ばーすでぃ

 待ちに待っていたあつい季節がやって来ました。

 これから秋にかけて、世界を股にかけたシーズンが始まるのです。

 このシーズンは一年の中で一番楽しくて、はいねる君はわくわくと待っていたのです。

 てすと解禁までのとってもじれったく、とてもこわい時間を過ごして、訪れた開幕までのあっという間の時間は、とても充実していました。

 SGMのおぢさん達もしっかりと面倒を見てくれた『さいれんとすくりーまー』は、ちゃんといいコに仕上がっています。はいねる君は自分のデザインした『さいれんとすくりーまー』でいい成績が取れると確信していました。

 少し変わった形をしていましたが、はいねる君はとってもご満悦です。

 ほんとは『しゅてぃーる』を作りたいのですが、もっといっぱいのもっとしっかりとしたデータを貯めない良いものが作れません。はいねる君も経験値というものをちゃんと積まないとならないのです。

 今は一生懸命に走って頑張らないといけない事をはいねる君はちゃんと判っていました。

 だから『しゅてぃーる』の事は、はいねる君だけの秘密にしているのです。



 ましんに乗り込んで調整の手伝いまでするどらいばーは、この業界でもはいねる君だけです。

 はいねる君は予選の始まる前にSGMのおぢさん達に『ゆっくりしておいで』とピットから送り出されてしまいました。

 おりこうさんにお手伝いするはいねる君に、少しでも気分的にゆっくりしてもらおうとおぢさん達は優しく送り出してくれたのです。

 こっくり頷くと、はいねる君はてくてくとピットから離れて行きます。

 ギャラリーで溢れるサーキット内のいたる所で『ホットドック』や『ドリンク』を売るスタンドが並び、お祭りのようです。はいねる君は『フランクフルト』のスタンドに心惹かれましたが、大事なれーすの前なのでオープンカフェで珈琲を飲むだけにしました。

 もし食べちゃったら、走っている間にたくさんかかるGによって気分が悪くなるからです。

 大体こういうサーキット場に特設されているオープンカフェでは殆どインスタントコーヒーが出てくるのですが、ここのカフェはちゃんと豆を挽いて淹れてくれるのではいねる君のお気に入りでした。

 ひそかに『心のおあしす』と称しているくらいです!

 そこに何度も通うので店のマスターともすっかり仲良くなり、ウェイトレスさんもオーダーを取りにくる前にちゃんとはいねる君の好みの珈琲を持って来てくれるのです。このおねえさんもとっても気が利くので、はいねる君はいつも笑顔でお礼を言います。

 いつもの一番奥の目立たない席でゆっくりと珈琲を飲み、はいねる君は自分が落ち着いているのを感じ取りました。



『さあ午後一番からの予選走行も頑張るぞ』



 気合も十分に入っています。美味しい珈琲を静かに飲み干して、ふと立ちあがろうとした時に目の前が翳り、はいねる君は目線を上げました。



「あれ?はいねるじゃん。俺も誘ってくれたら良かったのに…」



 そこには金の髪をしたぐーでりあんが立っています。

 はいねる君はビックリして碧のお目々を見開いて固まってしまいました。不意打ちで来られたら困るのです。ちゃんとしっかり心の準備をしないとお顔が真っ赤になっちゃいますから。

 でも今日はどうにか、真っ赤になるのは堪えました。

 ぐーでりあんは両側にきれいなおねーさん達を連れていたからです。そのおねーさん達がにっこりと笑ってはいねる君に会釈します。

 花形レーサーであるぐーでりあんとはいねる君の仲が良いのを知っているから、ちゃんと挨拶してくれるのです。

 はいねる君はなかなか立ち去らないぐーでりあんを不思議に思い、何か用なのかとじっと見ました。普段ならばれーす前に他所のチームどらいばーと馴れ合うなんて事はしたくないはいねる君でしたが、おひさま笑顔であっけらかんと声をかけられたら無下にできず、返答に困ってしまいます。

 大好きな表情をしているぐーでりあんを見るのは好きなので、声をかけるな!とは言えません。

 いつだってケンカをしたい訳じゃないのに、何時の間にかポカポカと殴っちゃうケンカになるので、今度こそはケンカをしないようにしようとはいねる君は毎回、密かに誓っているのです。

 でも、ついつい意地悪するようにぐーでりあんが揶揄かってくるのでケンカになっちゃいます。

 だいすきなのにケンカになっちゃうと、はいねる君はご機嫌斜めになって、一人になった時に悲しくなっちゃってぽろり、と涙が零れます。



 ぽろり、からころころ、と。



 どんなに止めようと頑張っても涙が止まらなくなっちゃうので、次こそは絶対に!と泣きながら誓うはめになるのです。

 だから今日は、まずじっとぐーでりあんの言いたい事を最後まで聞いてから口を開こうと、思いました。



「今日は俺が勝つからな、はいねるには負けないぜ」

「……」

「でさ、れーすが終わったら飯食べに行かないか?」

「……」

「おい…はいねる聞いているのかよ?折角、誘っているのに」

「……」

「もしもーし?なあ、返事しろよ」

「聞えてる」



 ぐーでりあんが喋り終えるのをちゃんと静かに待っていれば、ぐーでりあんは『聞いていないのか?』なんて顔を顰めて口を尖らせています。隣りに居るおねーさん達は面白そうに笑ってみているだけ。

 はいねる君から何のりあくしょんも返ってこないので、ぐーでりあんは拗ねたようです。

 はいねる君だって本当ならぱ、



『貴様ごときに負ける『さいれんとすくりーまー』ではない!リタイヤしないよう、頑張るのだ
なぐーでりあん』とか、

『どうして私が貴様と食事をしなければならないのだ!そこのおねーさん達と行けば良かろう
。却下だ、却下』とか、

『よく廻る口だな。まずはちゃんと勝ち残ってから言え』

 

 なんて事を言いたくなっちゃうのですが、きゅっと口を閉ざし我慢して聞いていました。



「で、聞いていたンなら返事は?」



『聞いてる』と応えたはいねる君にぐーでりあんがズイ、と顔を近付けて尋ねてきます。



「いやだ」



 にべもない返事にぐーでりあんは肩を落とし、おねーさん達はクスクスと笑いを小さく零しています。

「?」

「ちぇっ。相変らずツレナイやつ…折角マイバースディだから祝ってもらおうと思ったのに。
ま、いいか…じゃな」

 ぐーでりあんも大して期待していなかったのでしょう。すぐに立ち直り、わざとらしく大げさに『しょっく・みー』なんてポーズを取りながら、おねーさん達と離れていきました。

 何事もないようにはいねる君は見送りますが、その姿が見えなくなると口唇をきゅっと噛み締めて俯き、勢いよく立ちあがりました。



 実は大変しょっくだったのです。ぐーでりあんよりも、ずっと!



 でもいつものお顔に戻って勘定を済ませ、SGMのおぢさん達にあてがわれたはいねる君専用のモーターホームへと足を向けます。

 何がしょっくだったのかというと、はいねる君はすっかり忘れていたからです。

 前からぐーでりあんのお誕生日は知っていました。何でも知らない事があるのは気に入らないはいねる君は、いっぱい情報というものを集めています。

 知る好奇心が旺盛なので色々とものしりでもあります。しかも大好きなぐーでりあんの事となれば尚更というもの。

 だけどはいねる君はここの所ましんとれーすの事で夢中になっており、すっかり忘れていたのです。

 これははいねる君のわるいクセでした。

 夢中になると外の事は一切、頭からなくなるのです。

 だから今、ぐーでりあんに誘われるまで思い出しもしませんでした。



『ぐーでりあんのばーすでぃ!』



 モーターホームに駆けて行って、はいねる君はどうしよう?と慌てました。

『ぷれぜんと』も何も用意していないのです。



『うっ……どうしよう』



 困ったお顔をしたはいねる君は今にも泣き出しそうになって、ベッドの上に座りこみます。



 トン・トン・トン。



 おろおろしていたはいねる君の耳に、微かな音が聞こえてきます。何度か繰り返されるその音に我に返って、はいねる君はとてとてと扉を開けに近寄りました。



 ガチャ。



 扉を開けようとした瞬間に開かれた先には、ぐーでりあん…ではなくてSGMのおぢさんが立っています。

「?」

 なんだか慌てている様子にはいねる君は首を傾げました。

 その仕草はとっても無防備で『おしっ!守ってやろう!』といつもおぢさん達を奮い立たせるものでしたが、今回おぢさんは内心で滂沱の涙を零しながら、すぐピットに来るようはいねる君を急かします。

 よく判らないまま、はいねる君は押されながらピットに入りました。そして、次の瞬間には青ざめてマシンの元に駆け寄りました。

 サーキットの中を数台のましんが疾走しています。

 そうなのです。もう予選が始まっていたのです!

 時間には几帳面なはずのはいねる君がなかなか戻って来ないのでSGMのおぢさん達は捜していたのでした。

 はいねる君らしくないと思ったおぢさん達はとっても心配したのです。見つかったはいねる君に安堵しながら、おぢさん達ははいねる君がどこか元気が無いことに気付きました。

 伊達に一緒に過ごしているわけではありません。

 シャイなはいねる君のミリ単位の表情まで汲み取ろうと心砕いて一緒に、れーすを転戦しているのですから!

 おぢさん達は何も気付いていないフリをしてはいねる君を送り出しました。

 無線を遠して聞えてくるはいねる君の声はいたって普通に聴こえますが、おぢさん達の耳は誤魔化せられません。

『さいれんとすくりーまー』から届く走行データとはいねる君のデータの調子が少し乱れています。流す程度でまずは路上のこんでしょんを把握してもらう事にして、一旦無線を切りました。

 はいねる君が運転に集中し始めたのをチェックして、SGMのおぢさん達はわらわらと集まって確認しあいます。



 はいねる君は朝から元気がなかったか?

『NEIN』

 はいねる君は朝から機嫌が悪かったか?

『NEIN』

 はいねる君はピットを離れるとき、具合が悪そうだったか?

『NEIN』

 では、はいねる君が調子悪くなったのには何か訳があると思うか?

『JA』

 はいねる君を精神的に不安にさせる要素、又は言動を取ったか?

『NEIN』



 ひそひそ、こそこそ。とおぢさん達は真剣に確認して一様に首を横に振ったり、縦に振ったりして互いにチェックしていきます。

 その時、『さいれんとすくりーまー』と『すたんぴーと』が絡み合うようにしてピット前を駆け抜けていきました。どうやら、ぐーでりあんが仕掛けているようです。

 えくぞーすとのーとを響かせ、駆け去る2台のましんを見送ったおぢさん達の顔にピン!と閃くものがありました。

 はいねる君にちょっかいを出して、あまつさえ調子を悪くする事の出来るのは…。



『すたんぴーとの、じゃっきー・ぐーでりあん!』



 異口同音での答えが、ピット内に響き渡ります。

 その答えに、おぢさん達はめらめらと怒りの炎をしょって『さいれんとすくりーまー』にちょっかいを出すぐーでりあんのましんを睨みます。



 この場にはいねる君が居たら、きっと困ってしまった事でしょう。

 今回は別に何もされていないのですから!

 どうにか何度かのピットインを行い、はいねる君はどうにか決勝に残れるタイムを出しました。

 乱調でしたが、毎回ラップを刻んでいくはいねる君はちゃんと『ぷろ』としての仕事をしていました。

 おぢさん達は極力、はいねる君が落ち着けられるよう気を配って和やかな雰囲気を作ります。

 はいねる君の大好きなこーひーと甘さを抑えたくっきーを出したり、『疲れたのだね』と言ってゆっくりするよう椅子を勧めます。

 はいねる君は思ったよりもタイムを出せず、おぢさん達にまで気を使わせているのだと思ってますます落ちこんでいきます。

 そんなはいねる君を見て、おぢさん達はおぢさん達でますます『打倒!ぐーでりあん』を誓って、燃えちゃいます。

 なんだか、SGMのピット内はこんがらがってしまったようですね。



 このままではいけない!とはいねる君は反省して、努めて明るく振舞う事にしました。

 だって、とってもおぢさん達が心配しているのが判るのです。

 ぼんやりと俯いていて、ぱっと眼鏡をかけたお顔を上げるとすぐおぢさん達と目が合い、何か言おうとするとしっかりと聞き耳を立てて、一言一句聞き漏らさないよう力を入れて聴いてくれるのですから。

 その日はぎくしゃくする空気の中で、はいねる君は居たたまれずにいつもなら最後まで調整の作業を手伝うのですが、おぢさん達に勧められるまま身体を休ませる事にしました。



 翌日・決勝は慌ただしく終わり、結果はどうにか表彰台には登れましたが思ったタイムもだせず反省すべき点がたくさんあるレースでした。

 もちろんウィナ―はお誕生日を迎えたぐーでりあんです。気分屋なぐーでりあんは、自分のお誕生日なので、とってもはりきっていました。

 しゃんぱんの掛け合いもおおはしゃぎで、はいねる君までびしょ濡れになったくらいです。

 いつもは軽く掛け合う程度なのに、すっかりはいねる君の髪の毛が濡れそぼって下りています。

 写真撮影も終わり、ピットに戻ると撤収作業に入っていたSGMのおぢさん達が風邪をひかないよう、慌ててたくさんのタオルを掛けてくれました。

 はいねる君はちょっぴり下降したままの気分を、おぢさん達に気付かれて気を遣わせてはいけないと思い、声も掛けずに観客の居たスタンドの方へと向かいました。

 おぢさん達は作業に追われて、はいねる君が出かけたことにも気付きません。

 いつもはお手伝いをするはいねる君でしたが、SGMのおぢさん達も疲れているどらいばーに手伝わせようとは思っていませんから、てきぱきと働いています。



 夕陽のあたるスタンドにはもう観客は一人もおらず、はいねる君はゆっくりと気がねなく空いている席に座れました。

 ついさっきまで熱いばとるを繰り広げていたとは思えないほど、サーキットは静かです。あれだけ暑いとおもっていたのに、よぎる風は涼しくてちょっと寒い感じがします。

 ぼー、と何も考えず景色を見ていると誰か近付いて来る足音が聞こえてきました。

「?」

 不審に思って振り向くとぐーでりあんが立っています。

 慌ててはいねる君はお口をぱくぱくさせてしまい、声もだせずお顔も真っ赤になっちゃいました。困ったようなお顔になって、つい俯きます。

「ここから見える景色、おれ好きなんだ」

 ぐーでりあんは慌てるはいねる君に気付かないフリをして、立ったままサーキットを見ます。

「な、はいねるは好き?」

 横目ではいねる君を見て、驚かせないように聞いて来ます。

「……好き、かもしれない」

 好きか、と聞かれて目を向けた景色は一人で見ていた時よりも、ずーっとキレイに見えました。



「…………」

 黙って二人してただ景色を眺めていた時、はいねる君が何かを口にのぼらせました。

「え?何か言った?」

 ぐーでりあんは聞き取れなかったのか、はいねる君に確認します。

 はいねる君は真っ赤なお顔を俯いて、ぽそぽそと何やら言っているのですが…ぐーでりあんが少し屈んで耳を澄ましてみても、よく聞こえません。

「……」

「…なに????」

 ますますはいねる君は俯いちゃいました。

「はいねる、聞き取れないんだけど…」

 少し困った顔で、ぐーでりあんが覗きこむようにして尋ねます。

「………とう…」

「はい?」



「…おたんじょうび、おめでとうって言ったのだっ!」

 意を決してはいねる君がおっきなお声でぐーでりあんの耳元に向かって叫びました。

「うおっ…と…」

 突然、大声で耳元に向かって言われたぐーでりあんは、とっさに耳を手で塞ぎますが言われたことを理解すると、とろけるような笑顔をはいねる君に見せました。

「さんきゅー♪」

 ぐーでりあんは、はいねる君に『おめでとう』と言ってもらえたことがうれしくて、はいねる君の大・大・大好きな笑顔を満開で見せてくれます。

 目の前で、すぺしゃる・おひさま・だいなまいと・すまいる光線を浴びてしまったはいねる君は湯気が出そうなほど、真っ赤になって感極まったのか、ちょっぴりお目目のふちに涙までうかべてしまいました。

「ありゃりゃ…はいねる、どうした?」

 泣きそうになるのを堪えているはいねる君に慌てて、ぐーでりあんがわたわたとします。

「…ぷれぜんと…」

 蚊の泣くような声で、はいねる君が話す言葉をじっくりと待ってぐーでりあんは破顔しました。

「いいって、いいって…はいねるに『おめでとう』って言ってもらえるだけで十分だって」

 手をぴらぴら振って、ぐーでりあんは余計に嬉しくなりました。

 だって、はいねる君がプレゼントのことまで気にしてくれたんですもの。きっと、『やっと同い年になったのだな』とか、『せいぜい半年の事だ』とか憎まれ口がとんでくると思っていたから、すっごく嬉しくてたまりません。

「つぎの誕生日の時で、いいからさ…」

 なんだか元気がなかった原因がこの事だったらいいなぁ、なんて脳天気に考えながらぐーでりあんは慰めます。だって好きなコに自分の事を考えてもらえるのは幸せ♪なんですから。

 一体、どっちが誕生日なのやら…。



 はいねる君はじっ、とぐーでりあんのお顔を見て悲愴な顔つきになっていきます。

「頼むから、そんな顔しないでくれよ…なっ。はいねる(汗汗)」

 ぐーでりあんはどうやって慰めたらいいのやら判らず、おろおろしちゃいます。まるで、SGMのおぢさん達とおんなじです!

 きゅっと唇を真一文字に結んで、はいねる君は慌てているぐーでりあんの、『ばたばた』と動かしている手を掴んで止めると、虚をつかれたぐーでりあんのお顔に真っ赤なお顔を近付けました。



 ふわ。



 ぐーでりあんは何が起こったのか、把握できません。

 ただ、判っているのは……目の前で起こっているのは、長い睫を震わせて目を閉じたはいねる君がぐーでりあんのくちびるに、くちびるを重ねたこと。

 その触れる、やわらかいくちびるも震えているのがわかります。握られている手は冷たくて、痛いくらいにしっかりと掴まれています。

 それは、てくにしゃんのぐーでりあんがリードをするのも忘れるくらいの衝撃でした。

 そっと、離れるくちびるに目を奪われてぐーでりあんは一言も話しません。



「…ぷれぜんと…ないから…」

 聞き取れたのが不思議なくらいちっちゃな声をぐーでりあんはしっかりと拾って、お顔を合わせようとしないはいねる君を、ぎゅっ!と抱きしめました。

「すっげー、嬉しいプレゼントもらったぜ♪ありがとな、はいねるっ」

 感激してはいねる君を上に抱き上げます。

「離せ!ばかものっ!」

 あんまりにも喜びすぎるぐーでりあんをぽかっ、とグーでなぐってはいねる君は脱兎の勢いで
逃げていきました。

 後には、へへっ♪と鼻をさすりながら見送るぐーでりあんだけがずっと立っていました。



―その夜―



 はいねる君はベットに入って、『しゅてぃーる』に今日の報告をします。

『しゅてぃーる、どうしよう…キスしてしまった』

 思い出すだけでもこころがドキドキしています。全然キスするつもりはなかったのに、何かやらなくちゃ…と思うと自然にやってしまったのです。

『…どうしよう…呆れ果てられている、きっと…』

 お目目を瞑っても、今日はどうやら眠れそうにありません。はいねる君は自分がすっごく興奮している事に気付いていないのです。

『どうしよう…しゅてぃーる…』

 どうやら、はいねる君の育てている想いはちょっと真っ直ぐ伸びずにクルクルとまわっているようですね。



『おたんじょうび、おめでとう…ぐーでりあん。すきだから、きらいにならないでね…』



 とっても見当違いな事を心配しているはいねる君は、いつしかうとうとと眠り始めました。


                                     おわり♪





 とおこさんが、恒例の(?)はいねるくんシリーズのお話を下さいました!大分前に下さっていたんですけど、ぐーでりあんのお誕生日ネタということで、今まで一人で楽しませていただいていたのです。このはいねるくんのかわいさときたらもうもうたまりませんよね!一人だけで楽しませていただくのはあまりにももったいなかったので、今回皆さんにようやく読んでいただくことができて私としても本当にうれしいです。
 ああ・・・どうやったらSGMのおじさんたちの一員にいれてもらうことができるのでしょうか・・・(笑)。
 私は、このシリーズに関していえば、ぐーでりあんがうらやましいというよりは憎いです!それはもう、SGMのおじさんな気持ちになってしまっていますから(笑)。
 とおこさん、本当にいつもいつもめんどう見てくださってありがとうございます!とおこさんのおかげで、時事ネタが超苦手なウチのサイトの、それこそ「心のおあしす」ができました!はいねるくんからのちゅー・・・やっぱり憎いわ、ぐーでりあん・・・(笑)。

                            


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