Time Enough for Desire

Original text:引き気味


『 不埒もんだらけ 』


 右手は役に立たない。
 左手も同じ。
 手首をそれぞれ縛られ、ベッドのフレームに繋がれている。
 足もそうだ。
 ロープが固く巻き付けられたアスカの足首は、ベッドの角に向かって思い切り引っ張られた格好で繋がれている。
 関節が伸び切っていた。
 自分の家の自分のベッドの上だというのに、大の字に縛られたこの拘束状態。
 脱出すべく暴れられるだけ暴れてはみたが、これ以上の体力を幾ら注ぎ込んでみたところで徒労にしかならない。そう判断しなければならないだろう。
 しっかりとしたロープを使われている上、結び方も単純なものではないらしい。
 あらん限りの力で引っ張ったところでとても千切れそうな感触ではなかったし。手を変えて色々な方向に揺さぶってみても、僅かにも緩んだという気配はなかった。
(マズい、マズい、マズい! このままじゃ――。くっ、ううっ……!!)
 荒い息ごと唇を噛むようにするアスカの額に汗が滲む。
 学校から帰宅してシャワーを浴び、さっぱりしたところで一人の夕食を済ませ寛いでいた時には思いもよらなかった、渾身の力を振り絞らねばならないピンチ。
 全てが突然だった。
 その上で、
「っう゛ッ、あぅう……!」
 ぞろり、ぞろりと、おぞましく。アスカ自身をこそいでいくかのように、乙女としての急所に挿し込まれてくる生暖かな軟体の、侵略。
 犬か猫かが水を飲んでいるのと似た舌音が、じたばたと暴れる白い太腿の間で鳴り止まない。
 彼女は半裸にされていた。
 パジャマの上はそのままに、剥き出しにされた下半身へ顔を密着させて舌を使っているのが、彼女のいつもと同じだった筈の平穏な夜を破った犯人だ。
 母親が仕事で泊りがけになる今晩、自分以外が居るはずのない自宅に何時の間にか入り込んでいた、だぶだぶ大きめの小豆色ジャージを着た見知らぬ少年。体格の小柄さと、片目に白いガーゼの眼帯を付けた顔付きの幼さから見れば中学生のアスカよりもまだ幼いだろう、そんな相手に、不覚を取らされた。
 直前までは影も形も見せていなかったのに、物音も立てずどうやって背後を取ったのか。自分の部屋に戻ろうと引き戸を開けた途端に後ろから脇腹に押し当てたられた衝撃。あれはスタンガンだとかいう道具で、意識が飛ぶぐらい痺れさせられたに違いない。
 結果、この有り様。
「やめなさい、よぉ……!」
 いくら彼女が顔を真っ赤にさせて睨もうと、怒鳴りつけようと、意に介さず。
 完全に無力化させたアスカという獲物を弄ぶ方に意識が向いているらしいこの侵入者は、目を上げようともしない。
 赤みがかったブロンドに青い瞳。白く透き通った肌。勝ち気すぎる性格さえ隠せていたなら、ヨーロッパ風の城に暮らすお姫様でいても似合うだろう気品さえ備えた美貌。
 彼女の容姿は同世代中において抜きん出たもので、惣流・アスカ・ラングレーという名前は近隣を越えて知られていた。
 そのとびっきりに魅力的な肢体を、いやらしくいたずらすることに没頭しているわけである。
(子供の癖に、どこで覚えてくるのよ。エロガキとかマセガキなんてレベルじゃないでしょ……!)
 身に付けていた服の全部を剥ぎ取る前から、まず下半身を丸裸にさせて。まだ誰にも指一本触れさせていない大事な場所にまで、好き放題でとんでもない真似を。
 唇と舌を使ったセックスの技巧、「クンニリングス」という言葉はアスカでもまだ知識にない。
 何のつもりでこんな真似をしでかしているのかは最早明白だった。
 ――彼女をレイプしようというのだろう。
 そんな年齢で生意気にと言える段階は、とっくに飛び越えていた。
 なのに、自分よりもまだ子供でしかない相手に冗談のように手もなく昏倒させられた上、気付けば屈辱的なこの格好。念入りに拘束された後。
 下着まで奪われていた股間をこうやって気色悪く口を使って凌辱されていて、抵抗する手段一つ残っていないのだ。
「ううっ、うぅ゛……っッ! いやッ……あうう゛ぅ……っ!!」
 知らない子供の鼻息が荒く、芋虫を這わされるよりおぞましい舌先が秘部に動き回る。
 どれだけの嫌悪感を噛み殺し、どれだけ藻掻こうとも。ガタガタとただ無為にベッドが軋むのみ。
 ベッドの四隅に繋がれた手足ではそれを遠のけることも、そこを守ることもままならない。
 「下拵え」されているのだと理解する他ないこの行為にも、既に十分すぎるだけの手間が掛けられていた。
 ここまで来てしまえば、いくら抵抗の意思を貫こうとするアスカであっても流石に、肉体の反応の端々でまではその決意を保つのが難しくなってしまっていた。
「――っッ!? あうぅ゛ぅ゛〜っっっ!」
 目を見開くようにして仰け反ってしまうのは、アスカ自身でさえおっかなびっくりの触り方でしか知らなかった初心な陰核に、包皮越しに甘咬みでもってしごくという、数段上級の悦ばせ方を使われてしまったから。
 あられもなく裏返りそうになった叫び声は奥歯に堪えきれず。かはっ、と一度咳き込むように息を吐いた後の哀れな唇は、容赦なしに次から次へ浴びせられてくる舌技に休む間もない。ひたすらに『ヒッ』『はうっ』『ぁあ、あんンンン……!』と啼かされ続けるのだった。

(……嘘でしょ。なんなのよ、コイツ)
 あまりにも手慣れ過ぎていた。
 恥辱にまみれた快美の感覚のこの強烈さときたら、怖気を震うばかり。
 軽くアクメを迎えそうだったギリギリの瞬間に、何度襲われた?
 背筋をぞわぞわとさせる怪しい喜悦の沸き立ちは、決して真っ向から認めてしまってはならないものだと本能が警鐘を鳴らしている。
「ハアッ、ハアッ、ハアッ……。こっ、こんなの……」
 危機の打開を思考し続けねばならない意識を凶悪な快感に度々吹き飛ばされそうになる中、否応なく悟らされた。
 この早熟の強姦魔は、おそらく――ターゲットの元に忍び込んで実力行使で獲物にしてしまう術を身に付けているだけではない。女性の肉体に無理やり受け入れ準備を整えさせて尊厳を踏み躙る、悪辣な性犯罪者の手管をも知っているのだろう。
 いよいよ冗談事ではない。アスカは増々もって血の引く思いだった。
 こうなると、年齢が年齢な分、男性としての満足な機能は獲得出来ていないのではという僅かな可能性さえ期待出来そうにない。
 確かめるのも嫌で堪らないが、自分の股の間に背中を丸めて陣取っているこの子供は、ズボンの正面をどうさせている……?
 良くは見えない。枕に乗った首をもっと持ち上げなければまともに見えはしないのだが、
(逃げなきゃ。早くなんとかして逃げなきゃ、このままじゃ本当にマズいわ……!)
 下半身を裸にされているアスカは、まだ恋心の実感も覚えたことのない思春期ただ中。誕生日までは十四歳にもならない中学二年生。処女なのだ。
 それなのに、この予告も無くの突然で現実離れした貞操の危機は、段階を踏まない暴力的なエクスタシーに急覚醒させられつつある今ですら、本番の開始前。
 例えば、すっと一筋にシンプルな割れ目でいる清楚な股間へ、早咲きを強いるかの舌先のほじくり返し。充分に潤ったそのスリットの頂きに、秘核を包んだフード状の襞を捉え、上唇で押さえつけながら揉みこねるような舌の腹の使い方。
 どれをとっても、信じられない真似ではある。子供のくせに頭の中はどうなっているのだ。変態が酷い。
「ンぐ……っッ。あぅンンン! ンンンッ、ンッ、ン――ッッッ!!」
 ことに、極端に感じやすい状態まで持っていかれたクリトリスを虐められるのは、覿面に効いた。
 しかし、息継ぐ間もなく次々に手を変え品を変え、巧みに繰り出されてくる何種類もの責め、愛撫技巧を披露していても。幼いレイプ魔は、まだジャージのズボンを下ろしてもいない。
 言わばこの時が最後の猶予。
 今の内になんとかして逃げ出さねば、取り返しのつかない目に遭わされてしまう。
 そう、分かってはいるのに。
「ヒィッ!? もう、舐めないで……! そんなとこ、そんなとこ舌でなんてっ」
 眼帯の少年が這わせる舌と唇は、尿道口のような場所であってもお構いなしにじゅるじゅると吸い、くすぐり倒してくる。
「あっ、あっ、あっ」
 羞恥と怒り、焦燥が、訳も分からずこみ上げる快感とぐちゃぐちゃに入り混じって、お腹の奥に宿ったタチの悪い熱を渦巻かせる。
 早鐘のごとくに打ち付け続ける鼓動。濡れ濡れになったクレヴァスの奥がまた嘘のように止め処もなく、淫らな蜜を垂れ溢す。
 ――勝手に肉体が発情していく。
「いやっ、いやっ、いやぁぁ〜!」
 結局、アスカに出来た精一杯は、縛られた手でただシーツを掻きむしるくらいなのだった。


◆ ◆ ◆


 アスカが半裸の格好でベッドに横たえられ、嬲り物にされはじめて、一時間近くは経ったことだろう。
 その間、ひたすらに執拗な――そしてやけに手際の良い責めへ曝され、彼女のまだアンダーヘアが生え揃いだしたばかりの初々しい秘所は、数度の絶頂を遂げさせられていた。
(何……よ、なんなの、よ……。っアッ、あぐぅぅぅッ……! こんな、こんなのなんかで……!?)
 アスカは認めたりなどしたくなかったが、目にはとっくに涙が滲んで、赤く火照った頬にポロポロと流れていっている。
(気持ち悪い、気持ち悪いッ。――気持ち悪いばっかりのコト、こんなやつなんかにされて! ……なのにっ)
 そうこうする内のそんな合間には、
「こんな、きれーなピンクをしてたんだねぇ……」
 などという、癇に障る生意気口も織り交ぜられるようになっていた。
 どこで自分を知ったのか。目を付けたのか。アスカには全く覚えのない顔で突然忍び込んできた少年が、いざ口を利くようになってみれば。
 こんな真似をしておいてやけに気安く、馴れ馴れしい。
 そうしておいてまた一層、誰を受け入れたこともない媚粘膜の全体を隅から隅へを味わうかの風で舐めしゃぶってくる。
(ダメぇ……っッ。また私、こんなやつにされてるのに! こんなやつに、口でされて……!!)
 ちゅぷちゅぷ、ちゃぷちゃぷ、熱い泉が湧く浅瀬で舌先を遊ばせる風に。尖らせて昆虫の触覚めいた探り方に肉花のそこかしこを穿ち、折り込まれた襞皺の隙間一つ一つをぞろりぞろり、なぞるかの勢いに。
 亀裂の外側に添えた手で左右に暴いて刺激しやすくして、延々、ただただ、飽きもせずに丁寧に丁寧に。時に乱暴な舌遣いで。
(おかしく、なるぅぅ……!)
 それらの全てにアスカは翻弄された。
 全ての愛撫にアスカは敏感に反応してしまった。
 どのテクニックもが、アスカ自身も知らなかったその官能の急所を的確に押さえるものだった。
 気丈でいようとするアスカの精神がぐずぐずに崩し熔かされ、蹂躙されていく一方。
 気付かない内にそれはもう悲鳴というよりも嬌声と呼ぶ他のない、淫らがましい代物へと変わり果ててしまっていた。
「ああっ。ああっ! アアアッ!!」
 下着なしで大の字で固定された両脚の間、付け根の場所の場所はどんどん濡れそぼって、その下になったシーツに染みを付けるぐらいに伝い落ちていく愛液が増える。
「ああっ! あぉ、ぉ……ぉぉぉ――」
 こうなってしまうと、襲われているのだという嫌悪感以上に、はしたない声が止められない。
 少年にこじ開けられるまで秘めやかに守られていた処女地のあらゆる場所が、いまだかつて経験したことがないほど鋭敏になった、アスカの性感帯だった。
 自分の指で触るよりも、丸いペンキャップのような道具を押し当てたりするのよりも。他人の口で刺激されるというのは、どうしてこんなに気持ちが良いのか。
「ふぐっ……。む゛っ、ぅ゛むぅぅぅ……っ、っっッ!」
「ガマンなんて意味無いんじゃないの? もう分かっちゃってるでしょ。ンッ……ンちゅっ、ココにこういう噛み噛みのチューをされるのが――」
「……っッ!? ヒッ、ヒイッ! いやぁぁぁ……!!」
「そう。一番ヨダレを洩らしちゃう、お気に入りの可愛がられ方になったんだって。言ってたもんね。……ふふふ、ピュッピュって飛び散らせちゃってる」
 懸命に堪え続けた昂ぶりをあえなく天辺ラインへ跳ねさせられての、絶頂。
 喘ぎ喘ぎに首を大きくしならせるアスカを下腹部から見上げて、眼帯のない片側だけで爛々と輝いている目がにんまりとする。
「きれーなピンクだったの、エッチな気分いっぱいの色に変わってきた感じ?」
「……ッ」
 飾り毛は頂上付近に未だ僅かのみ。少年の涎なのか、アスカの分泌させた愛液なのだか、ぬらつく汁液まみれになってそれらが張り付いているのが、金髪碧眼少女の未成熟な恥丘の現状だった。
 西洋の血が流れる真っ白な肌をした周囲からすると、少しだけ薄ピンクに色付いていた程度だったクレヴァスの部分も――そうまでされれば赤みを増して腫れぼったく、割れ目の口を開き気味に。まだつるりとした無垢な印象の大陰唇で隠していた狭間の鮮やかさを、今や部屋の明るいシーリングライトの下、てらてらと露呈させていたのだった。
「それに随分、ここもツンとさせちゃって。皮からばっちり先っちょ覗いちゃってるよ」
 声変わりもまだのからかいの矛先は、勿論そこにも向かう。アスカのすべらかな腹部が上下するのに合わせてそこも這々の体に喘いでいる――そういう風に見えている濡れた媚肉でも、一際生々しく粘膜色を濃くさせた、小さな肉芽。
「かわい〜じゃない」
 人前で下着を脱いで見せる経験など無かったのだから、ストレートな揶揄への耐性があろうわけのない場所だ。
 アスカは一層の羞恥に火照る顔を、首をねじって背けさせるのが精一杯だった。
 さんざん悦がらされて藻掻いて、だいぶベッドの上で暴れた後なのに、依然として拘束は緩む気配も無い。あどけない顔の強姦魔に幾ら至近距離に視姦されても、ほんの少しも庇えないままなのである。
「ここも大人になる頃には全然違うぐらい大きくなって、ボッキしたらパンツの上からでもツンツン分かるようになるんだよね。おっぱいと同じで」
 少年がちらりと、パジャマの胸元に目をやって言った。
「……なに言ってんのよ。頭、おかしいんじゃないッ」
「やだな、絶対そうなるんだってば」
 美しい獲物の今まで放っていた乳房に腕を伸ばし、手のひらをあてがってくる。
「嫌ッ」
 拒絶を鋭く叫んでも、小揺るぎもしない薄笑い。
 心臓が暴れている上を柔らかく数度、洗いざらしのパジャマ越しに軽く揉んで。成熟の時期を迎えないミドルティーンにしては自慢できる膨らみと、その頂上の――屈辱的な実情を露呈する有り様を確かめたようだった。
 そのまま就寝するつもりでいたアスカはブラジャーを付けていない。代わりに下に着ていたTシャツでは、防御として幾らも役に立っていなかっただろう。
(……ンンンッ!)
 不覚にも、それだけで敏感になりきっていたアスカは甘い感覚を与えられてしまっていた。
 そのことが尚のこと、恨みがましくてならない。
「ほらぁ。脱がさなくたって、ね?」
 ソフトタッチでまさぐったついでに、パジャマのたるみを撫でつけていったらしい。余裕のある生地にしわが寄っていたのも一時的に伸ばされ、アスカの乳房の輪郭が、二つの小さく尖った頂までくっきりと浮き上がっていた。
「――っ、っッ!」
「あはは、分かりきってたんだから今更そんなに恥ずかしがらなくても。でも、このぐらいでってのが初々しいって言うか? なんかカンドーかな……」

 そこから尚も、時間を掛けられた。
 散々苦しめられた陰湿な口舌愛撫主体の仕打ちなどはまだ、未経験な少女への慣らし程度だったと思い知る目に遭わされたのである。
「ぅあ、ぁ、嫌ぁぁ……」
「……ふふふ、そんなにビクビクしなくて良いのに」
 本格的に指を使って始められた媚肉への責め嬲りにもなると、いよいよ精神のすり減らされようが段違い。
「う、嘘……」
 怯えた顔で信じられないとばかりにアスカが見詰める、その先。アスカが大股開きを強制されている場所の中心に向かって少年は小さな小指を突き立て、綻びだした淫裂にまずは指先を咥えろと、くちゅり。
「あぅ……ぅ……」
 身震いする処女肉の入口のそこで、もう届く。
 生暖くぬかるんだ隘路がもっと奥へと続くのを、塞ぐように窮屈にさせているのが怯えた処女膜で。侵入せんとするのがアスカのそれより、まだスリムな――それも小指だったればこそなのか。第一関節がいとも容易に通過。そのままじわじわ、幼い指の第二関節までも意外にあっけなく、肉花の内側に送り込まれた。
「やめて……やめてよ……。それ以上は、だっ……ダメッ。まだ奥にだなんて、あっ、アッ……! やめなさいったらぁ〜!!」
 それはもう懇願だ。
 今、下手に藻掻けば――と抵抗を止め、ぎゅっと内腿の筋を硬直させているアスカの脚の間で、少年はいかにも愉快げに。
 当然、アスカの悲鳴に耳を貸すこともない。指を止めたりはせず、ヌルヌルに滲み出していた蜜をまぶしながら様子見様子見――処女の証を傷付けない力加減でくぐらせていけば、最後には根本までもが。
「ひどい……」
「タンポンってやつ使ってるんでしょ? 僕の指ならたいして変わんないんだし、そんなガクガク震えなきゃいけないこと?」
 潜り込んでいるのは、ほんの数センチかそこら。しかしこれだけでも、目尻に涙を滲ませる当人からするなら愕然の事態だ。
 であっても、
「子供の頃からスポーツ万能、飛んだり跳ねたり〜って自慢だったわけじゃない。それに、すっごい乱暴な訓練に叩き込まれても、案外マク破けたりしてなかったとか聞いた覚えあるし」
 どこ吹く風の眼帯少年は、さっそくその指を使い、10代前半の処女であったら経験したこともないのが当たり前の膣内責めに取り掛かった。
 くちゅっ、くちゅっ、くちゅ――と、耳朶を熱くさせるねちっこい音を立てて前後に動かし、鮮紅の粘膜で象られた花奥に抜き差ししてくる。
「大丈夫だいじょーぶ。前にやって駄目だったことはやらないんだから。それにコレ、先にしといた方が早めに喜んでくれるようになるみたいだしさ」
「誰のこと……言ってんのよ。アンタが他所でどんな禄でもないことやらかしてんのか知らないけど、一緒にしないで!」
 へし折れそうになっている気持ちを奮い立たせるように、アスカは叫んだ。
「だれが……っ、っッ。誰が、こんな真似されて……!」

 そう、叫んではみたものの。言葉は結局、強がりどまりでしかなかった。
 膨らんだままの乳首やクリトリスが示す通り、一度淫らな火の灯った肉体は、今度もアスカを裏切った。
 子供の指による疑似挿入、疑似ピストン。
「――フッ、っッッ。ふぅっ、ふぅぅッ」
 貫かれ、細長い形をした異物が自分の中を通り抜けていく感触は、生理用品を使う時と大差は無いだろうに。これまで以上に“犯される”ことを実感させる行為の果てで、またも拒絶と恐怖の感情が媚肉を痺れさせる感覚と混ざりあったのだ。
 怯える心が逃避先としてスリリングな興奮とすり替わったのか、少年が言った通りに元来からのアスカの素質だったのか。
 身悶えせん限りの熱い衝動が、再び子宮に渦を巻く。
(あふっ。ふぅンンン……! ダメっ。感じ、ちゃう――!!)
 自らの手綱を振り払い、淫肉の入口が強く強く少年の指を絞め上げる。
 官能に爛れたそこの助勢が、みるみる内に指抽送の動きをスムーズにさせていって。ちゅぐっ、ぐちゅっと掻き出される愛液の量は、失禁と見紛うほどに。
 『もうすっかりヌレヌレだね』と、少年が喜んだ。
「んー、も少しならハードにしても良いかな。やっぱり、オマンコほじくられたら速攻で大喜びしてくれてるんだし」
 両手さえ自由なら首を締め上げてでも訂正させたいところだが、ここまで手ひどく乱れさせられてしまっている自覚があると、いかにも苦しいだろう。
(なんで、なんでっ。……馬鹿にしてっ!)
 なけなしの意地でプライドを守ろうとする唇も次第には喘ぎ声を上擦らせていって、つまるところは聞くも恥ずかしい悩乱のわななき。
 無意識の内に腰が浮き上がっていた。
「ああっ。ぁアアッ、あああっ……! アッ、アッ、アッ!」
 本物のセックスに興じるように、裸の下半身がくねりだす。
 彼女を拘束するロープをギシギシと軋ませつつ、望まない凌辱を受ける最中にある女子中学生とは思えない艶めかしさで、ヒップを揺らしているのであった。
(もうダメっ。もう、もう……。私っ、イッちゃ――っっッ!!)
 放たれた甲高い叫びは隠しようのない喜悦に満ちていた。
 目も眩む思いのオーガズムに果ててベッドに沈み込んだ、汗みずくの彼女が落ち着くまで。少年はいっそ優しげに、アスカの胸の膨らみを撫ぜ回しながら待っていてくれた。
 それがまた一層みじめで、少女は涙をこぼした。


◆ ◆ ◆


「放しなさい! 放しなさいよぉ……!!」
「――あのさ、暴れたってロープ痛いだけじゃない?」
「胸もアソコも、勝手に触んないで! 気持ち悪いって言ってるのよ。死んじゃえ、馬鹿ッ」
 眦を上げて睨み付けるアスカの殺意は本物だ。なまじ飛び抜けた容貌の持ち主であるだけに、気の弱い者なら腰を抜かしそうな凶相になっていただろうものを、
「いい加減、外しなさいったら……!」
「………どうして?」
(ヒッ……)
 逆にアスカがたじろぐ程、片目しか見せない少年が返す表情には、狂気めいた歓喜一色が浮かんでいたのだった。
「もう、なんにも出来ないでしょ? ロープしっかり結べるようになったからさ」
 煮え滾った憤懣をぶつけてやったつもりであったのに、却ってそれを楽しんでいる風でもある。
 凄んでみたところで結局は無力ということだ。
 下半身ヌードにされているアスカの躯は、事実上、少年がもう手中に収めてしまっていると言って良い。思い浮かぶままに弄ぶのも、好き放題の凌辱を加えるのも、胸先一つ。
 悪辣な手段によってであろうと、ただただ言いなりにされるしかない側に置かれたアスカの立場は、この場限りでは厳然たる事実だった。
「やっと、やっとここまで上手に進められたんだ。今度こそ大成功だよ……!」
 常識という箍が嵌っていないのは歴然。まずあるべき分別が付かないまま、年齢不相応の実力、行動力を身に付けてしまっているらしい相手である。
 さっきから言ってる内容もどこかおかしいのだ。どんな思慮が期待できるというのか。
 最悪、命までもが危ういやもしれない。
(大人しく我慢するしかないっていうの……?)
 アスカはじとりと汗ばむ手を握りしめた。
 その縛られた腕で届きそうな範囲にはやはり何も助けになるようなものは無いし、固くロープが結び付けられた場所である手首や足首はヒリヒリと傷んで、そろそろ肌が擦り剥けてきている様子。
 スタンガンの電流を流された麻痺こそは回復しているものの、今は別の理由で体の感覚がおかしくなっている上、ずっと全力疾走をさせられていたも同然に、ぜいぜいと息が上がってしまっている。
 漫画を真似て関節を外して拘束を脱出するだのの方法を実際に出来るわけでもない。
 アスカにはもう何も思い浮かばなかった。

「……急いじゃ駄目なんだよね。油断して手抜きしたりすると、すっごい痛い目見せられちゃうし……」
 少年は無意識の癖なのか、眼帯によって塞がれた左目をその上から擦るようにしながらぶつぶつと呟き、笑っている。
 もう反対側の目をよく見直してみれば、瞳の色はグレーともくすんだ青ともつかない薄い色素のそれ。この街の住人にしては些か日本人離れしていて、そしてその瞳孔がひどく小さく絞られていた。
 さながら、依存性の強い薬物による危険な中毒状態の患者のように。
「今晩だとさ〜。朝まで二人っきりでしょ? 時間はたっぷりあるんだ。まだ、ロープはそのまま。……後片付けは帰る前でいいじゃない」
 少年はへらへらと言う。
「どうして、知ってんのよ……」
 それはアスカの家庭の明日にかけての予定を言い当てたものだった。研究職で不規則な生活になりがちな彼女の母親は実際、良く出来た娘であるアスカを信頼して、事あるごとで留守を任せっきりにしている。
 母ひとり娘ひとりの女所帯である以上、おいそれと誰にでも吹聴はしていないし、家の外では他人に悟られるのを避けて振る舞っているつもりだったのだが。
 しかし実際問題、アスカの自由を奪った少年が予定を把握して計画を立てていて、まだまだ居座るつもりでいるのなら。地獄同様のこの時間は、翌朝までたっぷり継続されるということだ。
(なんてこと……)
 意地に掛けてと歯を食いしばっていた抗いも一度決壊させられ、こう無様を晒してしまっていれば、さしものアスカも絶望しそうになってしまう。
「ほらほら。折角、良い感じにムード出てきてたんだから。つまんない話してたら空気が冷めちゃうじゃない。僕、諦めずにすっごく頑張ったんだよ?」
 パンパンと手を叩きながらベッドの上に立ち上がった少年のズボンの中心部分に、アスカは呻いた。やはり間違いなくそこはこんもりとテントを張っていて、年上の美少女への欲望を十分な形で遂げる程度はばっちり可能なのだと、証明してみせていた。
「ふふ、見たい? エッチだよねぇ……。知ってたけど」
 そうして躊躇せずにジャージのズボンを脱ぎ捨てて、親が子供に買い与えるような白一色のキッズブリーフも、思い切り足元へ引っ張り下ろす。放り投げてしまう。
 びん! と反り返った股間を誇示せんばかりにする。
「――うぅっ」
 生っ白い見た目をした幼いペニスだった。
 未通娘のアスカにだって一目で分かるほど――ギリシア彫刻だとかで大っぴらになっている成人男性の持ち物と比較すれば、あからさまに小さく、つるんとした印象の。
 けれどしっかりと勃起し、急角度に上を向いて屹立している。
 少女の純潔を、実際に穢すことの出来る“手段”だ。
 見せ付けられることは、具体的なイメージを想起させられることでもあった。
「…………」
 いよいよ切迫した危機感による冷たい汗と、先刻までの分が綯い交ぜに。アスカの背筋や首元に、じとりとした嫌な感触がまとい付いている。
 握りしめた掌の内にもだ。
 顔色を悪くした彼女を慮ったわけではあるまいが、眼帯少年は憎らしいぐらい朗らかに『心配しなくて良いって。まかせて、まかせて』と頷いてみせて。そして、にじり寄った。
 大の字に縛られ、守るべき場所は下着まで奪われて、元来が男のそれを迎え入れるためにある――もう一つの唇に似た器官を涎まみれで露呈しているアスカに、覆い被さるように。
 子供のペニスを片手で支えて、先端にアスカの一度も男を味わったことのない入口を捉えてくる。
 『フーッ、フーッ』という、いよいよを確信して興奮する息遣いがすぐ真上に。
「そんなにビビんなくてもさ。痛いって泣いちゃうのもちょっとだけで、すぐに楽しくなってくるよ。ほんとほんと」
「なによ、それ……」
 叫ばされすぎた喉では、半分しゃがれた声しか出せなかった。
 それにしたって――これが、こんなかたちが自分のはじめてなのか。落胆、失望して瞼を閉じ、青い瞳を隠す。
 アスカはそのまま、処女喪失の瞬間を受け止めたのだった。


◆ ◆ ◆


 ――引き裂かれる痛みもあれば、予告されていた通りにひどく悩乱もさせられた。
 激しく打ち付けるピストン運動に、遂には自らおもねるかのように全身を揺さぶらせていた記憶もある。
 初めての性交で注ぎ込まれた精液はおびただしい量で、息苦しくなるまであられもない喘ぎ声を上げさせられていた少女には、性器の中で放尿されているのかとの錯誤が先に立った。『出るぅ!』と耳に届いていた情けない声に、少年が果てたのだと遅れてやっと思い当たり、理解できたのだ。
 男性器の機能。それについて想像による曖昧なイメージしか持ち合わせていなかったアスカの中では、そうやって射精と排泄とが強く結びついた印象が出来上がってしまった。
 自分は穢されたのだと、強烈な実感が刻まれたのだった。
 ティーンの少女らしく期するところの大きかった初体験を踏みにじられ、胸を張って愛する男性に捧げられたはずの心身は汚辱にまみれた。
(あたしは、もう――)
 絶望に凍えるあまり、乙女としての感性は一度、死に瀕したに近しい。
 捨て鉢さが、一時の感情に留まらない確固な質量をもって、精神の奥底に根を下ろす。
 そうなってしまうと、物の見え方も変わってくるのだ。

「ぁ……」
 アスカを生娘でなくしたペニスは依然として膣内に挿し込まれたまま。力も失いきってはいない。
 女肉を責められる悦びを覚えた蜜壺が、少年と少女どちらかの軽い身動ぎ一つにギュッ、ギュッと浅ましい収縮を繰り返している。
「ンぁ、ぁ、まだ……」
 新しい快感が生まれていた。
 自身が無意識に行っていたことに気付くと、アスカは足首がままならないなりに左右の太腿を締め、覆いかぶさっている少年の腰を抱き返すようにした。
 (もっと……)と、明確な意志を込めて可憐なヒップを動かす。
「ぃ、いい……。中と、いっしょに……擦れて……。はぁぁっ――」
 ゆさゆさと少年の体重を下から揺さぶってやると、ぬるぬるになって密着している秘唇の入口でクリトリスにもたまらない刺激が加わるのだ。
 それに、一度落ち着いてしまったせいなのか。そんな風に拘束された体をくねらせることで起こる、胸の尖った先端と寝間着の裏との間の擦過にすら、繊細にさざめく心地よさが感じ取れる。
「あは。またズコズコして欲しくなったんだ?」
「なによ。それが……なんだってのよ。んっ、ンぁぁ………」
 幼いレイプ魔に対して反抗的でいてみせる一方、意識は半ば己の内面の方に向かっていたのだろう。
「……そう、そうだわ。これぐらいからだったら……アソコも、胸も。あたしっ……」
 喘ぎ喘ぎに言い募っている内には、言葉は覚えはじめのセックスへの独白めいた感嘆へと変わっていた。
 やはりまだ険の残る表情であるものの、そうやって頬を薔薇色に上気させながら、切なげに眉根よじらせる美少女の痴態だ。生唾を飲み込むほどの色香が漂う。
「やっぱりエッチ好きのインラン女だよねぇ……“ママ”は」
 胡乱なことを言ってはしゃぐのを彼女は薄く睨むようにしたが。それよりも、とろんと瞳を蕩けさせている官能に耽る方を優先させたらしくあった。
「あっ……あっ……あんン。ンンぅ……」
 アスカのお腹の上にしがみ付く少年が動きを再開させ、腰を前後させはじめたのに、うっとり目を瞑って息を弾ませていく。
 この短期間で急ピッチに適応させられてしまった膣での交わりを、今やすっかり受け入れて、
「胸も――」
 不自由な上半身でもぞもぞと差し出すかのごとく背中をいくらか持ち上げ、ねだりさえして。
 
 やがて繰り返された、アスカにとって二度目の膣内射精までに、眼帯の少年は時間を掛けた。
 いかにも感無量といった様子でいた最初の交媾と比べればの違いに過ぎなかったが、少女はそれで早くも切っ掛けを掴んだのだろう。
 続けて行われた三度目ではより大胆に、成長期のスリムな体躯をしならせ、パジャマの胸元を捲り上げられたことで露わになったバストを弾ませながら、声を二人だけの部屋中に響かせた。
「いい、いいわっ。気持ちいい! おっぱいも……そうよ、乳首をもっとお願い……!」
 甘受するところの喜悦を赤裸々に称える、あえやかな嬌声で。なんら憚ることなく。閉じた窓ガラスを越えて外の夜闇にまで届く悦がり方を、少しもセーブせずに。
「ハァッ、ハァッ、ハァ――ああんンンン!! なんなの、あたしこんな馬鹿みたいにすっごく、感じて……!」
「でしょ? ママ好きだもんね、ここんとこっ。ほら、こうやってズンズン突いてあげるのが」
「ぁぉ、おおおおお……!」
 枕元に広がったブロンド髪をざわめかせて、いやいやをするように茹で上がった美貌が振りたくられる。
「いく? ママ、おまんこイッちゃう……?」
「ダメッ。……まだ、まだよ。まだぁ、まだもっとぉ……!」
 乙女だった時の彼女ならば恥知らずなと顔を顰め、『気持ち悪い』と吐き捨てたことだろう。
 小気味よく肉を叩く音に、粘ついた液体を撹拌する音を重ねさせ、ハイテンポな抽送をぶつけ続ける――幼くも堂に入った少年の腰遣いが、あれこれと色々試してくる風にするのを、率先して歓迎して、
「うはっ、すっごいギュウギュウ締め付けてる。やっぱりそうだったんだ。ママはママだもん。色々あったからとか言ってたって……最初っからヘンタイだったんじゃない! ほらっ、ほらぁ!!」
「イイわっ。もっと私を犯して! もっと早く、もっともっと強くして良いから……! ァ、アアアあああん!!」
 両腕両足を大きく開いて繋がれている中での最大限で、まだ熟す前の肢体を躍動させ、アスカは彼女のはじめての男を貪った。
 最終的に二人でタイミングを揃えて絶頂に至ったのも、少女の方から膣内の深くまで来て射精するよう要求した上でのことだったのだ。


◆ ◆ ◆


「……はぁっ、はぁっ、はぁっ。すっごいよ、ママ。最っ高だったよ」
 立て続け精を放った少年は、アスカの胸の上でいかにも満足げにしていた。
「ふふ、ふふふ……。今度こそ僕が、ママのはじめてを奪ってやったんだ……」
 途中からしきりに彼女を自分の母親と同一視しているかの錯乱した言動をみせていたのだが。何もかも思い通りに出来たということで落ち着いたのか、薬物の影響下を思わせた顔付きも穏やかに変化している。
 年齢差、体格の差を覆し、異様に手際良くアスカへのレイプを成功させてみせたにしても、体力の限界は見た目通りの子供の範疇を越えていないのだろう。
 こちらもまだ息が整いきらないアスカの乳房に頬を押し当てて、安らいでいるとも、甘えているともとれそうな姿だった。
 すると――。
 真上を見上げていた汗だくの顔から目線だけを動かし、その様子を静かに眺めていたアスカが、そこで――静と動を極端に切り替えた動きを見せたのだった。
 一瞬で翻される上半身。
 もたげられた、形の良い顎。
 かぁっ、と歯を剥く。
 『えっ』と、無防備にもすぐそこ、届く距離で、少年が細い首を晒していたのに。その白い歯列を食らいつかせ、頸動脈を噛み千切って、致命の逆襲を遂げるために。
 そこに命を奪う躊躇も、殺人者となって自分の未来も台無しにしかねない恐れについても、何一つ見せずに。
 後はどうなっても良いから殺してやる。たったそれだけの、いっそ無機質で純化された殺意が、しかし、
「――ぐっ、っッ」
 そのまま少年の首筋に突き立てられることはなかった。

(なに、がっ……!?)
 アスカは後ろから首を締められていたのだ。
 何時の間にか背後に現れていた。認識外のところから隙を突かれた。まださしての時間も経っていない、先刻の痛恨事を再演するかのごとくに。
 不意打ちを仕掛けたのを、不意打ちで潰されてしまった。
 そしてまたアスカの反抗を下してみせたのは、今度もやはり、片目に眼帯を付けた少年なのであった。
 瓜二つの顔で、まったく同じに小豆色のサイズオーバーなジャージを身に着けている。

「……あれ? ひょっとして僕、殺されるところだった?」
「ギリギリで躱せて、耳を食い千切られた程度で済んだ“僕”が最初居たらしいよ。おかげさまでだけど、僕も“前の僕”から聞いただけだし」
「うーわ、おっかない。片目で片耳なんてのはカンベンして欲しいなぁ……。油断一瞬、後悔一生だっけ?」
「だったっけ? まぁ、“君”も後でよろしくね」
「OK、OK。……にしても、こんな歳の時から流石だよねぇ」
 双子かと見紛う子ども同士が軽口を叩き合う。
 ひどく、思っていたよりもずっと異常なことが起きている。そう混乱する彼女に、『それじゃ、次は三人でヤろっか』と軽く、嬉しげに宣告して、そちらの少年もベッドに上がってくる。
「大丈夫。わけわかんなくて怖いって泣いちゃうけど、ちょっとの間だけだよ。すぐに楽しくなってくるから。……ほんとほんと」
 ついさっきも似た台詞を聞かされた記憶があった。
「――エッチ好きの、インラン女だからねぇ」
 果たして、この第二の少年もまたアスカのことを、『ママ』と呼んだのだった。
   




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