A Myth That Stays Close To You

Original text:引き気味


『 欲望支援都市 』


 基本、遊ぶこととスケベなことしか頭に入っていない思春期男子中学生といえど、第3新東京市の住人である。誰だってMAGIシステムのことぐらいは知っている。
 知らないのは昨日今日移住してきたような新参者ぐらいだろう。
 曰く、なんでも知っている。なんでも計算できる。なんでも訊けば答えてくれる。
 第3新東京市では市政すらMAGIシステムに任せているほどだ。
 おかげさまで天気予報は番地単位が10分刻みで正確無比――と、朝方折りたたみ傘を持って出勤していく父親らの感覚などは、それが当たり前の生活しか知らない子供たちには分からない。
 ただ、そんななら宿題の答え見せてくれないかなぁだの、ゲームの新しいボスキャラの攻略法誰より早く教えてくれないかなだとか、クラスのあの女子誰のことが好きなのか調べられないの? 等々とつらつら考えるぐらいである。
 所詮は夢想どまり。
 MAGIシステムを扱えるのは市の役人でもほんの一握り。大学や研究機関に解放されている民間向けアクセス権限もかなりの制限付きで、利用申請からの順番待ちは数ヶ月や年度跨ぎどころでは済まないという。
 ただの中学生の、「今度の期末テストの問題教えてくれ」などといった低レベルな話がどうして相手にしてもらえるのか。
 そこでいつも終わる話の筈だった。

「マジだったの!?」
 70点、と赤く採点された答案用紙を皆で囲んで覗き込んで、一人の少年が声を上げた。
 誰一人本気にしなかった話を持ち込んでいた当人が興奮した様子でまくしたてる。
「教えてもらった内容憶えきれなくて、結局こんな点数だったんだけどさぁ」
 当の本人からしてが、いまいち信じきれないけど当たってたら凄いよな程度のものだった顔つき。それが今や瞳を爛々と輝かせて、口ぶりもまた熱っぽく、
「全部マジだった。この単語出る、ここのページとここまでの内容、授業でこう説明してただろって見せられたその授業の時の動画憶えてた分だけでも、こんな良い点取れたんだぜ!」
 もっとマジメにやっときゃ良かった、そしたら満点取れてたはずなんだ、とまで言う。
「いやいや、お前がいきなり満点とかクソ怪しまれるだけだから」
「アホの30点マンにしちゃ今度は随分上等な点だもんな」
 それでと、皆がその生徒のスマートフォンに起動されているアプリへと視線を注ぐのだった。
 ――リリンのお役に立てたようでなによりです。
 ――また御用がありましたら、いつでも声を掛けてくださいね。

 装飾無しの簡素なチャットスタイル。文章の主は自らをMAGIシステムと同等以上の能力を持つネットワーク知性だと称し、<導きの星>を名乗っていた。
 それがまたアプリそのものの名称でもあった。

 時間差はあれど同様に、MAGI級AIの悪用という話題は職員室でも噂になっていた。
「聞きました? 仙石原の中学じゃ、生徒が馬券で当てたお金で随分な使い方をして問題になったそうですよ」
「問題になるほど派手な使い方って……いったいどれだけ稼いだんです?」
 書類仕事のノート画面から顔は動かさないまま、年齢確認は? と呆れた声を返した同僚も『見た目の判断だけですもん。マスクしてりゃ分かりませんよ』と言われてしまえば納得するしかない。
 だがさすがに、噂ですがと前置きされて聞かされた額が額だっただけに、彼も残業仕事から唖然とした顔を上げて振り返ったのだった。
「そりゃ……気が大きくなるのも無理はないというか、手堅くタンス貯金にでも回してりゃ一生安泰だったろうに……」
「中学生なんです、この間までランドセル背負ってた子供なんですから。それに、噂になってるのは未成年が馬券を買ったとかじゃなくてですね――」
「……MAGIの不正使用? それで万馬券を予測して? いやありえないでしょ、そんな大事を。ただの中学生に」
「勿論、可能か不可能かで言えば仕組みの上では100パー無理って話ですし。生徒が言うアプリの痕跡も見付からなかったとかで、作り話だろうってオチなんですけどね」
 そりゃそうだで終わる、あくまで噂止まりの存在に過ぎなかった。
 噂が持ち上がることはその後も幾度となく続いたが、不思議と一度たりとも大人を登場人物にすることはなく、次第に子供たちの間でしか広まらなくなっていったからである。
 より正確には、十四歳の中学二年生。
 実態の全てを把握する者などそれこそ、その正体不明のAIだけだったろう。
 だが、時間の経過と共にその存在は、大人たちの目から自らを巧妙に隠蔽する手段を進化させていったようなのだった。
 大人たちの把握するところとはつまり社会一般とほぼ同義である。
 ごくごく僅かな、MAGIシステムと並ぶほどに超越した演算能力を自由にできる幸運に恵まれた少年少女達が、その利用方法に何を思いついたのか。
 その頃には、事を発覚させないノウハウをすら抜かりなく助言するようになっていた<導きの星>のユーザー達によって、社会の目が届かない領域で何が生み出されていったのか。
 MAGIの恩恵下で高度な管理社会を実現した筈の第3新東京市の裏側に、何が広がろうとしていたのか。
 あくまでも主役は十四歳の子供たち。
 発想は無邪気で、無分別で、そして発想はどこまでも自由に野放図だった。


◆ ◆ ◆


 夏休みが過ぎた頃、「ひと夏の経験」という使い古されたキャッチコピーに過剰な好奇心を掻き立てられた子供達が居た。
 その手には子供達からすると不可能事など何も無いとも思える万能アドバイザーを宿したスマートフォンがあり、彼らはいとも気軽に質問したのである。
「うちのクラスのあの可愛い子、なんか雰囲気変わったみたいに思うんだけど、この夏で経験済ませちゃったりしたのかな?」
 アプリは愛想よく回答した。
 ――はい、あの可愛い子とはあなたのクラス、2−Aの出席番号2番である綾波レイさんのことですね。
 ――そうです、綾波レイさんは先月までの夏季休暇期間の間にはじめての性交渉を行いました。この行動を「ひと夏の経験を済ませた」とロマンティックに形容することは、リリンの文化においてよく見られる一般的な表現方法ですね。
 少年たちはどよめいた。
 四月、クラス決めで一つの教室に集められた初日から彼女の人目を引くアルビノの容姿と美貌は男子生徒たちの関心の的であったし、反比例して一クラスメイトとしての関係構築にすら難のある物静か過ぎる性格から、そういった色っぽい、或いは不健全なイベントとはおおよそ無縁だろうと看做されていたからだ。
 まさかなと思いながら訊いてみただけだったのに。
 愕然とする少年もいたし、嘘だろ何で分かるんだよとスマートフォンの液晶パネルに向かって詰め寄った少年もいた。
 ――綾波レイさんが夏季休暇中に異性との性行為を行った事実について、そして彼女にとって初めての性交渉だったと判断できる根拠についてお尋ねですね?
 少年たちは一斉に頷いた。
 ――了解です。それでは綾波レイさんの7月17日の行動について説明しますね。
 アプリはまたも愛想よく回答した。
「……終業式の後じゃん!」
「え、何? 綾波ってあの日がバージンだった最後だったわけ!?」
 ――綾波レイさんは終業式が終わった後、下校してすぐ迎えに来ていた保護者男性の車に乗車しました。
 ――保護者男性の運転による小一時間ほどの移動で箱根のシン・グランドアトランティスホテル強羅別館に到着。温泉付きコテージの部屋に二人で二泊三日予定のチェックインを行っています。
 ――そこで昼食をとった後で入浴。入浴中に性行為を開始しました。
 淡々と記述されていく、クラス一の寡黙な美少女の印象を裏切るインモラルな秘密。
「ほ、保護者男性って……親と? 親父とヤったってってこと!?」
「昼メシ食ってすぐ温泉って、つまり露天風呂なんだろ? 昼間っから青姦決められて処女膜貫通とか、レベル高すぎんわ」
「あんな顔して綾波、むっつりスケベの淫乱だったのかよ……」
 慄きながらも思い浮かべたのは、緑深い景色に包まれて世間から隔離された中、半身を白く濁った湯に浸しつつ、艶めかしく湯気に晒された華奢な裸体だったろうか。
 少年たちの知る綾波レイとは、青白い肌をした病弱なイメージと共に、体育服姿や水着姿で分かる意外にも豊満な胸の膨らみの持ち主であった。
 その揉みごたえのありそうなバストを年上の中年男性にまさぐれて喘ぐ、美しいアルビノ少女の痴態。
 静まり返った中、か細く聞こえたあの美しいクラスメイトの喘ぎはいったいどんな声だったのか。
 白い湯気に包まれて日焼けしない素肌をくねらせ、蒼銀の髪を振り乱す。そうして男の太い指にいじくられる乳房の先端の乳首は、どれだけエロティックに色付いてしまっていたのか。
 中学生男子が身近な相手で妄想できる限界を突破していたのだろう。
「やっべ……」
 ぽつりと溢される、興奮と嫉妬の色濃い一言。
「親父も自分の娘コマすとか変態過ぎだし。親子でドスケベ好き者同士とかさぁ……」
 ――そうですね。保護者男性とだけ説明したのではそういった誤解を招いてしまうのも当然でした。
 ――説明します。保護者男性とは綾波レイさんとは親戚関係にあり、十歳の頃から後見人として登録されている碇ゲンドウ氏です。
 ――碇ゲンドウ氏は国連機関職員としての公式プロフィールによると四十八歳ですので、中年男性を指す俗称としてであれば「オヤジ」で間違いありませんが、綾波レイさんとは直接の親子関係にはありません。

「……碇? えっ、碇って?」
 この補足もまた混乱を招いた。
 何故なら彼らのクラスには同じ碇という苗字を持つ少年が転校してきており、国連機関のかなり上層部の父親を持つともっぱらの評判だったのだ。
 そしてこの碇少年こそが、或いは校内でも唯一、綾波レイと交際関係に発展しうる相手だと目されていた男子生徒でもあったのだから。
「…………」
「……義理の兄妹みたいなもんだったってことか? だから仲良かったとか」
「にしたって親父ヤベーよ。保護者は保護者なわけだろ。それに自分の子供ほっといて、面倒見てる娘の方を学校終わってすぐ泊りがけの温泉旅館に連れ出すとかさ……」
「絶対、前々から手ぇ出してたよな。……碇のやつ、自分ちで親父が綾波にエロ調教とかしてたの知らなかったのかよ」
「知っててあんなボケボケっとした顔出来るやつじゃないじゃん……。悲惨だろ。悲惨すぎんだろ」
「その温泉宿に連れ込まれた日のが綾波のはじめてでしたとか、却って信じられなくなってきたんだけど。保護者やってたんなら幾らでもヤれるタイミングあるわけだろ?」
 同級生の少年と少女、二人が実は一つ屋根の下で暮らしていたのだとは最早少年たちにの認識では疑うべくもない事実となっており、その上で綾波レイはシンジ少年に隠れて夜な夜な好色な保護者による性的な教育、開発を施されていたのだというストーリーが出来上がっていた。
 そして第3新東京市におけるあらゆる物事を把握しているとしか思えないアプリもまた、少年たちの憶測を肯定するような事実をばかり提供してくるのだ。
 <導きの星>曰く、
 ――そうですね。強羅の温泉旅館で性交渉を行うより以前の時点でも、確かに二人が性的行為を含む男女としての親密な関係にあったと推定される記録があるのは事実です。
「やっぱり!」
 ――たとえば碇ゲンドウ氏はこの日、強羅へ移動するルート上の70パーセントにおいて自動運転システムに車を任せています。その間、助手席の綾波レイさんと一次的接触に至っていたと判断できる状態が複数回、交通監視システムに捉えられていました。
 ――画像を提供することも可能ですが、必要ですか?
 少年たちが異口同音に勿論と声を揃えると、路端や道路上を跨ぐ標識に併設されたカメラの一つから撮影されたと思しき画像が、スマートフォンに表示された。
 ――移動中の対象をカーフィルム越しに撮影した画像は不鮮明なので、補正を行います。
 国内メーカーの相当に値が張るクラスだとしか分からない車の助手席側を、フロントウィンドウとサイドウィンドウの丁度境目あたりで俯瞰の真正面に捉えた視点。
 一番、助手席に座る人間の胸から下がよく見える角度だ。
 そこから撮った映像では、はじめは隣り合う二枚の窓が鏡のように景色を反射しているだけだった。
 最初の補正で右側のサイドウィンドウに少女の太腿らしき二本の白い目立ったシルエットが現われ、次の補正でそれが制服スカートを大きく捲り上げて座る綾波レイの、揃えられた両太腿なのだと分かった。
 次の補正でいよいよ画像は鮮明に。それがただ姿勢だけは行儀よく、下着を晒したままシートに座っているのに留まらず、意外なアダルト趣味の黒いショーツへと運転席からの手が伸び、股間を触られているところなのだとはっきりする。
「うっわ。アソコばっちりいじられちゃってるじゃん、綾波のやつ……」
 撮影アングルの都合で車のルーフが目元まで顔の殆どを隠してしまっているものの、少女は『ああっ……!』とばかりにその口を開け放ってしまっているのだ。運転席から左腕を伸ばす男に敏感な場所をいじられ続けての結果なのか、彼女が随分と全身強張らせてしまっている最中らしいと、そう察しも付いてくる。
 アプリ画面に文字が踊り、躊躇も慮りもない解説が続いた。
 ――この時、綾波レイさんは碇ゲンドウ氏によって女性器への愛撫を施されていたのだと判断できます。
 ――綾波レイさんの平常時の肌からすると、体育の授業でランニングに参加していた時と同程度の変化、紅潮と発汗が確認できました。
 一定のペースを保って走り続けるのに相当する心拍数増加、呼吸数増加傾向にあったものと推測され、またこれらから綾波レイさんがかなり興奮した状況にあり、碇ゲンドウ氏による刺激に対し肯定的な評価を行う精神状態にあった可能性が高いです。
 ――このため、綾波レイさんは碇ゲンドウ氏が性器への接触行動を継続することを許容していたのだと判断できます。
「……なにそれ、綾波の方も気分出しまくりで『もっと、触ってください……』みたいなこと言ってたとか?」
「エっロぉ……」
「顔、顔はっきり写ってるやつ見せてよ、ねぇ」
「口のとこだけでもすっげぇだろ。単にやらしいっての越えて、扇情的とか悩ましげなとか言うのかさ。中学生女子の出して良いエロスじゃねぇぞ。絶対、とんでもないエロ声で喘いでるって、これ」

 そうして、この画像と類似した構図の記録が、レイの自宅周辺カメラだとか碇ゲンドウの職場、レイの通う医療施設内監視カメラと、それらの地点を結ぶルート上の各所監視システムからも見付かっていると報告するのだった。
 その中でも最も古いものは丁度、綾波レイが今の住居に住むようになった中学校入学当初の時期になるとも。
「自分ちに引き取ってから速攻でエロ教育始めてたんか、この髭オヤジ。ロリコン筋金入りじゃん……」
「あそこツルツルのロリだった頃からドスケベ調教されてたんだよ。超・上級者じゃん。他の女子が碇見てキャーキャー黄色い声上げてんのも本当のとこ馬鹿にしててさ、碇の親父の方と毎晩すっげーオトナの関係やってたんだぜ」
「むしろ、こないだまでマク破られないで処女のまんまだったって方が驚きだろ」
「そっちの方のさ、その温泉でおっ始めた時からのお宝シーン完全保存版動画とかは無いわけ?」
 アプリがそのリクエストじみた質問に残念ながらと回答を寄越すと、少年たちは呆れ果ててしまっていたのと合わせてやり所に困るぐらいの興奮を一緒に抱え込む羽目になってしまったような、憮然、憤然とした顔で唸るのだった。
「それで何でガチのセクースしたって断言しちゃってるの?」
 ――はい。該当宿泊施設上空通過コースにあったモニター衛星による、リレー映像が提供できます。
 ただし超望遠の、殆どただ人間が二人、裸で密着したシチュエーションの真上からなのだなと分かる程度の物に留まるのだが。
 ――綾波レイさんがそこで初めての性交に及び、いわゆる処女喪失を経験したのだという推測は、それらを含めた前後の状況、そして翌朝に周辺の散策に出た際の歩行状態から判断しました。
 常に無いおかしな歩き方をしていた。そんな様子は綾波レイを捉えた過去のあらゆる記録に残されてはいなかったし、他のサンプルケースでのいわゆる初夜直後の歩行パターン変化、全世界分の解析結果との類似性が相当に高かった。
 結論して、彼女はその日そこで処女を喪失したに違いない。
 アプリの言葉を疑おうとは、もはや思いもよらない彼らなのだった。

「……くっそ、ズリぃぜこのヒゲ親父。うちらの組で一番の顔してる綾波をさぁ」
「ロリコン親父の野望そのまんま実現しちゃったような真似して、なにそれ? ガキの頃からエロ調教して、夏休みになった途端に二泊三日しっぽり山奥の旅館で抱きまくり。体育服でゆさゆさ揺れてたおっぱいモミモミ揉みまくって、ちゅぱちゅぱ吸いまくるとかやらかしたわけかよ」
 それぞれ皆が思い浮かべた。ヤクザ紛いの髭面をした中年男に、彼らの身の回りに居た中で一番の美少女が組み敷かれて朝から晩まで犯し抜かれる、その犯罪的な情景。
 ただただ極端に言葉数が少なく、自分たちが掛ける声にはまったくにべもない、教室の端で静かに本を読んでいるような姿だけだった無愛想な高嶺の花が。処女喪失したばかりなのに長年の性調教で感じやすくなった肢体を汗だくにしながら、彼らは聴いたこともない淫らな叫びをひっきりなしに上げさせられているところを。
 皆が皆、自分達が権利を持っていた大事な何かを横取りされて台無しにされたような、そんな憤慨をして、勃起していたのだった。

「いや、待てよ?」
 やがて少年たちの一人が何かに気付いた風に声を上げた。
「夏休みの初日の分が無いってだけなんだろ? それはそれで一回こっきりのレアイベントをゲットし損ねたって感じで残念だけど……碇の親父がそんなド助平だったんならさ、残りの夏休み丸々全部、一回も綾波とヤってないってわけないじゃん!」
 確かにと一堂が盛り上がり、勇んでアプリに要求しようとしたところだった。
 また別の少年がやはり気付いたとばかり――それももっと重大なことに思い至ったと皆をかき分け前に出て、スマートフォンに向かって訊ねたのである。
「歩き方だけでそんなはっきり、ショジョか非ショジョになったのか分かるんだったらさ……」
 ごくりと息を飲むかのように続きを口にする。
「うちのガッコの女子全員、ヤったことあるかどうかって……分かったりするの?」
 果たして彼らの導きの星は、YESと回答したのだった。
 限定的ではあるが、可能だと。
 第3新東京市住民として登録される以前において、既に別の土地で異性体験を済ませていたような年齢の者でもなければ、それならば判断に足るだけのデータが揃っている。ずっと記録されているのだからと。
 ――はい、勿論です。ご希望ならまず手始めに、あなた達の2−Aの女子生徒の分からリストを作成することが出来ます。
 ――何時、何処で、誰を相手に最初の性交渉を行ったのか。お知りになりたいですよね?
 少年らの要望、或いは欲望を先取りしたかの提案だ。
 一度皆で顔を見合わせた少年らの答えなど、最初から決まりきっていた。
   




Menu 感想はこちらへ

From:エロ文投下用、思いつきネタスレ(7)