たから。

周りの反応を仕方なく思いつつ。
私は白衣の皺をそのままに、微妙に本来の髪が脱色した部分を押しのけ頭を河童のように彩らせたまま
二人に今日の予定を説明する為、ディスプレイ前に来させる。
私はすぐ、画面にここから第三までの簡単な地図を表示させた。


「まず、三十分後にマリイ博士による最終テストをした後、二時丁度にマユミさんによる起動。
 この実験場を出るのは二時四十五分ごろの予定。
 取りあえず強羅の防衛線上に待機所をひとつ設けているのでそこで休憩を一つ挟みます。
 その後は市街地の地下に掘られた地下道を通ります。 その際」


端末を操作して、画面上にポイントを表示させる。
一定の距離を置いて表示されるそれは、S2機関をを持たないEVAの必需品。
アンビリカル・ケーブル。

60 名前:LHS廚:05/02/16 17:51 ID:???


説明はさらに続く。

「手先の感覚を掴む訓練として地下道内でのアンビリカル・ケーブルの着脱は手動でやって貰います。
 地下道に入るまでの付け替え五回はセミオートでやっていいから、基本的な感覚を掴んでおいて。
 装甲板のおかげで、微妙に『人間』の時と感覚が違うから。 ……何か、質問は?」

「休憩中は、エントリープラグから出ていいんですか?」
「実は、休憩地点はもうひとつの訓練も兼ねていて、弐号機が待機しているわ。
 昨日聞いてるでしょうけど……D型装備を付けたまま、アスカに緊急用電池を取り付けて貰う
 訓練を兼ねているの。  まぁ、手先が不器用なアスカの事だから、時間掛かるかもしれないわ。
 取りあえず、基本として四十五分取る予定になってるから出たほうが良いかもね。
 L.C.Lの取り込みに慣れていないでしょうし……基本としては、貴女の自由よ」

「『緊急用電池』って何ですの? 本部の新装備ですか?」
「第九使徒戦直前に本部職員の一人が考え出したオリジナル装備なの。
 肩のアーマーの真後ろに簡易ソケットを用意して、直方体の電池を左右一本、合計二本接続できる。
 最初はソケットの着脱にてこずるかも知れない、と思ってるから……今回の用途は予備電源ね。
 左右で三分ずつ、計六分余裕ができます。
 ただし、これは機体内の電池と違って外部電源からの充電は出来ないタイプだって事、忘れないで。 それで、他には?」



61 名前:LHS廚:05/02/16 17:51 ID:???

その説明ついでに幾つかの話を取り決めた後……あまりにもいつも通りなこの子達の態度にふと、知りたくなったから。
聞いてみる事にした……バレンタインのことを。

-----------------------

「バレンタインデーですか? 興味が無い、と言うよりどう言う日なのか判らない、と言うのが本音ですわね」

更衣室で純白のテスト装備付きのスーツに着替えながらマリイちゃんは話す。

「元より私達はあの人に好意を告げてしまいましたし、何より受け入れて頂きましたもの。
 確か今日の『チョコレート渡し』は告白の為、なのですよね? 意味がありませんわ」
「ふうん。 じゃあ、マユミさんは?」

長い髪を薄紫のリボンでまとめながら、フォース・チルドレンはつぶやく。

「私は海外での生活が長いせいか、バレンタインデーの事も『ふうん、そんな事をやってるんだ』
 って言う程度なんですよね、実は。 私達の中でまともに今日を大事に想ってるのは
 ヒカリさん達洞木姉妹だけではないでしょうか。 後、サツキさんも」


62 名前:PDX.:05/02/16 23:11 ID:???

>>61 LHS廚さん

 バレンタインデーで盛り上がる派と盛り上がらない派で、結構温度差があるみたいですね。
 さて、当のシンジは感激するかしないか? で一悶着ありそうで期待。

63 名前:LHS廚:05/02/17 22:10 ID:y3UoZjns

ヒカリン誕生日記念(w

---------------------------------------
発令所。

「なんだこれは……って碇、それは今日と言う日が何なのか知らない、と言う意味か?
 それともユイ君以外から貰うのものはいらない、と言う意味か?」
「貰える物は貰う。それが私の流儀だからその辺には文句は無い。 疑問はこの量だ。
 なぜ今年になって 8個も渡そうという人物が出てくる? 私は一応妻帯者なのだがな」
「伊吹二尉の話によると、最近君の息子はユイ君らしさ……が出て来たらしいな。
 要するに、『愛の伝道師』と言う部分が」
「……ほかの人間などどうでも言い。 あれがレイに手を出さなければ良いのだ。
 ユイの為にもな。 シンジがセカンドや葛城三佐の言うガールフレンドに手を出して回っていても、
 あれに手を出していなければ良い。 伊吹二尉が」
「ナオコ君やリツコ君に手を出しているお前が言える台詞か? それと、一つ忠告しておく。
 最近のリツコ君は間違い無く、お前ではなく君の息子を見始めている……あの時以来」
「あの時?」
「フォースを助けた時だ。 『羨ましい』と漏らしていたぞ。 彼女はまだ必要な……電話か」

かちゃり、と音を立て、冬月は電話をとる。

「冬月だ……何!? レイがいない?! 定期健診中なのではないのか! 抜け出した!?
 今何処にいる………フィフス候補生と……シンジ君と一緒にいる、だと?!」

私は自分の自信の中核が破壊されてしまった『衝撃』に、椅子を蹴るようにして立ち上がった。

64 名前:LHS廚:05/02/17 22:19 ID:???

しまったミスった。 発令所ではないっす。
総司令執務室……で良いんでしょうかな、? あの部屋。

>>62 PDX.さん
>一悶着
悶着、って言える物なのかなぁ………。

あ、御髭様がレイの変化を知らなかった点については
『自信の固まりだったがゆえに、報告書を読む必要性を感じていなかった』と考えて下さいまし。

65 名前:LHS廚:05/02/18 21:29 ID:???



『ヒカリの言う通りだわ。 毎日ハッスルしているせいよね……こんなに眠いのは』
「気持ちはすっごーくよく判るけど勘弁して。今日はこの後マユミちゃんの参号機と一緒に
 訓練するんだから」

『ところでさ……痛くないの? 昨日はあれだけ頑張ったんだから当然……』
「今朝方から……痛み出してるの。 まぁ、痛み止めを飲んで耐えてるけど………。
 あ、アスカ、左のパイプ、注意して。 引っ掛けそう』


通路は標準装備の機体サイズに合わせてある為、耐圧装甲の厚さ等の分高くなっている上に、
視覚センサーが頭部にある丸窓一つに制限されている弐号機にはかなり辛い。
先導している車両のカメラと発令所にあるデータにしたがって、小さいパイプなんかを
引っ掛けないように誘導していく。


『ねぇ、サツキぃ』


あの時より幾分かほっそりとした白達磨が地下通路を歩く。
歩行がかなり制限されたその姿は、何人かの整備班員が「今度こそ青く塗らないか?」と
嘆願書を出そうとさせた程に、”あれ”に良く似ている巨人。
……結局、真っ白なのは変わらなかったけどね。


「? 何処か違和感とか感じるようになった?」
『レイが居なくなったって、本当?』
「シンジ君にチョコレート渡しに行ったみたいよ?」
『何で?』


飲み物を配っていたマナちゃん共々、アタシ達発の令所女性スタッフは絶句してしまう。
恋する乙女ぢゃ無いのか、君は……。

「は? もしかしてアスカ? バレンタインデー知らないの?」
『渡すと言えばカードでしょ。 ま、お菓子を一緒に渡す人もいるけどさ……ってもしかして?』
「日本では主にチョコレートに想いを込めて渡す日なのよ」


アスカは叫んだ。 悔しさを精一杯込めて。

『一寸ぉ!! 今学校にシンジと一緒にいる二人の天下じゃないよぉ!!』


66 名前:LHS廚:05/02/18 23:24 ID:???

あいや、ミスしたあるよ。

アタシ達発の令所 → あたし達発令所の

かろうじて(?)間に合った、ヒカリン誕生日記念な濡れ場。
ヒカリン一人にした方がLHS人としては良いと思うのですが、せっかくレイがいますからねぇ(w
絶対貧乏性だよ、私。

------------------------------------------------------

そのころ、二人の人間に、ほぼ同時に叫ばせた二人の片割れは。
僕の舌の上に載ったひとかけらのチョコを塗り広げるのに夢中だった。

「あは波さん………残念がってたなぁ。 今すぐにでもシンジとこうしたかった筈なのに……」

舌の裏全体を使って、少しずつ、丁寧に。
二人の唇の間から滴る唾液はホワイトチョコが混じって白く変色して……。

「碇君の、せーえき、みたい……」
「「!!」」

屋上の出入り口の屋根。 そして、給水タンクの下。
半分服が脱げ合った僕らの肌に零れ始めたその雫を、レイの舌がなめ取っていく。
舌の中央を微妙にくぼませて、僕とヒカリの混じるあったチョコレート味の唾液を貯めて行って。
一気に飲み干す。  白い喉のラインに沿って微妙に動く筋肉は、それを証明してくれる。

「……鷹音医療主任さん、なんて言ってたの?」
「『レイが女の子になって嬉しいから今日はサービスしちゃう』って、言ってた。
 明日にずらして貰ったの。 ……だから、今日は自由の身。 碇君達との絆を欲しいだけ、もらえるの」



67 名前:LHS廚:05/02/19 03:38 ID:???

>某スレの方の指摘。
>海外のバレンタインデーも、恋人に贈り物する日ですぞ
>主に男→女のイベント。

あ、あら?
寝る前に更新したら……。
気になると眠れない性質なのでさっそく調べてみました。

結果。
>カードを送る。
と言う部分はあっていたようですが。

>女性が男性と言う流れのみ&にチョコレート限定で渡すのは日本独自。
>欧米では、恋人や友達、家族などがお互いにカードと花束、お菓子などを贈ります。

ありゃ。
告白のみのイベントでは無いんですね……。
明日にでも直してしまうかも

68 名前:LHS廚:05/02/19 12:30 ID:???

と言うわけで。
早速修正・そのいち。

========================

《61:改修版》

その説明ついでに幾つかの話を取り決めた後……あまりにもいつも通りなこの子達の態度にふと、知りたくなったから。
聞いてみる事にした……バレンタインのことを。

-----------------------

「バレンタインデーですか? 興味が無い、と言うより日本人にとっての今日がどう言う日なのか判らない、と言うのが本音ですわね。
 チョコレートがあんなに重大な意味を持っているなんて、流石のにたくしも知りませんでしたわ」

更衣室で純白のテスト装備付きのスーツに着替えながらマリイちゃんは話す。

「元より私達はあの人に好意を告げてしまいましたし、何より受け入れて頂きましたもの。
 確か今日の『チョコレート渡し』は告白の為、なのですよね? 今のわたくし達には意味がありませんわ。
 わたくしは、帰った後でカードとクッキーを渡すつもりですが」
「ふうん。 じゃあ、マユミさんは?」

長い髪を薄紫のリボンでまとめながら、フォース・チルドレンはつぶやく。

「私は海外での生活が長いせいか、バレンタインデーの事も『ふうん、そんな事をやってるんだ』
 って言う程度なんですよね、実は。 だから、私達の中で一番今日を大事に想ってるのは
 ヒカリさん達洞木姉妹だけではないでしょうか。 後、サツキさんも。
 あ、もちろん私もカード渡しますよ。 バレンタインは恋人のイベントである事は変わらないんですから」


69 名前:LHS廚:05/02/19 12:50 ID:???

さて、本題の>>65改訂版。

違和感……消えましたかね?  >>某すれ735氏
==============================

『ヒカリの言う通りだわ。 毎日ハッスルしているせいよね……こんなに眠いのは』
「気持ちはすっごーくよく判るけど勘弁して。今日はこの後マユミちゃんの参号機と一緒に
 訓練するんだから」

『ところでさ……痛くないの? 昨日はあれだけ頑張ったんだから当然……』
「今朝方から……痛み出してるの。 まぁ、痛み止めを飲んで耐えてるけど………。
 あ、アスカ、左のパイプ、注意して。 引っ掛けそう』


通路は標準装備の機体サイズに合わせてある為、耐圧装甲の厚さ等の分高くなっている上に、
視覚センサーが頭部にある丸窓一つに制限されている弐号機にはかなり辛い。
先導している車両のカメラと発令所にあるデータにしたがって、小さいパイプなんかを
引っ掛けないように誘導していく。


『ねぇ、サツキぃ』


あの時より幾分かほっそりとした白達磨が地下通路を歩く。
歩行がかなり制限されたその姿は、何人かの整備班員が「今度こそ青く塗らないか?」と
嘆願書を出そうとさせた程に、”あれ”に良く似ている巨人。
……結局、真っ白なのは変わらなかったけどね。


「? 何処か違和感とか感じるようになった?」
『レイが本部から居なくなったって、本当?』
「シンジ君にチョコレート渡しに行ったみたいよ?」
『何で? ……確かに今日はバレンタインだけどさ』

飲み物を配っていたマナちゃん共々、あたし達発令所ノ女性スタッフは絶句してしまう。
恋する乙女ぢゃ無いのか、君は……。

「もしかしてアスカ? 日本でバレンタインデーがどう過ごされるか、って知らないの?」
『え? だってバレンタインデーって日頃想いを言い難い男が主体になって、大切な人へ
 感謝と愛情を込めたカードを交換する日でしょ。
 そりゃ確かに、花束やお菓子を一緒に渡す人もいるけどさ……ってもしかして微妙に違うの? 日本では』
「日本では主にチョコレートに想いを込めて渡して、女の子が自分の気持ちを『告白』する日なのよ」


アスカは叫んだ。 悔しさを精一杯込めて。

『一寸ぉ!! 今学校にシンジと一緒にいる二人の天下じゃないよぉ!!』



70 名前:PDX.:05/02/19 15:13 ID:???

>>64 LHS廚さん

 まぁ悶着といってもキャットファイトを期待しているわけではなくて、チョコ渡した派とそうでない派の睨み合いと、その間でおろおろするシンジとかその程度なんですけどね(笑)

>>63

 ゲンの字(^_^;
 

71 名前:LHS廚:05/02/21 00:45 ID:???

さいていせーい@>>68ぃ。 ⊂⌒~⊃。Д。)⊃

流石のにたくしも知りません → 流石のわたくしも知りません



>>70 PDX.さん。
>睨み合う面々。

それ位なら出来そうなので原稿修正中です。
睨み合い、と言うのとは違うと思うやり口ですが。

72 名前:LHS廚:05/02/22 23:39 ID:???

画像板・ネコメさんの「はだか2」を見て浮かんでしまいました、はい。
(下はジーパンだよあの絵は、と言う突っ込みはなしで)

----------------------------------

考えていた以上にアスカは子供っぽい所がある、と思うのよ。
さっきもそう。

本部に到着した私達は早速それぞれの仕事をはじめる為に着替え始めたんだけど、
途中、Nervの制服の下に着る事になっている緑色のシャツを前後ろ逆に着てしまった事に気付いて。

よいしょっと、と言う掛け声と共に脱いだ私に、あの仕掛けの付いた赤いスーツにもう着替えたアスカが
「まだ着替え終わっていないの?」って声を掛けに来て……目を丸くし、ついで猫の様に目を細めて。

思いっきり感動した表情で抱き付いて来た。

「あんたはヤッパリ仲間よぉー!」って叫びながら。

何の事は無い、ヒカリ、マユミ、マリイの三人(アスカ曰く、「デカパイ三姉妹」)がいるうえに
大人の魅力と相応に実った大きさのサツキさんまで入って来たせいで。
小さい自分は肩身の狭い思いをしていたらしいのよ、皆気にして無いのに。

小さいほうの皆は、ノゾミちゃんは未知数、レイは興味無し、私はは今のところ戦自での訓練によって
胸に行く筈だった栄養が筋肉に行っただけだ、って思う……って言うか思いたいし……。
ブラジャーをしていない方に突っ込みが来る、と思ったんだけど、アスカは本当に気にしていたみたい。

73 名前:LHS廚:05/02/23 21:43 ID:???

とりあえず、リツコ辺の中核はまとまりました。

--------------------------------------------------------------

「は?」
『だから、連絡を取るのよ!』
「マナちゃんが持ってる携帯で?」
『違うわ!秘匿回線しか繋げないけど、EVAにだって電話の機能はあるのよ!』

話は急展開していく。
早く結果を知りたいのは判るけど、それは流石に拙いよっ。

「一寸待って!  (小声になる)そんな事したら、シンジ君との事が判っちゃうじゃない!」
『隠すようなことはしてない』
「……ノゾミちゃんの事、忘れてる?」
『う……じゃあ、マナ、あんたがやって』

私は携帯を取り出しながら、非常に不愉快な(家に帰るまで待ってくれて無いかも知れないあの二人に対する
嫉妬みたいな物も在るんだけど)気分のまま、ダイヤルを[シンジ(携帯)]に短縮を合わせ、つなぐ。

『………はい、シ、ンジです』

やっぱり。
文句を言ってやろうとした私の声が、彼に届くことは無かった。
いきなり通信が切れ、発令所全体に警報が鳴り響いたのだ。


『松代実験場との通信が途絶! 使徒出現の可能性あり! 総員、第一種警戒態勢に移行せよ!』

74 名前:LHS廚:05/02/25 01:19 ID:???


『もし少し前のことでも予知できていれば』と思うことは誰にでもある。

でも、今回のこれはあまりにも強烈だった。

-----

『そのとき』の五分前。

私の端末の前でマリイさんが乗ったテストプラグをを見ながらマユミさんはしきりに首を捻ってる。
納得出来ない、と言うか……何か不思議だ、と言う顔をしてるのが気になった。
不安を解消してあげたかった私は、マユミちゃんに声を掛ける事にした。

「もし、不安に感じている事が有るなら言って欲しいの。 EVAが完全な状態に近づけば
 近づく程、貴女の生存率は高まるし、使徒との戦いにも勝ちやすくなるんだから」
「あ、これからの戦いが怖いとか……そう言う意味ではないんです」

彼女の顔がきょろきょろと動き、注目されていない事を確認してから済みませんと
周りに聞かれたくないのか、手を動かして秘密の話を意味する例のポーズを取る。

今日がバレンタインデーだから、彼の元へ速く帰りたいって言う話かと思っていた私は。

「赤木博士って、シンジさんの事好きなんですか?」
「……は?」

ど真ん中な直球だった。
それも、かなり予想外な所から投げられた上に、しっかり加速が付いたやつだ。


75 名前:LHS廚:05/02/25 01:20 ID:???



「赤木主任が? 何でまたそう思ったの」
「さっき、マリイさんと私、博士の三人でバレンタインの話をしたんです」

「何々? リツコがそんな話に興味を持ったの?」


で、確かここで三佐が首を突っ込んで来たのよね。
最初はさらっと流して仕事に戻ってしまおうかと思ったんだけど、二人はやけに真剣な眼差しで。
まぁ私自身もこの実験作業が終わり次第シンジ君の元に行ってみようと思っていたし、
その為にちゃんとチョコレートも手に入れていた……そんな時だったからかな。

二人の話に耳を傾けてしまったのは。

「それでですね。 私とマリイさんの二人はシンジさんに渡すのか、と博士に聞かれまして。
 『日本的な意味では渡しません、でもカードとかを渡すつもりですよ』って答えたんです。

 二人でその事を話した後、博士に聞いたんです。 『博士はどうするんですか』って。 それで」
「『シンちゃんに渡すつもり」とか言ったの、リツコ」
「……はい。 それで、司令さんや副司令さん、加持さんや日向さん達には?って聞いて見たんですが。
 『今年はシンジ君だけにするつもり』って返されてしまったんです……かなり本気の表情で」

私はこの時の主任の発言を、冗談と思い込んだ……ううん、思い込むことに決めた。


76 名前:LHS廚:05/02/26 18:43 ID:???

元ねたは『T3』って訳じゃ無いんですがね。

----------------

「そ、そういえば加持一尉は? 葛城三佐は渡されるんでしょ?」

私の隣で最上さんに話を振られた葛城さんは、ひどく渋い表情になりました。

「あんな奴、知らないわよ……折角食堂の人達の力を借りて、チョコ作ったのに……」

その直後の皆さんの態度は一寸異様でした。
かなりハッキリと声を出して作業をしていた皆さん(特に男性職員の方々)が一斉にその声を低くして
葛城さんの声を聞き出したり、その変化に気が付かなかったらしい葛城さんが
「加持だけに渡すつもりだったんだから」と言った瞬間に元に戻ったりしています。

加持さんとの間に何か不安になる事があった、そんな気がしました。



その後も、加持さんとの馴れ初め(一週間自宅に篭っていちゃイチャしていたという話)を聞いて
アオイさんが真っ赤になったり、私がうらやましいと頷くなか。
姦しく井戸端会議をしていた私達が本来行う筈だった業務は『ある博士』の手によって粛々と続けられ。

いつの間にか、その全てが終わってしまっていた。


「さて」
『興味あるお話だったので……別に文句は言いませんが、わたくしの事忘れてませんか、お三方』

は?

一瞬固まった後、私は慌てて参号機の方を向き、葛城さんがそれに倣い。
アオイさんが『ズルイ!』と呟きながら作業を始めようとして驚きました。
端末に表示されている…彼女がやるべき作業項目全てが『準備完了』の表示に変わっていたことに。


『赤木博士に「アオイさんの分の仕事をやって良い」と許可を貰いましたので……早速済ませました。
 今回はともかく、あまりそのような行動をされるとお給料に響きますわよ?』

私達が真っ赤になり、皆さんの小さい笑い声が響く中。


…………ついに、『その時』がきました。

77 名前:LHS廚:05/02/26 22:26 ID:tUjONd32

『それでは、マリイ博士による最終テスト、開始すろわよ!』

動揺を何とか抑えている、と言う感じの葛城三佐の命令に従って、わたくしの仕事が始まります。

まず、耳以外の『肉体』を連想する全ての存在を忘れ、丸い玉になった、と言うイメージを浮かべます。
そして、少し待ちます。

アナウンスが第三次接続に差し掛かった頃、物凄い勢いで『何かの意識』が接触しようとします。
わたくしはEVAの脳に有るかも知れない『魂』だと思っていますが……。
その『魂』がまるで取り込む為に、わたくしを覆い尽くそうとする瞬間、それがビクッとする感覚で止まり。
まるで、自分が絶対にやってはならないタブーに触れたように……一気に引いていきます。

『魂』はしばし躊躇したあと……今度はおずおずと接触しようとします。

わたくしは『魂』がそういう状態になったのを見計らって、最初にイメージした球体に『手のイメージ』をくっつけて。
それを、恭しく差し出すのです。

『魂』はまるで手の甲にキスをする騎士のように『手』に意思を接触させます。
意思が触れたその瞬間、シンクロはボーダーを突破。
機体は私を受け入れ、起動する。


…………筈でした。
あの落雷が起きる瞬間までは。

78 名前:PDX.:05/02/26 22:35 ID:???

>>72-77 LHS廚さん

 未知数とはいえ、ヒカリの妹であるノゾミちゃんはやはり将来有望なんでしょうかw

 しかし、リツコがどう動くか。
 あるいは、大怪我して動けないベッドの上で云々w

 そしてマリイの運命は。
 期待しとります。


79 名前:LHS廚:05/02/27 00:02 ID:???

暫らく、時間が少し前後します。 (『ネルフ、誕生』と同じ造りと思ってくださいな)


……うう、PDXさんヤッパリ勘が良いっす……。

-------------------------------------

最初に感じたのは『静電気』のようなショックでした。

たった一つだけ残していた『耳』に意識をシフトして、何か異常が察知されたのかを確認しようとした
その瞬間。

物凄い勢いで、『意識』の表面が変質していくイメージが繋がっている部分から伝わってきます。
そのイメージが体をなぞり、這って行くうちに、EVAとシンクロしているようなイメージが
体を覆い尽くしていきました……ただし、EVAがわたくしの体そのものになったような感覚でした。
マユミさんのデータに合わせてある筈なのに、それ程に、イメージはしっかりしていました。

直後。
わたくし専用のテスト・スーツ……の襟のラインに沿って存在するコード……から電気が流れるように。
明らかに『敵意』を持った『別な意思』が流れ………。

--------------------------------------


第13使徒殲滅より二日後 午前7時半。
『赤木リツコ』の病室。


「わたくしが覚えているのは、そこまでです。 次に意識が回復したのは、テストプラグから
 引っ張り出してくれた綾波さんが、わたくしを引っ叩き……起こしてくれた時点からです」

私のベッドに寄りかかって、私の手をしっかり握って眠っているシンジ君。
その頭をまるで姉のような(事実、彼女はアスカ達より1歳上の15歳だ)表情で頭を撫でているマリイさん。
汚れた私がここに居るのは、何か嫌な気がするの。
……打ちのめされるから。


「そう言えば、貴女は大丈夫なの? 三機がかりで殴られたんでしょ?」
「……怪我と言えるのは、左足を骨折しただけなんです。 取りあえず、使徒はわたくしを
 EVAのパーツの一つ、と思ったらしくて……。 精神汚染や肉体に関する汚染も無いんです。
 赤木博士のほうが……よっぽど重傷ですよ。 トップ・バストにそって……。
 ガラスが一気に裂いて行くなんて」


無意識に、マリイ博士は自分の同じ部分をなぞっていく。
それは、私の傷がどれほど酷い物なのかを物語っていた。

人としても、『女』としても。

80 名前:LHS廚@今日はここまで。:05/02/27 01:47 ID:???

三日目。

あの時、なぜそんな行動をとったのかは判らない。
ただ、マユミさんを助けたかった。
普通に考えてしまえばその通りだと思うし、事実、あの時の私はそうした。

---------------------------------

参号機のインテリア周辺に、ねずみ色の付着部膣を確認したとき。
私は第11使徒戦のときの失態を繰り返さないために、オペレータールームの真下に
用意してもらったシェルターへの退避を全員に命じた。

でも、マユミさんは、違った。
幾度と無く、生きる為の訓練を受けた私達と違って彼女はそう言う意味での臨機応変な行動を取るには
まだ心が追いついて……要するに、『慣れて』なかった。

私は目の前で、あのときの私のように動けなくなった彼女の頭を両手でガードしながら
すぐ後ろの最上二尉のシートへ向かって走った。
18番のハッチがあるから。

そのままマユミさんを押し込め、責任者として部屋に誰も居ないか確かめるため少し頭を上げた時。
『三度目の正直』は強化ガラスを壊し、その破片の一つに私の肌を切り裂かせた。

私はショックで気を失い、18番ハッチの中へと崩れ落ちた。


―― 胸の傷・全治およそ1ヵ月。 崩れ落ちた時にハッチの金具で頭を怪我・全治2週間。 ――

それが、私の今の病状。

81 名前:LHS廚:05/03/01 02:51 ID:???

寝た(ヒント)探しと意欲アップのためハーレム物(但しLRASは含まず)を探す。

『SHINJI is GOD?』
そう言えば、これが書き始められた頃LHS成分欲しさに『ヒカリン入れて』ってBBSに書いて
作者さんにトウジのもんやから駄目、って一蹴されたな、確か。

『〜 You & I 〜』
人数的にはここと同じ位……。ナオコさん出した上にショタの因子を就ける……私は出せません。

『モニターのこちら側 Genesis 3』
裏物でミサト×アスカ×シンジが有ったのには驚き。

『夢オチLHS』
やっぱ良いのう。
以前掲載されていた某所BBSのヒット記念SSなネタ書いて下さらんものか……。

『Mind Core』及び続編
ハーレム物というより、という突っ込みは却下です。

『GoGoアイちゃん!』
これも微妙に違う気もしますが、リツコさんが堕ちてるので。

『愚か者の楽園』

霧島製鋼、とは以外。 単独のエピソードとしては『天使のうぶげ』が好きですね。

『問題ない』

魔界より……って本当に魔界をネタにしていたんでしょうか……。


取り合えず、今回はここまで。

82 名前:LHS廚:05/03/01 22:01 ID:???

一日遡って、二日目。

「……生きてるのね、私」
「不満なの、アンタ」

私が目を覚ましたとき、隣には同室のマリイさんとミサトの二人しかいなかった。
マリイさんは検査の為に使った麻酔が効き過ぎ、明日の朝まで目を覚まさないらしい。

「それにしても。 ミサト……その怖い顔、何とかしなさいよ」
「……怖くもなるわよ。 EVAにコアが有るのは薄々知ってた。 加持も気付いてたみたいだし。
 でも……参号機は破棄、初号機は左腕切断、弐号機はD型装備破棄の上、スペック以上の動きをアスカが
 させたせいで『筋肉』にかなりのダメージ。零号機はノーダメージだけど……彼女の疲労もかなりな物。
 何より問題は……」

私はぴんと来た。
ベッドのリクライニングを操作して、私は親友と向き合う。

「ダミーシステム?」
「……正確には、それによって発生した反乱もどきよ」

……は? 反乱??
その後、ミサトから聞いた話は……信じられない話だった。

------------------------------------

私達に衝撃を与えた後、強羅絶対防衛線へと向かった参号機は途中で使徒と認定。
早速弐号機が交戦した。
弐号機に向かって使徒は、その機体…特に両腕を『間接無視のムチ』へと変え、攻撃を開始。
動きの遅さを耐圧装備でしのぐ事二十分。 シンジ君とレイが初号機と零号機で接触。

初号機を確認したとたん、使徒は一気に紫の機体を目標に周囲の状況を無視して
接近を開始しはじめる。

83 名前:LHS廚:05/03/01 22:25 ID:???

部下のネーミング、その元ネタ判るかたは……ここ(汁)にはいないかも。

--------------------

幾度と無く、まるで猛牛のように突撃を続けていた使徒は、五度目の突撃でその左腕を右腕で捕まえ、
一斉に融合を開始する。

また、その一方で……もう片方の脳はまるで右腕の意思を無視した動きで初号機の首を絞め始め、
シンクロした彼を苦しめる。
また、機体の一部がスライムのように変化し、またもや『ムチ』となって残りの二機を寄せ付けない。


この時点で、マリイ博士が傷つく事に恐怖していたシンジ君は使徒との交戦を渋り、
使徒殲滅を優先した碇司令は『ダミーシステム』の起動をマヤに命令……半暴走状態となった初号機は
シンジ君の意思を無視し、敵対行動を起こしている使徒を破壊しつくす……筈だった。



『駄目です! ダミーシステムとの情報連結ルートが全て閉鎖され、解除出来ないように暗号化されてます!』



それをやったのはサツキと、彼女直属の部下であり、よき友達であった広場、夕凪、桜庭、蛍坂各三尉の5名。
信二君に『感情素子の不鮮明なシステムが起こすであろう結果』を説明、それを知った初号機パイロットは
勇気を振り絞って機体を押さえつけ。 その間にようやく接敵に成功した弐号機と二機がかりで押さえ込み。

零号機がテストプラグの排出に成功……と同時に使徒の動きは恐ろしく緩慢になって。
直後、不要となった装備を強制排除した弐号機が止めを刺した。。

84 名前:LHS廚@今日はここまで。:05/03/01 23:00 ID:???

あ。ミスしてる。

もう片方の脳は → もう片方の腕は


後、ここは追加および変更したほうが良いかも。

また、機体の一部が → それとは別に、機体の……背中の一部分が




85 名前:いし:05/03/01 23:09 ID:???

えーっと









・・・5名中、1名が♂ですか?w

86 名前:LHS廚:05/03/01 23:26 ID:???

>>85 いしさん。

うわ!一発で判る人がいたw. 。
該当スレをみつけて小躍りして、そのままネタにしてみました。

かなり前の作品ですが、「ごごてぃー」聞きたさに今もやってます。

87 名前:LHS廚:05/03/02 23:40 ID:???


「……と言う訳。 まさか司令にたてつけるとはねぇ……」
「それで、あの子達は?」
「アスカとレイは二機がかりで崩壊したD型装備の回収と参号機の残骸の処理。
 マユミちゃんは自宅待機。 で、シンジ君達は今、今回の事で処分を受けてるわ」

------------------------------------------------------------------------


第4会議室。

本来なら立ち会わなければならない筈の碇は、結局現れなかった。
まぁ、こんな雑務は私の管轄だから仕方ない、と開き直り。
処分を伝える。

「……博士を失うかもしれない、という恐怖が元とはいえ、戦闘を一時放棄した。
 以上の理由により、サード・チルドレンは今日より一週間、本部内拘留施設での謹慎処分を命じる。
 君の気持ちは判らなくも無いが、その命は現時点では君だけのものではない、と判ってくれたまえ。

 また、今回の『反乱もどき』に関わった、大井二尉および広場、夕凪、桜庭、蛍坂各三尉には
 使徒殲滅……に貢献した事を考慮、訓告及び減俸三割を四ヶ月、とする。 何か、言いたい事は?」


おずおずとだが、シンジ君が手を上げる。
人を好きになると、心が強くなるという話の方が正解だったようだぞ。


「不満、と言う訳では無いみたいだが……何かね?」
「もし良かったら、マリイ博士の病室にお見舞いに行く事を許して貰えないでしょうか」
「……許可しよう。 君も知っていると思うが、松代で怪我をした赤木博士と同室だから、
 彼女の見舞いも頼みたい……彼女は今、個人的に悩みを抱えててね……話し相手が欲しい筈なのだ」
「有難う御座います!」


バインダーを脇に抱えなおし、表情を改めて
「その代り、と言う訳ではないんだがシンジ君、一つ聞きたいことが有る……レイのことだ」

「副司令? 彼女の事って……あ! 健康診断を抜け出したことですか?!」

「君はレイ君に「本部を抜け出して自分の元に来い、とか言ったかね? 今まで一度として
 レイがさぼる、という事をした事が無いのでね……碇を含め、皆戸惑っているのだ」
「………何も僕からは言ってません……全部、レイが決めたんです。
 僕に好意を持ってくれたのも、自分の事をレイと呼んで欲しいと……すべて、レイの意思です」




88 名前:LHS廚:05/03/03 21:25 ID:???

9日目。


第14使徒襲来。

マリイ博士と霧島さんの協力の元、第一発令所に三人で飛び込んだまさにその時、
使徒は私の前にあるディスプレイを突き破って飛び込んできた。

零号機は両腕を切断された後、頭部を破壊され機能停止。
初号機は弐号機と協力、使徒に対処しようとするが、そのあまりにも強力な戦闘力を秘めた
板状の腕に攻撃されたシンジ君の機体が左足を失って脱落。

『なめるんじゃないわよぉぉ!!』

発令所から使徒を叩き出す作業は弐号機が実行した。
地面にたたきつけた直後、最後の希望だった弐号機が内臓電源の終了により活動停止。

……そして……。

ミサトが絶句し、マヤが吐き、アスカが弐号機の中で彼を心配して叫ぶ中。
初号機が使徒を捕食して行くのを、彼は使徒の血にまみれたまま、見ていた。

------------------------------

『あの人が、お父さんの親友のお子さん、碇ゲンドウさんよ』

MAGIがまだ発令所に固定される前。
後の冬月副司令を案内するあの人を始めて見たのは何時だったか。

---------------------

『EVA弐号機、外部電源により再起動!』
「アスカ、まだ動ける?」
『ミサト、リツコは居る? 発令所で使徒を叩き出した時いるのは覚えてるんだけど』
「ここにいるわ」
『シンジは今意識を失っているの? 声が聞こえないけど』
「いいえ。 今シンジ君はいないわ、どこにも」
『……どういう意味よ』
「微妙に違う所はあるけど、貴女のママと同じ状態になってしまったのよ」

真実を告げた私を殴りつけようとしたミサトの手が止まっていた。
……私も、泣いていたからだ。


89 名前:PDX.:05/03/03 22:59 ID:???

>>LHS廚さん

 第13使徒戦の状況、だいぶ変わっていますね。
 やはりマリィの存在が大きな修正要素ですか。

 しかしサツキ、やりますなぁ(汗)

 そして第14使徒戦、シンジ400%ですか。
 サテこの後どうなりますやら。

90 名前:LHS廚:05/03/04 00:49 ID:???

時間のカウントを微妙にミス。

>>79
〜二日後 午前7時半。 → 〜 午後7時半。

>>82の冒頭。
一日遡って、二日目。 → 一日遡って、殲滅から一夜明けた、午前十時。

------------------------

>>89 PDX.さん。
>マリイ&サツキ

当初、この時のサツキの場面は『ショタ因子』を持つアオイにやらせるつもりだったのですが、
説明文にあった『ワーカーホリック』という部分が引っ掛かってしまいまして。

で、サツキの説明を見ると『とことん愛しぬく』と。
そこで彼女の出番に変更しました。

マリイは、『御守り』がかかってますから。

91 名前:LHS廚:05/03/04 22:13 ID:???

なんか混乱してる。
>>82が>>80に繋がらない……という訳で、再訂正。


>>82(>>90の該当部分は無視してください)
一日遡って、二日目。 → 二日遡って、殲滅から一夜明けた、午前十時。

---------------------------------------------------

再び時間は、二日目 午後7時半。



シンジ君の頭を撫でる手がとまった……って確か彼女もきいていたわね。

「何処まで……本気、ですの?」
「それは……何に対して?」

彼女はそっと自分のベッドまで片足で移動すると、予備の毛布を彼に掛け……ついでに耳栓までした。

「……アメリカ支部が霧島さんの調査をあれほど派手にした理由は、その影で碇司令の弱みを握り、
 逆に牛耳ってやろうという一派がいたからです。 要するに、司令さんと貴女の関係も
 幾つかのルートからわたくしは……」
「……手が、暖かかったの」
「は?」


----------------------------------------------

『これ、レイのカードなんだけど、明日レイの元へ届けてくれないかしら』
『僕が、ですか?』
『あの子、更新を忘れるなんて滅多に無いし、ね』
『シンちゃーん、レイのカード見てどうしちゃったのよぉ。もしかして気になるぅ?』
『いや、その……あまり綾波と話したこと無いから』
『いい子よ……碇司令と一緒で、人と付き合うことが不器用だけど』

----------------------------------------------

「はじめてだったの、あれが」

マリイさんの不思議な表情を目の前に、私は続ける。

92 名前:LHS廚:05/03/07 19:20 ID:???

『どう言う……意味での初めて、ですの?』

と聞きたかったわたくしの質問より早く、彼女は教えて下さいました。
シンジさんの滑らかな髪を左手で撫で始めながら。
『意外に鈍いわね、この子』という表情をしたままで。


「アスカはその辺意識どころか引っ掛けもして無いけど、貴女なら判るはず。
 エントリープラグ・システムの母といわれる、あのレミット・ビンセンスの愛娘……。
 つまり『二代目』の苦労は、ね。
 まぁ、貴女はそれを実力で跳ね返しちゃったけど。

 「『シングルエレクトロニクス』防御システムとその応用」…凄かった、あの論文」

EVA技術、その最高レベルの実力者、赤木博士にそういわれるのはとても嬉しいです。ただ……。

「話がそれたわね。 今まで好意を寄せた人が何人居るか、って聞かれたとしたら、
 私は3人、って答える。
 一人目は加持君。
 ただし、そうなった時には彼とミサトは付き合っていたし、傷付きはしなかった。
 まぁ、一寸泣きはしたけど。 でも、その関係を、多分私が壊した。 あの日のことで」

あの日の……事?

---------------------------------


あの日、って言っても判らないわね。
大学生活がほぼ終わりに近づいたあの日、気持ちをすっきりさせておきたくて。
加持君と一回だけデートをした事があるのよ。
あ、そうそう、先に言っておくけどこの前の洞木さんみたいに告白はしなかったわ。
そういう意味で付き合ってもらった訳じゃないから。

93 名前:LHS廚:05/03/07 19:21 ID:???



一日掛けてかなり沢山飲んで、気持ち悪くなって、結局吐いちゃって。
それで加持君のアパートが近いから寄らせて貰って。
汚れた服を全部脱いで選択をお願いした頃だったかな。
近くに雷が落ちて、ビックリした私が抱きついてしまったそんな時……。

「来てしまわれたんですか」


そう……同棲していたミサトが、帰って来ちゃったの。

『へぇ、そういう事だったんだ?』
『ちょ、一寸待ってくれ』


そんな二人の喧嘩を『気持ち悪い……』って青くなりながら聞いていたわ。

あ、誤解しないでね?

そうなって……なんて思ったことは無いし、あの事が二人の関係が終わる事になった決定打にあれがなっているらしい、という意味だから。
………つまり、あの事だけが原因で別れていたのではないことは、ね。


94 名前:LHS廚:05/03/07 19:29 ID:???

今気付いたですよ。

>>93
-------

あの事が二人の関係が終わる事になった決定打にあれがなっているらしい、という意味だから



あの出来事が二人の関係が終わる決定打になってしまっているらしい、という意味だから

95 名前:LHS廚:05/03/08 22:21 ID:???

まぁ、そんなこんなで二人は別れちゃうわ、誤解と知っても『もしかしたら』って未だにミサトの心の中に引っかかりとして残ってるらしいわ……その後、結構波風立ったのよ。

で、ウンザリした私はNERV……当時ゲヒルンと呼ばれた組織に母さんのつてで参加。最初はただの仕事としか思ってなかったけど、まぁ、やり甲斐のある仕事に思えちゃったし……何より

「司令さんが、いらっしゃったから?」

……でも、無いのよ。
その時の私は正直愛なんていらない、って思ってたから。
母さんが司令と逢瀬を重ねていたのは知ってたし。
そんな私が司令との関係を持つようになったのは、母さんが自殺を図ったすこしあと。

「ああ、あの原因不明な……」


最初は、寂しさを紛らわせたかったからだけど、次第に変わっちゃうものね。

あのひとの中に入れなくても、たとえ利用されていると判っていても。
求められるだけの関係でも『その瞬間』は私自身をみてくれている、って
信じたかったのよ………つまり、いつの間にか、情は持っていたわけね。

でも、やっぱり違うのよ。  彼は結局、女として私を見なかった。

「は?」

多分、貴女は絶句すると思うけど……私、処女よ?

「はい?!」

ふふ。 やっぱり驚いた。


96 名前:LHS廚@かなり強引。:05/03/08 23:43 ID:???

時間はまた戻ってミサトとリツコの会話。

「じゃあ、そろそろ戻るわ。 アスカ達が心配だし」
「まだ疑問、あるんでしょ?」

開いたドアに手を掛けたまま、友人は問う。

「一つだけ、ね。 何であの使徒の左右の手は逆の行動をしたのかな、ってさ。
 片方は融合……つまり『許容』片方は初号機の首を絞める、って言う『拒絶』なんて。
 初号機を確認した途端、それ以外に目を向けなくなったらしいのも変だし」

それはね、ミサト……。


―――――

『何故だ?』
『この数回の使徒襲来、なぜ初号機が中核になっている?』
『「ディラックの海突破」、「第13使徒の侵食と拒絶」、「S2機関の取り込み」』
『すべて、なぜ初号機が鍵となってしまうのだ?』
『やはり、初号機パイロットの審問が必要だと思う』
『しかし、少年は未だ融けたまま』
『答えを持つものが必要になる……だが、誰が適任か?』
『碇達は答えを知っていたとしても、第十一使徒の時のように「知らぬ」で通すだろう』
『とりあえず、残されたチルドレンの内、ファースト、セカンド、および参号機に乗った
 アルファ……ビンセンス博士の三人を審問の場に引き出させよう』
『揺さぶりというわけか』

―――――


「いいのか、碇」
「ああ」


97 名前:PDX.:05/03/09 00:06 ID:???

>>LHS廚さん

 うぉう、リツコ処女疑惑!(疑惑ぢゃないってw)

 さて、委員会の審問、三人が引きだされるのか、それとも
リツコが引き出されるのか。どうなるどうなる。

98 名前:LHS廚@今回はここまで。:05/03/09 00:50 ID:???


漆黒に近い道をアタシは走る。

赤い非常灯と行き着く先にあった明かり。

包帯を巻かれた初号機……その眼はどこに居てもアタシを見ている。

リツコの説明。

半分だけ引っ張り出されたエントリープラグ。

皆の叫びを無視し、底の部分にある非常ハッチを開ける。

正方形のハッチが水圧に負けて吹き飛び。

中からシンジが出てくる。

エントリープラグの部品によって首を括った状態のシンジが。

皆が声をそろえて叫ぶ。 『何故殺した?』

アタシの絶叫。

―――――――――――――――――――――――――――――――――

第十四使徒戦より四日目。


「……アスカさん、アスカさんってば!!」

……夢?



初号機が固定された第5ケージを正面に臨む予備作業管理室。

あの日以来。
アタシ達の誰も、ここからは離れることが出来ない。

気味が悪いと承知しているのに。 あの『眼』の届く範囲から離れられない。

「マユミ、御免……変な夢、見ちゃって」
「先程、リツコ博士とマリイさんが第二の病院からお帰りになられました」
「『マリイ博士がこの前の使徒に汚染されてないか、確かめさせろ』……か。
 全く。 デコ娘だってここに居たい筈なのに……。 結果は?」
「全部のテストが真っ白、だそうです……戦自の方々から庇われたんでしょうね。
 マリイさん本人より、リツコ博士のほうがかなり憔悴してましたよ」



99 名前:LHS廚@ありゃ。:05/03/09 01:15 ID:7OSypUp+

>>97 PDXさん。

結果、出しちゃいました……。

100 名前:LHS廚:05/03/10 02:42 ID:???


「心当たり、あるの?」
「多分………零号機にはレイが、弐号機にはアスカが乗っているだけだったからよ」
「?」

「マリイ博士、彼女にとってレイ、アスカの二人は恋敵で仲間、友人。
 それなら、初号機には誰が乗っていたの?」
「あ……恋焦がれるシンジ君がいる!」
「可能性と考察を基に考えれば、多分そういうことよ。
 使徒は人の心を知ろうとしている……この前貴女が査問で言われた通りかもね。
 その気持ちに使徒が感化された……そういう事なんじゃないかしら」
「なるほどね……ありがと!」


ミサトが胸の十字架を握り締めた時は、自分の行動に自信を持とうとしている時。
どうやら納得したみたい。 その切欠として与えられたのが本当の答えではなくても。


にこやかに作戦部ちょさんが出て行った後。
隣で眠る若き博士を見ながら、私は一人思う。


『本当は……多分こうなのよ、ミサト』


 エントリープラグを抜いた瞬間に急におとなしくなったのも。
 参号機の中に居ながらこの子が使徒に汚染されなかったのも。

 全部、『彼女』のおかげ。



 でも、彼女は一つだけ我侭をやった……それが、貴女が疑問に思っていた事。

 参号機の中の彼女が、ユイさんを求めたのよ。

 使徒に汚染され、もうすぐ自分が破壊される、殲滅されると理解したから。
 だから、『シンジ君』じゃなく『自分の飼い主』との最後の逢瀬を。
 使徒の行動をねじ伏せてまで『山岸カズミ』は求めたの……多分ね。


101 名前:LHS廚:05/03/10 21:09 ID:???

むhっはtyぁ。

ペースもう少し落とそうかと思っていた時に。
やはり絵は妄想の元よ……ふふ。

目黒さん、わたしはBで行きます。 (ポニテスキーデスンデ)

---------------------------------------------------------------------------------------
洞木家の三姉妹の内、一番年上の姉は


「エスカレータを降りて右に曲がって……右の壁に【G14】の字を確認したら……」
「ね、ねぇ、本当に判ってるんでしょうね?」
「あね、五月蝿い……三つ目の赤のラインにそって……三ブロック……と、動く歩道に」


「架け橋」歩道群。


「うわ、凄い、底が見えないわ。 ……一番底まで」
「だからあね、五月蝿い……通路の番号は『31−6−975』……間違いなし」


――――――――――――――

予備作業管理室。

「う……皆さんお風呂入ってきた方が良いんじゃないの?……今日なんでしょ?
 シンジ君の……え、えぇっと……」

コツ、コツ、という音。
この音を出すのは確か……。

「サルベージ、ですわ。 まぁ、お風呂へ行きたいのは山々なんですが。
 自然に出て来てくれるんじゃないか、と思えてしまうんです……約束ですから」
「約束?」

――――――――――――――

『それでは皆さん、個別の写真は全員取りましたし、いよいよ本題の『集合写真』です』
『良いのかなぁ……僕だけ服を着てて』

『そこまで言われるなら……脱いじゃう?』
『え?!』



102 名前:LHS廚:05/03/10 21:10 ID:???

『まぁ、確かに私達が裸でシンジが服着てる、って言うのも……』
『不公平、って言うならアタシ達と一緒になってもらって』
『あの二人剥いた時みたいに、剥いちゃおうか』
『え?え?! 剥いちゃうんですか?!』

『……早くしないと貴方達は学校あすんだし。 私も仕事、始まっちゃうんだけど』
『『それもそうね』』

『ははははは……もう』

『その代わり、といっては何ですが……約束してくださいまし』
『何を?』

―――――――――――――――――

「皆さんの目の前で約束して頂いたのですわ……。
 『自分で考えて、決めて、そして…わたくし達と、一緒に……生きましょう』って」
「……あのバカが……臆病で、自分では何も決められなくて、夕食の献立から何から
 なんでも他人に任せていたあいつが、言ったんだから……」


電源が切れたエントリープラグの中で、アイツ、確かに言ったんだから。
加持さんみたいに、カッコ良かったんだから……。


『僕はEVA初号機のパイロット、碇シンジなんだぁぁ!!』



103 名前:LHS廚:05/03/10 21:14 ID:jIeVglhI

すいません。
例によって訂正&追加。


電源が切れたエントリープラグの中で、アイツ、確かに言ったんだから。



電源が切れて外の画像が見えなくなったエントリープラグの中で、
勇気を振り絞ったようなアイツの声が、確かに聞こえたんだから。

104 名前:LHS廚@zisedaimono?:05/03/11 22:17 ID:CevprqCI

>棒組スレの突っ込み。

あ。
『二世代に渡って同じ人に喰う喰われる』という話の作りって……。
思いっきり次世代物やん。


(言われるまでもろにそのことに気付いて無かったです)


コダマ嬢は喰われません。
あとミサトも現時点では微妙な状態……。


105 名前:LHS廚:05/03/12 20:31 ID:???

第二発令所。


プログラムにあるたった一つのバグ……それも、意図的に作られた。
これが動けば……彼は死ぬ。
その思考に『外に出ようとする』方向性を与えるはずのプログラムは。
彼に意図的な思考のループを生み出させ。

……彼を、EVAから出せなくする……それは、『二人』以外には死と同じ。

---------------------------------------

『まさか、そこまで驚かれるとはね』

眼を真ん丸にして、口を微妙に開き、呆然とする彼女は。
年相応な少女のものだった……。

『何故、ですの? 失礼ながら司令さんは……不能?』
『いいえ?良いも悪いも……純粋に、「女として見なかっただけ」よ。 つまり』
『何故それでもいい、と思われますの?!』
『自分でもよく判らない。 でも、納得できたのよ。 一時は。
 私を『赤木ナオコ』の娘と知ってて、それでもそう扱ってくれた。
 ………つまり、親の七光り……を感じなくていい付き合いだった』

眠っていたシンジ君が私の手をむずがりはじめた。
動かすのは止める……でも手のひら自体は彼のつむじを覆ったまま。


『加持君はいい男だった。 私を『赤木ナオコ』の娘とみようとはしなかった。
 その事をちゃんと知ってたのに………その代わり、『ミサトの親友』としか、ね。
 でも、私をちゃんと見てくれてた。

 司令は私にその事を意識させることさえなかった……ただし、視界にすら入ってなかった。
 彼の眼はユイさんにしか向いてない。 だから私を』
『自分のモノにすらしなかった……ユイさんが自分の者であるのと同じで彼絵自身もまた
 奥様……ユイさんの……』

106 名前:PDX.:05/03/13 16:33 ID:???

>>LHS廚さん

 リツコが処女というのは驚きの展開ですね。いや、スレのテンプレ的には正しいことなのか?w
 サルベージがどうなるか、その時居合わせた人々がどんな態度を見せるかが気になりますね。

107 名前:LHS廚:05/03/19 23:06 ID:7+BlMATI

『では、何故シンジさんに惹かれ始めてますの?』
『彼は、私に興味を持っていない。 でも、それは私を知らないから』
『つまり、自分色に彼を染めるつもりですの?』
『と言うより、染めて欲しいのかもしれない。 誰かに『征服』された方が楽だから』
『司令さんの色に今の貴女は染まっている、とも言えますよ?』
『だったら……少なくとも、『女として』抱いて欲しかった、と言うのは変?』
『……それは』
『もう疲れちゃったのよ。 そういう意味で主張しようとし続けるのって。
 加持くんはどこまで行っても『ミサトの男』。
 司令は私を自分の行動の付属物としてしか見ない。
 本部の皆……が見るのは『技術主任・赤木リツコ』。
 時田とか言うあの男が見ていたのは『NERVのヒスおばさん』………。
 彼なら……』

---------------------------------------

全裸で〔彼ら〕の元に引っ張り出された二人。
年上の彼女の髪には、もう以前の色は無く……東洋人らしい暗めの艶やかな茶色に戻っている。

[君達に対する陵辱の数々]
[我々もこのような事は望んでいないのだがね]

『私は知ってることしか話せませんが?』
『同じく、ですわ。 少なくとも、アメリカ支部の事以外は殆ど知りませんが』

[強情だね]
[だが、君達を我々の元に差し出したのは]

『碇司令、だと言うことはわかっています』

[ほう?]
[では尚更、彼に義理立てする必要はあるまいに]

『(小声)義理立て……違うわ。 諦めがついたのよ』

[何かね?]


『……いえ。 知っている事だけなら、普通に説明します』



108 名前:LHS廚:05/03/23 19:07 ID:pq/lbywg

復帰(?)一本目。

----------------

サルベージ当日・第二発令所。

「姉、やっぱりここにいたんだ」
「……うん」
「コダマ姉、来てるよ?」
「バレンタインデーの事、みんな気にして無いのに」
「マリイ姉もマユミさんもアスカさん達も…もう良い、って言ったじゃない」

「そこまで落ち込むなり、罪悪感を感じるのなら、お茶でも下さいますか?」

「マリイ(姉)さん……」
「気がすむまで考えるのは良いのです。 でも、今の貴女は悩んでるだけですわ。
 何日掛かっても後悔だけで考えていない以上、答えは出ません。
 レイさんのように気分を改めて……そのレイさんは?」
「さっき呼ばれたの、司令さんに」


----------------------------------------------
執務室。


「……なんだと?」

私が知っている限り、驚愕の意味でこの人が席を立つのは、初めて。

「お前が私の庇護の元から離れられると思っているのか?」
「はい」

今まで信頼を感じていたこの人の表情が。

「シンジを受け入れてどうなる。 お前が私以外を求める必要は無いのだ」
「彼は私を求めてくれました。 『私』はそれで十分です」

かすかな恐怖と、沢山の『他人』という意思を伝えてくる。

「お前が、シンジを受け入れる必要は無いのだ」
「それを決めるのは『私』。 もう、司令ではないんです」

この人は『私』を求めてはいない。
なにより。 変わらなければいけない存在は、『アスカ』だけじゃない。

「お前は……お前は……ユ」
「いま、知らないのは彼だけです。 シンジくん以外の「メンバー」に話しました。
 地下の水槽……私になれなかった『私』の事、『彼女』との関係……そのすべて」
「「何?!」」
「新しい絆、みんなは全てを知った上で、受け入れてくれました。
 受け入れてもらった存在は……『彼女』じゃない」

だから、その先は言わせない。

「受け入れてもらったのは……この私……『綾波レイ』です!」


そう一言叫んで、退席した。


109 名前:LHS廚:05/04/17 00:26 ID:aPcVdC62

えー。
すみませんでした。

仕事等が多忙でほぼ一月全く更新出来ない状態になってました。
ほぼ一段落着いたので……更新再開しますです。



110 名前:LHS廚:05/04/20 01:02 ID:???


ひぃぃぃ。
一月の遅れぇ。
今の私は、ねた位は微妙に補給できたのかしらん……。

------------------------------------

少し青みがかった画像の中。

総司令執務室の前で。

綾波レイは泣いていた。


『何があったの?』
『自分が信じられなくなったんです……怖いんです……赤木博士』
『何があったの?』
『つい最近まで絶対のように信じていた人に、嘘をついたんです。
 「私の本当の姿を、彼女との事を皆が知っている、それでも受け入れてくれた」って。
 あの人が私を見てないと知った時からの、黒い気持ちを、叩き付けてしまったんです……』

泣きじゃくる幼子を抱きしめる大人。

『なら、あなたは元に戻りたい? 「三人目」になったら……』
『いやです! それでは『私』では無くなってしまう!』

白衣の襟をしめるようにつかむ幼子。

『それに、私は誓ったんです!「司令の聖杯」にはならないって』
『なら、その思いを受け入れるしかないの。 純粋な人間にやましい事の無い人間は居ないと言っていいの。
 私だって、司令とのしがらみを捨てるまでは……あなたを邪魔だと思った時もあるのよ。
 でもね、そんな黒さも受け入れる努力をするのが人間なの。 ……だから』

姉のような、母親のような表情で。
『大人』は。

『その思いと想いが自分自身のもの、自分だけの物と思うなら。と思うなら。
 貴女が……『今の綾波レイ』が……だったら、貴女が、自分の意思で受け入れて、乗り越えなさい』



111 名前:PDX.:05/04/21 08:31 ID:???

>>LHS廚さん

 リツコやレイ周辺のドラマはこれで一区切りなんでしょうかね。
 リツコがシンジに抱かれることで最終的な決着になるんでしょうけど。
 ゲンドウがなにか悪あがきしたりして?w

112 名前:LHS廚:05/04/28 23:21 ID:LJU/tOk2

まず。

>棒組スレの方。

画像の資料感謝です。
有難く頂戴いたしました。
……でもどれがどの作品やら判らない、というのが悲しいなぁ。

>PDX.さん。
>髭・悪あがき?

一寸違う方が。
後すいません。 もう少し彼女の視点が続きます。
------------------------------------

最初にこれを見つけたのは『母』の中にあった『バカヤロー!!』を回収したときだ。
まさに、その真下に隠されていたもう一つの紙にあったのだ。 あのコードが。



『裏コードより強力よ』


この一言とともに書かれていた『蟷螂の斧』と言うアカウント。

MAGIに登録されている全てのアカウントに付けられている束縛を総て無視し、
いか様にもデータをいじる事が出来る……おまけに、そのアカウントの通り道を
追跡しようにもMAGI自身がその痕跡を作業した端から削除していくという、
まさに最終兵器のようなadministrator権限。

どれほど強力かと言えば、これが在ればMAGIの完全初期化も可能なのだ。
(MAGIの破壊は、流石に難しいようだけど)

勿論、それが出来るのは本部のMAGIだけ。
仮に実行したとしてもすぐに松代のバックアップが補修してしまうでしょうけど。


-----------------------------------------------------


私は、知りたかった事を一つだけこのアカウントで調べることにした。
母が、ユイさんのサルベージプログラムに仕掛けをしたのかどうか。



………結果は、黒だった。
それが、今私の手の内にある。

113 名前:LHS廚:05/04/29 21:58 ID:???

>PDX.さん。

改めて過去文を読んでいましたが。
何回かレス貰ってたのにも関わらず、返事をしてない所がありました。
どうもすみませんでした。

そして、改めて感謝です。


114 名前:PDX.:05/05/07 18:04 ID:???

>>113 LHS廚さん
 合いの手とでも思っていただければw
 先の展開を楽しみにしておりますので。

115 名前:LHS廚:05/05/07 18:51 ID:???



「どこ」ともいえない場所。

--


『良いじゃない、アンタは十分頑張ったわ』

……そう、なのかな。

『今の鈴原さんは理解してくれたようですが、最初出会った彼はあなたを殴ったそうですね。
 つまり、貴方を理解しない人達にとって、貴方と使徒はさしてかわりません……。
 大切な人を傷つけたこと事態は変わらないのですから。
 そういう見方も確かにあるとは思います。
 でも、彼らはいくらでも狡くなれるのです。
 「パイロットに選ばれたのだから、貴方が自分達を守る事は当然の義務」だと……ある意味自分勝手に。
 あの日いきなり……貴方はいきなり乗せられたのに』

……そうだけど。

『本当に嫌なら還る必要なんて、ないんです。 ボク達が傍にいますから』
『だから安心してもいいの。 ……それは『私』に心を預けること……気持ちいい事に』


気持ち、いい事……?

『だって、ノゾミちゃんからあたしまで、貴方が教えたことなんだもの』
『好きな人とに……とても気持ちよくて、大切な事を教えてくれたのはシンジだよ』
『私達は貴方の物……マリイさんも言ってたじゃないですか』



116 名前:LHS廚:05/05/10 23:15 ID:X2helncQ

まず。
>棒組スレの方。

その一言、本当に嬉しいです。


>>114 PDX.さん。
>合いの手。
楽しみ、と言ってもらえるだけでも。

>展開。
一応延長決めたときに思い浮かんだ『山』のような、今です。

----------------------------------

第一層。(MAGI各端末の周囲で)

「私って、なぜ呼ばれたのかしら?」
「保護者ですよ。 ノゾミちゃんはここにいる事自体、異常と言うべきですから」
「その事もだけど……私には、アスカちゃんやシンジ君があんなのに乗る事も、
 妹がその仲間の一人になるかもしれないという話自体からおかしい、と思うけど?」
「ですが、誰かがやらなければならない事なのです……非常に残念ながら」

----------------

最上層。

「……まだレイは彼女達に『事実』を伝えてはいない、と俺は考えている」
「…………」
「だが、忘れるな、碇」
「………何だ」
「この『嘘』は簡単に『真実』に出来る。 レイの意思で」


-------------------




………結果は、黒だった。
それが、今私の手の内にある。

ユイさんが求めているのは『知識』……というより『刺激』。
それなら、手に入る刺激がすべてありふれている物だったら。

思考に必要な経路をすべてループさせ、他からの刺激をすべて排除する。
バグを基にしたのか、意図してプログラムしたのか。
そして……本当にこれが使われたのか。
もし母が本当に……これを使ったのなら。  あの自殺にも、ある程度の答えが出せる。

どちらにせよ。 これはもう。

117 名前:LHS廚:05/05/10 23:16 ID:???



手元にあるPDAに移る文字。
今は亡き『おんな』の誘惑。

Do you execute it ?


勿論。

「NO……と」
「何か?」

疑問を向けた後輩を軽くいなして。

私は言う。

「作業開始!」

118 名前:LHS廚:05/05/14 22:33 ID:j0SrtrbA

>棒組スレ。
>某事件を持ち出さている方々。

いかなるコメントも差し控えます。

----------------------------------------

真っ白な、世界。


皆がいるのに、そう思えない世界。

そこに、太陽みたいな穴が現れて。

虹のようなものが流れ込んでくる。

でも違うのは。
色の数が七つじゃないこと。
僕にはとても、眩しい、そして嬉しさを感じさせる光だった。

赤い光は怒ったみたいに『バカシンジ!』
緑の光は母をイメージさせる『シンジ』
蒼の光は透明な感じがする『シンジ君』
琥珀色の光はかなり控えめに『……シンジさん』
茶色の光は茶目っ気たっぷりに『シ〜ンジ♪』
一番細い白金の光は宝物を見せるように『シンジさん』
色が無い分、さらに光ろうとしている白い光は『シンジさん!』

光の糸達は時に共同、時にじゃれ付くように邪魔しあいながら、それでも。
僕が見えているように、確実に近づいてくる。


119 名前:LHS廚:05/05/19 21:17 ID:???

伸び始めている棒グラフ。
どう読んでも判らない表示の数々。

『作業をセカンドステージに移行』
『了解!』

作業が進んでいている、としか考えられない少ない言葉。

信じられるのは、茶髪に白衣のあの人の。

「早く出てきなさい、シンジ君……!」

彼女の一言だけだった。

-----------------------------------------------------------------

先行して伸びてくる光にまぎれる様に。
三本の光がおそるおろる伸びてくる。

今までの光と違って、三本は色を変えたりして目立つ努力をしていたし、
その流れにはルールが感じられた。

ピンクと藍色、ベージュの三色に変わる光は堂々と。
赤紫と濃い鼠色の光は興味いっぱいに。

三本目中ただ一本色を変えない……こげ茶の光はしずしずと。
でものそ一本が一番、何かに気づいて欲しそうだった。

そんな中、最初の光たちが届こうとした瞬間。


幾本の光たちはいきなり進路を変えて、巻き取られるようにループし始めた。
後から来た三本も巻き込んで、僕の目の前で、くるくると輪を描く。

それはまるで、届いてはいけない、と言う神様の意志が働いたみたいだった。




120 名前:LHS廚:05/05/27 19:32 ID:booArThg

前半部分、かなり実験色が強いです。


---------------------------------------


僕をにらみ叫ぶアスカ。
『アンタ』
電話機から聞こえるマリイの声。
『わたくしの』
がっつくアスカを見て呟くヒカリ。
『物』
ボトルにさしたストローをいじりつつアスカ。
『だから』
プラグスーツを着て、立ち上がったレイ。
『貴方は』
プラグの中、壱中の制服ではない頃のマユミ。
『ここに居られる』

微妙に怒ったような微笑を浮かべるレイ。
『気持ち』
初めて学校に着た日、マユミに理由を話しているマリイ。
『一緒』
ボトルにさしたストローをいじりつつアスカ。
『だから』



一気に色が景色となって周りに付く。 朝日のように眩しく、、鮮やかに。
中心に生えている、木の下に立っている、一人の女性。

『あなたは、ここにこれたの』



「……母さん?」

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−


「失敗なんか、させない!」
「グラフを反転!」

緊迫度が増していくのが手に取るように判る。

音が無いだけ、ディスプレイの中にはっきりと見える泡。

妹たちが怖がるのを抱きしめるだけの、無力な私。


「みんな、こんなに貴方を求めているのに、何故、帰りたくないの?シンジ君……」



121 名前:LHS廚:05/05/27 23:14 ID:???

あちゃ。


>訂正
>>119
でものそ → でもその

>文追加
同じく>>119

三本目中ただ一本色を変えない……こげ茶の光はしずしずと。

三本の中、ただ一本……金から色を一度変えたっきりの……こげ茶の光はしずしずと。

-------------------------------------

白い筒に刻まれたとびら。

ぱきんと音をあげるように。
新しい声を産声としてあけるように。
羊水をこぼしながら、開いた。


山岸さんとヒカリは気絶した
アスカちゃんと霧島さんがなんで、とさけんだ
マリイさんがまだ取り戻せると信じなきゃ、と調べ始めた中。

白衣の彼女は『シンジ君!!』と叫んで部屋を飛び出していった。

------------------------------------------
吸い込まれるかもしれなかった、懐かしさと恐怖が入り混じった抱擁は。

『さぁ、私と一緒に…………誰?!』


僕の手のひらにいつの間にか握られていたのは。
あの『暗闇使徒』の時に見た夢に出てきた、小さく赤い珠。
そこから伸びた

『あなたは……コさんの、……さん!』

あの、一本のこげ茶の糸が止めてくれた。
一瞬だけど触れた糸からは、『シンジ君!』と言う励ましのような気持ちが感じられて。


これが最後のチャンスだと思った僕は、精一杯の力を込めて、母『らしい』人の胸を両手で突いて離れた。
その力はどんどん加速が付いていって、あの大きな木すら、遠くなり、見えなくなって行く。

『そう……まだ、お預けにするのね……いいわ、あの子達を……』


---------------------------------------------------

ディスプレイにうつる、紅い、心臓のような珠。
博士がそこに取り付いて、こぶしを振り上げようとしたその時。

ずるりと。

彼は戻ってきた。

122 名前:PDX.:05/05/28 15:11 ID:???

>>LHS廚さん
 やっとシンジ帰還。
 ヒロインズも安心でしょう。
 そしてリツコの行動を、皆がどんな目で見ているやらw

123 名前:LHS廚:05/05/29 23:09 ID:???

>棒組スレ
>しんちゃんに二つ?

冗談半分とはいえ、ソノネタ……今ならありに出来ますが……どうしましょう?

>PDX.さん
先ほどEVAウプろだに二プレスサツキ&下着エプロンなカエデを見つけ、燃料補給。
何とか使えない物かと思案中です。
ちなみにeva548及びeva550(両方ともJPG)です。


124 名前:PDX.:05/05/30 14:33 ID:???

>>123 LHS廚さん
 そのアップローダがどこかわからなかったりw
 いえ、そもそも画像掲示板とかあまり徘徊していないもので(^_^;
(糞ボルトくらいしか見ていなかったり)

125 名前:LHS廚:05/05/30 20:50 ID:???

うわ。
しっかり忘れてました。
エヴァ板専用あぷろだ2
ttp://f17.aaa.livedoor.jp/~support/upload/upload.php
です。

126 名前:PDX.:05/05/30 23:04 ID:???

>>125 LHS廚さん
 見ました。なかなか。
 しかし、うっかりeva549を見てしまい、コーヒー噴きましたw

127 名前:LHS廚:05/05/30 23:28 ID:???

ぐはぁ。
見に行ったらアオイ嬢さんまで来てるですよ。
(ちなみに同ページ・EVA553.jpg)

================================

『私を、抱けますか?』
『なに?』
『私、母さんと貴方がキスしているの、みました』
『それで? 従わせたいなら無理やりでも自分の物にしろ、とでも言うつもりか?』
『少なくとも、今の私は、貴方に……』

----------------------------------------

L.C.Lと微妙によく似た、EVAの『体液』に濡れた髪。
滴が数滴付いた、男の子とは思えない睫毛。

「もしもし?」

あの時、しっかりと感じてた……ふっくらとしている手。

「おーい、リツコぉ?!」

視線を下に下げると、まだ充血していない、あれ。
司令のと、違うのは、当たり前として……これで、あの子達が

「いい加減にしろぉ!!」

すっぱーん! と資料を丸めた棒で叩かれた私は振り返り。

『『………』』

何対もの、嫉妬にくるまれた瞳と対面することになったのだった。

128 名前:LHS廚:05/06/01 23:42 ID:???


>棒組スレ。

うい。
もともと冗談で言ってみたことですから。

-----------------------------------

この数日、聞こえなかった音が再び聞こえるようになった。
本来その音を作らなければならない人物とは、微妙に違うけど。

「ヒカリちゃん、おはよう」
「お早う御座います、葛城さん。 すぐご飯できますけど、、食べてから出勤しますか?」
「うん、そうするわ」

とたたたんとたたたん、っと妙に大きく響く包丁の音。
むすっ、としながら、それでもちゃんとそれぞれの席に座っている一同。

「箸の持ち方は、これでよかったです?」
「えっと、ですねマリ」
「あ、アスカさん、おかずの器を箸で動かすのは」
「無礼なんだよぉ」
「いーじゃないよ、これぐらい」
「……お豆腐のお味噌汁、おいしい」


理由は、何となくわかっている。 リツコだ。
昨日、今日と二日間にわたって検査日程をとっているのが、一昨日の……あの取り乱し様とあいまって。
……それに……まぁ、実質『お預け』になっているわけで。
『出来ない』ことに対するいらつきは、皆結構たまっているようだ。


それでも暴走、って言うか暴発しないのは……うん、餌付けの力は偉大だ。
まぁ、彼女自体が一番デンジャラスそうなのは、おいておこう。

129 名前:LHS廚:05/06/02 00:47 ID:???

solan氏@flowにて『ぎゃくさいどなはーれむ』(?)なよかーん。
うむぅ。


130 名前:PDX.:05/06/02 08:20 ID:???

>>LHS廚さん

 あ、リツコ無事だったんですねw
 あのあとよってたかってタコ殴りってわけじゃなかったんだ(笑)

「……無様だな」
「ああ」
 なんて言われていたりw


131 名前:LHS廚:05/06/02 19:48 ID:???

洗面台にためた水でジャブジャブと顔を洗う。

顔を伝う水の冷たさと同じくらい、あの時はひやひやした。



恋する女は綺麗、と歌ったのは誰だったか。

ただ、この曲を創った人達は『嫉妬』は計算に入れてなかった。

本心からそう思える状態だったな……。


---------------------------------

リツコが冷静さを欠くようになったのはあの時以来。
何かにせかされるように、シンジ君を求めるようになっていった。

「シンジ君! 逃げちゃ駄目よ!!」

いつもの冷静が家出したらしい親友は、初号機の前まで何度かよろけつつも走って、
あの紅いコアに手を付いて………ロジックなんか放り捨てて殴り掛かろうとした。

「シンジ君をかぇ……?!」


拳を振り上げつつあげた、その叫びに合わせるかのように……シンジ君はポン、と出てきた。
最初から居た整備関係の技術部員も、あわてて追いかけた私やアスカ達も。
固体の中から人が出てくる、と言う非常識じみた現実に呆然として。

さっさと立ち直り、自分が着ていた白衣で彼をくるむリツコにも驚いて。

しばらく無言が続いた。


その静寂を破ったのは、シンジ君が握り締めていた、アルミ製の名刺入れ。
手のひらから滑り落ちたそれが、かちーん、と金属音を響かせたとたん、状況は一気に進展した。

アスカは真っ赤になった顔を隠しもせずに掴みかかろうとして、ぐったりした彼を前に戸惑い。
発令所に残った三人はスピーカー越しに「あぁぁぁ!!」とか「ずるぅぅい!」とかの三重奏。
マナちゃんは『がうがう!』と噛み付こうとする赤毛娘を抑えるのに必死になって。
最年少の娘はいきなりな修羅場にはらはら。
マヤちゃんを始めとする『興味』組みはどきどき。
サツキやアオイ……『愛情』組はむかつきを隠そうともしない。

132 名前:LHS廚:05/06/04 00:13 ID:???

そんな中、われ関せずを通しながらも微妙に赤みを帯びた、今までの彼女とは
似ても似つかない、まさに『恋する女』なレイがそそくさと。

パスケースを拾おうとして。  こけた。
中身からこぼれだす、数枚の防水加工された写真。

何が見えたのか、私は秘密にしようと決めた。

-------------------------------------------------

久しぶりな温かいご飯を口に放り込み。
鮭の切り身を箸で切り分け始めた時、葛城家の電話が鳴った。

まぁ、留守録をセットしてあるからとらなくていいか、と言う私の至福の時間は。


『あー、俺だよ、葛城。 シンジ君だけど、今日の授業とかが終わった頃に
 俺が送っていく事になったから。 でさ、彼を下ろした後、一緒に呑みに行かないか?
 この前アスカと一緒に行ったレストランの主人がさ、いいワインを手に入れたって……』

この台詞が流れた瞬間。
ぶっ壊された。


ぎん!!、と。
期待と威嚇と脅迫じみた説得を篭った眼差しが注がれる。

「行ってらっしゃい、葛城さん。」
「最上さんもお帰りになるでしょうから、思いっきり遅く帰ってきて下さいね?」
「って言うかさ、この部屋の保護者にサツキ呼ぶから今日帰ってこなくていいわよ?」
「ヒカリさんの話では確か、あの周辺はそういう意味での歓楽街、と言う話でしたわね」
「お互いカップルだもんね。 私達だけが楽しんじゃ、駄目だよね」

「……ノゾミちゃんのご飯も、美味しかったわ……」

微妙にずれた台詞が混じりつつ、私は自宅を追い出されることになった。

133 名前:LHS廚@おめでとうシンちゃん。:05/06/06 22:27 ID:???

とあるレストランを監視する我々のグループ。
業務用の冷蔵トレーラーを改造した車の中は、何時もと明らかに違う。

「なぁ、赤木博士が妙なのはやっぱり?」
「そりゃ、一昨日のあの行動を見りゃな」
「冷徹なキャリアウーマンがいまや恋する三十路……まぁ、なぁ」
「最近のシンジ君は女子の間で人気らしいし」

「最上二尉が早退したのって、まさか……」
「しょたこん、って話は聞いていたけど……」
「ええ!? 俺狙ってたのになぁ」

まぁ、こんな具合だ。
諜報部の車の中とは信じられない、と言い切れる程に、今日のここはやかましい。
シンジ君の事に対する反応は、鉄の心で任務に集中しなければならない筈の我々の部署にすら、
確実な影響をもたらしている。

「時森二尉は知っていた?」
「どっちを?」
「マリナちゃんが『シンジ君が赤木博士の恋の相手』だった、ってこと」
「正直知らなかった。 シンジ君に好意を寄せ始めたのはサツキとアオイ、後は……嘘?!」

カメラのズームに合わせ、くだけ気味だった面子が一斉に緊張する。
画像に写るのは、加持一尉と……葛城三佐?!


134 名前:LHS廚:05/06/08 22:56 ID:???

>ミサト不参加?

入れてみたいとは思うです。
ネタが……。

------------------------------------

加持さんの車で帰ってきたはずなのに、場所が変わっただけで、それ以外は数十分前と同じ。
サツキさんとアオイさんが台所でケーキを切り分けて、リツコさんがコーヒーを淹れている。

遠くで微かに聞こえるのは、ヒカリたちの家に、さらにその隣……リツコさんとアオイさんが
同居することになった家をまた繋ぐ作業。


僕自身にとって、特に変わらない。 でも、他の人たちには異常すぎる状態。

「これが普通になってるって……すごく、怖いと思うな」

微妙に残る、体のだるさは。 三人の女性を相手にした、その証。


……ドアの開閉音。
「いいコーヒーの匂いやなぁ」ってトウジの納得する声。
呆然としたらしい、少しの『間』があって。
どたどたどた、と二箇所から相次いで聞こえる足音。

「しーんじぃ……何で、リツコとアオイがここに居るのかなぁ……」
「隣に……引っ越してきたから」

「工事をしている、という事は四号室の住人となった訳ですわね?」
「……うん……」

少しの沈黙。
「そちら(台所)の三人はもう良いんですね?」という確認。
一斉に行われ始めるジャンケン。

一人一回で良いから、満足させなさい、と言うアスカに引き摺られて、僕は部屋に放り込まれた。

------------------------

センセのふすまが閉まると同時に、ぎゃあぎゃあと委員長たちの声。
「わーっ」とか「そこはっ!?」とか響かせるハーレムの王の情けない声を背に。
それが別の意味に変わる前に、ワイらは葛城家を退散した。


「ハーレムってのは、男の夢って思ってたけどさ……本物を見ると、意外と怖いな」
「搾り取られるっていう感じなんやろうか。 ……干からびん事を願おうな、ケンスケ」

135 名前:PDX.:05/06/09 13:54 ID:???

>>134 LHS廚さん
 トウジとケンスケの脱力感がいい味出していますなw
 このシンジは、初号機から出てきたからって特に何も変化していないんでしたっけ?

136 名前:LHS廚:05/06/10 23:59 ID:???

あうち!
ミスしてたとですよ。

------

さらにその隣……リツコさんとアオイさんが

さらにその隣……リツコさんとサツキ……さんが



「しーんじぃ……何で、リツコとアオイがここに居るのかなぁ……」

「しーんじぃ……アオイとサツキはいいとして。何で、リツコまでここに居るのかなぁ……」

-----------------

>>135 PDX.さん。
>搭載(獏

それやると一気にエロキングなスパシンまっしぐら、なヨカーン。
流石にこれ以上変化はしません(させません)。

137 名前:LHS廚:05/06/11 01:41 ID:???


棒組スレが久々にレスが賑やかに走ってます。
やんややんや。


えー。
かなり前からやっている間違いが判明しました。
あのおじいさん達はSEELE……最後のEが抜けてる……。
綴りの間違え……ずっと素でやっちゃてますた(どうやら他作品でも)。
……自虐だのぅ、私。

-----------------------------------------

「碇シンジ。 性別は男性……って当たり前のは皆ぶっ飛ばして」
「はぁ?」
「徒競走は2-A男女込み26人中男子としてはビリやったけど、クラスとしては23位。
 水泳は全滅、……綾波が……教えてようやく10メーター……あの妙な泳ぎ方で。
 惣流が来る前にやった3.5キロの男子マラソンは……って何だよ」
「やっぱり気になってたんだろ、綾波」
「う、うっさいわい! もう過去にしたんやからええやん」
「はいはい……それで?」
「確かあのマラソン、センセは三学年の男子67人中……」
「66位。 一人病気で不参加だから……ビリっけつ。 で?」
「あれだけ相手にしとるのに。 センセのスタミナの元は何やろ? ってな」
「ネルフ印のって冗談は……。 また二人疎開したけど今なら記録のび……?」
「あ、あれ……」

てててててて、とバスケットを抱えて自分たちと逆の道を突っ走る少女。
沈みつつある夕日の赤に彼女の髪が染まり、とても映えていた。
クラスの誰よりも早く、大人への階段を真っ先に突っ走る……級友の妹。
もちろん行き着く先は。


「「大丈夫だよな、センセ(シンジ)の理性……」」

138 名前:PDX.:05/06/12 17:42 ID:???

>>137 LHS廚さん

 トウジの場合、シンジの理性よりも自分の妹も毒牙にかかって
しまわぬよう心配するほうが先なのではと思ったりw

139 名前:LHS廚:05/06/12 22:59 ID:???

日課みたいになってるウプろだ巡り……。
ぐはっ。 今宵は女ケンスケっすか━━━━(゚∀゚)━━━━ッ。
ちなみにうぷ場所は同一、eva576.JPG.。

>pdx.さん。
>自分の妹

う。
興味を、もってしまいそうですよね。
【姉の立場を始めて取れる彼女でしょうか】

-------------------------------------------

エレベーターに乗る。
葛城さんの話の通りだと、このマンションには葛城さんたちが住む部屋と、姉達が住み始めた
部屋以外に誰も住んでいる人が居ない……らしい。
久しぶりに会えると言うこともあって、ボクの心ははしゃいでいるし。
何より見る人は居ない。

「よし!」

姉がやったと言うオールヌードはやっぱり恥ずかしいけど、それでもパンティを脱いで
『写真を脱いだ、あの時のままでボク、生活してたんですよ?』なんていうのは、戸惑うシンジさんが見れて
面白いかも。


そう思い込むと、そっと、ボクは姉譲りの腕を振るった料理が詰まったバスケットを下ろし、ごみ捨て用に
用意しておいた小さい紙袋に一枚の布をつめた。
スカートがはねてお尻が見えてないかを確認した、その時。
エレベータが行き先に到着した際に感じる、あの妙な感覚とらわれながら、ボクはバスケットを胸に抱えて。

「いくら姉たちでも、こんな真昼間からしHちゃってなんかいないだろうし……。 これで一歩ぜんし……ん…」

二人の男の人と鉢合わせをした。

「え、あ、あの、き、君は……?!」
「洞木ノゾミですっ!」

気が動転したボクは、何故か自己紹介をして……相手の反応を見ずに、必死に葛城家まで進む。
覗かれてもいいか、と姉みたいに開き直って行動するには、ボクはまだ幼いみたい。
でも……ちょっぴり妙な気分になったのは、内緒。

140 名前:LHS廚:05/06/14 02:08 ID:IzjwzR/w

ねたさがしにて。

>某異人さんの画像板。

いや、マリアちゃいます。
Blue Seed……はちがうし。 マユミでもないし。


_| ̄|○

やっぱり彼女はマユミより認知度低いっすよ、なーぐるさん。

141 名前:なーぐる:05/06/14 21:57 ID:???

>知名度
さすがに全国区でゲーム宣伝が放送されて15万本以上売れたゲームの登場人物と、
TRPGルールブックのみの登場人物とでは、やはり知名度には比べものにならない差があるのでは…。
( ゚∀゚)たとい比べる対象がサターンのヒロインだったとしても!

んー、サターン良い機械だと思うんディスガねぇ。
たしかにメモリーとか使いづらいし、画像表示能力も貧弱とか色々ありましたけど。
なんだかグランディアしたくなったナリ

>マユタン
つい最近、マユタンテレビに出てましたよね。

142 名前:LHS廚:05/06/14 22:14 ID:???

あれから約10分。
アタシ達がお茶を用意している間にも、あの部屋からは声が聞こえてくるの。
いやん、だとかだめぇ、とか、彼女達の声に主役が切り替わってしまってるけどね。

「そういえば、主任はシンジ君が初めてだったんです………よね」
「まぁ、ね……。 お尻以外入れてくれなかったのよ、『あの人』は」

がたたん!

よろける音にあわてて振り返る一同の目の前で、ノゾミちゃんが真っ赤になって突っ立っていた。
胴体がほぼ隠れる、かなり大きなバスケットを抱えたままで。

「あ、あの、おしりを使うのって、その、ぽ、ぽぴゅらーだったり、するのですか?」

その質問にきっちり固まる主任とアオイ。
あ………なるほど、ノゾミちゃんがそこまでいってる事、知らなかったのか……この二人。

「えっと、私よりも先に、どこまで行ったのかな、ノゾミちゃんは」
「っ?!」
「そこまで言っちゃったら、シンジ君と何も無かった、と取るのは変ですね」

この後、時々もれる艶やかな何人もの声をBGMに、告白タイムになだれ込む事約一時間。


シンジ君は、ようやくあの小部屋から、幾つもの赤紫色の『愛された証』を引き連れて、やってきた。

143 名前:LHS廚:05/06/14 22:48 ID:???

>なーぐるさん。
>知名度の差

ぐはぁ。
そー言えば、ここで彼女関連のもまともな会話できたのはコースケさんだけですぃたねぇ……。

>土星。

クリスマス・ナイツバージョンの土星を入手していたんで、今でもやってたり。
メモリーが微妙なのは同意します。

>テレビに出たマユタン
あれ?もしかしたら、見逃した? 私。


144 名前:なーぐる:05/06/14 22:59 ID:???

ttp://s03.2log.net/home/yosaba/archives/blog1370.html
一応、探したらキャプチャーしてるところ発見。

本当にマユミか!?
と、長ドスを机に突き立てられて詰め寄られたら、いくらでも言い訳をする用意はありますじょ。
んあ、でもこのサイトって響鬼とかもキャプしてるのか。
実写キャプは規則が厳しいので、速攻削除されるかも知れませんので、ご確認はお早めに、かも。


145 名前:LHS廚:05/06/14 23:10 ID:???

これから見に行ってきます。

そう言えば、なのですが。
マユタンのお母上ってどの位のふくよかさでしょうかな。
(いえ、ただいまコースケさんとシンちゃん達『子供』の母親の胸サイズ談義をばしてますので)

146 名前:LHS廚:05/06/16 00:16 ID:???

うい、見てきますたです。

>マユミン・キャプ画。
よくよく見ると、マユミンの正反対に居るのはヒカリン。
リツコさんがミサトの代わりに居ると私的にはパーフェクトだったかも。

………ただ、どんな作品なのかも判らなかったのはちと残念ですた。
(最近はTV見る機会減ったな……)

----------------------------------

一寸、怖くなっちゃったわ。
一時間で1、2、3、4.……って、流れ作業じゃないんだし。
そんな扱いうけるのって……。


「……もしかして、一時間で全員の相手しちゃったの!?」


さすがにそれは無い、と身振りで答えるのはマリイちゃん。
その後ろを霧島さんがバッグを抱えながらこそこそとお手洗いへ。

「いえ、違いますわ、リツコ博……さん。 全員の相手は別の意味で出来ませんでしたの。
 ジャンケンの結果、レイさんとわたくしは休憩を彼が挟むまで我慢、あとマナさんが『始りました』ので……」
「……だから、気をやったのはマナさんを入れてとりあえず四人、彼が「入った」のは「三人」」
「でも、その三人をシンジ、きっちり満足させちゃったのよね……律儀に一人づつ、相手にしちゃって」

数分遅れでシンジ君が出てきた。
服を着る余裕も無いみたいで、そのままお風呂へ。

「でも、マナちゃんが……皆揃って避妊には留意してるんだね、ピル使ったりしてるんだ、って思ってた」
「この中で、いくら欲しいからと言って、無責任に子供が欲しい……そう思えるものはいませんわ。
 わたくしだって、子供が育てられる可能性があるとすれば、知識というよりお金がある。
 つまり、その力で育児を他の人にやって貰う……という理屈だけです」
「そんな育て方は、いや?」

勿論、と殆どの頭が縦に揺れる。

「ボクだってそうです。 だから、シンジさんとの関係は、えっと……スマタ、でしたよね。 あそこまでなんですから」

147 名前:LHS廚:05/06/16 22:44 ID:???

もぐもぐもぐ、と口が動く一同。
タッパーに伸びる、とりわけ用のスプーン。

「ノゾミちゃん……このゴマご飯、美味しい」
「あーレイさん、ご飯と言うのは炊きたての純粋な白米にだけ与えられる称号ですわ。
 今回のようにゴマ等を混ぜたり、一度でも冷ました物は全てメシ、と言わなければならないと」
「まぁまぁ……マリイさんもそう言う事を考えずにご飯食べよ、ね?」

気絶している二人は取り敢えずそれぞれの部屋へ(体はちゃんと拭いてあげた)。
で、シンジ君とあたし、ヒカリさんとマナちゃん、主任とアオイ、レイちゃんとノゾミちゃん。
それぞれが居間に置いたコタツ型テーブルでノゾミちゃん持参のバスケットの中身、
ゴマご飯(?)と御味噌汁等の夕食と相成ったわけだ。

シャケの焼き物も美味しいし、御味噌汁の香りも、まぁ、良いんだけど。
ただ、ねぇ。

「……しかし、そう言われましても」
「喋りでもしないと、その……」
「最初は、それ程という事も、無かったんですが……」
「……ごめん。 あの部屋、換気扇とかも無いから、その、籠もっちゃって……」

シンジ君の部屋からこの居間全体に微妙に漂って来る「男女の臭い」。
彼の部屋は元々納戸……物置のような使い方をする部屋だったわけで、当然換気扇のような物はなくて。
数分で根負けしたあたし達は、三号室……マナちゃん達の家に移る事にした。

レイちゃんだけは、別に問題無かったみたいだけど。



148 名前:LHS廚:05/06/16 22:45 ID:???




「さて…早速で申し訳ないのですが。 リツコさん、アオイさん」

取り敢えず夕食は終了。
シンジ君の希望で、あたし達が前もって用意していた紅茶で食後のお茶会を始めることに。


「無いようで、少々ルールがわたくし達にも幾つかあるのですわ……と言うわけで。
 リツコさんもアオイさんも……お二人とも、喋って下さいまし」

? そんなのあったっけ。 そんな事した覚えないんだけどな、あたし。

「何を喋るのかしら」
「シンジさんを好きになった理由自体はわたくし達も知ってるつもりです。
 ショタ的に気に入ってた所にキス一発……と、ちゃんと自分を見てくれる人、と言う理由ですわね」

うわ、冷静の固まりみたいなアオイがここまで真っ赤になるの、初めて見た。
それに対して大人の貫禄、と思えるリツコさんの冷静さは、あこがれちゃうな。

でも。


「ショ……?! ま、まぁ、切っ掛けは間違っていないと思うけど」
「まぁ、そう言うこと。 シンジ君はちゃんと見つめてくれるって約束してくれたし」

「いえいえ、知りたいのはもう一つの事。シンジさんとの初体験について、語ってほしいのです」

さすがに、この一言には二人とも真っ赤になったわ。

149 名前:LHS廚:05/06/18 00:42 ID:???

えっと、漫才みたいに面白可笑しくやったり

「必要無いですわ」

じゃあ、えっと、恥ずかしい部分は適当に

「ごまかしてもいけないと思うよ、本来は」
「ボクを含めてみんなそうしてきたんです。 さっきだって、お二人は散々ボクに告白させといて
 自分のことは、初恋なんかを含めて殆ど教えてくれなかったじゃないですか」

あの、さ。 皆もその、告白したわけ?

「私はアスカに……。 まずしましたよ、告白」
「……私も、『知っていてほしいの』といって、幾人もの前で話しました」


それじゃサツキ、貴女も話したの? みんなに。
……ってどうしてヒカリちゃんが真っ赤になるの?

「サツキさんの場合は……初体験自体を見ました、私が実際に」
「(真っ赤)……そう言うこと」

は!? 見せたぁ? あんたそんな趣味有ったの?!


ま、まぁ、いいか。

「良いんですか?!アオイさん!?」

しきたりならしょうがないわ、シンジくん。
別に、むりに隠して置きたいことでもないし……。

------------------------------------------

二日前。

「シンジの側にいさせなさいよぉ!」
「別に拘束してる訳じゃないんだし、数日で帰れるわよ」
「……多分、絶対にいるのよ」
「誰が?」
「LABOR-011316。 あれ使って『悪事』働いてたやつに、『結果』を見てたやつらの中にも」
「あぁ、シンジ君の『日常』を配信していたあのサーバね」
「あれ見た奴らの中には、必ず居るわ『私も経験してみた〜い♪』って子が」
「成る程……深夜、忍び込み……って、何よ」
「あんたが、その『危ない子』の筆頭になっちゃってるのよ!? 判ってるのリツコ?!」
「良いわよ、それで」
「はい?」
「そんな手使わなくてもどんどん彼を知りたくなってるし……それより良いの、手を回さなくて」
「何よ、回すって」
「私の豹変理由を知りたかった男子にあのサーバ、見つかっちゃったわよ?」
「な、なんですってぇ!!」


150 名前:LHS廚:05/06/21 22:27 ID:???

>画像板・ハーレム的絡まり

……某組スレの指摘通り、確かに棒の場所が不適切な感じですね。
でも、マヤちょむまで居るのは珍しいかな、と思うのです。



>棒組スレ………完結作品・ハーレムもの。

ぐはっ。
参加人数トップ更新ですか?(資料関係からのぞいた奴)

---------------------



「えっと。 シンジ君の寝ている映像を十分ほど拝借、っと」

以前、まだショタという趣味が自分の中で確立される前に
付き合ってた奴と観た、どっちかって言うと古い方になる映画。

「……うん、ここならループの継ぎ目は殆どばれないわね」


犯人の目を語かかすために、バスの映像をリピートさせて状況に変化なし、と
見せかける手段。


これは使えるって、思ったの。 シンジ君への『夜這』……いや、『襲撃』に。

公式の資料として実際に記録される映像には流石に細工しなかったけど
スニッフィングをしているプログラムに細工をして、別映像を流させる。
これで、『盗撮』をしている人達の端末に送られる映像なら誤魔化せるはず。


「ふふふっ」

数時間で良いのよ。
だってね。

あの子供達も、アオイも、皆そろって初めてだったのよ。
男性遍歴、なんて物はまぁ、誇れるほど無いけど、それでも。

奉仕を受ける、っていう事を経験してないであろう彼なら、もしかしたらってね。


…………


はい、私が馬鹿でした。
海に墨汁おとしたって、びん一本分位じゃどうにもなりませんでした。

---------------------------------

「なぁ、良いのかマコト。 アオイちゃんまで逝ってしまいそうだぞ?」
「いいよ。 俺は葛城さんが関係しなきゃ特に目くじら立てないし」



151 名前:LHS廚:05/06/22 23:20 ID:???

>棒組スレ。

新スレおめです。

----------------------

「……サツキィ。 教えて欲しい事があるんだけど」

端末に向けられた手を止め、振り返るあたし。

「LABOR-011316……って判りますか?」
「マユミちゃん……あのサーバの事ならもう無いわよ。 物理的に」

思いっきりほっとする一同に。

「まぁ、安心して。あれらは機密の固まりと同じ扱いだから、本部内でしか観られないように細工されているもの。
 裏DVDみたいな形で配布されることはないから。
 ……ただ、『盗撮』サーバが無くなったかどうかについては、何も言えないけどね」
「と、言いますと?」
「本部内にもコミュニティーがあってね。 マヤが主催している『めーる瓦版』があるのよ。
 ほら、たとえばこれ……マグマの中、シンジ君がアスカちゃんをを助けた時に配信されたやつ」

流石は同志、と言うところなのかな、メール本文よりも添付されてる
『熱さと痛みに耐え、初号機でアスカを助けた時の凛々しいシンジ君』に興味が向きかかってる。

「で、最近はあのサーバから流れてた映像を暗号化したメールで配信してたのよね。
 それがほら、あたしがシンジ君と……その…した日からぷっつり。
 サーバの方は赤木博士が潰したらしいんだけど、多分配信自体は続いてるんじゃないかな。
 こっそり別のサーバでも建てて……って。 みんな、聞いてる?」


駄目だわ。 彼女達には破壊力ありまくりだったわね、これ。
日常に締まりがないって言うか、微妙にへたれなシンジ君のここまで凛々しい顔にもう、皆さんそろって。

「それで、このメールを配信なさっていたのは伊吹主任ですの?」
「……この『瓦版・花麒麟』って言うメールマガジン自体をやってたのはマヤじゃないわ。
 アオイが作成から配信まで……っていない?」

まさか、と思って配信アドレスを減俸仲間、夕凪ミナモから入手。
除いてみた結果は……白。


だと思ってたのよ。

152 名前:LHS廚:05/06/24 00:32 ID:???


『あの日』。 父さんと母さんがあの日、自分の身を使って私を守ってくれたとき。

その命をかけて、私に『生きていて欲しい』、と二人が伝えてくれたとき。

何時か私も、誇りをもって、誰かにそれを言える人になろう。

私が、生きていた証となって、私の思いを受け継いで。
……心の片隅に、ずっと私を覚え続けてくれる人が、いて欲しかった。
だから、私は。    NERVに入った。

すくなくとも、「自分を誇れる人』に、なりたかったから。

何回か、恋をして。 気持ちを確かめ合って。 でも、すれ違ったりもして。
いつの間にか、働くことにのめり込んでいた、私。


そんなある日。 あの場所で、あの表情で。 私は心に決めたのかもしれない。
その相手に、シンジ君。

---------------------------------------------


いつかの再現のような、白い病室。
シンジ君の状態もまた、あの時のままだったわ。

「……あの機の側に立っていたのは……」

ぼけーっとした気分は抜け切れていないらしい、アスカちゃんなら『何時もの事』で済んじゃうんじゃないかな。

「……本当に、母さんだったのかな、あの人。 僕は、父さんじゃ、ないのに」

……って、『お母さん』!?
流石にそれは危なすぎるわ、シンジ君……。





153 名前:LHS廚:05/06/24 22:40 ID:???

ご免なさい。
今回は、ちょいと反則ちっく。

=======================


あの時、僕を求めていたのは母さんだったのか。
あの時、僕を助けてくれたあの焦げ茶の光は『誰』だったのか。

それを考えていたはずなのに。

「あの時といっしょだね。 シンジ君」

僕に何かを期待している、あの瞳を見た瞬間。 一瞬で、それが全部消えた。
全部、まっしろに……。

---------------------------------------



「や、そんなところ、いやぁっ」

自分の手のひらで彼女が踊る。
それが、とても、楽しい。

上半身はまだ、少しも脱がしていないのに。
平均値より少し大きい二つの高まりを、何枚かの布越しに、しっかりと。
新しい、その胸の『持ち主』が誰かをしっかりと刻みつけてあげる。

少しずつ、少しずつ。

上半身とは正反対に、熟れきった、涙を流すように僕を求める裂け目も。

「こんな、ちが、わたししらな……?!」

初めて感じる、誰かを迎え入れた事のあるひだはとても柔らかくて。
彼女の気持ちを初めて受け止めた誰かに一寸だけ、嫉妬した。

「こんな、けいけ、した……ゃだ、あたしがぁ?」

服の中で蒸れながら張りつめる乳房も、痛いと思えるほどに締め付けてくる『新しい』感触も。
『経験』で、判る。  教えてくれる。
彼女も、もう、『私』に逆らえない。

彼女も、また……私のかわいい『子……え?



違う!僕はそんな事、彼女に求めてないっ!
僕は『……さん』じゃない! 好きな人達に、そんな事求めてないよっ。

僕は、ぼくはっ


「もう、イッちゃ」
「僕は、碇シンジだよっ!」

思いっきり、体を起した動作が腰の突き上げにつながって。
病室の中に響き渡らせるような叫び声をあげて。
『僕』を求めて抱きしめてくれる、その体にこたえて。

「はなさないでぇっ!」
「ぅぅぅぅぅぅぅっ…………!!」

ほんの少しだけ、僕はアオイさんと溶けあった。

154 名前:LHS廚:05/06/28 00:49 ID:???


情事はそれなりに数をこなしていた私でも。
妙に、何か言えない状況だった。

こんな経験初めてだから、なんて言ったら理解して貰えるかなんて判らない。
けど、途中まで、私はシンジ君としてなかった、と思う。
どこか、違っていた。  痒いところに手が届く、っていうか。
今までの経験が嘘のような、そんな高みへ。

「ありがと、シンジ君。 私、貴方に抱かれてよかった」

私の経験には女同士の関係はないけど。  シンジ君が『女性』だと思った。
シンジ君のは確かに私の中深く入っていたし、何より射精された感覚はちゃんとあるわ。
でも、何かが違う。 そんな思いを胸に、私は彼の胸にしがみついていた。
もう少しで筋肉が目立ち始める、そんな細いだけじゃない胸……。
あ。 髪を撫でてくれてる。

「……ありがとうございます、アオイさん」
「どうか、したの?」

不安そうな声に顔を上げた私の前に、同じく不安そうな彼の顔。
EVAに乗り始めたときとあの頃と同じ。
自分が判らない、って感じの顔。

「怖かったんです、さっき。 僕じゃなくなる気がして。 今までとは違ってたんです。
 以前アスカに『アタシ達を抱くシンジって女の子みたい』って話があったんですけど」

あ、そうか。
途中から感じていた違和感がようやく判った気がする。
男の子の視線とかが気になり始めた頃学校とかでやった、胸の大きさの確かめ合い。
彼の愛し方は、そんな、女の子同士のじゃれ合いに似ていた所があったんだ。
シンジ君の説明を聞きながら、私はそんなことを考えていた。

「今までの僕じゃない『僕』なのに……アオイさんはちゃんと僕を見てくれていた。
 それに気付けたから、自分が取り戻せた気がします」

いつになくおしゃべりなシンジ君の唇をキスで止めて。
汗が染みこんだ上着を脱ぎながら。

「じゃぁ、今度こそ『シンジ君』が抱いて。 私がちゃんと、受け止めてあげるから」

シンジ君は何も言わずに、私を抱きしめてくれた。

155 名前:LHS廚:05/06/28 23:10 ID:???


「……それで、また、シンジ君と」
「二回戦突入、ですか。 いいなぁ」
「でも、無理は禁物です、マナさん。 ボクは行為自体まだなんですから」


告白お茶会も二回戦。
紅茶の次はシンジ君の好みの焙じ茶。
意外にも、このお茶のにおいはコーヒー当の私でも心地よい匂い。
そのまま一杯目を半分飲み干した頃、洞木さんが口火を切って来た。


「そう言えば……赤木さん、貴女が全然出て来ないのですけど」
「確かにそうですね」
「甘く切ない思いで、ってことでパスは」
「「駄目です(わ)」」

真っ赤になったであろう頬を押さえ、焙じ茶にショートケーキは合わないと
用意されたお茶請け、芋ようかんにぷすぷすと爪楊枝で穴を開けていく。
ミサトと加持君には下品だと言い切られてしまった、子供の頃からの妙な癖だ。

下を向けた私の顔を、アスカは興味津々な態度で覗き込んでくる。

「……やっぱ、リツコでも告白は恥ずかしい?」


まぁ、お約束というやつなら仕方ない、と腹を決めて、話し始める。
どこから話すべきかしら……。


「そうね……丁度その頃、私はシンジ君の夕食を作っていたのよ。
 サツキと、私の分と三人分。 特に食事制限とかはする必要自体無かったし
 何より、自分が好きになってしまった事を教えておきたかったから……ね」
「で、主任が料理殆ど駄目って言うんで、私が調理に付き合ってたの。
 でもねぇ。 アオイがその頃励んでたなんて……結局、何回ヤッたの?」
「二回よ」


爪楊枝の通った穴で真っ二つになった羊羹の大きい方を口に。

「それだけで、満足できるものなの?」
「快感とか体の満足、って言う意味なら一回目で満足したと思いますが、
 あの時言った通りシンジ君に抱かれたと思えなかったんです。
 それで、二回目……でも、何故か本当に満たされちゃったんですよね、ホント」

パリポリと薄焼きお煎餅をかじりながら、頬を赤らめ恍惚とする彼女。
うーん。  私、一回目は痛いだけだったんだけどな。 初めてだったし。


「じゃあ、あの時シンジ君に腕枕してもらってたのって」
「うん、純粋に寝てたわ。 疲れたまってたし」

156 名前:LHS廚:05/07/01 02:12 ID:???

「良いのかしら? 御飯とプレーンオムレツとポテトサラダに」
「それで良いんですって。 料理のスジは良かったんですから。
 無理にたくさん一度に覚えて失敗するクセを作るより、得意料理を作った方が良いんですよ」

時刻は、夜9時半ぐらいだったかしら。

「でも、シンジ君は料理美味しいってきくし、洞木さんも美味しいらしいし」
「そんなこと言ってたらマヤなんて最悪ですよ? 調理師免許持ってるのに
 彼女の料理、大抵普通の倍、砂糖が入ってるしろものなんですから」

シンジ君の病室は16-03。
調理をするために借りた喫茶室「ひやしんす」の厨房から5分くらいだったかな。
でも意外だった。 赤木博士が恋愛に対して本当に臆病だったんだから。

「仕方ないじゃない。 シンジ君が気になりだしたのがあの切っ掛けだし。
 あの後も、訓練とかアスカを助けた時とかに」
「え?! じゃ、じゃああの写真で火、付いちゃったんですか?」
「まぁ、ね。 加持君に対して持ってたのは只の憧れで。
 司令に感じていたのは只の「情」だと思うの。 狡い気もするけど、私が彼に、その……」

アタシが彼の病屋の扉を開けながら『何です?』って聞いて。
『司令より好意を持ってる、って思ったのがあの山岸さんを助けた時の表情だったし……』
そこで、固まっちゃったのよ、リツコさん。

ナニかしら、ってそっち……つまりシンジ君の方を見た時。

「あら?」


スプーニングって言うらしいポーズをしている二人を見つけちゃった訳なのよ。
ほら、スプーンをそのまま二本重ね合わせると、丁度一本のように見える時あるでしょ?
あんな感じでシンジ君の背中にアオイが張り付いてたの。

157 名前:LHS廚:05/07/01 22:49 ID:ZMGncZ9k

>イイペーコーさん
新天地(Fate)に行かれてしまうとの事。
一寸、寂しいですね。
BBSを見る限り、完全撤退というわけではないと思いますので
偶にはよろしくお願いしますね。
(某所BBS記念の「色惚け重婚夫婦ネタ」を今でも期待してたり)

==================

滅多に見られない赤木主任の赤面を見ながら、茶飲み告白は続く。

「そう言えば、シンジさん、しばらく姉が金髪になったのに気付いていなかったみたいですけど、
 やっぱり、リツコさんの髪の変化にも驚かれました?」
「あ、それそれ! シンジ君の驚きようって」
「サツキさぁん。 どっちとも僕は知らなかったんですから」

-----------------------------------

「えっと、どう起したらいいのかしら」
「布団を剥いてみます? アオイはその程度では起きませんが、シンジ君なら十分だと思います」

あ……あの時と同じ。オムレツの匂いだ。
オムレツと言えばあの後、ヒカリに………って。

「え?」

ぱっちりと目を開けて、はじめて見たのは加持さんみたいに髪を一本縛りにした女性。
えっと、どこかで見かけたような人だけど、もし初めて会った人なら失礼だろう……って。

「……?!」

そこまで考えて、お布団の中から抜け出て、視線に入り込んできたマニキュア付きの手に
一気に肝が冷えた。 だ、だってもし初めて会ったドクターの方なら、ヒカリとの時のっ
ミサトさんの勘違いと言うか、お小言の比じゃないしっ。

『シンちゃん。 口元を拭いなさい。 独り者三人には目の毒だし、失礼よ』

あの時の口紅は、ヒカリじゃなくてアオイさんのだったんだから。
あの後ヒカリに『誰の?』って責められたし、サツキさんとの時はそれをネタに責められちゃったし。

どーしよう……。

158 名前:PDX.:05/07/06 11:46 ID:???

 しかしこれだけ人数が多いと、ローテーションも大変でしょうなぁ(^_^;
 皆がシンジに仕えているわけじゃないから、シンジのしたいときにしたい相手を呼びつけて……ってシステムではないし。
 まぁヒカリが彼の体力を考えて食事を作ってるだろうし、NERVでのメディカルチェックは完璧wになったでしょうし。



159 名前:LHS廚:05/07/06 23:13 ID:???

>PDX.さん

>彼の体力を考えて〜
身体が資本の象徴になってしまわれた方です(w

すまぬ、更新は少しだけです。


--------------------

真っ白になった僕は、必死になってアオイさんを起そうとしたんだけど
よく判らないけど長年の望みが叶ったという「敵」もなかなか頑張ってくれるんだ。

「……良いじゃないぃ……」

とか

「もう、今日は満足したんだからぁ」

なんて言いながらさらに腕へ力を込めてきてくれる。
胸に爪をたてたり、ウトウトしながら「かぷっ」と噛み付いてくれたり。
彼女なりの「愛情表現」なのか、それとも「自分のモノ」という証なのか。
とにかく狸寝入りしているんじゃないか、って思える程に離してくれない。

「アオイさん……お願い……離してだささい……」

僕はもう、気を失ってしまった方が良いんじゃないかって思ったくらいだ。
目の前の彼女も、顔色は真っ白。 どうしたらいいのかもう判らなくなっていた。




「大丈夫。 アオイは凄まじく寝起きが悪いのと、抱きつき癖があるだけだし。
 それよりこの程度で驚いてたら、これからを考えられなくなりますよ?
 それにしても」


え? あ、あの、もしかして。
そんな声を出そうにも、アオイさんの指が口につっこまれて何も言えず。

「もひかひて」

その台詞に合わせたように、ふわふわした髪が額をくすぐった。
夕食が乗っているらしいカートをあの人が僕の側へ持ってくるのに合わせて
サツキさんが僕の口と身体をアオイさんのマニキュア手から離してくれる。


「慣れてないと、アオイのチーク攻撃はきついのよね」

自信は何度か『経験』して慣れているのか、サツキさんは僕たちが使っていた枕を
手持ちぶさたなアオイさんの胸元にぽん、とくっつけた。
それに合わせて彼女の両手が枕に伸びて、枕の中身が飛び出してしまうんじゃないか
と言うくらいにぎゅっと抱きしめながら丸くなる。



160 名前:LHS廚:05/07/10 00:10 ID:???


お貞さんバージョンのことを考えると、有る意味タイムリー?
外側の男どもの、こう言う悔しがり方もありかな、とおもいまして。


===========================

「その後、いつ気付いたの? 赤木さんのこと」
「実は、泣き黒子、っていうんだっけ。 それで気付いたんだ」


この時電話の音が四号室から響いて、赤木主任が席を外す。

電話は、かなり長かった。

-------------------------------------------

数十分後。 司令執務室。



「どうした冬月。 白衣を着た姿を見るのは久しぶりだな」
「素体の内、三体の組織崩壊が始まっているのを確認した」

椅子が壊れてしまうほどの勢いで、碇はまた動揺を隠しもせず立ち上がる。
事ここに至ってもなお、自分の計画はゆがんでいないと思っていたのか、此奴は。

「赤木博士は?!」
「彼女がこれからも管理する事を宣言したのは『レイ』だ。 あれらではない。
 それに、言った筈だ。 『レイ自身の『意志』でこの嘘は事実に出来る』と。
 今の生活に執着させた結果だ。

 『ダミー』に使った一体以外は諦めろ。
 恐らく、ほかの素体達にも崩壊は波及するだろう。
 赤木博士も同意見だ。 残りは全て破棄した方が良い。 『レイ』を安定させるためにも」

考えれば判ることなのだ。
レイが自らをモノ、として認識しているのなら、身体が何体合ったとしても問題はない。

『モノは修理や取り替えがきく』のだから。


161 名前:LHS廚:05/07/10 00:12 ID:???


だが、シンジ君や例のハーレム参加者達の影響、何よりレイ自身の『選択』として
『人間』としての人生を選ぶのなら、これは最大の矛盾になる。

三人目になることは、同時に二人目のレイの死を意味するしな。

『れい』達の維持を制御し、また『レイ』の記憶のバックアップをしている脊髄状の
あのシステムはこのジオフロントと同じ、誰が作ったのか判らないシステム。
こうなってもおかしくない、と言う予感もあった。

ドッペルゲンガーみたいなものだ。
自分を維持……いや、自分を産みだし、守るために。
システムが『レイ』以外の『れい』を破壊しだしたのだ。


「何故、個性がバックアップ・システムに影響を及ぼすと判らなかった」
「あれは使い方しか判っていないのは知ってるはずだ。 南極であったことと一緒だよ。
 個性を付けてみないことには判断が不能だろうが」


碇のうめき声だけが、部屋に響く。


162 名前:LHS廚:05/07/15 01:02 ID:???

「はぁ……暇ねぇ」
「仕方有りませんわ。 リツコさんが居なければ告白に意味はないのですから。
 ……でも、確かに少々時間かかってますわね」

「……ねぇ、皆は「お母さん」のこと、どれだけ覚えてる?」

「はは、ですか?」
「アタシは一度、シンジに言った事あったわよね。
 ママはEVAの実験に無理に参加、発狂したの。
 そう言えば……アタシがチルドレンになった日、目の前で自殺してしまったのは離したっけ?」

ぶふぅぅ!!

「意外ですわね。 そのことを貴女自身の口から聞くとは」
「レイに言われた事があるの。 自分の嫌な部分を受け入れろ、って。
 アタシにとっての『嫌な事』の象徴って、やっぱりあれなのよ……ヒカリは?」
「私の場合は、飛行機の墜落。 フランスに居たお祖母さんの所にお見舞いに行った帰り、
 その飛行機が落ちたわけです。 ……マナちゃんは?」
「私は元々孤児だから……。 次、マユミ」
「私はある意味アスカさんより酷いですね。 目の前で母を……」
「あ………ごめん」
「どうして背格好……容姿の話が出ないの?」
「それはですねアオイさん。 この写真があるからですわ」
「・・・・・・へぇ。 こうして見るとまるで、会うべくしてあったみたいね、みんなは」

163 名前:LHS廚:05/07/22 00:00 ID:???

ぐはぁ。
なんか風邪ぶり返してしまったみたいですよ。
すまぬ。


更新も短いし。


(確かアメリカ生まれってこう言うルールありましたよね?)


-----------------------------------

「そう言えば、マリイのママの話は? アタシも聞いたこと無かったけど」
「レミット・ビンセンス。 エジプト人の母とフランス人の父のハーフ。
 死別したそうなので父は知りませんがアメリカ滞在中に生まれたので
 国籍はアメリカ。
 わたくしとは ある意味似てもにつかない純黒人的な母でしたわ。
 写真はこれです」

「きれいな人ですね」
「黒人の人で金髪、っていうのは

「母が聞けば嬉しがったと思いますわ。 母は褒められる事がとても嬉しいと
 思う人でしたので」
「確かに、マリイさんは褒められるのがとても嬉しいと感じる人ですし」
「ちょっと……引っかかるような」

164 名前:PDX.:05/07/22 09:28 ID:???

>>163 LHS廚さん
 お、お大事に(汗)

165 名前:LHS廚:05/07/25 22:48 ID:???


え。
まだ微妙に回復してないところもあるですが。
何とかやっていくです。

>棒組スレの方
>二世資料。

大変に感謝です。
どうも有り難う御座いました。

>PDX.さん
体調は注意しませんと(自縛

------

訂正。 >>155

「じゃあ、あの時シンジ君に腕枕してもらってたのって」

「じゃあ、あの時シンジ君に寄り添っていた時は、やっぱり?」

追加。 >>163

「黒人の人で金髪、っていうのは




「黒人の方でストレートの金髪、っていうのはすごく映えるんですね。
 ヒカリさんが金髪になっちゃった時も綺麗になったな、と思いましたけど。
 また違う綺麗さがあると思います」


--------------------------------


「もう十分経ちましたね」
「もしかして、自分の部屋に飛び込んであうあうって」
「腹括ってるからそんな事だけはしないわよ」


扉が開いて、リツコさんが帰って来ました。
その表情はかなり疲れているような、その中に何かすっきりしたような、そんな
衣類路な感情が交じり合った感じです。

「あら、アスカ、起きてたの」
「ま、お腹はすいてたから」
「ボクの御飯の匂いが丁度良い目覚ましになったらしいんです」

アスカはまぁ、何というか。
まるで掃除機のように口の中にもぐもぐと飯も、御味噌汁も、漬物も
みんなしっかりと口の中に放り込んで行く。
リツコさんは、それを不思議そうに見つめながらお茶のお代わりを頼んだ。

「アスカってお箸使えないと思ってたのよね、最初は」
「ママがハシだけは使えるようになれ、って何時も言ってたからね。
 あとは、敬語とか、目上の人への態度とか……あ、そう言えばマリイ、
 一度聞いてみたいことがあるんだけどさ?」
「何でしょう?」



「写真の事といい、アンタってママ経由で江戸時代の事詳しかったわよね。
 『ちり紙を口で取った方がいい時もあるって覚えておきなさい』
 ……って、どういう意味?」

「大抵『手が塞がって』いるからですわ……花魁のマナー、と言えばお判りでしょう?
 全く……キョウコさんも何故そのような事を教えてるんでしょうか……」

166 名前:LHS廚:05/07/30 23:11 ID:???

取り敢えず……生存報告と修正です。

>棒組スレの方。
心配をおかけしてます。
遅れたリアル生活を処理しつつ、な状態ですので
しばらく週1くらいのペースの状態が続くと思います。

>棒組スレほか。
>使徒XX

……出しません。
取り敢えずの興味は、5番と11番、13番と16番の四体を
どう人間化するのか……。

エロとしては13番は(TSトウジ!?)だったり。


後、最近、個人として気になるところと言えば。


>イーペイコーさんの作品撤収。

丁度ヒカリンが出てきて、と言うところで止まっていたので非常に残念です。


>画像ロダ・頬染めヒカリン。

おおう。
私にはなかなかな燃料ですよ。
ピッチあげられるよう頑張ります。

-----------------------

訂正 >>150

あの子供達も、アオイも、皆そろって初めてだったのよ。

あの子供達も、サツキも、皆そろって初めてだったのよ。

167 名前:LHS廚:05/08/01 21:40 ID:???


その話を突き詰めるのは、とても怖かった。
ユイさんが日本の『歴史』を勉強していた事を知っていたからこそ。
それを残り四人がなんだかんだ言って真似していた事を。
たぐり寄せる思いの果てにある物は、「三回目」を起そうとしている「親」……。

取り敢えず、興味を全員が持ちそうな話は一つしか知らないわけで。



「ま、まぁ、そう言う知識は二人のお陰で手に入る訳だけど……私の告白は?」
「あ! そう言えばそうでしたね」
「…………楽しみ。 シンジ君を悦ばせる知識を、得られそうだし(ずず……)」
「別に、側に居てくれるだけで良いんだけどな……」
「それだけじゃ嫌なんです。 ボク達は」
「ノゾミ達が居ることは、ノゾミ達にしかできないことだけど?」
「……そう言って下さるのは本当に嬉しいのです。 でも、それだけでは嫌なのですよ、シンジさん」
「そーそー。 アタシ達は美しい『想い』だけじゃなく、粘り着くような『欲望』も持っているんだから」
「じゃ、リツコさん。 お願いしまぁす!」

視線が一斉に、最年長を更新した私に集中するのが判る。

「なにかたべるもの、ありますかぁ?」

すっとぼけた反応で緊張を壊してくれたのはふすまの開く音と一緒に現れた、マユミさん。
文字通り素っ裸にタオルを巻いただけな彼女を見てシンジ君が動転したり、
『アンタ、いい加減慣れなさいよ!』とアスカ達がからかったり。

そんな流れに隠れて、マナちゃんはブレスレットを使って定時連絡を入れ、
ノゾミちゃんが早速、彼女の分の夕食を用意するのを眺めつつ。

私の告白が始まった。


168 名前:LHS廚:05/08/10 00:51 ID:???

富士TV深夜ニュース・シャトル帰還のお話。

無事帰ってきてくれたのも良かったですが、バック音楽、本当にトレックネタを判ってる人ですなぁ。
ちゃんと基本的トレックテーマ(探検)→DS9(宇宙ステーションシリーズ)→ヴォイジャー(帰還)
の流れでやってくれるとわ。

各シリーズのテーマを考えると実に嬉しかったです。

==========================

「えっと、どこまで話したことになってるのかしら」
「あたしがアオイの胸元に枕を置いたところまでです」
「そう言えばそうだったわね。 シンジ君が私の事、判らなかったあたり」

------------------------------------------------------------

シンジ君の反応は、正直言って父親である碇司令とはまったく正反対な感じがしたわ。
真っ青になって私を見つめて、私が誰なのか判らなくて。
サツキが抱きつき魔に枕をあげて沈めた頃には。

「何故、その、染めるの、止めたんですか?」
「……流石、『受け身ハーレム王』。 すぐに気付いたの?」
「その、えっと、ほくろが見えて、その、えっと」

私は私で、どう言ったらシンジ君と付き合って、その先までいけるのかな、って思いつかなかったし。
首筋とかに付いてるアオイの口紅をためらわずにぬぐえるサツキに一寸だけ、嫉妬していたのよ。


169 名前:LHS廚:05/08/13 17:39 ID:???

大抵の人は誤解していると想うけど、私は正直なところ化粧するのが大嫌い。
髪を金髪に染めていたのだって、眉毛だけ染めていなかったのだって。
そっち(ギャップ?)に目がいってくれれば、人並以下の化粧でもまぁ
あらが目立つことはそれほどないだろうという気分だった。
かなり長い間、実験、また実験の日々を過ごしていたんだし。

それなりに化粧を覚えよう、と言う気になったのは司令と付き合っていたときだけ。

まぁ、そんなこと気にも留めない人だったけど。


シンジ君の側にいるときは、荒れさえなければ良い、と言う気になってしまうの。
化粧なんて見ようともしない呑気な、でも、肌の荒れだけは健康面を気にする。

………最も、司令と違うのは、ちゃんと化粧していると、ふと気付いて
真っ赤になってくれること……でも、とても嬉しそうに、一寸だけ誇らしげに。
自分だけの為に、努力して化粧をしてると言うことを、判ってくれてるから。


そんな違いが、シンジ君を好きになっていった理由の一つかもしれない。
まぁ……確かに彼は鈍感かもしれないけど、ちゃんと見て、気付いてくれるのは。
私にとって、とてもとても……嬉しいものなのよ、加持君って。
今なら、泣き黒子を突っ込んだ人達に言えそう。

『泣いた意味があったわ』って。

------------------------------------------------------------

「そう言えば(もぐもぐ)、手が温かかったのが……っていうのはどうして?」
「最初の使徒の時、私達ってかなり強引にシンジ君をEVAに乗せたの。
 それ以降もしばらく色々あったんだけどね……。

 シンジ君、レイのIDを届けに行ってくれない、って頼んだ時、
 何の躊躇いもなく、カードを私の手から受け取ってくれた」
「……? それが、何故?」

私ってかなり根に持つところがあると思うのよ。
この前のJA騒動の時も。 あの時田って人に色々言われた後、あの人達に貰った
パンフレット、早速ライターで燃やしたし。

そんな私だから、あの時もシンジ君はおそるおそる、っていうか
私の基準では酷く怯えたりしながら、渋々受け取っていくだろうって思ってた。
でも、シンジ君はそんなそぶり無かったの。

想いが生まれる切っ掛けは、そんなものの、積み重ね。


170 名前:LHS廚:05/08/14 23:58 ID:b6a71fOY


「へっ?」
「いやだから、俺はその可能性、正直アスカとくっつくより有りだと思ってたよ。
 もっとも、リッちゃんがあのグループに入ってしまう、とはな」
「……何時、気付いたのよっ?!」
「溶岩の中でアスカが戦った使徒のこと、覚えてるよな……。
 あの後、葛城達が泊まったあの旅館であったんだ、切っ掛け。
 俺は直接行かなかったけど、リッちゃんとシンジ君が、そのなんだ。
 かなり良い雰囲気になった所をウチの部下達の何人かが見てるんだよ」


-----

半分ほど開け放れたふすま。
窓のすぐ下に移動された小さいテーブルと、その周囲に扇状に散乱した書類。

赤みが薄れ、「朝」に移りつつある夜明けの光にさらされているのは。

少しだけ、くまを作った技術主任と、彼女の肩を丁寧に揉む『三人目』。



『本当に、すみません……リツコさん。 僕達だけで宴会やっちゃって。
 一人で、徹夜で、騒がしい僕らの部屋の隣の部屋で、お仕事頑張ってるの、知らなくて……』
『………どうして?』
『はい?』
『私、初めて会った時からシンジ君のこと、一寸だけ、嫌な目で見てた。
 私、シンジ君のお母さん、ユイさんと一寸仲が悪かった時があって。
 その気持ちのまま、何も知らないあなたに当たってた。
 初めて会った時でさえ、シンジ君をEVAの部品としてしか見ないことで。
 君を、嫌いになろうと思ってた』
『……そうだったんですか』

「冷たくない、でもさわやかな何かを感じる」流し目を向ける技術主任。


171 名前:PDX.:05/08/15 07:28 ID:???

>>LHS廚さん

 加持が「あのグループ」の存在を知ったのはいつだったんでしょうねぇ。
 

172 名前:LHS廚:05/08/15 22:25 ID:???

微妙な追加。

正直アスカとくっつくより → 正直、あの頃のアスカより、くっつく可能性は

--------------------------------

「で、その後は?」
「特に何もなかった。 だってもしキスなんぞしてたら間違いなく付き合ってたし、リッちゃんの立場上
 付き合うつもりが無くても、そうしなければならないかも知れなかった訳……知ってるだろ?」

『強制恋愛薬』計画。
年頃の子供なら誰でも憧れ始める『恋愛』を糧に、シンちゃん達の精神にアクセスして暗示をかける。
『恋愛』をしてる職員を守るために戦う、という思考に調整してしまう。

最悪の場合、『恋人』の命と引き替え似、と言う自殺的作戦すら選択させられるほどに、疑えない位に。
計画の中核をなす薬がショタコンとかロリータとかの、皆に危険と言われかねない肉体関係の成立を
前提にしているのも……子供達には、聞くはず。

アスカなんか、もし加持相手となったら「OKの三連呼!」なんて言いかねない。
そうさせる薬自体がまだ未完成だからこそ助かった、計画だった。


「……って。 最後に『お互いに頑張りましょ』って、シンジ君とリッちゃんの握手が感動的だったそうだ」
「………どっちとも、運が良かったわ」
「確かに……言わんとしてる事は判る。 この前の『扉の向こう』といい、NERVには裏がありすぎるしな。
 まぁ結果として、シンジ君とアスカ達の関係は薬抜きで計画の効果を成立させてるし
 俺ではアスカを幸せに出来ないと判ってるのさ。 何より」
「?」
「親代わりの俺が、誰が相手であれ『薬で出来た関係』なんて許す事は出来ないんだ」


-----------------------------------------------------------


「話は変わって……」

小皿に盛られたクラゲの梅和えをつつきながら、ミサトは呟く。

「アンタ、何時シンジ君に仕込んだ訳? エッチのテクニック」

173 名前:LHS廚:05/08/15 23:16 ID:???

「シンジ君の「ブレイク」に俺は関わってないぞ? 少なくとも俺はテクニックなんて持ってるとは考えてないし、
 第一、彼はこの所家事全般で忙しそうだったじゃないか」
「う……でもさ、シンちゃんがどうやって」

そう言いつつ、葛城は指を折り始め……………両手が埋まった。
『関係を持ってる子』だけで埋まってしまった事に、改めて葛城の頬がひくひくと引きつっている。

「全員が男の趣味も感じる所も同じって……知識はアンタかあの二人以外手に入れようがない筈なのよ?」
「単刀直入に言うぞ。 お前が」
「冗談でも言わないで………」
「だが、これは『人が変わる』と言うレベルでは説明できないぞ」

いぶかしむ葛城に、封筒を手渡す。
その写真に写ってるのを知ったときには、もう、遅かった。
望んだ結果の筈だし、本人の意志で遣った事なのに、何故か、どうしても納得がいかない何か。
それが写っている。


葛城は不信感丸出しで封筒の中を取りだし、覗いて、真っ青になり、真っ赤になり、目をこすり……。


「………何時かだけは言っておく。 シンジ君とマユミちゃんが退院した日の午後九時四十五分頃。
 偶然部下共に俺が差し入れに行ったとき、実際に肉眼で見て絶句したよ。
 二人とも、シンジ君と『いた』のは実質数時間の筈。 シンジ君の天賦の才能なのか?!って」

写真には、開かれた扉越しに微笑みあうアスカと洞木さんが写っている。
二人とも、何一つ身にまとっていない。 片方の服は、足下に纏まっている。

これから起きる事に、うっとりとした裸の女が二人。
俺ですらその気になってしまいそうな、『本物』だけが持つ淫靡さがにじみ出ている写真。

「あたしが知ってる限り、二人とも潔癖な思考をするはずなのに……ここまでさせる位に凄いの……」
「……興味持つなよ、シンジ君のテクニックに」

ごくりと鳴る喉が、『それだけは不可能だ』と言っているみたいだった。


174 名前:LHS廚:05/08/15 23:39 ID:???

私の連休名物(?)な突っ走り。
やっと、伏線一つ消化できますた。
(あのシーンは覗きがいてしかるべきでしょう………)

>棒組スレの方。
>ミサト参加はなし?

ミサトの参加はありますが……かなり後になりそうです。
(その代わり、ネタはほぼ固まりました)

>>171 PDX.さん
>何時知った?

流石の彼も、増えてくとは思わなかったんだろうな、と。
せいぜいマリイが加わる位で……。


175 名前:LHS廚:05/08/16 23:41 ID:???

そう言えば、いつの間にか始まってる某すれに。

>ネタスレ・なーぐるさんの『海祭り』。

大変美味しゅうございました。
やはりマユさんからですか。
すくうる水着な……ヒカリン編はありですかのう……。
(「トウジ込みで呼ばれてる」のに、期待はしてしまう私)。

割り込みは……そちらのタイトルで絞り込めばいい気がしますが、
専ブラウザに頼ることになって、単純にブラウザで覗かれてる方は難しいですよね……。
こちらは、特に割り込まれてもOKなんですが。

176 名前:なーぐる:05/08/18 00:27 ID:???

>やはりマユさんからですか。
(′・ω・)マユタンからです。まずマユタンから書くかどうかで気合いがぐんとちがいます。
そういえば、シアエガさんのサイトで連載してるアレも書かないと色々まずいですよね。
マナか…。

>すくうる水着な……ヒカリン編はありですかのう……。
残念ながら水着でエチィをするのはマユミとアスカの2人です。
他の2人は別の格好ディス。趣味丸出しディス。
趣味を隠さなくなったためか、知人に彼女が出来たと言う間もなく破局です。

でもなんか最近、彼女作るより趣味に生きる方が楽しくて仕方がないです。
末期的?

177 名前:LHS廚:05/08/19 01:06 ID:???


>>176 なーぐるさん。

>マユタンから書くかどうかで気合いがぐんとちがいます。
そですね。 私の場合はヒカリンですが。



>水着は2人、別の格好な他の2人。

ぐはぁ。
やはりヒカリン参戦はなしですかなぁ……。


>末期的?

この数年は仕事が恋人な私。
(強い薬品の臭いが、かなり)




引き続いて、更新。
--------------------------------



セカンドインパクト直後、幾つかの妙な格言的ジョークが一世を風靡した。
子供に威力を持ってはやったその一つに、「バージンロード」がある。

わかりやすく言えばかなり悲惨な話なんだけど、
『結婚もせずに、処女のまま天国への道まっしぐらは嫌!』。

そんな訳で、リツコさんくらいからあたし達の辺りまで、文字通りの即席カップルが
ジョークの発信先である中学から大学一年の辺りでひどく流行った。
適当な相手と痛みさえ我慢できれば、片方は解消できるようになっていたから。

カエデなんかはハッキリとしている。
あの日、『高校の時、一人とだけ』って言ってたしね。

ま、何が言いたいのかと言えば。


純情と言われそうだけど。
微妙に珍しいのだ。 あたしや主任のような存在は。


178 名前:LHS廚:05/08/20 23:10 ID:???

はむはむはむ、と動く頬。
時々、薄くて、小さめの唇から見える舌と前歯。

「そんなに、おなか空いていたの?」
「(むぐむぐ)……ふぁい」
「あ、別に尋問とかじゃ無いから、すぐ答えなくても、いいのよ」

肌を合わせ、汗をすり合わせ、お互いに染み込ませていた時にあった
「強さ」をまったく感じさせない、むしろ「弱さ」すら感じるのに。

「……14、なのよねぇ」

ほぼ半分。
自分より少ない人生を送ってきた男の……ううん、男の体。
あの、小さい肉体の一部が、あたしの体をついばんで、つねって、包んで、
切り裂いて、潜り込んで、絡まって、熱い流れを生み出して。

あたしを、『ぬくもりを欲しがるあたし』にしてしまった、おとこ。
今は、そんな部分があるなんて、全く思えない、年相応の『男の子』。


「えっと、リツコさん。 そんなに見つめられると……」
「食べにくい?」
「……はい」


リツコ主任は、さっさと食事を済ませて、いまはシンジ君をじっと見つめてる。
あたしも、時々箸を止めて、それにならうう。


「……?」

時々気付いて微笑を返してくれるだけで。
心が暖かくなるのに、それだけではすまなくなっている自分がいる。

「そうですか。 一月もみんな」
「お風呂にもろくに入らずに、ずっといたの。 小さい部屋に」

我慢できないわけじゃない。
でも、アオイとさっきまで、その、愛し合ってたのよね…………。


そ、そうよね? アオイの体液の臭いがこもってるのが悪いのよ。
リツコ主任だって、シンジ君に判らないようにしているけど、少しそわそわしてる。


「……に……ゅ」
「「わ?!」」

おまけに、時々……本当は起きてるんじゃないかって言うタイミングでアオイの手が
枕から外れて、シンジ君を触っていく。
手とか、足とか、あそことか。



179 名前:LHS廚:05/08/23 22:46 ID:???

「………ちょっと待って」


そこまで話した時点で、アスカちゃんがあたしをとめる。

「リツコの経験したところの話、さっきからシンジまで話を引き伸ばしてない? 誤魔化すつもり?
 アタシ達は何時までも待つけど、ノゾミちゃんはそろそろ睡魔に負けちゃうんだから」
「そんなに言いにくい経験、したんですか? シンジさん」

生暖かい、と表現されるタイプの引きつった笑みを交わすあたし達。
この先を話すためには………。


数瞬の後、アスカのきつい視線に耐えかねて、シンジ君が口火を切った。

「実は、ある恥ずかしい経験をした事を、言おうか言わないでいようか迷っていたんだ。
 でも、みんなへ嘘をつくのだけはしないって考えてるから、僕が言うね」

--------

事の発端はあの時、一通りご飯を食べ終えた直後のこと。
彼がいなかった一ヶ月間の話で盛り上がったころ、シンジ君が異様に困り始めたの。
居心地が悪い、って言うか、気持ち悪そう、って言うか。


そのとき、アタシ達の勘は
「あたし達がシンジ君自身と隣にいる「抱きしめ娘」、二人分の臭いを気にしてる」
といっている気がしていたから、それとなくはぐらかしていたの。

リツコ主任が女であると思わせたかったのが一番ね。
あの日の、あたしの気持ちを告白したとき、一番混乱したんだって聞いていたから。
リツコっ主任の気持ちが信じられない、という理由を消しておきたかったしね。


でも、違っていたのよ。
勿論においや気持ちも理由のひとつだったけど、それだけじゃなかったの。

--------------------------------

「実は……その……ある理由があって……きたんだ」
「きた? もしかして、しようと服脱いでいる時に、服司令とか?」


深呼吸ひとつ。

かれはそのまま、蚊が飛ぶ音のような、小さい声で。


「お風呂場に行くのに……りつこさんの、服を、きたの」


大爆笑が、部屋一杯に響いた。


180 名前:LHS廚:05/08/24 00:52 ID:???

「……は?」

年相応に真っ赤になりながら、居心地が悪そうにしていたシンジ君は、ついに絞り出すような声で、言った。

『パジャマと下着のの着替え、ありませんか?』

首を捻りながらあたりを見回すこと数瞬。
シンジ君がまとう臭いの発生源に思い当たった。


「「あー、そういうこと」」

アタシ達がこの部屋に入った時、シンジ君はパジャマを着ている。
上半身ははだけて、彼らしい微妙な発達の胸板と、アオイ好みのカラーの花びらが幾つかついていた。
そして、下半身はちょっとずり下がっただけ。

どうやら。
シンジ君の背中はいま、アオイと自身の体液でひどく濡れ、彼にとって気持ち悪い状態になっているらしい。


「下着だけでもいいんです。 着替えは、この部屋に」
「無いわ」

加持さんの正体がばれた結果、諜報活動の出来る人物がNERVに入り込んでいるのを改めて実感した
葛城三佐をはじめ幾人かの上位士官が出した要請もあって、この部屋自体もかなりの下層に位置していた。
何より、この部屋は病室では無いわけで。
ベッドを初めとする最低限のの病室設備をはめ込んだだけの部屋なのだ。

「……と言うわけで、病室用の着替えや下着なんかも無いの」
「取り寄せましょうか?」
「………いや、あの、出来ればお風呂に入っている間に」
「この階は浴槽型があるけど9ブロック先。 80メートルは歩かなければならないわ」

181 名前:LHS廚:05/08/24 01:21 ID:???

「……一寸待って。 私が思うに、取りあえずサツキに男子制服とってきて貰うとか」
「あたしもそう思って聞いたんだけど、シンジ君はとっても焦ってて、そんな考えは出てこなかったわ」

--------------------------------------------------------------------------

「うわ、うわ、うわわっ」

シンジ君の焦りは頂点に達していたわ………で、唐突に出た言葉は。

「お二人の服、貸してもらえませんか?!」
「は!?」

「じゃ、リツコ主任の白衣を借りたら……」
「そんな下着着てても豚箱一直線なスタイルになりかねないのはいやですっ!」

「あたしの服はワンピースだから無理」
「制服の着替えっ」
「……女子の制服を着るのは、いいの?」
「9ブロックの我慢です!」
「そう……でもごめん。 制服は施設内のクリーニングサービスに出しちゃった。
 明日、あたしは休みの日だからちょうどいい、と思って」

で、さっきの爆笑の原因ね。

「……本当に、いいの?」
「え?」
「私、いつも着ている服、もう一着……このバッグの中に入ってるけど……」
「貸して下さい! 背に腹はかえられないですっ」

数分後、胸の辺りとかが妙にだぼだぼな、妙に魅力的な印象の彼が主任を連れて飛び出していった。

「………しばらく起きないアオイの服を拝借、って言う手でもよかったんじゃないの……?」

自分でもどこか着地点のずれてる意見をつぶやいて。
早速、あたしは被服課に彼のサイズに一番近い下着などを支給してもらいに行ったの。

182 名前:LHS廚:05/08/27 00:38 ID:???

「でも、シンジさんが女性の服を着るって言い出したのは……一寸ショックだなぁ」
「……理由はちゃんとわかるんだけどね」
「あね?」
「彼女とした事を、自分で説明するまで私達に知られたく無かったのよ。 それに」
「それに?」
「ノゾミだって一月ぶりにシンジに甘えたかったでしょ?
 そんな時に職権とかを利用して早速抜け駆けした子がいたら?
 私達がその事知ったら、アオイさんをベッドからポイって……早速襲ってたわね」
「『嫉妬半分その気半分』でね」

「アスカさん」

「是が非でもお風呂に行きたかったのよ、あいつ。服脱いで、全身を洗って」
「証拠を消したかった?」
「そうじゃなくて……『匂い』を嗅いでリツコがその気になるのも、嫌だったのよ。
 リツコが自分を好きになってるとは思ってなかったんでしょうね。
 キスはともかく、自分を好きだって言ってくれる子としか、シンジはHをしてない。 リツコが体だけでもその気になって、なし崩しにそのルールを破っちゃったら」

「抱ける女なら誰でもいい、って事になっちゃう。シンジはそれが嫌だった。
 何より、それを認めちゃうと。今度は私達の想いを傷つけてしまうと思った。
 本当は自分だけを愛してほしい、って言う私たちの想いを踏みにじったと
 思ってるシンジにとって、もう一回はどうしても出来なかった……」

「………」

「ま、アタシ達が風呂入ってる間に来ればシンジに抱かれたアオイが寝てる、とか
 男湯にリツコが入ってこないと信じていた、とか……細かい所は穴だらけだけど」



183 名前:LHS廚:05/08/30 00:20 ID:???

マユミと経験した真っ白な世界とは逆の真っ暗などこか。

ずきずきと痛む後頭部。


確か僕は、女装した姿を誰にも目撃されなかった事を信じてない神様に感謝して。
男湯に入ったらリツコさんも入ってきて驚いて。
慌てて出てもらって。
通路と繋がってるドアに鍵はかけられない事を思い出して。
脱衣場と浴室の間の扉は掛かるのは同じ型の風呂場をいつも使って知っていたから
着替えからそっちでやろうとして慌てて飛び込んで……。

あれ? と気付いたときには「それ」はもうそこにいた。


目の前に見えたのは、あの時助けてくれた一本の茶色い糸。
顔じゅうに広がる、暖かいもの。
そして、アオイさんのように、僕をちゃんと読んでくれる声。



「良かった、気がついたのね!」

暖かい何かは、リツコさんが流してくれた、涙。



---------------------------------------



「えっと、何があったんですか、僕は……」
「慌てて動いたから、私の……シンジ君のウエストより少しだけ広いスカートが
 ひざの辺りまでずり落ちて、それに足をとられて転んで頭を打ったの」


意識が戻るにつれて、僕は上半身がリツコさんの体に包まれているのに気がついた。

ヒカリやアスカの同じ大きさの体とは違う、支えたいノゾミとも違う
サツキさんのような、でも何か違う、懐かしい……。

「少しだけ、覚えてるんです」
「なに?」

あの三十日(僕自身にはたった数十分ぐらいのことだけど)の話を、僕はした。
理由はわからない。
でも、この話はリツコさんに最初にしなければならない気がしてならなかったんだ。


一本のこげ茶の糸の,、『励まし』という暖かさは、彼女がくれた気がしたから。

184 名前:なーぐる:05/09/07 00:41 ID:???

>やはりヒカリン参戦はなしですかなぁ……。
参戦したが良いですか? すると、ヒカリはトウジに振られるって事になるのですが。
それでも良ければ b(・ω・)

185 名前:LHS廚:05/09/07 00:52 ID:MOuygvK6

更新したいのに時間が無い(泣
友人の結婚式だの今日の台風だの某所発注CGの「つめ」だの……。


>なーぐるさん。
>参加=トウジ……。


……私にそれを聞かれると……答えは一つしかないですって。
シンジハーレム祭り、でぃすし(爆


186 名前:LHS廚:05/09/18 23:00 ID:???

ども。
仕事を兼ね、仙台まで行って結婚式に出席してきますた。
……棒組すれの方、心配をおかけしたようで。
最短更新です。


-----------------------------------------------------------
「実は、その、リツコさんじゃないかな、と思っているんです、けど……」
「なに?」

確かに、リツコさんだ、という確信があったわけでも、無かったよ。
でも、話していくうちに、どんどん真っ赤になって行くリツコさんを見て
後頭部の生え際あたりがちりちりとざわめく感覚にとらわれた。

それは、EVAに乗ったとき、感じるようになったあの感覚。
学校の生物の授業とかで見たことのある。

獲物を狙い打ちに出来そうな、猛獣の、視線。



187 名前:LHS廚:05/09/21 00:38 ID:???


「それで、木の下に母さんみたいな人が現れて……」


私が彼に好意を持ち始めたのは、あの朝日の中の握手。
彼の手は、とてもふっくらとして、私達の命を賭けて戦っている手とは思えなかった。

私がそれを隠したくなくなったのは、彼に愛されているサツキを見たとき。
あの『手』が私以外を触っているのに腹が立っている自分に気がついたから。
……もっとも、熱が冷めた後のひと時ははかなり悲惨だったけど。

いよいよ私が気持ちを隠さなくなったのは。
バレンタインデーをきっかけにして、決定打はマリイさんとの話の中で。
一度くらい、正直になってもいいんじゃないか、って思った。
彼に思い出をもらうくらい、ならいいんじゃないかな、って。


「だから、手を伸ばして、あの人を突き飛ばして」


元の世界に帰る切欠が私らしいことを知って。
本当に嬉しかった。

188 名前:LHS廚:05/09/22 23:12 ID:???

そこまで気持ちが膨らんだとき。
彼の左手とお風呂場のタイルに挟まれた鈍い輝きが見えた。
多分、サツキが手渡したであろう、あのショッキングな写真が入ったケース。

彼がそれを握り締めたのは無意識だと思うけど、その行動に悔しさがこみ上げてきた。
多分もう、私が入り込む隙間なんか、無いんだろう。

「でも、みんなの気持ちも、糸に例えられていたんです……本当に、うれしかった」

彼には帰る場所が、しっかりと、ある。 今の私にはもう無い、ここでは多分もう持てない絆。

司令に別れを告げた私には、もう買えるところも無い。
戻るつもりは無いけど、加持君のそばには今も、ミサトがいる。

そう思ったとき、私の中で何かが変わった。
あの朝日の中の握手と、『糸』を信じたかったんだと思う。
まだ、赤木リツコと碇シンジの絆は切れてない、と。

それと同じくらい、暗い怒りも,心に広がってきた。
あれ程たくさんの女の子達の気持ちを理解できるようになったくせに。
たった今、目の前にいる、私の気持ちに気が付かない彼に。

「……リツコ、さん?」

ムカムカが更にひどくなっていく。
顔が険しくなって、どこか、暗い気持ちが頭を占めていくのを抑えられない。

「私を、忘れ、ないで……」
「え?」

この先シンジ君の心の中に、私が恐怖と同じ意味で残っても良かった。
彼が私を襲う存在として、『あの日』まで覚えていたとしても、そのときまで、私は彼の中にいられる。

私が襲うようにシンジ君を、その唇を求め、塞いだのは、そんな理由だったわ。

189 名前:LHS廚:05/09/25 00:43 ID:???

すいません。

『あの日』まで覚えていた

『あの日』までしか覚えていなかった

-----------------------------------------------------------------


最初の一回目は、ただ唇を私のではさんだだけだった。

「いつっ?!」

でも、シンジ君の唇のはしが私の、ふつうの人よりも一寸大きくて、とがった犬歯に引っかかって。
かなりぶかぶかなわら氏の上着の隙間越しに、流れてく。
私のと、彼の、二人分のしずくが混じって。
私から流れるしずくを想像させた。

「……リツコ、さん?」
「私ね、シンジ君が好き。 アスカやマリイ博士や……ヒカリちゃんと想いでは、負けないと思う」
「ええ!」

胸をはだけさせて、白い、でも、NERVの護身術などの訓練によって、初めて会った時には無かった
『男』を意識させる、筋肉の盛り上がり。

特にあの『影と繭』の辺りから、彼は必死になってトレーニングをし始めていた。
その原因が、あの子達。


「え?! いや、ちょっと!!」
「怪我させたのは、私だもの……」

さっきまで流れていた雫の流れを、舌で拭い取るように、さかのぼる。


190 名前:LHS廚:05/09/29 01:56 ID:???


ふと、自分に傷を付けるだけだった『あの人』の性癖を思い出す。
彼はなぜか、自分の体……爪や歯、指などで痣を作ることを好んだ。

それも、細心の注意を払って。 他人の目に触れにくい場所、
他ならぬ私自身でさえ、見ようとしなければ確認できないような所へ。

ユイさんや、しばらく関係のあった母を思い出す限り、特にそういう趣味が
あの人にあった、とは聞かなかったのだけど。



そう言えば、という気持ちで彼の左肩に舌を這わせる。
確か、『猛者』な彼女が鎖骨のすぐ上辺りにつけた、って言ってたわね……。

「やっぱり」
「……え?」

なかった。
ヒカリちゃんがシンジ君との初体験の時に、痛みに耐えかねて付けた、という歯形。
かなりはっきりと付いてしまったので、『流石に一寸気になってしまうんです』と
あの時マリイさんが言っていた、初めてを取っちゃったヒカリちゃんに
メンバー全員の嫉妬心を一寸だけ持つ、本来消えるはずの無い傷痕。

それが無い。
きれいさっぱり、痕跡さえも。


「嫉妬の証明……そこまで真面目にしなくても、いいのにね」
「……『傷』の、事……っ?!」

そう耳元でささやいて、『なぜその事を?!』って驚いたままのシンジ君の。
微妙に開いた唇へ舌を差し込んで、こじ開けて、少し彼の血が混じった唾液を
繋がった所へ貯めて、かき混ぜる。

その音を聞かせるために。

191 名前:LHS廚:05/10/03 23:38 ID:???

>棒組スレ
>寝取られた側の対応?

うーん。考えてみたくなりはしますが、誰がいるだろうか。

(やはり、ムサシケイタの二人、モト寝た経由でマヤか)


更新は微妙に短く。

-----------------------------------
訂正。

かなりぶかぶかなわら氏

身長等……体格の違いからかなりぶかぶかになっている私の

==========================


「……シンジが責められっぱなし?」
「なんか、何時もと違いますね」
「でも、あたしが着替えを持ってきたときは、タオルとシンジ君の間で『痛みと初めての幸せ』を噛み締めながら
 シンジ君に手足を絡めてまし」
「きゃーっ!」
「……『きゃあ』?」

----------------------------------------------------------

最初に、その、シンジ君の態度が変わったのは、私がシンジ君の下になったときに
彼がバスタオルを二枚重ねて、私の体の下に敷いて、「本気ですか」って聞いてきたときだったの。


「アスカちゃんは信じたのに?」
「え、嫌、そうじゃなくて。 アスカ本人に聞いたんですけど、その、僕がヒカリと初体験をしたのも、
 その後、目覚めたように、その、慕ってくれる、その……」

「浮いた情、なんかじゃないわ? ずっと前から、レイを助けたあの頃にはもう、小さいけど気持ちはあったと思う。
 だって、あの朝日の中、シンジ君とした握手で、貴方への気持ちがはっきりと自覚できたの」

192 名前:コウイに値する名無しさん:05/10/05 14:30 ID:Z1nX7KEk

なんだか下がりすぎてるので、ageさせて頂きます(邪魔?)。
異様な更新頻度のLHS厨氏、ご苦労様ですm(_ _)m
無理ない範囲でガンバッテ下さいませ。

>モト寝た経由でマヤか

マナっす。マナっす。

193 名前:LHS廚:05/10/06 23:27 ID:???

うむぅ。

そんな大層なものじゃないんですよ>更新。
実際、私はSSをまず粗筋レベルで一通り最後まで書いた後、
それを切っては本編として書き、また切っては……という形をとってます。

(ですから、本作を伸ばそうと決めた後、しばらく混乱してたわけで)


……残念ながら、伸ばした分の粗筋は不完全なままなんですけど。

194 名前:LHS廚:05/10/06 23:35 ID:???

>>モト寝た経由でマヤか
>マナっす。マナっす。

この部分は誤解を招いたようですね。
以前から何度か書いている通り、本SSはこのサイトの『表(?)』でやっている
『アスカ〜』の分岐もの、と言うベースがあるんですが、この中で
マヤは(ゲフゲフ)な理由でヒカリを手に入れようとしています。
それに倣ってリツコまで獲っていったシンちゃんに対する嫉妬心なんか有りかな、と思ったのです。

195 名前:LHS廚:05/10/10 00:13 ID:???

ちょい微妙かな>嫉妬

後は、訂正が一箇所。

>>181

「あたしの服はワンピースだから無理」

「あたしの私服は今着てるワンピースだけだから無理」



では更新。
-----------------------------------------------------

私にとって、先輩は人生の目標であり、仕事の師匠であり、恋とは微妙に違う、好意の対象。
恋の対象にはならないと思う。 先輩に対する感情はまず『尊敬』ありき、だから。

何より、先輩自身が望まないと思う。
自分の望むことなら何でも、と言う私と違って、先輩の恋愛に関する感覚は硬いから。

そんな人が、よりによって自分の母と関係があった司令と関係を持ち出した。
しかも、他ならぬナオコ前主任が異様な自殺を人生の終焉に選んだ直後、と言う事実もあって。
私は『自分の大切にしたいものが汚されていく』、と言うイメージを勝手に作っていた。

だから、私は先輩と司令の関係を調べるために、こっそりサーバ・LABOR-011316を立ち上げた。
MAGIの検査プログラムをスルーできるスニッフィング・プログラムと一緒に。

彼女の私生活を一寸だけのぞいてみたい、って言う欲望も、あったけど。
一番の理由は。 司令がもし先輩を傷つけるなら………。

そんな監視が数年続いた頃、先輩に変化が現れた。
原因は、14歳の少年。

-----------------------------------------------------

マグマの中からシンジ君がアスカを助けたあの日以来。
本部勤務の職員が彼に対して持っていた評価は、確実にいいほうへ変化していった。

ただ、私の視線の先によくシンジ君が入るようになるには、もう少しだけ、時間が掛かった。

その日とは。
2015年11月23日。

零号機の第二次稼動延長試験と使徒襲来があった日の、10日位後。

…………先輩の、誕生日。

196 名前:LHS廚:05/10/10 00:14 ID:???

すまぬ。

彼女の誕生日は11/21でした。

197 名前:LHS廚:05/10/11 01:57 ID:???


最初は、たわいもない話のはずだったのよ。
あのプリズム型使徒がシンジ君を撃ち抜く日の、前日の。

『ねぇ、シンジ君は大人の女性に興味、あるかしら?』
『そりゃぁ、シンジ君はそういう事に興味持ち始める頃ですし、
 レイちゃんと話せる様になるまでの間、葛城さんの毒牙にかかって、とか。
 噂だけなら結構、在りましたから。 事実、酔った葛城さんが日向さんに……ぁ』『何?』
『その……シンちゃんの「おちんちん」のサイズを知れる位に見た……と』

先輩は、自分のオフィスの真向かいにある、作戦部長の部屋へ直行。
『そういうことを他人に漏らすな!』と大喧嘩になった。

その時のしこりは、『それじゃ、役得じゃない!』と言うのが、一寸だけ。

----


次のきっかけは、シンジ君とアスカのユニゾン訓練。
二人のシンクロが上手く行き始めるにあわせて、先輩のタバコは根元まで吸われて行くようになった。

----


そして。

『………え?』
『え、えっとですね? 昨日、アスカや綾波の誕生日を、その、知る機会があって。
 それで、あ……の、リツコさん、の誕生日も、判ったんで、す。
 流石に、誕生日パーティーをリツコさんの都合を考えずにやるのは……。
 で、でもっ。 やっぱり感謝の証があの日の肩揉みだけ、って言うのが、どうしても、
 感謝の証とするには足りない気がして、引っかかってて……だからっ!』

彼が差し出したのは。 花麒麟と一緒、先輩の誕生花のひとつである
小さい「かりん」の花があしらわれたペンダント。
それと、たった今みたいに顔を真っ赤にしながら買ったであろう、四つのショート・ケーキ。


『そ、それじゃ! これからもよろしくお願いしますっ!』

そう言って帰ったシンジ君は、おそらく知らない。


先輩が顔を真っ赤にしながら、その場ですぐペンダントをいそいそと首に掛けたことを。
その純情なその行動が、「かりん」の花言葉が……「唯一の恋」だと知っていたから、と言う事も。

……この日から、司令の元へ、行かなくなった事も。

198 名前:LHS廚:05/10/13 22:08 ID:???

綱吉版『大奥』放送開始記念トリビア。

『宇治の間』

大奥内で『幽霊が出る』事で有名な開かずの間。
部屋の名前は宇治の茶摘みの絵がふすまに描いてあったから。

ある説によると、徳川綱吉はこの部屋で御台様(つまり奥方)にぬっ殺されたと言う話もあるそうです。

一切の用事に使われなかった部屋なのですが、たたりを恐れたのか
大奥が火災にあってこの部屋が消失した時は、同じ場所に同じふすまを用意して再建されたそうです。

199 名前:引き気味:05/10/13 22:53 ID:???

あー、やってますね『大奥』。
なにげにチャンネル回してみたらやたら濃い画面作りでなんだか懐かしいでした(w
しかし、若さに欠ける大奥ですな…… (;´∀`)

200 名前:LHS廚:05/10/15 01:00 ID:???

先輩が、変わっていった。

鋭くて、強くて、美しい刀みたいだった人が。
セカンド・インパクトに消されかけた青春を取り戻す努力を忘れたあの人が。

化粧を、香水を、自然な気持ちを手に入れようと努力していた。

無理に自分の気持ちを理解して欲しい、と願っていた訳ではないけれど。
司令との関係の縁切り。
先輩があの日々の中に置いてきた『青春』の体験も。

全部、シンジ君が持っていってしまう。
それは、私にとって嫉妬を大きく煽るのに、十分だった。



「……それでも、恋じゃないって、自分に言い聞かせてたのね、先輩」

怖かったから。
歳の差、自分がシンジ君に思いを寄せる以前、誰と関係を持っていたか。
臆病にさせる要因は、そろっていたもの。



そんなある日、転機がきた。
アスカに告白する為に、プレゼントを模索していたシンジ君。
私に相談してくれた事に運命を感じ、色々画策した。


サツキから、どう言うプレゼントがいいかと相談されたとき。
先輩を落ち込ませる為に『誕生日の花言葉』を題材にさせた。
少し大きめなブローチを作る事にして。
カエデやアオイも巻き込んで。

アスカの誕生パーティー以降、先輩はかなり落ち込んだ。



201 名前:LHS廚:05/10/16 00:04 ID:???



微妙に青みががった映像。

理由は不明だけど、同じ服装をした先輩とシンジ君。


少しだけ、精悍な顔つきになって、戻ってきたシンジ君の膝を包むように
先輩のスカートがくるんでいる。

シンジ君は大人の充実した体の下で脱出すべく必死にもがいているみたいだけど、そうはさせない、とばかりに先輩はスカートのベルトを締め、彼の足の間に両足を突っ込んで。
スカートの形、布が伸びるときに出来る余裕、すべてを使って簡単な拘束具を作り上げている。

「やっぱり、本気なんですね、先輩……」


----------------------------------------------------

私が仕掛けたいたずらは生まれ始めた先輩の気持ちを壊せたはず。
それなのに、先輩が司令の元に帰ることはなかった。

でも、何かにとり付かれたようにふとシンジ君絵の気持ちを見つけてしまうようで、すぐに否定しようとした。
霧島さんが姿を現した一月以降は特に。



「『初号機が殴りたかったのは私』、か……」

シンジ君を無視し、初号機を優先して取り返そうとして、葛城さんに叩かれた時のように。

それ以降は、言うまでもないと思う。

シンジ君は母親の命日に童貞を捨て、その数日間に幾人もの女性と関係を持っていく。
先輩の気持ちは、本人以外に無視され、置いてきぼり。
今度こそ、帰る場所の無くなったひとに手を差し伸べる前に、彼女はあっさりと開き直ってしまった。
松代で、マリイさんが関わっているらしい事だけしか、理由らしい事はわかってない。

202 名前:LHS廚:05/10/23 23:23 ID:???

シンジ君の呆然としていた瞳に、しっかりとした意思が宿った。
『オトコ』とも、『タチのオンナ』とも取れる、狩人のような、視線。

その視線に、私も、先輩も、一まとめに呑まれていく。


『本当に、僕の事を………?』
『ええ。 リツコは、シンジが、好きで……?!』


数回想いを込めたキスをされて、愛されて。
想いに応える気持ちが出来たのか。

それからのシンジ君の、『攻撃』は、とても鮮やかで。
あっさりと先輩を組み伏せて、僕のもの、って言う証をやさしさと一緒に。

刻み込んで、いく。

経験豊富な私ですら、うっとりとしてしまうものだったの。

----------------------------------

いつ、攻守が逆転したんだろう。
いつ、私がバスタオルを敷かれたタイルの上で。
彼を受け止めつつ、喘いでいるんだろう。


「どうか、しました?」
「私の気持ち、信じてくれたんだな、って」

真っ赤になる、笑顔。
でも、手は止めてくれない。
司令とは違う、自分の快楽だけに染まらない。
あの日と同じ、あったかくて、私の気持ちをすべて受け止めてくれる、ふっくらとした手。
それに答えていく、私の心と、体。

「本当は、少しだけ、そんな気がしてたんです」
「あの子達から、聞いてたの? バレンタインの事、とか」
「糸が、あの時母さんから僕を助けてくれたあの糸が、励ましてくれたんです。
 まるで、物語に出てくるヒロインみたいに、『シンジ君!』って」

そっと、彼は束ねられた髪を解いて、左右に散らしていく。
『こんな色だったんですよ、リツコさん』とつぶやいて。
髪の毛のひと房を手にとって、そのままつつっ……と私の頭へと手を流す。

「『糸』の付け根、そこにあるのは、頭……こころの入れ物だから。胸にしまった想いが伝わって……」
「きゃうっ?!」

右手によって付けられた、乳首への刺激によってのけぞった私。
少し緩んだ唇は、差し込まれた舌に、すぐさま自分勝手に応えて、すべてを絡めていく。

203 名前:PDX.:05/10/23 23:38 ID:???

>>202
リツコ弱っw
というかシンジが強すぎなのかw

204 名前:LHS廚:05/10/24 00:23 ID:???


一寸訂正(って言うか、追加)。

『シンジ君!』って」

『シンジ君!』って。 アスカ達の話だけじゃ」
「信じられなかった?」
「はい。 ちょっと唐突過ぎて」

-----------------------------

でも、その行動は、本当はの自分の気持ちがしっかりと付いていっているもの。

答えてくれないと思っていた気持ちに、応えてくれた。
自分が求めてやまなかった、気持ちに、応えてくれた。
だから、私か彼のものになるために、全身から抵抗の意思を捨てていく。

覚悟を決めた瞬間からしばらくは、私の体から漏れる声とシンジ君からもたらされる音。
目に映るシンジ君の、やさしさと獣欲の混ざった瞳。
肌に感じる女慣れした手のひらと、司令との時と違ってなぜか落ち着く肌の暖かさが、すべてだった。

シンジ君は、私に体を擦り付けて、においを移すように。
司令との関係で付いてしまった小さい傷跡に嫉妬して、キスマークでそれを覆ってくれる。
そして、程なく気付かれた。


私がまだ、処女である事に。


「……あ」
「やっぱり、判っちゃうんだ。 一寸、悔しいな」

シンジ君の指は、私の体にどこまでも、やさしくて。
体の隅々までなぞってくれる舌は、私をきれいにしていってくれる気がした。

デモ。
程なく、『穢れた処女』である私の欲望は、我慢をあっさりと放棄した。

司令にされていたときには考えもしなかった行動。
両手を広げ、性器を見せ付けて。

「リツコを貴方の女にして」

司令よりも残酷な……自分だけを愛してくれないと判っている男へ。
私は、すべてをさらけ出した。

205 名前:LHS廚:05/10/24 00:28 ID:???

ぐはぁ。
レスついでに気付いたミスを訂正。

本当はの自分の気持ちが

本当は自分の気持ちが

---------------------------------

>>203 PDX.さん。

毎度、感想感謝です。


>弱っ

(ユイに仕込まれた)父親と同じ愛し方は、彼女にとても馴染むのではないかな、と。

206 名前:LHS廚@205の続き。:05/10/24 00:38 ID:???

ただ。
ひたすら安心したくて受け入れたのと、本心から受け入れようとしているのでは。
少しは出来始めたであろう、『シンジのオリジナルな愛撫技(?)』などをふくめて、
ベースが同じでも感じ方、本人の受け取りようも違うと思うのです。

----------------

すいません。こぴぺミスりました。

207 名前:LHS廚:05/10/31 21:42 ID:???


『清い方・汚いほう』

大奥で将軍の手が付きやすいのは中臈(ちゅうろう)と言う位の女性たち。
会社で言えば、さまざまな仕事をこなす重役クラスな方々。

彼女達に使われたという隠語で、将軍との関係を持ったかどうかで決まる。
上様と関係を持っていない人は『清い方』
一度でも褥をともにした中臈は『汚いほう』とよばれるそうな。

===========

「そう言えば、サツキさんは何時からお二人の絡みを覗いてたんですか?」
「か、絡みって……」
「いいのかな……ま、いいか。  えっとね、まさにシンジ君に処女散らされる瞬間あたり」

----------

一応、ちょっと躊躇いはしたのよ?
シンジ君の安全の為に丸ごと閉鎖されてるブロックの中にあるとはいえ、男風呂に入るのは初めてだし
盛り上がったリツコさんがシンジ君と始めてしまってるかもしれないのに。
ここ数ヶ月に想像したいやらしい事は、すべて実現してしまってるのに。

まず女風呂を覗いて、二人が居ない事を確認して、さらに数分間の躊躇の後。
あたしは腹をくくって、扉をくぐった。



「……やっぱり」

シンジ君のやさしさか、二枚重ねのバスタオルと彼の体の板ばさみになったリツコ主任の
30歳の豊満な肉体は、彼のコントロールの元、快感の供給を受け取っていた。
製造を一気に引き受けているシンジ君に手足すべてを絡ませて、半分の年齢の子供から
なりふり構わず、求めるものをすべて吸い取っているように、見えたわ。

208 名前:LHS廚:05/11/02 22:57 ID:???

取りあえず、出来てる分まで。


==================


なにより、その表情は、ようやく手に入れた幸せを噛み締めているみたいだった。

今まで手に入れられなかったものを、大切に抱き締めているような。
本当に、ようやく、やっと。
時々噂になっていた碇司令との関係ですら満足できてなかった、と言っているような。
快感と一緒に、どことなく何かに甘えているような……。
とても、満たされてる感じ。

こんな時に、そう感じるのはおかしいとは思うけど。

でも、お父さんに抱っこされているような、そんな気にさせるものが、あったわ。
あの時、快感の間に見えた微笑は。

甘える事をようやく知った、子供みたいだった。



----------------------------------------

主任は少しの間『こども』を楽しんだ後。
そっと、両手を広げて。

「リツコを貴方の女にして」


それが、合図。



209 名前:LHS廚:05/11/03 23:14 ID:???

えっと……その先も説明しなきゃ…駄目、だよね、やっぱり。

シンジ君はそっと主任を抱きしめた後、腋の下に手を入れて、肩を抱えて。
やっぱり場数を踏んでるからかな、一寸ずらしただけで入り口を見つけ、
顔中にキスを何度もしながら入って行ったわ。

えっと、アタマの部分が本当に見えなくなった時小さく『ひぎぃ!』って悲鳴を
主任が上げて、シンジ君の背中に爪を立てたの。
それに合わせて征服していく彼のと繋がって行く花弁の辺りから、薄くなった血が漏れて、『ああ、やっぱり処女って血が出るんなんだな』って、変に感動しちゃった。

え? 私? 実は殆ど出なかっ……って。 ま、まぁその辺は一寸後にしましょ。


時間にして三分ぐらい掛かって主任の『開通』は成功。
さっきと違って顔と涙と体全体で痛みを表現するリツコさんを抱きしめて
シンジ君はずっと動かなかった。

ただ抱きしめるだけじゃなくて、涙をキスで拭い取ってあげるとか、脇腹の辺りからそっと乳房を押し上げるように集めて少しだけ色素が付いた乳首をくわえたり。



210 名前:LHS廚:05/11/03 23:14 ID:???

一寸だけ感動したのはネックレスね、右腋に垂れてた。
シンジ君がそれに気付いたとき、ちょうどそこに歯型……つまり前のオトコの影が見えちゃったとき。

主任、酷く慌てちゃって。
『あ、その、こ、これは……』って。
まぁ、初めてなのに、そんなところに傷、それも歯型があるって言うのも、ねぇ。
でも、シンジ君は『多少は嫉妬しますけど、そんなに気にしなくても大丈夫ですよ』って。
『それよりも、このペンダント、してくれてるんですね……。こっちのほうが、よっぽど、嬉しいです………それに』
『……え?』
『花言葉のとおりに、なっちゃいましたね?』


「赤木リツコ」と言う花はこの瞬間、満面に咲き誇った気がした。
一瞬にして真紅に染まった表情は、最高にきれいだった。
『この人を選んでよかった』と両手、両足、シンジ君のほほにすり合わせている額。体全部を使って、たった今、自分が感じている幸福を彼に伝えている。


一方のシンジ君は気障な感じもしたけど。
リツコさんと同じくらいに真っ赤な顔をして。
お風呂場の鏡越しに写る、照れたような、満面の笑みは本心からしゃべっている証。
彼女は何時もの主任ではあり得ない素直な感動を体全体で表して。
満面の笑みはシンジ君が主任の中でイクまでそのままだった。



最高の初体験……ちょっと、って言うか……かなり、羨ましかったな。

----------------------------------------

>棒組すれ。
>かわいいっすよ、リッちゃん。

セカンドインパクトによって、本来味わうはずだった『青春』を失って
一番損したのは多分彼女だと思うのです。

(ミサトは加持で何とか取り戻したかな、と思います)

で、それを取り戻そうとしている彼女を想像したら意外に進みました。



211 名前:LHS廚:05/11/06 22:51 ID:???

どことなく、恥ずかしかった。
特に意味もなく手渡したペンダントがこんなにも大きな意味を持っていたなんて。
真っ赤になった頬をすり合わせて、精一杯甘えてくるリツコさんが、妙に可愛くて、いとおしくて。

僕を求めて手も、足も、『僕』を覚えようとして必死に締め付けてくるあそこも。
言葉がなくても、気持ちが伝わってくる、って言うのが実感できた。

「汚れた時、初めて判る気持ちは、うれしい物もあるのね」
「え?」
「この前、ミサト達と友達の結婚式に行ったの。
 丁度……あなたが、ヒカリちゃんと初体験をしていた、あの日ね」

話を真剣に聞きたかったから、体重をかけないようにしながらリツコさんと目を合わせる。
潤みきった瞳の奥に、しっかりとした決意を感じる。

「披露宴が終わって……落ち着きたくて三人一緒に喫茶店に行ったの。
 加持君からね、お土産を貰ったけの。 結構良いデザインのアクセサリーだったけど……。
 『残念だけど』っていって、返しちゃった」

そういって、リツコさんは胸に載せたペンダントを心臓に押し付けるしぐさをして。
こんな時の『会話』に……少しなれた僕でも真っ赤になるしかない『告白』をしてくれた。

「その時も、このペンダントは私の首に掛かっていたから。アスカにあなたの心が向いていたとしても。
 アスカに振られて、霧島さんとか、マリイさんとか。 他の人の元へ気持ちが向いていっても。
 この『鎖』で私の心は縛られてたから。 嫉妬は、していたけど」

212 名前:LHS廚:05/11/06 23:53 ID:???



「けどね。 それでも良かった。 私は歳とか、さっきの歯形とか、色々あったから。
 嫌われてしまうかもしれないけど、覚悟して言うわ。 あれを付けたの……碇司令なの」
「え?!」

その後の告白は、かなり効いた、と思う。
加持さんへの初恋に、父さんとの馴れ初め。
求めていた気持ちと、母さんしか愛せなかった父さん。
僕に父さんを責める事は出来ないけど、でも。

「……たとえ初恋の人がくれたペンダントでも。 今の私には何よりも大切なものが既にあるから。
 だから、私は、返したの……初めて、私だけの為に贈られたプレゼントだったから」

さっきまでの告白で感じていた気持ち悪さがすっと消えていく。
過去は変えられないけど、彼女は今、加持さんより、父さんよりも、僕を選んでくれた。
僕が好きな女性(ひと)が何人も居る事を承知の上で。
それが、ただ、うれしい。

「だから、私の、今の答えは、あのペンダントを拒んだ時、出たの。

 私の気持ちは今の『赤木リツコ』の全てと、このペンダント、で育ったの。
 胸の中、頭脳(あたま)の中。  ぜんぶを使って。
 あの日、レイのカードを渡した時の、シンジ君の手のぬくもりで生まれて、
 気持ちがこもったペンダントと……ケーキを食べて、おおきくなったの。

 今なら、泣きぼくろの話を加持君が言ってきたとしても、はっきり言えるわ。
 『誇りを持って言えるわ。 今、好きな人が居ます』って」


僕は、ただ、抱きしめる事しか出来なかった。

----------------------------------

もらったけの」……って何だ、私。
……”け”は削除で。

213 名前:LHS廚:05/11/13 22:52 ID:h3CWgJ8E

すいません、あげさせて……。

----------------


とある中学の教室。

文章で表せばこんなもののはずの空間。

一応、妙に大きい体格の生徒がいるとか、異常なまでに胸が大きい女子とかは……。
ま、まぁ居るけど……たいした事じゃ、ないな、これは。


ある種の動物が季節ごとに抜け替わるような、そんな風に一人が「金髪に生まれ変わった」結果
どう見ても巨乳な日本人は山岸だけになってしまった……まぁ、それも十分妙だけど。

少なくとも、これが広まる理由があるとすれば。
深夜枠を持っている、お色気OKなバラエティー番組の製作者たちを喜ばせるだけ。
あるいは、俺が撮っていた写真を元に、自分用の彼女達を創って想像を広げてきた連中。
いずれにせよ、女性に対する下心以外に、このクラスに興味をもつ男は居ないだろう。



……ここ最近、あいつに起きている事を、除けば。


特に美形って訳でも無ければ、性格が良かった、という訳でもなし。
正直に言えば、洞木と霧島以外の面子があそこに居るのは、妙といえば、妙。
特に惣流は、某無精ヒゲ男が目指す相手だったはず。


「あーん」
「………本当に、やるの? アスカぁ」
「シンジ……もしかして、いや?」
「そ、そうじゃなくって。 僕がアスカから受け取るってことは」
「もちろん、わたくし達も」
「やらせてもらう事になっているの……シンジ君」


だから、屋上で、こんな騒ぎに発展することなんて、無いはずだったのに。

214 名前:PDX.:05/11/13 23:00 ID:???

>>213 LHS廚さん

 おや、また新しい視点ですか?w

215 名前:LHS廚:05/11/14 00:33 ID:+M4xN7Yo

昨日までとは違う、一日。
いや……違う、という台詞ではすまない。

シンジはこの一月に学校であったことを聞くたびに真っ青になったり真っ赤になったり。


綾波がよく微笑むようになったとか。
惣流がげた箱に入っている手紙の送り主にシンジが好きなの、といって回ったとか。
残りのメンバーがとばっちりを食って――手紙だのが届くようになったこと。


山岸に振られた奴が言ってたっけ。

――鈍感な奴って言われてたんだから、最後まで鈍感なままでいてくれよ――



そんな連中に嫌気がさしたのか、それともシンジの元へ行く気になったのか。
次第に皆、登校して来なくなったこと……。


シンジはしゃべらない。
複雑な心境、というやつではなく……鳥の餌付けのように、はしが彼の口に運ばれていくからではあるが。
トウジは、ちょっと複雑な顔で、輝くような笑顔の綾波を、眺めている。

------------------------
>>214 PDX.さん。

ハーレムメンバーしか書いてなかったもので、半分は気分転換です。


216 名前:LHS廚:05/11/19 23:02 ID:???

「ま、ひがみ根性みたいな、……っておい、気を失ってないだろうな!?」

シンジの唇から海老の尻尾が飛び出し、レタスらしい葉だのが見え隠れ。
それでも咀嚼している所を見せないように、文字通り必死に噛み、飲み下していた。

そんなこいつに気づいていないのか、箸の先にはさまれた次なるおかずが迫っている。
こりゃまさに餌付けだ。 箸が親鳥のくちばしに見える気もする。


「あんな、惣流」
「何か変なの?」

「気持ちは判らんでも無いけど、せめて前の奴が放り込んだのセンセが飲み込んでからな、次のを入れたらどうや?
 正直な話、今まで見境無くぶち込んだせいで……センセの口の中、みんなの料理が混じり合って
 味わってたべれる状態やなさそうやし、マズイとはいわんがウマイとも判断でけへんのとちゃうか?」


トウジの反応にうーん、と考え込む一同。


「やっぱり変わったよ、惣流は特に」
「なによぉ」
「いい意味で、っていってるつもりなんだからとんがるなよ。
 トウジの今言った台詞。 以前の惣流なら内容が正しかったとしても噛み付きまくってたぜ。
 余計な事を言わないでよ、この馬鹿ジャージとか言って」

217 名前:LHS廚:05/11/19 23:49 ID:???

>棒組すれ。
>なーぐるさん……。

まぁ、意欲あってこそ、と言う事で。

……そういえば、こういうんまんさんは……?

218 名前:LHS廚:05/11/20 22:34 ID:???

別所・コースケさんへ。

期待させていだだきますです。

>絵版・リツコさん画

寝たとして、ありがたいっす。
さっそく、さっそく。

---------------------

ほぼ同じ時間。

ジオフロント内・第二発令所。


部長のたっての願いを聞いてくれたシンジ君のお手製重箱弁当(三佐の分も込みで四人分)。
依然聞いた話の通り、無数に伸びてくるハシ、はし、箸。

「今回はちゃんと私達の好みに」
「って言うか、サツキ達の好みなのよ」

そしてゾロゾロと現れるにわか批評家。
まひるとかミナモあたりならまぁ、この前巻き込んだから良いとしても、何でこんなに群がってくるのだろう。
箸がくちばしの様についばんでいくのを三佐込みで眺めてるしかないのかしら。

「多分違いますよ? サツキさんはもう少し濃いほうが好みのはずです」
「あ、そうか。 小鈴ちゃん達付き合い長いもんね」

と、いうことわぁ、と妙なにっこり顔で一同の視線が一点に注がれる。
つまり、私の隣の主任に。

「うらやましいですぅ」
「!?!(&&%&☆=〜−0gwsmt+*(;゚Д゚)◎■△☆★!!!」

葛城さんが出した妙な猫なで声に技術部長が珈琲を噴く。
妙な水芸と咳き込む音。 カスミの『大丈夫ですか?!』が続くことしばし。

「あなたは加持くんと結婚するつもりなんでしょうが!」

リツコさんの渾身の仕返しは十二分に効果を発揮し。
彼女が女子職員の羨望と、一人の寂しげな視線から開放されるまで、しばらくかかる事になる。


でも、葛城さん自身、あまり嬉しく無かったみたいだけど、どうしたんだろう……。

219 名前:LHS廚:05/11/21 19:42 ID:???


直前分、微妙にリツコ的言い回しになってる気がするので修正。

依然聞いた話の通り、無数に

あの時のように、一斉に無数の



今日は平日だけど根性入れて更新してしまうでしょうっ。


--------------------------


「酷く、もまれちゃいましたね」
「幸せ、ってこういうものなのかしら」

あたしの苦笑に力なく答える三佐。
疲労と羨望とかすかな興味をごっちゃにしたような表情は、今までの葛城さんとは違う。
まるで、別れ話を切り出されてしまった女のよう。


「ねぇ、サツキちゃんもシンちゃんとその、した事あるのよね?」
「……ええ」

「どうして、シンちゃんはあんなにモテるの? とくに」
「あたし達が、彼をいい男へ『育て上げよう』としているから、かも知れません」
「そだてる?」



シンジ君は、初めての彼女としてヒカリちゃんと結ばれる前から。
何より、この数週間で成長しようと努力している。

体術ではアスカちゃんにマナちゃん。
基礎学習にはマリイちゃん、あたし達。
食事などのサポートは洞木姉妹の役目。

シンジ君が与えるものは? SEXの快感だけ?
違うと思う。

リツコさんのような、恋する淑女?
それだけじゃない。


全員の気持ちにこたえるべく努力しているシンジ君。
以前あたし自身が言った。 『貴方にはちゃんと勇気もあるし決断も出来る』って。

シンジ君は成長できるし、今、恋人達の為に、確実な努力をしてくれている。
勿論、自分の為でもある――あたし達は彼をメイドみたいにしたいとは思っていない――し。

220 名前:LHS廚:05/11/23 21:48 ID:???

まず。

大まかに纏まってるとはいえ、これで良いのかと思いつつ。

不安だ。

(彼女の場合、レイ亜梵後のあれが頭にこびりついてるのです)


---------------------------------



「でも、シンジ君の周りにたくさんの女性がいるのに」
「それ、本人にも言われちゃいましたよ」
「なんですって?!」
「今の僕は、ベッドの上以外で愛してる、なんて言えない男なんですよ?良いんですか? って」

口を大きく開けた三佐にあたしのほうから打ち明ける。


シンジ君のほうから増やしていった訳では、無いこと。
あたしにいたっては、みんなの承認をもらって参加したこと。
何より、望んでこの関係に加わった人が全てであって、それが厭な人は誰もいないこと。


葛城さんは、何も言わない。


----------------------------------


ショックだった。


『ここは貴方の家なの』

あの時、初めて家に来たシンジ君に言ったのは、嘘じゃなかった。
本気だった。




あの時、車を飛ばして送還されかかっていたシンジ君の元に行ったのも。
シンジ君に言ったのも。
本気だった。


JAの時も、アスカが家で暮らすようななったときも、三佐へ昇進したトキも。
隠したいことや隠さなければならない事が幾つかあったにせよ、本気で接していた。


デモ、オイテキボリニサレタキガスル。




221 名前:LHS廚:05/11/23 22:11 ID:???

吹雪の中、整然と並ぶエントリープラグ。
ボロボロになりながら、それでも娘を助けてくれたお父さん。

JAの中。  紅いライト。
用意された奇跡を知らず、あたしを心配してくれた彼。

次は、外から見た脱出カプセル。
今度は逆。 扉が開くことが、絶望への入り口。
開いた扉。

青くなって何もできなかった自分と。
あたしと違って気持ちを隠さずに、初号機にぶつけて行ったリツ……?




あ、あたし、いま、何を考えたの?!


------------------

取り敢えず、ここまで。
さてさて、納得のいく決着をつけられるかな、私。

222 名前:LHS廚:05/11/25 21:00 ID:???

業務連絡。

>棒組スレの方々。
>タイトルあれに決めたん?

取り敢えず借タイトルが無いと困るだろう、と言う事で『あれ』にしてもらいましたが、完結した後で
もう一度募集をかけることを考えてみたい、というところです。
最初の募集でちゃんと考えてくれた方々に、この結果は済まないと思いますし。

>(非シンジ)ハーレムすれ。
>『アスカ〜』を期待されている(?)方。

済みません、ちゃんと書いてはいるのですが、シナリオの中核部で一つ悩みまくっている所が在るのです。
スレがDAT落ちしているのに気付かなかったのも、情けないところです。





223 名前:LHS廚:05/11/27 00:43 ID:???

>棒組すれ。
>変な名前やなぁ。

書かれると、答えてしまうのが私なので。
(新しい読者の方が方がもしいらっしゃったら、というわけで最初から説明)

以前より、この作品の題を決めてくれんね? とお願いしたところ。
完結してから決める、という意見がちらほらと。
で、取り敢えず下記のようにしました。

--------------------------------

仕方ないので、例によって資料から模索………。

丁度良いのがあったので、ちと長いですが仮タイとします。

(つまり、まだ募集はしてます)


仮タイは……『畜類め、繁りやがれ!』とします。

江戸のスラングで、モテない人がモテる男へのいやみな台詞だそうです。

意味は
『ウマくやりやがって……発情したケモノのようにいちゃつきやがれ!』
大体こんなものらしいです。

------------------------------

まぁ、こんなタイトルなら目立つだろう、というのが一つ。
私が根っからの江戸好き、というのが一つ。
>>222 に書いたとおり募集停めてないっすよ、というのも。

224 名前:LHS廚:05/11/27 21:32 ID:???

すいません、再編中につき更新はちょっち短縮版……。

----------------------------------



あれから数日が過ぎた。

あたしの内心の動揺と寝不足を余所に、他の面々はシンちゃんとの逢瀬を愉しんでいる。
ヒカリちゃんとご飯を造ったり、リツコとお茶を飲んだり、マナちゃんと屋上で護身術の訓練をしてみたり。

シンちゃん自身は何かと気にしてくれるけど、それがある事実を鮮明にさせてくれる。
自分が何時の間にか、自分の家でよそ者的な立場になっていっていることを。

特に、夜は酷く寂しい。
あたしが寝静まったと思ってる時間帯に、こっそりドアが開く。
シンちゃんの配慮か、他の誰かが決めたのか。
いずれにせよ、あたしが邪魔するはずの無い事で、こうも遠慮されることも。

あたしに嫌な気持ちをさせる事に気付いていないのだろうか。
事実、あの日からシンちゃんとの関係以上に加持君との関係はギクシャクしている。



ううん、多分違う。

身も心も大人になろうと努力するシンちゃんが、今のあたしには、とても、眩しく見えるんだ。


225 名前:神々の黄昏:05/12/03 02:41 ID:uAyk5MtE

いつも楽しく読んでいます。私はハーレム主義なのでとても面白いです。

でも、ミサトは絶対入れないでほしいです。お願いします。
シンジのことは割り切って、加持と一緒に居てほしいです。
ついでに保護役もリツコに変わってもいいかも。
私個人的な意見ですいません。

226 名前:黄昏2:05/12/03 20:22 ID:m6TA8e7s

初めまして。更新を楽しみにしている一読者です。

今回、あえて書き込みさせて頂きます。
神々の黄昏さんに一票投じさせていただきます。

227 名前:LHS廚:05/12/03 22:05 ID:???

>>225 神々の黄昏さん
>>226 黄昏2 さん

--

えっと、正直困りました。
いや、ミサトのシナリオを他人〔たぶんカエデ用へ〕変更する事自体は大して問題ではないのですが。
何度もここで言っている通り、本作は私一人が『作者=神じゃぁ』と書いている気は全く無いのですな。
いろいろアイディアも貰ってますし。

実際問題として、このスレは『ハーレム』すれの派生でもありますし。

という訳で、散りあえず本家すれの方々に聞いてみたいと思います。
『ミサトがハーレムに入ることに反対の方、他に居ますか?』

他人に預ける形ですいませんが、一寸聞いてみたいのです。

228 名前:なーぐる:05/12/06 00:36 ID:???

ミサトがハーレムに入る必然性とかをLHS廚さんがどう考えているか、が一番大事だと思いますよ。

個人的には、本編とコミックのミサトはシンジをそう言う対象と見ていないような気がしなくもないです。
あくまで姉と弟…のまねごと。あるとしても一時の体だけのつき合いくらいかな。
ミサトは確かにだらしない一面もあり、シンジ同様他人に依存する面があるとは思いますが、
だけど彼女もまた大人だからこそ子供に全て委ねるようなことはないんじゃないかと。
意地っ張りで素直になれないところもあると思いますね。かえってリツコの方がのめり込みそうな

ただ、私としてはハーレムに入るまでの物語がきちんとあるのなら、性転換したケンスケがハーレム
の一員になるという超展開だったとしても、それはそれでありだろうくらいには考えます。
金貰っても読みたくはないですが(待

ええ、某亀さんにケンスケ×マユミに至る過程を執拗に、執拗に!
どうしてそんなことになったのかということを含めてねっちりと書かれたから!
そこまでやられたら、ぽっくん納得するしかなかですうぶぁい。

229 名前:LHS廚:05/12/06 02:00 ID:???

>納得出来るネタか?

そーなんですよねぇ。
果たして、皆さん納得してくれるかどうか。
取り合えず、ミサトはどっちとも取れる展開で書くことにしてみます。
(多分彼女も得ろありになるのだけは、ご勘弁)

うまく描けるかしらん。

----------------------------
父にマヤの頼みを(微妙に自分の想いの分を足した)日の夜。


あの日を思い出す。

母と一緒に山に居たはずだった。
今は、海の傍にいる。

私を助けてくれていた母の体は、もう体温なんか無くなっていた。

その内、助けに来てくれた人達によって、私は運ばれていった。
母は、そのままにされた。
そのときの状況を考えたら、そうされるのは当たり前だった。
けど、私は泣き叫んで、必死になって、母の亡骸に手を伸ばす。

そのとき、初めて日がさして。

流された木に引っかかっていた……シンジ君を私の瞳に映させた。

--------------------

ジオフロント内・仮眠室。
私はまた、あの夢を見ていた。


230 名前:LHS廚:05/12/11 22:15 ID:???

棒組スレより抜粋。
>使い捨て?

いや、加わったかどうかだけ、ぼかそうと思ってただけです。
大前提として『家事亜梵』だけは絶対しない、って宣言してますから。

>オパーイ要員は定員オーバー

子供組三人、大人組二人。
確かに多いっす。


それとは別に。
>某別スレに投下されたメイドシンちゃん。

燃料っすよ。
極上の。


さてさて。
今日の更新で、惹かれ寝たとしてはモロばれになるかも知れへんなぁ……。
(微妙にギャグチックなのは、わざとです)

==========================



真実や嘘の在り処…………私には見えない―――。


チェーホフ・『櫻の園』より。



-----------------------------



正直な言い方をすれば、碇シンジに君に対して恋愛感情と呼べるものを最初、持っていなかった。
いや、もっと広げて好意、と言うレベルにすれば……全く持っていないとは思わない……けど、
私が相手にするには、彼は年下だし、何よりも身も心も弱かった。


少しだけ、みんなが見直したと言う綾波さんとのコミュニケーションも、私には当たり前にしか見えなかったのだから。


いずれにせよ、私が彼に対して持っていた気持ちがへんに変わっていくきっかけを作ったのは、
アスカ達の誕生日にシンジ君が仕掛けた、告白の失敗だったのかも、知れない。


----------------


あの小さなパーティーに参加した理由は、二人に対する義理以外は、大したことではなかった。
積極的に行く理由となったのも、日向君が誘ってくれたせいでしかなかった。
招待されたとはいえミサトさんの家に一人で行くのが、ちょっと尻込みするせいだったのだろう。

意外だったのは、出鱈目な食生活をしていると思っていた彼女は、本気を出せば料理はかなり上のレベルだったことだ。


231 名前:LHS廚:05/12/11 22:16 ID:???


主任の話によると、葛城さんの食生活とお酒には、父親ゆずりの頑固とした拘りがあるという。
すなわち、『食べる事と呑む事は楽しく。 でも喋り以外の音は静かに』。

だから、ご飯以外の食べ物――要するにおかず――には、噛む音がしない冷奴に始まってお味噌汁やお刺身など、
和、洋、中……とにかく静かに食べるものだったという。
(何も知らなかったからこそ、葛城さんが包丁でタイを手早くさばき、お皿に盛って行くのには驚いたの)




そんな中、私は目の前に広がる倒錯的な現実に固まることになる。

夏しかない今の日本にはかなりの違和感を感じさせる長いスカート。
白と黒のツートンカラー。
長袖の先やえりを飾るレースの模様。
おそらく葛城さんとマヤが仕組んだのだろう、化粧が施された顔と、唇に淡く塗られたルージュ。
頭にちょこんと乗っけられた、彼の黒髪に映えるレースのプリム。

葛城さんの料理を運ぶ、小さな掌につながる、きれいに磨かれたお盆。



他の人たちは、『メイド』というべき格好をした彼に固まっているだろう。


私の事情は少しだけ違う。
母の仕事は、間違いなく、メイドだったからだ。

そして、少しだけ髪を伸ばせば。
母と瓜二つだったからだ。




ちなみに、アスカへの『告白』はその格好のせいなのか……失敗することになる。

232 名前:LHS廚:05/12/16 00:00 ID:???

そんな日々が続き。

ある日のこと。

私はあの日の自分に会った。


------------------------------

ボクは憂鬱だった。
特に理由も無く、というわけじゃない。
あの日以来、シンジさんがボクに触れていないからだ。

冬月さんと言う偉い人が、ボクのためにD級勤務者という資格を用意してくれたお陰で、
あのひとが今いる初号機、と言うEVAに手を触れられるところまで近づくことは出来る。
でも、それだけ。

アスカさんや姉、マリイねえ達より、ボクは遠いところにいる。
触れられただけ、だから。
シンジさんの温もりは体の表面にしか、しみこんでいないから。

だから、今、ボクはここにいる。
シンジさんの傍にいる事が、どうしても出来ないときがある時、ボクはここに来る。
誰が作っているのかは知らないけど、大きく実ったスイカや、大根などの野菜が並ぶ畑。

今日は、そこに先客が一人、いた。

「えっと、洞木さんの妹さん……」
「はい、ノゾミです。 阿賀野カエデさん、ですよね?」

彼女は根掘り葉掘り、シンジさんとボクの事を聞いていた。
なれ初め、姉と一緒にした再会。
ヒカリ姉が彼を受け入れた日の、あの翌日の真剣そうな顔。

『単刀直入に言いますわ。 「子供」か「好きな女性」。 どちらの意味でシンジさんの傍に居たいですか?』
『好きな人という意味では、姉がいます……シンジさんの傍にはいられないと思うんです』
『奪い取れ、とは言いませんが。 彼のそばに居たくないのですか?』

『………いたい、です。 もう一度、誰かを好きになれるときま』
『違います。 シンジさんの傍にずっと、居たくありませんか? たとえ世間がそう簡単に認めない関係でも。
 勿論、他の誰かを好きになるのも貴女の自由ですが。 そう簡単に諦めますの?』

『姉さんに……「姉、負けない」……って、言って良いんですか?』
『決めるのは、貴女です』

マリイさんとかわした、あの電話も、全部。

233 名前:LHS廚:05/12/18 23:48 ID:???

何打かんだいって……増やしまくってますね、私。
再構成してると、何度か最後の一人、って書いてる端から増やしてるんですよ……。


>棒組すれ。
>重婚ニュース

四人までOK……なるほどイスラム。

---------------------


あの日から、お昼をあの畑の前にあるベンチでカエデさんと過ごすようになった。

カエデさんのシンジさんへの気持ちが聞けたのは、3日目のとき。

カエデさんのお母さんが本物のメイドさんだったことには驚いたし、セカンドインパクトの被害で
家族を失った人の話をTVのニュースとかじゃなく、体験した人から生で聞いたのも、初めてだった。

お母さんの冷たくなった体から引き離されたことを聞いた時、流石に泣いちゃって。
カエデさんを酷く困らせたことは、一寸恥ずかしい思い出になった。

一寸だけ後悔した、と言う処女喪失の話とか、伊吹さんの勧めでNERVに入った事も聞いたりもした。



今日は、シンジさんのことを気になりだした理由を聞いてる。

「えっと、シンジさんがあのメイド服を着た理由は……ミサトさんの復讐、だそうです」
「あれが?」

ミサトさんがメイド服を持っていた理由そのものは聞けなかったけど、マヤさんと二人で
シンジさんを着飾った理由は、聞いてるの。

アスカさんにプレゼントする筈のブローチがあと一寸のところで出来上がらなかったこととか、
製作に集中していたせいでケーキとかを忘れてたり、ミサトさんの誕生日を祝わないのもおかしい、
と言うマヤさんの話もあって8日に一緒に祝うことになった。

そうしたら今度は、パーティーの直前にミサトさんへのプレゼントを忘れてしまっていたみたいで。

『じゃあ、今決めちゃうわよん。 あたしの誕生日プレゼントは……これに仮装したシンちゃん!』

彼女の気紛れが、あのメイド姿のシンジさんを生み出した原因だって、本人が話してくれたの。

234 名前:LHS廚:05/12/25 22:12 ID:tyNL291c


『引っ込みかむろ』

吉原においてとても上級の花魁になると思われる子供のこと。
引き取られた(七歳から九歳)頃から才能あり、と認められると普通の色町の生活から離れ
習字を始めとする芸事を一流の師匠の下でならい、大名クラスとも対等に付合える存在に育て上げる。
教育に付いて行けずに脱落した者も多いが、その教育の結果として上位の花魁には非常に博識な者が数多くいた。


---------------------------------------


この日も、ボク達はお弁当を食べる。

目の前の大人はこの数日で一気に喋らなくなった。

誰かに似ている、というのは恋の出発点としては、おかしくないと思うけど
その対象になった理由が問題だといえるかもしれない。

自分を助けてなくなったお母さん――女性にそっくりと言われるのはシンジさん自身一寸困るだろうけど――
お母さんに対する想いと恋を取り違えてる、と思われても仕方が無いのかもしれない。

でも、一寸意外と思っていたのも本当。
ここにはマヤさんがリーダーという女性同性愛のグループが存在すると言われるくらいに
性に関することがオープンに語られている場所なのに。



翌日。


「おや、意外な取り合わせだね」
「あ、冬月のおじさま」
「ふっ、副司令っ!」

この日、ボクはおじ様に恋の話を聞いてみたのは、興味だけだったんだけど。
ちょっと、嫌な話になってしまった。
おじ様が好きだった人は、シンジさんのお母さんだったから。

「まぁ……恋、というのとは違うかもしれんのだけどね」

そういって始まったおじ様の告白はすごかった。

一通の「刺激的な」レポートから始まった興味。
もしかしたら、と言う気持ちになった時に言われた、シンジさんのお父さんと付き合っているという告白。
ミサトさんを助けた頃に受け取ったという、結婚したという事実。


複雑な気分になっちゃった。
誰かの恋路をきいたのは、これで三人目だから。

235 名前:LHS廚:06/01/03 17:55 ID:???

今日はマヤさんがボクの隣にいる。

「えっとね、もし男の人が出そうに成って、それが嫌なら」
「嫌なら?」

マヤさんは実にリアルな手つきであそこの形に合わせて手を丸めて、おちんちんの付け根を
裏側から、もうすくし強くしたら潰れちゃうんじゃないかなと思えるぎりぎりのラインで

「ここをきゅっと押さえるの。 多少強めにやらないといけないけどね」
「うわぁぁぁ。 なんかリアルですねぇ……」
「それは、経験者だもの」

その何気ない一言は、しっかりとボクの気持ちに小さい穴を作っていく。



またある日。

「お? 最近ここに居る子って君のことだったのか?」
「あ、加持さん」

「シンジ君は、優しくしてくれたかい?」
「どうなんでしょうか。 他の人と比べた事なんて、無いですし、何より出来ませんから」
「じゃあ俺と……」

直後、ミサトさんの拳骨を食らった加持さんはぐらつく首を撫でながら連行されていった。
かなり羨ましかったのを覚えてる。
大人になっても、ボクがシンジさんにじゃれ合い以上の意味で叩いたりするのは無理だとおもうから。
その程度の絆も、彼とボクにはまだなさそうだから。

236 名前:LHS廚:06/01/15 23:05 ID:???

その日の混乱の最初は、大した理由もなく始まった。

「ミサト。 加持君はどこ」
「知らないわよ。 この数日、あいつアタシが機嫌悪いのを知って近付きもしないもの」
「本当に?」
「……何かやったの?あいつ」

赤木リツコは親友の問いに事実のみを使って答えていった。

「冬月副司令が拉致されたわ。 本部外に昼食を食べに出掛けた先で。
 ああ、保安部は何をしてたの、とか言わないでね。 最近話し相手になってもらったお礼、って理由で
 連れて行ったノゾミちゃんを人質にされた上に、加持君のテクニックがあれば不可能じゃないわ」

苦々しげにゆがむ表情。
デスクの上におかれる拳銃。

「あたしは関わっていない、と言っても信じて貰えないのは判ってるわ。 何処へでもどうぞ」
「御免なさい、でも今回のやり方だけは許せないの。 ……丁重に連れて行って」

-----------------------------------------------------------------

ドアの傍で起きた音に瞼を開けると、加持さんがトレーを持ってお食事を持ってきてくれていた。

「巻き込んでしまったのは済まないと思ってる」

その言葉に合わせるように、思い出す。


加持さんともう一人の黒人の保安部員の人と、ボクとおじ様、四人で本部を出て。
車を降りた先にあったのは、以前アスカさんが加持さんに振られた場所と同じ名前のレストラン。
後ろで聞こえた「成る程、ここが『出入り口』か」と言うおじ様の声。
レストランに入った途端に崩れ落ちる保安部の人。
外からドアを壊す勢いで叩く男の人達の怒号と、ボクの口に押し付けられた、臭うハンカチ。
気を失う寸前に聞こえたのは、『この子の安全さえ保障すれば何処へでも……』という声だった。

「なぜ、こんな事をしたんですか?」
「知りたい事があるからさ。 ミサトに嫌われても。 でも、後悔はしまくりなんだけどね」


237 名前:PDX.:06/01/15 23:18 ID:???

>>236 LHS廚さん

 ひええ、なんか予想外な展開に。
 冬月、加持が登場してきたのはこれの伏線でしたか。

238 名前:LHS廚@微妙にすらんぷ。:06/01/22 23:37 ID:/cJFTTT+

だー、煮詰まってるし得ろがかけないよぅ。

==============================================

真っ暗と言ってもいい部屋。

「リツコのやつ。 あたしがこういう部屋苦手にしているのを知っているくせに……」

赤い、自分が所属している組織のマーキングを振り返って眺めて。
容疑をかけられている者の一人は、呟く。

「知っているから、かもね」

--------------------------------------------------------------------

青味がかったクリーム色の壁に囲まれた空間。
その中心にぽつん、とある椅子に座って。

躊躇もせずに加持さんが持ってきたお昼をもくもくと口を動かし食べているボクに、
加持さんは驚いているようだった。

「心配してないのかい? 毒とかそういう薬の類をまぜた、とか」

軽く首を振って、ボクは違うと答える。
冬月のおじ様が言った言葉がこの人に言ったものなら、多分加持さんはちゃんと守ってくれる。
そう信じたい。

「加持さんのことは信じてます。 それに」

ほかの人がボクを攻撃したり強姦しても、僕はシンジさんの元に帰りたい。
帰れると信じてる。 何の根拠もないけど。
だから。



以前どこかで読んだ本の一節をそのまま彼にぶつける。

「『信じる』って、そういう事だと思いますから」

ボクの心に詰まった、たった一つのノゾミを信じて。

239 名前:LHS廚@微妙にすらんぷ。:06/01/23 00:18 ID:???

腕の中に眠る女は、つい数日前まで乙女……子供だったはず。
それが、たった数日で痛みを振り切り、自分の中にある気持ちいいところを見つけ、
今では、十年来の恋人のように、俺に抱きついて扇風機なんか意味の無い暑さと熱さを与えてくる。

彼女はもし、俺も初めてだったことを知ったらどんな顔をするだろう。

夕立の雨に濡れて、淡くて薄い紺のブラウスが透けてなかったら。
長い間我慢していた理性が、ぷつりと途切れて。

その先は、今まで知らなかった事ばかりで、よく覚えてない。

「初体験は、忘れないもんだと思ってたんだけどなぁ……」
「………お父さん………」

そのときの寝言は、大した意味を持ってないと思っていた。

-----------------------------------------------------------

>>237 PDX.さん
>予想外な展開。

加持をぬっ殺さずに何とかする方法を模索してるので、非常に難産してます。

240 名前:LHS廚@微妙にすらんぷ。:06/01/29 23:40 ID:???


ある日の深夜にならんとする、そんな時間。

よくしゃべる親戚の家から、二人の娘を自家用車に乗せて帰宅していた洞木シズナは
車のガラス越しに、見慣れた背格好の少女が傘をくるくる回しながら同じ方向へ向かっているのを発見した。
失った妻の面影が一番色濃く残っている、中学生の次女だ。

彼は父親として、十四歳の娘が出歩いてはいけない時間であることを注意しつつ、車に乗せて一緒に帰ろうとした。



確かに、彼女は自分の娘だった。

顔には傷もないし、娘を預けた男の子、シンジ君と喧嘩したような跡も無い。
ふとした事でとれた、というボタンの代わりに安全ピンを使って胸元を留めている事以外には、変な事は無い、はず。
父親の顔を見て、『彼の家に雨宿りさせてもらった』という説明に後部座席で退屈そうにしていた長女は
さまざまな言葉を駆使して、妹をからかっている。

でも、簡単な小言以上のせりふを彼は言えなかった。

人は時として、「変ったね」と他人に形容されてしまうほどに変化することがある事は知っていた。
けど。

その変化が、どうしようも無く,『色』を彼女に与えていたことは。
その『色』が亡くなった妻をどうしようも無く思い出させることは、言えなかった。



『失色』などという言葉は、無いのだから。

-----------------------------------------------------------------------------------


とある酒場のカウンターで行われた会話。

「ほほう。 私との付き合いを無視した挙句、一週間も雲隠れして何をしていたのかと思えば、文字通り」
「はい、何だったのです」
「そんなこと自慢しない! にたにたした顔で、それも絆創膏なんて張りまくって!」
「いや、やってみたかったのよ、この隠し方。 でさ」
「いやよ?」
「な、何を言おうとしているか「休んでた間の講義分のノート貸してくれないか、でしょ?」……う」

発生した沈黙は、焼き鳥の焼ける音とビールが注がれる音、何より他人の喧騒で掻き消える。

241 名前:LHS廚@微妙にすらんぷ。:06/01/29 23:41 ID:???


先に折れたのは、金髪に染めたほう。

「良いわ。 但し、その男を紹介しなさい」
「いいわよん。 今日、アイツと会う約束してるし……獲らないでよ」
「獲らないわよ。 今のところ、恋に興味、それほどないから……でも、ひとつ教えて」
「?」
「その人を選んだ理由、って、何?」

人肌程度に暖まった冷酒を飲み干すもう一人。

「見た事ある懐かしさ、って言うか。 匂いっていうか……ま、そんなのよ」
「懐かしさ? あの日以来いまだに顔が思い出せないお父さん、って感じ?」
「多分違うわ。 だってアイツ、無精ひげだもの」
「は?」

--------------------------------------------------------------------------------


とある一日の始まり。

彼女は、自分が始めてみる姉の姿にポカン、としていた。
一枚の絆創膏を、貼ろうか貼るまいか悩んでいる姉の姿である。

幾度か軽く内出血の跡にあてては戻し、また貼ってみる、という行為を繰り返していた彼女の指が止まって
鏡に映った唇がしっかりと声なき声を刻んだ瞬間、黒いカーテンが一気にそれをかき消していく。
何年もつけていた母の形見、飾り珠の付いたゴムによって出来たウェーブと、、
いつの間にか自分と同じ色、金色が混じり始めていた髪が、妙なアクセントになっているカーテン。

『うん。 彼が変ってくれるのなら……変わらなきゃ、私も』

年の近い姉の瞳は、揺るがない自身を手に入れたようで、鏡越しの妹を見つけても驚かなかった。
そのまま、いつも通りの朝食を作っていく。

いつもと同じ朝食。
いつもと変らない、母さんの味に最も近いらしい朝食。
でも。

一度も使われた事が無いとわかる、新しいお弁当箱がその日から、増えていた。

242 名前:LHS廚@微妙にすらんぷ。:06/02/08 21:00 ID:???

>棒組スレ552氏

ちょいPCの調子が悪気味なのと、リアルが厳しかったのと。
ちょいシナリオ的に未遂でも黒なことやろうとした直前に荒れちゃったのと。
まあ、三重苦なのですな。

PCその他はOKになりましたので、今日明日にでもあげたいと思うです。

243 名前:LHS廚@微妙にすらんぷ。:06/02/08 21:28 ID:???

実際にこういう銃があるかは不明です。

--------------------------

そもそもの発端は、チルドレンの自衛力の確保だった。

第九使徒戦の時、人間の手によって壊された本部の異常事態の『反省会』は
途中から、日向二尉が選挙カーを半ばジャックして進入したことに意見が集中した。
チルドレンが彼の声をちゃんと聞いていたことも、それを後押ししていく。

『自衛目的限定でチルドレンを武装』させるという議題に。

紆余曲折の話し合いの後、この騒動は第十一使徒戦直後に終結した。

当初、保安部は特に反対した――自分達が無能と言われてるようなものだからだ――。
葛城三佐も反対した。
しかし、霧島嬢の件が、彼女達の口をふさぐこととなる。

実弾を撃たせる気がない事では碇や私、加持君等も一致した意見を持っていた事と、
暴発などによる負傷を考慮に入れ、また大した射撃技術もなしに銃を使わせられない事から
圧搾空気で帯電したピンポン玉大のボールを撃ち出す『スタン・ランチャー』を急遽開発することになった。

冬月メモ・会議ナンバー2016-0015より。

244 名前:LHS廚@微妙にすらんぷ。:06/02/08 23:51 ID:???

>棒組スレ
>前スレ分の再掲載早く。

ういっす。
PC不調の修復過程で疎かになってましたが早速取り掛かるです。

245 名前:コウイに値する名無しさん:06/02/15 21:19 ID:MDgg7tag

>圧搾空気で帯電したピンポン玉大のボールを撃ち出す

全く同じ物ではないですが「テーザー」と呼ばれる武器が似たような
機能を持っています。
形状は一見トランシーバーのような形でワイヤ付きの小さな矢を
火薬を使い発射しワイヤから高圧電流を流し相手を制圧する武器です。
射程が短く使い所が難しいですが一部の国の警察や民間警備会社、
治安維持部隊が護身用やサブウェポンとして導入しているようです。
構造上連射が効かないためあくまで何も無い時のためという感じ
ですが。


246 名前:なーぐる:06/02/15 22:33 ID:???

>圧搾空気で帯電したピンポン玉大のボール
で、電磁砲…(゚Д゚;)
弾が金属製で、圧縮空気でなく電磁加速射出だとまんまレールガンですね

ttp://image.www.rakuten.co.jp/bizai/img1013999752.jpeg
全然違いますが、見た目だけならこんな面白い物も。一見、「おおっ」と思わせる見た目をしてますが、
正体はマッサージ器具だったり。
ケンスケ当たりが銃と誤解させていらんことをマユミ当たりに要求しそうだ。


247 名前:LHS廚@本編:06/02/15 23:33 ID:???

彼は『無能』だ。 そう明言されるには、一寸だけ状況が不幸だった。

どうせ直ぐ殺すのだ、という考え方から『情報搬入口』で拉致していた少女に
男を教えてやるのも面白いか、と手を出してみたところで。 破けたシャツ越しに見えた
別の『男』を意味するキスマークに目を奪われた隙に後ろから殴り倒され。

名誉回復のため、と追跡工に志願したものの、彼の頭には怒りと言う感情の揺らぎしかなかった。
自分が犯そうとした暴行と強姦は棚に上げられ、自分を少女から奪い取った加持リョウジに対する
怒りが、彼を動かしていた。

直後、上司から『年老いた学者』と『何の能力も無い子供』が足枷としてくっついている事を
知った彼は、暴行犯射殺許可と一緒に狂喜した。
彼の楽しみを奪った男を大手を振って殺せるし、少女に本当の男の味を教えてやれそうだからだ。

それからの彼は有能な能力を遺憾なく発揮し、ある廃工場のファンの傍まで一気に追い詰め、
銃弾一発で彼の能力を押さえ込んだ。

いよいよ殺せる、と血に飢え、頭に十分以上の量を昇らせた彼は。



目の前の標的が発した「よう、遅かったじゃないか」という声の意味に全く気づく暇も無く。


真上から重力以上の加速で撃ち出され、振ってきた弾によるショックをもろに受け、意識を失った。

248 名前:LHS廚:06/02/15 23:56 ID:???

棒組スレの方の要請を考慮しまして。
これから先の更新には、本編のみ『@本編』を入れることにしました。

専ブラもってる方しか通じない手ですが、絞込みに使ってみてください。

>>245 さん
>「テーザー」
はい、御噂はしっかりと(w
今回の話でも、まずこれを使おうと思ってシナリオを組んでいたのですがあっさり却下。
いくら頭に血が上っていたとしても、直属と言えるほど中核に近いエージェントが
あのコード付きの針の届くエリアに入るまでシンジの存在に気が付かない、と言うのはあまりにもおかしいと思ったので。

>>246 なーぐるさん

さて。
今回の銃の元ネタは、懐かしの『ナイトライダー』だったりします。
と言っても、最新と言うには一寸おかしいか?と言えるビデオ版の作品でした。
この作品中において、警察は実弾を撃てる銃を放棄させられる代わりに、上で使った『スタン・ランチャー』に
よく似た銃を使っています。  ある意味、『麻痺銃』ですな。
ただ、あれをそのまま使うには一寸問題(光線銃として使われていた?)があったため。
うえのような扱いとしたのです。

多機能センサー、上の銃と同機能らしいスタンガン、水素燃料式でおまけにボート機能搭載、と言うまさに
トンデモ車と化した『キッド』は真っ赤なアスカ好みのスポーツカーになっていたのでした。

(銃の形は、暴発阻止のために両手持ちでなければ撃てないようにした横二連グリップ付きのショットガンを想定)

249 名前:LHS廚@本編:06/02/27 00:01 ID:???

午後6時50分。
第八階層の喫茶室「ひやしんす」。



アスカがキレている。
いや、もう可愛いとか綺麗とか憧れとか、同世代の男の子の妄想をこま切れ以下にぶち壊せるほどに。

「シンジだけが居ないのなら判るわよっ! なんか最近アタシ達に隠れて訓練をしてるらしいから」
「だ、だったらそれで」
「アタシが言いたいのは! ノゾミちゃんとマリイが居ないこと! ヒカリが建てたルールじゃない」
「んー。 確かに『デートしたいのなら他メンバーに一声かけて』、でしたね」

赤毛な暴力魔女は鮭の切り身を箸で切り、もくもくと食べていく。
一つだけ救いなのは、口の中に入ってる食べ物を残した状態で話さないこと。
大声でしゃべった結果は、大抵恐ろしい結末が待っている。


「でも変ですね、外でノゾミちゃんとは合流できるとして。 マリイさんまで消えるなんて」
「『今日は帰れないかもしれない』って漏らしてたらしいし」
「抜け駆けしやがったわねぇ」
「それは無いんじゃないかな。 ノゾミはそんな事出来る子じゃないし」

葱抜きのお蕎麦をツルツルとすするお姉さんの言葉はすぐ、大人の声で修正される。
私のトルコライス・セットからウインナーをちょっと失敬しつつ。

「貴女達、本当に恋する乙女なの? ホワイトデーよ」
「あ、ようやく来たわねリツコ……ほわいとでぇ?」
「シンジ君からの、お返しの日……でも3月14日はもう、過ぎてる」

確かにそう。
レイちゃんの頭越しに見える日めくりカレンダーは、今日が3月26日であることを示してる。

「そう。 彼がまだエヴァの中で解けていた頃に過ぎちゃったあの日よ」
「過ぎてるのに?」
「要らないの?」


私を含め、全員の頭が横に振られる。
彼を独占できない代わりって訳じゃないけど、彼がくれる物を取りこぼす気は、私達には無いわ。
彼の全てを、私達のものにしたいんだから。

「ここまで来たら種明かしをするわ。 シンジ君はマリイちゃん達と一緒に居るの。
 場所は、教えない。 二人とクッキーとかを作ってることだけは明かしておくわ」
「じゃ、何でアタシ達の家にしないの?」
「なんだかんだ言って邪魔するでしょ? つまみ食いも十分な邪魔になるのよ、アスカ。
 あの子達が傍に居るのはもっと簡単。 今日は二人の日でしょう? 丁度いいじゃない」

250 名前:LHS廚:06/02/27 00:01 ID:???

ちょっち更新が遅れたのは短編をこさえてるからです。


あ、そうそう。
トルコライスは大好きです、私。

251 名前:PDX.:06/03/02 18:00 ID:???

>>250 LHS廚さん

 トルコライスではなくて、トルコ料理、結構好きだったりします。

252 名前:LHS廚@本編:06/03/04 22:00 ID:???

人は女に生まれない。女になるのだ。

ボーヴォワール

-----------------

「それでは、今日はカエデさんとわたくしの監督下、ということでいいんですのね」
『ええ。 明日の昼までに出頭してくれればいいわ。 ノゾミちゃんは必ず出頭させて。 被害があったのなら知っておきたいし
 もしかしたら、今日、彼女は……ね』
「了解しましたわ。 それでは」


わたくしが部屋に入ると、生地が焼きあがった匂いに混じって彼の汗も感じます。
今回の事がある以上、わたくしに任せてもいいのに、彼は自分が作ることに拘ってしまう。
誰かに作らせたくはない、なんて……本当に、律儀なんですから。

-----------------

ゴム弾、バッテリー弾に続いた三発目……実弾には、彼も驚いていたようでした。


「う、撃てるのかい、シンジ君」
「EVAが思考操作によって動くのを忘れてましたね、加持さん。 人に向かって撃てるかは
 まず僕の覚悟しだいですが、発砲のコツは判ってるんです。 経験で」

「僕の大切な」
「大丈夫だよ、シンジ君。 彼女は犯されていない。 私が保証する。
 それと、もし良かったらでいいが……このまま彼を行かせてやってはくれないか?」
「それは妙ですわ! 彼は拉致をした犯罪者なのですよ」
「判っている。だが、彼は我々を連れ帰してもくれたのだ。 それに」


-----------------

「葛城君に逢えなくなった、という事実の方がよっぽど効いている、ですか……」

彼は三佐に何かしらの真実を教えたくて、こんな行動をしていたらしい。
彼女の心の中にある、使徒と言う鎖に何らかの答えを出して、開放してあげたかったのだと思います。
ですが、人は一人では生きられないのです。

何より、彼女の意思を無視してまで、答えを性急に求める必要が、彼にあったのでしょうか。

253 名前:LHS廚:06/03/04 22:10 ID:???

あ、これでは意味が微弱ですね

思考操作に → 思考操作と感覚共有に

のほうが意味の通りは、いいかな。

------------------

>>251 PDX.さん。

>トルコ料理
最近食べたといえるのは、某社製アイスクリームでしょうかなぁ。
料理とは、いえませんが。

254 名前:なーぐる:06/03/07 23:22 ID:???

(´・ω・`) 名古屋はナディアパーク近くにあるトルコ料理屋を贔屓にしておりました。
羊のケバブ、クスクス、舌が焼けそうに熱くて甘いチャイ。いずれも美味しゅうございましたわ。

255 名前:コウイに値する名無しさん:06/03/09 22:49 ID:87Yo+0PM

トルコライスはこんなの
ttp://www.geocities.co.jp/Foodpia/3439/
なぜ長崎の方のローカルな食べ物が?

256 名前:LHS廚:06/03/10 00:20 ID:???

忙しいっす。
ネタはあがってるってぇのに。

>なーぐるさん。

料理名だけでも、食べたくなるです。
明日あたり、行こう。


>なぜ長崎のローカル食べ物?

まぁ、九州人の私で、長崎出張が多い事情が主です。
後は……ヒカリは出生自体は長崎の諫早出身という設定があるので使ってみようか、と。


257 名前:PDX.:06/03/10 07:35 ID:???

 問題は、トルコライスって本来食欲旺盛な男子大学生向けの食い物という点だけど(笑)
 まぁ、女性向けにミニサイズになっているとか、あるいは一皿を皆でシェアしているとかすればいいけど。

258 名前:LHS廚@本編:06/03/13 00:39 ID:???

「やぁ」
「私は副司令のお願いを聞いているだけ。 そんなに愛想をふらなくても良いわ」
「きついなぁ」
「これが着替えとかが入ってるバッグ。 で、こっちがお金。 1000万円あるそうよ」
「退職金、か」
「もし」
「?」
「行くアテが無いなら沖縄に行け。 石津ヨウカという人が協力してくれるだろう、って」
「そうか」
「最後に一つだけ。 知ってた? 大学生の頃、私が急にコーヒー好きになった訳」
「え?」
「二日酔いの痛みはカフェインで抑えられるの。 つまり、ウワバミの飲酒に付き合って、二日酔いで苦しんでた誰かさんのためだったのよ」
「……あ」

ぺちん。

「私は要らないけど。 もし、償う気があるのなら、必ず帰ってきなさい」
「帰る場所、アイツの隣にあるかな? そろそろ思い出してもいい頃だと思うんだけど」



-------------------------------------


彼の側を通り過ぎて、小さい部屋の戸を叩く。

「なにかしら」
「マリイです。 宜しいですか?」

部屋の襖が開いて、少し憔悴した表情のカエデさんが私を出迎えた。
その頭越しに、ぐっすりと眠っているノゾミさんが見える。


話の口火を切ったのは、カエデさん。

「あの銃、見た事ない形だけど、貴女の?」
「ええ。 アメリカ支部の保安主任……カイル、と言うのですが、彼の見立てです。
 小さい私に合わせて、CZ75……とか言う銃をベースに向こうの技術部とチタン合金まで使って一から造ってくれた物です。
 最も、銃に関しては全く素人ですからモデルの銃からどう変化したか、なんて聞かれても、全く判りませんけどね」
「私も見てたけど……撃てるって、思ってた?」

259 名前:LHS廚:06/03/13 00:40 ID:???

>>257 pdx.さん。

食ってるのはマナですから。
彼女だけはトウジ相手に大食い対決やっても勝てる気がします。

260 名前:PDX.:06/03/13 08:07 ID:???

>>259 LHS廚さん

 あ〜マナですかw
 戦自時代の悲惨な食生活の反動で喰いまくっていそうですねぇ。
 でも筋トレとか欠かさないから太らない、と。

261 名前:LHS廚@本編:06/03/22 01:13 ID:???


雇用記録 : 2016年
雇用者: 冬月コウゾウ

 洞木ノゾミ(11)。 市民ID 1A20--8155-4331
 チルドレンの生活およびメンタル面の管理補助として参加。

 特記事項。
 緊急時において、あらゆる苦難を超えてでも安全な場所まで退避させることが必要。
 使徒が確認された時点で、彼女は最優先でジオフロントを含め、その時点で危険と
 判断されるあらゆる場所から移動させられたし。

 給料はC―03表を基に算定………。


------------------------

漆黒に近いような、近くないような。
赤い目の紋様が照らす嫌な光の中。

扉が開いた。

加持さんかと思った視線は嫌な意味でそらせなくて。

白人の男性がいやらしい顔でつぶやく。
顔も覚えてない母と同じ故郷を持つ言葉で。

「本当の男を――」

-----------------------

多分、車の中。

気が付いた時、抱きしめられていた。
叩かれたらしい左の頬と、右の歯の辺りから、血の味がする。
手のひらを包むように、感触の違う四つの掌。

目の前の視線がぼやけなくなった時みえた。 大切な人の声と一緒に。


「気が付いた?」

安心感しか、覚えてない。


262 名前:LHS廚@本編:06/03/29 00:03 ID:???

また夢を見ている。

ボクが入っていたシェルターを直撃したレイさんのEVAの頭。
前もって渡されていた発信機を頼りに来てくれた加持さん。

地下とは思えない林の中、片足を失ってもがく紫の巨人。
パチンコの玉みたいに、怪物の咆哮とともに飛び出してくる赤いおに。

左腕を失って、それでも必死に牛のような巨像を叩きのめそうとする赤い巨人。
疲れてしまったのか、いきなり停まる。

直接見えない光線が二人の巨人の胸に直接当たったらしくて、爆発があたりを赤くした。
二本の反物の様な腕が二つの赤い珠をたたいて。


-----------------------------------

三度目の目覚めは、知らない天井で覆われた部屋。
少女趣味とは違うけど、落ち着いた大人の女性とも、ちょっと違う部屋。
お菓子を連想させる、焦げたような匂い。

ボクを背にして話し合う、二人の影。

「……らどう変化したか、なんて聞かれても、全く判りませんけどね」
「私も見てたけど……撃てるって、思ってた?」
「で、どうなの?」
「多分、彼は撃てました。 強くなってますよ、本当に」
「そう?」
「だって、あんな台詞言えたんですから」
「あんな台詞?」

「……『僕が好きになっていいのなら、僕に貴女をください』でしたよね」

263 名前:LHS廚@本編:06/04/09 23:14 ID:???

私がここにやって来たのは加持君から彼女に関してきた事に少し恐怖を感じたからだ。
正解しても、大してうれしくは無いけど。

「い、いたたた」
「まったく、微妙な所で抜けてるわね、シンジ君は」

今、私の手は彼の腕に刻まれた傷の手当てに集中している。
払いのける様に、必死に暴れたせいで付いた、真っ赤な流れ。

「えっと、どうして……」
「左の脇、多分撃ったばかりの銃を仕舞ったんじゃないかしら……硝煙の匂いがするわ、微かに」
「……御免なさい」
「仕方が無いと言うか、なんと言うか……確かに、あの諜報員さんの印象が強かったんでしようね。
 彼が来る直前にMr.加持の左足を撃っていますから。 硝煙の匂いは初めての筈ですし」

呼び鈴を押そうとして悲鳴に気が付いた私があわててドアを開け、見たのは。
半狂乱になりながら必死になって暴れる小学生を抱きしめる「私の男」と。
援護とばかりに手を離そうとしながら、やっぱり彼女に引っかかれて行くふたり。

恐怖は十分に、彼女の心にトラウマを仕込んでいったようだった。

264 名前:LHS廚:06/04/09 23:21 ID:???

すいませんでした、少し間が空いてしまって。
仕事が忙しかったのと食事関係に引っ掛かって仕舞った結果、体調を悪くしてました。


……いやはや。

>棒組スレ
>抽象的過ぎ

うーむ。
気絶を何回も繰り返した為もろに朦朧としていた、としたかったんです。
こういう時ってマトモに考えられるようになるまで時間かかるでしょうし。

265 名前:LHS廚@本編:06/04/23 00:44 ID:???

「ほ、本当にごめんね。 僕が」
「い、いえっ。 そんな事ないですっ。 シンジさんはボクを助けに来てくれたのに……」


しょんぼりとしている彼女を見るにつれ、一度だけ見たあの映像が蘇ってくる。

-----------------------

母が死んで、司令が新たな手駒としての私を取り込むのに必死になっていた頃。
いきなり強化された権限を試してみて。  結果後悔した。

あまりにも、同じ頃の自分が恵まれている気がしたから。

冗談交じりでこの時の自分を教えてくれた彼女が、ここまでひどい状態だったとは。


ぼろぼろになったミサトが椅子の上に座っているだけの映像。
救出された直後ではないにせよ、どう考えても私の知っている彼女ではなかった。


小さい部屋。 真ん中にある椅子の上。
誰にも心を開こうともしない、ただの存在と化した彼女は、とても痛々しかった。



睡眠薬だけは使いたくないと言う点で一致していた私達は、お風呂に入って、改めてにおいを消した彼の元で
体にたまっている筈の疲労が睡魔を呼び込んでくれるまで好きに甘えさせてあげようと決めて、巻き込む原因を作った私達は、
彼女のわがままに全てこたえて、最後まで付き合ってあげることにした。

――お肌の曲がり角には、一寸厳しいものがあったけど。


そして、彼女は暴発した、再び。

266 名前:LHS廚@本編:06/04/23 00:45 ID:???


ようやく環境復旧。
またしても引っ張ってしまいました。


ペース上げないといけないし、過去分をまとめるのも……。
もう少し、こんな状況が続きそうです。

267 名前:LHS廚@本編:06/04/25 01:23 ID:???

彼女がその願いを精一杯の意思の塊として言い出したのは特に不思議ではありませんでした。

ただ、それが覚悟と年齢が最もつりあわない願いであることも。
わたくしを含め、年長者達が大きく壁となって停めなければならなかったことも。
本来なら、議論の余地を与えること自体が間違っている事も、知っていました。

でも、一方でわたくし達は彼女を止められない、いいえ、とめたく無かったのも事実なのです。


あの日、使徒の血をたらした口を大きく開けて、叫ぶ猛獣を見てしまったあの時から。
たった一枚のハッチが一つの命を壊しかけたのを見たわたくし達は。
何より、彼女の中の想いが偽りの無い真実だと知っている私たちが、どうして止める事が出来るんでしょうか。


------------------------------

「本当に、良いんだね?」
「御免なさい、我侭であの時の約束をっ!?」

いい加減な気持ちでは、彼女は気持ちよくなってくれない。
あの日から数回、僕達は気持ちよさを共有してきたけど、それを気持ちよさとして受け止めるには幼すぎる――たとえ、僕自身も性的に成熟さが足りない……つまり「小さい」としても――。
だから、すぐ入れて仕舞ったら気持ちよさを感じる以前で終わってしまう。
でも、僕が努力すれば嫌なあの思い出を意味の無いものに出来るかもしれない。

それだけが今の僕を支える原動力だった。
不愉快だった『思いつき』の中を必死に探って、利用して。

「ひゃ、はぅ、だめぇ!」

ノゾミの背中には、いくつかの蒼痣が残っていた。
多分、副司令と一緒にさらわれてから、かなり乱暴な目にあったんだ。

ためらいも無く、小さな傷の色を消そうと舌をあてて、癒していく。
それだけで、小さい背中は仰け反って、黒い影を纏った白金がそれを覆っていこうとする。

268 名前:LHS廚:06/04/25 01:25 ID:???

あうち。
前回@外さないまま入れてました、すいません。

269 名前:LHS廚@本編:06/04/30 00:32 ID:lhRFJQKo


小さい体はもう心に刻まれた痛みなんかどうでも良くなってしまってるみたいだった。

ほんの少ししか違わないのに、非情な陵辱者になってしまったかのような、
恐怖と背徳的な興奮に混乱しながら染めていこうとする僕の下で。

右の手の甲を額に乗せて、左腕を僕の心臓の辺りに当てて、押し離すでもなく、ただ、僕の鼓動をしっかり捉えられる位に押し付けてくる。

何時もなら、興味と僕への信頼に輝く瞳も、求めてくれてる、と言うぼんやりとしか意思のような……。

苦しさと紙一重の感覚の鼓動に震えてるだろう、硬い乳房の間に耳を当てた時、ふと。
小さい熟女を抱きしめるようになってから、「イメージが」ほとんど沸いてこないのに気が付いた。
多分、初めての、ヒカリとのがむしゃらなあの時以来の感覚で。
ちょっとした感動が、


「ダメ、ですわ」
「え?」
「そうよ、何も考えちゃ駄目。 ただ、単純に、優しく、受け止めてあげるの」

そっと後ろから絡み付いてくる二対の腕。
後ろ暗い感覚に包まれたからだがぴったりと、左右からそっと、でも残酷なまでに確実に。
僕たちの逃げ場を、かき消してく。

270 名前:LHS廚@本編:06/05/02 00:53 ID:???

そして、僕自身が気付いてさえいなかった変化、最年少の拘束を果たしている。
最も硬いものとして、抗いがたい物として。

露骨な言いかたをすれば、僕はまさに……「ベテラン」になっていた。
ふるりと震える小さな体にも、その中で目覚め始めたオンナの扱いにも。


多分一月の間に覚えたんだと判る、他と反応が違ういくつかの部分。
痛いと言う気持ちを必死に押さえながらも、快感にすがり付こうとしていた初めての時と違って、ほら。

「あふっ!」

初めてのときは、ただくすぐったいとだけ感じる筈だった首筋。

ほらまた。

「んぁ……?」

今度は、まだハッキリとすらしていない乳房の裾野。

特定のところに近づくたびに体が少し柔らかくなる。
そこが、彼女にとって触って、舐めて欲しいところ。 「成長」したところなんだ。


「どうして、こんなにエッチになっちゃったの?」
「……へぁ?」

ちょっとだけ、強く。 でも、痛くならないように。
少しだけ窪みに入れた指で、それをまねる様に、くいっと押し上げる。
幼い体はそれだけで跳ね上がって、僕の手に危うい体勢のまま、座った。
彼女がやっていたことを思い出させつつ、窪みに指先を押し込んで。

「ヤ、だぁ……?!」

多分彼女のオナニーは、小さい生地を引き上げる事から始まったんだと。
跳ね回る下半身は、あの頃とは大きく変わった、気持ちよさに怯えない「オンナ」の体になったんだと。

「イメージ」の助けなしに、僕の全てが、読み取っていった。

271 名前:LHS廚:06/05/02 00:56 ID:???

あ、修正。 最初の所ですが。

「変化」→「変化も」でぃす。

>棒組すれ。
>二本(三本?)。

「造られた」のって萎えなさそうですからねぇ……。

272 名前:LHS廚@本編:06/05/05 22:06 ID:???


一寸、面白くない。
不貞腐れるカエデにお金渡して飲んで来て、って言ってまで場所を用意したのは私。
最初だけは彼女の望むがまま、って決めたのも、私。

でも、私達二人揃って微妙に蚊帳の外、って言うのは、やっぱり面白くない。


「いや、そこ、そんなぁ」
「僕が居ない間……小さい布に恋してたんだ」
「ち、ちが、きゃふ」

ベッドに寄り添うように用意されたテーブルにしがみ付いて喘ぐ彼女はずるい位に大人。
小さいお尻のすぼまりには右手の、花開くことを覚えた方には未発達なスジを覆いつくすようにもう一本、オトコの人差し指が当てられて、
そこから味わう全てを手に入れたくて、必死に隠そうと努力してるのに、本当の気持ちに素直な下半身はしっかり動いてる。

動いていた指の方が、彼の意思に従って動かなくなってすぐ、彼女の下のシーツは染み
とささやかな泡で濡れて、唇はだらしなく開いて唾液をたっぷりまとった舌がたどたどしく、意味の無い言葉と一緒に漏れて。

まだ形にすらなっていない乳房のあたりを愉悦で痙攣させている。



「仕方ないって、判ってますけど……失敗したって気分になるのは、マユミさんに送った『お塩』以来ですわ」


273 名前:LHS廚@本編:06/05/20 21:35 ID:pafgtOe+

彼は混乱していた。

別に蒼銀の髪の少女に告白しに来たわけじゃない。
当人を見て、ちょっとは自信が付いた。 自分は彼女に対する想いは振り切ったと。

転校生がまた来た頃のギスギス感をあっさり修復してしまった惣流や委員長に乗り換える気も、取り合えず無い。
その山岸と霧島、マリイは誰が見てもハッキリ好意を向けているのだから、特にそんな気にはならなかった。

だから、自分が知っている限りは、五人。
冴えない親友がもし、全員を『喰って』ハーレムを形成していたとして――小さい面子をさらに一人巻き込んでいたとしても――
一人増えただけ、つまり六人のはずだ。


ただ、本を返しに来たついで。 一寸の暇が彼にあれば、女性と付き合う極意を聞いて見たかった気はあったが。

お下げ髪の友人から「一人分余ってるの。 食事どう?」と誘われたのは嬉しかった。
本当は誰に食べさせたかったのかを無視しても、それ以上の見返りはあるからだ。

274 名前:LHS廚@本編:06/05/20 21:35 ID:???

委員長の飯が旨いのは小学校の遠足などでお裾分けされたのを食べた経験から
知っていたし、地下で仕事をして帰ってこない父と退院まであと少しとなった妹の居ない、
ひっそりと静かな家で一人する食事よりは、と思っていた。



だから、困っている。

「一寸、しょっぱいかしら」
「サツキもアオイも料理、出来るのね。 一寸ショック」


不可能ではないことは、判る。 判ってはいるのだ。
ミサトを初めとして地下の怪しい面々は全員大人だってことも判ってる。


「まぁ、一人暮らしは自炊が出来なきゃね」
「ミサトが出来ると知った時はショックだったわ。 あれだけ妙なの作ったって聞いてたのに」


(何で増えてるんやぁーっ?!)

彼が今までかいだことの無い女のにおいに妄想を掻き立てられたのは言うまでも無い。


275 名前:LHS廚@本編:06/05/24 23:03 ID:???

わたくしが初体験をした時も、こうだったのか。
小さいノゾミちゃんの性器に突き刺さろうとしているシンジさんのペニス。

「壊れちゃ、っても、良いんですよ?」
「そんな事言っちゃ駄目。 貴女は私達の中で、一番時間があるんだから」


当初シンジさんが予定していたらしい挿入を避ける逃げ道、つまりお尻への道は「いやです」の一言であっさりと消えてしまっている。


初めての緊張と未成熟な体であるからこその硬さのある肌。
でも気のせいかもしれないのですが、一寸ひきつったりしながら必死に広がって、ようやく与えられようとしている男の凶器を求めるヴァギナ。
儀式に参加するように、眺める姿はやっぱりというか、一寸だけ滑稽で。

(ある意味結婚……ポトラッチをさせられてるみたいですわ)


「そんなに、みたいですか?」

シンジさんに言われるまでも無く。
何時しか二人して、綺麗な赤に染まって、花開いたつぼみは蜜と芳香――勿論、乙女には似つかわしくない物――を振りまいてる彼女のを、はっきりと覗き込んでいた。
でも、不安はぬぐいきれない。
本当に小さいここに、わたくしでも一杯になってると思えるシンジさんのアレ、が、入るの?

そんな想像で盛り上る二つの頭の前に突き出されたのは。

「濡らして、くれる?」

幾人もの処女を散らす『実績』を重ねてきた、持ち主の性格と正反対な凶器と。

「やっぱり、今の彼女にとってこれは、十分に凶器なのよね」

息を呑みつつ、それでもそそり立つペニスに憧れるリツコさんの声と。

「そこ、お尻のぉ……。  あなぁ………」

離さないように指示されたわたくし達の指に少しづつ拡張され始めてるアナルを晒す花嫁の姿……。


276 名前:PDX.:06/05/28 23:24 ID:???

>>275 LHS廚さん

「処女のままアナルを捧げたのはノゾミが最初」とか言いくるめて……ってわけにはいかないか(笑)

277 名前:LHS廚@本編:06/06/06 22:18 ID:???

「濡らしてくれる?」なんて言ったけど、彼女の中心にある小さい孔は
たくさんの経験をつんだ僕にとって、も通過点としては細すぎる気がした。

そして、もう一つ怖い。 彼女が僕よりも明らかに年下であること。

アスカとかヒカリとか、一年以内の差――つまり同級生――なら、まだ良かったかもしれないけど……彼女はそれ以下。
カルチャーショックだと思う。 ロリコンの範囲に居る子供がロリコンを気にするなんて。
ハッキリ言えば、ランドセルをまだ背負ってるんだよ、ね。
いまも。




快楽をしっかりと教え込んだ僕に言える話じゃないけど、ロリータは僕達にも当てはまる。
僕達以前、つまりアルバイトも認められない、バスとかの運賃も……って。

「えうっ?!」

小さい熱さが股間を襲って、小さく、でもしっかりと跳ねてしまう。
それも二つ、ううん、二枚。
ひざ立ちの僕と彼女の間に挟まったマリイとリツコさんがたっぷりと唾液の乗った舌で


「ボケッとしちゃ、駄目ですわ」
「私も覚悟を決めたわ。 だから、次は貴方の番よ。 他の男にやらせる気なんて無いでしょ?」

278 名前:LHS廚:06/06/06 22:20 ID:???

ご免、もう一寸かけたら投下したです。
せっかくの日に……。

>PDX.さん
>ごまかし

その手は考えて無かったです。

279 名前:LHS廚@本編:06/06/06 23:15 ID:???

湿った僕の肌にオンナ二人の熱気と唾液が加わって、小さい孔に収まる気がしてきたせいもあって
僕は意を決してそろそろと挿入を開始した。

「ひゃぐぅ?!」

奇跡はやっぱり無くて。
それなりに解したつもりでも、僕のが入るにはやっぱり成熟していない場所は狭すぎた。
でも、僕はそれ以上に混乱してしまう状態になって。

(うわぁぁあぁぁ?)

小さいだけじゃないと思うけど、小さいからこその締め付けは僕の想像を超えていた。
まだ、一寸だけしか入ってないのに、誰よりもきつい。
ヒカリのならふわっと締めるし、アスカのなら丁度自分でしてる時の、凹凸みたいな段々を
感じる事もあったりした。 けど、この締まりかたは彼女の……って。


気が付いた時にはもう、僕の我慢は限界をとっくに超えてしまって。

「ふぁっ?!」


「……え?」
「うそ?」
「そんなに気持ち良かったんですか、ボクのって……」


初めての経験だった。
入れる前に、出しちゃったのは。

280 名前:LHS廚@本編:06/06/06 23:49 ID:???

え、っと思った時にはもう熱かった。

ぼうっとした頭が何時もの感じにそまる。
それはボクをシンジさんが愛してくれた証拠で、とってもうれしいことだけど。
今日はその先へ進むことを誓ってくれたはずだった。

「そんなに気持ち良かったんですか、ボクのって……」

目の前にシンジさんは、ひざ立ちのまま困った表情。
僕にとって右手側のリツコさんも、左手側のマリイさんも揃って。

ぽかん、としてしまってる。

「あ、あれ?」

シンジさんはすぐに自分を奮い立たせようとして、ごそごそと蠢き始めた。
マリイさんたちも何かに気付いたみたいで、「え」とか「あれ?」とか。


何かがおかしいと思った。
そして、その不安はある気持ちを心の底から引っ張りあげて来た。

シンジさんは、もしかしたらボクを抱くのが嫌になったのかもしれない。
いくら加持さんに阻止されたとしても、自分以外の男にもてあそばれかけた体なんて。
見向きもしたくなくなったのかもしれない。
それだけが、頭を占めてく。
不満が怒りを大きくして。
爆発した。


281 名前:LHS廚@本編:06/07/07 00:08 ID:???

自分の我侭だってことはわかってる。
始めてシンジさんとした時、『そーにゅうしなくても、いいですよ』って言ったのに。
コダマ姉に『自分を……自分も、でいいから、大切にするのを忘れない事』って言われてるのに。
もし何時かシンジさんとの子供を産めるかもしれないとなった時に、つらい事になるかも知れないのに。


手が勝手に動く。

「え? あ、ちょ?!」

始めてあった頃とは比べ物にならないくらい締まったからだの男性の体。
でも、マナさんの言ったとおりシンジさんの体は締まっただけで、まだ筋肉は付いてない。
だから、同じくマナさんに一寸だけ教わったテクニックでも、組み伏せるようにベッドへ押し付けることができた。

「うわ、大胆ですねぇ」


どこか開き直った感じのするマリイさんの声が聞こえたような気もするけど、全部無視っ。


後は、本能の思うまま。
シンジさんの上にまたがって。
状況の急変に対応し切れていない彼に精一杯の微笑を見せて。
妙にやわらかいシンジさんのを掴んで、一息に潜り込ませたの。

それはボクにとって、変な意味で忘れられない初体験になった。

282 名前:LHS廚:06/07/07 00:08 ID:???

すまぬ、一月音沙汰なしで。
これから先はペース上げられそうなんで、もう少し頑張るです。

283 名前:LHS廚@本編:06/07/29 01:20 ID:???

自分の知っている限りの知識では、さまざまな予測が飛び交ってる。


医学的な知識。
大人として手に入れてきた常識や法律。
万が一のときのための対処法。

必死に目を閉じて、ゆっくりと自分の内側に入り込んだものから与えられる痛みを堪えながら、それでも。
この小さい『女』は………。

今までの自分の何かを否定されたような気持ち。
嫉妬とかとも、体を気遣うのとも、一寸違う気持ち。

こんな気持ちになったのは、あの時以来だった。
たった一人の母が意味の判らない自殺をした、あの時と。


――――――――――――

上からでは小さく見える金属の塊に、べったりとくっついた血痕。
白い線で囲われた、命の残り香。
それがまだ残っているときに、私は彼を求めた。

『私を、抱けますか?』
『なに?』
『私、母さんと貴方がキスしているの、みました』
『それで? 従わせたいなら無理やりでも自分の物にしろ、とでも言うつもりか?』



どう読んでいいのか判らない表情のままで、彼はMAGIを安定させる事を選んだらしい。
無理矢理に引き寄せた男の手。

そのまま、カスパーの制御卓に据え付けられた椅子に、私を座らせた。
私を押し付けるように。


『少なくとも、今の私は、貴方に対してどう反応していいのかわかりません。 好意は持っていますが、それは有能な上司に対して持っているようなものですから』


母とキスをしていたときも目を開けていた彼は、その先にいた私を見つけていたんだ。
だから、今の、この状況を演出したんだわ。
ずるい男。
そうでなきゃ、あの時自分が座っていた椅子に、私を座らせる必要は、無いわ。


『私の心を満たしているのが何なのか知っていて、それでもと言う事か?』
『私が欲しいのは、いま、前に進む力です。 それを与える事ができると言うなら』
『なら?』
『智恵の実を渡すつもりで、私を堕落させてください』

結局、私は彼に堕落した。

284 名前:LHS廚:06/07/29 01:21 ID:???

なんかエロから遠くなっていくような。
幼女ネタは難しい。

285 名前:PDX.:06/07/30 09:51 ID:???

>>284 LHS廚さん

 おつかれさまです。
 幼女ネタとは言っても、ノゾミちゃん(10〜12?)あたりであれば異性というものを意識しているでしょうし、恥じらいもあるでしょうから話をエロい方向に持っていくことは可能かと思います。
 もっと幼かったりするとただ痛々しいだけでエロくするのが困難になりますゆえ(^_^;

286 名前:LHS廚@本編:06/08/28 00:08 ID:???


手のひらに血が付いていた。
初めて人に怪我をさせた。

自分のはっきりとした意思で。
大切なものを、守るために。


---------------------------


『最近……私の日常に加わった変な日課に、下心が見えみえの男子生徒からの告白を
 丁寧にお断りする、というのが増えたのは以前日記にも書きました』

彼女が書いているのは日記。
小さい仲間に感化されて。
変わっていける自分を見つけられた証にしたくて。
今日も日々を綴ってる。

『今日のは極めつけ。 マナさんの言った通りにしただけなのに。
 襲い掛かられたから、言われた通りにしたら……宙を舞った。 私が、この手で、投げたの。
 手のひらに、彼の頬を引っかいたのか、爪の先から流れるように、一筋の赤。
 彼を投げたのも、シンジさんにだけ愛されたい自分。  それは、すべて私が選んだこと』



彼女はじっと手を見つめる。
今はペンを握っている手。 本の世界に行くための、小さな鍵。
それが自分の中に一つ、大切なものができただけで。
簡単に凶器にできた。 それも、数ヶ月前には思いもつかなかったこと。



『……正直に書けば、自分の中で彼の存在がここまで大きくなるとは思いませんでした。
 小さい頃から外の世界を見るのに臆病になっていたはずの私が。
 男の人の頬に頬を摺り寄せて、汗と(以下数文字塗りつぶし)を私の』

ふうん、という声に振り向くと。
何人もの視線が日記と私に向いていた。
今までとは違う自分を知っている、大切な人ができた事を知っている、いとしい仲間。

「強烈な文章ね」
「日記に書くには少し変かも」
「………音読しないでください、マナさん、アスカさん」

287 名前:LHS廚:06/08/28 00:09 ID:oXlJt+cQ

済みませぬ、エロから外れたままで。
アイデアをまとめてました。
ミサト編、ようやく取り掛かれそうでつ。


>ノゾミ編って鬼門?
確かにあれで止まってるなぁ……。


288 名前:LHS廚@本編:06/08/29 01:27 ID:???

繋がったところに添えた手のひらには、もっとも小さい子の血がついていた。
誤解から生まれてしまった、最悪に近い形で繋がった初めては、今まで以上に締め付けてる。
それは、僕自身の始めてを受け取って貰った相手でもあるお姉さんの痛みに耐える表情と同じで締まった僕は。

情けないけど、あわてて謝った。

「本当にごめんっ。 その、自惚れかも知れないけど、その、ノゾミのちっちゃいでしょ?」

「え?」と真ん丸に見開いた目と口を閉じないリツコさんと。
どう表現して良いのか判らない、困ったような表情のままのマリイに挟まれながら。
情けない説明は続く。


「だから、入れようとは思ったけど、その、僕ので奥までつ、つ、突き破っちゃうかも知れないって考えたら、急に怖くなっちゃって」
「……一寸待って下さいな。 もしかして、ノゾミちゃんのあそこに挿入するのを渋っていたのは捕まってた時に悪戯……とか言うものでは、無いんですの?」

あわてて僕は首を振る。

289 名前:LHS廚@本編:06/08/29 01:27 ID:???



「それだけは無いよ。 ノゾミちゃんに拒絶されたらどうしよう、と思ったよ? 確かに」

僕は怖かった。
どんなに求めても、僕を慕ってくれた蒼い目は僕を見てくれないんじゃないかって。
汚れちゃったとか自分はもう、僕にとって相応しくないとか。
………僕はもう、必要ない、要らないって言われるんじゃないかって思いが、どっかにあった。
それで心が一杯だったから。

トウジたちに見送りに来て貰ったときのような気持ちの告白をしたとき。
妹から恋人になった小さい手が僕のほほを包む。

「誰にもボクを譲れないと思ってくれるなら、ボクのすべて、受け止めて下さい」

コダマさんに会ったら確実に殴られるなぁ、と頭の端に浮かべつつ。
誓いの口付けを、僕は彼女にささげた

290 名前:LHS廚:06/08/29 01:28 ID:???

>>285 PDXさん。
感想どうもです。


>はじらい
BGM代わりに聞いていたTV内にあった銭湯の話では。
今の子供は男女とも小3でも結構気にするそうで………。
よしっ(ナニがだ

291 名前:PDX.:06/08/29 02:08 ID:???

>>290 LHS廚さん

 このあたりは個々人の性知識とか精神的成長にも依存しますしね。
 ノゾミたんはおマセな子、ってことでもいいんじゃないかと思いますw

292 名前:LHS廚@本編:06/08/30 00:58 ID:???

本部内にある拘束室。 あの時と同じ闇の中。
あたしは自分を見つめなおしていた。
体と心、様々な疲れから体が逃げ出そうとしているのを抑えながら。

『乗りなさい』
何故、初めて会ったばかりの彼に手のひらを返して言えたんだろう。
直前まで、どちらかと言えば乗せたくない……反対の立場に立とうとしていたのに。
初号機を誰よりも動かせる気がしたから?

『迷惑なのよっ』
戦いという重圧に耐え、友達候補を守るため彼なりに判断した行動を。
使徒を倒したのは事実だったのに、アスカと違ってろくな経験もない筈の彼に。
なぜ、あそこまで腹が立ったんだろう。

あの時も。
『同情や仕事なんかで―――』
気に入らないなら、言うとおりにならないのなら、手放せばよかったのに。
何故、あたしは彼を引きとめたの?
シンジ君が自分と同じ、一人ぼっちだったから?
EVAのチルドレンを新たに見つけるのが、面倒だったから?

………多分、全部違う。
それだけだったら。 あたしはあんな写真送らない。
がっつきそうな子供の前で下着同然のだらしない姿なんてさらせない。
返り討ちに出来る自信があるから?

どうして見せようとするの?
加持以外に見せようとも思わなかった、自分の「地」なんて。

なぜ?
何故、あたしはあんなに自然に、だらしない自分を彼にさらせているの?

293 名前:LHS廚:06/08/30 00:58 ID:???

すいません、彼女を先に片付けます。

294 名前:PDX.:06/08/30 08:08 ID:???

>>292 LHS廚さん

 ミサトの露出癖?(違
 あるいはショタ願望なのか。
 加持への思いの裏返しで、「加持らしくない」人物であるシンジへの逃避行動なのかも。

295 名前:LHS廚@本編:06/08/31 01:27 ID:???

あたしの頭の中でぐるぐると思いが巡っていく。

お墓参りを――ついでに童貞喪失も――済ませたあの日以来、彼は変わった。
「僕はここにいてもいい」と言えるようになったから。
小さい一歩を重ねて、確実に成長している。

洞木さん、アスカ、マユミさん、マナちゃん………。
自分の中の想いを隠そうともせず、細身の少年に甘える彼女たちに。
何故か嫉妬を感じてるのに気がついたのはこの数日のことだった。


どっちかといえば、あたしにもシンちゃんに対する恋心、あるのかもしれない。
でも其れだけで、葛城ミサトが惚れる男の条件を満たしてるかって言うと、そうじゃないはず。
あたしが求めているのは、あたしだけを見てる男だからだ。

恋愛のスタンスだけなら、彼は加持よりひどい男になっていってる。
胸にあれだけの傷を負ったリツコを受け入れちゃったのはすごいと思ったけど
来るもの拒まず、って言うか……自分で選ばないと決めてしまってるんだから。

296 名前:LHS廚:06/08/31 01:29 ID:???

えー。
たぶん一番強引で出鱈目だと思います、ミサト編。



297 名前:LHS廚@本編:06/09/08 23:55 ID:???


『葛城 タツオ』  (写真はインパクト災害の結果消失したため、存在せず)

南極調査団・日本葛城隊の責任者。
セカンドインパクト発生時、隕石着弾点に最も近い場所にいたと思われる人物。

 ・
 ・
 ・
 ・
もっとも近しい地点で生き残った人間、葛城ミサトの父親としても有名。

------------------------------------------

南極にいた頃の夢を、最近よく見る。
窓越に吹雪をみながら、缶ビールを美味しそうに飲む、父の姿だ。

でも、父の顔は、覚えていない。
あの日以来、私の頭の中から消えてしまった。


日本に帰ってから、自分を取り戻してから。
様々に手を尽くしても、父の写真は見つからなかった。
NERVに入ったときも、少しだけ期待してた所は有ったけど、結局だめで。
今でもあたしにとっての父の顔は、のっぺらぼう。



「最近思うわ」
「なにが」
「ずっと。 加持君と別れてから付き合おうとした男の人達を見てた私にはそう思えてねぇ」
「つまり?」
「ミサトが好きになる人って、たいていアルコール……って言うか、ビールが好きな人なのよ」



298 名前:LHS廚:06/10/21 23:55 ID:???

>棒組の方々
すまぬ。
私事(ノット仕事)で混乱中なのです。
レス程度なら出来るのですが……。

今週ぐらいで整理がつきそうなんで、この先は何とかなるかと。

299 名前:LHS廚@本編:06/10/24 23:40 ID:???

それは、私が初めて見た、『話す』レイちゃんだった。

あの事故から数日が過ぎ、とりあえずの危機を脱したレイちゃんを見舞う司令がいた。
少女が負うには間違いなく大変な傷を負っていたのに、それが当り前の気がしていた。
誰も彼女にお見舞いにいかなかった。 なぜか、私もそうだった。

でも、司令は彼女に会いに行った。

「いかり、司令」
「……なんだ?」
「助けてくださったときに壊れてしまったという眼鏡ですが」
「気にするな。 それほど惜しいものではない」
「もしよかったら……頂けませんか」
「壊れているのだぞ?」
「構いません。 そこにそれがある、ということが大切だと思います」

月のものが重くなければ、私自身、知らなかったであろう光景。
司令とレイちゃんの心の繋がりができたような、恋ができたような、そんな瞬間。
その時の私は、絆は美しい、という感想を抱いたんだっけ。


-------------------------------------


あるタイプの人にとって、自分に出会う前の恋人が誰かを好きだった、思い出という証拠を自分の知らないところで大切に残されるのは、とても辛いことだという。
その手のものを見せられるだけで、百年の恋もついえると言い切る人もいる。

手紙、写真、アクセサリー……別れてしまった相手との間に居る子供とか。
多分、どうしようも無い嫉妬を掻き立てる、もの。

300 名前:LHS廚@本編:06/10/24 23:40 ID:???



もちろん、私達が愛する少年のように、全く――少なくとも表に出しにくい――人もいる。

だから彼女の行動は、そんな事を現実に起こしたくないから、と思う。
小さい箱の中に入ったそれは、間違いなく彼女の中に何かを作ったものだから。

--------------------------------

「ん?」

相手にされない、というのはちょっとどころでは無い寂しさを私達に与えていた。
だからと言うべきなのかな、葛城さんの部屋からヤケ酒用のお酒を失敬しに行った私とサツキは、小さくしゃがみ込んで何かを燃えないゴミ袋に放り込んで、捨ててしまおうとしてるレイちゃんを見つけたの。

それは、彼女が持つ者としては珍しくて、少しだけ、手の跡が残っていて。
何度も開けたことが、何と無くだけどわかるもの。
碇司令の壊れた眼鏡が入っていると思う、眼鏡ケース。
私が始めて、美しいと思った絆。

----------------------------

「怖くなったんです。 シンジ君が帰ってこなかった時を想像したら」

彼女にとって、碇司令を見ていたときは、ある意味楽だったんだと思う。
司令以外と話そうとする事自体、お仕事以外はなし。としてなかった。
学校の中でも、無関心ちおいうか、超然としているというか。
とにかく、接点を持たなかった。  興味以前の問題としてなかったといっていい。

301 名前:LHS廚:06/10/24 23:41 ID:???

とりあえず、リハビリ。

302 名前:LHS廚@本編:06/11/11 00:34 ID:???

勿論、当時の彼女にとっては、それでも良かったと言えたんだと思うわ。
でも今は。
司令以外の人には興味を持たなかったと言うことは、負の遺産でしかない。

自分色に染める、と言う言い方もあるけど、それまでの自分を壊す力になりかねないときもある。
司令にウソをついた、と言うことは彼女にとって間違いなく、今までの自分の否定。

そして、それを理解した時、次に来るのはそれが自分に向けられるかもしれない、と言う恐怖。


ファースト・チルドレンと言う事を含めても、レイちゃんの代わりは誰もいない。
だけど、シンジ君の女は、彼女だけじゃ無い。
彼女にとっての男が、ひ弱な少年一人になってしまったのと違って。


「難しく考え過ぎなのかも知れません。 でも、私のは司令がある意味全てだったので……」
「レイちゃんってさ、飛行機に乗ったことあるよね?」

サツキが妙に自信満々に聞いてきた。
そりゃ、司令と一緒にジェットVTOL機に乗っていく二人を見送ったリ、したんだけど。

303 名前:LHS廚@本編:06/11/11 00:34 ID:???


「前に本で読んで成程、と思った話なんだけど。
 自動車で時速100キロの移動とか、飛行機に乗れる……と言うか空を飛べる事に至ってはそれ自体が、生き物としてのヒトの生活ではあり得ないことなんだよね。
 外国から葛城さんがお酒を取り寄せる、とかも。 他の生き物にとって、あたし達がやってるのは一寸異常なこと。 ご飯はその場で調達、と言うのが当り前なのに。
 でも、今のあたし達の価値観、っていうか常識かな。 そんな異常を当り前だと思ってる」

よく判らない、変な例えだった。

「それと同じでさ、生物にとっての近親相姦とかも異常って言えるのはヒトの価値観なんだよ。
 遺伝子異常とか、そんな事全く知らない生物にとって近親関係をやるかどうかは繁殖意思とある意味時の運。
 愛し合ってしまったからやる、と理由を言うのはやっぱり人間だけ」


言いたい事はそれなりに分かるけど、やっぱり、変なたとえ。
でも、どう言う訳かレイちゃんには覿面に効いた。
自分の中の何かがさっぱり取れたような、そんな笑み。

「つまり、全ては私とシンジ君が決めること」
「そ。 こんなに長々と言っても、核心はそれだけ。
 多分、としか言えないけど。 根拠もないけど。そもそもシンジ君自身、そんなこと、いい意味で考えてないんじゃないかな」

304 名前:LHS廚:06/11/11 00:36 ID:???

レイの悩み(近親とか)は取りあえずこれでクリア?

305 名前:LHS廚@本編:06/12/10 00:50 ID:???

唐突だが、私は、お蕎麦が大好きだ。
特に、清酒と一緒に笊蕎麦を食べるのが大好きだ。

と言う訳で、今、私は繁華街の端、「雲丹酒」と言うお蕎麦屋にいる。
おまけを一人連れて。

「ねぇ、呑んでるぅ?」
「はいはい」

葛城さんと出会ったのは30分ほど前。
『一部部署と確執が酷くなった。だから加持さんはメンツより与太郎的遊軍扱いを取った。 野菜とかをいじってるふりをして、こっそり仕事をしている』
それが、D級勤務者あたりから丁度、私達のレベルまでの面々に広がっていたイメージだった。
私はマヤと仲が良かったから、『アルバイト』の噂は緘口令とセットで聞いていた。

306 名前:LHS廚@本編:06/12/10 00:51 ID:???


でも。
彼女の愚痴の百鬼夜行を整理して行くうち、彼女がぼろぼろと零している情報が既に。
オペレータである私が知っていいレベルの話でない事を理解してしまっている。
副司令の誘拐、巻き添えになった少女、未確認ながらシンジ君が発砲した……。
そう、多分あんな風に酷く動揺してるは……。

「って、え!?」

目の前をシンジ君が、歩いて行く。
べろべろに酔った葛城さんが捕まえたのは、その一分後。

---------------------------------------

「え?」
「で、ですから、その……初潮、です」

シンジ君が話を――葛城さんの絡みに耐えつつ――してくれたのは、またもや。
私が知っていいレベルの話でない内容だった。

シンジ君がノゾミちゃんの相手を本番までやってしまった事。
快感でごまかせる程度にすら痛みがひかなくて。
無理を避けるため、射精で(彼自身にその発想は全くないけど)納得してもらった。
彼女がシャワーを浴びている間に多少マリイちゃん達と盛り上がってしまったが。
シャワー室で血が止まらない事から……初潮が始まってしまった事に気がついた。

「かくして、僕は『ちょっと外をぶらついて、落ち着いてらっしゃい』と」
「リツコにおいだられちゃったんだぁ〜」

葛城さん、酔いすぎ。

307 名前:LHS廚:06/12/10 00:52 ID:???

ども。
ひと月悩んで出した結論です……が、昭六寸前でこれは、早すぎですかね。
生臭な逃げ方で、すいません。
(今の彼女があふあふ言うのは、どうしても納得いかなかったのですよ)

308 名前:PDX.:06/12/11 08:04 ID:???

>>307 LHS廚さん
個人差があるものですからねぇ。
小5ならまだ妥当じゃないでしょうかね。
それまでに与えられていた性的刺激が引き金になった、なんて言い訳もできそうですしw

>(今の彼女があふあふ言うのは、どうしても納得いかなかったのですよ)
これは仕方ないかと。
未成熟な小さな身体で、「下ごしらえ」がじっくり行われてきたというほどでもないでしょうし。
この苦痛を経験した後でもなお、彼女の方からシンジとのベッドインを望むような描写があれば健気さとか描けるなじゃないでしょうかね?w


309 名前:LHS廚:06/12/22 21:25 ID:???

明日は「大奥映画版」公開日。
と言うわけで今回のトリビアは映画版の骨子たる「絵島事件(1714)」について。

ストーリーの中核に掛かるお話なのでかなりぼかしますが
「絵島」と言う大奥代表が禁を破って江戸城を抜け出し、城下で気分転換をしていた所
役者「生島」と出会い、恋に落ちてしまいます。
ところがいくつかの事件が元で禁を破っていることがばれ、二人は約1000人という
沢山の道連れを作りつつ、歴史の闇へ、と言う事件です。

さて。
男女の悲しい愛に受け取られやすいこの事件、二つの意味でかなり怪しい点がある事でも
有名です。
まず、絵島はかなりしたたかな女性であり、噂半分と考えても女中を引き連れ
事件になるかなり前から「俳優買い」など派手な豪遊を記録に残るくらい、沢山していたらしい事。

二つ目の根拠はは江戸における恋愛のルールです。 色恋沙汰、と言われるのに
>『失色』などという言葉は、無いのだから。
と書いてみた通り、失恋しかないのは何故か。

310 名前:LHS廚:06/12/22 21:26 ID:???


江戸人は恋と色を区別していました。
恋とは夫婦を選ぶものであり、彼ら、そして彼女らにとって色はゲームです。
『色』自体を双方ともに「何処かで私は騙されているであろう」、と言う事を前提に
恋の騙し騙されを楽しむ遊び、としています。 ですから、かなり前にレスしたように

>自分が居ない時に彼女達が他の男を連れ込んでいても文句は言えない
のだそうです。
プレイヤーが隣にいないのなら、ゲームは成立しないのですから。
傍にいないのに、その人を考えるのは彼らには妙なことなのです。
共にいるその瞬間だけを大切にし、一緒にいない時はほかの人の事を考えてもいい。
これが彼らの「色」としての恋愛観です。
その結果、江戸の人々は恋愛に関してかなりドライな感覚を持っています。
キリスト教の概念がはっきりと入って来る明治期になるまで「不倫」と言う言葉は無かった位でした。
姦淫はあくまで他人に迷惑をかけた時にだけ、罪とする状態だったのです。

そう言う意味で、もてる男だった生島は色恋のルールを知り尽くした男であった筈、
「悲恋の主」として事件の当事者となっているのに、少しだけ疑問が残っているのです。

本気の悲愛だと思う一方で、ベーシックとしてこういう考え方もあるんだ、と思ってみるのも面白いのではないでしょうか。

311 名前:LHS廚@本編:07/02/23 21:17 ID:???

中学生当時から親交がある友人に、非常識な規模のハーレムを作った奴がいる。
金持ちと言うのとは微妙にずれた経済状況だったし、美少年という訳でも、もてる訳でもない。
(事実、最初からあいつに惚れたと言い切れた奴は、当時委員長をやってた子一人だ)


あれ以来何度か『何故こんなもてまくってる状態が成立している?』に対して答えも優柔不断なあいつらしい。
やっぱり、と言うべきだろうか。『理由? 僕にもさっぱり』ときた。
結局のところ、この友人であるハーレム主、本人にとって文字どおり偶然の塊で、
(受け入れて行く事はしたらしいが、一度としてハーレム入りを要求した事は無いらしい)
幸運の星と言っていいこの宝物を一気に手に入れてしまった、という気分らしい。
………流石に手放す気は、未だに無いようだけどな。

まぁ、俺には興味がない幸運ではある。 ヒナタがいれば十分。
英雄並みな幸運は必要ないし。


-----------------------------------

どれほど欲望に満ちた世界でも、何らかのルールがないと世界は
ほとんどのハーレムがこうかは知らないけど、と前置きされつつ聞いた話をまとめると
このひ弱男、ハーレムのメンバーに内部ルール作りを完全まる投げしたようだ。
「弱気やなぁ」といったジャージに言い返したちょっとだけムッとしつつ返したセリフは「自分たちが作ったルールだからこそ、守る気になると思って」。 ちょっと位は考えているらしい。




312 名前:LHS廚@本編 :07/02/23 21:23 ID:???


(中略)

あの面子に特色と言えるのが、自分たちで作ったコミュニティの中にはプライバシーというものを作ることを徹底的に避けようとしてる事。


『自分達が何時何処で産まれたか?とか、メンバーの親兄弟に関する情報とかも、本人以外が喋っちゃいけないんだって』
『なんでや?』
『マスコミとかに噂になった時、家族に迷惑が行かないように』
『マスコミって……ネルフが関わってるのに?』
『念には念を入れて、ってことらしいよ』


『秘密を作り、の、は、仲たがいのりゆうぅ、なるから』
『おい……よう判らんけどなぁ、男ならしゃきっとせんかいっ』
『襖とか、余所から来た人が関わってるか、その……。 と、とにかくっ、普段はなんぴとっ、も、屋内の扉は閉めちゃいけないんだってっ?!』
『あー。何となく意図と言うか意味は判った、十二分に。 俺達は知ってるからそこまで照れなくていいよ』
『あうううぅ………』

313 名前:LHS廚@本編:07/02/23 21:29 ID:???


話す途中に何度も肩をまわしたり欠伸をしたりしている所をみると、宝物のような嬉しいはずの関係を維持するのは、やっぱり疲れるようだ。

(友人S )溜息といっしょに曰く、
『誠(実)と生(活)と性(活)、一つでも疎かにすると「娘」は簡単に「狼」になるみたいだよ?』
一度「狼の群れ」に咬み付かれながら部屋に連れ込まれるシーンを見ているだけに、この反応は十分理解できた。

――記者となった相田ケンスケが残した記事メモ・未使用部分――


314 名前:LHS廚:07/02/23 22:00 ID:???

コピミスーにつき訂正。

かのルールがないと世界は

かのルールがないと世界は困る事になる。



315 名前:LHS廚:07/02/24 01:21 ID:???

棒組スレの方へ。

>ヒナタって誰?

えーっとですね。
かなり前から中断してますが、表(あんどしたらばBBS)にあるBBS連載もの
「はなれ もの」にケンスケのフィアンセとして出てくるオリなキャラクタです。
(アスカ好きな方には完全劇物なものですんで、読まれる方は注意を)

彼に恋人を用意するのに丁度いい(既存キャラ使うのはハーレムスレとして……)
設定だったんで流用したのですが。 妙に混乱させたような。
(したらばBBSへの近道は、「BBS抽出ログ」に一つリンクが生きてます。)

Powered by 0ch Script

■ 掲示板に戻る ■ ■過去ログ倉庫めにゅーに戻る■